JP4535529B2 - 簡易合成セグメントおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル覆工用に用いられるプレキャストコンクリートと鋼板からなる簡易合成セグメントおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のトンネル覆工用合成セグメント50は、図3に示すように、コンクリートセグメント51のセグメント背面(外周面)Bとリング間継手面(トンネル長手方向に対して直角な端面)C,Cとピース間継手面(トンネル円周方向に対して直角な端面)D,Dの5面を容器状の鋼殻52で囲んだ構造であり、鋼殻52はプレス加工あるいは溶接によるビルドアップにより製作され、このような鋼殻52内にコンクリートをセグメント内面Aが上面となるように(下に凸の状態で)打設して製造されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような従来の合成セグメントの場合、コンクリートセグメントの5面を覆う鋼殻を使用しているため、以下に示すような問題点があった。
【0004】
(1) 鋼殻をプレス加工あるいはビルトアップにより製作するため、また鋼材使用量が多いため、コストが増加する。
(2) 鋼殻をプレス加工で製作する場合には、プレス機の能力により製作可能なセグメントの大きさに制限がある。
【0005】
(3) 鋼殻の加工精度がそのままセグメントの製品寸法精度となるため、個々の鋼殻の寸法精度を確保する必要があり、コストアップにつながる。
(4) セグメントの止水性を考慮した場合、鋼板に機械加工によりシール溝やコーキング溝を成形する必要があり、コストアップにつながる。
【0006】
(5) セグメント製作時にセグメント内面側を上にしてコンクリートを打設するため、セグメント内面側に継手を設ける継手形式では、ボルトボックス(凹部)の形成が困難となる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、従来のコンクリートセグメントの5面を覆う鋼殻を有する合成セグメントと同程度の剛性および耐久性を有しながら、合成セグメント構造の簡易化を図れると共に、合成セグメントを簡単に製造することができ、コストの大幅な低減を図れる簡易合成セグメントおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の簡易合成セグメントは、トンネル覆工用のプレキャストコンクリートセグメントのリング間継手面およびピース間継手面の4面に、裏面にアンカー金物を突設した鋼板が、前記リング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント内面にそれぞれ形成されたコーキング溝とリング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント背面側寄りに形成されたシール溝との間と、セグメント背面と前記4面の各シール溝との間にそれぞれ配設され、かつ、鋼板表面がコンクリート表面と面一となるように埋設されてなることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の簡易合成セグメントの製造方法は、トンネル覆工用のプレキャストコンクリートセグメントのセグメント背面側が上となるようにコンクリートが打設される製造用型枠のリング間継手面およびピース間継手面の4面を形成する側板内面に、シール溝およびコーキング溝を形成するための溝形成部材をそれぞれ設けると共に、裏面にアンカー金物を突設した鋼板の表面をシール溝の溝形成部材とコーキング溝の溝形成部材との間と、シール溝の溝形成部材と側板上面との間において取外し可能に取付け、この型枠内にコンクリートを打設することにより、前記鋼板が、リング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント内面に形成されたコーキング溝とリング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント背面側寄りに形成されたシール溝との間と、セグメント背面と前記シール溝との間にそれぞれ配設され、かつ、鋼板表面がコンクリート表面と面一となるように埋設された簡易合成セグメントを製造することを特徴とする(請求項2)。製造用型枠は一般のRCセグメントを製造する型枠を使用し、一般のRCセグメントと同様にセグメント背面側が上となるように(上に凸の状態で)コンクリートを打設する。鋼板は製造用型枠の側板内面にボルト等で取外し可能に取付ける。
【0010】
以上のような構成により、必要とされる任意の箇所が鋼板で補強された剛性および耐久性に優れた簡易合成セグメントが得られる。任意の箇所に鋼板を貼設するため、従来の鋼殻のプレス加工あるいはビルトアップが不要となり、鋼材使用量も低減される。プレス加工が不要となることにより、製作可能なセグメントの大きさは一般のRCセグメントと同程度のものとすることができる。また、一般のRCセグメントの型枠を用いて合成セグメントを製造することができ、一般のRCセグメントと同等のコストで製品精度を確保することができる。また、止水性を考慮した場合のシール溝やコーキング溝は型枠により形成することができるため、鋼板部に機械加工等が不要となる。さらに、製造時に一般のRCセグメントと同様にセグメント背面側からコンクリートを打設するため、セグメント内面に設けるボルトボックスの形成を容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。図1は、本発明の簡易合成セグメントの1例を示したものである。図2はその簡易合成セグメントの製造方法を示したものである。
【0012】
セグメントは、各ピースをピース間継手で接合してセグメントリングを形成し、このセグメントリング同士をリング間継手で接合してトンネルを形成するものであり、図1における本発明の簡易合成セグメント1は、プレキャストコンクリートセグメント2のトンネル長手方向に対して直角な端面であるリング間継手面C,Cに鋼板3,4を部分的に埋設状態で貼設して構成されている。
【0013】
鋼板3,4は、パッキン材が嵌め込まれるシール溝6やコーキング材が充填されるコーキング溝7を避けてリング間継手面Bに部分的に配設し、必要な部分のみ補強を行っている。また、鋼板3,4の裏面(コンクリート側の面)にはアンカー金物5を突設してコンクリートとの一体化を図り、その表面がコンクリート表面と面一となるように埋設されている。なお、鋼板3にはリング間継手用のボルト孔8を穿設しておく。
【0014】
セグメントの製作に際しては、図2に示すように一般のRCセグメントの製造に使用される型枠10を使用する。この型枠10の内面には、シール溝6やコーキング溝7を形成するための溝形成部材11あるいは内面継手のボルトボックス部材12等が設けられており、鋼板3,4をボルト等を用いて取外し可能に型枠内面に取付け、鉄筋籠をセットした後、一般のRCセグメントと同様にセグメント背面(外周面)Bが上になるようにコンクリートを打設する。締固めや蒸気養生等を行った後、脱型すれば、プレキャストコンクリートセグメント2のリング間継手面C,Cに鋼板3,4が埋設された簡易合成セグメント1が得られる。
【0015】
なお、以上はリング間継手面Cに鋼板を貼設する例を示したが、これに限らず、ピース間継手面(トンネル円周方向に対して直交する端面)D,Dにのみ鋼板3,4を設けることもでき、またリング間継手面Cとピース間継手面Dの4面に設けることもできる。さらに、セグメント内面Aあるいはセグメント背面Bに鋼板を単独で、あるいはリング間継手面C,ピース間継手面Dと組み合わせて貼設することもできる。なお、セグメント背面Bに鋼板を設ける場合には、型枠内にコンクリートを打設した後、上面を鋼板で蓋をするように、鋼板を貼設すればよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏する。
(1) 設計上必要な部分にのみ鋼板を貼設することができるため、従来の鋼殻のプレス加工あるいはビルトアップが不要となり、鋼材使用量も低減され、剛性および耐久性を備えた合成セグメントのコストを大幅に低減することができる。
【0017】
(2) 従来のプレス加工の場合、プレス機の能力により製作可能なセグメントに制限があるが、本発明では、鋼板を貼付けることでプレス加工が不要となり、製作可能なセグメントの大きさは一般のRCセグメントと同程度のものとすることができる。
【0018】
(3) 従来の鋼殻は加工精度がそのままセグメントの製品寸法精度となり、個々の鋼殻の寸法精度を確保する必要があるが、本発明では、一般のRCセグメントの型枠を用いて合成セグメントを製造することができるため、一般のRCセグメントと同等のコストで製品精度を確保することができる。
【0019】
(4) 止水性を考慮した場合のシール溝やコーキング溝は型枠により形成することができるため、従来のような鋼板部の機械加工等が不要となり、鋼板にシール溝およびコーキング溝を設けることによるコストアップは生じない。
【0020】
(5) 従来の鋼殻の場合、セグメント内面側からコンクリートを打設するため、セグメント内面継手の場合、ボルトボックスの形成が困難となるが、本発明では、一般のRCセグメントと同様にセグメント背面側からコンクリートを打設するため、セグメント内面に設けるボルトボックスの形成を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の簡易合成セグメントの1例を示したものであり、(a) は斜視図、(b) は断面図である。
【図2】図1の簡易合成セグメントの製造方法を示す断面図である。
【図3】従来の合成セグメントを示す斜視図である。
【符号の説明】
1……簡易合成セグメント
2……プレキャストコンクリートセグメント
3……鋼板
4……鋼板
5……アンカー金物
6……シール溝
7……コーキング溝
8……ボルト孔
10……型枠
11……溝形成部材
12……ボルトボックス部材
Claims (2)
- トンネル覆工用のプレキャストコンクリートセグメントのリング間継手面およびピース間継手面の4面に、裏面にアンカー金物を突設した鋼板が、前記リング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント内面にそれぞれ形成されたコーキング溝とリング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント背面側寄りに形成されたシール溝との間と、セグメント背面と前記4面の各シール溝との間にそれぞれ配設され、かつ、鋼板表面がコンクリート表面と面一となるように埋設されてなることを特徴とする簡易合成セグメント。
- トンネル覆工用のプレキャストコンクリートセグメントのセグメント背面側が上となるようにコンクリートが打設される製造用型枠のリング間継手面およびピース間継手面の4面を形成する側板内面に、シール溝およびコーキング溝を形成するための溝形成部材をそれぞれ設けると共に、裏面にアンカー金物を突設した鋼板の表面をシール溝の溝形成部材とコーキング溝の溝形成部材との間と、シール溝の溝形成部材と側板上面との間において取外し可能に取付け、この型枠内にコンクリートを打設することにより、前記鋼板が、リング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント内面に形成されたコーキング溝とリング間継手面およびピース間継手面の4面のセグメント背面側寄りに形成されたシール溝との間と、セグメント背面と前記シール溝との間にそれぞれ配設され、かつ、鋼板表面がコンクリート表面と面一となるように埋設された簡易合成セグメントを製造することを特徴とする簡易合成セグメントの製造方法。
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