〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる通信システム(本システム)は、複数のLAN(Local Area Network)をインターネットおよび公衆電話回線網(PSTN)によって結んでなる広域のネットワークシステムであり、インターネットファックス通信を行える端末装置(netFAX装置)、および、電子メールサーバー等を多数含んでいる。そして、本システムでは、各netFAX装置がMDN機能を有しており、netFAX装置間で、MDNを用いたインターネットファックス通信を行えるようになっている。
ここで、インターネットファックス通信(INF通信)とは、読み取った原稿の画像データを含む電子メールを送受信する通信方法である。このINF通信では、受信した電子メールに含まれる画像データを印刷することで、通信が完了となる。また、MDN(Message Disposition Notification)とは、INF通信において電子メールを受信したnetFAX装置が、受信結果を送信側に知らせる方法(受信結果の確認方法)の規定である。そして、MDNでは、受信側のnetFAX装置が、受信結果/経過を、所定形式の受信結果メールにより送信元に通知するようになっている。
また、受信結果メールの送付を希望する場合、送信側のnetFAX装置は、送信する電子メール(送信データ)に、受信結果メールの要求(受信結果要求)を設定するようになっている。そして、受信結果要求の設定された電子メールを受信したnetFAX装置は、送信側のnetFAX装置に対し、受信結果(画像データを印刷できたか否か、など)を含む受信結果メールを返信する。
なお、このような受信結果メールの送受信は、送信側および受信側のnetFAX装置がMDNの仕様を満たしている場合(MDN機能を有している場合)に限り、実行できるものである。
また、以下では、INF通信によって送受信される、画像データを含む電子メールを、画像メールと称する。さらに、INF通信を用いて画像メールを送信するnetFAX装置を、送信側装置、と称する。また、画像メールを受信し、その受信結果を含む受信結果メールを送信するnetFAX装置を、受信側装置、と称する。
図2は、本システムの構成を概略的に示す説明図である。この図に示すように、本システムでは、netFAX装置であるデジタル複合機11およびデジタル複合機15が、LAN,サーバー12・14およびインターネット13を介して接続されている構成である。
サーバー12・14は、それぞれデジタル複合機11,デジタル複合機15の電子メールサーバーであり、これらとデジタル回線からなるLANを介して接続されている。
デジタル複合機11は、自身のスキャナ部で読み込んだ画像データをシート(記録媒体)に印刷するコピー機能、外部装置から入力された画像データをシートに印刷するプリンター機能,電話回線を利用した通常のファクシミリ通信(通常ファックス通信)機能を備えているものである。さらに、デジタル複合機11は、LAN,サーバー12,インターネット13を介したINF通信を行うための機能(INF通信機能)も有している。
そして、デジタル複合機11は、ユーザーの入力指示に応じて、コピーモード,プリンターモード,通常ファックスモード,INF通信モードのいずれかの通信モードに設定され、各モードにおいて、上記したコピー機能,プリンター機能,通常ファックス機能およびINF通信機能をそれぞれ発現するように設定されている。
なお、デジタル複合機15は、デジタル複合機11における全ての機能を備えているものである。従って、以下では、本システムのnetFAX装置として、デジタル複合機11のみについて説明する。
まず、デジタル複合機11のINF通信に関する動作について簡単に説明する。この動作には、送信動作と受信動作とがある。すなわち、送信動作では、デジタル複合機11は、スキャナーで読み取った原稿の画像データと、受信側装置における電子メールアドレスとを用いて、画像メールを作成する。そして、サーバー12およびインターネット13を介して、送信側装置に送信する。一方、受信動作では、デジタル複合機11は、サーバー12に定期的にアクセスして、自身宛の画像メールを取得し、その画像データの印刷を実行する。そして、印刷結果(あるいは受信結果)を含む受信結果メールを作成し、送信側装置に送信する。
次に、デジタル複合機11の構成について詳細に説明する。図3は、デジタル複合機11の制御構成(電気的構成)を示すブロック図である。
この図に示すように、デジタル複合機11は、大略的に、メイン制御部21,制御用メモリ22,制御用バッファ23,時計部24,スキャナ部25,画像記憶部26,符号/復号化部27,符号化/復号化用バッファ28,プリンタ部29,電子メール作成部30,アドレス記憶部31,操作パネル32,モデム33,NCU(Network Control Unit:網制御部)34,デジタル回線接続部35を備えている。
メイン制御部21は、MPU(高速超小型演算処理装置)やCPU(Central Processing Unit )等からなる制御装置であり、デジタル複合機11の全動作を制御する、デジタル複合機11の中枢部である。
特に、メイン制御部21は、他の部材22〜35を制御して、INF通信(後述)を実行する機能を有している。
制御用メモリ22は、メイン制御部21によって使用される制御プログラムを記憶しておくためのものであり、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性のメモリや、バックアップされた揮発性のメモリなどからなる。
なお、通常ファックス通信やINF通信においてデータや画像メールを送信するときに設定された受信側装置の情報(ファックス番号,メールアドレス)は、この制御用メモリ22に記憶される。
制御用バッファ23は、メイン制御部21によって使用される一次記憶部であり、RAM(Random Access Memory)などから構成される。そして、この制御用バッファ23は、メイン制御部21が制御プログラムを動作させる上で必要なデータを格納する機能を有している。また、メイン制御部21は、制御用メモリ22内の制御プログラムを使用する際に、これを制御用バッファ23に読み込ませるようになっている。
時計部24は、INF通信における電子メールの送信処理(後述)においてメイン制御部21に利用される時間計測器である。
スキャナ部25は、光電変換素子(CCD;Charge Coupled Device)を備えたスキャナであり、原稿を所定の解像度で読み取って、画像データ(ドットイメージデータ)を出力するものである。
符号/復号化部27は、スキャナ部25から出力された画像データを符号化(符号化圧縮)するとともに、外部から受信した符号化圧縮されている画像データを復号化して元の画像データを生成するものである。
なお、この符号/復号化部27は、ファクシミリ通信で一般に使用されている、MH(Modified Huffman)、MR(Modified READ)およびMMR(Modified Modified READ)などの符号化方式を利用できるようになっている。
画像記憶部26は、符号化あるいは復号化された画像データを記憶するとともに、スキャナ部25から出力される画像データ、または外部から受信した画像データを記憶するものである。
符号化/復号化用バッファ28は、RAM等からなり、符号/復号化部27による画像データの符号化・復号化(圧縮・伸長)の際に、一時記憶部として使用されるものである。
プリンタ部29は、電子写真方式のプリンタ装置を備えており、スキャナ部25から出力される画像データや、外部から受信した画像データを印刷(ハードコピー;プリントアウト)するものである。
電子メール作成部30は、符号化された画像データと、後述するヘッダ情報(受信側装置のアドレスを含む)とを用いて、INF通信に用いる画像メールを作成するものである。
アドレス記憶部31は、受信側装置の情報(受信側装置のアドレス,電話番号、短縮番号等)を、後述する短縮番号リストとして記憶しているものであり、不揮発性のメモリや、バックアップされた揮発性のメモリなどからなる。
操作パネル32は、テンキーやタッチパネルを備えた入力部と、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部とを備えている(ともに後述)。そして、操作パネル32は、入力部・出力部を用いて、ユーザーの指示入力を受け付けてメイン制御部21に伝達するとともに、メイン制御部21の制御に応じた画面表示を行う機能を有している。また、操作パネル32は、ユーザーによる受信側装置のアドレスの入力も受け付けるように設定されている。なお、この操作パネル32の詳細な構成については後述する。
デジタル回線接続部35は、インターネット13を介した電子メールの送受信およびINF通信を行うために、デジタル複合機11をデジタル回線DLと接続するためのものである。
モデム33は、通常のファクシミリ通信を行うためのものであり、ファクシミリ通信の可能なファクシミリモデムから構成されている。このモデム33は、NCU34を介してアナログの公衆電話回線網(PSTN)と接続されている。
NCU34は、モデム33とPSTNとの回線の閉結および開放の回線制御動作を行うハードウェアである。すなわち、NCU34は、必要に応じて、モデム33をPSTNと接続するものである。
次に、操作パネル32の構成について説明する。
図4は、この操作パネル32の構成を示す説明図である。この図に示すように、操作パネル32は、表示部41および入力部42を備えており、これらを一体としたタッチパネル型に構成されている。
表示部41は、LCD(液晶表示装置:Liquid Crystal Display)からなり、デジタル複合機11の動作状態や、通常ファックス通信あるいはINF通信に関する情報(受信側装置の情報など)を表示するものであり、数字や記号だけでなく、画像も表示できるように設定されている。
入力部42は、ユーザーによるデジタル複合機11に対する設定や条件の変更指示や、デジタル複合機11の動作を進めるための入力指示を受け付けるものであり、指示入力に必要な各種のキーを備えている。
すなわち、図4に示すように、入力部42は、テンキー43,クリアキー44,スタートキー45,全解除キー(CAキー)46,モード選択キー47,ジョブステータス表示キー48,ユーザー設定キー49を備えている。
また、表示部41は、タッチパネルとなっており、設定などにあたって各種のキーを表示し、ユーザーからの入力を受け付けるようになっている。
入力部42のテンキー43は、デジタル複合機11の動作条件を設定するためのキーである。すなわち、ユーザーは、このテンキー43を用いて、コピーモードおよびプリンターモード時における印刷部数の入力や、通常ファックスモードおよびINF通信モード時での、ファックス番号入力あるいはアドレス入力を行うようになっている。
クリアキー44は、テンキー43からの入力(直前の入力)をクリアするためのものである。全解除キー46は、ユーザーによって設定された条件を全てクリアするためのキーである。
スタートキー45は、各モードにおける、デジタル複合機11の動作を開始させるためのキーである。すなわち、ユーザーは、スタートキー45を用いて、コピーモードおよびプリンターモード時における印刷開始や,通常ファックスモードおよびINF通信モード時におけるデータ送信の開始を指示できるように設定されている。
モード選択キー47は,デジタル複合機11における4つのモード(コピー,プリンター,通常ファックス,INF通信)を切り替えるためのものである。
ジョブステータス表示キー48は、各モードでの、印刷ジョブ(画像形成ジョブ)の進行状況を表示するためのキーである。なお、このキー48を押した場合、表示部41のタッチパネルに、待機中および処理中の印刷ジョブが表示される。そして、ユーザーは、タッチパネルに入力を行うことによって、各ジョブの進行を制御(ジョブの停止,中断,削除,処理順序の変更など)できるようになっている。ユーザー設定キー49は、後述する短縮番号リストを編集するためのキーである。
ここで、デジタル複合機11におけるINF通信について説明する。デジタル複合機11は、INF通信に関するMDN機能を有する装置である。すなわち、デジタル複合機11のINF通信では、メイン制御部21の制御により、電子メール作成部30が、符号/復号化部27によって符号化された画像データを含む画像メールを作成する。そして、電子メール作成部30は、作成した画像メールに、受信結果メールの要求(受信結果要求)を設定するようになっている。
図5は、電子メール作成部30によって作成された画像メール(送信メール)の例を示す説明図である。この図に示すように、画像メールは、(a)に示すヘッダ部,(b)に示す本文,(c)に示す添付ファイルから構成されている。なお、実際の画像メールは、(a)〜(c)に分割されている訳ではないが、ここでは簡単のために分割した状態で説明する。
(a)に示すヘッダ部は、画像メールにおける、形式的な固有情報(ヘッダ情報)を含む領域である。表1に、ヘッダ部における各項目(フィールド;ヘッダ部の行毎に記載されている情報)の内容を簡単に示す。
ここで、Disposition-Notification-Toフィールド(MDNフィールド)は、MDN(RFC2298)で規定されるフィールドであり、受信結果メールを送付する必要のあること、および、送付先となる装置(通常は送信側装置)のアドレス(図5の例ではSharp_Doc_InternetFAX@sharp.co.jp)を設定するためのものである。
すなわち、電子メール作成部30は、このMDNフィールドにデジタル複合機11のアドレスを記入することで、受信結果要求の設定を行う。
そして、この電子メールを受信した他のnetFAX装置(デジタル複合機15等)は、MDNフィールドで指定されたアドレスに対し、受信結果メールを返信することとなる。
また、Message-Idフィールドは、個々の画像メールを識別するためのフィールドである。例えば、画像メールのMessage-Idを<111@SHARP_D1>とすると、受信結果メールにおけるMDN結果情報のOriginal-Message-Idフィールドに、この<111@SHARP_D1>が示される。これにより、受信結果メールに応じた画像メールを識別できる。
また、(b)に示す本文は、いわゆる電子メールの本体に相当する。INF通信における画像メールでは、画像データの送信を主な目的としているので、この本文は、簡単なメッセージの送受信のために、補助的に用いられている。
また、(c)に示す添付ファイルは、画像メールの本文に添付される、符号化された画像データからなるファイルである。この添付ファイルの形式(添付形式)は、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)として定められている。
また、図6は、上記したような画像メールに応じて返信される、受信結果メールの例を示す説明図である。この図に示すように、受信結果メールは、図5に示した画像メールと同様に、(a)に示すヘッダ部,(b)に示す本文を含んでいる。また、受信結果メールは、(c)に示すMDN情報を有するようになっている。なお、画像メールと同様に、実際の画像メールも(a)〜(c)に分割されているわけではないが、簡単のために分割した状態で説明する。
ヘッダ部(a)および本文(b)は、上述の図5に示した画像メールと同様のものである。ただし、受信結果メールのヘッダ部には、Disposition-Notification-Toフィールド(MDNフィールド)は含まれない。また、本文には、受信を成功した旨のメッセージ等が記述される。
(c)に示すMDN情報(MDNに用いるための情報)は、送信側装置に取得させたいデータを含むものである。以下に、MDN情報における各項目(フィールド)の内容を簡単に示す。
Final-Recipientのフィールドは、受信側装置(受信結果メールの発信元)のアドレスを示す項目である。
Original-Message-Idは、どの画像メールに対する受信結果メールであるのか、を識別するためのIDである。例えば、図5(a)に示すMessage-Idフィールドに対応する受信結果メールであることを示すために用いる、受信結果メールの識別IDとして機能する。
また、Dispositionフィールドは、電子メールの受信結果を記載するための項目である。なお、この図6(c)では、Dispositionフィールドに、受信処理を良好に完了した旨が示されている。
また、Media-Accept-Featuresフィールドは、受信側装置における処理能力(受信能力・印刷能力)を示すフィールドである。
例えば、図6(c)に示す例では、受信側装置の処理能力では、モノクロ表示(モノクロ印刷)であり(color=Binary)、Tiffフォーマットのみを読み取ることができ(image-file-structure=Tiff-limited)、200dpiの解像度であり(dpi=200)、縦横比が200:100あるいは200:200であり(dpi-xyratio=[200/100,200/200])、MH,MRおよびMMRの符号化方法に対応可能であり(image-coding=[MH,MR,MMR])、MRC(Mixed Raster Content)モードは0であり(0の場合においては、1ページ内に異なる符号化方式や異なる解像度の画像が含まれることを許可しない;MRC-mode=0)、A4,B4およびA3のサイズの用紙を使用できる(paper-size=[A4,B4,A3])。
そして、上記のような画像メール,受信結果メールを送受信する本システムでは、送信側装置のデジタル複合機11が、受信側装置から電子メールの受信処理を完了できない旨の受信結果メールを受けた場合、あるいは、受信結果メールを受けなかった場合に、メイン制御部21が、INF通信にエラーが生じたと判断する。
そして、メイン制御部21は、符号/復号化部27および電子メール作成部30を制御し、受信結果メールに示された処理能力に応じて、添付する画像データの画像形式を変更させ、この画像データを含む画像メールを再送する。これにより、受信側装置にとって処理しやすい新たな画像メールを再送できるように設定されている。
ここで、メイン制御部21の制御による、INF通信における電子メールの送信処理の流れについて詳細に説明する。図1は、この処理を示すフローチャートである。
送信処理では、まず、ユーザーによって、スキャナ部25に原稿がセットされ、操作パネル32を介して、受信側装置のアドレスおよび送信条件等が入力される。
これを受けて、メイン制御部21は、スキャナ部25を制御して原稿画像を読み込んで画像データを生成させるとともに、電子メール作成部30を制御して画像メールを作成させる(画像メール作成処理;S1)。なお、このS1の画像メール作成処理については後述する。
次に、メイン制御部21は、デジタル回線接続部35を用いて、デジタル複合機11とインターネット(サーバー12)とを接続させ、電子メール作成部30に作成させた画像メールを送信する(S2)。
その後、メイン制御部21は、サーバー12との接続をいったん終了する。
次に、メイン制御部21は、S2において送信した画像メールに、受信結果要求を設定したか否かを判断する(S3)。そして、設定していない場合には処理を終了する。一方、受信結果要求を設定した場合には、メイン制御部21は、時計部24を制御して、受信結果メールの到着までの待ち時間(待機時間)の計測を開始させる。
そして、メイン制御部21は、所定時間待機した後(S4)、待機時間が所定の制限時間に到達しているか否か(タイムアウトとなったか否か)を判断する(S5)。そして、タイムアウトとなった場合には、時計部24による時間計測を終了させ、操作パネル32の表示部41を用いて、ユーザーに対するタイムアウトエラーの告知(報知)を行った後(S6)、処理を終了する。
一方、タイムアウトとなっていない場合、メイン制御部21は、デジタル複合機11をインターネット(サーバー12)に接続し、新たに到着している電子メールがある場合にはそれを受信し、接続を終了する(S7)。
その後、メイン制御部21は、送信エラーメールを受信したか否かを判断する(S8)。なお、送信エラーメールとは、回線の不具合等により、画像メールをサーバー12より先に送信できないこと(送信エラーのあったこと)を通知するメールであり、サーバー12、あるいはサーバー14、あるいはインターネット13内にあるサーバー14までメールを中継するサーバーから送信されるものである。
そして、メイン制御部21は、送信エラーメールを受信した場合には、操作パネル32の表示部41を用いて、ユーザーに対する送信エラーの告知を行った後(S9)、処理を終了する。
一方、送信エラーメールを受信していないと判断した場合、メイン制御部21は、受信結果メールを受信したか否かを判断する(S10)。そして、受信結果メールも受信していない場合には、S4に戻る。
また、受信結果メールを受信している場合、メイン制御部21は、受信結果メールの内容を解析し、受信エラーの有無を判断する(S11)。ここで、受信エラーとは、受信側装置において画像メールの処理(画像データの印刷までの処理)を完了できなかったことを示すエラーである。受信エラーの有無は、受信結果メールにおける図6(c)に示したDispositionフィールドの内容を調べることで判別できる。
そして、メイン制御部21は、受信エラーはないと判断した場合、処理を終了する。
一方、受信エラーのある場合、すなわち、受信側装置において画像データを印刷できていない場合には、後述する再送処理を行う(S12)。そして、実際に画像メールの再送を行った場合にはS3に戻る一方、再送を行わなかった場合には、処理を終了する(S13)。
次に、図1においてS1として示した、画像メール作成処理について説明する。図7は、この処理の流れを示すフローチャートである。
この図に示すように、画像メール作成処理では、まず、ユーザーによって、スキャナ部25に、電子メールに添付するための画像の描かれた原稿がセットされる(S21)。
その後、ユーザーは、アドレス記憶部31に記憶されている短縮番号リストを用いるか否かを判断する(S22)。
図8は、この短縮番号リストの例を示す説明図である。この図に示すように、短縮番号リストは、短縮番号(ワンタッチNo)毎に、受信側装置(宛先)およびその電子メールアドレス(E−mailアドレス)を設定するものである。
また、このリストでは、受信側装置毎に、ファイルフォーマット,圧縮形式,受信結果要求,待機時間,再送回数,再送時の形式変更の各項目を設定できるようになっている。
ここで、ファイルフォーマットおよび圧縮形式の項目は、電子メールに含まれる画像データの画像形式を設定するためのものである。
すなわち、ファイルフォーマットとは、TIFFやPDFといった、画像データのファイル形式のことである。また、圧縮形式とは、MHやMMRなどの、画像データを圧縮するための方式である。
また、受信結果要求および制限時間の項目は、MDNに関する設定(MDN設定)である。すなわち、受信結果要求の項目は、受信側装置に対して受信結果メールの返信を要求するか否か(受信結果要求を行うか否か)を設定する項目である。また、制限時間とは、図1のS14に示したタイムアウトを規定するための項目であり、1〜240分の間で設定できるようになっている。
また、再送回数および再送時の形式変更項目は、後述する再送処理に関する設定項目(再送設定)である。
すなわち、再送回数とは、画像メールの再送を行う回数を設定する項目である。また、再送時の形式変更とは、画像メールの再送を行う際、画像形式を変更するか否かを設定する項目である。
このように、デジタル複合機11では、頻繁に電子メールを送信する受信側装置に対し、画像メールにおける画像形式設定、MDN設定および再送設定をあらかじめ決めておくことが可能となっている。
そして、ユーザーは、図7に示したS22において短縮番号リストを用いると判断した場合、操作パネル32のテンキーまたはワンタッチキー(図示せず)を用いて、短縮番号あるいはワンタッチNoを入力することで、受信側装置、および、画像形式設定,MDN設定,再送設定を決定する(S23)。
これを受けて、メイン制御部21は、電子メール作成部30を制御して、画像メールのヘッダ部(ヘッダ情報)を作成させる(S24)。そして、ユーザーによって操作パネル32のスタートキー45が操作されると、メイン制御部21は、スキャナ部25,画像記憶部26,符号/復号化部27,符号化/復号化用バッファ28を制御して、原稿画像の読み込んで画像データを作成させる(S25)。その後、メイン制御部21は、電子メール作成部30を制御して、S24において作成したヘッダ部と、S25において作成された画像データとを用いて、図5に示したような画像メールを作成させ(S26)、画像メール作成処理を終了する。
一方、S32において短縮番号を用いないと判断した場合、ユーザーは、操作パネル32の入力部42を用いて、電子メールの宛先となる受信側装置における、電子メールアドレス,画像形式,MDN設定,再送設定を入力する(S27〜S30)。その後、メイン制御部21は、上記したS24に処理を進める。
次に、図1のS12に示した再送処理について説明する。図9は、この処理の流れを示すフローチャートである。
この図に示すように、再送処理では、まず、メイン制御部21が、画像メールに再送を行う旨の設定が成されているか否かを判断する(S41)。なお、この判断は、画像メールの再送設定における再送回数が0であるか否かを確認することでなされる。
そして、再送の設定がなされていないと判断した場合、メイン制御部21は、操作パネル32の表示部41を用いて、ユーザーに対する受信エラーの告知を行った後(S46)、処理を終了する。
一方、再送の設定がなされていると判断した場合、メイン制御部21は、現在までの再送回数(実再送回数)が、再送設定における再送回数(設定再送回数)より小さいか否かを判断する(S42)。
そして、実再送回数が設定再送回数と等しい場合、メイン制御部21は、操作パネル32の表示部41を用いて、ユーザーに対する受信エラーの告知を行った後(S46)、処理を終了する。
また、実再送回数が設定再送回数より小さい場合、メイン制御部21は、再送設定における、再送時における画像形式の変更(形式変更)の有無を判別する(S43)。そして、形式変更が無に設定されている場合には、図1のS2において送信した画像メールを、そのままの形式で再送し(S45)、処理を終了する。
一方、形式変更が有となっている場合、メイン制御部21は、後述する形式変更処理を行って、画像メールにおける画像形式を変更する(S44)。そして、画像形式の変更された画像データを含む画像メールを送信し(S45)、処理を終了する。
ここで、図9においてS44として示した、形式変更処理について説明する。図10は、この処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、この処理では、まず、メイン制御部21が、受信結果メールに、受信側装置における処理能力(受信能力・印刷能力)が示されているか否かを判断する(S51)。なお、この判断は、この能力を示すフィールドである、図6(c)に示したMedia-Accept-Featuresフィールドが受信結果メールに含まれているか否か、および、その内容を確認することによってなされる。
そして、受信結果メールに処理能力が示されている場合、メイン制御部21は、画像メールにおける画像形式を、受信側装置の処理能力に応じた形式に変更し(S52)、処理を終了する。一方、処理能力が示されていない場合、メイン制御部21は、画像メールにおける画像形式を、基本仕様に変更し(S53)、処理を終了する。
ここで、基本仕様の画像データとは、netFAX装置に最低限備えられている処理能力であるTIFF ProfileS(IETFによる規定)によって処理可能な画像データである。具体的には、MIME形式の添付データとなっている画像データであって、水平画素数:1728画素、解像度:200×100dpi(あるいは200×200dpi)、符号化方式:MHの画像データのことである。
ここで、上記の送信処理における例を、図11〜図14を用いて説明する。すなわち、まず、送信側装置であるデジタル複合機11が、MHの符号化能力したもたない受信側装置に対し、図11に示すような画像メールを送信したとする。なお、この画像メールに含まれる画像データは、図11に示すように、ファイルフォーマット(ファイル形式);TIFF,符号化方式;MMR,解像度;200dpi×200dpiのものである。
これに対し、デジタル複合機11は、受信側装置から、図12に示すような受信結果メールを受け取ったとする。この図に示すように、この受信結果メールには、受信側装置の能力通知を含んでいる(Media-Accept-Featuresフィールドを含んでいる)。また、この受信結果メールでは、Dispositionフィールドに、受信エラーのあった旨が記載されている。
これを受けて、デジタル複合機11のメイン制御部21は、受信側装置において画像データの印刷を可能とするために、画像データの画像形式における符号化方式だけをMHに変更した、図13に示すような画像メールを作成し、再送する。そして、これに対して、デジタル複合機11が、受信側装置から、図14に示すような、Dispositionフィールドに受信を完了した旨の示された受信結果メールを受け取り、送信処理が完了となる。
以上のように、デジタル複合機11では、受信エラーの生じた場合、メイン制御部21が、画像メール(再送データ)における画像データの画像形式を変更させ、この画像データを含む画像メール(再送データ)を受信側装置に再送するように設定されている。
すなわち、デジタル複合機11では、画像メールにおける画像データの画像形式を変更して再送することで、この画像形式に起因する受信エラーの回避を試みるようになっている。これにより、デジタル複合機11では、画像メールを再送しても、通信エラーの連続的な発生を抑制できる。従って、再送を全く行わない構成、および、同一の画像メールを再送する構成に比して、データ送信の効率を向上させることが可能となる。
また、メイン制御部21は、再送にかかる画像メールを作成させる際、受信結果メールに受信側装置の処理能力が示されていない場合には、その画像データの画像形式を、基本仕様に変更させるように設定されている。従って、この場合には、受信側装置における受信エラーを確実に防止できる。
また、メイン制御部21は、再送にかかる画像メールを作成させる際、受信結果メールに受信側装置の処理能力が示されている場合には、画像形式を、その処理能力に応じた形式に変更させるように設定されている。従って、この場合も、受信側装置における受信エラーを確実に防止できる。
また、基本仕様に変更する場合と比較して、より適切な(例えば送信効率のよい)画像メールを送信できる。
また、メイン制御部21は、通信エラーが受信側装置の能力とは無関係な送信エラーである、と判断した場合、再送にかかる画像メールの作成を取り止めるように設定されている。送信エラーには、画像形式に起因するエラーではなく、短期間で容易に復帰することを期待できない通信回線のトラブルに起因するものもある。そして、このようなトラブルによる送信エラーの生じている場合には、再送を行ってもエラーになる可能性が高いため再送する意味はないと考えられる。従って、このような場合には、デジタル複合機11のように、送信エラーの発生時に再送を行わないことで、再送処理にかかる手間を省き、送信効率を向上することが可能となる。
なお、上記では、図10に示した形式変更処理において、受信結果メールに受信側装置の能力が示されていない場合、画像データの画像形式を基本仕様に変更するとしている。しかしながら、これに限らず、ユーザーに第2設定再送回数を決めさせ、この再送回数が第2設定再送回数に満たない場合には、画像形式を変更せずに画像メールを再送するようにしてもよい。
図15は、この場合における形式変更処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、この処理は、図10に示した形式変更処理において、S51とS53との間に、S54の工程が導入されているものである。
すなわち、この処理では、受信結果メールに能力通知のない場合、メイン制御部21が、実再送回数が第2設定再送回数より小さいか否か、を判断するようになっている(S54)。そして、実再送回数が第2設定再送回数より小さい場合、メイン制御部21は、画像データの形式を変更せずに、処理を終了するように設定されている。
この構成では、第2設定再送回数に達するまでは、最初の画像形式を維持して再送するようになっている。これにより、再送の途中で受信側装置の能力不足の解消がなされた場合などに、より適切な画像メールを受信させることが可能となる。
また、形式変更処理を、図16に示すような処理としてもよい。
この図に示すように、この処理は、図10に示した形式変更処理において、S53に代えて、S55の工程が導入されているものである。
すなわち、この処理では、受信結果メールに能力通知のない場合、メイン制御部21が、画像データの画像形式の一部を変更するようになっている(S55)。なお、この変更は、印刷処理をより容易とするようなものである。これにより、能力通知のない場合に、画像データの画像形式をいきなり基本仕様とする構成に比して、なるべく良好な状態の画像データ(圧縮率の高い画像データや、解像度の高い画像データなど)を含む画像メールを送信できる。これにより、送信の効率向上や、画質の向上を図れる。
図17〜図22は、図16に示した処理の例を示す説明図である。すなわち、まず、送信側装置であるデジタル複合機11が、MHの符号化能力したもたない受信側装置に対し、図17に示すような画像メールを送信したとする。なお、この画像メールに含まれる画像データは、図17に示すように、ファイルフォーマット(ファイル形式);TIFF,符号化方式;MMR,解像度;200dpi×200dpiのものである。
これに対し、デジタル複合機11は、受信側装置から、図18に示すような受信結果メールを受け取ったとする。この図に示すように、この受信結果メールには、受信側装置の能力通知を含んでおらず(Media-Accept-Featuresフィールドを含まない)、さらに、Dispositionフィールドに、受信エラーのあった旨が記載されている。
これを受けて、デジタル複合機11のメイン制御部21は、受信側装置において画像データの印刷を容易とするために、例えば、画像データの画像形式における符号化方式だけをMRに変更した、図19に示すような画像メールを作成し、再送する。
また、これに対し、デジタル複合機11が、受信側装置から、図20に示すような受信結果メールを受け取ったとする。この図に示すように、この受信結果メールには、受信側装置の能力通知を含んでおらず(Media-Accept-Featuresフィールドを含まない)、さらに、Dispositionフィールドに、受信エラーのあった旨が記載されている。
これを受けて、デジタル複合機11のメイン制御部21は、受信側装置において画像データの印刷をさらに容易とするために、例えば、画像データの画像形式における符号化方式だけをMHに変更した、図21に示すような画像メールを作成し、再送する。
そして、これに対して、デジタル複合機11が、受信側装置から、図22に示すような、Dispositionフィールドに受信を完了した旨の示された受信結果メールを受け取った場合、送信処理が完了となる。
また、本実施の形態では、短縮番号リストをアドレス記憶部31に記憶するとしている。しかしながら、これに限らず、短縮番号リストを、制御用メモリ22に記憶するようにしてもよい。なお、ここで、この短縮番号リストに対する登録処理について説明する。
図23は、この処理の流れを示すフローチャートである。
この図に示すように、短縮番号リストへの登録を行う場合、ユーザーは、まず、ユーザー設定キー49を押す(S61)。これにより、メイン制御部21は、デジタル複合機11を、短縮番号リスト登録モードとし、表示部41を、後述する各キーを表示したタッチパネルとして機能させる。
次に、ユーザーによって、表示部41に表示されている「宛先登録キー」が選択され(S62)、さらに、「ワンタッチキー(短縮番号)」の登録が選択される(S63)。その後、ユーザーによって、通信モード、すなわち、通常の公衆電話回線を用いたファクシミリ送信であるのか、INF通信であるのかの選択が行われる(S64)。
その後、ユーザーによって、登録するワンタッチキーが指定される(S65)。さらに、宛先となる受信側装置の電子メールアドレス(E−mailアドレス)が入力され(S66)、受信側装置に適したファイルフォーマット(ファイル形式)や圧縮形式が入力される(S67)。
続いて、ユーザーは、受信結果メールの返信を求めるか否かを判断する(S68)。そして、求めない場合、ユーザーは、表示部41を用いて、登録の終了を選択する(S69)。これを受けて、メイン制御部21は、処理を終了する。
一方、受信結果メールの返信を求める場合には、ユーザーは、表示部41を用いて、「受信結果要求有」のボタンを選択する(S70)。
その後、ユーザーによって、「受信結果待ち時間」,「タイムアウト時間(制限時間)」,「再送回数」,「再送時における画像形式変更の有無」が設定され(S71〜76)、S69に進む。以上の工程(手順)によって、図8に示した短縮番号リストへの登録が完了する。
また、上記では、送信エラーの生じた場合、送信側装置のデジタル複合機11では、メイン制御部21は、画像メールの再送を行わないように設定されている。しかしながら、これに限らず、メイン制御部21は、送信エラーの生じた場合であっても、例えば所定時間の経過後に、画像メールを再送するように設定されていてもよい。このとき、メイン制御部21は、画像データの画像形式を変更するように設定されていても、また、変更しないように設定されていてもよい。
また、上記では、デジタル複合機11は、画像メールの受信に応じて受信結果メールを送付するような受信側装置だけでなく、このような受信結果メールを送付できない装置に対しても、画像メールを送信できる。この場合、デジタル複合機11は、送信エラーの生じたときに、画像メールを再送することとなる。
すなわち、上記データ送信装置は、送信データを、受信側装置に送信するためのデータ送信装置において、受信側装置に送信するための送信データを作成する送信データ作成部と、この送信データ作成部を制御して送信データを作成させ、作成させた送信データを受信側装置に送信する送信制御部とを備えており、この送信制御部が、通信エラーの生じた場合、送信データの形式を変更した再送データを作成させ、受信側装置に再送するように設定されているデータ送信装置であってもよい。
また、上記では、画像データの画像形式として、ファイルフォーマットおよび圧縮形式を挙げている。しかしながら、本システムにおいて取り扱う画像形式(再送時に変更可能に設定する画像形式)は、これらに限らず、例えば画像データの解像度やサイズ,表示色の数・種類,フォントの数・種類など、他のどのような画像形式であってもよい。また、再送時に変更可能に設定する画像形式は、上記したような画像形式における少なくとも1つでよい。
また、上記では、デジタル複合機11とサーバー12とが、デジタル回線DLによって接続されているとしている。しかしながら、これに限らず、デジタル複合機11とサーバー12とを、アナログ回線(例えばPSTN)によって接続するようにしてもよい。
この場合、デジタル複合機11では、モデム33およびNCU34を用いて、PSTNを介してサーバー12との接続を図ることとなる。また、デジタル複合機11を、インターネット13に直接的に接続できるように設定してもよい。
また、上記では、インターネットを用いた画像メールの送受信(INF通信)について示している。しかしながら、本システムで画像メールを送受信するネットワークは、インターネットに限らず、他のネットワーク(よりローカルなネットワーク)であってもよい。
また、上記では、INF通信を、読み取った原稿の画像データを含む電子メールを送受信する方法であるとしている。しかしながら、これに限らず、本システムのINF通信では、画像データを含むFTP(File Transfer Protocol)用の通信データまたはHTTP(Hypertext Transfer Protocol)用の通信データを送受信することも可能である。
また、上記では、図9に示した再送処理のS41において、メイン制御部21が、再送回数が0であるか否かによて、再送を行うか否かを判断するとしている。しかしながら、メイン制御部21は、他の情報に基づいて、再送の必要性を判断するように設定されていてもよい。また、実際の再送を実行する前に、操作パネル(操作部)32を用いて、変更後の画像形式の内容をユーザー確認させるように設定されていてもよい。この場合、メイン制御部21は、ユーザーから再送指示を受けた後に、再送を実行することとなる。
また、上記では、表示部41がLCDからなるとしている。しかしながら、これに限らず、表示部41を、CRT(ブラウン管:Cathode Ray Tube)ディスプレイやEL(Electro Luminescence)ディスプレイから構成してもよい。
また、上記では、メイン制御部21によってINF通信の制御を行うとしている。しかしながら、これに限らず、INF通信の制御を専門に行う別の制御部(MDN制御部)を備えるようにしてもよい。
また、上記では、デジタル複合機15が、デジタル複合機11と同様の機能を有するとしている。しかしながら、これに限らず、デジタル複合機15は、MDNを用いたINF通信を行えるものであれば、ファクシミリ装置など、どのような通信機器であってもよい。
また、上記では、INF通信における画像メールを送受信する機器として、デジタル複合機11・15を示している。しかしながら、これに限らず、本システムにおいてINF通信を行う装置としては、MDNを用いたINF通信を実行できるものであれば、ファクシミリ装置等、どのような機器であってもよい。
また、上記では、本システムを、MDNを用いたINF通信に関するものとして説明している。しかしながら、本システムは、INF通信による画像メールの送受信および印刷するシステムに限られるものではない。すなわち、本システムは、他の通信方法による画像メールの送受信に対しても、容易に応用できるものである。
例えば、印刷機能を持たない画像表示機器やデジタルカメラ等を、本システムにおける受信側装置あるいは送信側装置とすることもできる。この場合、これらの機器が、受信できない(あるいは表示できない)ような画像データを含む画像メールを受信した場合、メールの送信側装置に、受信結果メールを返信する。そして、返信された送信側装置が、受信結果メールに示された能力に応じた画像データ(あるいは、より処理のしやすい画像データ)を含む画像メールを作成して再送することとなる。
従って、例えば、本システムを、図24に示したような構成とすることもできる。このシステムは、デジタル複合機11,ホストパーソナルコンピューター(ホストPC)51,スキャナー52,ファクシミリ53,携帯電話(デジタルカメラ付き)54,デジタルカメラ55,PDA(personal digital assistant)56が、ネットワークNで結ばれている構成である。この構成では、スキャナー52,デジタルカメラ55は、送信専用の装置となる一方、他の機器は、画像メールの送信および受信の双方を行うこととなる。
この構成では、例えば、デジタルカメラの機能を備えた装置(デジタルカメラ55、携帯電話54等)の撮影した画像を含む画像メールをPDA56に送信することが可能である。
そして、例えばPDA56がPNGフォーマットの画像のみを表示できる一方、画像メール内の画像データのフォーマットがJPEGであった場合、PDA56は、送信側装置に受信結果メールを送信する。次に、これを受けた送信側装置は、PDA56の能力に応じることのできる場合は、画像データの画像形式をPNGに変更した後、PDA56に対して画像メールを再送することとなる。なお、PDA56にデジタルカメラ機能を備えれば、PDA56から他の機器に対して、撮像画像を含む画像メールを送信することもできる。
また、スキャナ機能を備えた装置(デジタル複合機11,スキャナー52等)によって取り込まれた画像データを含む画像メールをファクシミリ53に送信することも可能である。
そして、例えば、ファクシミリ53がTIFFフォーマットの画像しか印刷できない場合であって、画像メール内の画像データのフォーマットがPDFであった場合、ファクシミリ53は、送信側装置に受信結果メールを送信する。次に、これを受けた送信側装置は、ファクシミリ53の能力に応じることのできる場合は、画像データの画像形式をTIFFに変更した後、ファクシミリ53に対して画像メールを再送することとなる。
また、スキャナー52やホストPC51から携帯電話54(もしくはPDA56)に画像メールを送信した場合、携帯電話54が、画像フォーマットや画像サイズ(解像度)、色数の制限で画像データを表示できない、あるいは、画像データの受信ファイルサイズの制限で受信できないことも考えられる。この場合、携帯電話54は、送信側装置に能力通知を含む受信結果メールを送信する。そして、受信結果メールを受けた送信側装置は、携帯電話54の能力に応じて画像データの画像形式を変換し、携帯電話54に画像メールを再送することとなる。
また、上記では、送信エラー(ネットワークでの通信エラー(接続エラー))の生じた場合、送信側装置であるデジタル複合機11のユーザーに送信エラーの告知を行って、送信処理を終了するとしている。しかしながら、これに限らず、送信エラーの生じた場合、再送を行うか、あるいは、送信処理を終了する(キャンセルする)かの設定を、あらかじめ行っておけるようにしてもよい。
この場合、再送を行う設定で送信エラーの生じた場合には、画像データの画像形式を変更せずに、画像メールを再送する。また、受信側装置の能力不足による受信エラーの生じた場合には、上記と同様に、画像データの画像形式を変更して画像メールを再送する。
また、上記では、図9のS34において、メイン制御部21が、再送時における画像形式の変更(形式変更)の有無を判別するとしている。しかしながら、このステップを省略し、実再送回数が設定再送回数より小さい場合には、形式変更処理を必ず行うようにしてもよい。
また、上記では、メイン制御部21が、再送時、画像メールにおける画像データの画像形式を変更するとしている。
しかしながら、これに限らず、本システムでは、再送にかかる画像メールを作成する際、画像メールにおけるいずれか1つの要素(例えばメールの書式など)を変更すればよい。
上記の説明では、主に、デジタル複合機11における画像メールの送信について説明した。これに対し、以下の説明では、主に、デジタル複合機11における画像メールの受信を効率よく行う構成について説明する。
なお、本システムでは、上記したように、送信された画像メールを処理できなかった場合、受信結果メールは、受信結果メールを用いてその旨を送信側装置に通知する。そして、この受信結果メールを受けた送信側装置は、受信結果メールの内容に応じて画像メールの画像形式を変更し、画像メールを再送するようになっている。
このように、本システムでは、複数の画像メール・受信結果メールを装置間で送受信するようになっている。そこで、以下では、これらのメールを明確に区別するために、最初に受信された画像メール(受信結果は不問)を当初画像メール(当初再送データ)と称する一方、受信エラーの生じた場合の受信結果メールに応じて再送される画像メール(再受信データ)を、再送画像メールと称する。
本実施の形態では、デジタル複合機11においてINF通信あるいは通常のファクシミリ通信によるデータの送受信を行った場合、メイン制御部21が、通信の情報を、通信管理テーブルに記載するようになっている。
図29(a)は、この通信管理テーブルの例を示す説明図である。
この図に示すように、通信管理テーブルは、『管理番号(管理No.)』,『送受信』,『通信日付』,『時刻』,『通信モード』,『通信相手先』,『通信枚数』,『通信結果』の各項目を含んでいる。
ここで、『管理番号』は、個々の通信(送受信)ごとに設定されるシリアル番号である。『送受信』は、通信処理の種類(送信処理あるいは受信処理)を示す項目である。『通信日付』・『時刻』は、個々の通信処理を実行した日付および時刻を記載する項目である。『通信モード』は、通信モードの種類(INF通信(mail)あるいはファクシミリ(FAX))を記載する項目である。
『通信相手先』は、通信相手のメールアドレスまたはFAX番号を記載するための項目である。『通信枚数』は、送受信処理の完了したデータを所定用紙に印刷した場合の枚数(データ量に対応)または送受信したページ数を記載する項目である。
『通信結果』は、通信の完了(成功)した場合にはOK、失敗した場合にはNGを記載するための項目である。ここで、通信の失敗とは、INF通信によって画像メールを送信したとき、送信エラー,受信エラー,タイムアウトエラーの告知される場合のことである(図1参照;他の場合は成功)。また、INF通信によって画像メールを受信したとき、受信能力(復号能力など)の不足等により、画像データを印刷(あるいは表示)できなかった場合も、通信の失敗に相当する。
なお、この通信管理テーブルは、デジタル複合機11の制御用メモリ22(あるいはアドレス記憶部31)に記憶され、メイン制御部21によって記載(管理)される。
次に、本実施の形態にかかるデジタル複合機11における、画像メールの受信処理について説明する。
図28は、この処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、受信処理では、メイン制御部21が、定期的に、デジタル回線接続部35を用いて、デジタル複合機11とサーバー12とを接続する。そして、メイン制御部21は、サーバー12に蓄積されているデジタル複合機11宛の画像メール(新着メール)の有る場合にはそれを受信し(S81)、接続を終了する。
このとき、新着メールのない場合、メイン制御部21は、処理を終了する。一方、新着メールのある場合、メイン制御部21は、その画像メールに含まれる画像データの印刷処理(あるいは表示処理)を実行する(S83;メール受信処理)。
その後、メイン制御部21は、受信した画像メールが再送画像メールであるか否かを判断する(S84;判断方法については後述)。
そして、再送画像メールではないと判断した場合、メイン制御部21は、この画像メールを当初画像メールとして通信管理テーブルに記憶する(S88)。すなわち、メイン制御部21は、この画像メールの受信結果(印刷結果)に関する情報を、通信管理テーブルの各項目に記載する。
一方、再送画像メールであると判断した場合、メイン制御部21は、この画像メールを再送画像メールとして通信管理テーブルに記憶する(S85)。
図29(b)は、再送画像メールの受信を記憶している通信管理テーブルの例を示す説明図である。この図では、管理番号『005』の欄に、新たに受信した再送画像メールに関する情報(再送情報)が記載されている。この図に示すように、再送画像メールを受信した場合、メイン制御部21は、通信管理テーブルの末尾(右端)に、新たな項目である『再送(管理No)』を加える。この項目は、再送画像メールに応じた当初画像メールの管理番号(この図の例では、『001』)を記載する部位である。
次に、メイン制御部21は、画像メールに受信結果要求が付されているか否かを判断する(S86)。そして、受信結果要求のない場合には、処理を終了する。一方、画像メールに受信結果要求が含まれていると判断した場合、メイン制御部21は、画像メールの受信結果に応じた受信結果メールを作成する。
その後、メイン制御部21は、デジタル回線接続部35を用いてデジタル複合機11をサーバー12に接続し、受信結果メールを送信側装置に向けて送信する(S88)。そして、メイン制御部21は、デジタル複合機11とサーバー12との接続を終了して、処理を終了する。
以下に、本実施の形態における画像メール,受信結果メールの送受信について、より具体的に説明する。
図25は、当初画像メールの例を示す説明図である。この図に示すように、本実施の形態にかかる当初画像メールは、図5に示した画像メールの例と同様に、(a)に示すヘッダ部,(b)に示す本文,(c)に示す添付ファイルから構成されている。なお、実際の画像メールは、(a)〜(c)に分割されている訳ではないが、ここでは簡単のために分割した状態で示している。また、図25の当初画像メールでは、(b)の本文に、添付の画像データ(添付ファイル)における符号化方式がMMRであることが示されている。
そして、この当初画像メールでは、ヘッダ部に、Disposition-Notification-Optionsフィールドが含まれている。このフィールドは、この当初画像メールおよびこれに関する他のメール(受信結果メールや再送画像メール)からなるメール群を、他のメールと区別するための、メール群識別IDに関するものであり、メイン制御部21によって設定されるものである。
なお、図25の例では、このフィールドに、当初画像メールの識別IDであるMessage-Idを指定する旨が記載されている。従って、この当初画像メールに関する再送画像メールでは、Disposition-Notification-Optionsフィールドに、常に、当初画像メールのMessage-Idが記されることとなる。
また、この当初画像メールに関する受信結果メールにも、後述するように、所定の個所に、当初画像メールのMessage-Idが示される。
図26は、本実施の形態において送信される受信結果メールの例を示す説明図である。なお、この図26に示された受信結果メールは、MMRで符号化した画像データを含む画像メール(図25に示した画像メール)を、MHの符号化(復号化)能力しか有していない受信側装置に送信した場合に、受信側装置から送信される受信結果メールである。
この図に示すように、この受信結果メールは、図6に示した例と同様に、(a)に示すヘッダ部,(b)に示す本文,(c)に示すMDN情報から構成されている。なお、実際の受信結果メールは、(a)〜(c)に分割されている訳ではないが、ここでは簡単のために分割した状態で示している。
この図に示す例では、受信結果メールの宛先が、当初画像メール(図25(a))のDisposition-Notification-Toフィールドにて指定されたアドレスとなっている。また、画像データの復号化を行えなかったため、受信結果メールのSubjectフィールドには、処理を失敗した旨が記載されている。
また、この受信結果メールのDispositionフィールド(画像メールの処理が成功したか否かなどの状態を示すフィールド)にも、処理を失敗した旨が示されている。
また、この受信結果メールでは、図26(c)に示すように、MDN情報に、content-X-From-Requestフィールドが含まれている。このフィールドは、当初画像メールにおけるDisposition-Notification-Optionsフィールドに応じたものであり、受信側装置のメイン制御部21によって、メール群識別ID(この例では当初画像メールのMessage-Id<111@SHARP_D1>)が記載される部位である。
また、上記したように、受信結果メールのMedia-Accept-Featuresフィールドは、受信側装置における処理能力(受信能力・印刷能力)を示すフィールドである。図26(c)の例では、受信側装置の能力では、モノクロ表示(モノクロ印刷)であり(color=Binary)、Tiffフォーマットのみ読み取ることができ(image-file-structure=Tiff-limited)、200dpiの解像度であり(dpi=200)、縦横比が200:100かまたは200:200であり(dpi-xyratio=[200/100,200/200])、MHの符号化方法式が可能であり(image-coding=[MH])、MRC(Mixed Raster Content)モードは0であり(MRC-mode=0)、A4,B4およびA3のサイズの用紙を使用できる(paper-size=[A4,B4,A3])ようになっている。
また、このような受信結果メールを受けた送信側装置(デジタル複合機11)では、上記したように、メイン制御部21が、受信結果メールに示されている送信側装置の能力に合わせて、画像データの画像形式を変更し、再送画像メールを送信することとなる(この場合、メイン制御部21は、画像データの符号化方式をMHに変更する)。
図27は、この再送画像メールを示す説明図である。この図に示すように、再送画像メールは、図25に示した画像メールとほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なっている。すなわち、図27(a)に示すように、再送画像メールでは、ヘッダ部におけるDateフィールドに示すメールの送信日時が、図25に示した画像メールのものよりも遅くなっている。
また、再送画像メールには、ヘッダ部、In-Reply-Toフィールド、Referencesフィールドが新たに追加されている。このIn-Reply-Toフィールドは、図26(a)に示す受信結果メールのMessage-IDフィールドに記載された<AAA@SHARP_D1>を指定して、受信結果メールに対する返信であることを示すためのフィールドである。また、Referencesフィールドは、この再送画像メールを作成するためにメイン制御部21が参照した電子メールのIDを示すものである。この例では、図26の受信結果メールに返信したために、図26(a)のMessage-IDフィールドに記載された<AAA@SHARP_D1>が表示されている。
また、再送画像メールのヘッダ部では、メイン制御部21によって、Disposition-Notification-Optionsフィールドに、メール群識別ID(この例では当初画像メールのMessage-Id<111@SHARP_D1>)が記載されている。すなわち、このDisposition-Notification-Optionsフィールドにおいて、再送画像メールが、<111@SHARP_D1>というMessage-Idの当初画像メール(図25のメール)に関するものであることが示されている。
また、図27(a)においては、Message-Idフィールドに、新たに<222@SHARP_D1>が指定されている。さらに、図27(b)においては、図25とは異なり、図27(c)の添付ファイルの符号化方式がMHであることが示されている。これは、上述のように、受信側装置の能力に応じて、画像データの符号化方式を変更したためである。
なお、図28のS84では、メイン制御部21が、新着メールが再送画像メールであるか否か、を判断するようになっている。この判断は、受信済みの全画像メールにおけるMessage-IDフィールドと、新着メールのDisposition-Notification-Optionsフィールドとを比較することによってなされる。すなわち、新着メールのDisposition-Notification-Optionsフィールドと同じ内容のMessage-IDフィールドを有する当初画像メールを既に受信している場合、メイン制御部21は、新着メールが再送画像メールであると判断する。
また、図30は、図27に示した再送画像メールに応じて受信側装置から送信される、受信結果メール(2回目)の例を示す説明図である。図30(a)に示すように、この受信結果メールでは、図26に示した受信結果メールに比して、ヘッダ部のDateフィールドに示されている送信日時が遅くなっている。また、Subjectフィールドには、処理の成功した旨が記載されている。
また、図30(c)に示すように、この受信結果メールのOriginal-Message-Idには、図27(a)に示した再送画像メールのMessage-Idが示されている。さらに、図30(c)に示すように、この受信結果メールのcontent-X-From-Requestフィールドには、メール群識別IDである、当初画像メールのMessage-Id<111@SHARP_D1>が記載されている。
以上のように、本実施形態にかかるデジタル複合機11では、新着メールが再送画像メールであるか否かを判断し、判断結果を通信管理テーブルに記載するようになっている。これによって、系統だった通信管理を行える。例えば、以前に処理を失敗した当初画像メールに関する再送画像メールを受け取ったか否かを、容易に判断できる。また、受信側装置では、例えば、再送画像メールの受信を確認した後、これに応じた当初画像メールおよびその関連情報を、メールの記憶部や通信管理テーブルから削除する、といった措置を取ることが可能となる。
また、本実施の形態の構成では、送信側装置が、1つの当初画像メールに関する再送画像メールに対し、共通するメール群識別IDを示すようになっている。これにより、受信側装置は、新着メールが再送画像メールであるのか否かを容易に判断できる。
なお、従来技術では、通信管理結果は、図31に示すようになっていた。すなわち、図31(a)に示すように、画像メールを受信した場合、その情報が通信管理テーブルに記憶されるものの、図31(b)に示すように、管理番号『001』の当初画像メールに応じた再送画像メールを受信したとしても(『005』)、その旨を判定したり表示したりすることはなかった。このため、受信側装置では、系統だった通信管理を行えなかった。
また、本実施の形態の構成では、図28に示すS84にて再送画像メールであると判別した場合、メイン制御部21は、図32に示すような通信管理レポートを作成し、操作パネル32の表示部41上に表示する構成であってもよい。この通信管理レポートは、受信した再送画像メールと、それに関する当初画像メールとについて、通信管理テーブルの各項目を表示するものである。
また、本実施の形態の構成では、送信側装置の送信する当初画像メールを、図33に示すような構成としてもよい。この当初画像メールは、図25に示した当初画像メールの構成において、Disposition-Notification-Optionsフィールドが、In-Reply-To-Requestと指定されているものである。
上述のように、図25に示した当初画像メールでは、Disposition-Notification-Optionsフィールドは、Message-ID-Requestとなっている。これは、当初画像メールのMessage-Idを、メール群識別IDとして、受信結果メールのcontent-X-From-Requestフィールドに記載せよという指定である。
一方、図33(a)に示すように、Disposition-Notification-OptionsフィールドをIn-Reply-To-Requestとすることで、受信結果メールのcontent-X-From-Requestフィールドに、In-Reply-Toと記載せよという指示となる(MDNの返信条件のリクエストに対応していることを通知)。
また、図34は、図33に示した当初画像メールに応じた受信結果メールの例を示す説明図である。この受信結果メールでは、content-X-From-Requestフィールドが、In-Reply-Toと指定されている(In-Reply-Toのリクエスト)。
さらに、図35は、図34に示した受信結果メールに応じた再送画像メールの例を示す説明図である。この再送画像メールでは、ヘッダ部のIn-Reply-Toフィールドに、図34に示した受信結果メールのMessage-Idである<AAA@SHARP_D1>が示されている。
このように、受信結果メールのcontent-X-From-RequestフィールドにIn-Reply-Toと記載されている場合には、再送画像メールのIn-Reply-Toフィールドに、受信結果メールのMessage-Idが示されることとなる。
そして、このようなメールを送受信する構成では、受信側装置のメイン制御部21は、図28のS84において、新着メールが再送画像メールであるか否かを判別する際、まず、新着メールのIn-Reply-Toフィールドと同内容のMessage-Idを有する受信結果メールを送信しているか否か、あるいは同内容のMessage-Idを有するメールを受信しているか否かをを判断する。そして、送信している場合には、この受信結果メールに応じた当初画像メールを、例えば当初画像メールのMessage-Idを用いて特定する。これにより、メイン制御部21は、新着メールが再送画像メールであるか否か、および、その当初画像メールを判別できる。
なお、図27(a)に示した再送画像メールのIn-Reply-Toフィールドにも、図35に示した再送画像メールと同様の内容が記載されている。しかしながら、図25〜図27に示したメールでは、Disposition-Notification-Optionsフィールドを用いたメール識別を行っている。このため、In-Reply-Toフィールドは、補助的に示されているのみで、特に利用されていなかった。
また、本実施形態においては、受信側装置のメイン制御部21は、再送画像メールを受信したとき、その情報を通信管理テーブルの新たな欄に記載するとしている。
しかしながら、これに限らず、図29(c)に示すように、再送画像メールの通信結果を、これに応じた当初画像メールの通信結果に上書きするようにしてもよい(すなわち、通信結果を更新してもよい)。また、これに限らず、再送画像メールにおける全項目に関する情報を、当初画像メールの項目に上書きするようにしてもよい。
また、図33に示すような当初画像メールを受け、その処理に失敗した場合、受信側装置は、図36に示すような受信結果メールを送信してもよい。この受信結果メールでは、図36(c)に示すcontent-X-From-Requestフィールドが、In-Reply-Toと指定されている。また、図37(a)にIn-Reply-Toフィールドが設けられ、ここに、当初画像メールのMessage-Idが示されている。
また、図37は、図36に示した受信結果メールに応じた再送画像メールの例を示す説明図である。この再送画像メールでは、ヘッダ部のIn-Reply-Toフィールドに、図34に示した受信結果メールのMessage-Idである<AAA@SHARP_D1>と、当初画像メールのMessage-Idである<111@SHARP_D1>とが示されている。従って、この構成では、受信側装置は、新着メールを受信したとき、そのIn-Reply-Toフィールドの内容と通信管理テーブルの内容とを比較することで、このメールが再送画像メールであるか否か、および、その当初画像メールを容易に判別できる。
また、上記では、受信側装置のメイン制御部21が、再送画像メールを受信した場合、通信管理テーブルにおける該メールの『再送(管理No)』欄に、このメールに関する初期画像メールの管理番号を記載するように設定されている。しかしながら、これに限らず、受信側装置のメイン制御部21は、送信する受信結果メールの同欄にも、このメールに関する初期画像メールの管理番号を記載することが好ましい。
また、上記では、送信側装置が、1つの当初画像メールに関する再送画像メールに対し、共通するメール群識別IDを示すとしている。しかしながら、これに限らず、受信側装置の送信する受信結果メールにも、このメールに応じた初期画像メールに関するメール群識別IDを示すことが好ましい。これにより、送信側装置におけるメール管理をより容易とすることが可能となる。
また、上記では、デジタル複合機11(あるいはデジタル複合機15)間におけるデータの送受信について示している。しかしながら、これに限らず、デジタル複合機11は、図9に示したような再送処理を行わない、一般的な送信側装置(例えば、ユーザーの判断でデータ送信(再送)を行うような送信側装置)から画像メールを受信する場合でも、上記したような通信管理テーブルによるメールの管理を行うことが可能である。
また、本発明のデータ受信方法を、送信データを受信し、受信結果に応じた受信結果通知を返信するデータ受信方法において、データ受信装置の記憶部および制御部を用いて、既に受信した送信データの情報を記憶する記憶工程と、記憶されている情報に基づいて、新たに受信した送信データが、既に受信した送信データの再送データであるのか、あるいは、再送データとは異なる当初送信データであるのか、を判断する判断工程とを実行する方法である、と表現することもできる。
また、本発明のデータ受信方法を、送信データを受信し、受信結果に応じた受信結果通知を返信するデータ受信方法において、既に受信した送信データの情報を、データ受信装置の記憶部に記憶する記憶工程と、データ受信装置の制御部を用いて、記憶部に記憶されている情報に基づいて、新たに受信した送信データが、既に受信した送信データの再送データであるのか、あるいは、再送データとは異なる当初送信データであるのか、を判断する判断工程とを含む方法である、と表現することもできる。
また、上記では、本システムにおける送信側装置および受信側装置における全ての処理を、メイン制御部21の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、メイン制御部21に代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
また、本発明は、ネットワークを介して画像情報などのデータを送信するネットワーク通信装置に関するものであり、より詳細には、データを所定の送信設定にて送信するとともに、送信先へ応答を要求してその応答の有無を確認する機能を備えたネットワーク通信装置に関するものであるともいえる。
また、従来のネットワークファクシミリ装置では、電子メールを受信し、上記添付されている画像情報を受信原稿として記録出力すると、重複したかたちで再度、転送が行われないように、メールサーバ装置で受信した電子メールを削除するように構成されていることもある。
また、従来では、ネットワークファクシミリとして電子メールを用いて情報の送信をする場合には、たとえば通常のファクシミリ装置で情報を送信する場合とは異なり、受信側において正常に受信されたかどうか、または受信側において処理が適切になされたかどうかが、送信側において判別できないという問題があったといえる。すなわち、PSTNを介して互いにリアルタイムで通信を行う通常のファクシミリ装置とは異なり、ネットワークファクシミリ装置では、受信側端末が常時メールサーバ装置に接続されているとは限らない。
また、受信側端末が受信不能であっても、送信側端末からメールサーバ装置への送信は可能であるので、送信の時点では、前述のように正常に受信できたか、また適切に処理されたかなどについて、送信側で認識することはできない。そのため、従来では、ネットワークファクシミリ装置で送信した情報の送達の確認を行う必要がある場合には、結局、操作者が電話によって確認しなければならないという不便さがあった。また、電話と異なり、互いにリアルタイムで対話をする必要がないというような、電子メールによる通信の利点が損なわれるという問題もある。
そこで、このような不具合を解消するための技術として、電子メールを受信した場合に、受信側端末が送達確認(受信結果確認)の応答を送信側に返信することによって送達確認を行う方法が、RFC2298で規定されるMDNの方法により規定されているともいえる。これは、送信メールの受信側における受信結果/経過を、所定形式の送達確認メール(受信結果メール)により送信元に通知して確認させる方法である。
MDNにおいては、送信側および受信側の端末がMDNの仕様を満たしている場合には、MDNフィールドを用いて送達(受信結果)の確認が行われる。すなわち、具体的には、送信側において、MDNフィールドに送達確認メール(受信確認メール)の送付を希望するアドレスを指定して送信し、受信側において、MDNフィールドで指定されるアドレスに送達確認メールを返信する。
また、従来のnetFAX装置においては、再送の際の再度の送信エラーを防ぐために再送を行わないようになっており、データ送信の効率を向上できないという問題を生ずる。すなわち、従来の構成では、例えば送信エラーとしての不達レポートが表示されるようになってはいるが、送信エラーを生じさせないように再送を行わない構成となっている。このため、何らかの原因で所望のデータの送信エラーが生じた場合に、再送を行わないので送信を完了できず、データ送信の効率が減少することになる。また、本発明の目的は、送信エラーの場合であっても、適切に再送を行って、データ送信の効率を向上できるネットワーク通信装置を提供することにあるともいえる。
また、本発明に係るネットワーク通信装置は、所定の送信設定によって、ネットワークを介したデータの送信を行うものであり、それとともに、送信先へ応答を要求し、その応答の有無を確認する応答確認機能を有しているといえる。
また、デジタル複合機11における送信機能を、スキャナーで読み取った原稿の画像データを外部装置に送信する際、画像データに外部装置の電子メールアドレスを付加して電子メールを作成し、サーバー12およびインターネット13を介して送信する機能であると表現することもできる。
また、インターネットファクシミリ装置について、以下のように表現することもできる。すなわち、この装置は、ファクシミリ文書データの送信先である電子メールアドレスにファクシミリ文書データを付加して電子メール化する。そして、公衆電話回線等を通じてインターネットサービスプロバイダ(図38における送信側のメールサーバー装置102に相当)に接続し、そのホストを介してインターネットに接続するか、または直接インターネットに接続して、ネットワーク上のメールサーバー(図38における受信側のメールサーバー装置104に相当)にその電子メールを転送する。そして、送信側のnetFAX装置(図38におけるnetFAX装置(送信側端末)101に相当)および受信側のnetFAX装置(図38におけるnetFAX装置(受信側端末)105に相当)が共にインターネットに接続されることで、電子メールの送受信を行える。
また、電子メール作成部30は、符号化された画像データにヘッダ情報を付加し、電子メールのフォーマットに変換するものであってもよい。また、操作パネル32は、原稿の読込みを行うとともに、相手先入力などの指示を行うためのものであってもよい。さらに、デジタル回線接続部35は、インターネット経由による電子メールの送受信およびINF通信を行うように、デジタル複合機11をLAN(Local Area Network)と接続するためのものであってもよい。
また操作パネル32における入力部42のテンキー43は、画像形成枚数や部数などを入力するためのものであってもよい。また、スタートキー45は、シート(記録媒体)への画像出力動作を開始するためのキーであってもよい。さらに、クリアキー44は、テンキー43から入力された情報などをクリアするためのものであってもよい。
また、デジタル複合機11に、MDN機能による送達確認(送達確認応答)の要求、および受信した送達確認応答の管理などを行うとともに、電子メール作成部30が付加するヘッダ情報を用いて制御を行うMDN制御部を備えてもよい。このMDN制御部は、データの送信における送信エラーを検出する検出手段、送信エラーを検出した場合にデータを再送する再送手段に相当する。ここで、この送信エラーとは、送達確認において、送信が正常に完了していないという結果が得られた場合に相当する。さらに、MDN制御部は、操作パネル32と組み合わせて、所定の送信設定を変更する設定変更手段、および送信設定を変更する際の確認をするための確認手段として機能してもよい。
また、デジタル複合機11では、インターネットファクシミリ装置としてファクシミリ文書データ(画像データ)を送信する場合、符号/復号化部27において符号化されたファクシミリ文書データに、電子メール作成部30において、ヘッダ情報を付加し、電子メールのフォーマットに変換するようになっていてもよい。
また、図5に示した送信メールのヘッダ部は、電子メールの送受信およびインターネット中での配信などに関する情報を表示する領域であるともいえる。また、ヘッダ部中の各行(フィールド)は、送受信などで用いるそれぞれ異なる固有の情報を記しているともいえる。
また、MDN機能は、配信成功後にメッセージで処理状況を通知するためのものであるともいえる。また、MDN機能とは、電子メールを受信した場合に、受信側のnetFAX装置が送達確認応答を送信側のnetFAX装置に返信することによって送達確認を行える機能であるともいえる。また、受信結果メールのDispositionフィールドは、Message-Idに対応する電子メールの処理が成功したか否かなどの状態を示すものであってもよい。
また、デジタル複合機11では、メイン制御部21が受信エラーの有無を判別し、メイン制御部21および操作パネル32が送信設定の変更を行い、メイン制御部21が再送を行う構成であり、送信側装置における読取エラーを防げるので、再送の際に、再度受信エラーが発生する虞れを少なくできるといえる。
また、デジタル複合機11では、送信先(受信側)からの能力通知の有無を判別した後に、能力通知がある場合にはその能力へと設定を変更して再送する構成である。したがって、能力通知の有無に関わり無く基本仕様へと変更する構成と比較して、送信における効率を高められるといえる。
また、能力通知のない場合には、画像データを基本仕様に変更し、再送する構成であるので、能力通知のない場合であっても、送信先において確実に読取れる設定で送信して、無駄な再送を減らせるといえる。
また、一般的なINF通信においては、標準符号化方式を備えているので、送信先がMHの符号化(復号化)能力を備えていることを前提にできる。これに対して、上述の本発明に係る構成においては、符号化方式をMHに固定して送信するのでは無く、装置本体としてより高い圧縮率の符号化方式を選択できる。また、ユーザーにより設定された符号化方式に基づいて送信している。これによって、より効率よく再送を行える。
また、図38に示した処理によれば、送信先からの能力通知がない場合に、いきなり基本仕様に変更するのではなくて、第2設定再送回数までは元々の設定で再送するため、この再送によって送信が完了すれば、いきなり基本仕様に変更する場合と比較して、送信の効率を高められるともいえる。
また、本発明を、以下の第1〜6通信装置(ネットワーク通信装置)および第1電子メール送信装置として表現することもできる。
すなわち、第1通信装置は、所定の送信設定によるデータの送信にあたって、送信先へ応答を要求し、上記応答の有無を確認する応答確認機能を有する通信装置において、上記データの送信における送信エラーを検出する検出手段と、上記送信設定を変更設定に変更する設定変更手段と、上記検出手段が上記送信エラーを検出した場合に、上記変更設定によって上記データを再送する再送手段とを備えている構成である。
第1通信装置は、所定の送信設定によって所望のデータの送信を行う。上記検出手段が送信エラーを検出すると、上記設定変更手段が送信設定を適切な他の設定としての変更設定に変更し、上記再送手段が再送する。この送信エラーとは、例えば送信先における読取(受信)エラーによって生じるものである。この場合には、送信エラーは、送信先からの応答に含まれる。また、送信エラーは、例えばネットワークトラブルのように、送信先とのネットワーク上での接続が不能となる接続エラーによって生じるものであってもよい。この場合には、送信エラーは、例えば第1通信装置本体と接続された、第1通信装置のメールサーバーから通知される。
ここで、送信設定および変更設定とは、データを送信するための設定であり、例えば、送信する画像データの解像度、符号化方式、およびファイルフォーマットに相当する。第1通信装置は、予め定めた送信設定による送信で送信エラーが生じると、送信設定を変更設定に変更する。この変更設定とは、例えば送信設定と比較してより標準的な設定に相当する。すなわち、例えば、送信設定における送信する画像データの解像度を低くした設定、どの通信装置にも備えられている標準的で圧縮率の低い符号化方式、またはどの通信装置でも読取可能な標準的なファイルフォーマットへと変更した変更設定にて、再送を行う。したがって、送信先における読取エラーを防ぐことができ、これによって、再送の際に、再度送信エラーが発生する虞れを少なくできる。すなわち、送信先の装置の能力不足によって、送信したデータが送信先において復号できず、これによって送信エラーが生じるという事態を防止できる。なお、上記変更設定には、再送を行わないという設定をも含むものとし、この場合には上記再送手段は再送を行わないものとする。したがって、送信エラーの場合であっても、適切に再送を行って、データ送信の効率を向上できる通信装置を提供することができる。
また、第2通信装置は、第1通信装置において、上記設定変更手段は、上記送信設定を、上記変更設定として、ネットワークを介した画像データの送受信において標準的に用いられ、保有すべき事が規定されている標準符号化方式へと変更するものである。第2通信装置によれば、送信設定を、どの通信装置においても保有されている標準符号化方式へと変更するので、送信先における読取(受信)エラーをより確実に防いで、再送の際に送信エラーが発生する虞れを少なくできる。
また、第3通信装置は、第1通信装置において、上記設定変更手段は、上記送信先からの上記応答によって上記送信先の受信能力が通知された場合には、上記送信設定を上記受信能力に応じた上記変更設定へと変更する構成である。この構成によれば、送信設定を送信先の受信能力に応じた変更設定へと変更するので、送信先における読取エラーを確実に防いで、再送の際に送信エラーが発生する虞れをさらに少なくできる。また、送信設定を標準符号化方式に設定する場合と比較して、送信先の受信能力に応じて、送信設定をより送信効率のよい変更設定(高圧縮等)に変更するので、効率よく送信できる。
また、第4通信装置は、第1〜3通信装置のいずれかにおいて、上記検出手段が、上記送信先との接続エラーとしての送信エラーを検出した場合に、上記変更設定手段は、上記送信設定を、再送を行わないという上記変更設定に変更し、上記再送手段は、上記データの再送を行わない構成である。これによれば、例えばネットワークトラブルのような接続エラーの場合には再送を行わないので、無駄に再送せず、再度の送信エラーを発生させない。
また、第5通信装置は、第1〜3通信装置のいずれかにおいて、上記検出手段が、通信装置本体と接続された、上記通信装置のメールサーバーから通知される、上記送信先との接続エラーとしての送信エラーを検出した場合に、上記変更設定手段は、上記送信設定を、再送を行わないという上記変更設定に変更し、上記再送手段は、上記データの再送を行わない構成である。これによれば、例えばネットワークトラブルのような接続エラーの場合には再送を行わないので、無駄に再送せず、再度の送信エラーを発生させない。
また、第6通信装置は、第1〜5通信装置のいずれかにおいて、上記変更設定の内容を確認するための確認手段を備え、上記確認手段による上記確認の後に、上記再送手段による再送を行う構成である。第6通信装置においては、確認手段によって変更設定の内容を確認した後に、再送を行うので、変更設定の内容が所望のものでない場合に、誤って再送することを防止できる。また、第6通信装置において、変更設定の内容が所望のものでない場合には、さらに設定変更手段によって変更設定を変更した後に、再送する構成であってもよい。
また、第1電子メール送信装置は、所定の送信設定によるデータの送信にあたって、送信先へ応答を要求し、上記応答の有無を確認する応答確認機能を有する電子メール送信装置において、上記データの送信における送信エラーを検出する検出手段と、上記検出手段が上記送信エラーを検出した場合に、データを再送する再送手段とを備えている構成である。これにより、送信エラーの場合であっても、適切に再送を行って、データ送信の効率を向上できる通信装置を提供することができる。
また、従来、MDNを用いる構成の一例として特許文献3には、受信結果メールが検出されると、送信した電子メールについて通信管理テーブルに登録された通信管理情報の通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する通信端末装置が開示されている。すなわち、この装置によれば、送信した電子メールについて、ネットワーク上の電子メールシステムから電子メールにより返送されてくる受信結果メールやエラー通知を、通信管理情報として一括管理できる。しかしながら、上記文献記載の構成においては、受信側の通信装置において十分な通信管理がなされていないため、受信側において系統だった通信管理を行えないという問題点がある。
すなわち、この構成では、送信側の通信装置の通信管理として、先に送信した電子メールは通信成功であったか、また、再送した場合においては、その場合の結果が通信成功であったか否かについて判別することができるといえる。しかしながら、上記文献の構成は、受信側の通信装置については考慮されていない。このため、受信側の通信管理として、例えば先に送信された電子メールと再送された電子メールとであっても、ほぼ同一内容が送信されたものであるかどうか識別することができない。このため、この構成によれば、受信側においては、先に送信された電子メールとほぼ同一内容の電子メールが再送されたとしても、違う結果として通信管理することになる。これによって、受信側の通信装置において、系統だった通信管理を行うことができず、ユーザーに不都合や混乱を生ずる虞れがある。
また、本発明の目的は、受信側の通信装置においても、十分に系統だった通信管理を行うことができる通信装置を提供することにあるともいえる。また、本発明は、ネットワークを介して電子メールによって情報の伝達を行う通信装置に関するものであり、より詳細には、例えばMDNのような送達確認(受信結果の確認)のための機能を用いて電子メールの送達確認を行える通信装置に関するものであるともいえる。
また、受信結果メールのFinal-Recipientのフィールドは、MDNを返信した受け取りアドレスを示すともいえる。さらに、画像メールのDisposition-Notification-Optionsフィールドは、MDNにおける、返信条件を指定するフィールドであるともいえる。すなわち、これに応じて、図26(c)の受信結果メールにおける、content-X-From-Requestフィールドが指定され、また、これに応じて、図27の再送メールにおけるDisposition-Notification-Optionsフィールドに、最初に送信した画像メールのMessage-Idを指定できる。また、受信失敗の場合には、図26(a)のSubjectフィールドに失敗した旨を記載した受信結果メールが送信されるといえる。
また、図29(b)に示す管理番号005のメールが、S83にて受信したメールに相当し、また、管理番号006のメールが、S87にて送信したメールに相当するといえる。また、図36・37を用いて示した構成は、図25〜図32メールを用いて示した構成と、群識別IDとしてMessage-Idだけを使用する構成とを組み合わせたものとなっているともいえる。また、通信管理テーブルにおける『通信モード』の項目は、デジタル複合機11が、通常ファックスモード,INF通信モードの2つの通信モードを備えていることで必要となる項目であるといえる。
また、本発明を、以下の第7〜第15通信装置および第1ネットワーク通信装置として表現することもできる。すなわち、第1通信装置は、電子メールを受信する受信手段と、該受信手段が受信した上記電子メールの送達確認要求に応じて返信を行う返信手段とを備えた通信装置において、上記返信手段によって返信を行った上記受信手段が受信した第1の電子メールと、上記受信手段が受信した第2の電子メールとを所定の方式で比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に応じて、上記第2の電子メールは、上記第1の電子メールが再送された再送メールであるか否かを判別する判別手段とを備えている構成である。
第7通信装置は、例えばMDNによる送達確認要求に応じて、受信した電子メールの送達確認の返信を行う。一方、第7通信装置へと電子メールを送信した送信側の通信装置においては、例えば送達確認の返信を受信すると、受信内容に応じて、必要な場合には電子メールの再送を行う。第7通信装置は、電子メールを受信すると、その電子メールと、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールとを所定の方式で比較する。そして、その電子メールが、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールの再送メールであるか否かを判別する。
したがって、例えば受信した電子メールを、同じ内容の再送メールであるか否かに応じて、適切に管理することができる。なお、比較における所定の方式とは、例えばメールのメッセージIDを比較することを含むものとする。
また、第8通信装置は、第7通信装置において、受信した電子メール又は送信した電子メールに関する情報を通信管理情報として記録および管理する記録管理手段を備え、上記記録管理手段は、受信した上記第2の電子メールを上記第1の電子メールの再送メールであると上記判別手段が判別したときに、上記第2の電子メールに関して上記第1の電子メールの再送メールであるとの情報を上記通信管理情報に付加して記録する構成である。
第8通信装置は、例えば新たに受信した電子メールを、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールの再送メールであると判別したときに、その新たに受信した電子メールについて、再送メールであるとの情報を通信管理情報に付加して記録管理するようになっている。したがって、電子メールの管理を容易にできる。
また、第9通信装置は、第7通信装置において、受信した電子メール又は送信した電子メールに関する情報を通信管理情報として記録および管理する記録管理手段を備え、上記記録管理手段は、受信した上記第2の電子メールを上記第1の電子メールの再送メールであると上記判別手段が判別したときに、上記第2の電子メールに関して上記第1の電子メールの通信管理情報を更新する構成である。第3通信装置は、例えば新たに受信した電子メールが、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールの再送メールであるときに、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールの情報を更新するようになっている。したがって、電子メールの管理を容易にできる。
また、第10通信装置は、第7〜8通信装置において、上記比較手段は、上記第1の電子メールのメッセージIDと、上記第2の電子メールのメッセージIDとを比較する構成である。2つの電子メールを、メッセージIDを比較することによって比較するのであれば、容易に2つの電子メールを比較できる。したがって、第7〜第8通信装置を容易に実現できる。
第11通信装置は、第10通信装置において、上記返信手段は、上記受信手段が受信した上記電子メールのメッセージIDを、送達確認要求に応じて行う返信に含める構成である。第11通信装置は、受信した電子メールのメッセージIDを返信に含める。一方、第11通信装置へと電子メールを送信した送信側の通信装置においては、例えば受信した送達確認に含められた、始めに送信した電子メールと同じメッセージIDを含めて電子メールの再送を行う。そして、第11通信装置は、電子メールを受信すると、その電子メールのメッセージIDと以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールのメッセージIDとを比較する。したがって、上述した第10通信装置を容易に実現できる。
第12通信装置は、第10通信装置に電子メールを送信する送信手段を備えた通信装置であって、上記送信手段は、送達確認要求を付加して送信した電子メールに対する、通信失敗という内容の送達確認メールを受信したときに、上記送信した電子メールと同じメッセージIDを含めさせて、上記送信した電子メールの再送を行う構成である。第12通信装置は、第10通信装置と組になって、第10通信装置を容易に実現させられる。
第13通信装置は、第7〜第9通信装置のいずれかにおいて、上記比較手段は、上記送達確認要求に応じて返信した電子メールのメッセージIDと、上記第2の電子メールのメッセージIDとを比較する構成である。2つの電子メールを、メッセージIDを比較することによって比較するのであれば、容易に2つの電子メールを比較できる。したがって、第7〜9通信装置を容易に実現できる。
第14通信装置は、第13通信装置に電子メールを送信する送信手段を備えた通信装置であって、上記送信手段は、送達確認要求を付加して送信した電子メールに対する、通信失敗という内容の送達確認メールを受信したときに、上記送達確認メールに付加されたメッセージIDを含めさせて、上記送信した電子メールの再送を行う構成である。第14通信装置は、第13通信装置と組になって、第13通信装置を容易に実現させられる。
第15通信装置は、第10または第13通信装置に電子メールを送信する送信手段を備えた通信装置であって、上記送信手段は、送達確認要求を付加して送信した電子メールに対する、通信失敗という内容の送達確認メールを受信したときに、上記送信した電子メールと同じメッセージIDおよび上記送達確認メールに付加されたメッセージIDを含めさせて、上記送信した電子メールの再送を行う構成である。この構成であっても、第10または第13通信装置と組になって、第10または第13通信装置を容易に実現させられる。
第1ネットワーク通信装置は、画像データを受信する受信手段と、該受信手段が受信した上記画像データの送達確認要求に応じて返信を行う返信手段とを備えた通信装置において、上記返信手段によって返信を行った上記受信手段が受信した第1の画像データの受信情報と、上記受信手段が受信した第2の画像データの受信情報とを所定の方式で比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に応じて、上記第2の画像データは、上記第1の画像データが再送されたものであるか否かを判別する判別手段とを備えている構成である。
第1ネットワーク通信装置は、例えばMDN(Message Disposition Notification)による送達確認要求に応じて、受信した電子メールの送達確認の返信を行う。一方、上記通信装置へと電子メールを送信した送信側の通信装置においては、例えば送達確認の返信を受信すると、受信内容に応じて、必要な場合には電子メールの再送を行う。第1ネットワーク通信装置は、電子メールを受信すると、その電子メールと、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールとを所定の方式で比較する。そして、その電子メールが、以前に受信して送達確認の返信を行った電子メールの再送メールであるか否かを判別する。したがって、例えば受信した電子メールを、同じ内容の再送メールであるか否かに応じて、適切に管理できる。なお、比較における所定の方式とは、例えばメールのメッセージIDを比較することを含むものとする。
また、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々に変更可能なものである。従って、各実施形態に示した部材を適宜組み合わせて得られる他の実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。