JP4546384B2 - ネットワークを利用した美術指導システム - Google Patents
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絵画等の美術指導には、一般の学習塾等に無い特殊なシステムが要求される。まず、十分に広いアトリエスペースを確保して生徒を集め、講師は生徒の間を廻って各生徒を個人指導する。講師は生徒の作品を個別に評価し、参考になる試料を提示し、必要に応じて生徒の作品に手を加える。また、講義の内容に応じたゼミなどを行う。生徒の作品制作に要する時間もペースもまちまちである。生徒の作品制作に要する時間もペースもまちまちである。広いアトリエスペースを確保することが難しい都市部では、生徒が個々のアトリエを使用して学習ができるEラーニングシステムの利用が望まれる。しかしながら、既存のシステムでは、上記のような特殊な性格の美術指導を円滑に行うことができない。本発明は、以上の点に着目してなされたもので、既存のEラーニングシステムを基礎として、生徒が自分のアトリエでそれぞれ木目の細かい美術指導を受けることができる、ネットワークを利用した美術指導システムを提供することを目的とする。
〈構成1〉
受講対象とされた複数の生徒が使用する各端末装置を特定して、当該端末装置と通信を確立する通信装置と、上記端末装置で撮影された動画像と、この動画像と共に入力された音声とを受信して、対話用画像と対話用音声を再生制御する対話装置と、表示画面の一部に上記対話用画像を表示するディスプレイと、上記対話用音声を再生する音声再生装置と、上記各端末装置から、生徒の作品の制作速度に基づいて選定された、制限された通信速度で、所定の順に、上記生徒の作品の画像データを受信して、記憶装置に記憶させる画像データ受信制御手段と、上記画像データ受信制御手段により受信された上記作品の画像データのサムネイルデータを生成して、上記ディスプレイに当該サムネイルの表示と、各サムネイルに対応する画像データの表示を制御する表示制御手段と、上記ディスプレイに、講師と生徒が共用するホワイトボードを表示制御する共用画面制御手段とを備えたことを特徴とするネットワークを利用した美術指導システム。
構成1に記載の美術指導システムにおいて、上記画像データ受信制御手段は、上記画像データの受信要求があったときは、当該画像データのデータサイズと、受講中の全ての生徒の作品の制作速度と、上記通信装置の通信能力とから、最大データ転送速度とデータの転送タイミングを選択して、この通信速度以内で、上記画像データを受信することを特徴とする美術指導システム。
構成1に記載の美術指導システムにおいて、上記画像データ受信手段は、上記端末装置から画像データを受信中である旨の表示と、受信を終了した旨の表示の制御を行い、要求に従って、任意のタイミングで、受信速度を増減させることを特徴とする美術指導システム。
構成1または2に記載の美術指導システムにおいて、上記表示制御手段は、生徒が使用する端末装置で、色見本とともに撮影された作品の画像データを、同一構造の色見本と共にディスプレイに表示し、その画面に表示色制御画面を表示することを特徴とする美術指導システム。
構成1または2に記載の美術指導システムにおいて、上記通信装置は、複数の講座の授業が同時並行して進行しているとき、所定の順に所定のタイミングで、講座毎に、その講座に属する生徒の端末装置の通信を遮断することを特徴とする美術指導システム。
構成1または2に記載の美術指導システムにおいて、上記通信装置は、複数の講座に所定の順序を設定して、各講座の授業を上記所定の順にサイクリックに実行し、実行中の講座に属する生徒の端末装置以外の端末装置との通信を遮断するとともに、各講座が終了し、次の講座を開始するまで間に、画像データの転送時間を指定して、所定の生徒に対して画像データの転送を要求することを特徴とする美術指導システム。
構成1乃至5のいずれかに記載の美術指導システムにおいて、上記表示制御手段は、生徒の作品の画像データに含まれた、天地マークにより、画像データの向きを選択して表示することを特徴とする美術指導システム。
コンピュータを、受講対象とされた複数の生徒が使用する各端末装置を特定して、当該端末装置と通信を確立する通信装置と、上記端末装置で撮影された動画像と、この動画像と共に入力された音声とを受信して、対話用画像と対話用音声を再生制御する対話装置と、表示画面の一部に上記対話用画像を表示するディスプレイと、上記対話用音声を再生する音声再生装置と、上記各端末装置から、生徒の作品の制作速度に基づいて選定された、制限された通信速度で、所定の順に、上記生徒の作品の画像データを受信して、記憶装置に記憶させる画像データ受信制御手段と、上記画像データ受信制御手段により受信された上記作品の画像データのサムネイルデータを生成して、上記ディスプレイに当該サムネイルの表示と、各サムネイルに対応する画像データの表示を制御する表示制御手段と、上記ディスプレイに、講師と生徒が共用するホワイトボードを表示制御する共用画面制御手段、として機能させる美術指導プログラム。
コンピュータを、受講対象とされた複数の生徒が使用する各端末装置を特定して、当該端末装置と通信を確立する通信装置と、上記端末装置で撮影された動画像と、この動画像と共に入力された音声とを受信して、対話用画像と対話用音声を再生制御する対話装置と、表示画面の一部に上記対話用画像を表示するディスプレイと、上記対話用音声を再生する音声再生装置と、上記各端末装置から、生徒の作品の制作速度に基づいて選定された、制限された通信速度で、所定の順に、上記生徒の作品の画像データを受信して、記憶装置に記憶させる画像データ受信制御手段と、上記画像データ受信制御手段により受信された上記作品の画像データのサムネイルデータを生成して、上記ディスプレイに当該サムネイルの表示と、各サムネイルに対応する画像データの表示を制御する表示制御手段と、上記ディスプレイに、講師と生徒が共用するホワイトボードを表示制御する共用画面制御手段、として機能させる美術指導プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
図のシステムは、ネットワーク15に接続されたサーバ10により実現する。サーバ10は、講師が使用するコンピュータである。ネットワーク15には、任意の数の生徒が使用する端末装置11、12、13、14が接続されている。この発明では、ネットワーク15を介して、任意の場所で美術作品を製作する生徒を、サーバ10を利用して指導する。サーバ10は、演算処理装置20と記憶装置30とを備えている。また、サーバ10は、通信装置21、対話装置22、音声再生装置23を備えている。
サーバ10は、この図に示すように、バスライン110に接続されたCPU(中央処理装置)111、ROM(リードオンリメモリ)112、RAM(ランダムアクセスメモリ)113、HDD(ハードディスク)114などを備える。CPU111は、サーバ10の演算処理動作を制御するコンピュータである。ROM112は、サーバの基本的なプログラムを記録したメモリである。RAM113は、サーバの動作用プログラムやパラメータを記憶し、あるいは様々な表示用データを記憶するメモリである。HDD114は、図1に示した記憶装置30に相当する。バスライン110には、入出力インタフェース115と通信装置21が接続されている。通信装置21は、ネットワーク15に接続されサーバ10の通信処理動作を制御する。入出力インタフェース115には、ディスプレイ2、キーボード4、マウス5、スピーカ6、マイク7などが接続されている。サーバ10のディスプレイ2は、講師が生徒と対話をし、生徒の作品を見るために使用される。スピーカ6とマイク7は、講師と生徒との対話に利用される。マウス5やキーボード4は、ディスプレイ2に表示された画面を講師が操作するために利用される。なお、生徒側の端末装置のハードウエアもほぼこの構成をしているので、重複する説明は省略する。
図に示すように、生徒41は、キャンバス42を利用してデッサンや油絵などを製作する。生徒の使用する端末装置12には、対話用のビデオカメラ43が搭載されている。また、図示しないマイクも内蔵されている。これによってよく知られたテレビ電話がインターネットを通じて実行される。サーバ10には、講師用のディスプレイ50が接続されている。このディスプレイ50には、講師用のカメラ59が取り付けられており、これを用いてテレビ電話を実現する。マイクは図示していないが、このカメラ59の中に内蔵されている。
ディスプレイ50には、画像データ表示用の画面51と、対話用画像58と、ボタン68が表示されている。画面51の左側には、サムネイル57が表示されている。対話用画像58は、各生徒のカメラ43(図3)で撮影された動画像を表示する。これにより講師は、全ての生徒の作品制作進行状態を一覧できる。一番上の対話用画像58には、例えば、講師が表示される。また、サムネイル57は、全ての生徒の作品を縮小化したアイコンである。このサムネイル57の1つをクリックすると、対応する画像データが右横に表示される。
図5(a)のグラフは、横軸に時間の経過を示す。例えば、生徒の端末装置T1、T2、T3から画像データを受信するものとする。画像データの適正な受信速度を選択した結果、この図のように、端末装置T1の画像データをt1時間かけて受信する。その後、t2時間だけ空けて次の端末装置T2の画像データをt3時間かけて受信する。空き時間を設けるのは、割り込みにより、任意の端末装置から優先的に画像データを受信できる自由度を設けるためである。さらに、その後、t4時間だけ空けて次の端末装置T3の画像データをt5時間かけて受信する。これによってサーバ10は、負荷の集中を避けながら、高精彩画像データを各生徒の端末装置から取得できる。なお、通話のためのデータや表示画像を同期させるためのデータ転送にもこの空き時間が利用される。このほかに、複数の講座の授業が同時並行して進行しているときに、空き時間でその講座に属する生徒の端末装置の通信を遮断することもできる。この操作を所定の順に所定のタイミングで講座毎に実行する。生徒の作品制作時間が長時間に及ぶとき、通信を持続せず、順に通信を遮断することで、複数の講座を同時進行し易くなる。さらに詳細には、(b)の説明に譲る。
図に示すように、クラス設定データ71は、クラスの識別情報、クラス名、授業日、講師名、クラスの開始時間、終了時間などの情報を含む。これらが、クラス情報データベース33(図1)に含められる。また、登録生徒データは、ユーザ識別情報、氏名、フリガナなどの情報72を含む。これは、生徒情報データベース31(図1)に含められる。この画面70により、特定の講座の全ての生徒のリストが表示される。講師の能力上、例えば、1クラスの生徒数を8人程度に制限している。この画面の下の方に示す検索画面を使って、生徒情報データベース31を検索し、生徒を選択して登録処理をすることにより、クラスの生徒の情報を管理できる。
この画面75には、クラスの識別記号、クラス名、授業日、講師名、開始時間、終了時間、といった各クラスの情報をリストしたものである。その内容を変更する場合には、右側の「登録変更」ボタンをクリックする。「新規登録ボタン」は新たなクラスの登録に使用する。選択ボタンを複数指定して、「クラス統合」ボタンをクリックすると、複数のクラスが統合される。「削除」ボタンをクリックすると、選択されたクラスのデータが削除される。これにより、クラス情報データベース33が管理される。
この画面80を表示させることによって、講師は、担当するクラス名を特定し、授業日、授業開始時間、終了時間などを設定することができる。必要な情報を入力して、「登録」ボタンをクリックすると、講師情報データベース32へ講師情報が登録される。「リセット」ボタンは入力したデータを一括クリアするためのものである。「授業終了」ボタンは、講座の全ての授業が終了したときにクリックされる。なお、このほかに、生徒情報データベース31へのデータ登録があるが、その画面の図示は省略した。生徒の識別情報のほか、生徒の端末装置のアドレス、演算処理能力、デジタルカメラの解像度、データ形式等が登録されるとよい。
講師が授業のスケジュールを登録すると、授業開始時に自動的に次の処理が実行される。即ち、ステップS11で、授業開始のための制御プログラムを起動する。ステップS12では、全生徒の端末装置と通信を確立する。この処理は、例えば、生徒の端末装置に、ログイン操作用ウェブページのURLをメールで通知して、生徒の端末装置からのログイン処理を待てばよい。ステップS13では、授業の案内表示をする。以上の処理は、通信装置21と表示制御手段25により実行される。
この処理は、画像データ受信制御手段24が実行する。まず、ステップS31で、開催講座名の取得をする。授業が同時進行する複数の講座があるときは、該当する全ての講座の講座名を取得する。ステップS32では、講座参加者データの取得をする。ステップS33では、通信負荷標準データの算出をする。授業に参加する生徒全員の対話音声データと対話画面データの通信には、リアルタイム処理が要求される。この通信負荷を差し引いた残りの余力で、各生徒の作品の画像データを順次転送する。各生徒の作品の画像データのデータ量を経験的な標準値に設定して、生徒数を乗算する。これで、受信データ量の総和が算出できる。これが通信負荷標準データである。
この処理は表示制御手段25が実行する。ステップS51では、表示すべき画像データの選択をする。ステップS52で、その画像データの表示をする。この画像データには、生徒の作品と並べて撮影された色見本の画像が含まれている。ステップS53では、表示された画像データの横に色見本の表示をする。ここで、講師の操作により、左右に並んだ色見本の表示色調の調整が行なわれる。その結果、ステップS54で、調整された色補正指示の取得をする。そして、ステップS55で、色補正表示処理をする。
10 サーバ
11、12、13、14 生徒が使用するコンピュータ
20 演算処理装置
30 記憶装置
21 通信装置
22 対話装置
23 音声再生装置
24 画像データ受信制御手段
25 表示制御手段
26 共用画面制御手段
27 データ登録手段
31 生徒情報データベース
32 講師情報データベース
33 クラス情報データベース
34 画像データ
35 対話データ
36 画面データ
37 色見本データ
Claims (1)
- ネットワークに接続された講師が使用するサーバと、前記ネットワークに接続された、任意の数の生徒が使用する端末装置により、美術指導を行うシステムにおいて、
前記サーバは、通信装置と対話装置と音声再生装置と演算処理装置と記憶装置とを備え、
前記演算処理装置は、前記サーバのコンピュータに一定の機能を付与する画像データ受信制御手段と表示制御手段を備え、
前記記憶装置には、生徒情報データベースと講師情報データベースとクラス情報データベースと色見本データが記憶され、
前記通信装置は、前記講師が使用するサーバと前記生徒が使用する端末装置との通信を確立し、
前記対話装置は、前記端末装置で撮影された動画像と、この動画像と共に入力された音声とを前記サーバで受信して、対話用画像と対話用音声を再生制御し、
前記サーバに接続されたディスプレイは前記対話用画像を表示し、
前記音声再生装置は、前記対話用音声を再生し、
前記画像データ受信制御手段は、前記生徒が使用する端末装置から生徒の作品の画像データを受信して前記記憶装置に記憶させる機能を持ち、
前記表示制御手段は、前記画像データ受信制御手段により受信された生徒の作品の画像データのサムネイル画像を生成して前記ディスプレイに表示させる機能を持ち、
前記生徒情報データベースは、生徒のユーザ識別データと生徒の氏名と生徒のアドレスを含み、
前記講師情報データベースは、講師の名前とその講師によって担当される授業を表示するデータを含み、
前記クラス情報データベースは、講座名とその講座を担当する講師名と授業の開始時刻と終了時刻とを含み、
前記画像データ受信制御手段は、
複数の講座の授業を一単位の時間ずつ分割して、前記講師が使用するサーバと前記授業に参加する生徒が使用する端末装置とを、ある講座の授業のために前記一単位の時間だけ接続し、その後空き時間を設け、次に別の講座の授業のために一単位の時間だけ接続し、その後再び空き時間を設けるというようにして各講座の授業が一単位ずつ実行されるように制御し、
前記1単位の時間では、
前記サーバの通信装置が、
該当する授業に参加する生徒が使用する端末装置にログイン操作を通知して、前記生徒が使用する端末装置からのログイン処理を待ち、前記端末装置と通信を確立するとともに、該当する授業に参加する生徒が使用する端末装置以外の端末装置との通信を遮断し、前記対話装置と前記音声再生装置とを動作させ、
前記表示制御手段が、
前記サーバのディスプレイに、前記生徒が使用する端末装置で撮影された動画像を含む対話用画像の表示をし、受信済みの前記生徒の作品の画像データのサムネイル化をしてそのサムネイルを前記サーバのディスプレイに表示し、前記サムネイルがクリックされたと判断すると、前記記憶装置から、該当する画像データを読み出して前記サーバのディスプレイに表示し、前記ディスプレイに、前記生徒の作品とそのキャンバスに貼り付けられた色見本とを同時に撮影して得られた画像データを、前記記憶装置から読み出した色見本データとを並べて表示する処理が実行され、
前記空き時間では、
前記画像データ受信制御手段が、
次の授業に参加する生徒が使用する端末装置と前記サーバとの通信を確立し、受信計画に従って、次の授業に参加するある生徒が使用する端末装置に対して生徒の作品の画像データの転送を要求し、その画像データを受信し、その後空き時間を設けてから、別の生徒が使用する端末装置に対して生徒の作品の画像データの転送を要求し、その画像データを受信するという動作を繰り返し、受信した画像データを前記記憶装置に記憶させるように制御し、
前記受信計画は、前記画像データ受信制御手段が、
前記各生徒の作品の画像データのデータ量を経験的な標準値に設定して、この標準値に生徒数を乗算し、生徒の作品の受信データ量の総和を算出して、通信負荷標準データとし、
前回の授業で生徒の作品の画像データが受信済みのときは、各生徒の作品の具体的な画像データ量を使用して前記通信負荷標準データを修正し、
前記算出した通信負荷を時間軸上で分散させるように、各生徒の作品の画像データの受信開始時刻と受信終了時刻と時間あたりの受信データ量を選択して決定することを特徴とする、ネットワークを利用した美術指導システム。
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