JP4561600B2 - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ドットマトリクスを出力する装置において濃度むらを補正する技術に関する。
インクジェットプリンタ等、液滴吐出機構を有する画像形成装置は、印刷の高速化のためにインクを吐出するノズルを複数有している。ここで、理想的にはすべてのノズルが均一な間隔で一列に配列されていることが望ましい。しかし、現実には製造技術上の問題からノズルの間隔には一定のばらつきが存在する。また、ノズルから吐出されるインクの量にばらつきが生じる場合もある。このような印刷ヘッドを用いて印刷を行うと、ヘッドから吐出されたインクは、ノズル間隔のばらつきに起因して着弾位置や大きさにばらつきが発生する。すなわち、用紙上に形成される画像(ドット)は、ノズルのばらつきを反映したものとなってしまう。特にラインヘッド型インクジェットプリンタのような用紙送り方向のみの1パス型の画像形成装置においては、このようなノズルのばらつきはいわゆるバンディング現象を引き起こす原因となる。
ノズルのばらつきに起因するバンディング現象を抑制する技術として、画像処理によりノズルのばらつきを補償する技術がある(例えば特許文献1〜3参照)。特許文献1には、ノズルのばらつきに起因する印刷濃度のむらを、補正テーブルにより補償する技術が開示されている。すなわち、いわゆるベタパターンを印刷したときの印刷濃度に基づいて得られた補正係数をあらかじめ画像形成装置に記憶しておき、印刷時には画素の階調値に補正係数を乗じることにより濃度むらを補正するものである。特許文献2には、特許文献1に記載の技術に加え、階調特性を直線状に補正する技術が開示されている。特許文献3には、複数の補正テーブルを用いて濃度むらを補正する技術が開示されている。
特開平1−129667号公報 特開平3−162977号公報 特開平5−57965号公報
しかし、特許文献1〜3に記載された補正テーブルはいずれも、補正対象となるノズルの特性のみに着目したものであって、隣接するノズルの影響を考慮したものではなかった。そのため、隣接ノズルの影響により正確な濃度補正を行うことができず、印刷画像の画質が悪化してしまうという問題があった。ここで、隣接するノズルの影響とは、以下で説明するような問題をいう。
図31は、補正テーブル作成の際の隣接ノズルの影響を説明する図である。図31は、隣接する2つのノズル(ノズル2403および2404)により用紙(記録材)上に形成される2つのドット(ドット2401および2402)を示している。例えば、ドット2401および2402が階調値120の出力データにより形成されたドットであり、補正前には、ドット2401の濃度が110、ドット2402の濃度が130と測定されたとする。この場合、ドット2401は濃度が120になるように(濃くなるように)、ドット2402は濃度が120になるように(薄くなるように)補正される。ところが、ドット2401の濃度が110と測定されるのは、「ドット2402の濃度が130である」という事実に影響されている。図31では、ドット2402が一部ドット2401と重なりを生じており、この重なりによりドット2401の濃度が110と測定される。しかし、実際にノズル2403から吐出されるインクの量は、濃度110に相当する量よりは少ない。そのため、濃度110を120にする補正を行っても、ドット2401の濃度は意図したものにはならない。これは、隣接ノズルの影響を考慮せず、補正対象のノズル単体の特性にしか着目していないことが原因である。さらに、これ以外にもノズルの取り付け位置の誤差なども隣接ノズルに影響を与える原因となる。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、隣接ノズルにより形成された画素等、補正対象となる画素以外の画素の影響を考慮した補正を行うことができる画像処理技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、画素毎の入力画素値を含む入力画像データを構成する複数の画素のうち補正対象となる自画素の入力画素値と、前記自画素に隣接する参照画素の入力画素値と、前記自画素の出力画素値とを対応付けた濃度補正テーブルを記憶したテーブル記憶手段と、前記テーブル記憶手段に記憶された濃度補正テーブルと前記自画素の入力画素値とに基づいて、前記自画素の要求出力画素値を算出する要求出力画素値算出手段と、前記画像データに対し、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する補正処理を行う第1の画像補正手段と、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定することができない場合、前記画像補正手段とは異なるアルゴリズムで前記自画素の補正値を決定する第2の画像補正手段とを有する画像処理装置を提供する。
この画像処理装置によれば、補正対象となる画素以外の画素の影響を考慮した補正を行うことができる。さらに、要求出力輝度と出力輝度が同一となるように補正値を決定することができない場合でも、通常の補正値算出アルゴリズムとは異なるアルゴリズムで補正値が算出されるので、高画質の画像を得ることができる。
好ましい態様において、この画像処理装置は、前記自画素が、前記入力画像データを構成する複数の画素からあらかじめ決められた順番で一画素ずつ特定され、前記第2の画像補正手段が、前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値との差が最小となるように前記自画素の補正値を決定し、前記第2の画像補正手段が、前記複数の画素のうち既に補正値が決定された画素から前記あらかじめ決められた順番と逆の順番で一画素ずつ再計算自画素を特定し、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記再計算自画素の要求出力画素値と前記再計算自画素の出力画素値とが等しくなるように前記再計算自画素の補正値を再計算してもよい。
別の好ましい態様において、この画像処理装置は、前記第2の画像補正手段が、前記自画素と、前記自画素以外の画素であって前記自画素とあらかじめ決められた位置関係にある一または複数の周辺画素とにおける出力画素値と要求出力画素値との誤差が最小になるように前記自画素および前記周辺画素の補正値を決定してもよい。
また、本発明は、画素毎の入力画素値を含む入力画像データを構成する複数の画素のうち補正対象となる自画素の入力画素値と、前記自画素に隣接する参照画素の入力画素値と、前記自画素の出力画素値とを対応付けた濃度補正テーブルを記憶したテーブル記憶手段から、前記濃度補正テーブルを読み出す読み出しステップと、前記濃度補正テーブルと前記自画素の入力画素値とに基づいて、前記自画素の要求出力画素値を算出する要求出力画素値算出ステップと、前記画像データに対し、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する補正処理を行う第1の画像補正ステップと、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定することができない場合、前記画像補正手段とは異なるアルゴリズムで前記自画素の補正値を決定する第2の画像補正ステップとを有する画像処理方法を提供する。
さらに、本発明は、コンピュータ装置に上述の画像処理方法を実行させるプログラムおよびこのプログラムを記憶した記憶媒体を提供する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.画像形成システム>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システム1の機能構成を示すブロック図である。画像形成システム1は、画像形成装置200およびPC(Personal Computer)100から構成される。画像形成装置200は、制御データに従ってインクの吐出を行い用紙(記録材)上に画像を形成する装置である。PC100は、画像形成装置200を制御するコンピュータ装置である。PC100は、ワードプロセッサ、画像加工ソフト等のアプリケーション108と、画像形成装置200を制御するためのデバイスドライバ109とを有する。アプリケーション108は、ユーザの指示入力などに応じて画像データをデバイスドライバ109に引き渡す。デバイスドライバ109は、処理対象の画像データ(RGB(赤、緑、青)カラー多値)を、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)の色毎にノズルからのインクの吐出を指示する制御データに変換し、制御データを画像形成装置200に出力する機能を有する。
デバイスドライバ109は、詳細には以下の機能を有する。解像度変換部101は、入力されたカラー多値の画像データを、画像形成装置200で処理可能な解像度に解像度変換する。色空間変換部102は、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する。濃度補正部103は、濃度補正テーブルTB1を用いて画像データに濃度補正処理を行う。ここで、濃度補正テーブルTB1は画像形成装置200に記憶されている濃度補正テーブルTB1を読み出してPC100に記憶したものである。濃度補正テーブルTB1の詳細は後述する。量子化部104は、多値CMYKデータを2値CMYKデータに変換する2値化処理を行う。ラスタライズ部105は、2値CMYKデータから制御データを生成する。画像形成装置200の画像形成部250は、制御データに従ってCMYK各色のインクを吐出する。こうして、画像形成システム1は用紙(記録材)上に画像を形成する。
図2は、画像形成装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態において、画像形成装置200はラインヘッド型インクジェットプリンタである。CPU(Central Processing Unit)210は、ROM(Read Only Memory)220に記憶されている印刷処理プログラムを読み出して実行する。ROM220は、画像形成装置200に固有の濃度補正テーブルTB1を記憶している(濃度補正テーブルTB1の詳細は後述する)。また、ROM220は、書き換え可能なEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)であることが望ましい。RAM(Random Access Memory)230は、CPU210がプログラムを実行する際の作業エリアとして機能する。I/F240は、PC100等の他の機器との間でデータや制御信号の送受信を行うためのインターフェースである。RAM230はまた、I/F240を介して受信したデータを記憶する。画像形成部250は、CPU210の制御下で、ノズル制御データに従って用紙上に画像形成を行う。以上の各構成要素は、バス290で相互に接続されている。CPU210がアプリケーション108およびデバイスドライバ109を実行することにより、画像形成装置200は、図1に示される各機能構成要素に相当する機能を具備する。
画像形成部250は、図2に示されるように、さらに以下で説明する構成を有している。ラインヘッド251は、インクを吐出するノズル(図示略)を複数(z個)有する印刷ヘッドである。ノズルは、圧電体により液滴を吐出するピエゾ式のもの、加熱により吐出する加熱式のもの等、いかなる構造のノズルでもよい。ラインヘッド251は、画像形成装置200が印刷可能な用紙の最大幅以上の大きさを有している。インクタンク252はノズルにインクを供給するものであって、CMYKの色毎に設けられている。本実施形態において、画像形成装置200は4色のインクを用いて画像形成を行うが、6色、7色、あるいはそれ以上の色数のインクを用いる構成としてもよい。ページバッファ257は、画像1ページ分のノズル制御データを記憶するメモリである。ヘッド駆動回路253は、制御部254の制御下で、ラインヘッド251に搭載された複数のノズルのうち、指定されたノズルからインクの液滴を吐出させるための制御信号をラインヘッド251に出力する。このように、指定されたノズルから、用紙に対しインクの液滴が吐出される。ノズルから吐出されたインクの液滴は、用紙上にドットを形成する。以下、説明の便宜上、ノズルからインクの液滴を吐出することを「ドットのオン」、ノズルからインクの液滴を吐出しないことを「ドットのオフ」と表現する。例えば「ドットのオン/オフを指定するデータ」とは、指定されたノズルについてインクの液滴を吐出するか吐出しないかを指定するデータを意味する。また、「ドット」とはノズルから吐出されるインク滴、またはそのインク滴により用紙上に形成された画像を意味する。
ラインヘッド251は用紙幅以上のサイズを有しているので、1ライン分のドットを形成することができる。モータ255は用紙を所定方向に移動(紙送り)させるモータである。モータ駆動回路256は、制御部254の制御下でモータ255に駆動信号を出力する。モータ255が用紙を1ライン分移動させると、次のラインの描画が行われる。画像形成装置200は、このようにして1方向の走査(用紙の紙送り)のみで1枚の用紙に画像形成を行うことができる。
図3は、PC100のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU110は、PC100の各構成要素を制御する制御部である。CPU110は、HDD(Hard Disk Drive)150に記憶されている制御データ生成プログラム(デバイスドライバ)を読み出して実行する。RAM130は、CPU110がプログラムを実行する際の作業エリアとして機能する。ROM120は、PC100の起動に必要なプログラム等を記憶している。I/F140は、画像形成装置200等の他の機器との間でデータや制御信号の送受信を行うためのインターフェースである。HDD150は、各種データやプログラムを記憶する記憶装置である。また、HDD150は、画像形成装置200から読み出した濃度補正テーブルTB1を記憶する。キーボード160およびディスプレイ170は、ユーザがPC100に対し操作入力を行うためのユーザインターフェースである。以上の各構成要素は、バス190で相互に接続されている。CPU210が印刷処理プログラムを実行することにより、PC100は、図1に示される各機能構成要素に相当する機能を具備する。なお、図示は省略したが、PC100と画像形成装置200とは、I/F140およびI/F240を介して、有線あるいは無線で接続されている。
図4は、画像形成システム1の動作を示すフローチャートである。画像形成装置200の図示せぬ電源が投入されると、CPU210は、ROM220から印刷処理プログラムを読み出して実行する。印刷処理プログラムを実行すると、CPU210は、制御データの入力待ち状態となる。PC100において、アプリケーション108から印刷指示が入力されると、CPU110は、HDD150から画像形成装置200のデバイスドライバ109を読み出して実行する。まず、CPU110は処理対象の画像データをHDD150から読み出し、RAM130に記憶する(ステップS100)。本実施形態において、入力画像データはRGBカラー多値の画像データである。また、画像形成装置200はCMYK4色のインクにより画像形成を行うインクジェットプリンタである。したがって、画像形成装置200は、RGBからCMYKへと画像データの色空間を変換する必要がある。また、入力される画像データは画素ごとに階調値を有しているが、画像形成装置200のノズルから吐出されるインクは、あるサイズのドットについてドットのオン/オフ(ドットを打つ/打たない)の2階調のみで中間階調を表現することができない。また、画像形成装置200が形成することのできるドットのサイズはS、M、Lの3種類である。このため画像形成装置200においては、入力画像データの1画素に、aドット×aドットのドットマトリクスを対応させ、ドットマトリクスに描画されるドットの数で階調表現を行っている。したがって、入力画像データをドットのオン/オフを指定するデータに変換する必要がある。このために、以下で説明するように、画像データの解像度を、ノズルの数に相当する解像度に変換する処理、および、多階調の画像データをドットのオン/オフを指定する2階調のデータに変換する処理を行う必要がある。なお、画像形成装置200が形成することのできるドットサイズは3種類に限られず、それ以上でも以下でもよい。
続いてCPU110は、入力画像データの解像度を判断する。CPU110は入力画像データの解像度が画像形成装置200で処理可能な解像度と異なる場合には、入力画像データを、画像形成装置200が処理可能な解像度とする解像度変換処理を行う(ステップS110)。CPU110は、解像度変換後の画像データをRAM130に記憶する。続いてCPU110は、解像度変換後の画像データを画像形成装置200の色空間に適合させるため、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する(ステップS120)。CPU110は色変換後の画像データをRAM130に記憶する。続いてCPU110は、色変換後の画像データに対して濃度補正処理を行う(ステップS130)。濃度補正処理の詳細については後述する。
続いてCPU110は、濃度補正後の画像データに対してディザマトリクス法、誤差拡散法等による2値化(量子化)処理を行う(ステップS140)。CPU110は、濃度補正後の画像データをRAM130に記憶する。CPU21は、濃度補正後の画像データから、制御データを生成するラスタライズ処理を行う(ステップS150)。CPU110は、生成された制御データを画像形成装置200に出力する。画像形成装置200の画像形成部250は、制御データに従って用紙上に画像形成を行う。画像形成装置200は、このようにして濃度が補正された画像を用紙に形成する。
<1−2.濃度補正テーブルの生成>
続いて、濃度補正テーブルTB1の生成方法について説明する。ここでは、黒インク(K)を例に取り説明するが、濃度補正テーブルは各色について作成される。
図5は、本実施形態に係る濃度補正テーブル生成システム2の機能構成を示すブロック図である。濃度補正テーブル生成システム2は、画像形成装置200、PC300、およびスキャナ400から構成される。図示は省略したが、PC300と画像形成装置200、PC300とスキャナ400はそれぞれ、有線あるいは無線で接続されている。PC300は、濃度補正テーブル生成のためのテストパターン301を記憶している。画像形成装置200の画像形成部250は、テストパターン301に従って画像Dを出力する。スキャナ400は画像Dを読み取り、スキャン画像を生成する。スキャナ400は、生成したスキャン画像をPC300に出力する。PC300は、受信したスキャン画像をスキャン画像304として記憶する。PC300の濃度測定部303は、スキャナ400から出力されたスキャン画像304の濃度を計算する。濃度補正テーブル生成部302は、濃度測定部303による濃度測定結果に基づいて濃度補正テーブルを生成する。画像形成装置200は、PC300が生成した濃度補正テーブルを濃度補正テーブルTB1として記憶する。
図6は、PC300のハードウェア構成を示す図である。PC300のハードウェア構成は基本的にPC100と同一であるので詳細な説明を省略し、PC100との相違点のみ説明する。HDD350は、濃度補正テーブル生成のためのテストパターン301を記憶している。また、HDD350は、濃度補正テーブル生成のための濃度補正テーブル生成プログラムを記憶している。
図7は、濃度補正テーブル生成処理の概要を示すフローチャートである。ユーザがキーボード360を操作する等の方法によりテストパターンの生成を指示すると、PC300のCPU310は、HDD350から濃度補正テーブル生成プログラムを読み出して実行する。CPU310はまず、テストパターンを生成する(ステップS200)。すなわち、CPU310は、HDD350からテストパターン301を読み出す。CPU310は、読み出したテストパターン301のデータをI/F340を介して画像形成装置200に出力する。
図8および図9は、テストパターン301(の一部)を例示する図である。図8は、8つのノズル(順番にノズル#00〜#07と記す)から出力するテストパターンの基本パターンを示す。図中の上下方向にノズルが並んでおり、図中の左右方向が紙送り方向である。本発明は、補正対象となる自画素の画素値(輝度)と、自画素以外の画素である参照画素の画素値とから自画素の出力画素値(補正値)を決定する方法に関するものである。ここで、本実施形態においては、参照画素が、自画素を形成するノズルに隣接するノズルにより形成される画素である態様について説明する。テストパターン301は、このような補正処理を行うための濃度補正テーブルを生成するためのテストパターンである。
図8に示される基本パターンにおいて、ノズル#00、#02、#04、#06の4つのノズルについては、単一の輝度(図8の例では、輝度0)のパターンとなっている。なお、輝度とは、画素の明るさを意味する。画素の出力値を示す点では階調と同義であるが、輝度が最大値であるときは階調は最小値となり、輝度が最小値であるときは階調は最大値となる関係にある。ノズル#01、#03、#05、#07の4つのノズルについては、図中左から順に輝度0、51、102、153、204、255というように複数の異なる輝度のパターンを組み合わせたものになっている。図8において、ノズル#01を補正対象のノズル(以下、「自ノズル」という)とすると、自ノズルに隣接するノズル(以下、「隣接ノズル」という)は、ノズル#00である。すなわち、図8に示されるように、基本パターンは、ある輝度に固定された隣接ノズルにより形成されたパターンと、複数の輝度に変化させた自ノズルにより形成されたパターンから構成される。
図9(a)〜(f)は、本実施形態において使用される6つの基本パターンを示す図である。図9(a)の基本パターンは、図8に示される基本パターンと同一のものである。図9(a)〜(f)はそれぞれ、隣接ノズルの輝度が異なっている。すなわち、図9(a)〜(f)の基本パターンにおいて、隣接ノズルの輝度はそれぞれ、0、51、102、153、204、255となっている。すなわち、図9(a)〜(f)の6つの基本パターンを使用することにより、自ノズル6階調×隣接ノズル6階調の36通りの組み合わせについて補正データを作成することができる。すなわち、自ノズルc階調×隣接ノズルc階調のc通りの組み合わせについて補正データを作成するには、c個の基本パターンが必要である。
図8および図9において、ある輝度で出力される領域の最小単位を「単位パターン」という。例えば、図8の基本パターンにおいて、ノズル#01のパターンは、6つの単位パターンから構成される。
図10は、単位パターンにおける階調表現を説明する図である。図10(a)は、画像形成装置200の1つのノズルが形成可能なドットのサイズを示している。画像形成装置200は、Sサイズ(濃度40%)、Mサイズ(濃度70%)、Lサイズ(濃度100%)の3種類のサイズのドットを打ち分けることができる。図10(b)は、単位パターンにおいて、濃度0%、20%、40%、60%、80%、100%(256階調の場合、輝度255、204、153、102、51、0に相当する)の階調表現を行う方法を示している。図10(b)に示されるように、単位パターンは6つのドットから構成される。濃度0%の階調表現をする場合、いずれのドットにもドット形成は行われない。濃度20%の階調表現をする場合、1ドットおきにSサイズ(濃度40%)のドットが形成される。6ドット分平均すると濃度は20%となる。濃度40%の階調表現をする場合、すべてのドットにMサイズのドットが形成される。以下同様に、各階調について、単位パターンについて平均すると所望の濃度となるようにドットが配置される。
なお、以上の説明では単位パターンの大きさを6ドット分として説明したが、単位パターンのサイズはこれに限定されるものではない。例えば、単位パターンの大きさを50ドットとして測定精度の向上を図ってもよい。また、単位パターン内のどの位置にドットを打つかは、2値化処理により決定してもよい。
再び図5および図7を参照して説明する。テストパターン301のデータを受信すると、画像形成装置200は、受信したデータに従って用紙上にテストパターンを印刷する(ステップS210)。このテストパターンは濃度補正テーブルを生成するためのものであるので、テストパターンの印刷の際には濃度補正処理は行われない。したがって、テストパターンは、ノズルの物理的特性に起因する印刷むらを含んだ状態で印刷される。
続いてスキャナ400は、印刷されたテストパターンの画像Dを読み取る(ステップS220)。以降の処理でノズル毎の輝度値を測定するため、画像読み取りの際には印刷解像度より高い解像度で読み取りを行う。例えば、720dpi(dot per inch)の解像度で印刷した場合、2880dpiの解像度で読み取りを行う。この場合、印刷ドット1つに対し4点の濃度データを取得することができる。スキャナ400は、読み取った画像DのデータをPC300に出力する。PC300のCPU310は、入力された画像データをスキャン画像304としてHDD350に記憶する。
続いてCPU310は、スキャン画像304における濃度データと、各ノズルとの対応付けを行う。濃度データとノズルとを対応付ける方法はいくつか存在する。例えば以下で説明するように、「ノズル毎」の濃度データを用いる方法と、「ノズル間」の濃度データを用いる方法がある。本実施形態において、CPU310は、「ノズル毎」の濃度データを各ノズルに対応付ける。以下の説明において、濃度データをノズルに対応付けるための領域を「単位領域」という。
図11は、ノズル毎およびノズル間の濃度データの定義を説明する図である。図11の例は、理想的なサイズを有するドットが、理想的な位置に形成されたパターンを示している。「ノズル間」の濃度とは、ドットの理想的な形成位置に対して、隣接する2つのドットの中心間の濃度を意味する。すなわち、隣接する2つのドットの中心を結ぶ線分の中点を、隣接する2つのドットの境界点と定義すると、「ノズル間」の濃度とは、ドットの中間領域、すなわち、境界点を中心とした、理想的なドットピッチと等しい長さを有する領域における濃度を意味する。一方「ノズル毎」の濃度とは、隣接する2つの境界点の間の濃度を意味する。
これに対し、ノズル間の濃度データを用いて生成された濃度補正テーブルを用いると、ノズルと補正データとを一意に対応付けることができるため、補正値を正確に算出することができる。また、飛行曲がりが原因のバンディングはノズル間で発生するため、ノズル間の輝度を正確に計算し補正することができるノズル間の濃度データを用いて生成された濃度補正テーブルは、有用である。
図12は、ノズル間の単位領域を例示する図である。濃度データにおけるノズル毎の領域の特定は例えば以下のように行われる。CPU310は、濃度があらかじめ決められたしきい値を下回ったデータに相当する位置をテストパターンの端部と特定する。CPU310は、このようにしてテストパターンの例えば左隅に相当するデータを特定する。CPU310は、特定した左隅から、縦4点×横4点=16点分の濃度データを、テストパターンの左隅の画素(ノズル)に対応する濃度データ、すなわち単位領域の濃度データとして特定する。その他のノズルについても同様である。
続いてCPU310は、スキャン画像304に基づいて濃度補正テーブルの生成を行う(ステップS230)。ここではまず、図8のノズル#01およびノズル#02を例にとって濃度補正テーブル生成処理の詳細を説明する。図8において、点線で示した領域はノズル#01の印刷範囲である。CPU310は、スキャン画像304から、単位領域の平均輝度を算出する。以下の説明においてスキャン画像304における座標(x,y)の輝度をC(x,y)と表記する。xの正方向は図8において右方向であり、yの正方向は図8において下方向である。
単位領域の左上隅の座標を(x,y)とする。ここで、単位領域の大きさは前述の単位パターンの大きさと等しい。単位パターンは前述のように縦1ドット×横6ドットのドットから構成される。また、本実施形態では印刷解像度の4倍(1ドットにつき縦4点×横4点)の解像度で読み取りを行っている。したがって、単位領域は縦4点×横24点のピッチで読み取られている。すなわち、単位領域左下隅の座標は(x,y+3)、右上隅の座標は(x+23,y)、右下隅の座標は(x+23,y+3)となる。平均濃度Pは、次式(1)で算出される。
P=ΣC(x,y)/m …(1)
ここで、mは単位領域に含まれる濃度データの数(本実施形態においては4×24=96)を示す。また、本実施形態ではx=x〜x+23、y=y〜y+3であるので、この範囲でC(x,y)が足し合わされる。
図13は、ノズル#01の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。図13(a)および(b)に示される基本パターンは、図9(a)および(b)に示される基本パターンと同一のものである。すなわち、図13(a)は隣接ノズル輝度が0の基本パターンを示し、図13(b)は隣接ノズル輝度が51の基本パターンを示している。CPU310はまず、隣接ノズル輝度が0の場合(図13(a))について、各単位領域の平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、入力輝度0、51、102、153、204、255の単位領域に対して、平均輝度が23、33、40、66、76、120であると算出される。次にCPU310は、隣接ノズル輝度が51の場合(図13(b))について、各単位領域の平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、各単位領域に対して、平均輝度が31、38、54、79、97、132であると算出される。以下同様にして、隣接ノズル輝度が102、153、204、255の基本パターンについて各単位領域の平均輝度を算出する。CPU310は、算出した平均輝度をRAM330に記憶する。
図14は、ノズル#02の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。図14(a)および(b)に示される基本パターンも、図9(a)および(b)に示される基本パターンと同一のものである。CPU310はまず、隣接ノズル輝度が0の場合(図14(a))について、各単位領域の平均輝度Pを算出する。なお、ノズル#00、#02、#04、#06においては、自ノズルの輝度が固定され隣接ノズルの輝度が変化する関係になっている点に注意が必要である。すなわち、図9の例では奇数番目のノズルは隣接ノズルの輝度が固定で自ノズルの輝度が変化しているが、偶数番目のノズルは自ノズルの輝度が固定で隣接ノズルの輝度が変化する関係になっている。CPU310はまず、自ノズル輝度が0の場合(図14(a))について、各単位領域の平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、隣接ノズルの入力輝度が0、51、102、153、204、255である単位領域に対して、平均輝度が19、26、29、41、55、77であると算出される。次にCPU310は、自ノズル輝度が51の場合(図14(b))について、各単位領域の平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、各単位領域に対して、平均輝度が25、31、40、56、74、97であると算出される。以下同様にして、自ノズル輝度が102、153、204、255の基本パターンについて各単位領域の平均輝度を算出する。CPU310は、算出した平均輝度をRAM330に記憶する。
CPU310は、以上で説明したのと同様にしてノズル#00〜#07のすべてのノズルについて各単位領域の平均輝度Pを算出し、RAM330に記憶する。CPU310は、RAM330に記憶された平均輝度を組み合わせ、濃度補正テーブルを生成する。CPU310は、生成した濃度補正テーブルを濃度補正テーブルTB1としてRAM330に記憶する。CPU310は、濃度補正テーブルの更新を要求するテーブル更新要求および濃度補正テーブルTB1を画像形成装置200に送信する。画像形成装置200のCPU210は、テーブル更新要求を受信すると、受信した濃度補正テーブルTB1をROM220に記憶する。こうして、画像形成装置200は、自身のノズルに特有の濃度むらを補正するための濃度補正テーブルTB1を記憶する。
図15は、ノズル#00〜#02の3つのノズルについて、上述の方法により作成した濃度補正テーブルTB1を例示する図である。濃度補正テーブルTB1は、ノズル毎の濃度補正テーブルを含む。すなわち、ノズル#00〜#07の8つのノズルが存在する場合、濃度補正テーブルTB1は8つの濃度補正テーブルから構成される。ここで、テーブルの横方向は自ノズルの入力輝度を、縦方向は隣接ノズルの入力輝度を示す。自ノズルと隣接ノズルの交点の値が出力輝度(平均輝度)を示している。例えば、ノズル#00に対して、自ノズルの入力輝度が51で、隣接ノズルの入力輝度が102の場合、出力輝度は45となる。
ここで、各ノズルにおける最高輝度(図15の例では自ノズル輝度255かつ隣接ノズル輝度255)のうち、輝度が最も低いものをMaxMinと表す。図15の例では、ノズル#01の輝度241が最も低いのでMaxMin=241である。同様に、各ノズルにおける最低輝度(図15の例では自ノズル輝度0かつ隣接ノズル輝度0)のうち、輝度が最も高いものをMinMaxと表す。図15の例では、ノズル#01の輝度23が最も高いのでMinMax=23である。全てのノズルが出力できる輝度はこの範囲に制限されることになる。すなわち、この場合、全てのノズルが出力できる出力輝度範囲は23〜241である。
以下同様にして、シアン、イエロー、マゼンタ各色の濃度補正テーブルが作成される。
<1−3.濃度補正処理>
次に、上述のようにして生成された濃度補正テーブルTB1を用いた濃度補正処理について説明する。ここで説明する濃度補正処理は、図4のステップS130における濃度補正処理の詳細である。濃度補正処理の概要は次のとおりである。処理は、画像データを構成する画素のうち処理対象となる「自画素」を一画素ずつ順番に特定して行われる。自画素の補正値は、自画素以外の画素である参照画素の画素値が与えられた場合に、自画素の出力画素値が要求出力画素値と等しくなるよう、濃度補正テーブルTB1を用いて算出される。「参照画素」は、自画素と異なる画素であって、自画素との位置関係があらかじめ決められた条件を満たす画素をいう。本実施形態においては、自画素に隣接する画素が参照画素として用いられる。なお、以下では黒インク(K)に関する処理についてのみ説明するが、他の色成分(シアン、イエロー、マゼンタ)についても同様に濃度補正処理が行われる。
図16は、本実施形態に係る濃度補正処理の詳細を示すフローチャートである。PC100のCPU110はまず、全てのノズルが出力できる出力輝度範囲を算出する(ステップS301)。すなわち、濃度補正テーブルTB1から、MaxMinおよびMinMaxを算出する。なお、以下では簡単のため、ノズル#00〜#02の3つのノズルについてのみ考慮した説明を行う。ノズル#00〜#02の濃度補正テーブルは、図15に示されるものである。したがって、MaxMin=241、MinMax=23である。
次に、CPU110は、画像内の位置を示すパラメータxおよびyを初期化する(ステップS302)。パラメータxおよびyは、自画素を特定するための位置パラメータである。xは画像幅方向(紙送り方向)の位置を、yは画像高さ方向(紙送り方向と直交する方向)の位置(すなわちノズル番号)を示すパラメータである。本実施形態において、CPU110は、xおよびyをそれぞれ0に初期化する。なお、以下の説明では、自画素を形成するインクドットを出力するノズルを「自ノズル」と、参照画素を形成するインクドットを出力するノズルを「隣接ノズル」という。
続いてCPU110は、要求出力輝度の算出をする(ステップS303)。要求出力輝度とは、出力輝度の目標値のようなものである。本実施形態において、入力画像は256階調(0〜255)の輝度で表現されている。しかし、前述のように画像形成装置200が出力可能な輝度はMinMax〜MaxMinの範囲に制限される(本実施形態では、23〜241)。そこで、入力画像の輝度が出力輝度範囲に収まるように、入力画像の輝度を要求出力輝度に変換する必要がある。CPU110は、次式(2)に従って入力画像の輝度Iを要求出力輝度Creqに変換する。
req=(MaxMin−MinMax)/Cmax×I+MinMax …(2)
ここで、Cmaxは最大輝度(本実施形態ではCmax=255)を示す。
いま、入力画像として輝度128のベタ画像を入力したとすると、(2)式にMaxMin=241、MinMax=23、Cmax=255、I=128を代入してCreq=132が得られる(小数点以下四捨五入)。入力画像はベタ画像なので、すべての画素で要求出力輝度は132となる。
図17は、出力輝度範囲および要求出力輝度を視覚的に説明する図である。図17中の破線は、(2)式を示す直線である。
再び図16を参照して説明する。続いてCPU110は、自ノズル、すなわちノズル#yの濃度補正テーブルを取得する(ステップS304)。この処理は例えば、以下のように行われる。CPU110は、濃度補正テーブルの送信を要求するテーブル送信要求を画像形成装置200に送信する。テーブル送信要求を受信すると、画像形成装置200のCPU210は、RAM230から濃度補正テーブルTB1を読み出す。CPU210は、読み出した濃度補正テーブルTB1を含むテーブル送信応答を、テーブル送信要求の送信元であるPC100に送信する。PC100のCPU110は、テーブル送信応答を受信すると、受信したテーブル送信応答から濃度補正テーブルTB1を抽出する。CPU110は、抽出した濃度補正テーブルTB1をHDD150に記憶する。CPU110は、HDD150に記憶された濃度補正テーブルTB1の中からノズル#yの濃度補正テーブルを抽出する。CPU110は、抽出した濃度補正テーブルをRAM130に記憶する。
なお、画像形成装置200からPC100への濃度補正テーブルTB1の読出しは、例えば、PC100にプリンタドライバをインストールしたときなど、図16に示されるフローに先立って行われてもよい。また、画像形成装置200は、濃度補正テーブルTB1のすべてを読み出してもよいし、必要に応じて一部分だけを読み出してもよい。
続いて、CPU110は、自ノズルが端部に位置するノズルであるか、すなわち、y=0であるか判断する(ステップS305)。y=0の場合(ステップS305:YES)、CPU110は参照画素の輝度(画素値)をあらかじめ決められた値(本実施形態においては、128)とする(ステップS307)。これは、自ノズルが端部に位置する場合は隣接ノズル(参照画素)が存在しないため、参照画素の輝度の初期値を仮想的に与えるものである。CPU110は、参照画素の輝度と要求出力輝度を用いて濃度補正テーブルから自画素の補正値M[x,y]を算出する(ステップS308)。補正値の算出方法は後述する。CPU110は、算出した補正値をRAM130に記憶する。
一方、y≧1の場合(ステップS305:NO)、CPU110は、RAM130から補正値M[x,y−1]を参照画素の輝度として読み出す(ステップS306)。CPU110は、参照画素の輝度と要求出力輝度を用いて濃度補正テーブルから自画素の補正値を算出する(ステップS308)。補正値の算出方法は後述する。CPU110は、算出した補正値をRAM130に記憶する。
ステップS308における補正値の算出は、以下のように行われる。
図18は、図15に示されるノズル#00の濃度補正テーブルをグラフ化した図である。図18に示されるように、濃度補正テーブルは、隣接ノズルの輝度ごとの「自ノズル入出力特性」を示すものと考えられる。前述のように、自ノズルがノズル#00である場合、隣接ノズルの輝度はあらかじめ決められた値(本実施形態では128)が用いられる。
本実施形態において、濃度補正テーブルは、参照画素の輝度が0、51、102、153、204、255である場合の出力輝度を記録したものである。したがって、参照画素の輝度がこれらの値以外の値である場合は、補間により補正値を算出する必要がある。いま、参照画素の入力輝度が128であるので、輝度が102と153のときのデータを用いて線形補間を行う。具体的には次のとおりである。
図19は、近似直線を用いた補間方法を示す図である。CPU110はまず、濃度補正テーブルから補間に用いる4点のデータを特定する。参照画素の輝度が128であるので、参照画素の輝度がその前後の102と153であるデータが用いられる。CPU110は、参照画素(隣接ノズル)の輝度が102の直線と153の直線のうち、輝度が128である点を囲む4点を特定する。本実施形態においては、図15に示されるノズル#00の濃度補正テーブルのうち太線で囲まれた4点のデータが用いられる。これらの4つのデータが、図19(a)におけるD(m,n)、D(m+1,n)、D(m,n+1)、D(m+1,n+1)に相当する。この場合、D(m,n)=98、D(m+1,n)=133、D(m,n+1)=124、D(m+1,n+1)=161である。ここで、記号D(m,n)は、自画素(自ノズル)の階調番号がm、参照画素(隣接ノズル)の階調番号がnであるときの濃度データ(出力輝度)を意味する。階調番号とは、例えば図15のような濃度補正テーブルを用いる場合、0、51、102、153、204、255の輝度に対して順番にm=1、2、…、6というように付す番号を意味する。
続いて、CPU110は、参照画素の輝度FNから、線形補間により補間値D1およびD2の値を算出する(図19(b))。この場合、FN=128、D1=111、D2=147である。続いて、CPU110は、補間値D1およびD2を結ぶ直線の式を求める。CPU110は、この直線の式に要求輝度DOを代入し、補正値FOを算出する(図19(c))。この場合、DO=132であるので、FO=233と算出される。図18において点線は、補間により求めた参照画素の輝度が128の近似入出力特性を示している。
なお、近似直線を用いた補間方法に代えて、近似平面を用いた補間を採用してもよい。
図20は、近似平面を用いた補間方法を説明する図である。CPU110は、D(m,n)、D(m+1,n)、D(m,n+1)の3点を含む平面の式と、D(m+1,n)、D(m,n+1)、D(m+1,n+1)の3点を含む平面の式を求める。次に、CPU110は、それぞれの平面の式から、既に算出された参照画素の輝度と要求出力輝度から補正値を算出する。続いてCPU110は、参照画素の輝度と補正値の範囲からどちらの平面が正しいか判断する。CPU110は、正しいと判断された平面の式を利用して算出された補正値を補正値FOをとして採用する。
以上で説明したように、画素[x,0]に対して参照画素の輝度としてあらかじめ決められた値(128)と、補間により求めた参照画素の輝度が128の近似入出力特性を用いることにより、要求出力輝度132に対して必要な入力輝度、すなわち補正値を求めることができる。
再び図16を参照して説明する。自ノズルの補正値を算出すると、CPU110は、算出した補正値が実現可能なものであるか判断する(ステップS309)。「補正値が実現可能」とは、次のような意味である。前述のように、各ノズルが出力可能な輝度は濃度補正テーブルにより、ある範囲内に制限される。例えば、図15の濃度補正テーブルの例で説明すると、参照画素の入力輝度(補正値)が102である場合、自ノズルが出力できる輝度(自画素の画素値)は、33〜146の範囲に限定される。ここで、例えば要求出力輝度が150であった場合、自ノズルの補正値をどのように決定しても、要求出力輝度150を実現することはできない。このように、CPU110は、自画素の要求出力輝度が、参照画素の輝度により制限される出力輝度の範囲内にあるか判断する。算出した補正値が実現可能なものである場合(ステップS309:YES)、CPU110は、処理をステップS311に移行する。算出した補正値が実現可能なものでない場合(ステップS309:NO)、CPU110は、処理をステップS310に移行する。
ステップS310において、CPU110は、再補正処理を行う。再補正処理の詳細については後述する。再補正処理が完了すると、CPU110は、処理をステップS311に移行する。
ステップS311において、CPU110は、ノズル番号yを更新する。具体的には、y=y+1としてノズル番号yを更新する。CPU110は、すべてのノズルについて処理が完了したか判断する(ステップS312)。すべてのノズルについて処理が完了していない場合(ステップS312:NO)、CPU110は、上述のステップS304〜S311の処理を繰り返し実行する。本実施形態において、ノズル#00(画素[x,0])についてステップS304〜S311の処理が完了すると、続いてノズル#01(画素[x,1])についてステップS304〜S311の処理が行われる。
画素[x,1]に対するステップS304〜S311の処理も、基本的には画素[x,0]に対するステップS304〜S311の処理と同様に行われる。ノズル#00に対する処理と異なる点は次のとおりである。いま、自ノズルはノズル#01(y=1)なので、ステップS305における判断結果はNOとなる。この場合処理はステップS306に進む。ステップS306において、CPU110は、RAM130から参照画素[x,y−1]、すなわち画素[x,0]の補正値を参照画素の輝度として読み出す。以下ステップS308〜S312の処理は画素[x,0]の場合と同様である。画素[x,2]以降の画素(ノズル#02以降のノズル)についても、同様の処理が行われる。
一方、1ライン分すべてのノズルについて処理が完了した場合(ステップS312:YES)、CPU110は、xの値をx=x+1として更新し、ノズル番号を0に戻す(ステップS313)。CPU110は、すべての画素について処理が完了したか判断する(ステップS314)。すべての画素について処理が完了していない場合(ステップS312:NO)、CPU110は、ステップS304〜S313の処理を繰り返し実行する。すべての画素について処理が完了した場合(ステップS314:YES)、CPU110は、濃度補正処理を完了する。
<1−4.再補正処理>
続いて、図16のステップS310における再補正処理の詳細について説明する。
図21は、本実施形態に係る再補正処理を示すフローチャートである。以下、必要に応じてこの再補正処理を「反復補正処理」という。図22は、以下の説明で用いる濃度補正テーブルの一例である。図23は、ノズル#kの入出力特性を示す図である。図24は、ノズル#k+1の入出力特性を示す図である。ここでは、以下の(1)〜(2)の状況を例として説明を行う。(1)画素[x,k](ノズル#k)および画素[x,k+1](ノズル#k+1)に対する要求出力輝度は126.3である。(2)画素[x,k−1](ノズル#k−1)の補正値は234である。このとき、図22に示されるノズル#kの濃度補正テーブルから、画素[x,k]の補正値は149と決定される(図23)。次に、画素[x,k+1]を自ノズルとして濃度補正処理が行われる。図22に示されるノズル#k+1の濃度補正テーブルのうち、隣接ノズル(参照画素)の輝度が149の行を参照すると、ノズル#k+1が出力可能な輝度は最大でも121.0である。すなわち、画素[x,k+1]の補正値を0〜255のいずれにしても、出力輝度を要求出力輝度と同一にすることはできない(図24)。この状況では、図16のステップS309において、算出された補正値は実現不可能と判断され、処理はステップS310、すなわち図21に示される再補正処理に移行する。
本実施形態における再補正処理は、概ね次のように行われる。まず、算出された補正値が実現不可能と判断された自画素について、要求出力輝度と出力輝度との差が最小となるように補正値を決定する。続いて、既に補正値が算出済みの画素について、通常とは逆の順番(逆方向)に補正値の再計算が行われる。本実施形態においては、ノズル番号が減少する方向に補正値の再計算が行われる。詳細は以下のとおりである。
ステップS401において、CPU110は、自画素を示すパラメータxおよびyを初期化する。図16のステップS309において補正値が実現不可能であると判断されたときの自画素のx座標をX、y座標(自ノズルのノズル番号)をYと表すと、x=X、およびy=Yとする。さらに、ステップS401において、CPU110は、要求出力輝度と出力輝度との差が最小となる入力輝度M’を、自画素の補正値M[x,y]とする。すなわち、M[x,y]=M’とする。図22の例では、CPU110は、M[x,k+1]=255として画素[x,k+1]の補正値を決定する。
ステップS402において、CPU110はyの値をy=y−1として更新する。この場合、y=kとなる。すなわち、画素[x,k]が自画素となる。次に、ステップS403において、CPU110は、HDD150に記憶された濃度補正テーブルTB1から、自ノズル(ノズル#y)に対応する濃度補正テーブルを読み出す。CPU110は、画素[x,y+1]を参照画素として(すなわち、ノズル#y+1を隣接ノズルとして)、参照画素の補正値Nを取得する。すなわち、N=M[x,y+1]である。この場合、N=M[x,k+1]=255である。
次に、ステップS405において、CPU110は、濃度補正テーブルTB1に基づいて自画素の補正値M[x,y]を算出する。次に、ステップS408において、CPU110は、y=y−1としてyの値を更新する。次に、ステップS409において、CPU110は、すべての補正済み画素について再補正処理が完了したか、すなわちy=0であるか判断する。y=0でない場合(ステップS409:NO)、CPU110は、ステップS403〜S409の処理を繰り返し実行する。y=0である場合(ステップS409:YES)、CPU110は、再補正処理を終了する。
図21の再補正処理が完了すると、CPU110は、補正値が実現不可能であると判断された画素に対して通常の処理順番で次の画素、すなわち、画素[x,k+2]を自画素として図16の処理を継続する。
以上で説明したように、本実施形態によれば、隣接ノズルの影響を考慮した補正テーブルを生成することができる。また、本実施形態に係る画像形成システムによれば、参照画素(隣接ノズル)の影響を考慮した補正テーブルを用いることにより、ノズルの物理的特性のばらつきを補償することができる。これにより、より高画質な画像を得ることができる。さらに、本実施形態に係る画像形成システムによれば、要求出力輝度と出力輝度が同一となるように補正値を決定することができない場合でも、通常の補正値算出アルゴリズムとは異なるアルゴリズムで補正値が算出される。したがって、さらに高画質な画像を得ることができる。
<2.第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明においては、第1実施形態と共通する要素については共通の参照符号を用いて説明する。また、第1実施形態と共通する要素および事項についての説明は省略し、第1実施形態との差異点を中心に説明する。第2実施形態においては、図16のステップS310における再補正処理が図21に示されるフローから図26に示されるフローに変更される。以下、説明の便宜上、図26に示される処理を「平滑化処理」という。
図25(a)〜(b)は、平滑化処理の概念を説明する図である。図25(a)に示される例においては、画素[x,k](ノズル#k)までは要求出力輝度と出力輝度とが一致しているが、画素[x,k+1](ノズル#k+1)において実現可能な出力輝度の最大値が要求出力輝度よりも低くなっている。そこで、自画素と特定の位置関係にある画素(「周辺画素」という)の輝度を自画素と一緒に補正することにより、自画素を含む複数の画素の平均出力輝度を、要求出力輝度の平均値と一致させようとするものである。本実施形態においては、周辺画素として、自画素の両隣の画素が採用される。つまり、画素[x,k]から画素[x,k+2]までの3画素(ノズル#kからノズル#k+2までの3つのノズル)の平均出力輝度は、画素[x,k+1]の出力輝度が要求輝度に満たないため、要求出力輝度の平均値よりも低くなる。そこで、画素[x,k]から画素[x,k+2]までの3画素の平均出力輝度を要求出力輝度に近づけるため、自画素の両隣の画素[x,k]および画素[x,k+2]の要求輝度が上げられる。詳細には次のとおりである。
以下では、画素[x,k+1](ノズル#k+1)において、要求輝度126.4に対して実現可能な出力輝度の最大値が121.0である場合について説明する。実現可能な出力輝度は、要求輝度よりも5.4低い。したがって図16のステップS309において補正値は実現可能でないと判断され、ステップS310の処理、すなわち、図26に示される平滑化処理が行われる。
図26は、平滑化処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS500において、CPU110は、まず補正値が実現不可能と判断された画素、ここでは画素[x,k+1]の補正値Mを算出する。補正値Mは、要求出力輝度と出力輝度との差が最小となるように決定される。ここでは、M[x,k+1]=255と決定される。さらに、CPU110は、周辺画素のうち、まだ補正値が算出されていない画素について補正値を算出する。ここでは、自画素(画素[x,k+1])の右隣の画素(画素[x,k+2])の補正値が算出される。このとき、参照画素は画素[x,k+1]であり、その輝度としては先ほど決定した補正値M[x,k+1]=255が用いられる。
図27は、ノズル#k+2の濃度補正テーブルを示す図である。図28は、ノズル#k+2の濃度補正テーブルをグラフ化した図、すなわちノズル#k+2の入出力特性を示す図である。ステップS500において、CPU110は、図27に示される濃度補正テーブルから、画素[x,k+2]の補正値を算出する。ここでは、M[x,k+1]=129.0と算出される。
次に、ステップS501において、CPU110は、平滑化処理に用いるパラメータの初期化を行う。平滑処理では、パラメータSminおよびパラメータAが用いられる。パラメータSminは、要求出力輝度と出力輝度との誤差を示すパラメータである。パラメータAは、周辺画素に付加する補正量を算出するためのパラメータである。CPU110は、Smin、Aを、Smin=MAX、A−1=−10、A=−10、A+1=−10としてそれぞれのパラメータを初期化する。ここで、MAXはあらかじめ決められた値である。A−1は自画素の左隣の周辺画素に、Aは自画素に、A+1は自画素の右隣の周辺画素に対するパラメータである。
次に、ステップS502において、CPU110は、自画素および周辺画素の仮補正値Mtempを以下のように算出する。
temp[x,y−1]=M[x,y−1]+A−1
temp[x,y]=M[x,y]+A
temp[x,y+1]=M[x,y+1]+A+1
ここで、パラメータAと同様に、M−1は自画素の左隣の周辺画素の、Mは自画素の、M+1は自画素の右隣の周辺画素の仮補正値を示す。
次に、ステップS503において、CPU110は、自画素の左隣の周辺画素(画素[x,y−1])について、濃度補正テーブルTB1から、参照画素の仮補正値Mtemp[x,y−2]および自画素の仮補正値Mtemp[x,y−1]に対応する自画素の出力輝度(実現輝度)P[x,y−1]を算出する。
同様に、ステップS504において、CPU110は、自画素(画素[x,y])について、濃度補正テーブルTB1から、参照画素の仮補正値Mtemp[x,y−1]および自画素の仮補正値Mtemp[x,y]に対応する自画素の出力輝度(実現輝度)P[x,y]を算出する。
さらに、ステップS505において、CPU110は、自画素の右隣の周辺画素(画素[x,y+1])について、濃度補正テーブルTB1から、参照画素の仮補正値Mtemp[x,y]および自画素の仮補正値Mtemp[x,y+1]に対応する自画素の出力輝度(実現輝度)P[x,y+1]を算出する。
次に、ステップS506において、CPU110は、要求出力輝度と出力輝度(実現輝度)との誤差S(k)を以下の(1)式のように算出する。
S(k)=(P(k)-Q(k))2+(P(k+1)-Q(k+1))2+(P(k+2)-Q(k+2))2 …(1)
ここで、P(k)はノズル#kの実現輝度すなわち画素[x,k]の出力輝度を、Q(k)はノズル#kの要求出力輝度すなわち画素[x,k]の要求出力輝度を示す。
次に、ステップS507において、CPU110は、算出した誤差S(k)がこれまでで最小のものであるか、すなわち、誤差S(k)が最小誤差Sminより小さいか判断する。誤差S(k)が最小誤差Sminより小さい場合(ステップS507:YES)、CPU110は、最小誤差Sminおよび最小誤差を与える補正量を示すパラメータAminを以下のように更新する(ステップS508)。
min=S(k)
−1 min=A−1
min=A
+1 min=A+1
ステップS508の処理が完了すると、CPU110は処理をステップS509に移行する。ステップS507において誤差S(k)が最小誤差Sminより小さくないと判断された場合(ステップS507:NO)も、CPU110は処理をステップS509に移行する。
ステップS509において、CPU110は、A−1=A−1+1としてパラメータA−1の値を更新する。次に、ステップS510において、CPU110は、更新されたパラメータA−1があらかじめ決められた値(ここでは10)を超えたか判断する。パラメータA−1があらかじめ決められた値を超えていない場合(ステップS510:NO)、CPU110は、ステップS502〜S509の処理を繰り返し実行する。パラメータA−1があらかじめ決められた値を超えていた場合(ステップS510:YES)、CPU110は、処理をステップS511に移行する。
ステップS511において、CPU110は、A=A+1としてパラメータAの値を更新する。さらに、CPU110は、A−1=10としてパラメータA−1を初期化する。次に、ステップS512において、CPU110は、更新されたパラメータAがあらかじめ決められた値(ここでは10)を超えたか判断する。パラメータAがあらかじめ決められた値を超えていない場合(ステップS512:NO)、CPU110は、ステップS502〜S511の処理を繰り返し実行する。パラメータAがあらかじめ決められた値を超えていた場合(ステップS512:YES)、CPU110は、処理をステップS513に移行する。
ステップS513において、CPU110は、A+1=A+1+1としてパラメータAの値を更新する。さらに、CPU110は、A−1=10およびA=10としてパラメータA−1およびAを初期化する。次に、ステップS514において、CPU110は、更新されたパラメータA+1があらかじめ決められた値(ここでは10)を超えたか判断する。パラメータA+1があらかじめ決められた値を超えていない場合(ステップS514:NO)、CPU110は、ステップS502〜S513の処理を繰り返し実行する。パラメータA+1があらかじめ決められた値を超えていた場合(ステップS514:YES)、CPU110は、処理をステップS515に移行する。
ステップS515において、CPU110は、要求出力輝度と出力輝度(実現輝度)との誤差S(k)が最小となるパラメータA−1 min、Amin、A+1 min、を用いて、自画素および周辺画素の補正値を以下のように再計算する。
M[x,y−1]=M[x,y−1]+Amin −1
M[x,y]=M[x,y]+Amin
M[x,y+1]=M[x,y+1]+Amin +1
図26に示される平滑化処理が完了すると、CPU110は、平滑化処理によって補正値が決定された画素の次の画素、すなわち画素[x,k+3]を自画素として図16の濃度補正処理を継続する。
以上で説明したように本実施形態によれば、要求出力輝度と出力輝度が同一となるように補正値を決定することができない場合には、自画素と周辺画素における、要求出力輝度からの誤差が最小となるように補正値が再計算される。したがってこのような場合でも、高画質の画像を得ることができる。
なお、上述の実施形態においては、誤差が最小となる補正量を与えるパラメータAminを得るため、自画素および周辺画素に所定の補正量(パラメータA)を加えた時の出力輝度を算出した。所定の補正量としては、−10≦A≦10を満たす整数Aが用いられた。すなわち、自画素および2つの周辺画素に対し、11の補正量の組み合わせについて誤差S(k)が算出された。しかし、所定の補正量の範囲、および組み合わせの数はこれに限定されるものではなく、任意に設計可能な事項である。S(k)を最小と摺る補正値をより正確に求めるため、例えば、所定の補正量の範囲を拡大してもよい。あるいは、上述の実施形態では補正量の変化量は1であったが、これを例えば0.1にしてもよい。さらにあるいは、最初に例えば補正量の変化量を1として補正量の範囲を絞り込み、絞り込まれた範囲で補正量の変化量を例えば0.1に減じて正確な補正量を算出する構成としてもよい。
また、要求出力輝度と出力輝度(実現輝度)との誤差は式(1)に示される自乗誤差に限定されるものではなく、他の計算方法により算出してもよい。例えば、以下の式(2)で算出される誤差を用いてもよい。
S(k)=|P(k)-Q(k)|+|P(k+1)-Q(k+1)|+|P(k+2)-Q(k+2)| …(2)
<3.第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明においては、第1実施形態あるいは第2実施形態と共通する要素については共通の参照符号を用いて説明する。また、前述の実施形態と共通する要素および事項についての説明は省略し、第1実施形態との差異点を中心に説明する。第3実施形態においては、図16のステップS310における再補正処理が図21に示されるフローから図29に示されるフローに変更される。本実施形態における再補正処理は、第1実施形態の再補正処理と第2実施形態の平滑化処理とを組み合わせたものである。
図29は、本実施形態に係る再補正処理を示すフローチャートである。図29に示されるフローは、図21に示されるフローと多くの部分において共通する。図29において、図21と共通する処理については共通の符号を付している。ステップS405において自画素の補正値を算出すると、CPU110は、補正値が実現可能なものであるか判断する(ステップS406)。ステップS406の処理は、図16のステップS309の処理と同様に行われる。補正値が実現可能なものでない場合(ステップS406:NO)、CPU110は、処理をステップS407に移行する。ステップS407においては、第2実施形態で説明した平滑化処理が行われる。平滑化処理が完了すると、CPU110は、図29に示される再補正処理を終了する。
ステップS406において補正値が実現可能であると判断された場合(ステップS406:YES)、CPU110は処理をステップS408に移行する。ステップS408以降の処理は第1実施形態と同様である。
本実施形態によれば、例えば、画素[x,k+1]において補正値が実現不可能と判断された場合、再補正処理は以下のように進行する。(1)画素[x,k+1]において補正値が実現不可能と判断されたので、画素[x,k+1]から画素[x,0]まで逆向きに補正値を再計算する。(2)補正値の再計算中、画素[x,m]において要求出力輝度が実現不可能であると判断された(k>m>0)。(3)画素[x,m]に対して、第2実施形態で説明した平滑化処理が行われる。画素[x,m−1]〜画素[x,m+1]までの補正値が決定される。(4)画素[x,k+2]から通常の補正処理が再開される。したがって、画素[x,0]〜画素[x,m−2]までの画素については再補正処理が行われない。
以上で説明したように本実施形態によれば、要求出力輝度と出力輝度が一致するように補正値を決定することができない場合には再補正処理が行われる。また、最補正処理において要求出力輝度と出力輝度が一致するように補正値を決定することができない場合には、複数の画素における要求出力輝度と出力輝度の誤差が最小となるように補正値が決定される。したがって、より高画質の画像を得ることができる。
<4.第4実施形態>
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。以下の説明においては、第1実施形態と共通する要素については共通の参照符号を用いて説明する。また、第1実施形態と共通する要素および事項についての説明は省略し、第1実施形態との差異点を中心に説明する。第4実施形態においては、濃度補正テーブルTB1は、「ノズル毎」の濃度データではなく、「ノズル間」の濃度データを基に作成されたものが採用される。
ノズル間の濃度データにより作成された濃度補正テーブルを用いる場合でも、処理の概要はノズル毎の濃度データにより作成された濃度補正テーブルを用いた場合と同一である。第1実施形態で説明した反復補正において、ノズル間の濃度補正テーブルを用いる場合、図15の濃度補正テーブルを例にとると、縦軸がノズル#kの輝度、横軸がノズル#k+1の輝度というように、ノズルとの関係が一意に特定される。したがって、通常と逆向きの反復補正処理においては、データの処理方法が異なる。例えば、画素[x,k+1]を参照画素として(ノズル#k+1を隣接ノズルとして)、画素[x,k](自ノズルであるノズル#k)の補正値を算出する場合、隣接ノズルの輝度は横軸から、自ノズルの輝度は縦軸から参照する必要がある。
図30は、ノズル間の濃度補正テーブルを用いた平滑化処理を説明する図である。例えば画素[x,k+1]において要求出力輝度が実現不可能であると判断され平滑化処理を行う場合には、対象となる画素は画素[x,k]と画素[x,k+1]の2つの画素である。すなわち、対象となるノズルはノズル#kとノズル#k+1の2つのノズルである。このように、第1〜第3実施形態で説明した再補正処理は、ノズル間の濃度テーブルを用いて補正処理を行う画像処理装置に対しても適用することができる。
<5.他の実施形態>
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。上述の実施形態の説明に用いた補正テーブル(図15など)は、あくまで例示であり、補正テーブルの内容はこれに限定されるものではない。図15に示される例では、濃度補正テーブルTB1は、自ノズルおよび隣接ノズルについて、6つの輝度(階調値)のデータを含んでいるが、輝度の数は6つに限定されるものではない。補間の精度を向上させるためには多くの階調値のデータを用いることが望ましく、メモリ容量を節約するためには少ない階調値のデータを用いることが望ましい。
また、上述の実施形態においては、画像形成装置200がラインヘッド型のプリンタである態様について説明したが、いわゆる2パス型のプリンタ等、ラインヘッド型以外のプリンタであってもよい。また、上述の実施形態においては、画像形成装置200が4色のインクを用いて画像形成を行うプリンタである態様について説明したが、画像形成装置200が用いるインクの数は4色に限定されない。画像形成装置200は、6色、7色、あるいはそれ以上のインクを用いて画像形成を行ってもよい。
また、上述の実施形態においては、図4に示される画像処理をPC100が行う態様について説明したが、図4のステップS100〜S150の処理の一部または全部を画像形成装置200が行う構成としてもよい。図4のステップS100〜S150の処理の全部を画像形成装置200が行う場合、画像形成装置200は、メモリカードからデータを読み取るためのメモリカードインターフェースを有することが望ましい。この場合、ユーザは、デジタルカメラ等の撮像装置により画像が記録されたメモリカードを、画像形成装置200のメモリカードインターフェースに挿入する。画像形成装置200は、挿入されたメモリカードから画像を読み取って図4の処理を行う。
第1実施形態に係る画像形成システム1の機能構成を示す図である。 画像形成装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。 PC100のハードウェア構成を示すブロック図である。 画像形成システム1の動作を示すフローチャートである。 濃度補正テーブル生成システム2の機能構成を示すブロック図である。 PC300のハードウェア構成を示す図である。 濃度補正テーブル生成処理の概要を示すフローチャートである。 テストパターン301(の一部)を例示する図である。 テストパターン301(の一部)を例示する図である。 単位パターンにおける階調表現を説明する図である。 ノズル毎およびノズル間の濃度データの定義を説明する図である。 単位領域を例示する図である。 ノズル#01の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。 ノズル#02の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。 濃度補正テーブルTB1を例示する図である。 濃度補正処理の詳細を示すフローチャートである。 出力輝度範囲および要求出力輝度を視覚的に説明する図である。 ノズル#00の濃度補正テーブルをグラフ化した図である。 近似直線を用いた補間方法を示す図である。 近似平面を用いた補間方法を説明する図である。 第1実施形態に係る再補正処理を示すフローチャートである。 濃度補正テーブルの一例である。 ノズル#kの入出力特性を示す図である。 ノズル#k+1の入出力特性を示す図である。 第2実施形態に係る平滑化処理の概念を説明する図である。 第2実施形態に係る再補正処理を示すフローチャートである。 ノズル#k+2の濃度補正テーブルを示す図である。 ノズル#k+2の入出力特性を示す図である。 第3実施形態に係る再補正処理を示すフローチャートである。 ノズル間の濃度補正テーブルを用いた平滑化処理を説明する図である。 補正テーブル作成の際の隣接ノズルの影響を説明する図である。
符号の説明
TB1…濃度補正テーブル、TB2…濃度補正テーブル、TB3…濃度補正テーブル、1…画像形成システム、2…濃度補正テーブル生成システム、100…PC、101…解像度変換部、102…色空間変換部、103…濃度補正部、104…量子化部、105…ラスタライズ部、108…アプリケーション、109…デバイスドライバ、110…CPU、120…ROM、130…RAM、140…I/F、150…HDD、160…キーボード、170…ディスプレイ、190…バス、200…画像形成装置、210…CPU、220…ROM、230…RAM、240…I/F、250…画像形成部、251…ラインヘッド、252…インクタンク、253…ヘッド駆動回路、254…制御部、255…モータ、256…モータ駆動回路、257…ページバッファ、290…バス、300…PC、301…テストパターン、302…濃度補正テーブル生成部、303…濃度測定部、304…スキャン画像、310…CPU、311…テストパターン、321…テストパターン、330…RAM、340…I/F、350…HDD、390…バス、400…スキャナ、2401…ドット、2402…ドット、2403…ノズル、2404…ノズル

Claims (5)

  1. 画像形成を行う複数のノズルを有する画像形成手段に、前記複数のノズルによる画像形成を制御する制御データを出力する出力手段と、
    画素毎の入力画素値を含む入力画像データを構成する複数の画素のうち補正対象となる自画素の入力画素値と、前記自画素に隣接する参照画素の入力画素値と、前記自画素の出力画素値とを対応付けた濃度補正テーブルを、前記複数のノズルの各々について記憶した記憶手段と、
    記記憶手段に記憶された濃度補正テーブルのうち、前記自画素を形成するノズルに対応する一の濃度補正テーブルに記憶されている、前記自画素の入力画素値の最大値および前記参照画素の入力画素値の最大値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最小のものである最大最小値と、前記自画素の入力画素値の最小値および前記参照画素の入力画素値の最小値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最大のものである最小最大値とを算出し、前記自画素の画素値を前記最小最大値から前記最大最小値の範囲に収まるように変換した値を、前記自画素の要求出力画素値として算出する要求出力画素値算出手段と、
    前記画像データに対し、第1アルゴリズムに従って、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する補正処理を行う第1の画像補正手段と、
    前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定することができない場合、前記第1アルゴリズムとは異なる第2アルゴリズムで前記自画素の補正値を決定する第2の画像補正手段と
    を有し、
    前記第1アルゴリズムは、
    前記自画素を、前記入力画像データを構成する複数の画素からあらかじめ決められた順番で一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として前記第1の画像補正手段に前記補正処理を行わせる
    アルゴリズムであり、
    前記第2アルゴリズムは、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素について、要求出力画素値と出力画素値との差が最小となる入力画素値を前記補正値として決定し、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素から前記順番と逆の順番で前記自画素を一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を前記第2の画像補正手段に決定させる
    アルゴリズムである
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第2アルゴリズムにより端部の画素まで補正値の算出が完了すると、前記第1の画像補正手段は、前記第1の画像補正手段から前記第2の画像補正手段に切り替わったときの自画素の次の順番の画素から、前記補正処理を開始する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 画像形成を行う複数のノズルを有する画像形成手段に、前記複数のノズルによる画像形成を制御する制御データを出力する出力手段を有する画像処理装置における画像処理方法であって、
    画素毎の入力画素値を含む入力画像データを構成する複数の画素のうち補正対象となる自画素の入力画素値と、前記自画素に隣接する参照画素の入力画素値と、前記自画素の出力画素値とを対応付けた濃度補正テーブルを、前記複数のノズルの各々について記憶した記憶手段から、前記濃度補正テーブルを読み出す読み出しステップと、
    記記憶手段に記憶された濃度補正テーブルのうち、前記自画素を形成するノズルに対応する一の濃度補正テーブルに記憶されている、前記自画素の入力画素値の最大値および前記参照画素の入力画素値の最大値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最小のものである最大最小値と、前記自画素の入力画素値の最小値および前記参照画素の入力画素値の最小値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最大のものである最小最大値とを算出し、前記自画素の画素値を前記最小最大値から前記最大最小値の範囲に収まるように変換した値を、前記自画素の要求出力画素値として算出する要求出力画素値算出ステップと、
    前記画像データに対し、第1アルゴリズムに従って前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する補正処理を行う第1の画像補正ステップと、
    前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定することができない場合、前記第1アルゴリズムとは異なる第2アルゴリズムで前記自画素の補正値を決定する第2の画像補正ステップと
    を有し、
    前記第1アルゴリズムは、
    前記自画素を、前記入力画像データを構成する複数の画素からあらかじめ決められた順番で一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として前記補正処理を行う
    アルゴリズムであり、
    前記第2アルゴリズムは、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素について、要求出力画素値と出力画素値との差が最小となる入力画素値を前記補正値として決定し、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素から前記順番と逆の順番で前記自画素を一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する
    アルゴリズムである
    ことを特徴とする画像処理方法。
  4. 画像形成を行う複数のノズルを有する画像形成手段に、前記複数のノズルによる画像形成を制御する制御データを出力する出力手段を有するコンピュータ装置に、
    画素毎の入力画素値を含む入力画像データを構成する複数の画素のうち補正対象となる自画素の入力画素値と、前記自画素に隣接する参照画素の入力画素値と、前記自画素の出力画素値とを対応付けた濃度補正テーブルを、前記複数のノズルの各々について記憶した記憶手段から、前記濃度補正テーブルを読み出す読み出しステップと、
    記記憶手段に記憶された濃度補正テーブルのうち、前記自画素を形成するノズルに対応する一の濃度補正テーブルに記憶されている、前記自画素の入力画素値の最大値および前記参照画素の入力画素値の最大値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最小のものである最大最小値と、前記自画素の入力画素値の最小値および前記参照画素の入力画素値の最小値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最大のものである最小最大値とを算出し、前記自画素の画素値を前記最小最大値から前記最大最小値の範囲に収まるように変換した値を、前記自画素の要求出力画素値として算出する要求出力画素値算出ステップと、
    前記画像データに対し、第1アルゴリズムに従って前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する補正処理を行う第1の画像補正ステップと、
    前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定することができない場合、前記第1アルゴリズムとは異なる第2アルゴリズムで前記自画素の補正値を決定する第2の画像補正ステップと
    を有し、
    前記第1アルゴリズムは、
    前記自画素を、前記入力画像データを構成する複数の画素からあらかじめ決められた順番で一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として前記補正処理を行う
    アルゴリズムであり、
    前記第2アルゴリズムは、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素について、要求出力画素値と出力画素値との差が最小となる入力画素値を前記補正値として決定し、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素から前記順番と逆の順番で前記自画素を一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する
    アルゴリズムである
    ことを特徴とする画像処理方法を実行させるためのプログラム。
  5. 画像形成を行う複数のノズルを有する画像形成手段に、前記複数のノズルによる画像形成を制御する制御データを出力する出力手段を有するコンピュータ装置に、
    画素毎の入力画素値を含む入力画像データを構成する複数の画素のうち補正対象となる自画素の入力画素値と、前記自画素に隣接する参照画素の入力画素値と、前記自画素の出力画素値とを対応付けた濃度補正テーブルを、前記複数のノズルの各々について記憶した記憶手段から、前記濃度補正テーブルを読み出す読み出しステップと、
    記記憶手段に記憶された濃度補正テーブルのうち、前記自画素を形成するノズルに対応する一の濃度補正テーブルに記憶されている、前記自画素の入力画素値の最大値および前記参照画素の入力画素値の最大値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最小のものである最大最小値と、前記自画素の入力画素値の最小値および前記参照画素の入力画素値の最小値に対応する前記自画素の出力画素値のうち、画素値が最大のものである最小最大値とを算出し、前記自画素の画素値を前記最小最大値から前記最大最小値の範囲に収まるように変換した値を、前記自画素の要求出力画素値として算出する要求出力画素値算出ステップと、
    前記画像データに対し、第1アルゴリズムに従って前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する補正処理を行う第1の画像補正ステップと、
    前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定することができない場合、前記第1アルゴリズムとは異なる第2アルゴリズムで前記自画素の補正値を決定する第2の画像補正ステップと
    を有し、
    前記第1アルゴリズムは、
    前記自画素を、前記入力画像データを構成する複数の画素からあらかじめ決められた順番で一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として前記補正処理を行う
    アルゴリズムであり、
    前記第2アルゴリズムは、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素について、要求出力画素値と出力画素値との差が最小となる入力画素値を前記補正値として決定し、
    前記補正値を決定することができないと判断された画素から前記順番と逆の順番で前記自画素を一画素ずつ特定し、
    前記特定された自画素について、前記自画素よりも一つ前の順番の画素を前記参照画素として、前記濃度補正テーブルを用いて、前記参照画素の入力画素値が与えられたときに前記自画素の要求出力画素値と前記自画素の出力画素値とが等しくなるように前記自画素の補正値を決定する
    アルゴリズムである
    ことを特徴とする画像処理方法を実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体。
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