JP4464718B2 - 内視鏡システム - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されている内視鏡システムは、内視鏡内に、マイクロモータと、マイクロモータによって回転駆動が可能な2つのドラムとを設け、ドラム同士の外周面で処置具を挟持させる。マイクロモータを駆動させ、各ドラムを所定の方向に回転させると、ドラムに挟持されている処置具を処置具挿通チャンネルに挿抜することができる。
特許文献2に開示されている内視鏡システムは、処置具を挟持するローラを備えた挿抜機構が、内視鏡に対して着脱自在に構成されている。
特許文献3に開示されている内視鏡システムは、複数の処置具を交換可能に収容する挿抜装置を備えている。挿抜装置は、処置具を個別に収容保持する処置具ケースを複数有している。内視鏡操作者によって所定の処置具が選択されると、その処置具を収容保持する処置具ケースが使用位置に移動させられる。そして、処置具ケース内の2つのローラが回転し、ローラ間に挟持されている処置具が内視鏡の処置具挿通チャンネル内に送り出される。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、処置具の挿入部分に負荷をかけることなく、処置具を内視鏡に自動挿抜できる内視鏡システムを提供することである。
この内視鏡システムは、長尺材を処置具の挿入部に沿って配し、この長尺材を駆動手段で移動させる。長尺材は処置具の先端に係合しているので、長尺材が移動させられると、これに伴って処置具がチャンネル内を挿抜される。このため、駆動手段と挿入部とを接触させなくても処置具を自動で挿抜することができる。
この内視鏡システムは、前述した長尺材を用いるので、駆動手段からの力をチューブシースに直接に作用させなくてもチューブシースを移動させることができる。このためチューブシースが外力によって潰れることはない。
この内視鏡システムでは、長尺材を処置具の先端部から取り外すことができる。このため、処置具のみを取り扱うことが可能になる。
この内視鏡システムは、長尺材が処置具の先端部に固定されているので、処置具は、長尺材の移動に伴って確実に挿抜される
この内視鏡システムは、ローラを回転駆動させることで長尺材を移動させ、これに伴って処置具をチャンネル内で移動させる。ローラの回転や、その回転方向によって、処置具の移動量が制御される。
この内視鏡システムは、チャンネルが、挿入部に駆動手段からの力が直接に作用しないような形状になっている。すなわち、第二の部分内に通される長尺材は、駆動手段によって圧接されるが、連通部分の幅が小さいために、長尺材が第一の部分に押し込まれることはない。このため、第一の部分内を通る挿入部に駆動手段からの力が直接に作用することはない。
この内視鏡システムは、長尺材が板材からなるので、撓み難く、駆動手段による駆動力を処置具に伝達しやすい。
この内視鏡システムは、長尺材を巻き回すリールを有するので、処置具を抜去した時には長尺材を巻き取って収容することができる。また、処置具の挿通時には、長尺材をリールから順次送り出せば、簡単にチャンネル内に挿通させることができる。
この内視鏡システムは、長尺材の巻き癖の方向、つまり自然状態で長尺材が湾曲する方向と、処置具起上台の起上方向とを一致させているので、処置具の先端部の突出方向を起上方向に湾曲させやすい。
図1に第1の実施の形態における処置具の構成を示し、図2に内視鏡システムの構成を示す。
図1に示すように、処置具1は、操作部2と、操作部2の先端に設けられた可撓性のシース(挿入部)3とを備える造影チューブである。シース3は、樹脂製でその内部が空洞になっており、先端には外部と連通する開口4が設けられている。開口4から所定長だけ基端側には、外径が縮径させられた部分(縮径部)5が設けられている。さらに、開口4の近傍には、指標が設けられている。シース3の基端は、その外周部が保護部材6により覆われると共に、操作部2に固定されている。操作部2には、シリンジなどを取り付ける送液口金7が設けられている。操作部2の内部には、送液口金7とシース3内とを連通させる流路(不図示)が形成されている。
内視鏡10は、内視鏡操作者が操作する操作部12を有している。操作部12には、複数のスイッチ13と、複数の操作ノブ14とが設けられている。また、操作部12の側部には、不図示の制御装置などに接続されるユニバーサルケーブル15が取り付けられている。操作部12の先端には、体腔に挿入される可撓性の挿入部16が設けられている。挿入部16の先端には、先端カバー17が接続されている。先端カバー17の側方には、処置具1を突出させる開口部18が設けられている。
このような挿入部16内及び操作部12内には、処置具挿通チャンネル11が貫通している。処置具挿通チャンネル11において、挿入部16側の開口は、先端カバー17の開口部18に連通している。また、操作部12側の開口は、操作部12の下側部に設けられた分岐部19の上面に設けられており、この開口が処置具1及び挿抜ワイヤ8を挿入する挿入口20になっている。
まず、内視鏡10の挿入部16を体腔に挿入した後に、処置具挿通チャンネル11に処置具1を挿通させる。具体的には、図4に示す処置具挿通チャンネル11の大径部24にシース3の先端を差し込み、小径部25に挿抜ワイヤ8の先端を差し込む。シース3及び挿抜ワイヤ8は、図3に示すように挿抜駆動用ローラ22の突出している部分を越える深さまで手動で差し込む。このとき、挿抜ワイヤ8には、挿抜駆動用ローラ22の外周面が当接する。
この状態でモータを正転させると、挿抜駆動用ローラ22が回転駆動し、挿抜ワイヤ8が内視鏡10の先端に向かって送り出される。これに伴い、シース3が、挿抜ワイヤ8に押されるようにして、処置具挿通チャンネル11内を先端に向かって進む。そして、図5に示すように、処置具1の先端部1aが先端カバー17から所定長だけ出たら、挿抜駆動用ローラ22を停止させる。
造影剤の注入が終了したら、胆管W2内から先端部1aを抜去する。その後、処置具1を処置具挿通チャンネル11から抜去する。すなわち、挿抜駆動用ローラ22を逆転させ、挿抜駆動用ローラ22の外周面により圧接されている挿抜ワイヤ8を引き戻す。これに伴い、シース3が引き戻される。そして、挿入口20近傍まで挿抜ワイヤ8の先端及びシース3の先端を引き出したら、挿抜駆動用ローラ22を停止させ、処置具1の残りの部分を処置具挿通チャンネル11から引き抜く。
さらに、処置具1を処置具挿通チャンネル11に挿通させた状態で、挿抜ワイヤ8のみを進退させると、処置具1の先端部1aを湾曲させて、先端部1aの向きを微調整することができるので、手技が容易になる。
図6から図8に示すように、この内視鏡システムは、内視鏡10の操作部12の下側部に分岐部41を有し、この分岐部41の上面には、挿抜ワイヤ8を挟むように一対の挿抜駆動用ローラ42a,42bが設けられている。
図8に示すように、一対の挿抜駆動用ローラ42a,42bは、各々の回転軸43a,43bが処置具1の挿抜方向と略直交する向きに、配置されている。さらに、2つの回転軸43a,43bを結ぶ直線は、処置具1の挿抜方向と略直交している。回転軸43a,43bは、支持部材44の先端部に回転自在に支持されている。支持部材44の先端部には、挿抜駆動用ローラ42a,42bを回転させるモータ45が固定されている。モータ45の回転は、不図示のギヤなどを介して各挿抜駆動用ローラ42a,42bの回転軸43a,43bに伝達されるようになっている。なお、支持部材44は、分岐部41の上部に配置されている。
処置具1を挿抜する処置具挿通チャンネル46は、断面が円形であり、操作部12内及び挿入部16内を貫通している。分岐部41には、処置具挿通チャンネル46の操作部12側の開口である挿入口47が設けられている。
また、分岐部41の外側に一対の挿抜駆動用ローラ42a,42bを設けたので、装置構成を簡略化できる。一対の挿抜駆動用ローラ42a,42bを採用したことによって処置具挿通チャンネル46として円形チャンネルを用いることができるので、装置構成をさらに簡略化できる。
この内視鏡システムでは、挿抜ワイヤ8を上側にした状態でシース3を挿入口47に差し込む。処置具1を挿抜する際の動作は、前述のものと同じである。シース3と挿抜ワイヤ8との位置関係が、図6から図8に示すものと反対になる。
図11から図13に示すように、この実施の形態では、処置具と挿抜ワイヤとが別体で構成され、かつ挿抜駆動用ローラを有しないことを特徴とする。
図12及び図13に示すように、内視鏡10の操作部13の側部には、分岐部41よりも上方の位置に、支持部材56が延設されており、支持部材56の先端にはローダー57が取り付けられている。ローダー57は、その下部に開口57aを有すると共に、その内部にリール58が回転自在に支持されている。リール58の軸59は、支持部材56内を通り、内視鏡10内に配置されたモータ45に連結されている。このリール58の外周面には、挿抜ワイヤ60が巻き取られている。
シース52の先端及び挿抜ワイヤ60の先端を挿入口47内に差し込んだら、スイッチ13(図6参照)を操作してモータ45を正転させる。これにより、リール58が回転駆動し、挿抜ワイヤ60が送り出される。挿抜ワイヤ60は、前記したように伸直性の高い素材から製造されているので、図15に矢印で示すように、処置具挿通チャンネル46内を先端側に向かって進む。これに伴い、挿抜ワイヤ60の係合部61に縮径部54が係合しているシース52は、挿抜ワイヤ60に押されるようにして、処置具挿通チャンネル46内を進む。そして、処置具51の先端部51aが先端カバー17の開口部18(共に図2参照)から出たら、モータ45を停止させる。
さらに、処置具51と挿抜ワイヤ60とを着脱自在に構成したので、処置具51の取り扱いが容易になる。また、挿抜ワイヤ60をリール58に巻き取って収容できるので、挿抜ワイヤ60の取り扱いが容易になる。
図16及び図17に示すように、この実施の形態では、処置具51を挿抜する際のガイドとなる長尺材として、鋼帯などの板状部材で形成された挿抜フープ70が用いられている。
挿抜フープ70は、断面が略長方形で、その先端には係合部61が設けられている。このような挿抜フープ70は、リール71に巻き取られている。
リール71の回転軸72は、支持部材73の一端部に回転自在に支持されている。支持部材73の他端部は、分岐部41に固定されている。なお、内視鏡10内には、不図示のモータが配置されており、モータの回転は、不図示の伝達機構により、リール71の回転軸72に伝達されるようになっている。
また、左巻きに挿抜フープ70を巻き取ることによって、挿抜フープ70には、図16及び図17において右方向に湾曲するような巻き癖が付く。この巻き癖の方向は、先端カバー17に設けられた開口部18の向き、つまり、先端カバー17の起上台27(図5)の起上方向と一致している。
さらに、挿抜フープ70の巻き取ることで、挿抜フープ70には自然状態で湾曲するように巻き癖が付いているが、この巻き癖による湾曲方向と、内視鏡10の先端カバー17の起上台27の起上方向とが一致するようにリール71を配置しているので、処置具51の先端部51aを湾曲させ易く、胆管W2への挿入が容易になる。
図21に示すように、この実施の形態において、処置具81は、造影チューブであり、カセット82内のリール83に巻き取られている。リール83は、回転軸84によりカセット82に回転自在に支持されている。回転軸84は、処置具挿通チャンネル46の挿入口47の軸線に略直交するように配置されており、その一端面には、注入孔85が設けられている。この注入孔85は、リール83に巻き取られた処置具81のシース86内に形成されている貫通孔に連通している。また、カセット82は、支持部材87を介して分岐部41に固定されている。
そして、処置具81を処置具挿通チャンネル46に挿通させたら、モータを逆転させてローディングワイヤ91を引き戻す。このとき、ローディングワイヤ91とシース86との係合が解除され、処置具81のみが処置具挿通チャンネル46に留置される。さらに、注入孔85から造影剤を送液すると、先端開口から93から造影剤を流出させることができる。なお、処置具81を抜去する際には、リール83を逆回転させて、シース86を巻き取る。
例えば、挿抜ワイヤ8,60の径や、挿抜フープ70の幅は、シース3,52の外径以上でも良い。また、挿抜ワイヤ8,60や、ローディングワイヤ91の断面形状は、円形に限定されずに、三角形や四角形状の線材でも良い。
また、図8に示すように、一対の挿抜駆動用ローラ42a,42bは、その一方が他方のローラに従動する構成でも良い。
さらに、係合部61の形状は、実施の形態に限定されずに、フック等でも良い。
前記処置具は、その長さ方向に沿って内部に貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
この内視鏡システムは、処置具が貫通孔を有している。この場合においても駆動手段の力が直接には作用しないので処置具が潰れることはない。
〔付記項2〕
前記内視鏡には、前記処置具を巻き回すリールが回転自在に支持されており、前記リールには、前記貫通孔に連通する注入孔が設けられていることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡システム。
この内視鏡システムは、注入孔から送液を行うことができる。
〔付記項3〕
前記長尺材は、前記貫通孔に対して挿入可能であることを特徴とする付記項1又は付記項2に記載の内視鏡システム。
この内視鏡システムは、注入孔から処置具内に長尺材を挿入することで、処置具をチャンネルに挿通させることができる。
3 シース(チューブシース)
8,60 挿抜ワイヤ(長尺材)
10 内視鏡
11 処置具挿通チャンネル(チャンネル)
16 挿入部
22,42a,42b 挿抜駆動用ローラ(駆動手段)
24 大径部(第一の部分)
25 小径部(第二の部分)
26 連通部(連通部分)
27 起上台(処置具起上台)
45 モータ(駆動手段)
58,71,90 リール
61 係合部
70 挿抜フープ(長尺材)
91 ローディングワイヤ(長尺材)
Claims (9)
- 体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、
前記挿入部に沿って形成されたチャンネルに挿入される可撓性のシースを有する処置具と、
を含む内視鏡システムにおいて、
前記処置具の先端に係合し、前記処置具と共に前記チャンネルに挿入される長尺材と、
前記長尺材を前記チャンネルに沿って移動させる駆動手段と、
を備えることを特徴とする内視鏡システム。 - 前記処置具は、チューブシースを有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
- 前記長尺材は、前記処置具の先端部に係脱自在であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡システム。
- 前記長尺材は、前記処置具の先端部に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡システム。
- 前記駆動手段は、前記長尺材に当接するローラと、前記ローラを回転駆動させる手段とを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
- 前記チャンネルは、前記シースを通す第一の部分と、前記第一の部分と連通し、前記長尺材を通す第二の部分とを有し、前記第一の部分と前記第二の部分との連通部分の幅は、前記チャンネルの長さ方向に略直交する断面において、前記長尺材の幅以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
- 前記長尺材は、板材からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
- 前記長尺材を巻き回すリールを有し、前記リールは、前記内視鏡に回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
- 前記挿入部の先端には、前記内視鏡の操作部の操作によって起上可能な処置具起上部を備え、前記リールに前記長尺材を巻き取った際に生じる巻き癖による前記長尺材の反り方向と前記処置具起上部の起上方向とが一致するように前記リールを前記内視鏡に支持させたことを特徴とする請求項8に記載の内視鏡システム。
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