JP4500010B2 - X線検出器及びこれを用いたx線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線検出器及びそれを用いたX線装置に係り、更に詳しくはX線を蛍光体に照射して光信号に変え、光信号を更に電気信号に変換して検出するX線検出素子がマトリックス状に配置された2次元アレイ型のX線検出器及びこれを用いたX線装置、例えばX線CT装置およびX線検査装置、に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、X線検出器をX線CT装置に適用した場合を代表例として説明する。X線CT装置は、被写体の断面図を得ることができる装置であり、医療や非破壊検査の分野で広く用いられている。図1は本発明の適用対象の一つであり、医療で用いられているX線CT装置の構成例を示す概略図である。
【0003】
図1において、100はX線源、104はX線検出器、118は信号収集回路、105は中央処理装置、106は表示装置、119は入力手段、117は制御回路、101は回転台、103は寝台天板である。X線検出器104はX線源100を略中心とした円弧状に配置されており、X線源100と共に回転台101に搭載されている。また、X線検出器104は、単位X線検出器が複数個集合されたものとされている。それぞれの単位X線検出器を1041,1042,---,104kと表示するものとする。最近のX線検出器104ではk=40にもなるものがある。
【0004】
次に、このX線CT装置の撮影方法と処理の方法について説明する。入力手段119から撮影開始の入力があるとX線源100から扇状のX線を寝台天板103に載った被写体102に向けて照射する。被写体102を透過したX線を単位X線検出器1041,1042,---,104kで電気信号(投影像)に変換し,これらの信号を信号収集回路118で収集し、中央処理回路105に送る。
【0005】
この撮影を、回転台101を回転方向108に回転することで被写体102に対するX線の照射角度を変化させて繰り返すことにより、360度分の投影像を取得する。この投影像の撮影は例えば0.4度ごとに行う。この際、制御回路117は、回転台101の回転とX線検出器104の信号読み出しを制御する。
【0006】
このようにして信号収集回路118にて収集された投影像を、中央処理回路105にてコンボルーション(畳み込み)やバックプロジェクション(逆投影)の処理を加えることで被写体102のX線吸収係数分布の断面像を再構成し、この結果を表示装置106で表示する。
【0007】
ここでは、単位X線検出器1041,1042,---,104kの詳細は省略するが、特許文献1に一例が開示されているように、X線を電気信号に変換するX線検出素子が配線基板上にマトリックス状に複数設けられた構造である。例えば、一つの単位X線検出器が、X線検出器104のスライス方向107(回転軸方向)で2個のX線検出素子が配列され、チャネル方向108(回転方向)で24個のX線検出素子が配列されたものとされる。したがって、k=40となされたX線検出器104では、スライス方向107(回転軸方向)で2個のX線検出素子が配列され、チャネル方向108(回転方向)で24×40個のX線検出素子が配列されたものとされる。
【0008】
X線検出素子はX線を吸収して光に変換する蛍光体と、その光を電気信号に変える光電変換手段とから構成され、これらは互いに光学的に密に結合するように積層される。光電変換手段は半導体基板内にXYマトリックス状に所定の密度で形成され、この半導体基板の光電変換手段の光入力面になる面上に蛍光体が積層される。この場合、光電変換手段が入力される光が、直上からの光のみに制限できるように、X線を吸収して光に変換する蛍光体には、各光電変換手段に対応して光遮蔽層を形成する。
【0009】
X線CT装置は、X線検出器のスライス方向107の段数で大別される。すなわち、1段のものがシングルスライス方式、複数段のものがマルチスライス方式と言われる。上述のスライス方向107で2個のX線検出素子が配列された例では2段のマルチスライス方式と言うことになる。シングルスライス方式のX線CT装置で上記の撮影を行うと、回転軸に垂直なスライス面で1つの断面像しか得られない。そのため、多数のスライス面で断面像を得る場合は、スライス面を回転軸方向107に順次移動(寝台天板103を回転軸方向107に移動)させながら、各移動位置で1つの断面像を得ることを繰り返すことが必要となる。
【0010】
このような撮影を実質的に実現するために、従来のX線CT装置では回転駆動と同時に寝台天板103を回転軸方向107に連続的に移動させる。これはスパイラル走査と言われる。この方法では多数のスライス面での投影像を収集でき、3次元的な断層像の再構成を行うことができる。
【0011】
一方、マルチスライス方式のX線CT装置では、スパイラル走査を行わない場合でも多数のスライス面での投影像を撮影できる。このため回転軸方向に同様のサンプリング間隔でスパイラル走査を行いながら撮影を行う場合、シングルスライス方式のX線CT装置に比べ短時間で撮影を行うことができる。また同様の撮影範囲を同じ撮影時間で撮影する場合には、シングルスライス方式のX線CT装置に比べ細かなサンプリング間隔で撮影を行うことができる。
【0012】
このようにマルチスライス方式には大きな利点があるため、マルチスライス方式のX線CT装置が広く用いられている。特に近年ではX線検出素子の段数が4段以上のマルチスライスX線CT装置も登場し、X線検出素子の段数は増える傾向にある。なお、マルチスライス方式のX線CT装置に関するものとして特許文献1が挙げられる。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−242253号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
マルチスライス方式のX線CT装置に搭載するために、X線検出素子のスライス方向107での段数を増加した多段の単位X線検出器を作製するためには、大きな半導体基板が必要となる。すなわち、内部に光電変換手段を形成するための半導体基板に大きいものが必要となる。しかし、半導体基板が大きくなると、基板ウエハアの単価が高くなることに加え、1枚の半導体ウエハアから歩留まりよく単位X線検出器を作製することが難しくなり、結果としてX線検出器を作製するためのコストは高くなってしまう。
【0015】
この問題を解決する方法として、例えば上述の特許文献1に開示されているように、内部に光電変換手段を形成するための半導体基板は少数の段数のX線検出素子に対応するものとして、これをスライス方向107に複数枚近接させて配列して用いる方法がある。このような方法では、個々の内部に光電変換手段を形成するための半導体基板は比較的低いコストで歩留まり良く作製できるので、スライス方向107のX線検出素子を多段としたX線検出器を安価に作製できる。
【0016】
一方、この方法では内部に光電変換手段を形成した半導体基板(以下光電変換基板と言う)をスライス方向に複数枚配列しているため、各光電変換基板の光電変換手段の出力信号を読み出す方法が問題となる。すなわち、光電変換基板の出力信号を読み出すための配線を実装した配線基板上に光電変換基板を乗せ、配線基板上のパッドとこれに対応する光電変換基板のパッドとを接続することになるが、そのために、スライス方向に隣接する光電変換基板間にデットスペースが生じ、その位置での解像度の低下を生じる。
【0017】
上述の特許文献1では、この問題を解決する方法として、光電変換基板を配線基板へ貼り付けする際、光電変換手段の光入力面上に積層される蛍光体の一部を切り欠いて生じたスペースを作り、このスペースを用いて配線基板と光電変換基板との間の配線を行うことを提案している。しかし、配線基板へ貼り付けられた光電変換基板の配線と配線基板の配線との段差を持っての接続であるため、スペースが大きくなってしまうことによる解像度の低下があった。さらに、配線基板の配線と最初の光電変換基板の位置決めおよび配線との接続の後に、次の光電変換基板の位置決めおよび配線との接続をする必要があるため、工程が多数となり、作製時間が長くなる。
【0018】
本発明の目的は、上記従来の問題点を軽減することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明も、単位X線検出器1041,1042,---,104kのそれぞれで、配線基板上に、スライス方向に必要なだけの光電変換基板を隣接して配列する点において従来の技術と変わるところは無い。しかし、本発明では、配線基板と光電変換基板との間の配線は光電変換基板のある位置ではグランド線のみとし、光電変換基板の信号線は最端部の光電変換基板の端部で配線基板の配線と接続する。配線基板および光電変換基板のグランド線は、配線基板では光電変換基板を貼り付ける面(配線基板上面)に設け、光電変換基板でも配線基板と接する面(光電変換基板下面)に設ける。隣接する光電変換基板の信号線間は、光電変換基板上面のパッド間で行う。また、光電変換基板のX線検出素子対応の信号線は、スライス方向に並列接続して、並列接続された各光電変換手段の信号は時分割で読み出すものとした。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施例1の構造)
まず、X線検出器104の構成について述べる。図2は本発明の実施例1のX線検出器104の構成の概要を説明する図である。X線検出器104は単位X線検出器1041,1042,---,104kから構成される。各単位X線検出器は、それぞれ、配線基板1131,1132,---,113kを備え、これが構造上の基板としての機能も果たす。配線基板1131,1132,---,113kには、後述するように、内部に光電変換手段を形成した光電変換基板からの信号を導出するための配線1291,1292,---,129kが備えられる。ここでは、図面が煩雑になるのを避けるために、各配線基板に6本の配線を代表的に例示したにすぎないが、後述するように、並列接続される光電変換手段の並列数と制御および接地のための線が必要である。したがって、配線基板1131,1132,---,113kの配線は、基板内に多層構造で配置されるほうが、実際的である。また、配線基板1131,1132,---,113kには、配線1291,1292,---,129kから得られる信号を信号収集回路に接続するための接続パッド1261,1262,---,126kが備えられる。この数は配線数に対応するものである。
【0021】
配線基板1131,1132,−−−,113k上には、内部に光電変換手段を形成した光電変換基板111が積層される。ここでは、単位X線検出器1042および104kの配線基板1132および113k上に実装された光電変換基板11121,11122および111k1,111k2が参照符号と共に示されている。ここで、参照符号171 2および171 kで示す線は、各配線基板上の隣り合う光電変換基板11121,11122および111k1,111k2のそれぞれの接触端面である。また、配線基板113と光電変換基板111との間に太いハッチングの線を付した部分を示したのは、両者が別々に作製された構造体のものが、張り合わされた形で積層されていることを示すためである。隣り合う光電変換基板間および配線基板と光電変換基板との間の電気的な接続は後述する。
【0022】
光電変換基板111上には、光電変換基板111の内部に形成された光電変換手段に対して、受けたX線の強度に応じた光を与えるための蛍光体の層が積層される。図では、最右端の単位X線検出器104kの側面の保護層180を切り欠いて、配線基板113kの隣り合う光電変換基板111k1,111k2の接触端面171 kの位置での蛍光体の層112kimおよび112k(i+1)mについてのみ示した。蛍光体の層112kimおよび112k(i+1)mの間には、遮光板115kiが設けられて、それぞれの蛍光体が受けたX線による光が相互の間で漏れるのを防止する。光電変換基板111k1,111k2の接触端面171 kの位置ではこれらの光電変換基板間の電気的な接続が必要であり、このためのスペースとして、蛍光体の層112kimおよび112k(i+1)mに端部を切り欠いた構造を設ける。参照符号120kで示すのは、この切り欠きである。また、参照符号121kで示すのは、この切り欠き部分で行なわれる光電変換基板111k1,111k2間の電気的な接続の配線を保護するカバー層である。さらに、光電変換基板と配線基板との段差部に示す参照符号1221,1222,−−−,122kで示すのは、この段差部で行なわれる光電変換基板と配線基板との電気的な接続の配線を保護するカバー層である。なお、光電変換基板111と蛍光体の層との間に太いハッチングの線を付した部分を示したのは、両者が別々に作製された構造体のものが、張り合わせた形で積層されていることを示すためである。
【0023】
110はX線検出素子を示し、単位X線検出器1041,1042,---,104kの蛍光体の層に破線で概念的に示す。X線検出素子110の大きさは、例えば1mm×1mmである。すなわち、図の例では、各単位X線検出器はX線検出素子がチャネル方向にm個、スライス方向にj個のm×jのマトリクス配列された構造であることを意味する。X線検出素子ごとに蛍光体は遮光板115で区分され、区分された蛍光体に対応して光電変換手段が光電変換基板111の内部に形成される。図の例は、したがって、j段のマルチスライスを可能にするX線検出器である。参照符号1251,1252,---,125kで示すのは、単位X線検出器をチャネル方向に配列するときの保持用のボルトの貫通孔を模式的に示す。
【0024】
なお、図では、光電変換基板111は2枚としたが、これは、個々の光電変換基板の内部に光電変換手段を歩留まり良く作製できる大きさに応じて、必要なら、3枚以上とすれば良い。また、参照符号に付した下付きの添え字は、1桁の場合は単位X線検出器に対応した番号、2桁の場合は最初の桁が単位X線検出器に対応した番号、2桁目が単位X線検出器ごとにスライス方向またはチャネル方向の順に付した番号、3桁の場合は最初の桁が単位X線検出器に対応した番号、2桁目がスライス方向の順に付した番号、3桁目がチャネル方向の順に付した番号である。これは、以下の図に於いても同じである。
【0025】
図3は、図2に示したX線検出器104の構造の内、単位X線検出器1041について信号の読み出しを説明するために示した電気的な等価回路図である。ただし、この図では、図を簡単にするために、X線検出素子110111から110kjmに対応する光電変換素子が、スライス方向では光電変換基板11111,11112に2つのみ設けられたものとした。また、参照符号の表示も適宜省略した。
【0026】
光電変換素子を半導体基板に形成して光電変換基板とするとき、作成工程の便と配線上の便を考慮して、一対の光電変換手段114とスイッチング素子151の直列回路を組として配列し、それぞれの光電変換手段114の端子の一つを接続した構成とする。すなわち、光電変換手段114111とスイッチング素子151111の直列回路と光電変換手段114112とスイッチング素子151112の直列回路とが組として配列され、光電変換手段114111と光電変換手段114112の一つの端子が接続される。光電変換手段114111と光電変換手段114112の他の端子は、それぞれ、スイッチング素子151111およびスイッチング素子151112のドレイン電極に接続される。光電変換手段114とスイッチング素子151の直列回路の組がn個チャネル方向に並列に配列されて、結果として、m個の光電変換素子が並列に配列された形で光電変換基板内に形成される。m個並列に配列された光電変換素子群は、同じ構造で、スライス方向に並列に配列されて、結果として、m個並列に配列された光電変換素子群が4個スライス方向に並列に配列されて4×mのマトリックスを形成する形で光電変換基板内に形成される。
【0027】
各光電変換手段114に接続されたスイッチング素子151のゲート端子は、m個並列に配列された光電変換素子群ごとに、制御線13011、13012、13013、13014に接続される。各制御線130は垂直シフトレジスタ19011、19012に電気的に接続されている。直列接続された一対の光電変換手段114の接続点はグランド線13311,13312,---,1331nを介して、グランド電極パッド13211,13212,---,1321nに接続される。一方のスイッチング素子151のソース電極は信号線13411,13412,---,1341nを介して、信号用パッド13511,13512,---,1351nに接続される。他方のスイッチング素子151のソース電極は信号線13611,13612,---,1361nを介して、信号用パッド13711,13712,---,1371nに接続される。
【0028】
各制御線130が接続された垂直シフトレジスタ19011、19012は制御用電極パッド124および信号線129を介して、クロックパルスが入力される。垂直シフトレジスタ19011、19012は、入力されるクロックパルスに応じて、これに接続されている制御線13011、13012、13013、13014に順次読み出しのためのパルスを出力する。すなわち、垂直シフトレジスタ190は、時系列的に順次スイッチング素子をオンとするための読み出しパルスを付与する。したがって、制御線13011に読み出しパルスが出力されると、これに接続されたスイッチング素子15111,15112,---,1511nはオンとなり、光電変換手段114111,114112---,11411mの信号が信号用パッド13511,13512,---,1351nおよび信号用パッド13711,13712,---,1371nに読み出される。次のクロックパルスに応じて制御線13012に読み出しパルスが出力されると、これに接続されたスイッチング素子はオンとなり、光電変換手段114の信号が信号用パッド13511,13512,---,1351nおよび信号用パッド13711,13712,---,1371nに読み出される。同様にして、m個並列に配列された光電変換素子群ごとに、次々と光電変換手段の信号が読み出される。
【0029】
図3において、160で示すのは接続パッドである。また、145で示すのはパッド間を接続するリードである。光電変換基板11111および11112間では、信号線間はパッド160とリード145で接続され、光電変換基板11112と配線基板1131間でも、信号線間はパッド160とリード145で接続される。光電変換基板11111および11112間のリード145による接続は、図2では、切り欠き部120kで行なわれる光電変換基板111k1,111k2間の接続に対応し、カバー層121kで隠されている。光電変換基板11112と配線基板1131間のリード145による接続は、図2では、カバー層122で隠されている。光電変換基板11111,11112間のグランド線13311,13312,---,1331nのパッド160による接続では、光電変換基板11111,11112間の接続および光電変換基板11112と配線基板1131間の接続と異なり、パッド160が一つしか使用されていない。また、光電変換基板11112と配線基板1131間のグランド線13311,13312,---,1331nのパッド160による接続でも、パッド160が一つしか使用されていない。これは、グランド線の接続は、光電変換基板の下面と配線基板の上面とで接続することにしたことによるものである。この点は図4を参照して、より詳しく説明する。
【0030】
図3における制御用電極パッド124、信号用パッド13511,13512,---,1351n,13711,13712,---,1371nおよびグランド電極パッド13211,13212,---,1321nが、図2に代表的に示した接続パッド1261,1262,---,126kに対応する。信号線129、グランド線13311,13312,---,1331n、信号線13411,13412,---,1341nおよび信号線13611,13612,---,1361nが、図2に代表的に示した配線1291,1292,---,129kに対応する。
【0031】
図4は、図3の回路構成と図2に示す構造的な構成との対比を分かりやすく説明するために、回路図を立体的に表示した図である。光電変換基板111および配線基板113の輪郭を破線で示す。図4では、図3の光電変換基板11111および11112の左端部のX線検出素子110111および110112の列についてのみ示す。両図で同じものには同じ参照符号を付したが、パッド160については連続番号となる下付きの添え字を付した。
【0032】
図4に示すように、各X線検出素子の光電変換手段114、スイッチング素子151および垂直シフトレジスタ190は、光電変換基板111内に作成され、必要な配線を介して基板の外面に設けられたパッド160に接続される。また、配線基板113内には、光電変換基板111内の光電変換手段114に得られた信号を導出するための信号線129,134,133,136が形成され、基板の外面に設けられたパッド160および制御用電極パッド124、信号用パッド135,137およびグランド電極パッド132に接続される。これらは半導体技術により確立したもので構成できる。
【0033】
光電変換基板11111および11112は、配線基板113の上面に一点鎖線で示す位置に、端面171が接する状態で載置され、接着剤で結合される。このとき、光電変換基板11111および11112のグランド線133に接続されたパッド1604および160 12 は配線基板113のグランド線133に接続されたパッド1605および160 13 と重なるように構成されているので、パッド間に半田を挟んで重ね、接着剤で結合する際、加温して半田付けするものとされる。配線基板113の上面に載置された光電変換基板11111のパッド1601,1602および1603と光電変換基板11112のパッド1606,1607および1608は近接して配置されることになり、図3に示すようにリード145(ワイアボンデリング)で接続される。配線基板113の上面に載置された光電変換基板11112のパッド1609,16010および16011は、配線基板113のパッド16014,16015および16016と図3に示すようにリード145(ワイアボンデリング)で接続される。
【0034】
ここで、光電変換基板11111のパッド160と光電変換基板11112のパッド160とを接続するリード145は、当然、基板表面から突出したものとなり、これを、図2に示すカバー層121で保護する。また、このために必要となるスペースが、図2に示す切り欠き120である。また、光電変換基板11112のパッド160と配線基板113のパッド160とを接続するリード145を保護するのが、図2に示すカバー層122である。
【0035】
図5は、配線基板113、その上に載置された光電変換基板111およびX線を光に変えて光電変換基板111の光電変換素子に与える蛍光体の層112との関係を図4に対応させて説明する図である。図5は図4に示すグランド線133の位置でスライス方向107に断面を取り、チャネル方向108の反対側に見た図である。ただし、配線基板113、遮光板115および保護層180は、断面を示すハッチングは省略した。グランド線133の位置での断面であるので、配線基板113のパッド1605および16013と光電変換基板111のパッド1604および16012は重なった状態であり、両パッド間は半田付けされる。配線基板113と光電変換基板111は接着剤230により接合される。
【0036】
配線基板113上に載置された光電変換基板111は、それぞれ、スライス方向に二つの光電変換手段を持つので、これに対応して、遮光板115により隔てられた蛍光体の層112が二つずつ配列されて、接着剤231により光電変換基板111の上に接合される。光電変換基板11111および光電変換基板11112の対向する端面171の上部では、蛍光体の層112および遮光板115に切り欠き部120が形成される。この切り欠き部120を利用してパッド1602および1607間がリード145で接続され、これは保護層121で覆われる。光電変換基板11112の他の端面ではパッド16010および16015間がリード145で接続され、これは保護層122で覆われる。
【0037】
光電変換基板111の内部に光電変換手段114を歩留まりよく作製するためには、数十段以上のマルチスライスX線CT装置でスライス方向に必要とされる光電変換手段114を持つような大きな光電変換基板にすることは困難である。そのため、ある大きさの光電変換基板を単位として、これを、スライス方向に配置して、多段のマルチスライス方式とする他はなくなる。この場合に問題なのは、光電変換基板間に信号線の接続部が必要であり、さらに、光電変換基板と配線基板との間にも信号線の接続部が必要である。実施例1では、光電変換基板間の信号線の接続は、同一平面高さのパッド間のワイアボンデリングによるリード145で接続できるから、このためのスペースは非常に小さくて済む。さらに、光電変換基板と配線基板との間の信号線の接続は、光電変換手段141および蛍光体の層112が無い部分での配線である。したがって、これらの配線のためのスペースにより、光電変換手段114および蛍光体の層112が切り欠かれるスペースを極小に抑えることができ、蛍光体の層112が受けたX線を効率良く電気信号に変換することができる。このことは、解像度の低下を生じないで多段層のマルチスライスX線CT装置を実現できることを意味する。
【0038】
またこの構造は、配線基板113へ複数の光電変換基板111を貼り付けた後に光電変換基板111間の配線をすることが可能なため、従来よりも短時間での作製が可能となる。
【0039】
(実施例1のX線検出器104の作製手順)
次に実施例1のX線検出器104の作製手順について説明する。ただし、この作製手順は一例であり、これによって本発明を限定するものではない。
【0040】
まず、実施例1のX線検出器104の作製手順の前提として、図4で説明したような光電変換手段114、スイッチング素子151および垂直シフトレジスタ190を備え、必要な配線を施すと共に、必要な接続パッドを備えた光電変換基板111および線配線基板113を準備する。なお、以下の説明は、図4に示した構造を基礎として行う。
【0041】
図6(A)に最初の工程を示す。配線基板113上に光電変換基板111を貼り付ける。この際、光電変換基板111を配線基板113上に位置合わせして、光電変換基板111の下面のパッド1604および16012と配線基板113上のグランド線133のパッド1605および16013とを半田付けして電気的に接続する。
【0042】
図6(B)に次の工程を示す。端面171で隣り合う光電変換基板111のパッド間の接続をリード145で、また、光電変換基板11112の他端面のパッドと配線基板113上のパッドとの接続をリード145で行う。ここでは、図面が煩雑となるので、パッドの参照符号の表示は削除した。
【0043】
図6(C)に次の工程を示す。光電変換基板間でリード145で接続した部分に絶縁材による保護層121を、光電変換基板と配線基板間でリード145で接続した部分に絶縁材による保護層122を、それぞれ、形成した。
【0044】
図6(A)−(C)の手順により、図2に示す、蛍光体の層112が無い状態まで出来たことが分かる。
【0045】
次に、光電変換基板111の上に載置する蛍光体の層112の作製について説明する。蛍光体の層112は、図2に示すように、単位X線検出器1041,1042,---,104kごとに一体に作製する。
【0046】
図7(A)に示すように、加工用の支持台182上に接着剤232で蛍光体112を仮固定する。この仮固定には、蛍光体112の加工が終わった後、支持台182から剥す際、蛍光体112の仮固定面についた接着剤を落とすことが容易なものを用いる。蛍光体112のサイズは、最終的に必要な大きさに仕上げられている。支持台182には溝197がチャネル方向108及びスライス方向107に設けられている。これら2方向の溝197によって実現される格子1つの大きさは、X線検出素子110に対応する大きさである。またこれら2つの方向の格子の数は、単位X線検出器104におけるチャネル方向108及びスライス方向107のX線検出素子110の数に対応するものとされる。なお、溝197は、後述する切り出し作業を、手作業で実行することを想定して付されたものである。すなわち、この溝197を切り出し作業の目安とする、と言う意味以上のことは無い。したがって、切り出し作業を数値制御タイプの自動機械とするときには、無くても良い。
【0047】
図7(B)に示すように、蛍光体112に切り欠き部120を形成する。この切り出しはダイアモンドカッターあるいはマルチワイアソ−で行う。また切り欠き部120は、溝197上に位置するよう形成され、その位置は溝197の位置を利用して決定する。次いで、図7(C)に示すように、蛍光体112をチャネル方行107に並んだ溝197毎に分離して、スライス方向107に溝240を形成する。さらに、周辺部をカットして、蛍光体112のサイズを整える。この切り出しはダイアモンドカッターあるいはマルチワイアソ−で行う。蛍光体112に切り欠き部120を形成した位置は、切り出し作業を数値制御タイプの自動機械としたときには、これにデータとして保存し、図9(A)を参照して説明する位置合わせに使用するのが良い。
【0048】
次いで、図8(A)に示すように、図7(B)、(C)で説明した切り欠き部120および溝240に、光反射層115を作製する。光反射層115に用いる光反射剤としては、例えば硫化バリウムあるいは二酸化チタンを含む光反射剤を用い、またこの光反射層としてはパテ状の光反射剤を用い、これを硬化させる。次いで、図8(B)に示すように、蛍光体112にチャネル方向108に溝241を形成する。次いで、図8(C)に示すように、溝241と、X線検出器104のチャネル方向108の端となる両側面に、仕切り板242を設ける。仕切り板242は、例えば光反射性を有するモリブデン、タンタル、タングステン、鉛、あるいはこれらの元素を主成分とする合金、あるいは光反射層115を表面に塗布したX線吸収係率の大きな金属からなり、その厚さは、例えば100μm〜200μmである。仕切り板242は、X線検出素子間の光反射層として機能するものであると共に、各単位X線検出器104のチャネル方向108の側面の保護板でもある。
【0049】
次に、図9(A)に示すように、図6に示す手順で作製した配線基板113上に貼り付けられた光電変換基板111の上面と、図8に示す手順で作製した蛍光体112の上面とを接着剤231により貼り付ける。この場合、蛍光体112の切り欠きの位置がほぼ一致することが重要であるので、配線基板113および支持台182に位置決めのためのマーカー等を設けておき、相対的な位置決めを行うのが良い。接着剤231は、蛍光体112から光電変換基板111に入射する光の減衰を防ぐために、できるだけ光学的に透明なものを用いる。次いで、図9(B)に示すように、蛍光体112から支持台182を剥がし、蛍光体112のから接着剤232を取り除く。
【0050】
次いで、図9(C)に示すように、接着剤232を取り除いた蛍光体112の上面と、蛍光体112のスライス方向の端面に光反射層115を設ける。この場合の光反射層115は、酸化チタン粉末を懸濁した液状の光反射剤を塗布しこれを硬化して作製するのが良い。
【0051】
このような手順で、図2に示した本発明の単位X線検出器104が完成する。ここで、実施例1においては、光電変換基板111はスライス方向107に延伸する場合についてのみ述べているが、チャネル方向108にも光電変換基板111を延伸する場合があっても良い。この場合は、光電変換基板111が配線基板113上にマトリックス状に配列されることになる。そのため、チャネル方向108で隣接する光電変換基板111でも、図3を参照して説明した制御線13011、13012、13013、13014を接続するためのパッドと、これの間の接続が必要となる。そのため、この部分で、図5で説明したような蛍光体112の切り欠き部120をチャネル方向108で隣接する蛍光体112に設ける必要がある。すなわち、複数個の光電変換基板が複数個の光電変換基板の配置方向と直角方向(チャネル方向)に複数個設けられてマトリックス状に配置されるとき、前記直角方向に複数個設けられた光電変換基板間にスイッチング素子に時系列的に順次スイッチング素子をオンとするための読み出しパルスを付与するための信号の渡り線となるリード線を設けると共に、このリード線に対応する位置の蛍光体に切り欠きを設けて接続リードおよびこれの保護層のスペースとするものである。もっとも、チャネル方向108に光電変換基板111を延伸する場合には、スライス方向107に延伸する列についてのみ図3に示すように接続して、チャネル方向108への光電変換基板111の延伸に対しては、垂直シフトレジスタ19011、19012を別個に設けるものとすれば、これは、不要である。
【0052】
また、グランド線133の接続は、光電変換基板111の下面にパッドを出して、光電変換基板111を配線基板113上に貼り付けるときに、配線基板113上のパッドと接続するものとした。これは、グランド線133のパッドも、他の信号線と同様に、光電変換基板111の上面に出して、他の信号線と同様に、光電変換基板111の最端部で配線基板113上のパッドと接続するものとしても良いことは言うまでもない。もっとも、このためには、図3を参照して容易に分かるように、配線基板113上に備えるべきパッドの数が増えるので、パッドの面積を低減する必要がありうるが、図4、図6(A)を参照して説明した配線基板113上に光電変換基板111を貼り付ける作業は簡素化される。
【0053】
また、実施例1の切り欠き部120の形状は、図5に示す形状に限るものではなく、図10−図12に示すような形状でも良い。図10では、切り欠き部120は蛍光体112の側面部中途から底面の略並行な面と、底面中途から側面の略並行な面とから形成される。図11では、切り欠き部120は蛍光体112の側面部中途から光電変換基板111上にかけて斜めに傾斜した面から形成される。図12では、切り欠き部120は曲線的な面から形成される。いずれの場合でも、図7(B)および図8(B)を参照して説明した、切り欠き部120の切り出しおよび遮光板115の形成の作業性と蛍光体の層112が発生した光の損失ができるだけ少なくなるように工夫することが重要である。
【0054】
実施例1においては隣接する蛍光体112間の光の漏れ込みを減らす方法として、スライス方向107に光反射層115、チャネル方向108に仕切り板242を用いたが、これらは名前は異なるものとしたが、機能としては、隣接する蛍光体112間の光の漏れ込みを防ぎ、且つ、蛍光体112が発生した光を効率良く光電変換基板111に到達させるものである点では同じである。
【0055】
なお、図8(C)を参照して、仕切り板242を設ける説明をした。図8(C)に示す構造ができた後、引き続き、図9(A)に示すように、図6に示す手順で作製した配線基板113上に貼り付けられた光電変換基板111の上面と、図8に示す手順で作製した蛍光体112の上面とを接着剤231により貼り付ける。この場合、仕切り板242が蛍光体112の上面の高さと同じであるべきことは当然であるが、更には蛍光体112の上面より突出したものとしても良い。これは、この貼り付け作業の際の接着剤231の保持スペースとして利用することができるからである。
【0056】
(信号処理の簡単な説明)
図1に本発明のX線検出器104が適用される一例としてのX線CT装置の構成を示した。このX線CT装置における信号収集回路118の信号処理について簡単に説明する。
【0057】
X線検出素子110は非常に多くの数が備えられるが、光電変換手段は半導体技術によって作製されるので、ある程度の感度のばらつきを持つものとならざるを得ない。このばらつきを補正する手段を信号収集回路118に持たせる。この補正処理は、例えば次式(1)に示すような演算を実現する回路によりX線検出素子110ごとにアナログデータである投影像に対して行われる。
【0058】
【数1】
式(1)において、補正後出力値とは投影像におけるX線検出素子110の補正後の出力値であり、補正前出力値とは投影像におけるX線検出素子110の補正前の出力値であり、オフセット値とはX線を照射しない場合におけるX線検出素子110の出力値であり、検出器感度値とはX線がX線検出素子110にX線が入射した場合に発生する電気信号に比例する値である。
【0059】
実施例1における補正の手段は式(1)に示す方法に限るものではなく、例えば信号収集回路118または央処理装置105がその補正の手段を有し、投影像をアナログ−デジタル変換(AD変換)した後のデジタルデータに対して、次式(2)に示すような演算を行う場合もありうる。
【0060】
【数2】
ここで補正後デジタル値とはX線検出素子110の補正後のデジタル出力値であり、補正前デジタル値とはX線検出素子110の出力値(前記式(1)における補正前出力値)をAD変換したデジタル値であり、オフセットレベルとはX線を照射しない場合におけるX線検出素子110の出力値をAD変換した値であり、検出器感度レベルとはX線がX線検出素子110に入射した場合に発生する電気信号をAD変換した値である。
【0061】
補正で必要となる値は投影像の撮影とは別途取得される。例えば、オフセットレベルはX線を照射せずに投影像を複数撮影し、そのAD変換後のX線検出素子110の出力値を用いて加算平均を行うことでそのデータを得る。検出器感度レベルは、例えばX線検出器104に一様なX線を照射し、その投影像を複数撮影し、そのAD変換後のX線検出素子110の出力値を用いて加算平均を行い、オフセットレベルを差分することでデータを得る。取得されたオフセットレベル及び検出器感度レベルのデータは央処理装置105に保存される。
【0062】
更に補正で必要となる値を決める別の方法として、オフセットレベル及び検出器感度レベルを算出するために、例えば、上記のようにX線検出素子110のオフセットレベル及び検出器感度レベルを算出した後、その周りのX線検出素子110のデジタルデータの値に対してある重み付けをして加算する場合もあり得る。
【0063】
(実施例2)
図13に本発明を適用して有用なX線検出器104を有する他のX線検査装置の構成例を示す。このX線検査装置は、X線源100、単位X線検出器10411,10412,---,104(16)(16)から構成されるX線検出器104、信号収集回路118、表示装置106、入力手段119、制御回路117から構成される。実施例2に示す単位X線検出器10411,10412,---,104(16)(16)は、実施例1で説明した構造を有する。しかし、配線基板113がX線検出器104に対して1枚とされる点で異なる。光電変換基板111が鉛直方向195と水平方向196との両方向にそれぞれ複数個貼り付けられ、これらに対して光電変換手段の信号を信号収集回路に接続するための接続パッド126が備えられて2次元的に配置されたX線検出素子110を有する平面型の検出器を実現している。
【0064】
X線検出素子110の大きさを、例えば1mm×1mmとすると、上述のX線検出器104のX線検出素子110の数は、例えば鉛直方向195と水平方向196の共に512列であり、鉛直方向195と水平方向196の共に32列のX線検出素子110を有する光電変換基板111が、鉛直方向195と水平方向196の共に16列ずつ回路基板113に貼り付けられる。すなわち、単位X線検出器10411,10412,---,104(16)(16)は光電変換基板111を1枚として対応できる大きさである。なお、実施例2では、水平方向195に配列された単位X線検出器104間の制御線130の接続部分に接続リードとこれを保護する絶縁層121が必要である。
【0065】
撮影の際には、被写体はX線源100とX線検出器104との間に配置される。入力手段119に撮影開始の入力があると、その信号を受けた制御回路117がX線管100へX線照射の信号と、信号収集回路118へ撮影開始の信号を出力し、X線の照射、及びX線検出素子104から信号収集回路118へ投影像の読み出しが行われる。
【0066】
このようにして得られた投影像は信号収集回路118にてAD変換される。信号収集回路118は補正の手段を有し、式(2)に示したX線検出素子110ごとの感度のばらつきを補正する補正処理がなされた後、表示手段106に表示される。
【0067】
実施例2では配線基板113がX線検出器104の全体に対して1枚とされるから、図2に示す配線129および信号用パッド126の数は大きくなるが、半導体技術で作製される配線基板の配線およびパッド作製が困難になる程の密度となることはない。
【0068】
(変形例)
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。また、固定用ねじ穴125は、配線基板を本体に安定に取りつけられる程度に設ければよい。
【0069】
【発明の効果】
多数のX線検出素子を内部に形成した光電変換基板のX線検出素子の出力信号線のパッド間を光電変換基板の同一平面位置で接続する。配線基板上に必要な数だけの光電変換基板を貼り付け、次いで、最端部の光電変換基板の配線と配線基板の配線とを接続する。その後、光電変換基板の信号線のパッド間の接続位置で光電変換手段の光入力面上に積層される蛍光体の一部を切り欠いてスペースを作った蛍光体を貼り付ければ良いから、蛍光体の切り欠き部分を小さくすることができ、従って解像度の低下を減らすことができる。また従来よりも作製時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象の一つであり、医療で用いられているX線CT装置の構成例を示す概略図。
【図2】実施例1のX線検出器の構成の概要を説明する図。
【図3】図2に示したX線検出器の単位X線検出器について信号の読み出しを説明するために示した電気的な等価回路図。
【図4】図3の回路構成と図2に示す構造的な構成との対比を分かりやすく説明するために回路図を立体的に表示した図。
【図5】配線基板、その上に載置された光電変換基板およびX線を光に変えて光電変換基板の光電変換素子に与える蛍光体の層との関係を図4に対応させて説明する図。
【図6】(A)、(B)および(C)は配線基板上に光電変換基板を貼り付け、パッド間の接続をリードで行った後保護層で覆う工程を説明する図。
【図7】(A)、(B)および(C)は光電変換基板の上に載置する蛍光体の層を作製する工程を説明する図。
【図8】(A)、(B)および(C)は、蛍光体の層に切り欠き部120および光反射層を作製する工程を説明する図。
【図9】(A)、(B)および(C)は、図6に示す手順で作製した配線基板上に貼り付けられた光電変換基板の上面と、図8に示す手順で作製した蛍光体の上面とを接着剤231により貼り付ける工程を説明する図。
【図10】切り欠き部の形状を蛍光体の側面部中途から底面の略並行な面と、底面中途から側面の略並行な面とから形成する構造とした例を示す図。
【図11】切り欠き部の形状を蛍光体の側面部中途から斜めに傾斜した面から形成する構造とした例を示す図。
【図12】切り欠き部の形状を蛍光体の側面部中途から曲線的な面から形成する構造とした例を示す図。
【図13】本発明の適用対象の一つであり、医療で用いられているX線CT装置の他の構成例を示す概略図。
【符号の説明】
100…X線源、101…回転体、102…被写体、103…寝台天板、104…X線検出器、105…中央処理装置、106…表示装置、107…スライス方向、108…チャネル方向、110…X線検出素子、111…光電変換基板、112…蛍光体、113…配線基板、114…光電変換手段、115…光反射層、116…仕切り板、117…制御回路、118…信号収集回路、119…入力手段、120…切り欠き部分、121,122…配線保護層、160…接続パッド、145…パッド間接続リード、124…制御用パッド、125…固定用ねじ穴、126…信号用パッド、129…配線、130…制御線、134,136…信号線、132…グランド電極パッド、133…グランド線、151…スイッチング素子、170,171…光電変換基板111の端部、182…支持台、183…切り出し位置、184,197,198…溝、190…垂直シフトレジスタ、195…垂直方向、196…水平方向、230,231,232…接着剤。
Claims (7)
- 入力される光を電気信号に変換する複数の光電変換手段が内部に形成され、且つ、該光電変換手段の出力信号を選択的に導出するために光電変換手段に直列に接続されたスイッチング素子と該スイッチング素子がオンとなされたとき光電変換手段の出力信号および接地線信号を導出するためのパッドを備えた光電変換基板と、
該光電変換基板が上面に複数個隣接して配置され、信号を外部に導出するための配線と、上面に該配線に接続されたパッドとを備えた配線基板と、
前記光電変換基板の上面に配置され、且つ、前記複数の光電変換手段に対応して区分されたX線を光に変換する複数の蛍光体と
を備えるX線検出器であって、
前記光電変換基板上に備えられたパッドであって、隣接する他の光電変換基板のパッドに近接する端部に配置されたパッドは、複数個の光電変換基板の配置方向に前記光電変換手段に直列に接続されたスイッチング素子を介して並列接続される形で、光電変換基板の上面で接続リードにより、前記隣接する他の光電変換基板の端部に配置されたパッドと接続され、
複数個の前記光電変換基板が配置された際に、他の光電変換基板のパッドに近接しない端部に設けられたパッドと、配線基板上のパッドとが、前記複数個の光電変換基板の最端部の位置で、接続リードにより接続される
ことを特徴とするX線検出器。 - 請求項1に記載のX線検出器において、
前記光電変換基板には、前記光電変換手段に直列に接続されたスイッチング素子に時系列的に順次スイッチング素子をオンとするための読み出しパルスを付与するための手段が備えられることを特徴とするX線検出器。 - 請求項1または請求項2記載のX線検出器において、
前記光電変換基板の接地線信号導出用のパッドが光電変換基板下面に形成され、前記光電変換基板の信号導出用の端部に配置されたパッドが光電変換基板上面に形成され、前記配線基板上面に接地線信号を導出するためのパッドが形成されて前記光電変換基板の接地線信号導出用のパッドと接続され、異なる前記光電変換基板の信号導出用の端部に配置されたパッド同士が、前記接続リードによって接続されていることを特徴とするX線検出器。 - 請求項1ないし3のいずれか一つに記載のX線検出器において、
前記複数個の光電変換基板の端部に配置されたパッドが光電変換基板の上面で接続リードにより接続される位置で、前記複数の光電変換手段に対応して区分されたX線を光に変換する複数の蛍光体に切り欠きを設けて、接続リードおよびこれの保護層のスペースとしたことを特徴とするX線検出器。 - 請求項1ないし4のいずれか一つに記載のX線検出器において、
前記光電変換手段とスイッチング素子との直列回路を直列に接続すると共に、この接続点にて直列接続された光電変換手段とスイッチング素子との直列回路が共通の接地線信号と接続することを特徴とするX線検出器。 - 請求項1ないし5のいずれか一つに記載のX線検出器において、
前記複数個の光電変換基板が複数個の光電変換基板の配置方向と直角方向に複数個設けられてマトリックス状に配置されるとき、前記直角方向に複数個設けられた光電変換基板間に前記スイッチング素子に時系列的に順次スイッチング素子をオンとするための読み出しパルスを付与するための信号の渡り線となるリード線を設けると共に、このリード線に対応する位置の蛍光体に切り欠きを設けて接続リードおよびこれの保護層のスペースとしたことを特徴とするX線検出器。 - 請求項1ないし6のいずれか一つに記載のX線検出器と、該X線検出器と対向して配置されるX線を発生するX線管と、前記X線検出器とX線管との間に配置される被写体を搭載するための台とを備え、前記X線管にX線の照射を指示すると共に、前記X線検出器の電気信号を読み出す制御回路と、前記X線検出器の信号線から出力される前記電気信号を収集してデジタルデータに変換する信号収集回路と、前記デジタルデータの演算処理を行う中央処理装置と、前記演算処理の結果を表示する表示手段と、前記中央処理装置に対する入力手段とを有することを特徴とするX線CT装置。
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