JP4445168B2 - 雨水浸透システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雨水ますを用いた雨水浸透法およびその装置、つまり、雨水浸透システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に道路が舗装されたり、下水道が整備されると、雨水はそれ以前に比べて速やかに排除され、直ちに河川へ流れ、様々な弊害、例えば、鉄砲水のような現象が生じることから、最近、下水道や河川に流れ込む雨水の量を可及的に抑制する目的で「浸透」と「雨水貯留池」とが提案され、特に前者については、透水性舗装や浸透雨水ますや浸透連結管等の雨水流出抑制装置について研究・開発が行われ、その成果が実施されている。
【0003】
特に、宅地の急造成等により、既設の下水本管(公共下水道)に流入する汚水・雨水の量が増加し、下水本管の排水許容量を超える場合もあって、かかる場合、雨水が汚水と合流する前に、宅地内で浸透させたり、雨水ますに導入してから、その雨水ますの底部で浸透させたり、更には浸透連結管(トレンチ)や浸透U形側溝でも浸透させて、下水本管への流入量を軽減しようとしている。
【0004】
ところで、雨水流出抑制装置の一つである浸透雨水ますについて、本出願人は塩ビ製小口径ますの開発の実績を踏まえて、すなわち、塩ビ管との接続や点検筒用蓋改良やこれらの生産効率や原料等の高品質条件を踏まえて、これを開発し、既に提供している(例えば、特開平7−286355号公報参照)。
【0005】
さて、かかる浸透雨水ます等の雨水流出抑制装置における一般的な問題は、その装置の維持管理(保守点検)や、浸透効果の定量化や、地下水への影響等が挙げられ、例えば、雨水流出抑制装置の維持管理の問題では目詰りの点が挙げられている。
【0006】
もし、この装置に目詰りが進行すると、雨水を合流式下水道設備へそのまま流出させ、雨水流出抑制の効果がなくなることから、目詰りの問題を最大の課題としている。
【0007】
これを更に詳しく述べると、本来、通常の下水道設備における雨水ますには土砂が溜まりやすいので、泥だめが設けられているが、雨水流出抑制方式の下水道設備では、この雨水ますを浸透雨水ますに置換するので、泥だめと浸透とは撞着することから、浸透雨水ますにおける最大の課題は目詰りとされている。
【0008】
そのため、泥だめを設けて、その上澄水を浸透させるため2連式浸透雨水ますが、基本的な浸透雨水ますとされている。
【0009】
ところで、一般に浸透を行う雨水ますや、浸透連結管等における浸透作用は、流入量の変化に対し大幅に変化せず、略一定の浸透を行うものとされ、すなわち、降雨の初期から最盛期(少なくとも降雨強度が高い時期をいう)、終期にかけて継続的に浸透作用が行われるとされている。もっとも目詰りや土壌が飽和状態になると浸透能力は低下する。
【0010】
一方、初期の雨水は比較的汚濁が多く、これを浸透させることは浸透ますの目詰りを早期に発生させたり、浸透しても地下水にするのは好ましくなく、そのため、初期雨水、つまり、小量の雨水ないし繁度の高い小量の雨水は、先ず、直接下水本管へ流出させることが好ましい、という提案がされている。
【0011】
例えば、特許第2692951号公報には、雨水ますの蓋の孔から流れ込んだ雨水を目詰り防止用フィルタ−で濾過し、これを集めて、小量の雨水(初期雨水)が素通りするオリフィスを通して直接下水本管へ流出させ、大量の雨水の場合に限り、オリフィスの流量以上となってオ−バフロ−した雨水のみを浸透させる、という雨水浸透システムが紹介されている。
【0012】
かかるシステムによると、雨水ますの浸透の目詰りが防止できるのは勿論、大量の降雨のときに河川の氾濫や下水本管の排水許容量のオ−バ−を防止できる、とされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる雨水浸透システムでは、
▲1▼下水設備で好ましくない機構、すなわち下流側を絞るオリフィス機構を設けているので、必然的に雨水ますの内部が複雑になる。
【0014】
▲2▼浸透雨水ますは、前記のように2連式を基本とし、その泥だめますで先ず土砂を沈降させるので、その堆積した土砂を容易に取出す必要があるが、かかるシステムではオリフィス機構を介在させているので、土砂の取出しが困難となる。
【0015】
▲3▼浸透雨水ますでは、前記のように本来、浸透能力は時間的に略一定となっているので、この浸透能力を超えた分の雨水のみを、下水本管側へ流出させるのが合理的・一般的であるが、かかるシステムでは、オリフィスの通過量以上となり、かつ、浸透能力以上の流入量があった場合(大量の降雨の場合)には、本来の雨水ますの集水機能を果たさず、水浸しになるおそれがある。
【0016】
そこで本発明は、浸透能力を超えた雨水は下水本管側に流出させる基本態度を維持しながら、かかる問題を解決することを主たる目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、1)泥だめ槽と、浸透部および/または浸透連結管を設け、かつ、下水本管側接続の浸透ます槽と、を連通させた浸透雨水ますにあって、前記泥だめ槽の蓋を、少なくとも初期雨水を流入させる蓋に構成すると共に、前記浸透ます槽の蓋を、主として前記初期雨水以外の雨水を流入させる蓋に構成して、比較的汚濁した初期雨水を前記泥だめ槽に優先的に流入させることにより、浸透能力を持続させると共に、雨水ますの集水機能を喪失させないようにしたことを特徴とする雨水浸透システムにあり、また、2)前記泥だめ槽の蓋を上面平板状グレ−チングとし、前記浸透ます槽の蓋を上面山形状多孔板蓋とした請求項1に記載の雨水浸透システムにあり、また、3)前記泥だめ槽の蓋を平板状グレ−チングとして、雨水流れ面より若干下げ、前記浸透ます槽の蓋を台形状グレ−チングとして、雨水流れ面より若干上げた請求項1に記載の雨水浸透システムにあり、また、4)浅い泥だめ槽と、浸透部および/または浸透連結管を設け、かつ、下水本管側接続の深い浸透ます槽と、を連通させた浸透雨水ますにあって、前記泥だめ槽に、泥だめ部と並設して粗いゴミ採り浸透槽を設け、前記浸透ます槽を細かいゴミ採り浸透槽に構成して、落葉等で汚濁している初期雨水を泥だめ槽に優先して流入させることを特徴とする雨水浸透システムを要旨とするものである。
【0018】
したがって、本発明には次の実施態様が含まれる。
【0019】
泥だめ槽と浸透ます槽とを並設して連通した浸透雨水ますにあって、前記泥だめ槽の蓋を少なくとも初期雨水を流入させる蓋にし、浸透ます槽の蓋を前記初期雨水以外の雨水を積極的に流入させる蓋にして、初期雨水を泥だめ槽に優先的に流入させ、初期雨水以外の雨水を両槽に流入させて、雨水ますの集水機能を発揮させる雨水浸透方法およびその装置。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の雨水浸透システムを、添付図面に示す実施例装置により詳細に述べる。
【0021】
図1は本発明の第1の実施例装置の概要斜視図、図2は図1の全体縦断面図、図3(a)は図2の平面図、図3(b)は図2のA〜A断面図、図4(B)は図2のB〜B断面図、図4(C)は図2のC〜C断面図、図4(D)は図2のD〜D断面図、図5は本発明の第2の実施例装置の全体縦断面図である。なお、三角印は水面を示す。
【0022】
本発明の第1の実施例装置の浸透雨水ます1は、公道の雨水を主として排出するLまたはU形側溝2に、所定の間隔を置いて埋設するものに好都合であって、勿論、私道と民地との境界に埋設してもよいし、また、これらの公、私道に透水性舗装がされていてもよい。
【0023】
先ず、本第1の実施例装置の浸透雨水ます1を概説する
【0024】
この浸透雨水ます1は2連式、すなわち浅い泥だめ槽(フィルタ−付)3と深い浸透ます槽4とから構成し、これらの泥だめ槽3と浸透ます槽4とは、泥だめ槽3の上下方向略中間に設けた連通部5で連通している。また、これらの泥だめ槽3と浸透ます4との各蓋は、単なる円孔付または長孔付の蓋でなく、多数の長孔付蓋またはグレ−チング(格子)で構成し、ゴミ混入の雨水を集水効果を高くしてストレ−トに流入するようにしている。
【0025】
この泥だめ槽3は、土砂を沈降させる泥だめ部6と、粗いゴミ採り槽たる、浸透目詰り防止用簡易フィルタ−7を収容する簡易浸透部8とで構成し、雨水中の土砂および落葉等の粗いゴミを捕捉濾過してから浸透ます槽4へ流出させると共に、それ自身でも若干浸透するようにしている。
【0026】
また、泥だめ槽3の蓋は、通常の上面平板状グレ−チング(多数の長孔付蓋を含む)9で構成し、浸透ます槽4の蓋は、上面低い山形状グレ−チング(多数の長孔付蓋を含む)10で構成し、小量の初期雨水であって、比較的汚濁している雨水を、主として上面平板状グレ−チング9に図2の矢印のように優先的に流入させ、そこで土砂等を除き、連通部5を介して、浸透ます槽4へ図2の矢印のように流出するようにしている。また、大量の雨水は両方のグレ−チング9,10から集水効果を高くして図2の矢印のように流入するようにしている。
【0027】
そして、前記浸透ます槽4には、浸透能力を超えた雨水を溢流させるため、合流式または分流式下水本管11に接続した取付管12を接続しており、この取付管12のすぐ下方に、上、下流側の浸透連結管13,13を接続している。
【0028】
したがって、この第1の実施例装置の浸透雨水ます1によると、ゴミ(落葉や土砂や油脂等をいう)で汚濁された初期雨水は、主として泥だめ槽3に流入し、このゴミが捕捉されてから、連通部5を介して浸透ます槽4に流入し、いわゆる上澄水としての雨水が浸透連結管13,13によって浸透するので、目詰りを防止し、所定の浸透能力を長期に亘り発揮する。
【0029】
また、長期に亘る降雨や集中豪雨の頻発時には、したがって、ゴミの混入の少なくなった雨水は、泥だめ槽3の上面平板状グレ−チング9と浸透ます4の上面低い山形状グレ−チング10とから流入して、これらを浸透連結管13,13は勿論、下水本管11へ流出させて、雨水ますの集水機能を可及的に果たすようにしている。
【0030】
殊に、上面低い山形状グレ−チング10は、その麓には長孔等の通水孔がなく、また、その山の傾斜の形状から土砂や落葉等で目詰りをしにくいので、雨水ますの集水機能を持続させることができる。
【0031】
なお、この浸透雨水ます1では、2連式に限らず、浸透雨水ます1の装置間隔を大きくするため、つまり、ますの数を減らすため、3槽式等多槽式に構成してもよく、また、上面低い山形状グレ−チング10は低い山形に限らず、凸弯曲状や傾斜状であってもよく、要するに凸状であればよい。
【0032】
例えば、上面平板状グレ−チング9はL形側溝2の上面(雨水流れ面ともいう)より若干低くし、上面低い山形状グレ−チング10は低い台形台状にして、L形側溝2の上面より若干高くして設けてもよい。これらのグレ−チング9,10の周辺に水が溜まらないように、これらのグレ−チング9,10の側面に縦長孔(不図示)を設けている。
【0033】
次に、この第1の実施例装置の浸透雨水ます1を、「泥だめ槽3」と「浸透ます槽4」と分けて詳説する。
【0034】
この「泥だめ槽3」は、L形側溝2を敷設する下方に予め敷設された単粒度砕石14上に載置するが、この単粒度砕石14上には、コンクリ−ト製の平面視ロ字状下部底枠15を載置し、その上に、コンクリ−ト製の連通部用切欠16付の平面視ロ字状上部底枠17を載置し、その上に、コンクリ−ト製L形側溝の1つに、後記有底角形バケツ18を取出自在とする角形窓19を開口したL形縁塊10を載置し、この角形窓19を、前記した約500mm×300mm寸法の鋳鉄製(金属製)矩形状の上面平板状グレ−チング9で被覆し、これらの周辺も単粒度砕石14で埋戻しをする。したがって、車道にも適用できるようにしている。
【0035】
以上のような一体的に構成した泥だめ槽枠体(縁塊)には、その内側と略同一形状の合成樹脂製有底角形バケツ18を略密接して収容し、この有底角形バケツ18の上方開口部には外向きフランジを設けて、上面平板状グレ−チング9へ流入したゴミ混入の雨水の全量を流入するようにしている。
【0036】
この有底角形バケツ18は、その容積を略2分するように上向き櫛歯状の中央仕切板21により、泥だめ部6と簡易浸透部8とに仕切り、この簡易浸透部8のバケツ側壁には前記連通部5に連通する連通孔22を開口し、また、この簡易浸透部8には、粗目籠状で浅底の取手付簡易フィルタ−7を収容し、その上方を取外し自在の傾斜庇体24で覆っている。そして、この簡易浸透部8のバケツ底板は透水孔付の透水性底板で構成している。
【0037】
したがって、この泥だめ槽3では比較的汚濁の多い初期雨水を優先的に流入させ、泥だめ部6で土砂を沈降させる。次いで、浮遊ゴミを捕捉する上向き櫛歯状中央仕切板21を介して簡易フィルタ−7の上を通過させ、特に図3(b)の矢印のように連通部5を介して、浸透ます槽4ヘ流出する。
【0038】
したがって、この泥だめ槽3によると、流入した初期雨水中の土砂は泥だめ部6で沈降し、浮遊している落葉等のゴミは上向き櫛歯状中央仕切板21で捕捉し、比較的清澄された上澄水のみを浸透ます槽4へ流入させることができる。
【0039】
特に、この簡易フィルタ−7によって、比較的軽量の土砂が捕捉できると共に、泥だめ槽3の簡易浸透部8によっても浸透能力を発揮する。
【0040】
そして、この泥だめ槽3の維持管理、すわなち、清掃時には上面平板状グレ−チング9をあけ、有底角形バケツ18を取出せば堆積した土砂は勿論、中央仕切板21および簡易フィルタ−7も容易に清掃することができる。
【0041】
殊に、この泥だめ槽3では1つの縁塊内に、泥だめ部6と簡易浸透部8とを隣接したので、泥だめと浸透との撞着現象を巧みに克服することができる。
【0042】
次に、「浸透ます槽4」について述べる。
【0043】
この「浸透ます槽4」は、前記の泥だめ槽3と同様、単粒度砕石14上に、高さ同一寸法の下部底枠25を載置し、その上に、連通用切欠部26付の上部底枠27を載置し、その上に、後記有底円筒状フィルタ−28を取出し自在とする角形窓29を開口したL形縁塊30を載置し、この角形窓29を、前記した約500mm×300mm寸法であって、山の高さ約2〜5cmの鋳鉄製(金属製)矩形状上面低い山形状グレ−チング10で被覆して、車道にも適用できるようにしている。
【0044】
以上のように一体的に構成した浸透ます槽枠体(縁塊)には、土質(表面ロ−ム層であればこれを避けて深くする)や地下水位の位置(例えば、最小1m離す)や一時的に貯留する雨水量の大小に合わせた、所定の埋設深さとする浸透連結管13に応じた深底の合成樹脂製深底雨水ます31を収容する。口径200〜250mmφの大きさの、この深底雨水ます31の開口部は、下部底枠25に充填物32を介して内嵌している。
【0045】
この深底雨水ます31の胴部には、前記所定の埋設深さの浸透連結管13を接続する浸透連結管用受口(接続部)33,33を設けている。また、この深底雨水ます31には、これらの浸透連結管用受口33を閉塞し、かつ、ます底部に載置する細かい目の籠状の有底円筒状フィルタ−28を取出自在に設けている。
【0046】
この有底円筒状フィルタ−28は細かいゴミ採り槽であって、掃除困難な浸透連結管13の浸透目詰りを防止するため細かいゴミを捕捉するが、この有底円筒状フィルタ−28には比較的長寸の取手34を設け、清掃時には上面山形状グレ−チング10をあけ、捕捉した細かいゴミを取出すようにしている。
【0047】
また、この深底雨水ます31の前記浸透連結管用受口33より若干上方の胴部には、下水本管11に接続した取付管12を接続し、浸透連結管13から溢流した雨水を合流式下水本管11ヘ流出させるようにしている。
【0048】
次に、本発明の第2の実施例装置の浸透雨水ます1Aについて述べる
【0049】
図5において、この浸透雨水ます1Aも、少なくとも泥だめ槽37と浸透ます槽38とから構成し、これらの泥だめ槽37と浸透ます槽38とは、泥だめ槽37の上下略中間に設けた連通管39で連通している。
【0050】
これらの泥だめ槽37と浸透ます槽38との各蓋は、多数の長孔をあけた蓋またはグレ−チングで構成し、特に泥だめ槽37の蓋は、ゴミ混入の雨水をストレ−トに流入するようにしている。
【0051】
この泥だめ槽37の蓋は上面平板状グレ−チング9で構成し、浸透ます槽38の蓋は、上面低い山形状グレ−チング10で構成し、小量の初期雨水であって、比較的汚濁している雨水は、主として上面平板状グレ−チング9で優先的に流入させ、土砂を沈降させてから、図5矢印のように連通管39を介して浸透ます槽38へ流入させ、浸透ます槽38それ自身の浸透と浸透連結管13の浸透とにより雨水を浸透させる。また、浸透能力以上の雨水は取付管12へ溢流して流出させる。
【0052】
したがって、この浸透雨水ます1Aによると、土砂の混入した初期雨水は、主として泥だめ槽37に流入して、土砂を沈降させてから連通管39を介して、浸透ます槽38へ流入させ、いわゆる上澄水となった雨水が浸透連結管13によって浸透するので、目詰りを防止し、所定の浸透能力を維持することができる。
【0053】
また、長期に亘る降雨や集中豪雨の頻発で、土砂等の混入の少なくなった雨水は、泥だめ槽37の上面平板状グレ−チング9と浸透ます槽38の上面低い山形状グレ−チング10とから大量に流入して浸透連結管13で浸透させると共に、溢流した雨水を下水本管11へ流出させて、雨水ますの集水機能を果たすようにしている。
【0054】
この浸透雨水ます1Aは、上面平板状グレ−チング9と上面低い山形状グレ−チング10を支持するL形縁塊20,30および、これを支持する上部底枠17,27は、前記第1の実施例装置の浸透雨水ます1と同様であるが、泥だめ槽37および浸透ます槽38は共にその全体を合成樹脂製としている。つまり、オ−ルプラスチック浸透雨水ますに構成している。
【0055】
すなわち、泥だめ槽37は、有底状の深底円筒体40で構成し、その開口部を上部底枠17に嵌合して開口しており、この深底円筒体40の上下略中間、すなわち、泥だめスペ−スを充分に設けて、横向きに泥だめ槽用受口41を形成している。
【0056】
したがって、この泥だめ槽37には簡易フィルタ−や簡易浸透部を設けず、単なる泥だめ部のみで簡素に構成しているので、安価な一体射出成形品にすることができる。
【0057】
また、浸透ます槽38は、前記深底円筒体40より更に深底に構成し、すなわち、有底状の超深底円筒体42で構成し、前記泥だめ槽用受口41と同一深さの位置に、浸透ます槽用受口43を形成し、これらの受口41,43を連通管39で接続している。また、この浸透ます槽用受口43の下方に取付管12用の受口を形成し、この取付管12用の受口の更に下方に浸透連結管用受口45を形成している。この取付管12用の受口の下方全部に多数の透水孔44,44…を開口している。
【0058】
したがって、この浸透ます槽38には有底円筒体状フィルタ−を設けず(勿論、挿入してもよい)、単なる浸透部のみで簡易型に構成しているので、安価な一体射出成形品にすることができる。
【0059】
なお、前記深底円筒体40および超深底円筒体42の底部は、円板体を接着接合して底部を構成している。
【0060】
【発明の効果】
本発明によると、少なくとも泥だめ槽と浸透ます槽とを連通した浸透雨水ますを用いて、比較的汚濁した初期雨水を泥だめ槽に流入させて、雨水中の土砂等ゴミを除去した後、浸透ます槽で浸透させるので、浸透能力を維持でき、信頼性のある浸透雨水ますにすることができると共に、雨水ますとしての集水能力も持続でき、単に各槽の蓋を改善するだけにしたので、安価な改善となり、しかも、既存の浸透雨水ますにも適用でき、ひいては、槽内部で構成するフィルタ−や浸透部を好ましい装置とする自由度、例えば、粗目の籠を泥だめ槽に、細目の籠を浸透ます槽に各収容できる設計をすることができる。
【0061】
殊に、請求項4によると、初期雨水には土砂や粗い落葉等が混入して汚濁しているが、これらの土砂を沈降させたり、落葉を粗目の籠で捕捉することができ、もし、泥だめ装置における浸透部に目詰りがあって、その浸透能力が低下しても、浅い泥だめ槽故、そのバケツを取出せば容易に清掃でき、ひいては公園などに配置する浸透雨水ますに好適にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例装置の概要斜視図である。
【図2】図1の全体縦断面図である。
【図3】(a)は図2の平面図、(b)は図2のA〜A断面図である。
【図4】(B)は図2のB〜B断面図、(C)は図2のC〜C断面図、(D)は図2のD〜D断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例装置の全体縦断面図である。
【符号の説明】
1,1A、…浸透雨水ます、3…泥だめ槽、4…浸透ます槽、5…連通部、9…上面平板状グレ−チング、10…上面低い山形状グレ−チング、11…下水本管、13…浸透連結管
Claims (4)
- 泥だめ槽と、浸透部および/または浸透連結管を設け、かつ、下水本管側接続の浸透ます槽と、を連通させた浸透雨水ますにあって、
前記泥だめ槽の蓋を、少なくとも初期雨水を流入させる蓋に構成すると共に、前記浸透ます槽の蓋を、主として前記初期雨水以外の雨水を流入させる蓋に構成して、比較的汚濁した初期雨水を前記泥だめ槽に優先的に流入させることにより、浸透能力を持続させると共に、雨水ますの集水機能を喪失させないようにしたことを特徴とする雨水浸透システム。 - 前記泥だめ槽の蓋を上面平板状グレ−チングとし、前記浸透ます槽の蓋を上面山形状多孔板蓋とした請求項1に記載の雨水浸透システム。
- 前記泥だめ槽の蓋を平板状グレ−チングとして、雨水流れ面より若干下げ、前記浸透ます槽の蓋を台形状グレ−チングとして、雨水流れ面より若干上げた請求項1に記載の雨水浸透システム。
- 浅い泥だめ槽と、浸透部および/または浸透連結管を設け、かつ、下水本管側接続の深い浸透ます槽と、を連通させた浸透雨水ますにあって、
前記泥だめ槽に、泥だめ部と並設して粗いゴミ採り浸透槽を設け、前記浸透ます槽を細かいゴミ採り浸透槽に構成して、落葉等で汚濁している初期雨水を泥だめ槽に優先して流入させることを特徴とする雨水浸透システム。
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