JP4555622B2 - 圧力センサの取付け構造 - Google Patents
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Description
そして、前記圧力センサは以下によって第1筐体10に固定配置される。
第1には、圧力センサSの上方突部Saが第1収納凹部10c内に軽圧入又は接着剤によって固定され、このときセンサ側のターミナルScは第1筐体側のターミナル12の一端12a上に配置される。
第2には、センサ側のターミナルScと第1筐体側のターミナル12の一端12aとがスポット溶接、ハンダ付等によって電気的に接続される。
第3には、第1筐体10の下方開口より(第3収納凹部10gの下方開口)、第2収納凹部10eに向けてエポキシ樹脂等の接着剤Gを充填する。
これによると、圧力センサSの外周部Sb と第2収納部10eとの間の間隙及びターミナルSc、12a上に接着剤が充填され、この接着剤Gが固化することによって圧力センサSが第1筐体10に固定配置されるとともに圧力センサSの出力信号をセンサ側のターミナルSc、第1筐体側のターミナル12bを介して外部に向けて出力できる。
以上によって圧力センサSが第1筐体10に固定配置された。
かかる第1筐体10は、Oリング13を介して第2筐体14に気密的に挿入配置されるもので、これによると第1筐体10の第2収納凹部10eとそれに臨む第2筐体14の凹部15とによって受圧室16が形成され、前記第1筐体に固定される圧力センサSの下方は、この受圧室16内に臨んで配置されることになる。
尚、第1筐体10は、第1筐体10上に配置される押圧板17をネジ18によって第2筐体14に螺着することにより第2筐体14に固定配置される。
ここで特に圧力センサSの圧入代が大となった場合、圧力センサSの上方突部Saを第1収納凹部10cに圧入する際、圧力センサSのケース部分を構成する上方突部Saに歪みを生じ、圧力変換素子による正確な圧力の検出が阻害される。
又、上方突部Saを第1収納凹部10cに向けて接着剤によって固定することによると、上方突部Saへの接着剤塗布作業を必要とし、生産性の向上が阻害される。
又、圧力センサSの外周部Sbと第1筐体10の第2収納凹部10eとの間に接着剤Gを充填して硬化させたことによると、特に合成樹脂材料によって形成される第1筐体10の外側筒部10bが、温度低下によって収縮した際、その収縮が接着剤Gを介して直接的に圧力センサSのケース部分を形成する外周部Sbを内方へ押圧して外周部Sbに歪みを生じさせる。
又、第1筐体10が温度上昇によって膨張した際、その膨張が接着剤Gを介して圧力センサSの外周を外方へ引張り、外周部Sbに歪みを生じさせる。
以上によると圧力センサSの圧力変換素子に歪みを生じさせるもので圧力センサSの検出能力を低下させる。
一方、接着剤Gについて着目すると、温度低下時において、接着剤Gは収縮して圧力センサSの外周部Sbを外方へ引張り外周部Sbに歪みを生じさせ、又温度上昇時において、接着剤Gは膨張して圧力センサSの外周部Sbを内方へ押圧して外周部Sbに歪みを生じさせるもので、圧力センサSの圧力変換素子に歪みが生じ、圧力センサSの検出能力を低下させる。
更には第1筐体10の外側筒部10bが外力を受けて変形した際、その変形は直接的に接着剤Gに作用して圧力センサSの外周部Sbに歪みを生じさせるもので、これも前記と同様に好ましいものでない。
これは特にコネクタ部10h以外の外側筒部10bにおいて顕著である。
従って、圧力センサのケースを構成する上方突部が第1収納凹部によって押圧されて歪み、内部の圧力変換素子を変形させることがなく、圧力センサによって正確な圧力の検出を行なうことができる。
特に第1筐体は一般的に合成樹脂材料によって射出成形されるが、第1収納凹部の寸法管理が前述の如く比較的にラフでよいことは前記合成樹脂材料を用いた射出成形にとって好都合である。
又、圧力センサの上方突部を第1収納凹部へ挿入する際、ポッティング材を用いて固定することがないので生産性を向上できる。
又、圧力センサの外周部は、第2収納凹部の内壁部に臨んで配置されるとともに第2収納凹部と第1筐体の外側筒部との間に応力吸収溝が凹設され、ポッティング材が第2収納凹部の内壁部と圧力センサの外周部との間に充填されるので、前記ポッティング材が温度変化により膨張及び収縮した際、第2収納凹部の内壁部と応力吸収溝との間に形成される隔壁部が変形して前記ポッティング材の体積変化を吸収できる。
以上によると、前記ポッティング材の温度変化時にあっても、圧力センサの外周部に無用の圧力、引張り荷重が加わることがないので、圧力センサの圧力検出能力を低下させることがない。更に、第1筐体が温度変化により膨張及び収縮した際、第1筐体の外側筒部の内方及び外方への変形が直接的にポッティング材に作用することがない。
これは外側筒部の変形が応力吸収溝によって吸収されることによる。
以上によると、前記第1筐体の温度変化時にあっても、圧力センサの外周部に無用の押圧、引張り荷重が加わることがないので、圧力センサの圧力検出能力を低下させることがない。
図1は圧力センサの第1筐体への取着状態における縦断面図。
図2は図1の下方平面図。
である。
尚、図3と同一構造部分は同一符号を使用する。
1は上底部1aと下方に向かう外側筒部1bとにより形成される有底カップ状の第1筐体であり、第1筐体1の内方には以下が形成される。
1cは上底部1aに、下方に臨んで形成される第1収納凹部であり、その下端1dから外周側方に向けて段部1eが形成され、さらに段部1eの外側段部1fから下方に向かって第2収納凹部1gが形成される。
圧力センサSは、平面視で方形の外周部Sb及びその上方に突出する上方突部Saを有すると共に、前記外周部Sbの一側面よりセンサターミナルScを突出させている。
前記第1収納凹部1c及び第2収納凹部1gは圧力センサSの上方突部Sa及び外周部Sbに臨んで形成されるもので、第2収納凹部1gの下端1gaは外側方に向かって拡大されて形成される挿入凹部1hをもって外側筒部1bの下端1baに開口する。
2は第1筐体1にアウトモールドされて固定配置される第1筐体側のターミナルであり、第1筐体側のターミナル2の外端2aは、ターミナル固定段部1k上に配置され、内端2bは、第1筐体1から側方にのびるコネクタ部1mの内方の嵌合部1n内に突出して配置される。
すなわち、前記応力吸収溝は第2収納凹部1gの内壁部1gbと外側筒部1bとの間に穿設されるもので、これによって第2収納凹部1gの内壁部1gbと応力吸収溝1pとの間には例えば0.5mm程度の厚さを有する隔壁部1sが形成される。その際、図2に示される如く、コネクタ部1m側を除いて、3個の隔壁部1sとそれに対応する3個の応力吸収溝1pが形成され、各隔壁部1sの端部は外側筒部1bに一体に連結される。
第1には、圧力センサSの上方突部Saが第1収納凹部1c内に間隙をもって配置されるとともに圧力センサSの外周部Sbが間隙をもって第2収納凹部1g内に配置され、更にセンサ側のターミナルScが第1筐体側のターミナル2の一端2a上に配置される。
かかる状態において、圧力センサSの上方突部Saは第1収納凹部1c内に収容され、その際、上方突部Saの上端面及び外周面と、第1収納凹部1cの内面との間に間隙a,bが生じるようになっている。
第2には、センサ側のターミナルScと第1筐体側のターミナル12の一端12aとがターミナル固定段部1k上においてスポット溶接、ハンダ付等によって電気的に接続される。
第3には、第1筐体1の外側筒部1bの下端1baの開口部より、圧力センサSの外周部Sbと、第2収納凹部1gの内壁部1gbとの間に形成される間隙内に向けてポッティング材Gが充填される。
これによると、ポッティング材Gは第2収納凹部1gの下端1ga迄充填され、圧力センサSの外周部Sb、並びにセンサターミナルSbとコネクタターミナル2の内端2aとの接続部を被覆するもので、このポッティング材Gが固化することによって圧力センサSが第1筐体1に固定配置される。
以上によると、圧力センサSが収納凹部1c,1g内に軽圧入されるものでないので、圧力センサSの外形寸法と収納凹部1c,1gの内形寸法とを高精度に維持、管理する必要がないもので製造コストを低減できる。
特に、第1筐体1を合成樹脂材料によって射出成型する場合、収納凹部の内径寸法を高精度に維持する必要のないことは第1筐体1の生産上極めて好ましい。
又、圧力センサSの上方突部Saを第1収納凹部1cに固定用のポッティング材をもって接着することがないので、接着作業工数を削減できて生産上好ましい。
従って、圧力センサSに加わる荷重を低減できて圧力変換素子に対する歪みを抑止でき、もって圧力センサSの圧力検出能力を低下させることがない。
このように隔壁部1sにスリ割り1tを設けたことによると、隔壁部1sが中間部分で分断されるので、ポッティング材Gの体積変化に対する隔壁部1sの変形が容易に行なわれるもので圧力センサSの圧力変換素子に対する歪みをより効果的に吸収できる。
又、このスリ割り1tの形成は第1筐体1を下方に鋳抜くことにより簡単に形成される。
尚、前記位置決め突部1wは対向する内壁部1gb,1gbに設けるとよい。
1a 上底部
1b 外側筒部
1c 第1収納凹部
1e 段部
1f 外側端部
1g 第2収納凹部
1p 応力吸収溝
1s 隔壁部
1t スリ割り
1w 位置決め突部
2 コネクタターミナル
14 第2筐体
16 受圧室
a,b 間隙
G ポッティング材
S 圧力センサ
Sa 上方突部
Sb 外周部
Sc センサターミナル
Claims (3)
- 上底部(1a)と、その下方に向かう外側筒部(1b)とを有して有底カップ状をなし、圧力センサ(S)を収容する合成樹脂製の第1筐体(1)と、この第1筐体(1)に嵌合される第2筐体(14)とによって、圧力センサ(S)が臨む受圧室(16)を形成し、前記外側筒部(1b)の一側方向に、コネクタターミナル(2)を保持するコネクタ部(1m)を一体に突設し、圧力センサ(S)の一側面より突出するセンサターミナル(Sc)と前記コネクタターミナル(2)とを電気接続した圧力センサの取り付け構造において、
圧力センサ(S)は、平面視で方形の外周部(Sb)及びその上方に突出する上方突部(Sa)を有すると共に、前記外周部(Sb)の一側面よりセンサターミナル(Sc)を突出させており、第1筐体(1)には、前記上底部(1a)に臨んでいて前記上方突部(Sa)を、その上端面及び外周面との間に間隙(a,b)を存して収納する第1収納凹部(1c)と、この第1収納凹部(1c)の下端(1d)から外周側方に向かう段部(1e)と、この段部(1e)の外側端部(1f)から下方に向かい且つ前記外側筒部(1b)の内側にあって、圧力センサ(S)の前記外周部(Sb)、並びに前記センサターミナル(Sc)及びコネクタターミナル(2)の接続部を収容する第2収納凹部(1g)と、前記センサターミナル(Sc)側を除く複数箇所で前記段部(1e)から下方に突出すると共に端部が前記外側筒部(1b)に連結して前記第2収容凹部(1g)を区画する複数の隔壁部(1s)と、各隔壁部(1s)及び前記外側筒部(1b)間に設けられて前記隔壁部(1s)の変形を吸収し得る複数の応力吸収溝(1p)とを形成し、前記第2収納凹部(1g)にポッティング材(G)を充填して圧力センサ(S)の前記外周部(Sb)、並びにセンサターミナル(Sc)及びコネクタターミナル(2)の接続部を被覆し、そのポッティング材(G)の膨張収縮時、前記隔壁部(1s)を変形させるようにしたことを特徴とする圧力センサの取付け構造。 - 前記隔壁部(1s)に前記段部(1e)に向かうスリ割り(1t)を形成したことを特徴とする請求項1記載の圧力センサの取付け構造。
- 前記隔壁部(1s)に、前記第2収容凹部(1g)への前記ポッティング材(G)の充填前に、圧力センサ(S)を外周面に当接して、前記上方突部(Sa)を前記第1収容凹部(1c)への収容位置に、また前記センサターミナル(Sc)を前記コネクタターミナル(2)との接続位置に、さらに前記圧力センサ(S)を前記第2収容凹部(1g)への収容位置に保持する位置決め突部(1w)を設けたことを特徴とする請求項2記載の圧力センサの取付け構造。
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