JP4466560B2 - 配線パターンの検査装置、検査方法、検出装置および検出方法 - Google Patents

配線パターンの検査装置、検査方法、検出装置および検出方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の配線パターンが例えば透明性を有するポリイミド絶縁層を介して積層された半導体パッケージ用多層配線基板において、最上層の配線パターンを光学的にパターン抽出し、高分解能による撮像を行い、自動的にそのパターンの検査および検出を行う配線パターンの検査装置、検査方法、検出装置および検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電気機器の小型・軽量化を目的として使用される半導体パッケージ用多層配線基板上に形成された配線パターンは、ポリイミドフィルムに銅箔を接着剤でラミネートし、これをサブトラクティブ法やセミアディティブ法等によりパターンニング処理して、厚さが5〜15μm、最も集積度を有する部分で幅が10μm程度である。
【0003】
このパターニング処理工程において、突発的に配線パターンの細り(欠け)、断線、ショート、太り(突起)等の重欠陥が発生する恐れがある。このため、従来これら欠陥の有無はオープン/ショート導通検査や目視検査によって判別されてきた。しかし、目視検査は、パターンの微細化に伴い、熟練を要する上に、検査員の体調等により検査結果にばらつきや不良見逃しが生じる恐れがある。そこで、最近ではカメラを使用して自動的に欠陥有無を検査する自動検査装置が各種提案されている(例えば、特開平10−19531号公報(実施例1)および特許第2962565号公報(第5図、第7図))。また、上記半導体パッケージ用多層配線基板において最小10μm幅の配線パターンに存在する各種欠陥を目視にて検査することは可能であるが、目視検査は検査時間がかかり人件費増に伴う製品単価アップが懸念されるため自動検査が必要であり、例えば10μm幅内の1/3以上の欠陥を検出するためには撮像分解能1μmを実現しなければならない。そこで、撮像分解能と撮像視野(対象ワークサイズ)との関係から大局的に撮像方法、検査方法さらにはハンドリング方法等を模索する必要がある。
【0004】
一般にカメラを使用して自動的に欠陥有無を検査する自動検査装置は、複数台のセンサーカメラ(ラインCCD素子やエリアCCD素子等)で同一ワーク上の複数の配線パターンを同時、時間差、エリア分割等で撮像し、その画像を認識処理することによって配線パターンに存在する細り(欠け)、断線、ショート、太り(突起)等の欠陥検出を行っている。その認識処理は、CADデータ(パターン設計情報)や良品ワーク(正しく配線パターンが形成されたワーク)を基準マスター画像として事前登録し、このマスター画像と検査画像(検査対象パターン画像)との比較処理、特徴抽出処理等の方法により差異のあった部分を欠陥として判断する方法が一般的である。このときの検査画像は最上層に形成された配線パターンに注目して映し出されたものであり、内層配線パターンの影響を考慮せずに撮像を行っているのがほとんどである。
【0005】
この理由としては、内層配線パターンが存在しない製品であること、内層配線パターンが存在する製品であっても配線パターンと配線パターンとの間に介在する絶縁層基材種類、基材厚、基材色、透過・反射分光感度等によって最上層配線パターンの画像化に影響を及ぼさないこと、内層配線パターンが存在し多少影響を及ぼしたとしても画像化時の閾値調整等で簡単に影響をなくすことができ、最初から内層配線パターンの写り込み影響を光学的に問題視する必要がない等が挙げられる。
【0006】
しかしながら、従来の検査装置を用いた場合、上記半導体パッケージ用多層配線基板では、配線パターンと配線パターンとの間に介在する透明性を有するポリイミドフィルム絶縁層厚が10〜25μm程度と薄く、最上層配線パターンの画像化を高分解能にて試みようとした際内層に存在する配線パターンが写り込み、最上層配線パターンのみに着目した鮮明なパターン画像を得ることができない。
【0007】
また、このようなカメラによって撮像された画像を用いて上記のような検査を行うためには光学条件が重要であり、光学的に欠陥が顕在化できなければ処理アルゴリズムをいくら高度化しても確実な検査は不可能である。
【0008】
また、配線パターンおよび絶縁層部分に蛍光照明を当てて絶縁層から発生する蛍光成分を検出することにより擬似的に配線パターン部分を抽出し検査することも提案されているが、この方法では蛍光発光により擬似的に配線パターンエッジが抽出された画像が得られるため、配線パターン上のピンホールや配線パターントップ側に存在する欠けといった欠陥を検出することはできない。また、半導体パッケージ用多層配線基板の品質保証のために配線パターンに着目し検査する必要がある。そこで、銅配線パターンを直接見ることができ、微小ピンホールや凹みなどの表面欠陥や層間接続を行うフィルドビア品位も観察でき、高速信号伝送を実現させるためのパッケージ検査として外観上の品質保証がより確実に行えることが望まれる。そして、配線パターンに着目した検査を行うことができれば、製造途中において形成された配線パターンの良し悪しをモニタリングすることにより製造プロセスをチェックし、製造プロセス自体を最適に保つことができるようにプロセス状態の制御までを結びつけることが可能となる。
【0009】
また、前記特開平10−19531号公報に記載の発明は、配線パターンを暗い画像として撮像することにより配線パターンを撮像する発明である。したがって、特開平10−19531号公報に記載の方法では、配線パターンを暗い画像として撮像できるだけであって、微小ピンホールや凹みなどの表面欠陥や層間接続を行うフィルドビア品位も観察できるような高度の撮像はできない。
【0010】
また、前記特許第2962565号公報に記載の発明は、特定の波長のレーザ光(450nm以下)を照射し、配線パターンからの反射率と、ポリイミド系絶縁膜(ON AL)からの反射率との差があることを利用し、配線パターンを明るい画像として撮像しようとするものである。しかしながら、450nm以下の波長の光に対して、通常のCCDは感度を有さず、特殊な撮像系が必要となる。一方、通常のCCDが感度を有する波長(例えば、550nm付近)では、配線パターンからの反射率と、ポリイミド系絶縁膜(ON AL)からの反射率との差があまりなく、特許第2962565号公報で開示されている方法では、最上層の配線パターンのみを撮像し、内層の配線パターンを撮像しないようにするということは困難である。
【0011】
また、配線パターンの自動検査においては、短時間で、大面積の配線パターンを撮像できることが必要であるが、特許第2962565号公報に開示されている方法では、レーザ光を配線パターンに集光して照射し、配線パターン上の照射されるレーザ光を走査することによって配線パターンを撮像する所謂ポイントスキャンであるため、時間がかかる。更に、特許第2962565号公報に開示されている方法では、配線パターン上で様々な方向に反射したレーザ光の強度を検出し、検出値に基づいて配線パターンの配置角度等の情報を得るようにしているために、検出系を少なくとも2系統設ける必要があり、構成が複雑となる。更にまた、各系統からの検出値を演算処理することによって配線パターン状態を復元するために、演算処理量が膨大になる。
【発明の開示】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、半導体パッケージ用の多層配線基板に対して内層配線パターンの影響を光学的に除去することによって、最上層配線パターンの高精細な画像を撮像し、同配線パターンの検査を自動的にかつ高い信頼性の下で行うことが可能な配線パターンの検査装置、検査方法、検出装置および検出方法を提供することにある。
【0012】
また、その第2の目的は、大面積の最上層配線パターンに対しても短時間で最上層配線パターンの検査および検出を行うことができ、かつ構成も簡素な配線パターンの検査装置、検査方法、検出装置および検出方法を提供することにある。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0014】
すなわち、本発明の第1の局面では、光透過性のベースフィルムの少なくとも表裏に配線パターンを有する半導体パッケージ用多層配線基板からなるワークの最上層配線パターンを光学的に検出する配線パターン検出装置であって、光源と、光源からの光を導光するライトガイドと、導光された光を平行にする平行化手段と、平行化手段によって平行にされた光から、光の進行方向に対して電界ベクトルの方向が直交する第1の直線偏光を抽出する第1の抽出手段と、第1の抽出手段によって抽出された第1の直線偏光を円偏光に変換する円偏光変換手段と、円偏光変換手段によって変換された円偏光をワークに照射する照射手段と、照射手段によって照射された円偏光がワークで反射してなる反射光から、第1の直線偏光と電界ベクトルの方向が直交する第2の直線偏光を抽出する第2の抽出手段と、第2の直線偏光のうち、最上層配線パターンの反射光による量と、最上層配線パターン以外の反射光による量との差が、予め定めた値よりも大きくなる波長域を選択する選択手段と、選択手段によって選択された波長域における光成分を導く選択波長光成分導光手段と、選択波長光成分導光手段によって導かれた光成分を撮像する撮像手段とを備えている。ここで、ベースフィルムをポリイミド樹脂、配線パターンを銅によってそれぞれ形成し、選択手段は550nmを含む波長域を選択し、撮像手段をCCDである。
従って、本発明の第1の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、光源からの光を円偏光に変換し、この円偏光をワークに照射することができる。更に、ワークに照射されて反射した反射光から第2の直線偏光を抽出し、抽出した第2の直線偏光のうち、最上層配線パターンの反射光による量と、最上層配線パターン以外の反射光による量との差が、予め定めた値よりも大きくなる波長域を選択し、選択された波長域における光成分からなる画像を撮像することができる。これによって、ベースフィルムおよび配線パターンの典型的な材料であるポリイミド樹脂および銅によって形成されたワークに関する最上層配線パターンを精度良く検出することができる。
本発明の第の局面は、第1の局面の配線パターン検出装置において、ワークにおける所定の線状領域の撮像を連続的に行い、連続的に撮像された線状領域をつなぎ合わせることによってワークの面状領域を撮像するようにしたラインセンサを撮像手段に備えている。
【0015】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、ワークをラインスキャンすることによって撮像することができるので、ワークをポイントスキャンするような場合に比べて短時間で撮像することが可能となる。
【0016】
本発明の第の局面は、第1乃至のうち何れかの局面の配線パターン検出装置において、ガイドライトと平行化手段との間に設けられ、ガイドライトによって導光された光を、強度分布を一定に保ちながら拡散し、拡散した光を平行化手段に導く拡散板を備えている。
【0017】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、光源からの光の強度分布を一定に保ちながら拡散することができるので、全体に亘ってムラのない高分解能での撮像が可能となる。
【0018】
本発明の第の局面は、第の局面の配線パターン検出装置において、光源からの光から赤外線成分を除去する赤外線フィルターを、光源とライトガイドとの間、あるいはライトガイドと拡散板との間に介挿して備えている。
【0019】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、熱源となる赤外線が平行導光手段に入らないようにカットすることができるので、平行導光手段の温度上昇を阻止することができる。
【0020】
本発明の第の局面は、第1乃至のうち何れかの局面の配線パターン検出装置において、ライトガイドを冷却する冷却手段を付加している。
【0021】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、ライトガイドを冷却することができる。
【0022】
本発明の第の局面は、第1の局面の配線パターン検出装置において、円偏光に代えて、楕円偏光をワークに照射する。
【0023】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、円偏光のみならず、楕円偏光をワークに照射することができる。
【0024】
本発明の第の局面は、第1乃至のうちの何れかの局面の配線パターン検出装置において、光源を白色光源とする。
【0025】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出装置においては、以上のような手段を講じることにより、光源として、特別な光源を用いることなく、白色光源を用いることができる。
【0026】
本発明の第の局面は、第1乃至のうち何れかの局面の配線パターン検出装置の撮像手段で撮像された画像と、所定の良品画像とを照合し、最上層配線パターンが良品であるか否かを検査する検査手段を備えた配線パターン検査装置である。
【0027】
従って、本発明の第の局面の配線パターン検査装置においては、以上のような手段を講じることにより、最上層配線パターンが良品であるか否かを精度良く検査することができる。
【0028】
本発明の第の局面は、光透過性のベースフィルムの少なくとも表裏に配線パターンを有する半導体パッケージ用多層配線基板からなるワークの最上層配線パターンを光学的に検出する配線パターン検出方法であって、光をライトガイドによって導光する工程と、ライトガイドによって導光された光を、強度分布を一定に保ちながら拡散する拡散工程と、拡散工程によって拡散された光を平行にする平行化工程と、平行化工程によって平行にされた光から、光の進行方向に対して電界ベクトルの方向が直交する第1の直線偏光を抽出する第1の抽出工程と、第1の抽出工程によって抽出された第1の直線偏光を円偏光に変換する円偏波光変換工程と、円偏波光変換工程によって変換された円偏光をワークに照射する照射工程と、照射工程によって照射された円偏光がワークで反射してなる反射光から、第1の直線偏光と電界ベクトルの方向が直交する第2の直線偏光を抽出する第2の抽出工程と、第2の直線偏光のうち、最上層配線パターンの反射光による量と、最上層配線パターン以外の反射光による量との差が、予め定めた値よりも大きくなる波長域を選択する選択工程と、選択工程によって選択された波長域における光成分を導く選択波長光成分導光工程と、選択波長光成分導光工程によって導かれた光成分を撮像する撮像工程とを備えている。ここで、ベースフィルムをポリイミド樹脂、配線パターンを銅によってそれぞれ形成し、選択工程は550nmを含む波長域を選択し、撮像工程ではCCDによって撮像する。
従って、本発明の第の局面の配線パターン検出方法においては、以上のような手段を講じることにより、光源からの光を円偏光に変換し、この円偏光をワークに照射することができる。更に、ワークに照射されて反射した反射光から第2の直線偏光を抽出し、抽出した第2の直線偏光のうち、最上層配線パターンの反射光による量と、最上層配線パターン以外の反射光による量との差が、予め定めた値よりも大きくなる波長域を選択し、選択された波長域における光成分からなる画像を撮像することができる。これによって、ベースフィルムおよび配線パターンの典型的な材料であるポリイミド樹脂および銅によって形成されたワークに関する最上層配線パターンを精度良く検出することができる。
本発明の第10の局面は、第の局面の配線パターン検出方法において、ラインセンサを用いて、ワークにおける所定の線状領域の撮像を連続的に行い、連続的に撮像された線状領域をつなぎ合わせることによってワークの面状領域を撮像するようにしている。
【0029】
従って、本発明の第10の局面の配線パターン検出方法においては、以上のような手段を講じることにより、ワークをラインスキャンすることによって撮像することができるので、ワークをポイントスキャンするような場合に比べて短時間で撮像することが可能となる。
【0030】
本発明の第11の局面は、本発明の第乃至10のうち何れか1つの局面の配線パターン検出方法において、光から赤外線成分を除去する赤外線除去工程を、拡散工程の前に更に備えている。
【0031】
従って、本発明の第11の局面の配線パターン検出方法においては、以上のような手段を講じることにより、熱源となる赤外線が平行導光手段に入らないようにカットすることができるので、光を導光する部材の温度上昇を阻止することができる。
【0032】
本発明の第12の局面は、第の局面の配線パターン検出方法において、円偏光に代えて、楕円偏光をワークに照射するようにしている。
【0033】
従って、本発明の第12の局面の配線パターン検出方法においては、以上のような手段を講じることにより、円偏光のみならず、楕円偏光をワークに照射することができる。
【0034】
本発明の第13の局面は、第乃至12のうち何れかの局面の配線パターン検出方法において、光源を白色光源としている。
【0035】
従って、本発明の第13の局面の配線パターン検出方法においては、以上のような手段を講じることにより、光源として、特別な光源を用いることなく、白色光源を用いることができる。
【0036】
本発明の第14の局面は、第乃至13のうち何れかの局面の配線パターン検出方法によって撮像された画像と、所定の良品画像とを照合し、最上層配線パターンが良品であるか否かを検査するようにした配線パターン検査方法である。
【0037】
従って、本発明の第14の局面の配線パターン検査方法においては、以上のような手段を講じることにより、最上層配線パターンが良品であるか否かを精度良く検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図9を用いて説明する。
【0040】
図1は、本実施の形態に係る配線パターン検査装置の一例を示す構成説明図である。
【0041】
すなわち、本実施の形態に係る配線パターン検査装置200は、ベースフィルムに配線パターンが形成された半導体パッケージ用多層配線基板からなるワーク51の最上層配線パターンを光学的に検査する配線パターン検査装置であって、検査ユニット100と、ワーク巻き出しユニット110と、管理コードリーダユニット120と、マーキングユニット130と、レビュー・ベリファイユニット140と、ワーク巻き取りユニット150と、ホストコンピュータ160とから構成している。
【0042】
ワーク巻き出しユニット110では、ワーク51が巻き取られたワークリール111が下段にセットされ、ワーク51は下段ワーク経路に沿ってローラー113によって送り出され、垂るみ量は必要適切な位置に設置された上下限センサ122によって調節するようにしている。ワークリール111にワーク51と一緒に巻かれている保護用スペーサテープ52は、スペーサテープリール112によって巻き取られるようにしている。ワーク51の状態情報は、ホストコンピュータ160に送信されるようにしている。
【0043】
次に、ワーク51は、ガイドローラ114,115を介してテープ搬送用駆動ローラー121a,121bによって高精度かつ安定化が図られた状態で、管理コードリーダユニット120へと搬送され、ワーク51の管理コード(例えばワーク情報を管理コード化したマーク等)がCCDカメラ123によって読み込まれ、読み込まれた管理コードがホストコンピュータ160に送信されるようにしている。
【0044】
更にワーク51は、ガイドローラ116,117を介してテープ搬送用駆動ローラー121a,121bによって高精度かつ安定化が図られた状態で、検査ユニット100へと搬送されるようにしている。検査ユニット100は、ワーク51の最上層の配線パターンを光学的に顕在化する。そして、顕在化された配線パターンの特徴を抽出処理して得られる配線パターンデータと、正常な設計配線パターンデータとの比較処理を行い、配線パターンの良否を判定する。そして判定結果を、ホストコンピュータ160に送信する。このような検査ユニット100の詳細については後述する。
【0045】
検査ユニット100によって配線パターンの良否が判定されたワーク51は、ガイドローラ118,119を介してテープ搬送用駆動ローラー121a,121bによって高精度かつ安定化が図られた状態で、マーキングユニット130へと搬送されるようにしている。マーキングユニット130では、不良品であるワーク51に対しては、パンチ抜きする等することによって、不良品のワーク51であることが分かるようなマーキングを行う。そしてこのマーキング結果を、ホストコンピュータ160に送信する。なお、マーキング方法としては、パンチ抜きの他に、印字マーキングやテーピング等の方法がある。
【0046】
次に、レビュー・ベリファイユニット140において、配線パターンの観察だけでなく、ベリファイすることによって配線パターンの過剰品質レベルを確認するようにしている。この確認結果は、ホストコンピュータ160に送信されるようにしている。
【0047】
更に、レビュー機能に配線パターンや欠陥部品など任意部品の測長機能を持たせることにより、検査機に加えて測長機も実現することができる。これにより、1リールのパターン幅の規則的な情報を把握することができ、工程内への早急なるフィードバックにも資するようにしている。
【0048】
次に、ワーク51はガイドローラ141,142を介してワーク巻き取りユニット150に搬送されるようにしている。そして、スペーサテープリール152から供給される保護用スペーサテープ52と一緒にワークリール151内に巻き取られるようにしている。ワーク巻き取りユニット150におけるワーク51の状態情報は、ホストコンピュータ160に送信されるようにしている。
【0049】
このような構成をしてなる配線パターン検査装置200は、ユニット構成を基本としており、例えば処理速度向上のための検査ユニット100の増設等、ユニット単位の増設・取り外しが容易にでき、クリーン環境での使用も考慮した構造、構成としている。また、ワーク搬送やその構成も前述した形態に捉われることはなく、例えば横搬送ではなく縦搬送にして同構成を具体化させたり、ワーク巻き出しユニット110およびワーク巻き取りユニット150をともに同一の側に設ける等の配置も可能としている。
【0050】
以下、検査ユニット100の詳細について説明する。
【0051】
検査ユニット100は、図2に示すように、光源10と、ライトガイド11と、集光レンズ12と、熱線カットフィルター13と、放熱機構14と、偏光ビームスプリッター21と、偏光ビームスプリッター22と、センサーカメラ30と、CCD素子31と、バンドパスフィルター32と、結像レンズ33と、偏光フィルター34(偏光板)と、演算制御部40と、ワーク固定駆動機構50とを備えている。なお、集光レンズ12および結像レンズ33は、単一のレンズのみならず、複数のレンズからなるレンズ群であってもよい。
【0052】
光源10は、例えば白色光源や、メタルハライドランプ等の可視域全域に亘って発光する高輝度照明が好適である。後述するようにCCD素子31によって高分解能による撮像がなされるためには、十分な光量が必要である。したがって、光源10としては、例えば消費電力量が250Wのメタルハライドランプから350Wのメタルハライドランプに変えるなどしたり、ライトガイド11としては複数の光源10からの光を統合して一端から出力できるようなスポット型のものやロッドレンズが好適である。ただし、使用する光源10の台数が増えることによって、ライトガイド11のバンドル径や、外形を大きくする必要があるために集光レンズ12も工夫を要する。また、光源10からの光に含まれる赤外線光による熱対策を講じる必要も生じる。
【0053】
このような光源10から光が発せられると、この光は、ライトガイド11、集光レンズ12、熱線カットフィルター13を経て偏光ビームスプリッター21に入射する。熱線カットフィルター13は、長波長側の光(例えば700nm以上の波長)を遮断し、それ以外の光を偏光ビームスプリッター21に入射させる。
【0054】
光源10から発せられた光は、多方面の光成分を有する所謂ランダム光である。なお、この場合、「導光方向」は、図2の右から左への水平方向と定義する。偏光ビームスプリッター21は、このようなランダム光から直線偏光(図中表裏方向が電界ベクトル方向である)を抽出する。したがって、適用波長域、消光比、偏光比、ワーク視野全域に照射、結像できる外形サイズ等を十分考慮した上で適切な偏光ビームスプリッター21を選択する必要がある。このようにして偏光ビームスプリッター21は直線偏光を得るが、これによって必ずしも100%の直線偏光が抽出される訳ではなく、その他図中表裏方向以外が電界ベクトルである光成分も若干含まれている。
【0055】
なお、偏光ビームスプリッター21および熱線カットフィルター13は、光源10の光によって高温となり、破損や光学部材そのものが変質する恐れがあるために放熱機構14を備えている。放熱機構14は、外部からエアーを噴きつけることによって、偏光ビームスプリッター21および熱線カットフィルター13を冷却する。例えば、光源10として250Wのメタルハライドランプ1台を使用した場合、熱線カットフィルター13は約75℃という高温となるが、放熱機構14によってエアーを噴き付けることによって約50℃まで低減させることができるという実験値を得ている。
【0056】
偏光ビームスプリッター21は、抽出した直線偏光を偏光ビームスプリッター22に導光させる。このとき、偏光ビームスプリッター21では偏光ビームスプリッター22に導光しない光成分が鏡筒内側壁に逃げてしまうため、その側壁部分の熱対策を施す必要がある。また、偏光ビームスプリッター21と偏光ビームスプリッター22との間隙は、光の伝搬ロスを極力無くすためにできる限り近づけて配置する。
【0057】
偏光ビームスプリッター22は、偏光ビームスプリッター21から導光された光には、表裏方向以外が電界ベクトルである光も若干含まれているので、それを排除する。更に下方に導光する。そして、結像レンズ33および偏光フィルター34は、この直線偏光を、回転角度を40〜50°とした角度成分の光に変換し、ワーク固定駆動機構50によって固定されたワーク51へ向けて照射する。このとき入射される直線偏光を回転角に応じてベクトル分解された光成分がワーク51に向けて照射される。なお、図2では、結像レンズ33を偏光ビームスプリッター22と偏光フィルター34との間に配置しているが、偏光フィルター34を偏光ビームスプリッター22と結像レンズ33との間に配置するようにしても良い。また、偏光フィルター34がある角度成分のみの光を容易に選択できるように、回転機構を適宜備えるようにしてもよい。
【0058】
ワーク51に照射された光成分は、ワーク51で反射し、この反射光が偏光フィルター34の回転角に応じてベクトル分解された光成分が、偏光フィルター34および結像レンズ33を経て偏光ビームスプリッター22に入射する。このとき、偏光ビームスプリッター22において導光方向に電界ベクトル方向がある直線偏光が抽出され、この直線偏光は、バンドパスフィルター32に入射する。
【0059】
バンドパスフィルター32は、最上層配線パターンの反射光量と、ポリイミド絶縁層部分の反射光による偏光ビームスプリッター22からの量との差異が最も大きくなる波長域を抽出し、抽出した波長域の光のみをセンサーカメラ30内のCCD素子31へと入射させる。
【0060】
本実施の形態では、センサーカメラ30に、ラインセンサ技術を適用している。図3は、ラインセンサ技術を説明するための概念図である。すなわち、センサーカメラ30では、バンドパスフィルター32によってCCD素子31に入射した光のうち、CCD素子31の仕様として予め定められた線状領域に対応する光のみをCCD素子31に撮像する。図3において、該円形状である照射領域71は、ワーク51において光成分が照射された領域を示している。また、上述した線状領域72は、各照射領域71の中心を通るようにそれぞれ位置している。CCD素子31は、ワーク51がワーク固定駆動機構50によってワーク51の平坦性が結像レンズ33の焦点深度内に確保され、ワーク51の一部である照射領域71が光成分によって照射されると、センサーカメラ30の光学ヘッドまたはワーク固定駆動機構50が必要な取り込み方向に調節された状態で画像撮像を行う。これによって、センサーカメラ30が、この照射領域71に対応する線状領域72における光を撮像する。
【0061】
このようにしてある線状領域72における光を撮像すると、ワーク固定駆動機構50を駆動し、例えば図3中の矢印に示すようにワーク51を微小量移動させることによって、照射領域71を移動させる。そして、この照射領域71に対応する線状領域72における光を同様に撮像する。このようなワーク51の微少量移動と撮像とを、線状領域72がワーク51の全面をカバーするまで連続的に行う。そして、撮像された各線状領域72を重ね合わせることによってワーク51の全面にわたった撮像情報を得ることによって、最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターン画像を得る。
【0062】
センサーカメラ30および結像レンズ33は、対象とするワーク51の配線パターンが最小で10μmと微細であるため、撮像された画像が高分解能となるように光学設計したものを使用する。分解能は、パターンエッジ情報が十分クリアに得られる1μm〜2μm程度が望ましいが、この分解能設定は対象となるパターン幅の1/9〜1/10程度が目安となる。また、使用するセンサーカメラ30のCCD素子31の素子数と分解能によって撮像視野も変化するので十分検討が必要である。例えば8000画素のCCD素子31で分解能1μmを実現させる場合、撮像視野は8mmとなる。
【0063】
また、CCD素子31のサイズを7μmとするとおのずと光学倍率7倍が必要になってくる。また、この時に求められる解像力は物側で72lp(ラインペア)/mmとなる。また、1μmの分解能を実現させるためには7μm分解能に対して面積比で約50倍の光量がなければ同じ明るさで撮像することができない。これら様々な条件の論理和が光学系に求められる。
【0064】
また、バンドパスフィルター32は、例えばダイクロイックグリーンフィルタのように、最上層配線パターンの反射光量と、ポリイミド絶縁層部分の反射光量との差異が最も大きくなる波長域および透過率の高いものを使用する。具体的には、グリーン成分である550nmの波長に着目し、ポリイミド層の反射分光感度0.1%に対して、銅の反射分光感度は3%であり、30倍反射することが実験値から得られている。
【0065】
つまり、ワーク51から反射される光成分の強弱が銅およびポリイミドに依存し、かつ銅の方が反射強度が強いので、最上層銅パターン部が明るく撮像されるようになる。また、ワーク51に照射する際、偏光比を高めて配線パターンおよびポリイミド絶縁層に照射することにより、より鮮明に最上層配線パターンの画像を撮像するようにしている。
【0066】
このようにして最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターン画像の配線パターンデータは、図示しないパーソナルコンピュータ、キーボード、マウス、ディスプレイ等から構成される演算制御部40に出力され、ディスプレイから表示されるようにしている。演算制御部40では、出力された配線パターンデータと、正常な設計配線パターンデータとを用いた各種演算、認識処理および比較処理を行い、配線パターンの良否を判定する。また、演算制御部40は、ワーク固定駆動機構50等の制御を行うユーザーインターフェースの役割も受け持つ。
【0067】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットの動作について説明する。
【0068】
すなわち、検査ユニット100では、光源10から光が発せられると、この光は、ライトガイド11、集光レンズ12を経て熱線カットフィルター13へと導かれる。そして、熱線カットフィルター13によって長波長側の光(例えば700nm以上の波長)が遮断され、それ以外の光が偏光ビームスプリッター21へと導かれる。
【0069】
光源10から発せられた光は、ランダム光であるが、偏光ビームスプリッター21では、このランダム光から直線偏光(図中表裏方向が電界ベクトルの方向である)が抽出され、偏光ビームスプリッター22へと導かれる。なお、偏光ビームスプリッター21によって必ずしも100%の直線偏光(図中表裏方向が電界ベクトルの方向である)が抽出される訳ではなく、図中表裏方向以外の電界ベクトルの光成分も若干含まれている。
【0070】
なお、偏光ビームスプリッター21および熱線カットフィルター13は、光源10の光によって高温となるが、放熱機構14がエアーを噴きつけることによって冷却される。
【0071】
偏光ビームスプリッター22では、偏光ビームスプリッター21から導光された光には表裏方向以外が電界ベクトルである光も若干含まれているので、それを排除する。そして、結像レンズ33および偏光フィルター34側へと導かれる。そして、偏光ビームスプリッター22によって抽出された直線偏光は、所定の角度の偏光フィルター34を介して得られる所定の偏向成分をワーク固定駆動機構50によって固定されたワーク51へ向けて照射される。
【0072】
ワーク51に照射された光成分は、ワーク51で反射し、この反射光は偏光フィルター34を透過し、直線偏光の電界ベクトル方向に直交する直線偏光(図中左右方向が電界方向である)へと変換される。
【0073】
その後、結像レンズ33によって平行光とされ、偏光ビームスプリッター22によって図中左右方向の電界ベクトル方向である直線偏光が抽出された後にバンドパスフィルター32へと導かれる。
【0074】
バンドパスフィルター32では、最上層配線パターンの反射光による量と、ポリイミド絶縁層部分の反射光による量との差異が最も大きくなる波長域が抽出され、この波長域の光のみがセンサーカメラ30内のCCD素子31へと入射される。具体的には、グリーン成分である550nmの波長の場合、ポリイミド層の反射分光感度0.1%に対して、銅の反射分光感度は3%であり、30倍反射することが実験値から得られている。このようにして抽出された光がCCD素子31によって撮像されることによって、最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターンの画像が得られる。つまり、ワーク51から反射される光成分の強弱が銅およびポリイミドに依存し、かつ銅の方が反射強度が強いので、最上層銅パターン部が明るく撮像される。また、ワーク51に照射する際、偏光比を高めて配線パターンおよびポリイミド絶縁層に照射することにより、より鮮明な最上層配線パターンの画像が撮像される。
【0075】
この原理について、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。すなわち、光源10からの光Lを平行導光するライトガイド11によって導光された光から多段に組み合わせた偏光板又は偏光ビームスプリッターを介して図2中表裏方向に電界ベクトルの方向がある直線偏光Yを抽出、導光させる。図4Aおよび図4Bでは、偏光ビームスプリッター21によってこの直線偏光Yを抽出、導光する例を示している。
【0076】
そして、この直線偏光Yに対して任意角度で光軸合わせを行った偏光板65に導光させる。この時の直線偏光Yに対する偏光板最適角(図2の表裏方向と、偏光板65の透過軸とのなす角度の最適角)は45°である。従って、以下この45°条件下での効果を述べる。
【0077】
さて、45°で光軸合わせを行った偏光板65を透過する光は、入射する直線偏光Yを1/√2倍のベクトル分解した成分となる。この1/√2直線偏光Yがポリイミドフィルム絶縁材などをベース67とした配線パターン69が配置されたワーク51に照射されることとなる。
【0078】
図4Aに示すように、この1/√2直線偏光Yを銅などの配線パターン69に照射すると、銅メッキ手段等によって形成された銅などの配線パターン69の表面では入射した1/√2直線偏光Yはそのまま反射されることとなる。そして、反射された1/√2直線偏光Yが再度偏光板65を通る。この時、偏光ビームスプリッター21を通過する光Yは、ワーク51から反射された1/√2直線偏光Yを更に1/√2にベクトル分解した成分が偏光ビームスプリッター21上方に透過することとなり、その光成分Yが最上層の配線パターン69の情報を有した成分としてそのままCCD素子31に受光されることとなる。
【0079】
同様に、図4Bに示すように、この1/√2直線偏光Yをポリイミドフィルム絶縁材などの透明ベースフィルム67に照射する。この透明ベースフィルム67は、その材料特性上異方性を有していることが分かっている。すなわち、このような透明ベースフィルム67に入射した1/√2直線偏光Yはその表面によって角度変化の加わった偏光光またはランダム光として反射されるものと考えられる。反射された光Y’は偏光板角度45°から外れるため、45°時のCCD素子31に受光される相対光量0.5に比べほとんど受光されない程度の光量になる。すなわち、銅などの配線パターン69に照射した場合と、ポリイミド絶縁部などの透明ベースフィルム67に照射した場合では、CCD素子31に受光される光量差が生じ、ポリイミドフィルム絶縁材などの透明ベースフィルム67に該当する情報成分は、ほとんどCCD素子31に導光されないものと考えられる。
【0080】
従って、このように半導体パッケージを形成する材料特性に応じた情報をうまく抽出し、CCD素子31で受光することによって、内層配線パターンの写り込みがなく、最上層配線パターン情報を高コントラストな画像として撮像することが可能となる。
【0081】
また、図6Aは、最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが3層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、検査ユニット100によって最上層配線パターン情報の顕在化を行った後にセンサーカメラ30によって撮像された最上層配線パターンの一例を示す画像である。一方、図6Bは、同一の最上層配線パターンに対して、通常カメラで撮像された画像である。
【0082】
図6Aと図6Bより、検査ユニット100によって最上層の配線パターン情報を光学的により顕在化することによって、内層配線パターンが3層ある場合においても、最上層配線パターンを明瞭に抽出できることを確認することができる。配線パターンが存在するにも関わらず、追加内層数に依存することなく最上層配線パターンのみを抽出することが可能となる。
【0083】
これに対し、通常カメラで撮像した場合には、図6Bに示すように、全ての層の配線パターンが映し出されてしまう。更に、最上層配線パターンと内層配線パターンとは同程度の明るさであるために、例えば2値化処理を施したとしても分離不可能である。特に、最上層配線パターンと内層配線パターンとが交差している箇所では、その影響が顕著であり、どちらが上側に存在しているかの判別もつき難い。
【0084】
また、図7Aは、最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが1層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、検査ユニット100によって最上層配線パターン情報の顕在化を行った後にCCD素子31によって撮像された最上層配線パターンの別の例を示す画像である。図7Bは、図7Aの画像中に示す配線パターン部分に対応するラインプロファイルである。図8は、図7Aに示す画像に対して2値化処理を施して得られた画像である。
【0085】
図8から明らかなように、最上層配線パターン部分は明るく、内層パターンおよびポリイミド絶縁層部分は暗く撮像されることがわかる。このように、検査ユニット100によって撮像された画像は、2値化処理という簡単な画像処理によって、内層配線パターンに影響されることなく更に最上層配線パターンと、内層配線パターンとに分類することができる。そして、CADデータ(パターン設計情報)や良品ワーク(正しく配線パターンが形成されたワーク)を基準マスター画像として事前設定し、2値化処理された画像との比較処理や特徴抽出法等により差異のあった部分を欠陥として判定することができる。
【0086】
また、パターン検査に最適な画像とは、パターンエッジが鮮明でかつ表面凹凸の影響のない状態である。パターンエッジが鮮明であるためには配線パターン部分とポリイミド絶縁層部分とのコントラスト差が明確に切り分けられなければならない。このため、配線パターン表面凹凸の影響をなくすためにはワークに照射する光量が多く明るくなければならない。
【0087】
図9は、第1の直線偏光の電界ベクトルの方向に対して偏光フィルター34の透過軸を所定角だけ変化させた場合における配線パターン画像のヒストグラムの一例であり、横軸は階調値、縦軸は画素数を表している。ヒストグラムが高階調側に最もシフトしている条件は回転角が40°から50°の場合であり、この回転角では、同時にヒストグラムの山の面積も他の回転角の場合に比べて減少していることが確認できる。
【0088】
他の回転角の場合には、この山の階調範囲にポリイミド絶縁層部分や、配線パターン部分が含まれてしまうが、最適角度になるに従って配線パターン部分が最大階調を有するために、山の面積から配線パターン部分が分離され、山の面積が減少する。また、各回転角度において撮像された画像からも、同様に配線パターン部分が鮮明で配線パターン部分とポリイミド絶縁層部分とのコントラスト差が大きい最適な条件は、回転角が40°から50°の範囲であると確認することができる。
【0089】
それ以外の回転角では、配線パターン部分の階調値が低くなり、これに伴って配線パターン部分とポリイミド絶縁層部分とのコントラスト差が減少する。これによって、配線パターン部分の階調値が低くなり、配線パターン表面の凹凸の影響も顕著に現れてくる。このため、パターン検査画像としては適さなくなってしまう。各角度成分時の画像を図5Aから図5Eに示す。
【0090】
上述したように、本実施の形態に係る配線パターン検査装置においては、上記のような作用により、半導体パッケージ用多層配線基板において、内層配線パターンの影響を光学的に除去することができる。その結果、最上層配線パターンの精細な画像を撮像することができる。
【0091】
更に、この画像を基準データや基準画像と比較することによって、配線パターンの検査を自動的に、かつ高い信頼性の下で行うことが可能となる。
【0092】
また、センサーカメラ30にラインセンサ技術を適用することによって、例えば特許第2962565号公報で適用されているようなポイントスキャンによって画像を得る場合よりも、短時間で画像を撮像することができるために、大面積の最上層配線パターンに対しても有利である。
【0093】
更に、センサーカメラ30によって撮像した画像に基づいて配線パターンの検査を行うことができることから、特許第2962565号公報のように検出系を2重で備える必要はなくなり、構成を簡素化することができる。更にまた、検出値のデータ処理も減るので、演算制御部40の負荷を低減することも可能となる。
【0094】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図2および図10から図12を用いて説明する。
【0095】
本実施の形態に係る配線パターン検査装置は、第1の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニット100における偏光ビームスプリッター21の改良に係るものである。したがって、ここでは偏光ビームスプリッター21のみについて述べる。
【0096】
すなわち、図2の第1の実施の形態において、偏光ビームスプリッター21は、光源10から発せられたランダム光から直線偏光(図中表裏方向が電界ベクトル方向である)を抽出する。しかしながら、この抽出時において、偏光ビームスプリッター21から図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分が側面に逃げてしまうため、その側面は高温になる。
【0097】
したがって、この光成分を回収し、電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分に変換して偏光ビームスプリッター22へと導くことができれば、さらに光量アップが図れ、配線パターン部分とポリイミド絶縁層部分とのコントラスト差を広げることが可能である。
【0098】
図10は、このようなことを実現するための偏光ビームスプリッター21の全体構成の一例を示す斜視図である。
【0099】
すなわち、図10に示すように、本実施の形態において偏光ビームスプリッター21は、偏光膜21aを備えており、更に左右両側面にタブプリズム23(#R)およびタブプリズム23(#L)をそれぞれ配置している。また、上側にλ/2波長板24を配置している。
【0100】
すなわち、偏光ビームスプリッター21は、光源10からランダム光が導入されると、偏光ビームスプリッター21によって、このランダム光から電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分Yを抽出し、偏光ビームスプリッター22へと導く。一方、この抽出時には、図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分Tが、側面側から逃げ出て、タブプリズム23(#R)に導入されるようにしている。タブプリズム23(#R)は、この逃げ出た図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分Tを取り込み、λ/2波長板24へと導く。λ/2波長板24は、タブプリズム23(#R)から導かれた図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分Tをλ/2波長変換し、すなわち電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分Zに変換し、タブプリズム23(#L)へと導く。タブプリズム23(#L)は、λ/2波長板24から導かれた電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分Zをその側面から偏光ビームスプリッター21の本体へと導く。偏光膜21aは、このようにして導かれた電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分Zを反射することによって、電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分Yに変換して偏光ビームスプリッター22へと導出する。
【0101】
図11は、同様な作用をもたらす偏光ビームスプリッター21の全体構成の例を示す斜視図である。
【0102】
図11に示す構成では、偏光ビームスプリッター21は、偏光膜21aを備えており、更に偏光膜21aの非反射面側の側面に全反射ミラー26(#L)を、偏光膜21aの反射面側の側面にλ/4波長板25および全反射ミラー26(#R)をそれぞれ配置している。
【0103】
すなわち、偏光ビームスプリッター21は、光源10からランダム光が導入されると、このランダム光から電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分Yを抽出し、偏光ビームスプリッター22へと導く。一方、この抽出時には、図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分Tが、側面側から逃げ出てλ/4波長板25を介して全反射ミラー26(#R)に導かれるようにしている。
【0104】
全反射ミラー26(#R)は、このようにして導かれた図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分Tを反射させることによって、再びλ/4波長板25を介して偏光ビームスプリッター21に導入させる。これによって、偏光ビームスプリッター21から逃げ出た図2中上下方向が電界ベクトル方向である光成分Tは、λ/4波長板25を2回通過するために、電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分Zとなって偏光ビームスプリッター21に入射する。
【0105】
更にこの電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分Zは、偏光膜21aを透過し、一旦偏光ビームスプリッター21を抜けて全反射ミラー26(#L)に到達する。そして、全反射ミラー26(#L)によって反射された後に、再び偏光ビームスプリッター21に入射し、偏光膜21aに反射されることによって電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分Yに変換され、偏光ビームスプリッター22へと導かれるようにしている。
【0106】
図12は、偏光ビームスプリッター21を単独で備えた場合(a)と、図10に示すように偏光ビームスプリッター21にタブプリズム23およびλ/2波長板24を備えた場合(b)と、図11に示すように偏光ビームスプリッター21に全反射ミラー26とλ/4波長板25とを備えた場合(c)とにおいてそれぞれ同一条件で撮像された画像データにおける配線パターン部分の任意線に沿った階調差を示すプロファイル図である。
【0107】
(a)と(b)ではほとんど差異は見られないが、(a)と(c)では最大20%程度のコントラスト拡大効果(配線パターン部分と絶縁層部分との明るさが広がる)を確認することができる。
【0108】
本実施の形態に係る配線パターン検査装置では、上述したようにして、偏光ビームスプリッター21によって抽出された電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分Yのみならず、図2中上下方向が電界ベクトルである光成分Tから変換された電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分Yもまた偏光ビームスプリッター22に導出される。これによって、光源10からの光を効率良く利用できるようになるので、光量アップを図ることが可能となる。その結果、配線パターン部分とポリイミド絶縁層部分とのコントラスト差を広げることができるので、最上層配線パターンをより鮮明に撮像することが可能となる。
【0109】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図13から図22を用いて説明する。
【0110】
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニット100の改良に係るものである。したがって、ここでは検査ユニットのみについて述べる。
【0111】
図13は、本実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットの一例を示す構成説明図である。
【0112】
すなわち、本実施の形態に係る配線パターン検査装置における検査ユニットは、平行導光部56と、光抽出部58と、波長選択部60と、ワーク固定駆動機構50と、演算制御部40とを備えている。
【0113】
更に、平行導光部56は、図14に示すように、光源10と、ライトガイド11と、熱線カットフィルター13と、集光レンズ17と、拡散板18と、集光レンズ19と、ファン20とを備えている。
【0114】
光源10は、第1の実施の形態と同様にメタルハライドランプのような可視域全体に亘って発光する高輝度照明であっても、あるいはレーザのように単一波長の光を発光するものであってもよい。
【0115】
光源10から発せられた光は、ライトガイド11、熱線カットフィルター13を経て集光レンズ17へと入射する。そしてこの光は、集光レンズ17、拡散板18、および集光レンズ19によって均一な平行光とされた後に、光抽出部58へと導光されるようにしている。なお、集光レンズ17および集光レンズ19は、単一のレンズのみならず、複数のレンズからなるレンズ群であってもよい。
【0116】
光抽出部58に導光される光は、必ず均一な平行光でなければならない。何故なら光抽出部58で使用されている偏光光学部材の特性は、特に光の入射角に敏感に依存し、適用入射角以外の光が入射した場合には、求める波長特性に大きな影響を及ぼすためである。
【0117】
例えば、光抽出部58に偏光ビームスプリッター68(後で詳述する)が適用されている場合、この入射角45°仕様の偏光ビームスプリッター68に対して40°入射を試みると使用波長域において2%減光、50°入射を試みると38%減光するという実験値を得ており、これにより撮像視野に大きな明るさの勾配カーブ(シェーディング)が発生してしまう。
【0118】
このような大きな勾配カーブが存在する画像に対して様々な画像処理、認識処理を施すことは、演算制御部40によってなされる処理時間の増加をもたらす。また、この勾配カーブが存在することによって例えば画像の中央部と端部とに同種の欠陥が存在した場合、その欠陥の見え方やその部分のコントラスト差に違いが生じてしまう恐れもある。従って、光抽出部58に導光する光は必ず均一な平行光となるように集光レンズ17、集光レンズ19、および後述する拡散板18の構成には十分留意する必要がある。
【0119】
拡散板18は、特に耐熱温度を十分考慮して選択する必要があり、この拡散板18によってライトガイド11からの出射光量分布を均一にする役目を果たす。ホログラフィックディフューザーは、拡散板として最も効果のある光学部材であるが、耐熱性に難があるために、より高い耐熱性を備える必要がある場合には、オパールが適する。
【0120】
また、一般的にライトガイド11の端からの出射光量分布は、中央部が暗い傾向になっている。この中央部が暗い傾向を軽減するために光源10内のランプ(図示せず)の角度を5〜6°傾けることによって効果があることも実験から得られている。
【0121】
ファン20は、第1の実施の形態における放熱機構14の代わりに設けたものであって、ライトガイド11にエアーを送風することによって空冷し、熱対策が必要なければなくても良い。
【0122】
光抽出部58は、図15Aから図15Dのうちの何れかに示す立断面構成をしており、平行導光部56から導光されたランダムな入射光から直線偏光(図中表裏方向を電界ベクトル方向とする)を抽出し、更に円偏光に変換した後にワーク51に向けて照射する。すなわち、図15Aから図15Dにおいて、光抽出部58の右側から入射光が導光され、円偏光は、光抽出部58の下側にあるワーク51に向けて照射されるようにしている。
【0123】
図15Aに示す構成の光抽出部58は、透過軸が図中表裏方向である偏光板61と、ハーフミラー(half mirror)62と、λ/4波長板64と、透過軸が図中左右方向である偏光板66とから構成している。この場合、図中右側から導光された入射光から透過軸が図中表裏方向である偏光板61が電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分を抽出する。この電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分は、ハーフミラー62によって図中下部側へと反射された後にλ/4波長板64によって円偏光に変換され、ワーク51に向けて照射されるようにしている。この円偏光は、ワーク51で反射し、回転方向を逆とされた円偏光となる。この反射光は、λ/4波長板64によって電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分に変換され、更にハーフミラー62を透過した後に偏光板66によって更にその直線偏光成分の割合が高められた後に波長選択部60に導光されるようにしている。
【0124】
図15Bに示す光抽出部58は、偏光ビームスプリッター68とλ/4波長板64とから構成している。この場合、図中右側から導光された入射光から偏光ビームスプリッター68が電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分を抽出し、更にこの電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分がλ/4波長板64へと入射される。この電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分はλ/4波長板64によって円偏光に変換され、ワーク51に向けて照射されるようにしている。この円偏光は、ワーク51で反射し、回転方向を逆とされた円偏光となる。この反射光は、λ/4波長板64によって電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分に変換され、更に偏光ビームスプリッター68を透過した後に波長選択部60に導光されるようにしている。
【0125】
図15Cに示す光抽出部58は、偏光ビームスプリッター70と、偏光ビームスプリッター68と、λ/4波長板64とから構成している。偏光ビームスプリッター70と偏光ビームスプリッター68との位置関係は、図16の斜視図に示す通りである。この場合、図中右側から導光された入射光から偏光ビームスプリッター70が電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分を抽出して偏光ビームスプリッター68へと導光し、偏光ビームスプリッター68がこの直線偏光を反射してλ/4波長板64へと入射させる。この直線偏光はλ/4波長板64によって円偏光に変換され、ワーク51に向けて照射されるようにしている。この円偏光は、ワーク51で反射し、回転方向を逆とされた円偏光となる。この反射光は、λ/4波長板64によって電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分に変換され、更に偏光ビームスプリッター68を透過した後に波長選択部60に導光されるようにしている。
【0126】
図15Dに示す光抽出部58は、偏光板61と、偏光ビームスプリッター68と、λ/4波長板64とから構成している。この場合、図中右側から導光された入射光から偏光板61が電界ベクトル方向が図中表裏方向である光成分を抽出して偏光ビームスプリッター68へと導光し、偏光ビームスプリッター68がこの直線偏光を反射してλ/4波長板64へと入射させる。また、この過程で、入射光に含まれていた不純物成分も除去される。これによって、より純度の高い直線偏光がλ/波長板64へと入射されるようにしている。
【0127】
この直線偏光はλ/4波長板64によって円偏光に変換され、ワーク51に向けて照射されるようにしている。この円偏光は、ワーク51で反射し、回転方向を逆とされた円偏光となる。この反射光は、λ/4波長板64によって電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分に変換され、更に偏光ビームスプリッター68を透過した後に波長選択部60に導光されるようにしている。
【0128】
これら偏光板61、ハーフミラー62、λ/4波長板64、偏光板66、偏光ビームスプリッター68、偏光ビームスプリッター70は、適用波長域、消光比、偏光比、ワーク視野全域に照射、結像できる外形サイズ等を十分考慮し選択する必要がある。また、構成によっては、ワーク51に照射されない成分の光は鏡筒内側壁に逃げてしまうため、その側壁部分では耐熱シートや空冷機構を設ける。
【0129】
波長選択部60は、図17に示すように、センサーカメラ30と、CCD素子31と、バンドパスフィルター32と、テレセントリック像側結像レンズ36と、テレセントリック物側結像レンズ38とを備えている。
【0130】
すなわち、光抽出部58からの円偏光は、テレセントリック物側結像レンズ38を介してワーク51を照射する。そして、円偏光がワーク51で反射してなる反射光は、テレセントリック物側結像レンズ38を介した後に光抽出部58によって電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分に変換された後に、テレセントリック像側結像レンズ36を介して平行光となり、光抽出部58を経た後にバンドパスフィルター32に入射する。
【0131】
なお、本発明において、ワークに照射される光は完全な円偏波光に限らず、楕円偏波光であっても、ワークの最上層の配線パターンが主に観察されるのであれば、構わない。
【0132】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットの動作について説明する。
【0133】
すなわち、検査ユニットでは、光源10から可視光あるいはレーザ光が発せられると、この光は、ライトガイド11、熱線カットフィルター13を経て集光レンズ17へと導かれる。更に、集光レンズ17、拡散板18、および集光レンズ19によって均一な平行光とされた後に、光抽出部58へと導光される。
【0134】
ライトガイド11は、光源10からの光によって加熱されるが、ファン20によって空気が送風されることによって、その機能が低下するほどの温度までに至らないように冷却される。
【0135】
光抽出部58に導光された光は、光抽出部58において直線偏光(図中表裏方向が電界ベクトル方向である)が抽出され、更に円偏光に変換された後にワーク51に向けて照射される。
【0136】
この円偏光は、テレセントリック物側結像レンズ38を介してワーク51へ照射され、ワーク51で反射する。この反射光は、テレセントリック物側結像レンズ38を介した後に光抽出部58によって電界ベクトル方向が図中左右方向である光成分に変換され、テレセントリック像側結像レンズ36を介して平行光とされ、偏光ビームスプリッター22を経た後にバンドパスフィルター32へと導光される。
【0137】
バンドパスフィルター32では、最上層配線パターンの反射光による量と、ポリイミド絶縁層部分の反射光による量との差異が最も大きくなる波長域が抽出され、この波長域の光のみがセンサーカメラ30内のCCD素子31へと入射される。具体的には、グリーン成分である550nmの波長の場合、ポリイミド層の反射分光感度0.1%に対して、銅の反射分光感度は3%であり、30倍反射することが実験値から得られている。
【0138】
よって、入射した光がセンサーカメラ30によって撮像されることによって、最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターンの画像が得られる。つまり、ワーク51から反射される円偏光の強弱が銅およびポリイミドに依存し、かつ銅の方が反射強度が強いので、最上層銅パターン部が明るく撮像される。なお、円偏光をワーク51に照射する際、偏光比を高めて配線パターンおよびポリイミド絶縁層に照射することにより、より鮮明に最上層配線パターン画像が撮像される。
【0139】
この原理について、図4Cおよび図4Dを用いて説明する。すなわち、光源10からの光Lを平行導光するライトガイド11によって導光された光から多段に組み合わせた偏光板又は偏光ビームスプリッターを介して図2中表裏方向に電界ベクトルの方向がある直線偏光yを抽出、導光させる。図4Cおよび図4Dでは、λ/4波長板64によってこの直線偏光yを抽出、導光する例を示している。
【0140】
この直線偏光yは、λ/4波長板64を通ることによってその光学特性から円偏光yに変換され、この円偏光yをポリイミドフィルム絶縁材などベース67とした配線パターン69に照射する。
【0141】
図4Cに示すように、この円偏光yを銅などの配線パターン69に照射すると、銅メッキ手段等によって形成された銅などの配線パターン69の表面では入射した円偏光yはそのまま回転方向が逆転した円偏光yとして反射されることとなる。そして、反射された円偏光yが再度λ/4波長板64を通ることによって入射した直線偏光yに対して直交する直線偏光yにその光学特性から変換される。変換された直線偏光yは偏光ビームスプリッター21の光学特性から上方に透過し、最上層配線パターン情報を有した成分yとしてCCD素子31に受光されることとなる。
【0142】
同様に、図4Dに示すように、この円偏光yをポリイミドフィルム絶縁材などの透明ベースフィルム67に照射させる。この透明ベースフィルム67は、その材料特性上異方性を有していることが分かっている。すなわち、このような透明ベースフィルム67に入射した円偏光yはその表面では位相差の生じた楕円偏光y’として反射されることとなる。そして、楕円偏光y’が再度λ/4波長板64を通ると楕円偏光の楕円率に応じた方位角の直線偏光y’に変換されることとなる。この直線偏光y’は、偏光ビームスプリッター21の光学特性上、上方にほとんど透過されない(実際は、λ/4波長板64によって直線偏光y’に変換された成分から偏光ビームスプリッター21上方へ透過するベクトル分解成分y’のみ透過する)。すなわち、ポリイミドフィルム絶縁材などの透明ベースフィルム67に該当する情報成分は、ほとんどCCD素子31に導光されないこととなる。
【0143】
従って、このように半導体パッケージを形成する材料特性に応じた情報をうまく抽出し、CCD素子31で受光することによって、内層配線パターンの写り込みがなく、最上層配線パターン情報を高コントラストな画像として撮像することが可能となる。
【0144】
図18Aは、最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが1層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、検査ユニット100によって最上層配線パターン情報の顕在化を行った後にセンサーカメラ30によって撮像した最上層配線パターンの例を示す画像である。一方、図18Bは、同3層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、同様にして撮像した最上層配線パターンの例を示す画像である。
【0145】
図18Aおよび図18Bから明らかなように、内層配線パターンが1層存在する場合であっても、また3層存在する場合においても、最上層配線パターンのみを明るく抽出できることが確認できる。つまり、内層数に依存することなく最上層配線パターンのみを抽出することが可能である。
【0146】
また、図19Aは、最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが1層存在する半導体パッケージ用多層配線基板を検査ユニットによって撮像した最上層配線パターンの例を示す画像である。それに対し、図19Bは、図19Aに示す画像に対して2値化処理を施した画像である。
【0147】
図19Bを見て分かるように、検査ユニットによって撮像された画像に対して、更に2値化という簡単な処理を施すことによって、最上層配線パターン部分はより明るく、内層パターンおよびポリイミド絶縁膜部分はより暗く映像化され、最上層配線パターンとそれ以外がより明確化された画像を得ることができる。また、2値化には、画像データ量を低減することができ、更に高速な画像処理が可能となるという別のメリットもある。
【0148】
そして、CADデータ(パターン設計情報)や良品ワーク(正しく配線パターンが形成されたワーク)を基準マスター画像として事前設定し、2値化処理された画像との比較処理や特徴抽出法等により差異のあった部分を欠陥として判定することができる。
【0149】
また、パターン検査に最適な画像とは、パターンエッジが鮮明でかつ表面凹凸の影響のない状態である。パターンエッジが鮮明であるためには配線パターン部分とポリイミド絶縁層部分とのコントラスト差が明確に切り分けられなければならず、配線パターン表面凹凸の影響をなくすためにはワークに照射する光量が多く明るくなければならない。
【0150】
図20は、光抽出部58において、図15Cおよび図16に示すように偏光ビームスプリッター70と偏光ビームスプリッター68とを直列に組み合わせた場合(図中における曲線(d))と、図15Dに示すように偏光ビームスプリッター68と横波偏光板61とを組み合わせ偏光効率を上げた場合とにおいて撮像した場合(図中における曲線(e))とにおける撮像視野幅方向のラインプロファイルの一例を示したものである。
【0151】
図中における曲線(d)を見て分かるように、入射角45°仕様の偏光ビームスプリッターに対して端部の入射角が45°から外れてしまう。つまり、図15Cに示すように偏光ビームスプリッター70と、偏光ビームスプリッター68とを直列に組み合わせた場合には、図21Aに示すように、集光レンズ12によって完全に平行な入射光が形成されない場合には、例えば図21Bに示すように、偏光ビームスプリッター68の両端部において入射角が45°から外れてしまう(図21Bは、一例として、偏光ビームスプリッター68の上端部では49°の角度で入射光が入射し、下端部では41°の角度で入射光が入射している場合を示している。)。このような入射角依存性によって、撮像視野幅方向の両側が極端に暗くなってしまい、この状態での単一閾値による2値化処理は困難と言わざるを得ない。このような両端部における適用入射角からのズレは、集光レンズ12と偏光ビームスプリッター68との距離が大きくなるほど大きくなるので、集光レンズ12と偏光ビームスプリッター68との間に偏光ビームスプリッター70を介在させている構成の場合には、両端部における適用入射角からのズレによる入射角依存性はより高くなる傾向である。
【0152】
一方、図15Dに示すように偏光ビームスプリッター70の代わりに、偏光ビームスプリッター70よりも薄い偏光板61を設けた場合は、図22Aおよび図22Bに示すように、集光レンズ12と偏光ビームスプリッター68との距離を小さくすることができるので、仮に集光レンズ12によって完全に平行な入射光が形成されない場合であっても、両端部における適用入射角からのズレは、偏光ビームスプリッター70を用いた場合よりもさほど大きくならない。したがって、図中における曲線(e)を見て分かるように、偏光板61を使用することよって、両端部における適用入射角からのズレによる階調値低下の影響を改善することが可能である。図22Aは、集光レンズ12によって完全に平行な入射光が形成された場合を示している。また、図22Bは、集光レンズ12によって完全に平行な入射光は形成されなかったものの、偏光ビームスプリッター68の両端部における適用入射角からのズレは小さい場合の一例を示している。
【0153】
なお、図15A〜図15Dにおいて、λ/4波長板の代わりに、偏光フィルター34(偏光板)を用いても、最上層の配線パターンのみを鮮明に撮像することが可能である。
【0154】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明によれば、半導体パッケージ用の多層配線基板に対して内層配線パターンの影響を光学的に除去することによって、最上層配線パターンの高精細な画像を撮像することができる。
【0156】
以上により、同配線パターンの検査を自動的に、かつ高い信頼性の下で行うことが可能な配線パターンの検査装置、検査方法、検出装置および検出方法を実現することが可能となる。
【0157】
また、撮像手段にラインセンサ技術を適用することによって、大面積の最上層配線パターンに対しても短時間で画像を撮像することができ、かつ構成の簡素化を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】第1の実施の形態に係る配線パターン検査装置の一例を示す構成説明図。
【図2】第1の実施の形態に係る配線パターン検査装置における検査ユニットの一例を示す構成説明図。
【図3】ワークにおける照射領域と線状領域との関係を示す概念図。
【図4A】最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターン画像が得られる原理を説明するための概念図。
【図4B】最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターン画像が得られる原理を説明するための概念図。
【図4C】最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターン画像が得られる原理を説明するための概念図。
【図4D】最上層配線パターン情報が顕在化された配線パターン画像が得られる原理を説明するための概念図。
【図5A】図2に示す検査ユニットにおいて、偏光フィルターの回転角を0°とした場合の配線パターンの撮像画像。
【図5B】図2に示す検査ユニットにおいて、偏光フィルターの回転角を10°とした場合の配線パターンの撮像画像。
【図5C】図2に示す検査ユニットにおいて、偏光フィルターの回転角を45°とした場合の配線パターンの撮像画像。
【図5D】図2に示す検査ユニットにおいて、偏光フィルターの回転角を80°とした場合の配線パターンの撮像画像。
【図5E】図2に示す検査ユニットにおいて、偏光フィルターの回転角を90°とした場合の配線パターンの撮像画像。
【図6A】最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが3層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、本発明による検査ユニットによって撮像された最上層配線パターンの画像。
【図6B】最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが3層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、従来技術によって撮像された同画像。
【図7A】最上層配線パターンに対してポリイミド絶縁層を介して内層配線パターンが1層存在する半導体パッケージ用多層配線基板に対し、本発明による検査ユニットによって得た最上層配線パターン情報の画像。
【図7B】図7Aの画像に対応するラインプロファイル。
【図8】図7Aに示す画像を2値化処理して得られた画像。
【図9】第1の実施の形態に係る配線パターン検査装置における検査ユニットの偏光フィルターの回転角を変化させた場合における配線パターン画像のヒストグラムの一例。
【図10】第2の実施の形態に係る配線パターン検査装置における偏光ビームスプリッターの全体構成例を示す斜視図。
【図11】第2の実施の形態に係る配線パターン検査装置における別の偏光ビームスプリッターの全体構成例を示す斜視図。
【図12】偏光ビームスプリッターを単独で備えた場合(a)と、偏光ビームスプリッターにタブプリズムおよびλ/2波長板を備えた場合(b)と、偏光ビームスプリッターに全反射ミラーとλ/4波長板とを備えた場合(c)とにおいて撮像された画像データにおける配線パターン部分の任意線に沿った階調差を示すプロファイル図。
【図13】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットの一例を示す構成説明図。
【図14】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットにおける平行導光部の一例を示す構成説明図。
【図15A】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットにおける光抽出部の一例を示す構成説明図。
【図15B】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットにおける光抽出部の一例を示す構成説明図。
【図15C】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットにおける光抽出部の一例を示す構成説明図。
【図15D】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットにおける光抽出部の一例を示す構成説明図。
【図16】2段直列に配置された偏光ビームスプリッター同士の位置関係を示す斜視図。
【図17】第3の実施の形態に係る配線パターン検査装置の検査ユニットにおける波長選択部の一例を示す構成説明図。
【図18A】内層配線パターンが1層存在する半導体パッケージ用多層配線基板において撮像された最上層配線パターンの例を示す画像。
【図18B】内層配線パターンが3層存在する半導体パッケージ用多層配線基板において撮像された最上層配線パターンの例を示す画像。
【図19A】内層配線パターンが1層存在する半導体パッケージ用多層配線基板において撮像された最上層配線パターンの例を示す画像。
【図19B】図19Aの画像を2値化処理して得た画像。
【図20】偏光ビームスプリッターを2段直列に組み合わせた場合における画像と、偏光ビームスプリッターと横波偏光板とを組み合わせ偏光効率を上げた場合における画像とにおける撮像視野幅方向のラインプロファイルの一例。
【図21A】偏光ビームスプリッターの両端部において、適用入射角からのズレが無い場合を示す図(偏光ビームスプリッターを直列に2段設けた場合)。
【図21B】偏光ビームスプリッターの両端部における適用入射角からのズレを説明するための図(偏光ビームスプリッターを直列に2段設けた場合)。
【図22A】偏光ビームスプリッターの両端部において、適用入射角からのズレが無い場合を示す図(偏光ビームスプリッターを1つのみ設けた場合)。
【図22B】偏光ビームスプリッターの両端部における適用入射角からのズレを説明するための図(偏光ビームスプリッターを1つのみ設けた場合)。

Claims (14)

  1. 光透過性のベースフィルムの少なくとも表裏に配線パターンを有する半導体パッケージ用多層配線基板からなるワークの最上層配線パターンを光学的に検出する配線パターン検出装置であって、
    光源と、
    前記光源からの光を導光するライトガイドと、
    前記導光された光を平行にする平行化手段と、
    前記平行化手段によって平行にされた光から、前記光の進行方向に対して電界ベクトルの方向が直交する第1の直線偏光を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段によって抽出された第1の直線偏光を円偏光に変換する円偏光変換手段と、
    前記円偏光変換手段によって変換された円偏光を前記ワークに照射する照射手段と、
    前記照射手段によって照射された円偏光が前記ワークで反射してなる反射光から、前記第1の直線偏光と電界ベクトルの方向が直交する第2の直線偏光を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第2の直線偏光のうち、前記最上層配線パターンの反射光による量と、前記最上層配線パターン以外の反射光による量との差が、予め定めた値よりも大きくなる波長域を選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された波長域における光成分を導く選択波長光成分導光手段と、
    前記選択波長光成分導光手段によって導かれた光成分を撮像する撮像手段とを備え
    前記ベースフィルムをポリイミド樹脂、前記配線パターンを銅によってそれぞれ形成し、前記選択手段は550nmを含む波長域を選択し、前記撮像手段をCCDとした配線パターン検出装置。
  2. 請求項1に記載の配線パターン検出装置において、
    前記ワークにおける所定の線状領域の撮像を連続的に行い、前記連続的に撮像された線状領域をつなぎ合わせることによって前記ワークの面状領域を撮像するようにしたラインセンサを前記撮像手段に備えた配線パターン検出装置。
  3. 請求項1乃至のうち何れか1項に記載の配線パターン検出装置において、
    前記ガイドライトと前記平行化手段との間に設けられ、前記ガイドライトによって導光された光を、強度分布を一定に保ちながら拡散し、拡散した光を前記平行化手段に導く拡散板を備えた配線パターン検出装置。
  4. 請求項に記載の配線パターン検出装置において、
    前記光源からの光から赤外線成分を除去する赤外線フィルターを、前記光源と前記ライトガイドとの間、あるいは前記ライトガイドと前記拡散板との間に介挿して備えた配線パターン検出装置。
  5. 請求項1乃至のうち何れか1項に記載の配線パターン検出装置において、
    前記ライトガイドを冷却する冷却手段を付加した配線パターン検出装置。
  6. 請求項1に記載の配線パターン検出装置において、
    前記円偏光に代えて、楕円偏光を前記ワークに照射するようにした配線パターン検出装置。
  7. 請求項1乃至のうちの何れか1項に記載の配線パターン検出装置において、
    前記光源を白色光源とした配線パターン検出装置。
  8. 請求項1乃至のうち何れか1項に記載の配線パターン検出装置の撮像手段で撮像された画像と、所定の良品画像とを照合し、前記最上層配線パターンが良品であるか否かを検査する検査手段を備えた配線パターン検査装置。
  9. 光透過性のベースフィルムの少なくとも表裏に配線パターンを有する半導体パッケージ用多層配線基板からなるワークの最上層配線パターンを光学的に検出する配線パターン検出方法であって、
    光をライトガイドによって導光する工程と、
    前記ライトガイドによって導光された光を、強度分布を一定に保ちながら拡散する拡散工程と、
    前記拡散工程によって拡散された光を平行にする平行化工程と、
    前記平行化工程によって平行にされた光から、前記光の進行方向に対して電界ベクトルの方向が直交する第1の直線偏光を抽出する第1の抽出工程と、
    前記第1の抽出工程によって抽出された第1の直線偏光を円偏光に変換する円偏波光変換工程と、
    前記円偏波光変換工程によって変換された円偏光を前記ワークに照射する照射工程と、
    前記照射工程によって照射された円偏光が前記ワークで反射してなる反射光から、前記第1の直線偏光と電界ベクトルの方向が直交する第2の直線偏光を抽出する第2の抽出工程と、
    前記第2の直線偏光のうち、前記最上層配線パターンの反射光による量と、前記最上層配線パターン以外の反射光による量との差が、予め定めた値よりも大きくなる波長域を選択する選択工程と、
    前記選択工程によって選択された波長域における光成分を導く選択波長光成分導光工程と、
    前記選択波長光成分導光工程によって導かれた光成分を撮像する撮像工程と
    を備え
    前記ベースフィルムをポリイミド樹脂、前記配線パターンを銅によってそれぞれ形成し、前記選択工程は550nmを含む波長域を選択し、前記撮像工程ではCCDによって撮像するようにした配線パターン検出方法。
  10. 請求項に記載の配線パターン検出方法において、
    ラインセンサを用いて、前記ワークにおける所定の線状領域の撮像を連続的に行い、前記連続的に撮像された線状領域をつなぎ合わせることによって前記ワークの面状領域を撮像するようにした配線パターン検出方法。
  11. 請求項乃至10のうち何れか1項に記載の配線パターン検出方法において、
    前記光から赤外線成分を除去する赤外線除去工程を、前記拡散工程の前に更に備えた配線パターン検出方法。
  12. 請求項に記載の配線パターン検出方法において、
    前記円偏光に代えて、楕円偏光を前記ワークに照射するようにした配線パターン検出方法。
  13. 請求項乃至12のうち何れか1項に記載の配線パターン検出方法において、
    前記光源を白色光源とした配線パターン検出方法。
  14. 請求項乃至13のうち何れか1項に記載の配線パターン検出方法によって撮像された画像と、所定の良品画像とを照合し、前記最上層配線パターンが良品であるか否かを検査するようにした配線パターン検査方法。
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