JP4470643B2 - 包装容器、樹脂組成物の製造方法及び透明性に優れたリサイクル樹脂の製造方法 - Google Patents

包装容器、樹脂組成物の製造方法及び透明性に優れたリサイクル樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リサイクル性に優れた不透明包装容器及び該包装容器を用いてのリサイクル樹脂の製造方法に関するものであり、より詳細には、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのブレンド物を用いて形成された不透明包装容器及び該容器を用いてのリサイクル樹脂の製造方法に関する。
現在、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル系包装容器は、透明性、耐熱性、ガス遮断性等の特性に優れており、種々の用途に広く使用されている。
また、最近では、PETにポリエチレンナフタレート(PEN)とのブレンド物を用いて形成された包装容器も提案されている(特許文献1)。即ち、PENは、PETに比して高価であるが、ガラス転移点(Tg)が高く、PENの併用により、耐熱性、ガス遮断性等の特性が向上するというものである。また、PETとPENは、本来、非相溶であるが、溶融混練によるエステル交換反応によって、PET−PEN間での共重合成分が生成し、この結果、両者の親和性が高められ、優れた透明性を維持できるため、このようなブレンド物からなる包装容器は透明性にも優れている。
一方、近年では、資源の再利用が強く求められ、上記のようなポリエステル容器に関しても、使用済みの容器を回収し、リサイクル樹脂として種々の用途への再利用が図られている。
ところで、包装容器内に収容される内容物については、光により変質しやすいもの、例えばある種の飲料、医薬品、化粧品などは、顔料等の着色剤を樹脂に配合した樹脂組成物を用いて成形された着色容器または、不透明容器に収容されて提供される。しかるに、資源の再利用の点からは、着色剤の配合は望ましくなく(リサイクル樹脂に透明性を確保することが困難となってしまう)、このため、透明容器の使用が要求されているのが現状であり、従って、光変質性の内容物の収容に適した着色容器または、不透明性容器についてもリサイクル適性の改善が必要である。
また、上述したPETとPENとのブレンド物に関しては、特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリエチレンナフタレート系樹脂とのブレンド物であり、エステル交換率が3〜30%以内である樹脂材が提案され、かかる樹脂材を用いて成形された容器はパール光沢を有することが開示されている。
特許第2723140号 特開平11−80374号公報
即ち、上記特許文献2のパール光沢を有する容器は、PETとPENとのエステル交換率を低く抑制し、両者を非相溶の状態で分散させることにより、多重反射などによってパール状の光沢が発現するものである。
しかしながら、上記の特許文献2の容器は、可視光遮断性(不透明性)という点では、光変質性の内容物に適用されるレベルには至っていない。また、容器壁の厚みを増すことによって可視光遮断性を付与できたとしても、パール状光沢を発現させるために必要な相構造を形成させるには、高価なPEN樹脂を多量に配合する必要があり、経済性の面で適当でない。
従って、本発明の目的は、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのブレンド物を成形することにより得られ、顔料等の着色剤を含有することなく、配合したPENの量に対して効率のよい可視光遮断性を有し、しかもリサイクル適性に優れた包装容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記包装容器の製造に用いる樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記包装容器を用いてリサイクル樹脂を製造する方法を提供することにある。
本発明によれば、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのブレンド物層を器壁構成層として有する包装容器であって、該容器の未延伸部分では、前記ブレンド物層が、テレフタレート系ポリエステル樹脂の連続相とナフタレート系ポリエステル樹脂の不連続相とからなる海島構造を有し、且つ長径が0.4乃至10μmの大きさの不連続相の存在割合が50乃至100%の範囲にあるとともに、該容器胴部のヘイズが40%以上であることを特徴とする包装容器が提供される。
上記の包装容器においては、
(1)前記ブレンド物層は、前記テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのエステル交換率が20%以下であること、
(2)400乃至520nmの可視光線透過率が、胴部において30%以下であること、
が好ましい。
本発明によれば、100重量部のテレフタレート系ポリエステル樹脂と、該テレフタレート系ポリエステル樹脂に対して5倍以上の溶融粘度を有するナフタレート系ポリエステル樹脂0.01乃至50重量部とを、270乃至300℃の温度でエステル交換率が20%を超えないように溶融混練することを特徴とする可視光遮断性に優れた樹脂組成物の製造方法が提供される。
このようにして得られる樹脂組成物を用いて上記の包装容器を製造することができる。尚、溶融粘度は、何れも各溶融混練温度(270〜300℃)、せん断速度91.2sec-1における値である。
本発明の包装容器は、PETに代表されるテレフタレート系ポリエステル樹脂と、PENに代表されるナフタレート系ポリエステル樹脂とのブレンド物からなる層を器壁中に有するものであるが、かかるブレンド物層に一定の海島分散構造を形成させることによって、顔料等の着色剤を配合することなく、ヘイズが40%以上と極めて高く、可視光遮断性を有し、しかもリサイクル適性に優れた容器としたものである。
添付図面の図1及び図2を参照されたい。図1は、エステル交換反応が行われていない状態でのPETとPENとのブレンド物において、PENの組成とヘイズ(Haze)との関係を概念的に示す図であり、図2は、本発明の包装容器における未延伸部でのブレンド物層の分散構造を示す図である。
図1から理解されるように、PENの含有割合が増大するにつれて、ヘイズは増大し、可視光遮断性が高まるが、ある量を越えるとヘイズは低下し、可視光遮断性が低下する(即ち透明性が高まる)。即ち、PENが一定量以下の状態では、PETをマトリックス(連続相)とし、PENを島(不連続相)とする海島分散構造が形成されるが、このような海島分散構造では、不連続相の大きさが可視光の波長サイズに近くづくほどヘイズが増大するものと考えられる。一方、PENが増大するにしたがい、上記のような海島分散構造からPETの連続相乃至不連続相とPENの連続相乃至不連続相とが混在する分散構造となり、さらにPENが増大すると、PETの連続相とPENの連続相とが絡み合った相互網目分散構造となり、ヘイズは低下していく。即ち、分散構造が混在領域から相互網目構造になると、分散構造が可視光波長サイズを超えることによって光の散乱効果が低下し、パール光沢の発現とともに、透明性が次第に高くなってしまうものと考えられる。
しかるに、本発明では、図1中の○で囲った領域に分散構造を調整しているため、顔料等の着色剤の配合なしに、高いヘイズが確保されているのである。即ち、本発明の包装容器では、未延伸部において、図2に示すように、ブレンド物層がテレフタレート系ポリエステル樹脂の連続相Aと、ナフタレート系ポリエステル樹脂の不連続相Bとからなる海島構造を有しており、且つ長径が0.4乃至10μmの大きさの不連続相Bの存在割合が50乃至100%の範囲にある。このような海島分散構造により、容器胴部のヘイズは40%以上となり、極めて高い可視光遮断性を得ることができ、可視光に対する変質性の内容物用の容器として有効に適用することができるのである。なお、本発明において可視光遮断効果を最大限に得るためには、不連続相Bの存在割合が95%以上、特に100%であることが好ましい。
尚、上記のような海島分散構造は、容器の未延伸部を切断し、その切断面を顕微鏡観察し、所定の大きさの不連続相が単位面積当りに存在する数割合を求めることにより算出される。
また、容器の未延伸部とは、容器の首部或いは底部中心部分を意味し、このような部分で海島分散構造を特定しているのは、容器胴部では、延伸されているため、不連続の大きさ等を正確に測定することが困難となっているためである。
また、上記のような可視光遮断性を有する本発明の包装容器は、顔料等の着色剤を使用していないため、リサイクル適正に優れており、容易に透明性を有するリサイクル樹脂を製造できるという利点を有している。即ち、上述した海島分散構造を形成するために、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのエステル交換率は20%以下に抑制されている。エステル交換率が高いと、両ポリエステル樹脂の相溶性が増大し、上記のような海島分散構造を形成し難くなくなると同時に、海島分散構造を形成したとしても相界面が不明瞭になり、可視光透過率が増大してしまうからである。従って、本発明の包装容器を用いてリサイクル樹脂を製造するには、この包装容器を粉砕し、溶融押出によってエステル交換率を高めればよく、これにより、容易に透明化を図ることができる。しかも、前述した図1から明らかなように、本発明の包装容器における海島分散構造は、最も混在領域或いは相互網目構造に近い領域に存在しており、ナフタレート系ポリエステル樹脂単位重量あたりのテレフタレート系ポリエステル樹脂との界面積が大きく、従って、両者のエステル交換反応が速やかに進行し、迅速に透明化を図ることができる。
[原料樹脂組成物の製造]
本発明の包装容器の製造に用いる原料樹脂組成物としては、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのブレンド物が使用される。
1.テレフタレート系ポリエステル樹脂
テレフタレート系ポリエステル樹脂は、テレフタル酸を主体とする二塩基性カルボン酸単位を含むポリエステル樹脂であり、特にエステル反復単位の大部分、好適には80モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるエチレンテレフタレート系結晶性ポリエステルが望ましく、また、そのガラス転移点(Tg)が50乃至90℃で、融点(Tm)が220乃至260℃の範囲にあるものが好適であり、その固有粘度(IV)は、一般に、0.4乃至1.5、特に0.6乃至1.0の範囲にあるのがよい。特に耐熱性の点でホモポリエチレンテレフタレートが好適であるが、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位を少量含有する共重合ポリエステルも好適に使用し得る。尚、ポリエステルが結晶性であるか否かは、示差熱分析において、明確な結晶融解ピークを示すことにより確認できる。
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、オルソフタル酸、Pp−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの少なくとも1種を例示することができる。さらに、ピロメリット酸やトリメリット酸、3,4,3',4’−ビフェニルテトラカルボン酸乃至その無水物の如き、多塩基性のカルボン酸も使用することができる。
ジオール成分としては、エチレングリコールのみを使用することが好ましいが、エチレンテレフタレート系結晶性ポリエステルの耐熱性等の優れた特性が損なわれない範囲で、他のジオール成分、例えば、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の少なくとも1種が併用されていてもよい。また、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール成分を併用することもできる。
2.ナフタレート系ポリエステル樹脂
ナフタレート系ポリエステル樹脂は、エチレン−2,6−ジカルボン酸を主体とする二塩基性カルボン酸単位を含むポリエステル樹脂であり、特にエステル反復単位の大部分、好適には80モル%以上をエチレンナフタレート単位が占めるエチレンナフタレート系結晶性ポリエステルが望ましく、また、そのガラス転移点(Tg)が100乃至140℃で、融点(Tm)が240乃至300℃の範囲にあるものが好適であり、その固有粘度(IV)は、一般に、0.3乃至1.0、特に0.4乃至0.68の範囲にあるのがよい。特に耐熱性の点でホモポリエチレンナフタレートが好適であるが、エチレンナフタレート単位以外のエステル単位を少量含有する共重合ポリエステルも好適に使用し得る。
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸以外の二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、Pp−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ナフタレン2,7−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの少なくとも1種を例示することができる。さらに、ピロメリット酸やトリメリット酸、3,4,3',4’−ビフェニルテトラカルボン酸乃至その無水物の如き、多塩基性のカルボン酸も使用することができる。
ジオール成分としては、エチレングリコールのみを使用することが好ましいが、エチレンナフタレート系結晶性ポリエステルの優れた特性(例えば高ガラス転移点など)が損なわれない範囲で、他のジオール成分、例えば、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の少なくとも1種が併用されていてもよい。また、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール成分を併用することもできる。
[溶融混練]
本発明においては、上記のテレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とを溶融混練することにより、目的とするブレンド物を製造するが、前述した図1及び図2に示すような海島分散構造を形成するために、
(1)混合比率
(2)溶融混練温度での溶融粘度比
(3)エステル交換率の抑制
を考慮することが必要である。
(1)の混合比率について述べると、テレフタレート系ポリエステル樹脂100重量部当り、ナフタレート系ポリエステル樹脂を0.01乃至50重量部、特に1乃至20重量部の量で使用する。ナフタレート系ポリエステル樹脂の量が上記範囲外では、海島分散構造が図1の○で囲った領域とならず、ヘイズの高い可視光遮断性に優れた容器を得ることができなくなってしまう。
(2)の溶融粘度比に関しては、溶融混練温度において、テレフタレート系ポリエステル樹脂の溶融粘度(ηa)に対してナフタレート系ポリエステル樹脂の溶融粘度(ηb)が5倍以上、特に6乃至15倍となるように、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とを選択して組み合わせることが必要である。即ち、前記(1)のように、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂との量比を調整すると同時に、テレフタレート系ポリエステル樹脂に比して溶融粘度の高いナフタレート系ポリエステル樹脂を選択することにより、テレフタレート系樹脂をマトリックス(連続相)とし、ナフタレート系ポリエステル樹脂を島(負連続相)とする図2に示すような分散構造を形成することができる。例えば、両者の溶融粘度が非常に近似している場合には、図1において混在領域として示されている分散構造、さらには相互網目構造となってしまい、ヘイズの低下を生じてしまう。
(3)のエステル交換率に関して述べると、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのエステル交換率が20%以下、好ましくは12%以下となるように、溶融混練を行うことが必要である。即ち、この溶融混練によって、エステル交換反応が促進されてしまうと、両ポリエステル樹脂の相溶性が向上するため、やはり図1、図2に示すような海島分散構造が形成されず、ヘイズが低下し、むしろ透明性が高められてしまうからである。またエステル交換率を上記範囲内に抑制するためには、溶融混練温度を270乃至300℃の範囲とし、その溶融混練温度に応じて、混練時間を制御することが必要である。例えば溶融混練温度が上記範囲よりも高いと、エステル交換率が上記範囲を超えてしまうおそれがあり、また溶融混練温度が上記範囲よりも低いと、混練を有効に行うことが困難となってしまう。また、溶融混練時間が長いほど、エステル交換率が上昇するので、溶融混練時間を、溶融混練温度に応じて短時間とすべきである。
尚、エステル交換率は、例えば後述する実施例で示されているように、NMR装置を使用し、ナフタレート系ポリエステル樹脂に由来するエチレングリコールプロトン、テレフタレート系ポリエステル樹脂に由来するエチレングリコールプロトン、及びエステル交換成分由来のエチレングリコールプロトンを測定することにより算出することができる。
上述した溶融混練は、両ポリエステル樹脂をブレンダーやヘンシェルミキサー等を用いて乾式混合(ドライブレンド)を行った後、例えば押出機や射出機用混練装置を用いて行うことができる。射出機用混練装置を用いる場合には、エステル交換率が増大しないように射出サイクルを調節することが必要である。
尚、上記のようにして調製される容器形成用樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、充填材、滑剤などを配合することができるが、リサイクル適性の点では、このような配合剤、特に無機粉末系の配合剤は添加しない方が望ましい。
[包装容器の成形]
上述した樹脂組成物(以下、ポリエステルブレンドと呼ぶことがある)を用いて得られる本発明の容器は、このポリエステルブレンド物のプリフォームを二軸延伸ブロー成形し、必要により熱固定することにより製造される。
延伸ブロー成形に使用するプリフォームは、それ自体公知の任意の成形手段、例えば射出成形法等で製造される。例えば、溶融ポリエステルを射出し、最終容器に対応する口部を備えた有底プリフォームを非晶質の状態で製造する。また、例えば圧縮成形によっても製造される。例えば溶融ポリエステルを一定の溶融樹脂塊に押し出し、これを金型で圧縮成形することによって最終容器に対応する口部を備えた有底プリフォームを非晶質の状態で製造する。
射出成形では、前記ポリエステルブレンドを冷却された射出型中に溶融射出するが、射出機としては、射出プランジャーまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルブレンドを射出型中に射出する。これにより、ポリエステルブレンドは、射出型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用の非晶質状態のプリフォームとなる。射出型としては、容器の首形状に対応するキャビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或いはマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出圧力は、通常、100乃至1500kg/cm程度でよく、また射出温度は、前述した溶融混練温度と同様、270〜300℃とし、射出サイクルは、エステル交換率が20%を越えないように設定する。
プリフォームからの延伸ブロー成形には、一旦過冷却状態のプリフォームを製造し、このプリフォームを延伸温度に加熱して延伸成形を行う方法(コールドパリソン法)や、成形されるプリフォームに与えられた熱、即ち余熱を利用して、予備成形に続いて延伸成形を行う方法(ホットパリソン法)等が採用されるが、前者の方法が好適である。
上記で得られるプリフォームの延伸ブロー成形は、このプリフォームを、90乃至140℃の延伸温度に加熱し、二軸延伸ブロー成形することにより、本発明の包装容器、例えばボトルが得られる。延伸温度が上記範囲よりも低いときには円滑な延伸成形操作を行うことが困難となって、ミクロボイド等の発生が著しくなり、一方上記範囲よりも高い場合には延伸時に偏肉が生じたり、また、胴部の熱結晶化による白化が生じるようになる。この意味で、延伸のための加熱温度は上記範囲にあるべきである。
この容器の形状を図3に示した。即ち、図3において、全体として1で示す容器(ボトル)は、未延伸のノズル部(口部)2、円錐台形状の肩部3、筒状の胴部4、及び胴部4を閉じている底部5から形成されている。底部5の中心も、通常、口部2と同様、未延伸部となっている。
尚、ボトル等への二軸延伸ブロー成形は、一段法でも二段法でも行うことができる。先ず、延伸温度にあるプリフォームを、ブロー成形金型内で、或いはブロー成形金型を用いること無しに、軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体吹き込みにより周方向に膨張延伸する。延伸倍率は、面積延伸倍率(容器外表面積/プリフォーム外表面積基準)を4乃至20倍、特に8乃至20倍とするのがよく、一般に、胴部4の厚みは50乃至5000μm程度の範囲とする。
また、比較的低い温度で上記の高延伸を可能にするために、周方向の延伸速度を350%/sec以上として、内部摩擦発熱を利用することも有効である。尚、高圧気体の吹き込みによるブローに先立って、圧力の低い流体によってプリブローを行う場合には、このプリブローによる延伸後のものを基準として、延伸速度を定めるものとする。
さらに、高速延伸を可能にするために、用いる加圧流体の圧力は可及的に高いことが好ましく、最終容器の容量やプリフォームの厚みによっても相違するが、一般に用いる気体の初期圧力は、30kg/cm以上、特に35乃至60kg/cmの範囲内にあることが好ましい。また、プリフォーム内に印加される圧力は成形の途中で一様でなくてもよい。加圧用流体としては、未加熱の空気或いは不活性気体でも、或いは加熱された空気或いは不活性気体でも使用し得る。
また、耐熱ボトルや耐熱圧ボトルの場合には、容器口部2の耐熱性、剛性を向上させるために、熱結晶化させることが重要である。容器口部2の熱結晶化は、例えば密度が1.34g/cm以上となる程度に行われ、ボトルに成形した後に行うこともできるが、一般に、延伸ブローに先立って、プリフォームの予備加熱前、予備加熱中、或いは予備加熱後に行うことが好ましい。
口部2の熱結晶化の程度は、前述した密度を与えるためのものであり、熱結晶化の条件としては、150乃至200℃の温度で、40乃至200秒間加熱を行うことが好ましい。熱源としては、赤外線放射体が特に適している。
また、耐熱ボトルや耐熱圧ボトルの場合には、容器胴部4の耐熱性、耐クリープ性を向上させるために、配向結晶化させることが重要であり、この目的のために、ボトル成形の何れかの段階で熱固定を行う。配向結晶化の程度は、胴部4の密度が1.35g/cm以上となるようなものである。
一段法の場合、ブロー成形金型を120乃至180℃の温度に維持し、成形されつつあるボトルを高温の金型と接触させることにより、熱固定を行う。処理時間は、1乃至10秒間程度が適当である。
二段法の場合、特に、結晶化の程度に応じて加熱条件を設定することが重要であるため、加熱手段により加熱条件が大きく異なることがある。例えば、赤外線放射体による場合、第1段目の延伸ブロー成形で得られた成形品を、一般に130乃至200℃の温度に10秒間保持して、例えば、オーブン等の熱風による場合、この温度範囲で数分〜1時間程度保持して、歪みの除去と熱固定を行う。この熱処理段階で、成形品は収縮するが、熱処理後の成形品を最終ブロー金型に入れ、ブロー成形することにより、最終ボトルとする。この熱処理段階で、成形品の過度の熱変形を防止するために、成形品内部に気体を封じ込めておくことができるし、また、過度の熱変形が抑制されるような熱処理条件では、成形品内部を大気圧にしておいてもよい。更に、一段目のブロー成形に、フリーブローを用いると、金型を1個使用すればよく、底部5の延伸も効率よく行うことができる。
[包装容器]
かくして得られる本発明の包装容器は、前述したポリエステルブレンドからなるブレンド物層により容器壁が形成されており、未延伸部(例えば容器口部2或いは底部5の中心部分)でみると、図2に示すような海島分散構造を確認することができる。即ち、かかる海島分散構造では、テレフタレート系ポリエステル樹脂を連続相Aとし、ナフタレート系ポリエステル樹脂を不連続相Bとし、長径が0.4乃至10μmの大きさの不連続相Bの存在割合が50乃至100%、好ましくは95乃至100%の範囲にある。このような海島分散構造のブレンド物層が延伸されている容器胴部4でのヘイズは40%以上、特に60%以上となっており、極めて高い可視光遮断性を示す。例えば、かかる胴部4において、400乃至520nmの可視光線透過率は30%以下、特に20%以下となっており、可視光に対する変質性の内容物用の容器として有効に適用することができるのである。
尚、上述した本発明の包装容器の製造条件等は、ポリエステルブレンドからなるブレンド物層が単層で容器壁を構成している場合を例にとって説明したが、容器壁を、このようなブレンド物層とガスバリア層や耐湿樹脂性層との積層構造とすることも勿論可能である。かかる積層構造の容器においても、ブレンド物層が高い可視光遮断性を示すため、容器胴部4でのヘイズや可視光線透過率は、上記範囲内となっている。(尚、リサイクル適性の点では、容器壁は、前述したポリエステルブレンドの単層であることが最も好ましい。)
上記のガスバリア層形成用樹脂としては、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合体やポリアミド樹脂を例示することができる。ポリアミド樹脂には、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、キシリレン基含有ポリアミドなどがあるが、ガスバリア性の点ではキシリレン基含有ポリアミド、具体的には、メタキシリレンジアミンやメタキシリレンジアミンに少量のパラキシリレンジアミンを加えたキシリレンジアミン成分と、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分とを反応させたポリアミドが好適である。さらに、これらのガスバリア層形成用樹脂に酸素補足性能を付与するために酸素吸収性成分を添加することもできる。また、耐湿性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィンや先述のポリエステルなどを挙げることができ。このようなガスバリア層形成樹脂層や耐湿性樹脂層は、その機能に応じて、容器の外表面、内表面或いは器壁の中間層となる位置に適宜設けることができる。また、このような積層構造の容器は、対応する積層構造のプリフォームを共射出や共圧縮によって成形し、上記と同様に二軸延伸ブロー成形を行うことにより製造される。
[リサイクル樹脂の製造]
本発明によれば、上述した容器(例えば使用済み容器)を粉砕し、エステル交換率が12%以上、特に15%以上となるように、押出機等を用いて溶融押出してペレット化することにより、透明性に優れたリサイクル樹脂を得ることができる。即ち、このリサイクル樹脂では、前述したポリエステルブレンドのエステル交換反応が促進され、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とが相溶化しているため、極めて透明性に優れ、例えばこのリサイクル樹脂ペレットを用いて射出成形機にて設定温度290℃で3mm厚みのシートを成形したとき、このシートのヘイズは5%以下、特に3%以下であり、透明性が極めて高い。
尚、エステル交換率を上記範囲に高めるためには、先にも述べたように、溶融押出温度や滞留時間に関わる因子、例えばスクリュ回転数や吐出量等の押出条件を調整すればよく、押出温度が高いほど短時間でエステル交換率を高めることができ、例えば押出温度(押出機内のバレル温度)を270℃以上、特に280乃至300℃程度に設定するのがよい。また、前述した本発明の包装容器では、ブレンド物層の海島分散構造が、テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂との混在領域に極めて近い領域に設定されているため(図1参照)、両ポリエステル樹脂の界面面積が大きく、従って両ポリエステル樹脂の接触頻度が高く、迅速にエステル交換反応を促進させることができる。
かくして容器器壁中にエステル交換率が所定の範囲に抑制されたブレンド物層を有する不透明性の本発明の容器を用いることにより、容易に透明性の良好なリサイクル樹脂を得ることができ、かかるリサイクル樹脂は、優れた透明性を有しているため、商品価値を低下させることなく、幅広い用途に適用できる。
1.材料
テレフタレート系ポリエステル樹脂として、HomoPET樹脂[RT543CTHP:日本ユニペット(株)]を、ナフタレート系ポリエステル樹脂として3種類のHomoPEN樹脂[(TN8065S:帝人化成(株)、PN510:東洋紡績(株)、FS005:三菱化学(株)]を用いた。これらの樹脂はペレット形状であり、成形及び測定前には、PET樹脂は150℃4時間、PEN樹脂は160℃5時間の乾燥処理を行った。
2.延伸ブローボトルの成形
上記樹脂ペレットを所定の割合でドライブレンドしたものを射出成形機(NN75JS:(株)新潟鐵工所)のホッパーへ供給し、所定のバレル設定温度、及びサイクルタイムにて射出成形して、口径28mmのボトル用プリフォームを成形した。その後、このプリフォームを赤外線ヒーターにて表面温度100〜130℃に加熱し、金型内で二軸延伸ブローして容量500mlの延伸ブローボトルを成形した。金型温度は室温(25℃)とした。
3.測定
(1)固有粘度(IV)
測定溶媒20mlに上記樹脂試料200mgを加え、130℃加熱下10分間撹拌して溶解した。測定溶媒は、PETについてはフェノール:1,1,2,2-テトラクロロエタン=1:1(重量比)の混合溶媒、PENについてはp-クロロフェノール:1,1,2,2-テトラクロロエタン=3:1(重量比)の混合溶媒を用いた。その後、30℃恒温水槽中でウベローデ型粘度管を用い流下時間を測定し、IV(固有粘度)を以下の式を用い算出した。
ηrel(相対粘度)=T/T0
ηsp(比粘度)=ηrel-1
[η](固有粘度)={-1+(1+4・k・ηsp)1/2}/(2・k・c)
T:測定溶液の流下時間(sec) T0: ブランクの流下時間(sec)
k:ハギンス定数(PET 0.33, PEN 0.44) c:溶液濃度(g/dl)
(2)溶融粘度
上記樹脂試料の溶融粘度は、キャピログラフ[東洋精機(株)]を用いて測定した。設定温度は280〜300℃、ピストン速度は0.5〜500mm/min、キャピラリーはL/D=10/1を用いた。尚、表に記載した溶融粘度は、何れも各成形温度、せん断速度91.2sec-1における値である。
(3)Haze
成形した延伸ブローボトルの胴部中央を切り出し、カラーコンピュータ[SM-4:スガ試験器(株)]を用いて測定した。測定値は、任意の3点の平均値をとった。
(4)400乃至520nmの可視光線平均透過率
成形した延伸ブローボトルの胴部中央を切り出し、分光光度計[UV3100PC :(株)島津製作所]を用い、透過光スペクトルを測定した。400〜520nmの波長範囲を0.5nmステップでスキャンし各波長での透過率を測定し、これらの平均値を算出した。
(5)エステル交換率
成形した延伸ブローボトルのネックリング下を切り出し、重トリフルオロ酢酸:重クロロホルム=1:1(体積比)混合溶媒に溶解し、1HNMRスペクトルをNMR装置[EX270:日本電子データム(株)]にて測定した。得られたスペクトルのうち、エチレングリコール部位のプロトン数に相当するピークの積分値から以下の式を用いエステル交換率を算出した。このとき、ピークトップが4.8ppm付近をPET由来、4.9ppm付近をPEN由来、4.85ppm付近をエステル交換反応由来と帰属した。また、ピークが重複した場合には、波形分離プログラム[NM-GXCFT:
日本電子データム(株)]を用いピーク分離処理した。また、100%エステル交換が進行した際の組成分布は、ベルヌーイ統計に基づくランダム共重合体と仮定した。
NEN:PEN由来ピーク積分値
TET:PET由来ピーク積分値
TEN:PET由来ピーク積分値
Lobs=TEN/(TET+TEN+NEN)…エステル交換由来プロトン存在比の測定値
N =(NEN+TEN/2)/(TET+TEN+NEN)…PEN含率の測定値
Lcal=2N(1-N)…100%エステル交換が進行した際のエステル交換由来プロトン存在比の計算値
TE =(Lobs/Lcal)×100…エステル交換率(%)
(6)相構造の観察
成形した延伸ブローボトルの未延伸部であるネックリング下を切り出し、ガラスナイフを装着したミクロトーム[REICHERT ULTRACUTS:ライカ社]を用い、液体窒素冷却下、1.0mm/secの切削速度にて、厚み5μmの観察用試料を切削した。このとき、観察面はボトル接地面と水平方向となるようにした。この切削片をスライドガラス上に置き、浸液に浸し、カバーガラスをかけ顕微鏡観察に供じた。相構造の観察は、透過光顕微鏡にて1000倍まで拡大して行った。また、長径0.4〜10μmの不連続相の存在数割合は、1000倍拡大写真(観察範囲88×70μm)から下式を用い算出した。ここで、不連続相は写真目視にて明らかに連続相に囲まれていることが確認できる状態のものとした。
ドメイン存在数割合(%)=長径0.4〜10μmの不連続相の存在数/不連続相の全存在数×100
(実施例1)
テレフタレート系ポリエステル樹脂として、IVが0.75のHomoPET樹脂[RT543CTHP:日本ユニペット(株)]100重量部に対して、ナフタレート系ポリエステル樹脂としてIVが0.77のHomoPEN樹脂[TN8065S:帝人化成(株)]3.1重量部(PET:PEN=97:3重量比)をドライブレンドして射出成形機ホッパーに供給し、設定温度280℃、サイクルタイム30secの条件で口径28mmのボトル用プリフォームを成形した。プリフォーム外観は、乳白色を呈していた。
さらに、このプリフォームを二軸延伸ブローして容量500ml、胴部中央部肉厚0.15mmの延伸ブローボトルを成形したところ、ボトル外観は、乳白色を呈していた。
(実施例2)
ナフタレート系ポリエステル樹脂を5.3重量部(PET:PEN=95:5重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観及びボトル外観は乳白色を呈していた。
(実施例3)
ナフタレート系ポリエステル樹脂を11.1重量部(PET:PEN=90:10重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観及びボトル外観は乳白色を呈していた。
(実施例4)
ナフタレート系ポリエステル樹脂を17.6重量部(PET:PEN=85:15重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観及びボトル外観は乳白色を呈していた。
(実施例5)
ナフタレート系ポリエステル樹脂を42.9重量部(PET:PEN=70:30重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観及びボトル外観は乳白色を呈していた。
(実施例6)
プリフォームとして、延伸ブローボトルの状態で胴部中央部肉厚が0.3mmとなるように肉厚設定されたプリフォームを用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観及びボトル外観は乳白色を呈していた。
(実施例7)
プリフォームとして、延伸ブローボトルの状態で胴部中央部肉厚が0.3mmとなるように肉厚設定されたプリフォームを用いた以外は、実施例2と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観は乳白色、ボトル外観は、乳白色を呈していた。
(実施例8)
プリフォームとして、延伸ブローボトルの状態で胴部中央部肉厚が0.3mmとなるように肉厚設定がされたプリフォームを用いた以外、実施例3と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観及びボトル外観は乳白色を呈していた。
(比較例1)
ナフタレート系ポリエステル樹脂を100重量部(PET:PEN=50:50重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観は入射光角度により輝度が変化するパール光沢を示し、ボトル外観は乳白色を呈していた。
(比較例2)
ナフタレート系ポリエステル樹脂として、IVが0.59のHomoPEN樹脂[PN510:東洋紡績(株)]を42.9重量部(PET:PEN=70:30重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観、ボトル外観ともにほぼ透明であった。
(比較例3)
ナフタレート系ポリエステル樹脂として、IVが0.55のHomoPEN樹脂[FS005:三菱化学(株)]を42.9重量部(PET:PEN=70:30重量比)用いた以外は、実施例1と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観、ボトル外観ともにほぼ透明であった。
(比較例4)
射出成形の条件を、設定温度300℃、サイクルタイム30secとした以外は、実施例3と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観、ボトル外観ともにほぼ透明であった。
(比較例5)
射出成形の条件を、設定温度300℃、サイクルタイム60secとした以外は、実施例3と同様にプリフォーム及び延伸ブローボトルを成形したところ、プリフォーム外観、ボトル外観ともにほぼ透明であった。
上述した実施例及び比較例における材料特性、成形条件及び混合比を表1に、また、測定結果を表2に示す。
Figure 0004470643
Figure 0004470643
[リサイクル樹脂ペレット]
実施例1乃至9で作成した延伸ブローボトルの各々をプラスチック粉砕器[(株)ホーライ]で粉砕してフレーク化した。メッシュサイズは8mm径のものを用いた。このフレークを真空ベント式二軸押出機[TEM35B:東芝機械(株)]によりストランド形状に溶融押出し、冷却水槽、冷却コンベア、カッターからなる造粒設備を用い、非晶状態のリサイクル樹脂ペレットを得た後、ペレットのエステル交換率を測定した。
次いで、このペレットを撹拌式真空乾燥機[45MV型加熱式:ダルトン(株)]にて150℃真空下で4時間加熱乾燥、結晶化処理を行った後、シート金型を装備した射出成形機ホッパーに供給し、設定温度290℃、サイクルタイム30secの条件で3mmの厚みシートの成形を行った。
その結果、ペレットの状態でエステル交換率が12%以上となるように押出成形条件を設定すると、ペレットが透明であり、得られた射出成形シートのHazeは5%以下となり透明であった。これに対して、エステル交換率が12%未満となるように押出成形条件を設定すると、ペレットが白色であり、得られたシートが白濁していた。
例示的には、実施例3で作成した延伸ブローボトルを、プラスチック粉砕器で粉砕してフレーク化した後、二軸押出成形条件を、スクリーンメッシュ#100、真空度1.3×10−4MPa(1Torr)、押出機回転数100rpm、設定温度290℃、吐出量5kg/hourとした場合、非晶状態のリサイクル樹脂ペレットは透明でエステル交換率は13.3%であり、また、このペレットから上記方法で成形して得られたシートのHazeは2.2%であった。
一方、二軸押出成形の条件において、押出機回転数を50rpm、設定温度を280℃、吐出量を15kg/hourとした場合、非晶状態のリサイクル樹脂ペレットは白色でエステル交換率は3.1%であり、また、このペレットから上記方法で成形して得られたシートのHazeは22.5%で白濁する。
エステル交換反応が行われていない状態でのPETとPENとのブレンド物において、PENの組成とヘイズ(Haze)との関係を概念的に示す図である。 本発明の包装容器における未延伸部でのブレンド物層の分散構造を示す図である。 本発明の包装容器の形状の一例を示す図である。
符号の説明
1:容器(ボトル)
2:容器首部(口部)
3:肩部
4:胴部
5:底部

Claims (4)

  1. テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのブレンド物層を器壁構成層として有する包装容器であって、該容器の未延伸部分では、前記ブレンド物層が、テレフタレート系ポリエステル樹脂の連続相とナフタレート系ポリエステル樹脂の不連続相とからなる海島構造を有し、且つ長径が0.4乃至10μmの大きさの不連続相の存在割合が50乃至100%の範囲にあるとともに、該容器胴部のヘイズが40%以上であることを特徴とする包装容器。
  2. 前記ブレンド物層は、前記テレフタレート系ポリエステル樹脂とナフタレート系ポリエステル樹脂とのエステル交換率が20%以下である請求項1に記載の包装容器。
  3. 400乃至520nmの可視光線透過率が、胴部において30%以下である請求項1または2に記載の包装容器。
  4. 100重量部のテレフタレート系ポリエステル樹脂と、該テレフタレート系ポリエステル樹脂に対して5倍以上の溶融粘度を有するナフタレート系ポリエステル樹脂0.01乃至50重量部とを、270乃至300℃の温度でエステル交換率が20%を超えないように溶融混練することを特徴とする可視光遮断性に優れた樹脂組成物の製造方法。
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