JP4467287B2 - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池素子およびその製造方法に関し、特に銀を主成分とする電極を有する太陽電池素子およびその製造方法に関する。
従来の太陽電池の断面図を図2に示す。図2において1は半導体基板、2は拡散層、3は反射防止膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極、7は半田層を示す。
例えばp型シリコンの半導体基板1の表面側には、リン(P)などを拡散して形成されたn型の拡散層2と窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜3が形成される。また、シリコン基板1の裏面側には例えばアルミニウムなどを拡散して形成させた高濃度p型のBSF層4を有する。
さらに、半導体基板1の表裏両面にはそれぞれ出力を取り出すための表面電極5および裏面電極6が形成される。その形成法としては一般的に低コスト化のため、銀粉末と有機ビヒクルおよびガラスフリットを含むペーストを半導体基板1の表面に印刷し、600〜800℃で1〜30分程度焼成することによって焼き付けられる。電極ペースト中のガラスフリットは、電極ペースト中の金属成分の焼結を促進させるとともに、基板材料のシリコンと共融状態を作って密着強度を向上させる。この表面電極5を形成する際、前記反射防止膜3の電極形成部を除去して、この部分に表面電極5を焼き付けて形成する場合と、反射防止膜の電極形成部の除去を行わずに、反射防止膜の上から直接表面電極5を焼き付けて形成する場合とがある。この後、金属ペースト中のバインダーあるいはガラスフリットなどを取り除いて、電気伝導性を向上させるために酸処理を行い、そして表面電極5および裏面電極6の表面を、後工程で太陽電池素子同士を接続するためにインナーリード(不図示)と接続しやすくするため、また太陽電池素子の長期信頼性を確保するために半田層7で被覆する。(例えば特許文献1参照)従来、このような半田層7としては、Sn−Pbの共晶半田が用いられていた。
図2に示すような太陽電池素子は、一導電型の半導体基板1の表面側に逆導電型不純物を均一に拡散することにより拡散層2が形成されている。太陽光が照射されて半導体基板1の内部に発生した電子−正孔対はp型の半導体基板1と拡散層2の界面である接合の電界によってn型領域とp型領域に分離される。これを両面の電極5、6から取り出すことで電力を得ることができる。
しかし、光照射によって半導体基板1の内部で発生した電子と正孔は拡散層2の表面で一部が再結合してしまう。したがって、太陽電池素子の変換効率を向上させるためにはこの表面再結合を低減することが重要である。表面再結合を低減させるためには表面の不純物濃度が低い方がよい。
しかし、表面電極5と拡散層2の接触部分で不純物濃度が低い場合、接触抵抗が増大して太陽電池の変換効率が低下してしまう。また、表面電極5の突抜けによるリーク電流の増大を防ぐためにも表面電極5の下部の拡散層2は深い、即ち高濃度の方が好ましい。
これらの相反する条件を満足する方法として、表面電極5の下部に当たる部分に高濃度拡散層を形成し、それ以外の受光領域を低濃度とする選択的不純物拡散法が考案されている(例えば非特許文献1参照)。
図3はこのような選択的不純物拡散による太陽電池素子の製造方法の一実施例を説明するための図である。図3において、1は半導体基板、2は第一の拡散層、3は反射防止膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極、8は不純物元素を含む酸化膜、9は第二の拡散層、10はレジストを示す。
例えばp型の半導体基板1を用意する(a)。次に、半導体基板1をPOClなどの拡散源を用いて酸素を流しながら加熱することにより、半導体基板1の表面にリンの不純物元素を含む酸化膜8が形成されるとともに、その酸化膜8からリンが拡散されて半導体基板1の表面に第一の拡散層2が形成される(b)。表面電極の形成予定位置領域に耐薬品性のあるレジスト10を塗布し(c)、エッチングしてレジスト10を塗布した以外の部分の第一の拡散層2を除去する(d)。レジスト10および酸化膜8を除去してから(e)、表面に第二の拡散層9を形成する(f)。表面には反射防止膜3を形成するとともに、裏面には例えばアルミニウムなどを拡散させてBSF層4を形成する(g)。その後、表面電極5および裏面電極6を形成し(h)選択的不純物拡散による太陽電池素子が完成する。
特開2002−111016号公報 特開2001−313400号公報 特開昭62−49676号公報 特開昭59−168667号公報 特開2000−138385号公報 特開平9−213979号公報 Jianhua Zhao,etc."22.3% EFFICIENT SILICON SOLAR CELL MODULE"25th Photovoltaic Specialists Conf.(1996) P.1203-1206
この従来の太陽電池素子では、反射防止膜の電極形成部を除去して、この部分に電極を焼き付けて形成する場合、工程が多いため作業が煩雑となり、たとえば反射防止膜の電極形成部にペースト状の電極材料を印刷する際には、厳密な位置合わせが必要となり、位置ずれなどが生じると歩留まりを低下させる要因になる。
一方、反射防止膜の上から直接電極材料を焼き付ける場合、焼成による高温状態で反射防止膜材料を溶融させて、電極材料とシリコン基板とを接触させるため、安定したオーミック接触が得られなかったり、電極材料が拡散層を貫通してpn接合面を破壊し、リーク電流の増大が見られた。
また、選択的不純物拡散法により、表面電極の下部に高濃度拡散領域を形成する場合、高コストとなり、また太陽電池素子の製造工程が煩雑であるという問題がある。
また、表面電極5と裏面電極6を焼き付けた後に酸処理を行うことから、電気伝導性が向上して素子の特性が著しく向上するようになるが、その後空気中に放置すると酸化膜が形成され、再び電気伝導性が低下し、素子の特性が低下することから長期信頼性の低下を起こす恐れがあり、そのため半田層を被覆する必要があった。
また、酸が電極中に残存した場合、電極が腐食し、長期信頼性の低下を起こすという問題が発生することもあった。
また、近年環境問題が重要視される中、Sn−Pbの共晶半田に含まれる鉛が問題となってきており、鉛フリー半田の開発が進められている。しかしながら、その使用温度は従来のSn−Pb半田と比べ高温である場合が多く、そのような半田を生産性の良い浸漬法で太陽電池素子の電極表面に被覆した場合、半田融液中に電極の銀が溶けこむいわゆる銀くわれを発生させやすくなり、太陽電池素子の電極の密着強度が低下するという問題が発生することがあった。
また、半田の凹凸が大きかったり、半田玉が発生すると後工程で太陽電池素子を重ねた場合や、モジュール化において接続された太陽電池素子を樹脂封止するラミネート工程で、太陽電池素子が割れる原因となり、歩留が低下する。
また、この従来の太陽電池素子では、表面電極5および裏面電極6を焼き付けた後に酸処理、半田被覆工程を行うことで高コストとなり、また太陽電池素子の製造工程が煩雑であるという問題もある。
特許文献2(特開2001−313400号公報)には、Ti、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr成分のうちいずれか一種または複数種を含有する太陽電池の電極材料であって、この電極材料を反射防止膜の上から塗布して焼き付けることで、安定的なオーミック接触と引っ張り強度の強い太陽電池素子が得られることが開示されている。ところが、焼成温度条件によっては、電極材料が拡散層を貫通してpn接合面を破壊し、リーク電流が増大したり、また半田層を被覆しない場合において長期信頼性の低下を起こすという問題があった。
特許文献3(特開昭62−49676号公報)には、ガラス粉末を含む金属ペースト材料に周期律表第V族に属する元素を含有させることによって、金属ペーストの焼成時に金属ペーストに含まれるガラス粉末と前記元素との相乗効果によって表面電極が反射防止膜を貫通し、表面電極と拡散層との間で充分なオーミック接触が得られることが開示されている。
この方法によれば電極を焼き付けた後に酸処理を行うことなく充分なオーミック接触を得ることができる。しかしこの方法では電極と基板との密着強度が弱いという問題があった。また第5族の元素は酸化しやすい性質を持つため、焼成条件特に焼成雰囲気の厳密な管理を必要とした。そして焼成条件によっては形成された電極自体が脆くなり、表面に半田を被覆して太陽電池素子同士を接続するためにインナーリードを配線する際、もしくはその後モジュール化した後などに、外部からのストレスなどによって電極がその内部から破損するという問題が発生することがあった。
また、電極の表面に半田を被覆しないと、空気中の酸素や水分の影響により、電極が脆くなったり、オーミック接触の抵抗が高くなったり、電極の導電抵抗が高くなるなど長期信頼性が問題になることがあった。
特許文献4(特開昭59−168667号公報)には、電極材料として銀粉末と、チタン、マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属と、りん酸銀、りん酸ニッケル、りん酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種のりん酸化合物と、有機結合材と、有機溶剤と、必要に応じて加えるガラス粉末からなる材料を使用することが開示されている。
この方法によれば、電極を焼き付けた後に酸処理を行わなくても、比較的低温の焼成で浅い接合の太陽電池素子でも接合破壊やリーク電流の増加を招くことなく、接触抵抗の低い電極を形成することが可能である。
しかし、この方法では、焼成条件特に焼成雰囲気を厳密に管理する必要があるとともに、電極と基板との密着強度が弱いという問題があった。そこでこの問題を解決するため、焼成温度を上げれば密着強度は得られるようになる。しかしその場合にはリーク電流が増加し、高効率の太陽電池素子を得ることができないという問題があった。
特許文献5(特開2000−138385号公報)には、Tiもしくはその化合物と周期律表第V族元素もしくはその化合物とを含むAgペースト材料を使用することが提案されている。
この方法によれば、電極を焼き付けた後に酸処理を行わなくても、充分なオーミック接触を得ることができる。また焼成雰囲気についても酸素濃度をそれほど低くする必要もない。
しかし、充分なオーミック接触は得られるものの、電極と基板の密着強度が弱く、太陽電池素子同士を接続するためにインナーリードを配線する際、もしくはその後モジュール化した後などに、外部からのストレスなどによって電極が剥離するなど、長期信頼性の問題が発生することがあった。
特許文献6(特開平9−213979号公報)には、金属ペーストをスクリーン印刷し焼成することによって得た電極の表面を、臭化水素酸、フッ化水素酸、DL−リンゴ酸、ステアリン酸、アジピン酸、サリチル酸、クエン酸、および乳酸から選択された少なくとも1つを含む薬液によって化学処理することが提案されている。
この方法によれば、電極の表面を半田で被覆しなくても、高性能で信頼性の高い太陽電池素子を得ることができる。
しかし、酸が電極中に残存した場合、電極が腐食し、長期信頼性の低下を起こすという問題が発生することもあった。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、電極を反射防止膜の上から焼き付けた後、酸処理工程と電極表面に半田層の被覆を行わずに、従来と同様の出力特性を得て、さらに長期信頼性の低下を起こすことのない低コストな太陽電池素子を提供することを目的とする。
本発明の太陽電池素子は、一導電型を呈する半導体基板の表面側に逆導電型の拡散層を有し、その上に反射防止膜と表面電極を設けると共に、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子において、前記表面電極は銀を主成分とし、Coもしくはその化合物を前記銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部含有させると共にもしくはその化合物を0.1〜5重量部含有させたことを特徴とする。
本発明の太陽電池素子の製造方法は、一導電型を呈する半導体基板の表面側に逆導電型の拡散層を形成すると共に、この半導体基板の表面側に反射防止膜を形成し、この反射防止膜上と前記半導体基板の裏面側に銀、有機ビヒクル、ガラスフリットを含む電極材料を塗布し、焼き付けることによって表面電極と裏面電極を形成する太陽電池素子の製造方法において、前記表面電極の電極材料にCoもしくはその化合物を前記銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部含有させると共にもしくはその化合物を0.1〜5重量部含有させたことを特徴とする
本発明に係る太陽電池素子によれば、電極を焼き付けた後に酸処理を行わなくても充分なオーミック接触を得ることができるため、電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性を得ることができる。
また、本発明によれば、従来問題であった電極と基板の密着強度を確保することができる。よって、太陽電池素子同士を接続するためにインナーリードを配線する際、もしくはその後モジュール化した後などに、外部からのストレスがかかったとしても、電極が破損したり剥離するという問題が発生することがなく長期信頼性を確保することができる。
また、本発明による太陽電池素子は半田被覆処理を行わなくても長期信頼性を確保することができる。そのため半田被覆の際に発生する半田玉等の太陽電池素子の表面の凹凸に起因する、後工程での太陽電池素子の割れを防止することができる。
さらに、電極の表面に半田を被覆する必要がないことから、従来の電極表面に半田を被覆した太陽電池素子よりも電極全体の厚みが薄くなるため、太陽電池素子を複数枚重ねて扱ったときや、太陽電池素子同士を接続するために太陽電池素子にインナーリードを配線するときにも段差が小さいため割れを抑制することができる。
さらに、本発明に係る太陽電池素子の製造方法では、Co成分が焼成中に、ガラスフリットに作用してその一部が溶け込むことによって、反射防止膜に作用し、コンタクト性および接着強度が向上する。さらに、周期律表第V族元素が接触抵抗を小さくし、また、接合破壊やリーク電流の増加を引き起こすことなく、高いFF値を得ることができる。これにより電極を焼き付けた後に酸処理を行わなくても充分なオーミック接触を得ることができるため、電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性を得ることができる。
また、本発明によれば、従来問題であった電極と基板の密着強度を確保することができる。よって、太陽電池素子同士を接続するためにインナーリードを配線する際、もしくはその後モジュール化した後などに、外部からのストレスがかかったとしても、電極が破損したり剥離するという問題が発生することがなく長期信頼性を確保することができる。
また、本発明による太陽電池素子は半田被覆処理を行わなくても長期信頼性を確保することができる。そのため半田被覆の際に発生する半田玉等の太陽電池素子の表面の凹凸に起因する、後工程での太陽電池素子の割れを防止することができる。
さらに、電極の表面に半田を被覆する必要がないことから、従来の電極表面に半田を被覆した太陽電池素子よりも電極全体の厚みが薄くなるため、太陽電池素子を複数枚重ねて扱ったときや、太陽電池素子同士を接続するために太陽電池素子にインナーリードを配線するときにも段差が小さいため割れを抑制することができる。
また、酸処理や、電極表面への半田被覆が不要になるため工程が簡略化でき、太陽電池素子の製造コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係る太陽電池素子の一実施形態を示す断面図である。図1において、1は半導体基板、2は拡散層、3は反射防止膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極を示す。
導電型を呈する半導体基板の表面側に逆導電型の拡散層を有し、その上に反射防止膜と表面電極を設けると共に、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子において、前記表面電極は銀を主成分とし、Coもしくはその化合物のうちいずれか一種または複数種を前記銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部含有すると共にもしくはその化合物を0.1〜5重量部含有することを特徴とする。
このようにすることにより、電極を焼き付けた後に酸処理を行わなくても充分なオーミック接触を得ることができるため、電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性を得ることができる。
また、本発明によれば、従来問題であった電極と基板の密着強度を確保することができる。よって、太陽電池素子同士を接続するためにインナーリードを配線する際、もしくはその後モジュール化した後などに、外部からのストレスがかかったとしても、電極が破損したり剥離するという問題が発生することがなく長期信頼性を確保することができる。
また、本発明による太陽電池素子は半田被覆処理を行わなくても長期信頼性を確保することができる。そのため半田被覆の際に発生する半田玉等の太陽電池素子の表面の凹凸に起因する、後工程での太陽電池素子の割れを防止することができる。
さらに、電極の表面に半田を被覆する必要がないことから、従来の電極表面に半田を被覆した太陽電池素子よりも電極全体の厚みが薄くなるため、太陽電池素子を複数枚重ねて扱ったときや、太陽電池素子同士を接続するために太陽電池素子にインナーリードを配線するときにも段差が小さいため割れを抑制することができる。
ここでいう初期特性とは、電極形成後にソーラーシュミレーターを用いて、25℃、Am−1.5の条件で測定したときにおける出力特性、特に曲線因子FFのことである。Amとは地球大気に入射した太陽直達光が通過した路程の長さを表し、
Am=(b/b)secZ
で定義される。ここにb0:標準気圧、b:測定時の気圧、Z:太陽の頂点距離である。
尚、これらの測定条件はJISC8911二次基準結晶系太陽電池セルおよびJISC8913結晶系太陽電池セル出力測定方法によって規定されたものである。
また、長期信頼性の評価にはJIS C8917に基づき温湿度サイクル試験を行い、試験前後の太陽電池素子の出力特性を比較することによって評価する。
電極中に前記Coもしくはその化合物は銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部の範囲で含有させることにより、電極に酸処理を行うと共に電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性が得られ、長期信頼性を確保できる太陽電池素子を得ることができる。しかし、前記Coもしくはその化合物の含有量が銀100重量部に対して金属換算で0.05重量部以下の含有であれば、長期信頼性を確保することができない。また、金属換算で5重量部以上の含有であれば、不純物の混入により電極の線抵抗が増大し、初期特性におけるFF値の低下が生じる。
電極中にもしくはその化合物を銀100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で含有させることにより、電極に酸処理を行うと共に電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性が得られ、長期信頼性を確保した太陽電池素子を得ることができる。しかし、の含有量が銀100重量部に対して0.1重量部以下であれば、長期信頼性を確保することができない。また、5重量部以上の含有であれば、不純物の混入により電極の導電抵抗が増大し、初期特性においてFF値の低下が生じる。
次に、上記太陽電池素子の製造工程を説明する。まず、半導体基板1を用意する。この半導体基板1は、単結晶または多結晶シリコンなどからなる。この半導体基板1は、ボロン(B)などの一導電型半導体不純物を1×1016〜1×1018atoms/cm程度含有し、比抵抗1.0〜2.0Ω・cm程度の基板である。単結晶シリコン基板の場合は引き上げ法などによって形成され、多結晶シリコン基板の場合は鋳造法などによって形成される。多結晶シリコン基板は、大量生産が可能であり、製造コスト面で単結晶シリコン基板よりも有利である。引き上げ法や鋳造法によって形成されたインゴットを300〜500μm程度の厚みにスライスして、10cm×10cmもしくは15cm×15cm程度の大きさに切断して半導体基板1とする。
次に、半導体基板1を拡散炉中に配置して,オキシ塩化リン(POCl)など不純物元素を含むガス中で熱処理を行って不純物を拡散させる方法や、不純物元素を含む薬液を基板表面に塗布した後、熱処理を行うことにより形成する方法によって、半導体基板1の表面部分にリン原子などの不純物元素を1×1016〜1×1018atoms/cm程度拡散させて拡散層2を形成する。この拡散層2は0.2〜0.5μm程度の深さに、またシート抵抗が40Ω/□以上になるように形成される。次に、半導体基板1の表面側に反射防止膜3を形成する。この反射防止膜3は半導体基板1内に光が有効に取り込むための膜であり、その厚みが500〜1000Å、屈折率が1.9〜2.3程度になるようにプラズマCVD法などで形成される。この反射防止膜の材料としては窒化シリコン膜の他に、一酸化シリコン(SiO)、二酸化シリコン(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)などがある。
裏面側に電極材料を塗布するとともに、前記反射防止膜3の上に直接電極材料を塗布して焼成するいわゆるファイヤースルー法により表面電極5と裏面電極6が形成される。
電極材料としては銀粉末と有機ビヒクルにガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜0.5重量部を添加してペースト状にした電極ペーストなどが用いられ、電極ペーストをスクリーン印刷法で印刷して650〜900℃で1〜30分程度焼成することにより焼き付けられる。
本発明において、表面電極の電極材料にCoの金属粉末、酸化物粉末あるいは焼成によってこれらを析出し得る有機金属化合物のいずれか1つ、または2つ以上を銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部を含有し、かつ例えばPもしくはその化合物を銀100重量部に対して0.1〜5重量部を含有させる。
前記Co成分が焼成中に、ガラスフリットに作用してその一部が溶け込むことによって、反射防止膜に作用し、コンタクト性および接着強度が向上する。さらに、元素が接触抵抗を小さくし、また、接合破壊やリーク電流の増加を引き起こすことなく、高いFF値を得ることができる。これにより電極を焼き付けた後に酸処理を行わなくても充分なオーミック接触を得ることができるため、電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性を得ることができる。
また、本発明によれば、従来問題であった電極と基板の密着強度を確保することができる。よって、太陽電池素子同士を接続するためにインナーリードを配線する際、もしくはその後モジュール化した後などに、外部からのストレスがかかったとしても、電極が破損したり剥離するという問題が発生することがなく長期信頼性を確保することができる。
また、本発明による太陽電池素子は半田被覆処理を行わなくても長期信頼性を確保することができる。そのため半田被覆の際に発生する半田玉等の太陽電池素子の表面の凹凸に起因する、後工程での太陽電池素子の割れを防止することができる。
さらに、電極の表面に半田を被覆する必要がないことから、従来の電極表面に半田を被覆した太陽電池素子よりも電極全体の厚みが薄くなるため、太陽電池素子を複数枚重ねて扱ったときや、太陽電池素子同士を接続するために太陽電池素子にインナーリードを配線するときにも段差が小さいため割れを抑制することができる。
また、酸処理や、電極表面への半田被覆が不要になるため工程が簡略化でき、太陽電池素子の製造コストの低減を図ることができる。
電極材料中に前記Coもしくはその化合物は銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部の範囲で含有させることにより、ファイヤースルー法による十分なコンタクト性および接着強度を持ち、電極に酸処理を行うと共に電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性が得られ、長期信頼性を確保できる太陽電池素子を得ることができる。
しかし、前記Coもしくはその化合物の含有量が銀100重量部に対して金属換算で0.05重量部以下であれば、充分なコンタクト性および密着強度が得らないためFF値が低く、また長期信頼性を確保することができない。また、5重量部以上の含有であれば、不純物の混入により電極の導電抵抗が増大し、初期特性においてFF値の低下が生じる。
電極材料中にもしくはその化合物を銀100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で含有させることにより、電極に酸処理を行うと共に電極表面に半田層を被覆した従来の太陽電池素子と同様の初期特性が得られ、長期信頼性を確保した太陽電池素子を得ることができる。もしくはその化合物の含有量が銀100重量部に対して0.1重量部以下であれば、充分にコンタクト抵抗を低減させることができずFF値が低下する。また、5重量部以上の含有であれば、電極ペースト中の金属成分の焼結が十分促進されず、また不純物の混入により電極の導電抵抗が増大し、初期特性においてFF値の低下が生じる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。たとえば太陽電池素子の構造はこれに制限されるものではなく、電極が片面にしかない太陽電池素子に使用することも可能であるし、結晶系シリコン太陽電池素子に限定されるものでもない。さらに、本発明は表面に反射防止膜を有する太陽電池素子の表面に、反射防止膜上から電極材料を塗布して焼き付けるいわゆるファイヤースルー法を利用した太陽電池素子に適用したときに特にその効果を有効に発揮するが、反射防止膜を有さない構造の太陽電池素子や、電極形成予定位置の反射防止膜をあらかじめ除去し、そこに電極材料を塗布して焼き付けて形成する太陽電池素子に適用することも可能である。また反射防止膜のない裏面電極に本発明に係る電極材料を使用してもなんら問題はない。
15cm×15cmで比抵抗1.5Ω・cmの多結晶半導体基板1表面のダメージ層をアルカリでエッチングして洗浄した。次に、半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)の中で加熱することによって、半導体基板1の表面にリン原子を拡散させて拡散層2を形成した。このときのシート抵抗は60Ω/□であった。次に、半導体基板1の表面側にプラズマCVD法によって反射防止膜3となる厚み850Åの窒化シリコン膜を形成した後、裏面にアルミニウムペーストを塗布して850℃で焼き付けることによってBSF層を形成した。その後表面に残った余剰なアルミニウムを除去した後、銀粉末と有機ビヒクルにガラスフリットを銀100重量部に対して0.1〜5重量部添加し、酸化コバルト粉末を銀100重量部に対して金属換算で0.04〜5.5重量部と、酸化リンを銀100重量部に対して0.09〜6重量部を含有した電極ペースト(条件No.9〜13、15〜19、21〜25、27〜31、33〜37)を表裏面にスクリーン印刷法によって各10枚塗布し、800℃で10分間焼き付けて太陽電池素子を形成した。電極に酸処理を行わないと共に電極表面に半田層を被覆せずに、ソーラーシュミレーターを用いて25℃、Am−1.5の条件で初期特性の測定を行うとともに、JIS C8917に基づき温湿度サイクル試験を行って長期信頼性の評価を行った。比較例として、上記添加物を含まない電極ペーストで印刷・焼成した電極に、酸処理、半田層の被覆を行った太陽電池素子(条件No.1)、と、酸化コバルト粉末および/または酸化リンを含まない電極ペーストで印刷・焼成した電極について、酸処理、半田層の被覆を行わない太陽電池素子(条件No.2〜8、14、20、26、32)についても同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004467287
表1に示すように、酸化コバルトなしで、酸化リンを銀100重量部に対して金属換算で0、0.09重量部添加した電極ペーストを使用した太陽電池素子(条件No.2、3)、酸化コバルト粉末を銀100重量部に対して金属換算で0.04重量部と、酸化リンを銀100重量部に対して0、0.09重量部含有した電極ペーストを使用した太陽電池素子(条件No.8〜11)、酸化コバルト粉末を銀100重量部に対して金属換算で0.05、1.00、5.00重量部と酸化リンを銀100重量部に対して金属換算で0、0.09、0.10、0.50、5.00重量部含有した電極ペーストを使用した太陽電池素子(条件No.14〜18、20〜24、26〜30)は、添加物を含まない従来の電極ペーストで印刷・焼成した電極に、酸処理、半田層の被覆を行った太陽電池素子(No.1)と比較し、初期特性ではPm、FFとも98%以上の値の違いであり、ほぼ同等であるといえる。
このうち酸化コバルト粉末を銀100重量部に対して金属換算で0.05、1.00、5.00重量部と酸化リンを銀100重量部に対して金属換算で0.10、0.50、5.00重量部含有した電極ペーストを使用した太陽電池素子(条件No.16〜18、22〜24、28〜30)は、温湿度サイクル試験後の特性が初期特性と比較して、Pm、FFとも変化率が90%以上となり、長期信頼性も確保できることが確認できた。
本発明に係る太陽電池素子を示す断面図である。 従来の太陽電池素子を示す断面図である。 従来の太陽電池素子の製造方法の一例を示す図である。
符号の説明
1・・・半導体基板
2・・・拡散層
3・・・反射防止膜
4・・・BSF層
5・・・表面電極
6・・・裏面電極
7・・・半田層
8・・・不純物元素を含む酸化膜
9・・・第二の拡散層
10・・・レジスト

Claims (2)

  1. 一導電型を呈する半導体基板の表面側に逆導電型の拡散層を有し、その上に反射防止膜と表面電極を設けると共に、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子において、
    前記表面電極は銀を主成分とし、Coもしくはその化合物を前記銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部含有させると共にもしくはその化合物を0.1〜5重量部含有させたことを特徴とする太陽電池素子。
  2. 一導電型を呈する半導体基板の表面側に逆導電型の拡散層を形成すると共に、この半導体基板の表面側に反射防止膜を形成し、この反射防止膜上と前記半導体基板の裏面側に銀、有機ビヒクル、ガラスフリットを含む電極材料を塗布し、焼き付けることによって表面電極と裏面電極を形成する太陽電池素子の製造方法において、前記表面電極の電極材料にCoもしくはその化合物を前記銀100重量部に対して金属換算で0.05〜5重量部含有させると共にもしくはその化合物を0.1〜5重量部含有させたことを特徴とする太陽電池素子の製造方法。
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