JP4513966B2 - プライマー組成物及びそれを用いた電気電子部品 - Google Patents

プライマー組成物及びそれを用いた電気電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、プライマー組成物及びこれを用いた電気電子部品に関し、詳しくは、電気電子素子や回路の搭載された基板と該素子の保護層であるシリコーン樹脂層とを強固に接着させることのできるプライマー組成物、及びこれを用いた電気電子部品に関するものである。
一般に、電気電子部品は、基板上に存在する電気電子素子を保護するため、種々の樹脂により保護、封止される。シリコーン樹脂もその封止樹脂の一つであるが、部品の信頼性を高めるためには、シリコーン樹脂と基板(被着体)との高い接着性、密着性が要求される。更に、樹脂の内部応力で素子を破損させてはいけないという要求もあるため、これまでゴム又はゲル状のシリコーン樹脂が使用されることが多かった。しかし、軟質のシリコーン樹脂は表面に埃などが付きやすいという問題もある。
一方、硬質シリコーン樹脂は表面タックがなく、埃なども付き難く、エポキシ樹脂ほど内部応力がかからないという利点があるが、軟質のシリコーン樹脂に比べて被着体への密着(接着)性が劣るため、信頼性試験において剥離しやすい傾向にある。
また、封止樹脂と被着体の接着性は封止樹脂と被着体の組み合わせにより異なる。同様にプライマーも接触する被着体と封止樹脂との組み合わせにより効果が十分発揮される場合とそうでない場合があり、そのため各々の組み合わせに応じて従来多くのプライマーが調製されてきている。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特開平03−054715号公報 特開平05−179159号公報 特公平07−091528号公報 特開2004−339450号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、電気電子素子の保護層として使用する高硬度シリコーン樹脂と被着体である素子及び基板との接着が強固で、信頼性の高い電気電子部品を製造することができるプライマー組成物、及びそれを用いた電気電子部品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、下記平均組成式(1)で表されるオルガノシロキサンオリゴマーを希釈剤に溶解し、好ましくは更に縮合触媒を配合したプライマー組成物が、電気電子基板に塗布して被膜化させることで、電気電子素子の保護層として使用する高硬度シリコーン樹脂と基板との密着性を高め、その結果、耐湿信頼性、耐衝撃性を改善し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すプライマー組成物、及びそれを用いた電気電子部品を提供する。
〔1〕 (A)下記平均組成式(1):
1 a2 b3 c4 d(OR5eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R2
素原子数2〜30のアルケニル基であり、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。a,b,c,d,eは、0.2≦a≦0.9、0.1≦b≦0.6、0≦c≦0.6、0≦d≦0.8、1.0≦e≦2.0、かつ2.0≦a+b+c+d+e≦3.0を満足する正数である。)
で示され、含有するイオン性不純物(Na,K,Cl)が2.0ppm以下であるオルガノシロキサンオリゴマー、
(B)テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−エチルヘキシルアルコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる希釈剤、及び
(C)ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、亜鉛2,4−ペンタンジオネート、亜鉛2−エチルヘキサノエート、酢酸亜鉛、ギ酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛から選ばれる亜鉛系縮合触媒
を必須成分とすることを特徴とするプライマー組成物。
〔2〕 (A)成分のシロキサンオリゴマーが、下記一般式(2):
1 X4 YSi(OR54-X-Y (2)
(式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、下記一般式(3):
2 X4 YSi(OR54-X-Y (3)
(式中、R2 は炭素原子数2〜30のアルケニル基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、必要に応じて、下記一般式(4):
4 ZSi(OR54-Z (4)
(式中、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Zは0〜3の整数である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物とを共加水分解縮合することにより得られるものであることを特徴とする〔1〕に記載のプライマー組成物。
〔3〕 (A)成分のシロキサンオリゴマーが、下記一般式(2):
1 X4 YSi(OR54-X-Y (2)
(式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、下記一般式(3):
2 X4 YSi(OR54-X-Y (3)
(式中、R2 は炭素原子数2〜30のアルケニル基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、下記一般式(5):
3 X4 YSi(OR54-X-Y (5)
(式中、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、必要に応じて、下記一般式(4):
4 ZSi(OR54-Z (4)
(式中、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Zは0〜3の整数である。)
で表される1種又は2種以上のシラン化合物とを共加水分解縮合することにより得られるものであることを特徴とする〔1〕に記載のプライマー組成物。
〕 プライマー組成物が無色透明であることを特徴とする〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のプライマー組成物。
〕 電気電子素子及び/又は回路を搭載した基板を付加硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化することにより得られたシリコーン樹脂により被覆した電気電子部品において、基板と該シリコーン樹脂の界面が〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のプライマー組成物により処理された電気電子部品。
〕 シリコーン樹脂の硬度(ショアーD)が35以上であることを特徴とする〔〕に記載の電気電子部品。
〕 基板がセラミックスであることを特徴とする〔〕又は〔〕に記載の電気電子部品。
〕 基板上に形成された回路が金又は銀であることを特徴とする〔〕〜〔〕のいずれかに記載の電気電子部品。
〕 電気電子部品が光部品であることを特徴とする〔〕〜〔〕のいずれかに記載の電気電子部品。
10〕 付加硬化型シリコーン樹脂組成物により電気電子素子及び/又は回路を搭載した基板を被覆する工程を圧縮成型により行うことを特徴とする〔〕〜〔〕のいずれかに記載の電気電子部品。
本発明のオルガノシロキサンオリゴマーを用いたプライマー組成物は、各種基板とシリコーン樹脂との接着性を高め、耐湿信頼性や耐衝撃性を向上させることができるため、電気電子部品における各種基板と保護層であるシリコーン樹脂との接着性が高く、部品の信頼性が向上するという特徴を有し、各種電気電子部品、特に、LEDなどの光部品に有効であるという特徴を有する。
本発明のプライマー組成物は、(A)下記平均組成式(1):
1 a2 b3 c4 d(OR5eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R2は非共役二重結合基を一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価炭化水素基であり、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。a,b,c,d,eは、0.2≦a≦0.9、0.1≦b≦0.6、0≦c≦0.6、0≦d≦0.8、1.0≦e≦2.0、かつ2.0≦a+b+c+d+e≦3.0を満足する正数である。)
で示され、含有するイオン性不純物(Na,K,Cl)が2.0ppm以下であるオルガノシロキサンオリゴマー、(B)(A)成分のオルガノシロキサンオリゴマーを溶解する希釈剤、(C)縮合触媒を含有してなるものである。
オルガノシロキサンオリゴマー
本発明に用いられる(A)成分のシロキサンオリゴマーは、特にエポキシドを有するオルガノキシシランを含有するシラン、また必要に応じて、非共役二重結合基を有するオルガノキシシランを含有するシラン及び/又は(メタ)アクリル構造を有するオルガノキシシランを含有するシランを混合してなるシラン混合物を(共)加水分解して得られ、エポキシドは閉環したままでシラノールを有しており、(共)加水分解させるシランに応じて、非共役二重結合基や(メタ)アクリル官能基を有する下記平均組成式(1)で示されるオルガノシロキサンオリゴマーである。
1 a2 b3 c4 d(OR5eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
(式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R2は非共役二重結合基を一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価炭化水素基であり、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。a,b,c,d,eは、0.2≦a≦0.9、0.1≦b≦0.6、0≦c≦0.6、0≦d≦0.8、1.0≦e≦2.0、かつ2.0≦a+b+c+d+e≦3.0を満足する正数である。)
上記式中、R1は、炭素原子数2〜30、好ましくは炭素原子数3〜20、より好ましくは炭素原子数6〜12のエポキシドを1個又は2個以上含む一価の有機基で、特に制限されるものではないが、エポキシドを1個以上含有し、かつ、エーテル結合酸素原子及び/又はアミノ基を構成する窒素原子を含有してもよい一価炭化水素基などが挙げられ、具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピル基、3−(N,N−グリシジル)アミノプロピル基等が挙げられる。
2は、炭素原子数2〜30、好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは炭素原子数2〜8の非共役二重結合基を1個又は2個以上含む一価炭化水素基で、特に制限されるものではないが、具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
また、R3はアクリル構造又はメタクリル構造を1個又は2個以上含む炭素原子数が3〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜10個程度の一価の有機基である。アクリル構造又はメタクリル構造として具体的には、CH2=CHCOO−、CH2=C(CH3)COO−、CH2=CHCO−、CH2=C(CH3)CO−等のアクリル官能性基、メタクリル官能性基などが挙げられる。このような(メタ)アクリロイル基を含むR3の一価有機基の具体例としては、特に制限されるものではないが、CH2=CHCOOCH2CH2−、CH2=C(CH3)COOCH2CH2−、[CH2=C(CH3)COOCH23C−CH2−、(CH2=CHCOOCH23C−CH2−、(CH2=CHCOOCH22CH(C25)CH2−等の、1個又は2個以上のアクリロイロキシ基又はメタクリロイロキシ基で置換されたアルキル基などが挙げられるが、好ましくはCH2=CHCOOCH2−、CH2=C(CH3)COOCH2−、CH2=CHCOOCH2CH2CH2−、CH2=C(CH3)COOCH2CH2CH2−である。
4の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基としては、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を除く、非置換の一価炭化水素基が好ましく、特に炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又はアラルキル基が好ましい。炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、オクチル基、α−エチルヘキシル基等が挙げられる。中でも好ましいのはメチル基、エチル基である。また、炭素原子数6〜20のアリール基、アラルキル基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、スチリル基等が挙げられる。中でも好ましいのはフェニル基である。
5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、またアルコキシ置換アルキル基であってもよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、オクチル基、α−エチルヘキシル基等が挙げられる。中でも好ましいのはメチル基、エチル基である。
a,b,c,d,eは、0.2≦a≦0.9、0.1≦b≦0.6、0≦c≦0.6、0≦d≦0.8、1.0≦e≦2.0、かつ2.0≦a+b+c+d+e≦3.0を満足する正数であり、b及び/又はcが正数(0<)であることが好ましい。より好ましくは、0.25≦a≦0.6、0.2≦b≦0.6、0≦c≦0.4、0≦d≦0.6、1.2≦e≦1.7、かつ2.2≦a+b+c+d+e≦3.0を満足する正数である。
上記式(1)で示されるオルガノシロキサンオリゴマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、通常300〜30,000、好ましくは400〜10,000、より好ましくは500〜5,000程度のものが望ましい。
上記オルガノシロキサンオリゴマーは、含有するイオン性不純物(Na,K,Cl)が2.0ppm以下であり、好ましくは1.5ppm以下、より好ましくは1.0ppm以下である。イオン性不純物が2.0ppmより多いと回路の腐食が発生しやすくなり信頼性に欠けるものとなってしまう。なお、イオン性不純物の測定方法は、通常、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)等を採用することができる。
このようなシロキサンオリゴマーとしては、下記一般式(2)で表されるエポキシ変性オルガノキシシランの1種又は2種以上、及び下記一般式(3)で表される非共役二重結合基を有するオルガノキシシランの1種又は2種以上、又は、これらと下記一般式(5)で表される光重合可能な(メタ)アクリル構造を有する(メタ)アクリル変性オルガノキシシランの1種又は2種以上及び/又は下記一般式(4)で表されるオルガノキシシランの1種又は2種以上から選ばれる少なくとも1種のオルガノキシシランとを含有するシラン混合物の共加水分解縮合物で、分岐した構造を有するものであるが、下記一般式(2)で表されるエポキシ変性オルガノキシシランの1種又は2種以上及び下記一般式(3)で表される非共役二重結合基を有するアルケニル変性オルガノキシシランの1種又は2種以上と、下記一般式(5)で表される光重合可能な(メタ)アクリル構造を有する(メタ)アクリル変性オルガノキシシランの1種又は2種以上と、必要により下記一般式(4)で表されるオルガノキシシランの1種又は2種以上とを含有するシラン混合物の共加水分解縮合物であることが好ましい。
1 X4 YSi(OR54-X-Y (2)
2 X4 YSi(OR54-X-Y (3)
4 ZSi(OR54-Z (4)
3 X4 YSi(OR54-X-Y (5)
(式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R2は非共役二重結合基を一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価炭化水素基であり、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2であり、Zは0〜3の整数である。)
上記式中、R1〜R5は上記で例示したものと同様のものが例示される。また、Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2であり、Zは0〜3、特に1又は2である。
上記一般式(2)で表されるエポキシ変性オルガノキシシランの具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン等が挙げられる。
上記一般式(3)で表される非共役二重結合を有するオルガノキシシランの具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、トリメトキシシリルノルボルネン、2−(4−シクロヘキセニルエチル)トリメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるシラン化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、また、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジヒドロキシシラン、また、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリプロピルブトキシシラン、トリフェニルヒドロキシシラン、また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(5)で表される(メタ)アクリル変性オルガノキシシランの具体例としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロペニルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
本発明において、上記一般式(2),(3),(4),(5)で表されるシランの混合割合としては、一般式(2)で表されるエポキシ変性オルガノキシシランが、全シランに対して10〜100モル%、特に15〜70モル%であり、一般式(3)で表されるアルケニル変性オルガノキシシランが、全シランに対して10〜80モル%、特に10〜50モル%であり、一般式(5)で表される(メタ)アクリル変性オルガノキシシランが、全シランに対して0〜80モル%、特に10〜50モル%であり、一般式(4)で表されるシラン化合物が、モノオルガノトリオルガノキシシランの場合、全シラン量の0〜80モル%、特に0〜50モル%、ジオルガノジオルガノキシシランの場合、全シラン量の0〜50モル%、特に0〜20モル%、また、トリオルガノモノオルガノキシシランの場合、全シラン量に対し0〜30モル%、特に0〜20モル%、一般式(4)のシラン化合物がテトラオルガノキシシランの場合は全シラン量の0〜30モル%、特に0〜20モル%であることが好ましい。
オルガノシロキサンオリゴマーの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、一般式(2),(3),(4),(5)で表されるシランを用いる場合、先ず一般式(2)で表されるエポキシ変性オルガノキシシランに、一般式(3)で表されるアルケニル変性オルガノキシシランと、一般式(5)で表される(メタ)アクリル変性オルガノキシシランと、一般式(4)で表されるオルガノキシシランを混合し、必要に応じてアルカリ触媒や溶媒と共に加え、中性もしくは弱アルカリ性条件下での加水分解及び縮重合により、シラノールを有する共加水分解縮合物を得ることができる。
本発明の(共)加水分解は、前述の通り、中性もしくは弱アルカリ性下にて行う。塩基触媒を使用する場合には、公知の塩基触媒を用いることができ、具体的には、例えば、NaOH、KOH、ナトリウムシリコネート、カリウムシリコーネート、アミン、アンモニウム塩等が挙げられる。中でも好ましいのはKOHである。
(共)加水分解は、通常、5〜40℃で120分間以上行うことが好ましい。このようにして得られる(共)加水分解物は、必要に応じて、次に縮重合に供される。この縮重合反応の条件は、シリコーン樹脂の分子量をコントロールする上で重要である。縮重合反応は、50〜80℃で60〜120分間程度行うことが好ましい。
上記の方法により、一般式(2)で表されるシラン及び一般式(3)で表されるシランと一般式(4),(5)で表されるシランから選ばれる1種以上のシランとの混合物を(共)加水分解縮合して得られた式(1)で示されるオルガノシロキサンオリゴマーは、生成するシラノールがプライマーとしての効果を高めるものである。また、上記式(1)中のR1のエポキシド、R2の非共役二重結合基及びR3の(メタ)アクリル基は、プライマー中に存在する反応性置換基として、基板と電気電子部品の保護層であるシリコーン樹脂との界面の接着力を高める働きをし、プライマー性能を向上させるものである。
希釈剤
本発明のオルガノシロキサンオリゴマーは、希釈剤に溶解してプライマーとして使用する。希釈剤としては、上述したオルガノシロキサンオリゴマーと相溶するものであれば特に制限はない。例えば、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライムなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−エチルヘキシルアルコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類などの溶剤が挙げられる。
希釈剤の使用量は、オルガノシロキサンオリゴマー100質量部に対して5,000質量部以下、好ましくは100〜5,000質量部、特に500〜2,000質量部が好ましい。希釈剤量が多すぎるとプライマーとして所望の塗布厚みが得られず、少なすぎると塗布が均一にならない場合や所望の薄膜が得られない場合がある。
縮合触媒
本発明のプライマー組成物は、更に縮合触媒を添加して使用することができる。通常、縮合触媒として使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナートなどのチタン系触媒、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズアセチルアセトナートなどのスズ系触媒、ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、亜鉛2,4−ペンタンジオネート、亜鉛2−エチルヘキサノエート、酢酸亜鉛、ギ酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛などの亜鉛系触媒、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウム系触媒、その他、ジルコニウム、鉄、コバルトなどの有機金属錯体触媒、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、DBUなどのアミン系触媒、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤などのシラノール縮合触媒、また、テトラアルキルアンモニウム塩などの四級アンモニウム塩、その他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒などが挙げられる。これらの触媒は単独又は2種以上併用してもよい。ただし、チタン系、アルミニウム系、アミン系の縮合触媒には有色のものも多く、好ましくはスズ系、亜鉛系、四級アンモニウム塩の縮合触媒が挙げられる。
縮合触媒を用いる場合、その配合量は、樹脂100質量部当り0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜3質量部とすることができる。樹脂に対する縮合触媒の配合量が少なすぎると、硬化速度が遅くなるなど添加効果が得られない場合があり、一方、必要以上に多く添加しても効果が向上しないおそれがある。
その他の成分
本発明のプライマー組成物には、プライマー特性を損なわない範囲で必要により、その他の成分を均一に混合することもできる。例えば、重合禁止剤として、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジンなど、酸化防止剤として、BHT、ビタミンBなど、消泡剤、レベリング剤として、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などを適宜添加することもできる。
プライマー組成物
本発明のプライマー組成物は、前記オルガノシロキサンオリゴマーを希釈剤に溶解し、縮合触媒を加え、更にまた必要に応じて重合禁止剤や酸化防止剤などのその他の必要な成分を加え、均一に混合して得ることができる。得られたプライマー組成物は、高純度でかつ無色透明であり、電気電子部品用、特にLEDなどの光部品用のプライマー組成物として有効に使用することができる。
本発明のプライマー組成物は、電気電子素子や回路を搭載した基板をシリコーン樹脂により被覆した電気電子部品において、基板と該シリコーン樹脂の界面処理用のプライマー組成物として使用した場合に、希釈剤が揮発し、乾燥した後は硬い被膜となり、基板と該基板を保護するシリコーン樹脂層を強固に接着、密着させることができ、例えば次のように用いられる。
即ち、スピンナー等の塗布装置や噴霧器等を用いて所定の基板に塗布し、加熱、風乾などによりプライマー組成物を被膜化し、好ましくは10μm以下(被膜化後の厚さ)、より好ましくは0.01μm以上1.0μm以下の組成物被膜を形成する。被膜化後の被膜厚さが厚すぎると封止樹脂にクラックなどが発生しやすくなり部品の信頼性を低下させる場合があり、薄すぎると接着力が上がらずプライマーとしての効果が得られない場合がある。
なおここで、プライマー組成物の被膜化条件としては、特に限定されるものではないが、加熱する場合、80〜180℃で数分〜30分程度とすることが好ましく、風乾する場合、30分〜数時間程度とすることが好ましい。
また、基板としては、ガラス、シリコンウエハー、セラミックス等の無機基板、BTレジン、PPA、ガラスエポキシ等の有機樹脂基板等が挙げられるが、無機基板であることが好ましい。なお、本発明においては、基板上に形成された回路部分が通常接着し難いとされる金や銀であっても高い接着性を示す。
被膜化した後、ディスペンサーやスピンナー等の塗布装置を用いて、この上に直接、該基板の保護層となるシリコーン樹脂組成物を塗布する。
ここで、保護層として使用するシリコーン樹脂組成物は、反応性が高く、保護層が硬化する時間、即ち、成型時間が短時間でよく生産性が高いという理由から、付加硬化型シリコーン樹脂組成物を用いることが好ましい。付加硬化型シリコーン樹脂組成物としては特に限定されるものではなく、高硬度なエラストプラスチックタイプのシリコーン樹脂組成物、ラバータイプのシリコーンゴム組成物、ゲルタイプのシリコーンゲル組成物などが挙げられるが、エラストプラスチックタイプ又はラバータイプのシリコーン樹脂組成物又はシリコーンゴム組成物を使用することが好ましい。
本発明においては、シリコーン樹脂組成物の硬化物(シリコーン樹脂)の硬度(ショアーD)が35以上、特に45以上と高硬度であっても、被保護層、即ち、基板や回路や素子との接着性が良好で、耐熱試験後や熱サイクル試験後においても部品としての高い信頼性を保持することができるという効果を発揮するものである。
上記付加硬化型シリコーン樹脂組成物により素子を被覆する方法としては特に限定されるものではないが、圧縮成型により行うことが好ましい。
シリコーン樹脂組成物の塗布厚さとしては、50μm〜5mm程度、好ましくは100μm〜2mm程度である。
なお、シリコーン樹脂組成物の硬化条件としては、60〜180℃、好ましくは80〜160℃程度で数秒〜15分、好ましくは数秒〜5分程度である。
保護層であるシリコーン樹脂組成物を硬化させ、硬化後、加熱処理、好ましくは100℃以上、より好ましくは120〜150℃の温度で1時間以上、特に1〜5時間加熱することにより、更に、耐熱性、耐湿性、機械的特性、密着性等に優れた該基板の保護層が得られる。
本発明のプライマー組成物は、基板と該基板の保護層であるシリコーン樹脂との接着性、密着性が高く、信頼性の高い電気電子部品、特に光部品を製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、Mwは重量平均分子量を意味する。
[比較合成例1]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン1.0molを仕込み、これに純水3.0molを添加し、40℃で加水分解反応を8時間行った。次に、得られた加水分解縮合物をメタノールに溶解し、その溶液を穴径0.8μmのフィルターで濾過した。濾液中の溶剤を80℃/2mmHgで減圧留去し、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(1)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=750)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度(誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)により測定したNa,K,Clの含有量(合計)、以下同様)は1ppm未満であった。
[合成例1]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.5mol、ビニルトリメトキシシラン0.5molを仕込み、これに純水3.0molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(2)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=550)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[比較合成例2]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.5mol、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5molを仕込み、これに純水3.0molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(3)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=900)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[合成例2]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.5mol、メチルビニルジメトキシシラン0.25mol、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.25molを仕込み、これに純水2.75molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(4)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=600)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[合成例3]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.25mol、メチルビニルジメトキシシラン0.25mol、フェニルトリメトキシシラン0.5molを仕込み、これに純水2.75molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(5)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=600)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[比較合成例3]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.25mol、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.25mol、フェニルトリメトキシシラン0.5molを仕込み、これに純水3.0molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(6)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=1,000)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[合成例4]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.5mol、メチルビニルジメトキシシラン0.25mol、トリメトキシシラン0.25molを仕込み、これに純水2.75molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(7)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=1,000)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[合成例5]
2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン0.5mol、メチルビニルジメトキシシラン0.25mol、テトラメトキシシラン0.25molを仕込み、これに純水3.0molを用いて合成例1と同様の操作を行い、下記に示すオルガノシロキサンオリゴマー(8)を得た。
Figure 0004513966

(R5はCH3又はH、Mw=1,000)
このオルガノシロキサンオリゴマーのイオン性不純物濃度は1ppm未満であった。
[実施例1〜5、比較例1〜4]
合成例及び比較合成例で得られたオルガノシロキサンオリゴマー(1)〜(8)7質量部に対し、それぞれオクチル酸亜鉛3質量部と希釈剤ジグライム90質量部を均一に混ぜ、プライマー組成物1〜8を得た。
得られたプライマー組成物1〜8をシリコンウエハー、ガラス、金メッキ基板、銀メッキ基板、窒化アルミニウム基板、ガラスエポキシ基板、アルミニウム基板、ニッケルメッキ基板、ステンレス基板上に、それぞれスピンコート法により乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布し、150℃乾燥機で10分乾燥させ、完全に被膜化した。この被膜上にシリコーン樹脂組成物を厚さ500μmとなるように塗布して硬化させ、シリコーン樹脂硬化物を形成した。なお、シリコーン樹脂組成物には、硬化後の硬度がShoreDで80のもの(LPS−5500(信越化学工業(株)製))とShoreDで40のもの(LPS−5520(信越化学工業(株)製))を用いた。
これらのシリコーン樹脂で被覆された基板のプレッシャークッカーテストを行い(120℃、2気圧)、72時間後の基板と樹脂界面の様子を観察した。剥離が確認できたものを×、剥離が確認できなかったものを○として評価した。また、比較例4としてプライマーを使用しないものについても同様に評価した。これらの結果を表1,2に記載した。
Figure 0004513966
Figure 0004513966
上記シリコーン樹脂で被覆された基板の熱サイクル試験(−20℃/120℃)を100回行った。剥離が確認できたものを×、剥離が確認できなかったものを○として評価した。また、比較例4としてプライマーを使用しないものについても同様に評価した。これらの結果を表3,4に記載した。
Figure 0004513966
Figure 0004513966

Claims (10)

  1. (A)下記平均組成式(1):
    1 a2 b3 c4 d(OR5eSiO(4-a-b-c-d-e)/2 (1)
    (式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R2 は炭素原子数2〜30のアルケニル基であり、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。a,b,c,d,eは、0.2≦a≦0.9、0.1≦b≦0.6、0≦c≦0.6、0≦d≦0.8、1.0≦e≦2.0、かつ2.0≦a+b+c+d+e≦3.0を満足する正数である。)
    で示され、含有するイオン性不純物(Na,K,Cl)が2.0ppm以下であるオルガノシロキサンオリゴマー、
    (B)テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−エチルヘキシルアルコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる希釈剤、及び
    (C)ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、亜鉛2,4−ペンタンジオネート、亜鉛2−エチルヘキサノエート、酢酸亜鉛、ギ酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛から選ばれる亜鉛系縮合触媒
    を必須成分とすることを特徴とするプライマー組成物。
  2. (A)成分のシロキサンオリゴマーが、下記一般式(2):
    1 X4 YSi(OR54-X-Y (2)
    (式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、下記一般式(3):
    2 X4 YSi(OR54-X-Y (3)
    (式中、R2 は炭素原子数2〜30のアルケニル基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、必要に応じて、下記一般式(4):
    4 ZSi(OR54-Z (4)
    (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Zは0〜3の整数である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物とを共加水分解縮合することにより得られるものであることを特徴とする請求項1に記載のプライマー組成物。
  3. (A)成分のシロキサンオリゴマーが、下記一般式(2):
    1 X4 YSi(OR54-X-Y (2)
    (式中、R1はエポキシドを一つ以上有する炭素原子数2〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、下記一般式(3):
    2 X4 YSi(OR54-X-Y (3)
    (式中、R2 は炭素原子数2〜30のアルケニル基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、下記一般式(5):
    3 X4 YSi(OR54-X-Y (5)
    (式中、R3は(メタ)アクリル官能基を一つ以上有する炭素原子数3〜30の一価の有機基であり、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。Xは1又は2であり、Yは0又は1であり、かつX+Yは1又は2である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物と、必要に応じて、下記一般式(4):
    4 ZSi(OR54-Z (4)
    (式中、R4は水素原子又は炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素原子数1〜10の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、Zは0〜3の整数である。)
    で表される1種又は2種以上のシラン化合物とを共加水分解縮合することにより得られるものであることを特徴とする請求項1に記載のプライマー組成物。
  4. プライマー組成物が無色透明であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
  5. 電気電子素子及び/又は回路を搭載した基板を付加硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化することにより得られたシリコーン樹脂により被覆した電気電子部品において、基板と該シリコーン樹脂の界面が請求項1乃至のいずれか1項に記載のプライマー組成物により処理された電気電子部品。
  6. シリコーン樹脂の硬度(ショアーD)が35以上であることを特徴とする請求項に記載の電気電子部品。
  7. 基板がセラミックスであることを特徴とする請求項又はに記載の電気電子部品。
  8. 基板上に形成された回路が金又は銀であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電気電子部品。
  9. 電気電子部品が光部品であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電気電子部品。
  10. 付加硬化型シリコーン樹脂組成物により電気電子素子及び/又は回路を搭載した基板を被覆する工程を圧縮成型により行うことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の電気電子部品。
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