JP4556546B2 - 噴霧乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スラリーの噴霧および乾燥を行う噴霧乾燥装置に係り、さらに詳しくは、得られる顆粒の粒度のバラツキが小さく、かつ、不純物の混入を有効に防止できる噴霧乾燥装置に関する。
噴霧乾燥装置は、原料粉末、溶媒およびバインダ等により構成されるスラリーを、ノズルや回転ディスク等の噴霧部により噴霧して、熱風で瞬時に乾燥させるための装置である。このような噴霧乾燥装置は、医薬品、ファインセラミックス等において、顆粒を得るために、従来より用いられている。
噴霧乾燥装置の噴霧部としては、加圧ノズルや回転ディスク等が主に使用される。噴霧部として回転ディスクを使用した場合においては、加圧ノズルを使用した場合と比較して、より細かい顆粒を得ることができ、そのため、噴霧部としては、回転ディスクが好適に使用されている。
上記回転ディスクは、一般に、円板形状を有しており、回転軸により支持される下板、液滴を噴霧するための分散ピン、分散ピン上に形成される上板から構成される。さらに、回転ディスクの上方には、回転ディスク上にスラリーを吐出するためのスラリー吐出部と、このスラリー吐出部を保持するための保持部とが形成されている(たとえば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載されているような回転ディスクを有する噴霧乾燥装置では、噴霧乾燥を連続して行うと、スラリーの跳ね返りや乾燥熱風の影響により、回転ディスクの上板と、スラリー吐出部を保持する保持部との隙間に原料の付着(スケーリング)が発生してしまう。上板と保持部との隙間に原料が付着し、この付着物が堆積してしまうと、堆積により一定の大きさとなった付着物が、脱落し、製品中に混入してしまい、結果として、粒度の揃った製品が得られなくなってしまう。
さらに、付着物の堆積により、高速回転する回転ディスクの上板と、保持部との間において、付着物による摩擦が生じてしまい、この摩擦により、上板あるいは保持部が摩耗してしまい、摩耗物が製品中に不純物として混入し、製品に悪影響を及ぼしてしまうという問題もあった。
特開平10−118536号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、回転ディスクの上板と、スラリー吐出部を保持する保持部との隙間への原料の付着を防止し、得られる顆粒の粒度のバラツキを小さくするとともに、不純物の混入を有効に防止できる噴霧乾燥装置に関する。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、回転ディスクの回転軸方向から見て、回転ディスクの上板と保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、スリットまたは貫通孔を設けることにより、本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る噴霧乾燥装置は、
スラリーを吐出するためのスラリー吐出部と、前記スラリー吐出部を保持するための保持部と、前記吐出部から吐出されたスラリーを放射状に噴霧する回転ディスクと、を有する噴霧乾燥装置であって、
前記回転ディスクには、上板が形成されており、
前記上板には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、スリットまたは貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明においては、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分のうち少なくとも一部に、複数のスリットまたは貫通孔を形成することにより、前記回転ディスクの上板と前記保持部との隙間への原料の付着を有効に防止することができる。本発明によると、上板と保持部との隙間への原料の付着を防止することができるため、付着物の脱落が原因となる製品の粒度のバラツキや、付着物による摩耗が原因となる不純物の混入を有効に防止することができる。
本発明において、好ましくは、
前記上板には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合わない部分の少なくとも一部にも、スリットまたは貫通孔が形成されている。
前記回転ディスクの上板において、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分だけでなく、重なり合わない部分にも、スリットまたは貫通孔を設けることにより、前記重なり合う部分における原料の付着を防止し、かつ、前記重なり合わない部分における原料の付着も防止することができる。そのため、本発明の作用効果をさらに高めることができる。
本発明において、好ましくは、
複数の前記スリットが、前記上板の内側に開口して形成してある。
前記スリットは、前記回転ディスクの上板の内側(内径側)から外側(外径側)に向かって、放射状に形成されていることが好ましく、このように放射状に形成することにより、スリットの形成効果を高めることができる。前記上板に形成されるスリットの数は、特に限定されないが、上板自体の強度が確保される範囲内において、できる限り多く形成することが好ましい。さらに、スリットの幅や形状についても、特に限定されず、たとえば、スリット幅が上板の内径の1/10〜1/20程度である短形としたり、内側から外側に向かって徐々にスリット幅が大きくなるような形状とすることもできる。
本発明において、好ましくは、
複数の前記貫通孔が、前記上板に同心円状に配置されている。
前記貫通孔は、前記上板に同心円状に配置されることが好ましく、このように同心円状に配置することにより、回転ディスクの回転を安定化させることができる。貫通孔は、少なくとも一つの同心円状に配置すれば良く、二つ以上の同心円状に配置しても良い。貫通孔を、二つ以上の同心円状に配置することにより、上板自体の強度を確保しつつ、上板に形成される貫通孔の数を増やすことができ、本発明の作用効果を高めることができる。なお、貫通孔の大きさや形状についても、特に限定されず、たとえば、直径5〜10mm程度の円形状としたり、あるいは、楕円形状や四角形状などとすることも可能である。
本発明においては、複数の前記スリットおよび/または前記貫通孔は、前記回転ディスクの上板の周方向に等間隔に配置することが好ましい。周方向に等間隔に配置することで、回転ディスクの回転を安定化させることができる。なお、前記回転ディスクの上板には、必要に応じて、前記スリットと前記貫通孔とを同時に形成してもよい。
本発明において、好ましくは 前記保持部には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、外周に向かって前記上板との隙間が広くなるようなテーパーが形成してある。
本発明において、好ましくは、前記回転ディスクの上板には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、内周に向かって前記保持部との隙間が広くなるようなテーパーが形成してある。
前記保持部および/または前記回転ディスクの上板の少なくとも一部にテーパーを設けることにより、前記回転ディスクの上板と前記保持部との間隔を十分に確保することができるため、前記回転ディスクの上板と前記保持部との隙間への原料の付着を、より効果的に防止することができる。
本発明において、好ましくは、前記保持部には、ガスを吐出するためのガス吐出機構が具備してある。前記保持部にガス吐出機構を設け、ガスを吐出することにより、前記回転ディスクの上板と前記保持部との隙間への原料の付着の防止、および付着物の除去が可能となる。
本発明に係る粉体の乾燥方法は、上記いずれかの噴霧乾燥装置を使用して、原料粉末を含有するスラリーを噴霧乾燥し、顆粒化することを特徴とする。本発明の乾燥方法によると、上記本発明の噴霧乾燥装置を使用するため、良好な粒度分布を有し、かつ、不純物の混入が極めて少ない粉体を得ることができる。
本発明によると、回転ディスクの回転軸方向から見て、回転ディスクの上板と保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、スリットまたは貫通孔を設けるため、回転ディスクの上板と保持部との隙間への原料の付着を有効に防止することができ、付着物の脱落が原因となる製品の粒度のバラツキや、付着物による摩耗が原因となる不純物の混入を有効に防止することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る噴霧乾燥装置の全体構成図、
図2は本発明の一実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図、
図3は図2に示すIII−III線に沿う噴霧部の要部断面図、
図4〜図8は本発明の他の実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る噴霧乾燥システムは、乾燥手段である噴霧乾燥装置1と、噴霧乾燥装置1にスラリーポンプ11を介してスラリーを供給するスラリー供給手段と、送風機12を介して乾燥用熱風を供給する熱風供給手段と、排気手段(サイクロン14、バグフィルター15、回収機用ブロアー16)とを有する。
本実施形態の噴霧乾燥システムにおいては、原料粉末、溶媒およびバインダ等により構成されるスラリーを、スラリーポンプ11を介してスラリー供給手段から噴霧乾燥装置1に供給し、送風機12を介して熱風供給手段から送られる乾燥用熱風により、噴霧乾燥装置1内にて原料の乾燥を行い、顆粒状の原料粒を得る。
噴霧乾燥装置1は、筒状の乾燥筒体10と、乾燥筒体10の上方中心部に位置する噴霧部2とを有する。噴霧部2へは、スラリーポンプ11を介してスラリー供給手段から、スラリーが供給されるようになっており、供給されたスラリーは、噴霧部2により、乾燥筒体10の内壁に向けて放射状に噴霧される。そして、噴霧部2により、噴霧されたスラリーは、送風機12を介して熱風供給手段から送られる乾燥用熱風により乾燥され、顆粒となり、乾燥材料排出口13から取り出される。
図2に示すように、噴霧部2は、回転軸4を介して回転自在に配置された回転ディスク3と、スラリーホース(スラリー供給手段の一部)5と、回転軸4およびスラリーホース5を保持するディストリビュータ6とを有している。さらに、ディストリビュータ6は、ケーシング7の下端部7aにより外周側から固定されている。ディストリビュータ6およびケーシング7の下端部7aは、本発明の「保持部」を構成している。
スラリーホース5は、スラリー供給手段から供給されたスラリーを吐出するための吐出部5aを有している。スラリー供給手段から供給されたスラリーは、吐出部5aを介して、回転ディスク3上の回転軸4付近に滴下される。本実施形態では、スラリーホース5は、図3に示すように、回転軸4を中心として180°対称位置に2本配置したが、スラリーホース5の本数や配置位置は特に限定されない。なお、スラリーホース5を2本以上配置する場合には、スラリーの滴下が一定になるように、回転ディスク3の周方向に等間隔に配置することが好ましい。また、スラリーホース5を構成する材質は特に限定されないが、たとえばナイロンなどが使用可能である。
回転ディスク3は、円板形状であり、回転軸4により支持される下板31を有し、下板31の外周側上面には、回転ディスク3の周方向に分散ピン32が複数配置してある。さらに、分散ピン32上には、上板33が固定されている。回転ディスク3は、回転軸4により、好ましくは回転速度3000〜8000rpmで回転自在となっており、吐出部5aから吐出されるスラリーを、回転による遠心力により、放射状に噴霧可能となっている。
本実施形態における噴霧部2によるスラリーの具体的な噴霧方法を次に示す。まず、吐出部5aから、回転ディスク3の下板31の表面にスラリーが液滴の状態で滴下される。次いで、回転ディスク3の回転による遠心力により、このスラリー液滴が、下板31上を外周側に移動していき、分散ピン32の下部周面に付着する。そして、分散ピン32に付着したスラリー液滴は、遠心力により、分散ピン32の表面上を上昇していき、分散ピン32の上端付近において分散ピン32を離れ噴霧される。
本実施形態において、分散ピン32の上方に形成されている上板33は、スラリー液滴の噴霧を安定化させる機能を有しており、上板33を形成することにより、得られる顆粒の粒度分布をシャープにすることができる。本実施形態では、上板33を形成することにより、粒度分布をシャープにすることができるため、粒度分布を基準とする良品率を約10%程度高めることができる。
本実施形態では、図3に示すように、上板33には、回転軸4方向から見て、上板33とディストリビュータ6およびケーシング7の下端部7aとが重なり合う部分(重複部分331)に、複数の短形スリット34を有する。本実施形態においては、上記重複部分331に、複数のスリット34を形成することにより、回転ディスク3の上板33と、ディストリビュータ6との隙間への原料の付着を防止することができる。そして、原料の付着を防止することにより、付着物の脱落が原因となる製品の粒度のバラツキや、付着物による摩耗が原因となる不純物の混入を有効に防止することができる。
なお、図3中、上板33の点線の内側の部分は、上板33とディストリビュータ6およびケーシング7の下端部7aとが重なり合う部分(重複部分331)であり、上板33の点線の外側の部分は、上板33とディストリビュータ6およびケーシング7の下端部7aとが重なり合わない部分(非重複部分332)である。
噴霧部2においては、回転ディスク3の回転ブレを防止するために、回転ディスク3は、保持部であるディストリビュータ6になるべく近い位置に設置する必要がある。そのため、回転ディスク3の上板33と、ディストリビュータ6との隙間は、比較的に狭くする必要があり、通常、約1〜2mm程度となっている。従来においては、上板33とディストリビュータ6との隙間が狭いため、上板33の表面のうち、回転軸4方向から見て、上板33とディストリビュータ6およびケーシング7の下端部7aとが重なり合う部分(重複部分331)において、スラリーの付着が顕著に発生していた。そして、この付着物が堆積し、堆積により一定の大きさとなった付着物が脱落し、製品中に混入してしまい、製品の粒度のバラツキが大きくなってしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、上記重複部分331に複数のスリット34を形成することにより、重複部分331とディストリビュータ6とが対向する部分のうち、スリット34を形成した部分では、上板33とディストリビュータ6との間の隙間をなくすことができる。すなわち、スリット34を形成することにより、上板33の重複部分331とディストリビュータ6とで形成される比較的に隙間の狭い部分(隙間約1〜2mm程度)を少なくすることができる。そのため、本実施形態によると、従来において問題となっていた上板33の重複部分331におけるスラリーの付着を効果的に防止することができる。
しかも、本実施形態では、上板33の重複部分331には、スリット34を形成しているため、たとえ、スラリーの付着が発生したとしても、スラリーの付着物が堆積し、大きな堆積物となってしまう前に、付着物をスリット34から落下させることができる。そのため、スラリー付着による堆積を有効に防止することもできる。
上記重複部分331に形成される上記スリット34の数は、特に限定されず、上板33の強度が十分に確保される範囲内において、できる限り多く形成することが好ましい。ただし、スリット34は、分散ピン32を避けて形成する。また、スリット34の幅wについても特に限定されないが、上板33の内径r1の1/10〜1/20程度とする。あるいは、スリット34の幅wは、5〜10mm程度とする。なお、上板33の内径r1の大きさは、特に限定されないが、通常50〜100mm程度である。本実施形態においては、図3に示すように、複数のスリット34は、回転ディスク3の周方向に等間隔に配置するため、回転ディスク3の回転を安定化させることができる。
なお、本実施形態においては、スリット34としては、スリット幅が一定である短形のスリットとしたが、内側から外側に向かって徐々にスリット幅が大きくなるような形状とすることも可能である。
また、本実施形態では、スリット34を、上板33に形成することで、上板33および下板31の外径を大きくすることなく、回転ディスク3を構成することができる。本実施形態では、回転ディスク3の外径をコンパクトにできるので、回転ディスク3の回転時の安定性が良い。
そして、噴霧部2より噴霧されたスラリーの液滴は、図1に示す送風機12を介して熱風供給手段から送られる乾燥用熱風(好ましくは180〜230℃)により乾燥され、顆粒となり、最終的に、乾燥材料排出口13より取り出される。本実施形態によると、良好な粒度分布を有し、かつ、不純物の混入が極めて少ない顆粒を得ることができる。
なお、熱風供給手段から送られた乾燥用熱風は、排気手段であるサイクロン14、バグフィルター15および回収機用ブロアー16により、噴霧乾燥により気化した溶媒や粉塵と共に回収される。
第2実施形態
第2実施形態に係る噴霧乾燥装置は、噴霧部の回転ディスク上に図4に示す上板33aが形成されている以外は、第1実施形態の噴霧乾燥装置1と同様な構成と作用を有し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の上板33aには、第1実施形態と異なり、回転軸4方向から見て、上板33aとディストリビュータ6およびケーシング7の下端部7aとが重なり合う部分(重複部分331a)に、複数の貫通孔35が形成されている。本実施形態においては、上記重複部分331aに、複数の貫通孔35を形成することにより、第1実施形態と同様に、上板33aと、ディストリビュータ6との隙間への原料の付着を防止することができる。そして、原料の付着を防止することにより、付着物の脱落が原因となる製品の粒度のバラツキや、付着物による摩耗が原因となる不純物の混入を有効に防止することができる。
しかも、本実施形態では、図4に示すように、複数の貫通孔35は回転ディスク3の同心円状に、かつ、回転ディスク3の周方向に等間隔に配置されている。そのため、回転ディスク3の回転を安定化させることができる。
上記重複部分331aに形成される貫通孔35の数は、特に限定されず、上板33aの強度が十分に確保される範囲内において、できる限り多く形成することが好ましい。また、貫通孔35の内径r2の大きさについても特に限定されないが、上板33aの内径r1の1/5〜1/10程度、あるいは、5〜10mm程度とする。
なお、本実施形態においては、図4に示すように、一つの同心円状に複数の貫通孔35を配置したが、上板33aの強度が十分に確保される範囲内において、二つ以上の同心円状に複数の貫通孔35を配置することも可能である。また、本実施形態では、貫通孔35は円形状としたが、たとえば、楕円形状や四角形状などとしても良い。
第3実施形態
第3実施形態に係る噴霧乾燥装置は、噴霧部の回転ディスク上に図5に示す上板33bが形成されている以外は、第1実施形態の噴霧乾燥装置1と同様な構成と作用を有し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の上板33bには、複数のスリット34bが形成されている。このスリット34bは、第1実施形態と異なり、重複部分331bから非重複部分332bにかけて形成されている。そのため、上記重複部分331bだけでなく、上記非重複部分332bにおけるスラリーの付着も有効に防止することができる。したがって、本実施形態によれば、付着物の脱落が原因となる製品の粒度のバラツキや、付着物による摩耗が原因となる不純物の混入を、より有効に防止することができる。
第4実施形態
図6に示す本実施形態の噴霧部2cは、第1実施形態の噴霧部2と以下に示す以外は、同様な構成と作用を有し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の噴霧部2cでは、第1実施形態と異なり、ディストリビュータ6cの下面には、外周に向かって上板33との隙間が広くなるようなテーパー6c−1が形成されている。本実施形態では、上板33には複数のスリット34を形成し、さらに、ディストリビュータ6cの下面にはテーパー6c−1を形成する。そのため、上板33とディストリビュータ6cとの間隔を十分に確保することができ、上板33とディストリビュータ6cとの隙間への原料の付着を、より効果的に防止することができる。
なお、ディストリビュータ6cの下面に形成されるテーパー6c−1は、ディストリビュータ6cの少なくとも一部に形成すれば良く、たとえば、テーパー開始点6c−2やテーパー角度は、目的に合わせて任意に設定可能である。
第5実施形態
図7に示す本実施形態の噴霧部2dは、第1実施形態の噴霧部2と以下に示す以外は、同様な構成と作用を有し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の噴霧部2dでは、第1実施形態と異なり、回転ディスク3dの上板33dの内周側端部上面には、内周に向かって、ディストリビュータ6との隙間が広くなるようなテーパー33d−1が形成されている。本実施形態では、上板33dには、第1実施形態と同様に複数のスリットを形成し、さらに、テーパー33d−1を形成する。そのため、上板33dとディストリビュータ6との間隔を十分に確保することができ、上板33dとディストリビュータ6との隙間への原料の付着を、より効果的に防止することができる。
なお、上板33dの内周側端部上面に形成されるテーパー33d−1は、上板33dの内周側端部上面の少なくとも一部に形成すれば良く、たとえば、テーパー開始点33d−2やテーパー角度は、目的に合わせて任意に設定可能である。
第6実施形態
図8に示す本実施形態の噴霧部2eは、第1実施形態の噴霧部2と以下に示す以外は、同様な構成と作用を有し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の噴霧部2eでは、第1実施形態と異なり、ディストリビュータ6eに、ガス吐出用ホース8が設けられており、ディストリビューター6eの下面に設けられたガス吐出部8aよりガスを吐出できるようになっている。
本実施形態では、上板33には複数のスリット34を形成し、さらに、ディストリビュータ6の下面には、ガス吐出用ホース8を介してガスを吐出するガス吐出部8aを形成する。そのため、ガス吐出用ホース8を介してガス吐出部8aよりガスを吐出することにより、上板33とディストリビューター6eとの隙間における原料の付着を防止することができるとともに、もし、原料が付着した場合においても、付着物を有効に除去することができる。ガス吐出部8aは、ディストリビューター6eの下面の少なくとも一部に形成されていることが好ましく、必要に応じて、複数個形成することも可能である。
なお、本実施形態では、ガス吐出部8aは、ディストリビューター6eの下面に形成したが、ケーシング7eの外周側の表面に形成しても良い。また、ガス吐出部8aは、ディストリビュータ6eの下面、およびケーシング7eの外周側の表面の両方に形成しても良い。
ガス吐出部8aから吐出するガスとしては、特に限定されず、噴霧乾燥する原料に併せて適宜選択すればよいが、たとえば、空気やNガスなどが使用でき、必要に応じて水分を含有させても良い。また、ガス吐出部8aから吐出するガスの温度は、常温〜400℃程度であることが好ましく、より好ましくは送風機12を介して熱風供給手段より供給される乾燥用熱風と同じものを使用する。
その他の実施形態
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した各実施形態では、テーパー6c−1,33d−1、ガス吐出部8aは、それぞれ別々に形成したが、本発明の作用効果を損なわない限りにおいて、これらを複合して形成することも可能である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
まず、出発原料として、セラミック原料を用意し、セラミック原料とバインダーと純水とを撹拌・混合し、次いで、配合粉砕機を使用して配合・粉砕を行い、セラミックスラリーを作製した。
次いで、得られたセラミックスラリーについて、図2,3に示す噴霧部2を有する本発明の噴霧乾燥装置(実施例)を使用して噴霧乾燥を行った。なお、噴霧乾燥の条件としては、回転ディスク3の回転数を3500rpm、乾燥用熱風の温度を190℃とした。また、本実施例においては、スリット34のスリット幅wは、上板33の内径r1の1/12の大きさとした。
さらに、上記とは別に、得られたセラミックスラリーについて、上記と同様にして、回転ディスクの上板にスリットが形成されていない従来の噴霧乾燥装置(比較例)を使用して噴霧乾燥を行った。
次いで、本発明の噴霧乾燥装置(実施例)を使用して得られたセラミック顆粒、および従来の噴霧乾燥装置(比較例)を使用して得られたセラミック顆粒について、外観検査および顆粒の良品率の測定を行った。
外観検査は、得られたセラミック顆粒について、黒色の異物が存在するか否か、および顆粒の固まりが存在するか否かを評価することにより行った。外観検査は、表1に示す検査ロット数について行った。黒色の異物、または顆粒の固まりが存在したロットを不良ロットとし、検査ロット数に対する不良ロット数の割合を不良率として求めた。不良率は低いほうが好ましい。結果を表1に示す。
顆粒の良品率の測定は、得られたセラミック顆粒について、粒度分布の測定を行い、粒径が300μm以下の範囲にあった粒子を良品とし、粒子の全重量に対する良品の重量を求め、これを良品率とした。結果を表2に示す。良品率は高いほうが好ましい。
Figure 0004556546
評価1
表1より、本発明の噴霧乾燥装置(実施例)を使用して得られたセラミック顆粒は、黒色の異物および顆粒の固まりが、全く存在せず、良好な結果となった。一方、従来の噴霧乾燥装置(比較例)を使用して得られたセラミック顆粒は、黒色の異物および顆粒の固まりが、それぞれ確認され、不良率が1.38%であった。なお、比較例にて確認された黒色の異物は、ディストリビュータおよび/または回転ディスクの上板の一部が摩耗することにより混入した摩耗物であり、また、顆粒の固まりは、ディストリビュータと回転ディスクの上板との間に堆積した付着物であった。
この結果より、本発明の噴霧乾燥装置(実施例)を使用することにより、回転ディスクの上板とディストリビュータ(保持部)との隙間への原料の付着を有効に防止することができることが確認できた。
Figure 0004556546
評価2
表2より、本発明の噴霧乾燥装置(実施例)を使用して得られたセラミック顆粒は、良品率が93.9%となり、良好な結果であった。一方、従来の噴霧乾燥装置(比較例)を使用して得られたセラミック顆粒は、良品率が87.6%となり、90%を下回り、良品率に劣る結果となった。
この結果より、本発明の噴霧乾燥装置(実施例)を使用することにより、粒度分布のバラツキを解消することができ、結果として、良品率を向上させることが可能であることが確認できた。
図1は本発明の一実施形態に係る噴霧乾燥装置の全体構成図である。 図2は本発明の一実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。 図3は図2に示すIII−III線に沿う噴霧部の要部断面図である。 図4は本発明の他の実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。 図5は本発明の他の実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。 図6は本発明の他の実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。 図7は本発明の他の実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。 図8は本発明の他の実施形態に係る噴霧乾燥装置の噴霧部の要部断面図である。
符号の説明
1… 噴霧乾燥装置
10… 乾燥筒体
11… スラリーポンプ
12… 送風機
13… 乾燥材料排出口
14… サイクロン
15… バグフィルター
16… 回収機用ブロアー
2… 噴霧部
3… 回転ディスク
31… 下板
32… 分散ピン
33… 上板
331… 重複部分
332… 非重複部分
34… スリット
4… 回転軸
5… スラリーホース
5a… 吐出部
6… ディストリビュータ
7… ケーシング
7a… 下端部

Claims (7)

  1. スラリーを吐出するためのスラリー吐出部と、前記スラリー吐出部を保持するための保持部と、前記吐出部から吐出されたスラリーを放射状に噴霧する回転ディスクと、を有する噴霧乾燥装置であって、
    前記回転ディスクには、上板が形成されており、
    前記上板には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、スリットまたは貫通孔が形成されていることを特徴とする噴霧乾燥装置。
  2. 前記上板には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合わない部分の少なくとも一部にも、スリットまたは貫通孔が形成されている請求項1に記載の噴霧乾燥装置。
  3. 複数の前記スリットが、前記上板の内側に開口して形成してある請求項1または2に記載の噴霧乾燥装置。
  4. 複数の前記貫通孔が、前記上板に同心円状に配置されている請求項1または2に記載の噴霧乾燥装置。
  5. 前記保持部には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、外周に向かって前記上板との隙間が広くなるようなテーパーが形成してある請求項1〜4のいずれかに記載の噴霧乾燥装置。
  6. 前記回転ディスクの上板には、前記回転ディスクの回転軸方向から見て、前記上板と前記保持部とが重なり合う部分の少なくとも一部に、内周に向かって前記保持部との隙間が広くなるようなテーパーが形成してある請求項1〜5のいずれかに記載の噴霧乾燥装置。
  7. 前記保持部には、ガスを吐出するためのガス吐出機構が具備してある請求項1〜6のいずれかに記載の噴霧乾燥装置。

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