JP4526050B2

JP4526050B2 - 無線検針システム

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Publication number: JP4526050B2
Application number: JP2000061985A
Authority: JP
Inventors: 幸生小玉; 晋吾大須賀; 鎮夫中根; 明清水
Original assignee: Ricoh Elemex Corp
Current assignee: Ricoh Elemex Corp
Priority date: 2000-03-07
Filing date: 2000-03-07
Publication date: 2010-08-18
Anticipated expiration: 2020-03-07
Also published as: JP2001251692A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスメータや水道メータなどの計量器に設けた子機との無線通信により、親機が計量器の遠隔検針を行うことができる無線検針システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の無線検針システムにあっては、混信による誤動作の発生などを防止するため、例えば、親機の電波が到達する無線電波到達エリア内をいくつかに区分けした通信エリアを複数個所設定し、各通信エリアごとにそこでのみ無線通信が可能な専用の周波数を設定している。このため、親機が複数の通信エリアの子機と無線通信するには、親機に複数個の周波数発信部などを設けることが必要となっている。
【０００３】
例えば、図９において、親機Ａが通信エリア１にある子機ａと通信するときには、周波数Ｆ１で行うとともに、同じ親機Ａが別の通信エリア２にある子機ｃと通信を行うときには周波数Ｆ２で行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このように、通信エリアに合わせて周波数が異なると、各通信エリア毎に異なる周波数の子機を使用しなければならないので、各子機にも周波数発信部を数種類搭載させ、通信エリア毎に周波数を切換える無線システムも採用されている。
【０００５】
ところが、この無線通信システムでは、コストの大幅増大を招いているとともに、通信エリアの数が増大するにつれて子機の周波数管理が複雑で面倒となっている。
【０００６】
そこで、この発明の第１の目的は、上記した事情に鑑み、子機に複数種類の周波数発信部を内蔵せずに済み、複雑な周波数管理を行わなくて済む無線検針システムを提供することにある。
【０００７】
また、例えば、特定の子機との間での無線通信中に他の子機との間で混信などの誤動作を起こした場合、無線検針を行うことができなくなる虞れがある。
【０００８】
そこで、この発明の第２の目的は、通信エリア毎に異なる各種の通信速度で無線通信を行うための設定ができる無線通信システムを提供することにある。
【０００９】
また、子機に何らかのトラブルが発生して普段使用している通信速度が使えなくなる場合もある。
【００１０】
そこで、この発明の第３の目的は、子機に何らかのトラブルが発生して普段使用している通信速度が使えなくなっても、別の通信速度を新たに設定し直して無線通信が可能となる無線通信システムを提供することにある。
【００１１】
また、例えば、子機に何らかのトラブルが発生して普段使用されている通信速度が使えなくなったとき、かりに通信速度を別の通信速度に変更できるように構成されていても、例えば子機のケーシング内部等を開いて細かい各種電気回路等を実際に調整するといった煩わしい操作を行わなければならない場合もあり、電気的な知識のない操作に不慣れな者には変更操作が難しく、しかも面倒な操作を伴う場合も考えられる。
【００１２】
そこで、この発明の第４の目的は、子機に何らかのトラブルが発生して普段使用されている通信速度が使えなくなったとしても、所定の外部信号を電気的に入力させるだけの簡単な操作で、操作に不慣れなものでも、別の通信速度を新たに設定し直して無線通信が可能となる無線通信システムを提供することにある。
【００１３】
また、例えば、子機に何らかのトラブルが発生して普段使用されている通信速度が使えなくなったときに、わざわざその子機の設置してある場所まで出向いて変更しなければならないので、無線検針できるように無線回線を復帰させるまでに時間と手間を要し、作業能率の低下を招いている。
【００１４】
そこで、この発明の第５の目的は、通信速度を変更する度にわざわざ子機のあるところまで立ち寄って通信速度を変更・設定するといった煩わしさがなくなる無線通信システムを提供することにある。
【００１５】
また、仮に、親機と無線通信しようとする子機の他に、この親機からの無線通信到達エリア内に、通信エリアは異なるが同じＩＤ番号の子機が別に存在しているときには、そのまま気付かずに、そのＩＤ番号の別の子機もずっと作動させてしまう、といったトラブルを発生する虞れがある。
【００１６】
そこで、この発明の第６の目的は、例えば、同じＩＤ番号等を有する別の子機と親機との無線通信を行うといった誤動作を防止し、同じエリア内にある関係のない子機が、送受信動作の停止までの判断時間が短縮可能となり、信頼度の高い無線検針を実現可能とする無線検針システムを提供することにある。
【００１７】
また、かりに検針員などが移動式の親機で検針作業中に、ある子機についてその通信速度を忘れてしまったり、幾種類かの通信速度のいずれが正しいものであったかを迷った場合などには、例えば、本部に連絡してその子機との通信速度を確認するなどの作業を行う必要があり、作業性が悪い。
【００１８】
そこで、この発明の第７の目的は、例えば、親機がある子機の通信速度を忘れてしまった場合などでも、その子機の通信速度に関するデータを読み出して確認することができ、このような事態に対する迅速な対応が可能となり、延いては全ての子機との無線通信を確実に行うことができる無線検針システムを提供することにある。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項１に記載の発明は、親機および子機と、その子機に接続された計量器とを備え、親機から子機へ呼出信号を送信し、この呼出信号と一致する子機との間で無線回線を確立して前記親機で計量器の無線検針を行う無線検針システムにおいて、
少なくとも前記子機に、前記呼出信号の通信速度を計測する手段を備え、前記子機が、受信した呼出信号の通信速度が予め設定された特定の通信速度であることを認識した場合に、その通信速度で自己のＩＤ番号か否かを確認して、前記親機と無線回線を確立させるように構成した無線検針システムにあって、
親機または子機のうちの少なくとも一方に外部起動部を設け、この外部起動部からの信号を受信した時のみ、その親機または子機が共通の通信速度で無線通信を可能とするように構成したものである。
【００２０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、共通の通信速度で親機または子機のうち少なくとも一方から本来の通信速度情報を要求する通信信号を送信し、他方は前記通信信号を受信した時、本来の通信速度情報の回答信号を送信するものである。
【００２１】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の発明において、親機および子機の少なくとも一方に、各種の通信速度で無線通信を行うための設定もしくは通信速度の変更を行う通信速度変更部を設け、この通信速度変更部で設定された通信速度で無線通信を行うように構成したものである。
【００２２】
請求項４に記載の発明は、請求項３に記載の発明において、前記通信速度変更部は、ケーシング外側からのオン・オフ周期によって各通信速度への設定変更を可能とするものである。
【００２６】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について添付図面に基づき説明する。
図１には、この発明の第１実施例に係る無線検針システムの構成を示す。
この実施例では、持ち運び可能なハンデイターミナル１に親機２が接続されており、この親機２は、ハンデイターミナル１からの制御信号により、子機３と無線通信を行うようになっている。
【００２７】
子機３には、計量器のメータ４が接続されており、親機２からの無線通信により、メータ４からメータ情報を収集したり、子機３自身の情報を親機２に送信して、それらの情報を親機２で収集したり、ハンデイターミナル１へ応答することにより、遠隔からの無線検針が行えるようになっている。
【００２８】
次に、この発明の第２実施例に係る無線検針システムを示す。
図２に示すこの実施例では、電話回線Ｌを利用し、その電話回線Ｌの端末の端末用網制御装置５に親機２を接続し、図示外のセンタから送られてくる制御信号に従い、親機２が子機３へ通信要求のための呼出信号を出して呼び出したり、子機３に接続されている計量器のメータ４のメータ情報を収集する。このようにして、センタと応答することによって、遠隔から無線通信を利用することで無線検針を行うようになっている。
【００２９】
次に、この発明に係る無線検針システムに使用する無線装置について説明する。
図３は、この発明に係る親機２および子機３に設けた無線装置６を示す一実施例である。
この無線装置６では、通信速度変更部６Ａと、外部信号入力部６Ｂと、通信速度記憶部６Ｃと、外部起動部６Ｄと、無線送受信部６Ｅと、制御部６Ｆとを備えている。
【００３０】
通信速度変更部６Ａには、例えば、スイッチ、デップスイッチ、ロータリスイッチ、リードスイッチなどが設けられており、ここでの設定条件を制御部６Ｆが検知して、その設定条件の通信速度を自己の通信速度として認識させるようになっている。
【００３１】
外部信号入力部６Ｂは、この外部信号入力部６Ｂからの設定入力信号（データ通信）を制御部６Ｆが認識することにより、その設定入力信号の内容に一致した通信速度を自己の通信速度として設定が可能となる。また、特定の子機に対する通信速度も設定可能となる。
【００３２】
通信速度記憶部６Ｃは、無線送受信に使用する通信速度が記憶されており、制御部６Ｆからの制御で書き換え・読み出しを行えるようになっている。また、通信速度記憶部６Ｃは、この自局が送信する通信速度や自局が受信する通信速度、あるいは特定の子機に対する無線送受信の通信速度を記憶・管理している。
【００３３】
外部起動部６Ｄには、リードスイッチを使用しており、そこからの信号を制御部６Ｆが検知すると、その信号が入力している間、あるいはその信号が入力してから一定時間の間は、特定の通信速度での無線通信を可能とするようになっている。
【００３４】
無線送受信部６Ｅは、制御部６Ｆからの制御により、外部との無線送受信を行うようになっている。
【００３５】
制御部６Ｆは、通信速度変更部６Ａの設定条件を検知して、その設定通信速度を通信速度記憶部６Ｃに記憶させたり、外部信号入力部６Ｂから入力される設定信号に従い通信速度記憶部６Ｃに通信速度を設定するようになっている。
【００３６】
さらに、この制御部６Ｆは、呼出信号の通信速度を計測する機能を備えており、無線送受信部６Ｅを制御して無線通信データを取り込み、その取り込んだ無線通信データから呼出信号の通信速度を計測するようになっている。また、この制御部６Ｆは、この計測した通信速度が通信速度記憶部６Ｃに記憶されている通信速度と一致しているかどうかの確認を行い、その通信速度が一致している場合には、その通信速度で自己のＩＤ番号か否かを確認して、その無線通信が自局に対する無線通信かどうかを識別するようになっている。従って、これが、異なれば直ちに無線送受信部への電源供給を遮断するとともに、一致すれば通信手順にのっとり、無線通信の授受を行ったり、通信速度記憶部６Ｃに記憶されている内容に従い、それぞれの無線局に無線通信を行うようになっている。
【００３７】
また、この制御部６Ｆは、外部起動部６Ｄからの外部信号を認識した場合には、これを認識している間、もしくはこれを認識後に一定時間の間、特定の通信速度で送られてくる無線通信の授受に備えたり、特定の通信速度で無線送信したりするようになっている。
【００３８】
次に、さきの図１および図２に記載の子機３の制御動作について、図４に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【００３９】
第１ステップＳ１では、子機３は、外部からくる無線通信を、低消費電力で受信するために、間欠駆動による無線通信の受信動作を行う。そのために、間欠受信間隔用のタイマを設定する。
【００４０】
第２ステップＳ２では、その間欠受信間隔用タイマがタイムアップしたかどうかを監視する。
【００４１】
第３ステップＳ３では、この時間がタイムアップしたならば、無線通信を受信するために、電源供給を行う。
【００４２】
第４ステップＳ４では、無線送受信部６Ｅへの電源供給を開始することにより、無線送受信部６Ｅから、例えば、その無線局が使用する無線周波数の無線データが取り込まれる。
【００４３】
第５ステップＳ５では、取り込んだ無線データの通信速度を制御部６Ｆで計測する。
【００４４】
第６ステップＳ６では、自局が認識しなければならない通信速度かどうかの判断を制御部６Ｆが行う。自局が認識すべき通信速度でないと判断すれば、電源電力を低消費とするため、制御部６Ｆは無線送受信部６Ｅへの電源供給を遮断して、再度、第１ステップＳ１から始まる次回の無線通信に備える。
【００４５】
第７ステップＳ７では、第５ステップＳ５で自局に取り込んだ通信速度などの無線データの内容から、
▲１▼自局が認識すべき通信速度であるか否かということと、
▲２▼その通信速度が一致している場合、その通信速度で自己のＩＤ番号か否かを確認し、予め記憶されている自己のＩＤ番号と一致しているかどうかと
の判断を行う。この通信速度とＩＤ番号とが自己のものと一致していない場合には、電源電力を低消費とするために、無線送受信部６Ｅへの電源供給をオフにして、再度、第１ステップＳ１から始まる次回の無線通信に備える。
【００４６】
第８ステップＳ８では、親機からの送信ＩＤ番号が、その通信速度で自己ＩＤ番号と一致したならば、この子機３からは応答信号を親機へ向けて送信して親機との間での無線回線を確立するため、これに先立って、キャリアセンスを一定期間行う。
【００４７】
第９ステップＳ９では、キャリアセンスの結果、送信可能となったならば、送信局側と無線回線を確立させるため、無線送受信部６Ｅを制御して応答信号を送信する。
【００４８】
第１０ステップＳ１０および第１１ステップＳ１１では、親機２との無線回線の確立が終了したら、親機２からの要求通信に従って、お互いに相互通信を行い、親機２による計量器の情報収集を行う。
【００４９】
第１２ステップＳ１２では、親機２との無線回線を終了して、無線送受信部６Ｅへの電源供給を停止し、再度、第１ステップＳ１から始まる次回の無線通信に備える。
【００５０】
次に、図５を参照しながら、この発明にかかる無線検針システムについて説明する。
図５は、実際にこの発明に係る無線検針システムを使用する場合の通信エリアを考慮した使用態様を示すブロック図である。
【００５１】
親機２Ａの無線電波到達エリアＸ（通信エリア１・通信エリア２）には、子機３ａないし子機３ｃがあり、親機２Ｂの無線電波到達エリアＹ（通信エリア３・通信エリア４）には、子機３ｃおよび子機３ｄがある。ここで、例えば、子機３ａから子機３ｄのＩＤ番号を各々３０から子機６０とし、通信速度を子機３ａから子機３ｄの順に，２００、２００、３００、２００（ｂｐｓ）とする。
【００５２】
さて、親機２Ａが、子機３ａから情報を取得しようとして、呼出信号のＩＤ番号をＩＤ３０として、無線送信データの通信速度を２００ｂｐｓで送信したとする。
【００５３】
このとき、親機２Ａから２００ｂｐｓの通信速度で送信した呼出信号に対して、子機３ｂは自局の通信速度であるが、ＩＤ番号が異なるため、呼出信号に対しての応答はされず、また、子機３ｃは自局の通信速度と異なるため、呼出信号に対しての応答はない。
【００５４】
一方、子機３ａだけは、自局の通信速度であり、ＩＤ番号も一致するため、無線回線を確立するための応答信号を送信する。その後、親機２Ａからの要求通信に従い、無線データの授受を行う。
【００５５】
次に、親機２Ｂは、自局の無線エリア内に、通信速度３００ｂｐｓで行う子機３ｃと、通信速度２００ｂｐｓで行う子機３ｄとがあるが、親機２Ｂが各子機と無線通信行うときに、通信速度をそれぞれ使い分けることにより、他の子機に対する影響を低減させることができる。
【００５６】
例えば、親機２Ｂから子機３ｃを呼び出そうとして、呼出信号を３００ｂｐｓの通信速度で送信しても、同じ無線電波到達エリアＹ内にはあるが別の通信エリア内にある子機３ｄの方は、通信速度を計測した時点で、自局の無線通信速度２００ｂｐｓとは異なるため、読み込み動作を停止することができる。また、仮に、親機２Ｂからの無線電波到達エリアＹ内に同じＩＤ番号の子機が存在していたとしても、通信速度を変えることにより、誤動作を起こさずに無線通信が可能となる。
【００５７】
さらに、今度は、子機から親機への端末発呼時には、上記親機からの呼出信号のときの通信速度３００ｂｐｓとは異なる通信速度、例えば６００ｂｐｓで、子機から親機に対して送信することにより、その子機からの無線電波到達エリア内にあるその他の子機を誤動作させずに、目的の親機と無線回線を確立させて、無線通信が可能となる。
【００５８】
次に、図５で説明した各子機の動作タイミングについて、図６を参照しながら説明する。
【００５９】
親機２Ａからの呼び出し信号、つまりＩＤ番号をＩＤ３０、通信速度を２００ｂｐｓに対して、子機３ｃの受信制御は、送信されてきた通信速度が自局の通信速度３００ｂｐｓと異なるため、直ちに無線受信回路を遮断する。
【００６０】
一方、子機３ｂは、通信速度は自局の通信速度と等しいので、その内容が自局のＩＤ番号かどうかの判断を次に行う。子機３ｂの場合には、これが異なるので、無線受信回路を遮断する。ここで、各子機は、自己のＩＤ番号を確認するときには、最低でも２回分の親機からの送信ＩＤ番号を取り込んで判断した方が好都合である。これにより、ＩＤ番号について確認作業の信頼度が向上する。
【００６１】
子機３ａは、通信速度が自局の通信速度と等しく、かつ、その内容が自局のＩＤ番号と一致するので、親機２Ａからの呼出信号が終了したのを確認後、親機２Ａとの無線回線を確立するための応答信号を送信する。その後、親機２Ａと子機３ａとで無線送受信を行い、親機２Ａが子機３ａと接続された計量器の情報収集を行うことができる。
【００６２】
さらに、子機３ａから応答信号を送信した後、親機２Ａからの無線要求信号や子機３ａからの無線情報応答信号などの無線情報収集通信を、周辺で使用している通信速度とは異なる通信速度で行うこともできる。これにより、例えば、図６において、子機３ｂの受信信号３ｂ−２の部分では、受信信号３ｂ−１の部分のように、自局ＩＤ番号の判断動作まで行わずに、短い時間で無線受信回路を遮断することができる。
【００６３】
なお、この為の方法として、これ以外に、例えば、親機２Ａからの連続して送信されてくるＩＤ番号ごとに、その後ろにその通信速度情報を送信したり、連続して送信されてくるＩＤ番号の最後に続けて送信してもよい。あるいは、子機からの応答信号を受信後の無線送受信通信内に、その情報を盛り込んだり、子機からの応答信号にその情報を盛り込んで、子機から親機に指定したりすることができる。
【００６４】
次に、この発明に係る他の例について、図面を参照しながら説明する。
図７に示すこの例では、初め、親機７と子機８とが、２００ｂｐｓでの通信速度で無線通信を行っているものとする。そして、今使用中の通信速度から今後使用する通信速度に変更（即ち、２００ｂｐｓから５００ｂｐｓへの変更）させるため、親機７から子機８へ送信する無線通信において、この変更後の通信速度に関する通信速度データを含む（通信速度変更要求）データを送信する。
【００６５】
そして、子機８がその通信速度を含むデータを受信し、そのデータ中に含まれる通信速度を確認・認識すると、それ以後の親機７との無線通信を、その通信速度５００ｂｐｓでのみ行うようになっている。
【００６６】
これにより、親機７と子機８とは、この無線通信中に含まれるデータにより、新たな通信速度が設定されたことにより、これ以後のメータ検針時には、５００ｂｐｓで呼出し信号を送受信し、無線回線の確立から検針終了の通信までの一連の無線検針作業が行われる。
【００６７】
次に、この発明に係るさらに他の例について、図面を参照しながら説明する。
図８に示すこの例では、親機７と子機８とがこれらの間で行う無線通信において、この中に含まれる指定通信速度に関する（指定通信速度）データを含む（通信速度指定要求）データを確認・認識することにより、それ以後、その指定の通信速度で無線通信を行うように構成されている。
【００６８】
例えば、最初に、親機７から子機８に向け、通信速度２００ｂｐｓで呼出信号を送信する。一方、これを受信した子機８からは、これに応答するため、応答信号を親機７に向けて送信し、無線回線を確立させる。
【００６９】
このようにして、無線回線が確立されたならば、その後、例えば、親機７から送信する無線通信の通信内容に、（通信速度指定要求）データを含めているものとする。すると、これを受信した子機８からは、これに応答するため、（通信速度指定応答）信号を親機７に向けて送信する。さらにこれと同時に、この（通信速度指定要求）データを確認・認識した子機８は、以後の親機７からの無線通信を受信するため、通信速度５００ｂｐｓで待機するように変更する。
【００７０】
一方、親機７では、子機８からの（通信速度指定応答）信号を受信すると、通信速度が２００ｂｐｓでの通信から５００ｂｐｓでの通信に、通信速度の変更を行う。
【００７１】
このようにして、通信速度が２００ｂｐｓから５００ｂｐｓへ変更されることにより、この子機８の周囲にある２００ｂｐｓの通信速度で待機している他の子機が、５００ｂｐｓの通信を受信しても、通信速度が２００ｂｐｓとは異なることを、素早く判断することができるから、誤動作をしなくなる。
【００７２】
次に、この発明に係るさらに他の例について説明する。
この例では、子機に外部起動部を設け、この外部起動部からの信号を受信した時のみ、その子機と親機とが共通の通信速度で、例えば７００ｂｐｓで無線通信を可能とするように構成してある。なお、この例のように子機にのみ外部起動部を設けずに、双方に設けてもよい。
【００７３】
従って、このような構成の無線検針システムによれば、例えば、ある子機が現在２００ｂｐｓの通信速度で待機しているものとする。ここで、この子機に取付けられているリードスイッチを検針者がマグネットでオンしたとする。
【００７４】
すると、その子機は、各無線局共通の７００ｂｐｓでの通信速度で一定時間待機するようになる。その一定時間内に、検針者が親機を操作して、７００ｂｐｓの通信速度で、通信信号（予め設定されていたその子機の「本来の通信速度」を知らせるように要求する信号）を子機に向けて送信する。
【００７５】
これにより、その子機からは、「本来の通信速度」が２００ｂｐｓであるとの回答を（回答）信号として親機へ送信する。その結果、ここで忘れていたその子機の通信速度が親機で確認できるようになる。このような確認作業は、それぞれの子機と親機との間について同様に行うことができる。従って、個々の子機に設定されている「本来の通信速度」の確認作業を簡単に行えるようになる。
【００７６】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明によれば、少なくとも子機に、呼出信号の通信速度を計測する手段を備え、子機が、受信した呼出信号の通信速度が予め設定された特定の通信速度であることを認識した場合に、その通信速度で自己のＩＤ番号か否かを確認して、親機と無線回線を確立させるように構成しており、他の子機との識別を、複数種類の周波数を使い分けることによって行うのではなく、通信速度の使い分けによって識別させているから、複数種類の周波数発信部を内蔵せずにすみ、コストの削減・装置の小型化に好都合である。
【００７７】
一方、このとき親機との通信を行わない子機については、認識可能な通信速度でなければ、自局の子機との無線通信でないことが直ちに確認でき、それ以後は交信しなくて済むので、従来のように複数種類の通信周波数を使用する無線通信システムの場合にはそれぞれの周波数での通信確認を行うことが必要であったのに比べ、無線送受信確認までの通電時間を短縮化でき、消費電源の節約を図ることができる。これによって安価で低消費電源タイプの無線通信システムが実現できる。
【００７８】
さらに、請求項２に記載の発明によれば、共通の通信速度で親機または子機のうち少なくとも一方から本来の通信速度情報を要求する通信信号を送信し、他方は通信信号を受信した時、本来の通信速度情報の回答信号を送信するので、忘れていたその子機の通信速度を親機で確認することができる。
【００７９】
さらに請求項３に係る発明によれば、親機および子機の少なくとも一方に、各種の通信速度で無線通信を行うための設定もしくは通信速度の変更を行う通信速度変更部を設け、この通信速度変更部で設定された通信速度で無線通信を行うように構成している。従って、例えば、特定の子機との間での無線通信中に他の子機との間で混信などの誤動作を起こした場合、この親機に設けた通信速度変更部の操作によりその誤動作を起こした他の子機が認識できない別の通信速度への変更が、その場で直接、しかも直ちに行えるから、無線検針システムでの検針作業性が向上する。特に、リードスイッチにて通信速度変更部を構成した場合にあっては、その親機及び子機などの無線局のケーシングの外側から、簡単にマグネット等によるオン・オフの周期によって別の通信速度への設定変更が可能となるので、これらの無線局のケーシング構造が簡単になる。
【００８０】
さらに請求項４に係る発明によれば、通信速度変更部は、ケーシング外側からのオン・オフ周期によって各通信速度への設定変更を可能とするので、無線局のケーシング構造を簡単にすることができる。
【００８３】
そして、請求項１に係る発明によれば、親機または子機のうちの少なくとも一方に外部起動部を設け、この外部起動部からの信号を受信した時のみ、その親機または子機が共通の通信速度で無線通信を可能とするように構成しており、例えば、かりに親機が、ある子機の通信速度を忘れてしまった場合などでも、この機能を利用してその共通の通信速度で本来の通信速度を読み出して確認することができ、このような事態への迅速な対応が可能となるから、全ての子機との無線通信を確実に行うことができるようになる。このとき、例えば、外部起動部をリードスイッチのように、親機または子機のケーシング外部から磁力などを利用して認識させることにより、その親機または子機のケーシング構造が簡易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の第１例に係る無線検針システムを示す概略構成図である。
【図２】この発明の第２例に係る無線検針システムを示す概略構成図である。
【図３】この発明に係る無線装置を示す構成ブロック図である。
【図４】その子機の制御を示すフローチャートである。
【図５】そのシステムを使用した親機と子機との無線エリアでの無線電波到達エリアと通信エリアを示す説明図である。
【図６】その子機の動作を示すタイミングチャートである。
【図７】この発明の他の例に係る無線検針システムの流れを示す説明図である。
【図８】この発明のさらに他の例に係る無線検針システムの流れを示す説明図である。
【図９】従来のシステムを使用した親機と子機との通信エリアと無線電波到達エリアとの関係などを示す説明図である。
【符号の説明】
１ハンデイターミナル
２親機
３子機
４計量器のメータ
５端末用網制御装置
６無線装置
６Ａ通信速度変更部
６Ｂ外部信号入力部
６Ｄ外部起動部
７親機
８子機

Claims

親機および子機と、その子機に接続された計量器とを備え、親機から子機へ呼出信号を送信し、この呼出信号と一致する子機との間で無線回線を確立して前記親機で計量器の無線検針を行う無線検針システムにおいて、
少なくとも前記子機に、前記呼出信号の通信速度を計測する手段を備え、前記子機が、受信した呼出信号の通信速度が予め設定された特定の通信速度であることを認識した場合に、その通信速度で自己のＩＤ番号か否かを確認して、前記親機と無線回線を確立させるように構成した無線検針システムにあって、
親機または子機のうちの少なくとも一方に外部起動部を設け、この外部起動部からの信号を受信した時のみ、その親機または子機が共通の通信速度で無線通信を可能とするように構成したことを特徴とする無線検針システム。
前記共通の通信速度で親機または子機のうち少なくとも一方から本来の通信速度情報を要求する通信信号を送信し、他方は前記通信信号を受信した時、本来の通信速度情報の回答信号を送信することを特徴とする請求項１に記載の無線検針システム。
親機および子機の少なくとも一方に、各種の通信速度で無線通信を行うための設定もしくは通信速度の変更を行う通信速度変更部を設け、この通信速度変更部で設定された通信速度で無線通信を行うように構成したことを特徴とする請求項２に記載の無線検針システム。
前記通信速度変更部は、ケーシング外側からのオン・オフ周期によって各通信速度への設定変更を可能とするものであることを特徴とする請求項３に記載の無線検針システム。