JP4539029B2 - 液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射ヘッド
が単一の基部材に取付けられた液体噴射装置の製造方法およびその製造方法によって製造された液体噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体をノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置は、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置に装着されるインク噴射装置をあげることができる。
そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録装置を例にとって説明する。
【0003】
図11は、インクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図である。この装置は、インクカートリッジ2が搭載されるとともにインク噴射装置1が取付けられたキャリッジ3を備えている。
【0004】
上記キャリッジ3は、タイミングベルト4を介してステッピングモータ5に接続され、ガイドバー6に案内されて記録紙7の紙幅方向(主走査方向)に往復移動するようになっている。上記キャリッジ3は、上部に開放する箱型を呈し、記録紙7と対向する面(この例では下面)に、インク噴射装置1のノズル面が露呈するよう取付けられるとともに、インクカートリッジ2が収容されるようになっている。
【0005】
そして、上記インク噴射装置1にインクカートリッジ2からインクが供給され、キャリッジ3を移動させながら記録紙7上面にインク滴を吐出させて記録紙7に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。図11において、8は印刷休止中にインク噴射装置1のノズル開口を封止することによりノズルの乾燥をできるだけ防ぐキャップ、9はインク噴射装置1のノズル面をワイピングするワイパー部材である。また、キャリッジ3には、図11に示すように、ガイドバー6が挿通されている。
【0006】
図12は、上記インク噴射装置1に用いるインク噴射ヘッド10の基本構造の一例を示す。このインク噴射ヘッド10は、ノズル開口11と圧力発生室12が形成された流路ユニット13と、圧力発生手段である圧電振動子14が収容されたヘッドケース15とが接合されて構成されている。
【0007】
上記流路ユニット13は、ノズル開口11が穿設されたノズル形成面16Aを有するノズルプレート16と、圧力発生室12と共通のインク室17ならびにこれらを連通させるインク供給路18とに対応する空間が形成された流路形成板19と、上記圧力発生室12の開口を塞ぐ振動板20とが積層されて形成されている。そして、上記ノズル形成面16Aは平面とされている。
【0008】
上記インク噴射ヘッド10を複数準備し、それを単一の基部材であるヘッド取付板25に取付けることにより、上記インク噴射装置1が構成されている(図13参照)。
【0009】
上記圧電振動子14は、駆動信号の入力により、充電状態で長手方向に収縮し、充電状態から放電する過程で長手方向に伸長する、いわゆる縦振動モードの振動子である。上記圧電振動子14は、その先端が圧力発生室12の一部を形成する振動板20の島部20Aに固着された状態で、他端が基台21に固定されている。
【0010】
また、上記ヘッドケース15には、そのインク室17に対応する部分に、インク室17にインクカートリッジ2のインクを導入するヘッド流路24が形成されている。上記ヘッド流路24の開口縁には、環状突起23が形成されている。
【0011】
上記インク噴射ヘッド10では、上記圧電振動子14の収縮・伸長を受けて圧力発生室12が拡張・収縮し、圧力発生室12の圧力変動によりインクの吸引とインク滴の吐出とが行なわれるようになっている。図12において、22は圧電振動子14に駆動信号を入力するフレキシブル回路板である。
【0012】
上記インク噴射ヘッド10では、図12において紙面に垂直な方向に圧電振動子14,圧力発生室12,ノズル開口11が列設されており、ノズルプレート16には、2列のノズル列が形成されている。上記のノズル開口11は一直線上に列設され、このようなノズル列に符号11Aが付してある。
【0013】
図13は、単一の基部材であるヘッド取付板25に4つのインク噴射ヘッド10が取付けられたインク噴射装置1を示す平面図である。このように複数のインク噴射ヘッド10をヘッド取付板25に配置することにより、インク噴射装置1の1回の主走査方向の移動で広範囲の印刷を可能とし、それによって印刷時間の短縮を図っている。
【0014】
【特許文献1】
特開平5−16339号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなインク噴射装置1においては、図14に示すように、各インク噴射ヘッド10のノズル形成面16Aが、1仮想平面26上に正確に位置しないことが発生する。このようなノズル形成面16Aの不揃いにより、インク滴の飛翔距離や飛翔方向にばらつきが発生して、印刷品質が正常に維持できないおそれがある。その原因としては種々なものがあるが、例えば、流路ユニット13の一部やヘッドケース15が合成樹脂製とされているので、成型精度のわずかなばらつきによって、上記不揃いが発生することが挙げられる。
【0016】
さらに、インク噴射ヘッド10同士のノズル開口11あるいはノズル列11Aの相対位置が、所定の位置関係にならないことが生じるおそれがある。すなわち、あるインク色のインク滴を吐出するノズル列11Aがインク噴射ヘッド10同士で正常に連続していないことが発生すると、そのインク色は両ノズル列11A,11Aの連続部で途切れたり、あるいは重複したりして印刷品質を正常に維持できないこととなる。
【0017】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、組立て用の治具に形成した基準面により、組立て精度の高い液体噴射装置を製造する製造方法と同製造方法により製造された液体噴射装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置の製造方法は、ノズル形成面にノズル開口が列設されたノズルプレートと、上記ノズル開口に連通し圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室に供給される液体を貯留する液体貯留室を含む液体噴射ヘッドが、単一の基部材に複数取付けられた液体噴射装置の製造方法であって、組立て用の治具に設けられて、液体噴射ヘッドのノズル形成面の個数に対応する個数の基準枠線によって形成された基準面又は各ノズル形成面に対応した段部の上面によって形成された基準面に対して上記複数の液体噴射ヘッドの各ノズル形成面を密着させた状態で液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態で液体噴射ヘッドと基部材とを一体化することを要旨とする。
【0019】
すなわち、組立て用の治具に設けられて、液体噴射ヘッドのノズル形成面の個数に対応する個数の基準枠線によって形成された基準面又は各ノズル形成面に対応した段部の上面によって形成された基準面に対して上記複数の液体噴射ヘッドの各ノズル形成面を密着させた状態で液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態で液体噴射ヘッドと基部材とを一体化する製造方法である。
【0020】
このため、上記基準面によって各ノズル形成面の位置が正しく設定され、それに基づいて液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置が設定される。すなわち、基部材に対して隙間のない状態で密着している液体噴射ヘッドもあれば、別の液体噴射ヘッドは基部材との間にわずかな空隙部分が生じているものもある。このように各液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係が個々に異なった状態すなわち相対位置関係にばらつきが発生する。そして、上記のそれぞれ異なった相対位置関係を維持したまま液体噴射ヘッドと基部材との一体化を図るのである。したがって、各液体噴射ヘッドのノズル形成面は上記基準面によって正しく配列した状態で液体噴射装置として組み立てられる。このようにして正しいノズル形成面の位置が各液体噴射ヘッド毎に設定されるので、各液体噴射ヘッドからの被噴射物に対する液体の噴射距離や噴射方向が正常に求められる。
【0021】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記複数の液体噴射ヘッド同士のノズル開口の所定相対位置を設定する場合には、例えば、隣合った液体噴射ヘッド同士のノズル開口の相対位置関係が正しく設定される。したがって、ある液体噴射ヘッドのノズル列の端部に位置するノズル開口と、他の液体噴射ヘッドのノズル列の端部に位置するノズル開口とのヘッド間位置関係が、主走査方向で見て正常に設定される。この場合において、上記ヘッド間位置関係がノズル列におけるノズル開口の1ピッチ分の間隔に設定されるのが好ましい。こうすることにより、複数の液体噴射ヘッドから噴射される液体が正しい連続性をもって被噴射物に到達することとなる。さらに、ある液体噴射ヘッドのノズル列と別の液体噴射ヘッドのノズル列とが、平行になっていない場合においても、それを平行に矯正して正常な液体噴射を求めることができる。
【0022】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記各ノズル形成面に密着する基準面が、1つの仮想平面上に存在している場合には、全てのノズル形成面が1つの仮想平面上に整列されるので、液体噴射装置全体としてノズル開口と被噴射物との間隔が正常に設定できる。
【0023】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記基準面が、上記複数のノズル形成面毎に設けられている場合には、各ノズル形成面の正常な位置を各基準面毎に求めることができて、液体噴射装置としての組立て精度を向上させるのに有効である。
【0024】
液体噴射ヘッドと上記基部材との所定の相対位置関係を維持した状態で液体噴射ヘッドと基部材とが一体化上記ノズル形成面毎に設けられた基準面は、各ノズル形成面に対応した段部の上面によって形成されている場合には、液体噴射ヘッドにステンレス板等で成型された保護カバーがノズル形成面の周囲に額縁状に配置されているときに、それとの干渉を避けてノズル形成面と基準面を密着させることができる。
【0025】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記基準面と上記基部材との相対位置を所定の位置関係に設定する位置決め手段が基部材に対して作用させてある場合には、組立てに際して最も重要な上記基準面を基準にして基部材の位置が設定される。したがって、基準面によって位置決めされたノズル形成面と基部材との位置関係のばらつきが少なくなるので、基部材を各種の装置本体に取付けることにより、ノズル形成面が正常な位置に設定され、良好な液体噴射装置の機能がえられる。
【0026】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記基準面とノズル形成面との密着を、液体噴射ヘッドを揺動可能な状態で支持する弾性的支持手段によって行う場合には、上記弾性的支持手段が液体噴射ヘッドのノズル形成面の向きをあらゆる方向に傾斜させる機能を果たす。したがって、ノズル形成面は確実に基準面に密着し、正常なノズル形成面の位置決めが行える。とくに、弾性的支持手段で液体噴射ヘッドが支持されているので、いわゆるイコライズ機能により正確な上記密着が形成され、液体噴射装置の組立て精度が確保される。また、上記弾性的支持手段により、複数の液体噴射ヘッド同士のノズル開口の相対位置を調整するときにも、容易に行うことができる。
【0027】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記一体化が、上記相対位置関係を維持するとともに液体噴射ヘッドと基部材とを接合する機能を有する接合材によって行われる場合には、上記接合材によって、上記相対位置関係の維持と液体噴射ヘッドと基部材との接合が同時に成立するので、液体噴射装置の組立て工程の簡素化にとって有効である。
【0028】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記一体化を、液体噴射ヘッドの外側面の一部と基部材の一部との間に生じた空隙部分に上記接合材を充填して行う場合には、液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係の維持と接合とが、上記空隙部分への接合材の充填によって確実に果たされる。すなわち、隙間状態の空間内に接合材の充填を行うので、接合材は液体噴射ヘッドと基部材との間で挟みつけられた状態になってスペーサーとしての機能が正確に果たされ、引いては正しいノズル形成面の位置が維持される。
【0029】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記接合材が、接着剤である場合には、接着剤の硬化により液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係を維持した状態で確実に接着することができる。また、接着剤の乾燥速度を速めることにより、上記相対位置関係の維持と上記接着を迅速に行うことができる。また、これにより組立て工程時間の短縮を図り、生産性を向上することができる。
【0030】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記基部材に複数取付けられた液体噴射ヘッドのうち少なくとも1つの液体噴射ヘッドの一部が基部材の一部に直接接触している場合には、上記直接接触の箇所における接合材の量を少なくすることができ、また、接合材の薄肉化により液体噴射ヘッドと基部材との接合剛性を高めることができる。また、経済的である。
【0031】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記液体噴射ヘッドの外側面の一部および基部材の一部の少なくとも一方に接合材の流動を案内するガイド構造が形成されている場合には、上記ガイド構造の部分に注入された接合材が、ガイド構造に案内されて液体噴射ヘッドと基部材の間に細長い線状の形態で介在される。したがって、液体噴射ヘッドと基部材との相対位置を維持した状態で両者の接合が長い領域にわたって行われ、確実なノズル形成面の位置決めがなされる。
【0032】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記接合材を、上記治具に形成した供給口から注入して上記一体化が行われる場合には、接合材注入装置を上記供給口から挿入して液体噴射ヘッドと基部材との間に接合材を供給する。したがって、治具の上側の広い空間を利用して上記接合材注入装置を液体噴射ヘッドの部分に接近させることができるので、接合材注入装置の操作が容易になり、また、自動注入装置の形式で生産設備を構成することが行いやすくなる。
【0033】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記治具は透明の材料で形成され、液体噴射ヘッドを上記基準面に表示した基準マークに対してノズル開口が合致するように補正移動を行なって、上記複数の液体噴射ヘッド同士のノズル開口の所定相対位置を設定する場合には、上記基準マークに対して、治具を透して見えているノズル開口が合致するように補正移動をするだけで、複数の液体噴射ヘッド同士のノズル開口の所定相対位置が設定される。すなわち、複数のノズル形成面毎に配置されている基準面に、それぞれノズル形成面を密着させることにより、透視的に確認しながら補正移動をしてノズル開口の位置決めができるので、複数の液体噴射ヘッドのノズル開口同士の相対位置が正確に設定される。
【0034】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記補正移動が、上記基準面にノズル形成面が密着した状態で行われる場合には、ノズル形成面を縦方向,横方向あるいは回転方向等に補正移動をすることにより、複数の液体噴射ヘッドのノズル開口あるいはノズル列同士の相対位置が正確に設定でき、各液体噴射ヘッドの複合した液体噴射の動作が確実にえられる。
【0035】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、所定の位置に配置された撮影手段により撮影された撮影画像により、上記基準マークとノズル開口との位置関係を把握し、上記位置関係に基づいてノズル形成面の移動方向および移動量を演算し、上記演算された移動方向および移動量に基づいて動作するアクチュエータによって液体噴射ヘッドを移動させる場合には、透明の治具を透して基準マークとノズル開口との位置関係を撮影画像の形態で求めて、上述の補正移動の移動方向や移動量を撮影画像データに基づいて演算し、液体噴射ヘッドを移動させるアクチュエータに上記移動方向や移動量のデータを入力する。したがって、基準マークとノズル開口の位置関係の把握、補正移動量の演算、上記アクチュエータの動作等を容易に自動化することができ、しかも精密な微調整に基づく補正移動が実現し、精度の高い液体噴射装置の組立てが可能となる。
【0036】
本発明の液体噴射装置の製造方法において、上記基部材またはその一部が透明の材料で形成され、上記接合材を光照射によって硬化させる場合には、短時間硬化による生産性の向上、熱伸縮が少ないこと、高温高湿度における高い耐久性等により、高温多湿等の種々な環境に耐えられるすぐれた液体噴射装置が製造できる。
【0037】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、ノズル形成面にノズル開口が列設されたノズルプレートと、上記ノズル開口に連通し圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室に供給される液体を貯留する液体貯留室を含む液体噴射ヘッドが、単一の基部材に複数取付けられた液体噴射装置であって、上記液体噴射ヘッドと基部材とが接合材により一体化され、上記接合材により液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係が維持されていることを要旨とする。
【0038】
すなわち、上記液体噴射ヘッドと基部材とが接合材により一体化され、上記接合材により液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係が維持されている。
【0039】
このため、上記各ノズル形成面を正しい位置に配置することにより、ノズル形成面が備えられた各液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置にばらつきが発生する。すなわち、基部材に対して隙間のない状態で密着している液体噴射ヘッドもあれば、別の液体噴射ヘッドは基部材との間にわずかな空隙部分が生じているものもある。このように各液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係が個々に異なった状態すなわち相対位置関係にばらつきが発生する。そして、上記のそれぞれ異なった相対位置関係を維持したまま液体噴射ヘッドと基部材との一体化が接合材を介して図られているのである。したがって、各液体噴射ヘッドのノズル形成面は正しく配列された状態で液体噴射装置が構成されている。このようにして正しいノズル形成面の位置が各液体噴射ヘッド毎に設定されているので、各液体噴射ヘッドからの被噴射物に対する液体の噴射距離や噴射方向が正常に求められる。
【0040】
上記各ノズル形成面の位置を正常に確保するために、例えば、組立て用の治具に形成した基準面に対して上記複数の液体噴射ヘッドの各ノズル形成面を密着させた状態で液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態で液体噴射ヘッドと基部材とを接合材により一体化する方法で液体噴射装置が製造される場合に、本発明による液体噴射装置の構成が好適である。すなわち、上記の液体噴射ヘッドと基部材との所定の相対位置関係を維持した状態で、液体噴射ヘッドと基部材とが接合材により一体化されているので、上記基準面を利用した製造方法にとって、製造しやすくしかも高い組み立て精度が確保できる。
【0041】
本発明の液体噴射装置において、上記接合材が、液体噴射ヘッドの外側面の一部と基部材の一部との間に生じた空隙部分に充填されている場合には、液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係の維持と接合とが、上記空隙部分への接合材の充填によって確実に果たされた液体噴射装置となる。すなわち、隙間状態の空間内に接合材の充填を行うので、接合材は液体噴射ヘッドと基部材との間で挟みつけられた状態になってスペーサーとしての機能が正確に果たされ、引いては正しいノズル形成面の位置が維持される。
【0042】
本発明の液体噴射装置において、上記接合材が、接着剤である場合には、接着剤の硬化により液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係を維持した状態で確実に接着させた液体噴射装置がえられる。
【0043】
本発明の液体噴射装置において、上記基部材に複数取付けられた液体噴射ヘッドのうち少なくとも1つの液体噴射ヘッドの一部が基部材の一部に直接接触している場合には、上記直接接触の箇所における接合材の量を少なくすることができ、また、接合材の薄肉化により液体噴射ヘッドと基部材との接合剛性を高めることができる。また、経済的である。
【0044】
本発明の液体噴射装置において、上記液体噴射ヘッドの外側面の一部および基部材の一部の少なくとも一方に接合材の流動を案内するガイド構造が形成されている場合には、上記ガイド構造の部分に注入された接合材が、ガイド構造に案内されて液体噴射ヘッドと基部材の間に細長い線状の形態で介在される。したがって、液体噴射ヘッドと基部材との相対位置を維持した状態で両者の接合が長い領域にわたって行われ、液体噴射ヘッドと基部材との接合強度が高く、確実に位置決めされたノズル形成面を有する液体噴射装置がえられる。
【0045】
本発明の液体噴射装置において、上記基部材またはその一部が透明の材料で形成されている場合には、上記接合材を硬化させるために上記透明の部分を透過する光を接合材に照射して、熱伸縮が少なく、高温高湿度における耐久性が高く、さらに高温多湿等の種々な環境に耐えられるすぐれた液体噴射装置がえられる。
【0046】
本発明の液体噴射装置において、上記接合材として光硬化性の接合材が用いられている場合には、上記光硬化性の接合材に、上記透明の部分を透過させた光を照射することにより、確実な接合材の硬化がえられ、熱伸縮が少なく、高温高湿度における耐久性が高く、さらに高温多湿等の種々な環境に耐えられるすぐれた液体噴射装置がえられる。
【0047】
本発明の液体噴射装置において、上記接合材の方向に液体噴射ヘッドを弾力的に押える押圧機構が設けられている場合には、液体噴射ヘッドと基部材とを接合する接合材に弾力を作用させる押圧機構が設けられているので、何等かの原因で上記接合材の部分に剥離方向の力が作用しても、上記接合部分の接合状態が正常に維持され、複数の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置としての耐久性を高く維持することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0049】
本発明において製造の対象とされている液体噴射装置は、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施の形態においてはその代表的な事例として、インクジェット式記録装置に採用されるインク噴射装置を実施の形態の対象にしている。
【0050】
図1〜図5は、本発明の液体噴射装置の製造方法の一実施の形態を示す。ここで製造の対象とされているインク噴射装置1は、図11,図12および図13にしたがって説明したものと同じであり、同様の機能を果たす部分には同じ符号を付している。また、この実施の形態は、4つのインク噴射ヘッド10が基部材であるヘッド取付板25に組み付けられている場合である。
【0051】
機枠等の静止部材27上に基板28が固定され、上記基板28の端部から起立させた支柱部材29の上端に、平板状の治具30が結合枠31を介して取付けられている。上記治具30には、上記4つのインク噴射ヘッド10のノズル形成面16Aに対応する4つの基準面32が、図1(D)に示すように、設けられている。図1(D)に示した治具30は、平たい単一の平面に4つの基準枠線32Aが描かれている。他方、流路ユニット13に板金製の保護カバー33が(C)に示すように、取付けられている場合には、ノズル形成面16Aの周縁部に額縁状に配置された枠部材34に干渉しないように基準面32を機能させる必要がある。そのために、(B)に示すように、上記枠部材34の内側に露出したノズル形成面16Aに対応する大きさで、かつ枠部材34(保護カバー33)の厚みより大きい段差の段部35を設け、この段部35の上面を基準面32とすることにより、基準面32を一段浮上させてある。
【0052】
また、上記の浮上した複数の基準面32はそれぞれ平面とされ、しかも1仮想平面上に位置している。以下、この浮上型の基準面32を用いて製造するものについて説明をする。
【0053】
上記ヘッド取付板25は、深さの浅い箱状の形状とされ、インク噴射ヘッド10の流路ユニット13が挿入される4つの開口36があけられている。これらの開口36は、各基準面32(図1(D)参照)に対応した位置にあけられている。
【0054】
また、基準面32とヘッド取付板25との相対位置を所定の位置関係に設定するために、位置決め手段であるストッパ片37が支柱部材29に固定され、そのストッパ面37Aにヘッド取付板25のフランジ25Aが押し付けられている。この押し付けは、基板28上に配置した圧縮コイルスプリング38によって行われている。
【0055】
上記ノズル形成面16Aを基準面32に密着させるために、インク噴射ヘッド10を揺動可能な状態で支持する弾性的支持手段が設けられている。上記弾性的支持手段は、この例では、基板28上に配置した圧縮コイルスプリング39によって構成されている。上記圧縮コイルスプリング39の弾力を均一にインク噴射ヘッド10に作用させ、安定した弾性的支持をえるために、座板40が圧縮コイルスプリング39とヘッドケース15との間に配置してある。インク噴射ヘッド10が拘束されていない状態では、圧縮コイルスプリング39によりインク噴射ヘッド10があらゆる方向に自由に傾斜できるので、圧縮コイルスプリング39の弾力により、ノズル形成面16Aは基準面32にぴったりと密着する。
【0056】
上記圧縮コイルスプリング39を用いることにより、ノズル形成面16Aの向きをあらゆる方向に傾斜させることができる。したがって、ノズル形成面16Aは確実に基準面32に密着し、正常なノズル形成面16Aの位置決めが行える。
とくに、圧縮コイルスプリング39でインク噴射ヘッド10が支持されているので、いわゆるイコライズ機能により正確な上記密着が形成され、インク噴射装置1の組立て精度が確保される。また、圧縮コイルスプリング39により、複数のインク噴射ヘッド10同士のノズル開口11やノズル列11Aの相対位置を調整するときにも、容易に調整できる。
【0057】
この例では、弾性的支持手段として圧縮コイルスプリング39を用いて支持するものを例示したが、これに限定するものではなく、例えばゴムやエラストマーのような弾性材料を柱状に形成したものを用いることもできる。
【0058】
上記治具30を透明材料である透明ガラスで形成し、基準面32の所定位置に基準マーク41が印刷あるいは彫り込み等によって表示してある。図3は、基準面32に密着しているノズル形成面16Aが透視的に見えている平面図であり、黒丸で示したノズル開口11と符号41が付された基準マーク41とが合致するようにインク噴射ヘッド10を補正移動させる。この補正移動は、ノズル形成面16Aが基準面32に密着したままの状態で行われるもので、インク噴射ヘッド10をX方向に距離L1移動させ、Y方向に距離L2移動させることにより行われる。また、複数のインク噴射ヘッド10のノズル列11A同士が平行になっていないような場合には、インク噴射ヘッド10を円弧Z方向に回して正常な平行状態を設定する。
【0059】
上記基準マーク41に対して、治具30を透して見えているノズル開口11が合致するように補正移動をするだけで、複数のインク噴射ヘッド10同士のノズル開口11の所定相対位置が設定される。すなわち、複数のノズル形成面16A毎に配置されている基準面32に、それぞれノズル形成面16Aを密着させることにより、透視的に確認しながら補正移動をしてノズル開口11の位置決めができるので、複数のインク噴射ヘッド10のノズル開口11同士の相対位置が正確に設定される。
【0060】
インク噴射ヘッド10の補正移動は、基準面32にノズル形成面16Aを密着させてから実行される。そのために、移動装置42が基板28の下側に配置されている。上記移動装置42には移動基板43上に互いに反対方向に出力する2つのエアシリンダ44が固定され、各エアシリンダ44のピストンロッド45にチャック片46が結合されている。上記チャック片46は、基板28にあけた通口47を通ってヘッドケース15の内面に達している。上記通口47はチャック片46の進退を許容する大きさとされ、2つのチャック片46をエアシリンダ44で拡張することにより、移動装置42とヘッドケース15すなわちインク噴射ヘッド10との一体化が図られている。
【0061】
上記の基準面32,インク噴射ヘッド10,圧縮コイルスプリング39,移動装置42等の組み合わせは、4組配置され、それらの配置位置は図1(D)に示された基準面32の各位置にしたがって設定されている。
【0062】
上記補正移動を行なうために、アクチュエータ48が静止部材27上に固定され、その上側に上記移動基板43が結合されている。上記アクチュエータ48の出力方向は、上記補正移動におけるX,YおよびZ方向であり、これらの出力は種々な駆動機構で実施できるが、ここでは精密作動式の電動モータが複数個アクチュエータ48に内蔵されている。
【0063】
上記アクチュエータ48への動作信号は、撮影手段としてのCCDカメラ49、上記CCDカメラ49からの画像データを受け入れて動作する移動量演算手段50、上記移動量演算手段50からの演算出力を受けてアクチュエータ48を動作させる制御手段51を経てアクチュエータ48に入力される。
【0064】
上記CCDカメラ49は、各基準面32の真上に配置され、それによって図3に示す撮影画像がえられる。なお、図3は、撮影画像の一部だけが図示されている。上記移動量演算手段50において、図3に示すX方向にL1,Y方向にL2の「ずれ」が撮影画像中のデータとして把握され、それを画像処理をすることにより、X方向への移動量とY方向への移動量が演算される。この演算値が制御手段51を経て各アクチュエータ48に入力される。その後、アクチュエータ48により、移動基板43がX方向,Y方向あるいは必要に応じてZ方向等に動かされるので、インク噴射ヘッド10もそれと同じ動きをして、基準マーク41に対するノズル開口11の補正移動が完了する。なお、図1には、CCDカメラ49が2台図示されているが、実際には4台であり、各CCDカメラ49からの画像データは、互いに区分された状態で処理され、各インク噴射ヘッド10固有の補正移動量のデータが各アクチュエータ48に入力されるようになっている。
【0065】
上述のようなCCDカメラ49,移動量演算手段50,制御手段51,アクチュエータ48等の一連の動作により各インク噴射ヘッド10の補正移動が完了すると、4つのノズル形成面16Aが1仮想平面上に整然と配置された状態となり、それと同時に4つのインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25とのそれぞれの相対位置関係が設定される。これらの相対位置関係を維持した状態で図4に示すように、接合材52を用いてインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との一体化がなされる。
【0066】
上記接合材52は、インク噴射ヘッド10の一部とヘッド取付板25の一部との間に生じた空隙部分53に充填されて、液体噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係が維持されたまま両者10,25が一体化される。
【0067】
上記のような補正移動を行うことから、基準面32を段部35によって形成した場合は、上記補正移動によって段部35と保護カバー33(枠部材34の内縁部)が干渉しないよう、基準面32の大きさを枠部材34の開口部分の大きさよりも少し小さく設定しておくのである。
【0068】
図5は、複数のインク噴射ヘッド10のうち少なくとも1つが直接ヘッド取付板25に接触している場合であり、こうすることにより、上記直接接触の箇所54における接合材52の量を少なくすることができ、接合材52の薄肉化によりインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との接合剛性を高めることができる。
また、経済的である。
【0069】
上記接合材52としては、接着剤が用いられている。接着剤52の乾燥速度は、例えば、上記空隙部分53の大きさや生産ライン全体の生産速度等に応じて設定されるのであるが、ここでは一般的な瞬間接着剤が使用されている。したがって、接着剤52の硬化によりインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係を維持した状態で確実に接着することができる。また、接着剤52の乾燥速度を速めることにより、上記相対位置関係の維持と上記接着を迅速に行うことができる。また、これにより組立て工程時間の短縮を図り、生産性を向上することができる。
【0070】
上記の実施の形態の構成によれば、上記基準面32によって各ノズル形成面16Aの位置が正しく設定され、それに基づいてインク噴射ヘッド10と上記ヘッド取付板25との相対位置が設定される。すなわち、ヘッド取付板25に対して隙間のない状態で密着しているインク噴射ヘッド10もあれば、別のインク噴射ヘッド10はヘッド取付板25との間にわずかな空隙部分53が生じているものもある。このように各インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係が個々に異なった状態すなわち相対位置関係にばらつきが発生する。そして、上記のそれぞれ異なった相対位置関係を維持したままインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との接合を図るのである。したがって、各インク噴射ヘッド10のノズル形成面16Aは基準面32によって正しく配列した状態でインク噴射装置1として組み立てられる。このようにして正しいノズル形成面16Aの位置が各インク噴射ヘッド10毎に設定されるので、各インク噴射ヘッド10からの記録紙7に対するインク滴の飛翔距離や飛翔方向が正常に求められる。
【0071】
また、上記複数のインク噴射ヘッド10同士のノズル開口11の相対位置を所定どおりに設定するので、例えば、隣合ったインク噴射ヘッド10同士のノズル開口11の相対位置関係が正しく設定される。したがって、あるインク噴射ヘッド10のノズル列11Aの端部に位置するノズル開口11と、他のインク噴射ヘッド10のノズル列11Aの端部に位置するノズル開口11とのヘッド間位置関係が、主走査方向で見て正常に設定される。具体的には、上記ヘッド間位置関係がノズル列11Aにおけるノズル開口11の1ピッチ分の間隔に設定されるのが適正である。こうすることにより、複数のインク噴射ヘッド10から噴射されるインク滴が正しい連続性をもって記録紙7に到達することとなる。さらに、あるインク噴射ヘッド10のノズル列11Aと別のインク噴射ヘッド10のノズル列11Aとが、平行になっていない場合においても、それを平行に矯正して正常なインク滴の吐出を求めることができる。
【0072】
さらに、上記基準面32と上記ヘッド取付板25との相対位置を所定の位置関係に設定するストッパ片37が配置され、そのストッパ面37Aに対して圧縮コイルスプリング38によりヘッド取付板25が押し付けられている。したがって、組立てに際して最も重要な上記基準面32を基準にしてヘッドケース15の位置が設定され、基準面32によって位置決めされたノズル形成面16Aとヘッド取付板25との位置関係のばらつきが少なくなるので、ヘッド取付板25をインクジェット式記録装置のキャリッジ3に取付けることにより、ノズル形成面16Aが正常な位置に設定され、良好なインク噴射装置1の機能がえられる。
【0073】
上記接合材52によって、上記相対位置関係の維持とインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との接合が同時に成立するので、インク噴射装置1の組立て工程の簡素化にとって有効である。
【0074】
上記インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係の維持と接合とが、上記空隙部分53への接合材52の充填によって確実に果たされる。すなわち、隙間状態の空間内に接合材52の充填を行うので、接合材52はインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との間で挟みつけられた状態になってスペーサーとしての機能が正確に果たされ、引いては正しいノズル形成面16Aの位置が維持される。
【0075】
上記補正移動が、基準面32にノズル形成面16Aが密着した状態で行われる。したがって、ノズル形成面16Aを縦方向,横方向あるいは回転方向等に補正移動をすることにより、複数のインク噴射ヘッド10のノズル開口11あるいはノズル列11A同士の相対位置が正確に設定でき、各インク噴射ヘッド10の複合したインク滴吐出動作が確実にえられる。
【0076】
上記CCDカメラ49,上記移動量演算手段50,上記制御装置51,上記アクチュエータ48等を動作させることにより、透明の治具30を透して基準マーク41とノズル開口11との位置関係を撮影画像の形態で求めて、上述の補正移動の移動方向や移動量を撮影画像データに基づいて演算し、インク噴射ヘッド10を適正な移動方向や移動量のもとで補正移動をさせることができる。そして、基準マーク41とノズル開口11の位置関係の把握、補正移動量の演算、上記アクチュエータ48の動作等を容易に自動化することができ、しかも精密な微調整に基づく補正移動が実現し、精度の高いインク噴射装置1の組立てが可能となる。
【0077】
図1にも図示されているが、図6,図7および図8は、本発明の液体噴射装置の製造方法の第2の実施の形態を示す。
【0078】
この実施の形態は、接合材(接着剤)52の注入の仕方に関するもので、治具30にあけた供給口55に接合材注入装置(図示していない)の注入ノズル56を挿入して、上記空隙部分53に接合材52を充填する。そのためにヘッド取付板25に注入口57をあけ、そこから空隙部分53に接合材52が充填される。また、上記注入口57は1つのインク噴射ヘッド10に対して4個配置されているので、注入口57から注入された接合材52が細長い状態で流路ユニット13を包囲するようになっている。そのために、ヘッド取付板25の開口36からノズル形成面16Aを露出させた状態でヘッド取付板25にインク噴射ヘッド10が取付けられたときに、ヘッド取付板25とヘッドケース15とが対面する箇所に、ガイド構造58が採用されている。
【0079】
上記ガイド構造58は、ヘッド取付板25の開口36の周縁部に沿って形成された突条部59によって構成されている(図6参照)。また、上記突条部59に代えてヘッドケース15の上記開口36の周縁部に対応する箇所に形成した溝部60によって形成することもできる(図7参照)。また、上記突条部59をヘッドケース15側に配置したり、あるいは溝部60をヘッド取付板25側に配置してもよい。さらに、図8は、上記溝部60の配置形態を示すもので、上記溝部60のコーナー部の近傍に凹部61が形成され、連通溝62を介して凹部61と溝部60とが連通されている。そして、ヘッド取付板25にあけた注入口57は凹部61に合致した状態になっている。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0080】
上記構成により、注入ノズル56から注入された接合材52は、突条部59や溝部60に案内されてインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25の間に細長い線状の形態で介在される。したがって、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置を維持した状態で両者の接合が長い領域にわたって行われ、確実なノズル形成面16Aの位置決めがなされる。さらに、治具30の上側の広い空間を利用して上記接合材注入装置をインク噴射ヘッド10の部分に接近させることができるので、接合材注入装置の操作が容易になり、また、自動注入装置の形式で生産設備を構成することが行いやすくなる。さらに、注入口57から凹部61に注入された接合材52は、連通溝62から溝部60に流入してヘッドケース15の周囲に細長い状態で介在される。それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0081】
本発明の液体噴射装置の製造方法の第3の実施の形態を、図1,図4および図5にしたがって説明する。
【0082】
この実施の形態は、光硬化型の接合材(接着剤)52を用いるために、ヘッド取付板25またはその一部を光を透過する透明な材料で構成したものである。この例において使用されている接合材は紫外線硬化型のものであり、それにともない上記光としては紫外線が選択されている。したがって、接合材52が配置されている局部に上記透明な部分を透過させて紫外線を照射し、接合材52の硬化が図られる。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0083】
上記構成により、短時間硬化による生産性の向上、熱伸縮が少ないこと、高温高湿度における高い耐久性等により、高温多湿等の種々な環境に耐えられるすぐれたインク噴射装置1が製造できる。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0084】
図1から図10にしたがって、本発明の液体噴射装置の一実施の形態を示す。
【0085】
すなわち、インク噴射ヘッド10は、ノズル形成面16Aにノズル開口11が列設されたノズルプレート16と、上記ノズル開口11に連通し圧力発生手段14によりインクを加圧する圧力発生室12と、上記圧力発生室12に供給されるインクを貯留するインク室17等を含んだ形態で構成されている。そして、上記インク噴射ヘッド10が、単一のヘッド取付板25に複数取付けられてインク噴射装置1が形成されている。上記インク噴射ヘッド10と上記ヘッド取付板25とは所定の相対位置関係を維持する必要があり、そのために、上記相対位置関係を維持した状態で、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25とが本発明の接合材である接着剤52により一体化されている。
【0086】
上記インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置を正しく設定することにより、各ノズル形成面16Aが1仮想平面上に整列される。このような正しい各ノズル形成面16Aの整列をえるために、図1等に示した組み立て設備が使用される。この設備では、組立て用の治具30に形成した基準面32に対して上記複数のインク噴射ヘッド10の各ノズル形成面16Aを密着させた状態でインク噴射ヘッド10と上記ヘッド取付板25との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態でインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25とを接着剤52により一体化する方法でインク噴射装置1が製造される。
【0087】
上記のようにして基準面32を活用して、上記各ノズル形成面16Aを正しい位置に配置することにより、ノズル形成面16Aが備えられた各インク噴射ヘッド10と上記ヘッド取付板25との相対位置にばらつきが発生する。すなわち、ヘッド取付板25に対して隙間のない状態で密着しているインク噴射ヘッド10もあれば、別のインク噴射ヘッド10はヘッド取付板25との間にわずかな空隙部分が生じているものもある。このように各インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係が個々に異なった状態すなわち相対位置関係にばらつきが発生する。そして、上記のそれぞれ異なった相対位置関係を維持したままインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との一体化が接着剤52を介して図られているのである。したがって、各インク噴射ヘッド10のノズル形成面16Aは正しく配列された状態でインク噴射装置1が構成されている。このようにして正しいノズル形成面16Aの位置が各インク噴射ヘッド10毎に設定されているので、各インク噴射ヘッド10からの記録紙7に対するインク滴の飛翔距離や飛翔方向が正常に求められる。
【0088】
上記各ノズル形成面16Aの位置を正常に確保するために、例えば、組立て用の治具30に形成した基準面32に対して上記複数のインク噴射ヘッド10の各ノズル形成面16Aを密着させた状態でインク噴射ヘッド10と上記ヘッド取付板25との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態でインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25とを接着剤52により一体化する方法でインク噴射装置1が製造される場合に、本発明によるインク噴射装置1の構成が好適である。すなわち、上記のインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との所定の相対位置関係を維持した状態で、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25とが接着剤52により一体化されているので、上記基準面32を利用した製造方法にとって、製造しやすくしかも高い組み立て精度のインク噴射装置1が確保できる。
【0089】
また、接合材として、接着剤52を用いたことにより、接着剤52の硬化によりインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係を維持することと、確実な接着を確保することを両立させたインク噴射装置1がえられる。
【0090】
上記インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置には、一般に種々のばらつきがあり、インク噴射ヘッド10の外側面の一部とヘッド取付板25の一部との間に空隙部分53が生じていることがある。そこで、本実施の形態では、上記空隙部分53に接着剤52を充填するようにした。
【0091】
このようにすることにより、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置関係の維持と接合とが、上記空隙部分53への接着剤52の充填によって確実に果たされたインク噴射装置1となる。すなわち、隙間状態の空間内に接合材52の充填を行うので、接合材52はインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との間で挟みつけられた状態になってスペーサーとしての機能が正確に果たされ、引いては正しいノズル形成面16Aの位置が維持される。
【0092】
また、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置にばらつきがある場合に、上記ヘッド取付板25に複数取付けられたインク噴射ヘッド10のうち少なくとも1つのインク噴射ヘッド10の一部をヘッド取付板25の一部に接触箇所54において直接接触させるようにするのが好ましい。このようにすることにより、上記直接接触の箇所54における接着剤52の量を少なくすることができ、また、接着剤52の薄肉化によりインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との接合剛性を高めることができる。また、経済的である。
【0093】
本発明の液体噴射装置の第2の実施の形態は、接合材52を所定の配置形態とするものである。図6,図7および図8に示すように、上記インク噴射ヘッド10の外側面の一部および/またはヘッド取付板25の一部に接着剤52の流動を案内するガイド構造58が形成されている。上記ガイド構造58は、ヘッド取付板25の開口36の周縁部に沿って形成された突条部59(図6参照)、また、上記突条部59に代えてヘッドケース15の上記開口36の周縁部に対応する箇所に形成した溝部60(図7参照)等によって構成されている。さらに、上記突条部59をヘッドケース15側に配置したり、あるいは溝部60をヘッド取付板25側に配置してもよい。さらに、図8は、上記溝部60の配置形態を示すもので、上記溝部60のコーナー部の近傍に凹部61が形成され、連通溝62を介して凹部61と溝部60とが連通されている。上記ガイド構造58の部分に注入された接着剤52が、ガイド構造58に案内されてインク噴射ヘッド10とヘッド取付板25の間に細長い線状の形態で介在される。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この例によれば、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との相対位置を維持した状態で両者の接合が長い領域にわたって行われ、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25との接合強度が高く、確実に位置決めされたノズル形成面16Aを有するインク噴射装置1がえられる。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0094】
本発明の液体噴射装置の第3の実施の形態は、光硬化型の接着剤52を用い、ヘッド取付板25またはその一部を光を透過する透明な材料で構成したものである。この例において使用されている接着剤52は紫外線硬化型のものであり、それにともない上記光としては紫外線が選択されている。したがって、接着剤52が配置されている局部に上記透明な部分を透過させて紫外線を照射し、接着剤52の硬化が図られる。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この例によれば、紫外線を上記紫外線硬化性の接着剤52に上記透明の部分を透過させて照射することにより、確実な接着剤52の硬化がえられ、熱伸縮が少なく、高温高湿度における耐久性が高く、さらに高温多湿等の種々な環境に耐えられるすぐれたインク噴射装置1がえられる。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0095】
本発明の液体噴射装置の第4の実施の形態は、ヘッド取付板25に接着剤52で一体化されたインク噴射ヘッド10の固定状態をより安定させたものとしている。図9,図10の左右方向に細長く延びた形状の押え部材63により、弾力的にインク噴射ヘッド10を接着剤52の方向に押える押圧機構64が設けられている。上記押え部材63は、合成樹脂や鋼板等で製作され、細長い形状のばね部材として形成されている。押え部材63は、ヘッド取付板25に固定した台座片65にボルト66を用いて結合してあり、片側だけにボルト66がねじ込まれた片持ち構造とされている。上記ボルト66を締め付けることにより、弾力的な押え力が接着剤52の方に作用する。なお、図9,図10に示した例は片持ち方式であるが、台座片65,ボルト66等を左右に配置して押え部材63を左右両側で支持する両持ち方式にすることもできる。
【0096】
67は、上記押えを確実に効かせるための突起である。図10は、台座片65と押え部材63との間に隙間Cをあけた場合であり、ボルト66の頭部の端部69によって押え部材63に押え力を作用させている。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0097】
この例によれば、インク噴射ヘッド10とヘッド取付板25とを接合する接着剤52に弾力を作用させる押圧機構64が設けられているので、何等かの原因で上記接着剤52の部分に剥離方向の力が作用しても、上記接着部分の接合状態が正常に維持され、複数のインク噴射ヘッド10を備えたインク噴射装置1としての耐久性を高く維持することができる。また、図10のような隙間Cを設置することにより、ボルト66の締め付けにともなう反力がヘッド取付板25に作用しないので、ヘッド取付板25が同図の2点鎖線図示のように撓むことが防止でき、ノズル形成面16Aの向きを狂わせるようなことが防止できる。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0098】
上記各実施の形態では、圧力発生素子が縦振動モードの形式であるが、他に、たわみ振動モードで液体を噴射したり、液体の加熱素子で液体を噴射したりする形式のものであってもよい。また、本発明における液体貯留手段は、上記の実施の形態で示した、キャリッジにインクカートリッジを搭載する形式のものに加えて、インクタンクをインクジェット式記録装置の本体側に装着し、キャリッジには圧力変動を吸収するサブタンクを搭載した形式のものであってもよい。
【0099】
上記各実施の形態は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体噴射装置は、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施の形態では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
【0100】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の液体噴射装置の製造方法によれば、上記基準面によって各ノズル形成面の位置が正しく設定され、それに基づいて液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置が設定される。すなわち、基部材に対して隙間のない状態で密着している液体噴射ヘッドもあれば、別の液体噴射ヘッドは基部材との間にわずかな空隙部分が生じているものもある。このように各液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係が個々に異なった状態すなわち相対位置関係にばらつきが発生する。そして、上記のそれぞれ異なった相対位置関係を維持したまま液体噴射ヘッドと基部材との一体化を図るのである。したがって、各液体噴射ヘッドのノズル形成面は上記基準面によって正しく配列した状態で液体噴射装置として組み立てられる。このようにして正しいノズル形成面の位置が各液体噴射ヘッド毎に設定されるので、各液体噴射ヘッドからの被噴射物に対する液体の飛翔距離や飛翔方向が正常に求められる。
【0101】
また、本発明の液体噴射装置によれば、上記各ノズル形成面を正しい位置に配置することにより、ノズル形成面が備えられた各液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置にばらつきが発生する。すなわち、基部材に対して隙間のない状態で密着している液体噴射ヘッドもあれば、別の液体噴射ヘッドは基部材との間にわずかな空隙部分が生じているものもある。このように各液体噴射ヘッドと基部材との相対位置関係が個々に異なった状態すなわち相対位置関係にばらつきが発生する。そして、上記のそれぞれ異なった相対位置関係を維持したまま液体噴射ヘッドと基部材との一体化が接合材を介して図られているのである。したがって、各液体噴射ヘッドのノズル形成面は正しく配列された状態で液体噴射装置が構成されている。このようにして正しいノズル形成面の位置が各液体噴射ヘッド毎に設定されているので、各液体噴射ヘッドからの被噴射物に対する液体の噴射距離や噴射方向が正常に求められる。
【0102】
上記各ノズル形成面の位置を正常に確保するために、例えば、組立て用の治具に設けられて、液体噴射ヘッドのノズル形成面の個数に対応する個数の基準枠線によって形成された基準面又は各ノズル形成面に対応した段部の上面によって形成された基準面に対して上記複数の液体噴射ヘッドの各ノズル形成面を密着させた状態で液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態で液体噴射ヘッドと基部材とを接合材により一体化する方法で液体噴射装置が製造される場合に、本発明による液体噴射装置の構成が好適である。すなわち、上記の液体噴射ヘッドと基部材との所定の相対位置関係を維持した状態で、液体噴射ヘッドと基部材とが接合材により一体化されているので、上記基準面を利用した製造方法にとって、製造しやすくしかも高い組み立て精度が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射装置の製造方法を実施する組み立て装置の側面図および各部の斜視図である。
【図2】治具の平面図である。
【図3】治具とノズル形成面との関係を示す平面図である。
【図4】インク噴射ヘッド,ヘッド基板,治具,接合材等の一体化状態を示す側面図である。
【図5】インク噴射ヘッド,ヘッド基板,治具,接合材等の他の一体化状態を示す側面図である。
【図6】接合材が注入される状態を示す側面図である。
【図7】接合材が注入される他の状態を示す側面図である。
【図8】接合材のガイド構造を示す平面図と斜視図である。
【図9】押圧機構の側面図である。
【図10】他の押圧機構の側面図である。
【図11】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の斜視図である。
【図12】上記インクジェット式記録装置に装着されるインク噴射ヘッドの断面図である。
【図13】上記インク噴射ヘッドをノズル形成面側から見た平面図である。
【図14】インク噴射ヘッドの組み付け状態が異常であることを示す側面図である。
【符号の説明】
1 インク噴射装置
2 インクカートリッジ
3 キャリッジ
4 タイミングベルト
5 ステッピングモータ
6 ガイドバー
7 記録紙
8 キャップ
9 ワイパー部材
10 インク噴射ヘッド
11 ノズル開口
11A ノズル列
12 圧力発生室
13 流路ユニット
14 圧電振動子
15 ヘッドケース
16 ノズルプレート
16A ノズル形成面
17 インク室
18 インク供給路
19 流路形成板
20 振動板
20A 島部
21 基台
22 フレキシブル回路板
23 環状突起
24 ヘッド流路
25 ヘッド取付板
25A フランジ
26 仮想平面
27 静止部材
28 基板
29 支柱部材
30 治具
31 結合枠
32 基準面
32A 基準枠線
33 保護カバー
34 枠部材
35 段部
36 開口
37 ストッパ片
37A ストッパ面
38 圧縮コイルスプリング
39 圧縮コイルスプリング
40 座板
41 基準マーク
42 移動装置
43 移動基板
44 エアシリンダ
45 ピストンロッド
46 チャック片
47 通口
48 アクチュエータ
49 CCDカメラ
50 移動量演算手段
51 制御手段
52 接合材,接着剤
53 空隙部分
54 直接接触の箇所
55 供給口
56 注入ノズル
57 注入口
58 ガイド構造
59 突条部
60 溝部
61 凹部
62 連通溝
63 押え部材
64 押圧機構
65 台座片
66 ボルト
67 突起
69 頭部の端部
C 隙間

Claims (13)

  1. ノズル形成面にノズル開口が列設されたノズルプレートと、上記ノズル開口に連通し圧力発生手段により液体を加圧する圧力発生室と、上記圧力発生室に供給される液体を貯留する液体貯留室を含む液体噴射ヘッドが、単一の基部材に複数取付けられ、ノズル形成面が基部材より突出している液体噴射装置の製造方法であって、
    組立て用の治具に設けられて、液体噴射ヘッドのノズル形成面の個数に対応する個数の基準枠線によって形成された基準面又は各ノズル形成面に対応した段部の上面によって形成された基準面に対して上記複数の液体噴射ヘッドの各ノズル形成面を密着させた状態、かつ、基準面と基部材との相対的位置を設定する位置決め手段に基準面とは異なる位置で該位置決め手段に接触する基部材の一部である接触部が、位置決め手段に向けて押し付けられて位置決めされた状態で、液体噴射ヘッドと上記基部材との相対位置関係を設定し、上記の設定された相対位置関係を維持した状態で液体噴射ヘッドと基部材とを一体化することを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
  2. 上記複数の液体噴射ヘッド同士のノズル開口の所定相対位置を設定する請求項1記載の液体噴射装置の製造方法。
  3. 上記各ノズル形成面に密着する基準面は、1つの仮想平面上に存在している請求項1または2に記載の液体噴射装置の製造方法。
  4. 上記基準面は、上記複数のノズル形成面毎に設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置の製造方法。
  5. 上記基準面とノズル形成面との密着は、液体噴射ヘッドを揺動可能な状態で支持する弾性的支持手段によって行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置の製造方法。
  6. 上記一体化は、上記相対位置関係を維持するとともに液体噴射ヘッドと基部材とを接合する機能を有する接合材によって行われる請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体噴射装置の製造方法。
  7. 上記接合材は、接着剤である請求項6に記載の液体噴射装置の製造方法。
  8. 上記液体噴射ヘッドの外側面の一部および基部材の一部の少なくとも一方に接合材の流動を案内するガイド構造が形成されている請求項7に記載の液体噴射装置の製造方法。
  9. 上記接合材は、上記治具に形成した供給口から注入して上記一体化が行われる請求項7または8に記載の液体噴射装置の製造方法。
  10. 上記治具は透明の材料で形成され、液体噴射ヘッドを上記基準面に表示した基準マークに対してノズル開口が合致するように補正移動を行なって、上記複数の液体噴射ヘッド同士のノズル開口の所定相対位置を設定する請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体噴射装置の製造方法。
  11. 上記補正移動は、上記基準面にノズル形成面が密着した状態で行われる請求項10記載の液体噴射装置の製造方法。
  12. 所定の位置に配置された撮影手段により撮影された撮影画像により、
    上記基準マークとノズル開口との位置関係を把握し、上記位置関係に基づいてノズル形成面の移動方向および移動量を演算し、上記演算された移動方向および移動量に基づいて動作するアクチュエータによって液体噴射ヘッドを移動させる請求項10または11に記載の液体噴射装置の製造方法。
  13. 上記基部材またはその一部が透明の材料で形成され、上記接合材を光照射によって硬化させる請求項6〜12のいずれか一項に記載の液体噴射装置の製造方法。
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