JP4440822B2 - 酸素センサ - Google Patents

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Description

本発明は、酸素濃度を検出するセンサ素子を備える酸素センサに関する。
センサ素子を備える酸素センサを空燃比センサ等として、排気ガスに晒した場合、電極は鉛、リン、ケイ素等の被毒物質により被毒し、経時的に劣化して十分な起電力が得られなくなる。この電極の耐久性の低下という問題に対処するセンサが特公平6−90176号公報、特開平9−113480号公報等に開示されている。しかし、排ガスに含まれる被毒物質の影響を最も受け易い低温域において、電極の被毒が十分に防止されるセンサは未だ得られていなかった。
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、比較的低温の排気ガスに接触した場合にも、被毒物質による電極の被毒が防止され、耐久性に優れるセンサ素子を備える酸素センサを提供することを目的とする。
本発明の酸素センサは、固体電解質基体、並びにその表面に形成された検知電極、該検知電極の表面に形成される電極保護層及び該電極保護層の表面に形成される被毒防止層を有するセンサ素子を備える酸素センサにおいて、該被毒防止層は、チタニア粉末とスピネルチタニア以外のセラミック粉末とからなり、該チタニア粉末の一次粒子の粒度分布が0.003μm以上1μm以下にピークを有し、該チタニア以外のセラミック粉末の一次粒子の粒度分布が10μm以上50μm以下にピークを有し、該セラミック粉末程度の大きさの空孔を有する様に構成したものである。
本発明によれば、特定の粒子径を有する微細なセラミック粉末と比較的粒子径が大きく粒度分布の狭いセラミック粉末とを含有する被毒防止層とすることにより、排気ガスに含まれる鉛等の被毒物質と、特に低温において接触した場合であっても、被毒が効率的に防止され、且つこの被毒防止層が電極保護層から剥離し難く、応答性の変化の少ない優れた性能の酸素センサを得ることができる。
上記被毒防止層は、粒径の大きなチタニア以外のセラミック粉末(以下、粗粒粉末ともいう)の周囲を小さなチタニア粉末(以下、微粒粉末ともいう。)が覆ってなる複合粉末からなり、該複合粉末同士の間隙に微粒粉末が充填されていない空孔が分散して存在する構成となっている。
被毒防止層が上記の構成となることで、被毒物質は微粒粉末によってトラップされ、酸素センサの電極に到達しないので、被毒による酸素センサの性能劣化を防止する事が出来る。一方で微粒粉末は粗粒粉末に担持されているので、微粒粉末だけで構成された被毒防止層の様に高温での連続使用により被毒防止層が焼き締まり、センサ素子表面から剥離するという問題を防ぐ事が出来る。更に、微粒粉末は粗粒粉末の表面を覆う様に担持されているが、粗粒粉末間には適度に粗粒粉末程度の大きさの空孔が形成されており、微粒粉末は粗粒粉末間の間隙を完全に充填してはいないので、被毒物質が堆積しても被毒防止層が目詰まりを起こす事が無く、センサの応答性の低下を防止する事が出来る。
上記の様な被毒防止層を構成するセラミック粉末の一次粒子の粒度分布は、少なくとも二つのピークを有し、最も粒径が小さい側のピークが0.003μm以上1μm以下にあり、最も粒径が大きい側のピークは10μm以上50μm以下であると、被毒に対する防止効果が高く望ましい被毒防止層である。
ここで、最も粒径が小さい側のピークは1μm以下であり、0.05μm以下、特に0.01μm以下にすることもできる。
なお、被毒防止層の下地である電極保護層が溶射によって形成されていると、粗粒の食いつきが良く望ましい。
上記「被毒防止層」に含有されるセラミック粉末としては、チタニア、アルミナ、シリカ、及びスピネル、ムライト等のアルミニウム原子を含む複合酸化物などの、高温の排気ガス中で化学的に安定である酸化物粉末から選択することが好ましい。但し、化学的に安定であれば酸化物以外の粉末を使用することもできる。この場合、組成の異なる2種類以上のセラミック粉末を混合してもよい。そして、一方の組成のセラミック粉末であるチタニア粉末を微粒粉末とし、他方の組成のチタニア以外のセラミック粉末を粗粒粉末とすると、粉末の選択において自由度が広がり、望ましい粒度分布の粉末を用意することが容易となるし、被毒防止効果の高いセラミック粉末であるチタニア粉末を微粒粉末として用い、高温耐久性の高いチタニア以外のセラミック粉末を粗粒粉末として用いる事もできるので都合が良い。
組成の異なる2種類以上のセラミック粉末としては、0.003μm以上1μm以下に粒度分布のピークを有するチタニア粉末と、10μm以上50μm以下に粒度分布のピークを有するチタニア以外のセラミック粉末とが含有される。
チタニアは被毒物質を吸着する能力に優れていると考えられる。特にアナターゼ型のチタニアは粒径の小さな粉末が得られ易く、被毒防止効果が高い。
チタニア以外のセラミック粉末としては、特に、スピネル、ムライト等のアルミニウム原子を含む複合酸化物のように熱収縮しにくいセラミック粉末が好ましい。
また、チタニア粉末は0.003〜0.5μmにピークを有し、チタニア以外のセラミック粉末は15〜50μmにピークを有する様に組み合わされると、適度に被毒防止層に空隙が形成されて特に好ましい。このような粉末を含有すれば、被毒物質は十分に吸着され、且つ被毒防止層が熱収縮により電極保護層から剥離することがなく、且つ応答性の低下の少ないより優れた耐久性を有する被毒防止層とすることができる。
即ち0.003μm以上1μm以下好ましくは0.003〜0.5μmに粒度分布のピークを有する粒子径の小さい粉末と、10μm以上50μm以下好ましくは15〜50μmに粒径分布のピークを有する粒子径の大きい粉末とを使用した場合、被毒防止層は、図1(a)及び(b)のように、粒子径の大きい粉末の粒子表面に粒子径の小さい粉末の粒子が多数付着した複合粒子からなる粉末が適度に粗粒粉末程度の大きさの空孔を形成した状態で被毒防止層を形作るので、通気性は十分に維持され、且つ被毒物質は確実に吸着され、非常に耐久性の高い被毒防止層とすることができる。
なお、本発明には含まれないが、粗粒粉末と微粒粉末としては、同組成であって結晶相の異なる粉末を選択する事も出来る。特に微粒粉末としてアナターゼ型チタニア粉末を用い、粗粒粉末としてルチル型チタニア粉末を用いることが好ましい。これらの粉末はいずれもチタニア粉末であるが結晶相を異にするものであり、粒度分布の狭い粒子径を有する微粒粉末或いは粗粒粉末として提供されているので、通気性の良い被毒防止層を形成するのに適している。アナターゼ型チタニア粉末の粒子径は粒度分布のピークが0.5μm以下である事が望ましく、0.003〜0.5μmの範囲に有ることが被毒防止効果の点で更に好ましい。ルチル型チタニア粉末の粒子径は粒度分布のピークが1μm以上である事が望ましく、3〜8μmの範囲に有ることが被毒防止効果の点で更に好ましい。このように0.003〜0.5μm程度の粒子径が極めて小さいアナターゼ型チタニア粉末をこれに比べて粒子径が大きいルチル型チタニア粉末と組み合わせることにより、被毒物質を捕捉する作用に優れる被毒防止層とする事が出来る。また、同じ組成のセラミック粉末を用いることで複合粒子の形成が容易となり、被毒防止効果の高い被毒防止層を形成出来る。
製品の被毒防止層の粒度分布を評価する場合には、一つには粒子径は電子顕微鏡の視野において、又はこれを撮影した写真から読み取ることができる。電子顕微鏡の視野から粒子径を読み取る場合は、目視で確認できる1次粒子の各々について、その外接円径を測定して粒子径とする。上記の粒子径の測定を多数(1000個程度)の1次粒子について行い、粒度分布を算出する。組成の異なる酸化物粉末を用いた場合には、各組成の酸化物粉末について、粒子径を測定し、粒度分布を測定することもできるが、本発明の趣旨から考えて、微粒粉末と粗粒粉末を混合した状態で粒子径を測定する場合は、組成の異なるセラミック粉末毎に粒度分布を測定しなくても、被毒防止層からランダムにサンプリングした粒子径を用いて粒度分布を測定すればよい。その結果として最も粒子径が小さい側のピークが0.003μm以上1μm以下にあり、最も粒子径が大きい側のピークが10μm以上50μm以下にあればよい。
一方、微粒粉末の粒度分布は、一般的な走査型電子顕微鏡等では測定が難しいこともあり、その場合は、高解像度の電子顕微鏡を用いることで、上記と同様に測定できるが、粉末の粒度分布を測定するX線小角散乱法を用いてSchellerの式より算出することもできる。
粒度分布は、他にもレーザ光回折法や遠心沈降法など、一般的に利用されている方法でも測定できる。但し、同じ試料に対して、細かい領域から粗い領域まで同じ測定法で粒度分布を測定することは難しいことが多い。その場合は、細かい領域と粗い領域の粒度分布を別の測定法で測定してそれぞれの粒度分布から上記被毒防止層の粒度分布を同定してもよい。
被毒防止層の厚さは50〜300μm、特に150〜250μm程度とすることが好ましい。この厚さが過小であると、被毒物質を十分に捕捉することができないことがある。一方、250μmを超える場合は、得られる酸素センサの応答性が低下し、更には被毒防止層が電極保護層から剥離し易くなる傾向にあり好ましくない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)酸素センサの製造
純度99%以上のジルコニアに純度99.9%のイットリアを5モル%添加し、湿式混合した後、1300℃で2時間仮焼した。これに水を添加し、ボールミルを使用して粒子の80%が2.5μm以下の粒子径になるまで湿式粉砕し、その後、水溶性バインダを添加し、スプレードライヤ法によって平均粒子径70μmの球状の粉末とした。
この粉末を用い、ラバープレス法によって所定の有底円筒状の成形体を得、これを乾燥し、砥石にて研削し、その形状を整えた。次いで、成形体の外表面に、上記粉末に水溶性バインダ及び水を添加して調製したスラリーを付着させ、乾燥させた。その後、1500℃で2時間保持して焼成し、固体電解質基体を作製した。次いで、この基体の外表側に、排気ガス等の被検出ガスに晒される厚さ1〜2μmの白金電極を無電解メッキ法によって形成し、検知電極とした。その後、基体の内表側に、大気に晒される厚さ1〜2μmの白金電極を無電解メッキ法により設け、基準電極とした。次いで、大気雰囲気下、1200℃で1時間熱処理し、検出電極の緻密性を向上させた。その後、プラズマ溶射法によって、検知電極の表面にスピネル(MgAl2)の粉末を塗着させ、電極保護層を形成した。
次いで、表1乃至2に記載の種類及び量比の、粉末(1)と粉末(2)、並びに所定量の溶媒とアルミナゾルを、ナイロン玉石を使用し、ポットミルにより混合し、スラリーを調製した。尚、スラリーを100質量%とした場合に、実験例1〜9では、粉末(1)と(2)の合計量を70質量%、有機バインダを含むメタノールを23質量%、アルミナゾルを7質量%とし、実験例10〜15では、粉末(1)と(2)の合計量を50質量%、水を40質量%、アルミナゾルを10質量%とし、実験例16〜33では、粉末(1)と(2)の合計量を56質量%、水を35質量%、アルミナゾルを9質量%とした。その後、電極保護層が形成された基体をスラリー中に浸漬し、電極保護層の表面に塗膜を形成し、120℃で乾燥して厚さ50〜300μm(望ましくは150〜250μm)の被毒防止層を形成し、センサ素子を作製した。次いで、このセンサ素子を保護管ソケットに組み付ける等した後、500℃で加熱して酸素センサを得た。
Figure 0004440822
Figure 0004440822
(2)酸素センサの性能評価
(a)被毒防止層の外観
(1)において得られた酸素センサの被毒防止層の外観を目視で観察した。
評価基準は、○;亀裂等は観察されない、△;一部に亀裂が発生するものがある、×;全数に亀裂が発生する、である。
(b)耐被毒性(耐久性)
1800ccのエンジンを使用し、耐久パターンはライフサイクルパターンによった。燃料としては、1リットル当たり0.4gの鉛を含む有鉛ガソリンを使用した。検出性能を安定化するために酸素センサを加熱するためのヒータの印加電圧は14Vとした。センサ取付け位置は、エンジンにより近く500〜800℃の高温の排気ガスが通過する位置と、エンジンから離れ350〜700℃の低温の排気ガスが通過する位置とした。このようにして100時間の耐久試験を行った後、各酸素センサの鉛耐久性の性能評価を、図6の模式図に示す装置を用いたバーナー測定法により行った。
評価基準は、○;応答性はほとんど劣化しない、△;応答性の劣化はあるが、空燃費制御では規制値を外れることはない、×;応答性の劣化が大で、空燃費制御すると規制値を外れる、である。
表1の結果によれば、微粒粉末となる粉末(1)及び粗粒粉末となる粉末(2)が好ましい範囲に入っている実験例3〜8(本発明には含まれない参考例である。)、及び実験例11〜14では、被毒防止層の表面は亀裂等は殆ど観察されず、且つ高温耐久性、低温耐久性ともに優れていた。更に、被毒防止層の内部には粗粒粉末程度の大きさの空孔が散在しているのが観察された。また、粉末(1)、(2)のピーク値がいずれも0.1μm未満である実験例1では、スラリーの粘度が高すぎ、被毒防止層となる塗膜の形成ができなかった。更に、粉末(1)が含まれていない実験例では耐久性が大きく劣化し、粉末(2)が含まれていない9及び15では全数に亀裂が発生し、実用に供し得ないものであった。また、粉末(1)の量比が低い実験例3及び11では、外観は良好であるものの、粗粒粉末の表面を十分に微粒粉末が覆っていない状態で被毒防止層が形成されており、耐久性が劣化する傾向にある。なお、粉末(1)の量比が高い実験例8では、一部製品に被毒防止層の表面に亀裂が観察された。但し、亀裂の無い物に関しては耐久後も良好な性能を示した。
表2の結果によれば、微粒粉末である粉末(1)の粒度分布のピーク値が表1の場合に比べて大きいものの、本発明の好ましい範囲に入っている実験例18〜22、及び実験例25〜29(本発明には含まれない参考例である。)では、被毒防止層の表面に亀裂等はまったく観察されないセンサ素子が製造できた。そして、粉末(1)と粉末(2)の量比が望ましい範囲に有る実験例20〜22及び27〜29では耐被毒性にも優れていた。また、粉末(1)、(2)のピーク値がいずれも10μmを越える実験例16では、粒子が大きすぎ、耐久性が大きく劣化した。更に、粉末(1)が含まれていない実験例17及び24でも耐久性が大きく劣化し、粉末(2)が含まれていない23及び30では全数に亀裂が発生し、実用に供し得ないものであった。また、粉末(1)の量比が低い実験例18及び19では、外観は良好であるものの、粗粒粉末の表面を十分に微粒粉末が覆っていない状態で被毒防止層が形成されており、耐久性が劣化する傾向にあった。
更に、粉末(2)の粒度分布が、本発明の望ましい範囲から外れて比較的広い粒度分布を持つ実験例31〜32では、被毒防止層中に適度に空孔が形成されないので、製造時に亀裂は生じないものの、耐被毒性は悪く、被毒物質によってセンサの応答性が変化する傾向が見られた。
実施例1
原料として、比表面積10m/g、粒度分布のピークが0.2μmにあるアナターゼ型チタニア粉末を20g、比表面積0.5m/g、粒度分布のピークが34μmにあるスピネル粉末を20g、水を28g及びアルミナゾルを3g使用し、ナイロン玉石を用いてポットミルにより2時間攪拌し、混合して、ペーストを調製した。その後、このペースト中に、(1)において作製された電極保護層を有するセンサ素子を浸漬し、約100mgのペーストを電極保護層の表面に塗着させ、120℃で10分乾燥して厚さ150〜250μmの被毒防止層を形成し、センサ素子を作製した。次いで、保護管ソケットに組み付ける等した後、500℃で30分加熱し、酸素センサを得た。
このようにして形成された被毒防止層の表面は平滑であり、亀裂等もまったく観察されなかった。そして、粗粒粉末の表面を十分に微粒粉末が覆っている状態で被毒防止層が形成されており更に、被毒防止層の内部には粗粒粉末程度の大きさの空孔が分散して存在しているのが観察された。また、(2)、(b)と同様にして評価した結果、高温耐久性、低温耐久性ともに非常に優れていることが確認された。更に、この被毒防止層を有するセンサ素子が組み込まれた酸素センサ(実施品)、又は微粒粉末を含まない酸化物粉末(表2の実験例17)を用いて被毒防止層を形成したセンサ素子が組み込まれた酸素センサ(比較品)を、所定量のケイ素を添加した燃料から生成する排気ガスに長時間晒した後、これらのセンサをエンジンに取り付け応答性を評価した。その結果、比較品では経時とともに応答性が相当に低下するのに対し、実施品では応答の遅れが少ないことが分かった。また、被毒防止層のX線粉末回折パターンによればアナターゼ型チタニア、スピネル及びアルミナの結晶相が認められた。
参考例1
原料として、比表面積500m/g、粒度分布のピークが0.007μmにあるアナターゼ型チタニア粉末を22.5g、比表面積0.7m/g、粒度分布のピークが7μmにあるルチル型チタニア粉末を22.5g、メタノールを35ml及びアルミナゾルを2.8g使用した他は、実施例1と同様にしてペーストを調製した後、このペースト中に、(1)において作製された電極保護層を有するセンサ素子を浸漬し、約100mgのペーストを電極保護層の表面に塗着させ、120℃で10分乾燥して厚さ150〜250μmの被毒防止層を形成し、センサ素子を作製した。次いで、保護管ソケットに組み付ける等した後、500℃で30分加熱し、酸素センサを得た。
このようにして形成された被毒防止層の表面は平滑であり、亀裂等もまったく観察されなかった。そして、粗粒粉末の表面を十分に微粒粉末が覆っている状態で被毒防止層が形成されており更に、被毒防止層の内部には粗粒粉末程度の大きさの空孔が分散して存在しているのが観察された。また、(2)、(b)と同様にして評価した結果、一部に熱収縮による亀裂の発生がみられるものの、実用に供し得る耐久性を有していることが確認された。更に、この被毒防止層を有するセンサ素子が組み込まれた酸素センサ(参考品)、又は微粒粉末を含まないチタニア粉末(表1の実験例2)を用いて被毒防止層を形成したセンサ素子が組み込まれた酸素センサ(比較参考品)を、所定量のケイ素を添加した燃料から生成する排気ガスに長時間晒した後、これらのセンサをエンジンに取り付け応答性を評価した。その結果、図2に示すように、比較品及び比較参考品では経時とともに応答性が相当に劣化するのに対し、実施品及び参考品では応答の遅れが少ないことが分かった。また、被毒防止層のX線粉末回折パターンによればアナターゼ型チタニア、ルチル型チタニア及びアルミナの結晶相が認められた。
図3は、実施例1及び参考例1のセンサ素子の電極保護層を形成した後の外観を示す。また、図4は、被毒防止層を形成した後の外観を示す。更に、図5は、電極、電極保護層及び被毒防止層が形成された部位の断面を示す。この図5のように、センサ素子は、固体電解質基体1、並びにその外表面に順次形成された検知電極2、電極保護層4及び被毒防止層5と、内表面に形成された基準電極3とにより構成されている。更に、固体電解質体の形状としては、筒型の他にも板型の積層タイプのセンサであっても本発明は適用できる。
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、チタニア等のセラミック粉末の比表面積、被毒防止層の厚さ及び気孔率等は適宜調整することができる。また、検知電極及び基準電極は、必ずしも固体電解質基体の底部周面の全面に形成する必要はなく、帯状等であってもよい。更に、被毒防止層の表面に、更に電極保護層と同様の組成の保護層を形成することもできる。
(a)は実験例20のセンサ素子に形成された被毒防止層の倍率1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。(b)は(a)の中心部を拡大した倍率3500倍の走査型電子顕微鏡写真である。 参考例1の酸素センサの耐久性が優れていることを示すグラフである。 センサ素子の電極保護層を形成した後の外観を示す正面図である。 更に被毒防止層を形成した後の外観を示す正面図である。 センサ素子の固体電解質基体の外表面に検知電極等が形成され、内表面に基準電極が形成された部分を表す断面図である。 耐久性を評価するためのバーナー測定装置の模式図である。
符号の説明
1;固体電解質基体、2;検知電極、3;基準電極、4;電極保護層、5;被毒防止層。

Claims (4)

  1. 固体電解質基体、並びにその表面に形成された検知電極、該検知電極の表面に形成される電極保護層及び該電極保護層の表面に形成される被毒防止層を有するセンサ素子を備える酸素センサにおいて、
    該被毒防止層は、チタニア粉末とチタニア以外のセラミック粉末とからなり、該チタニア粉末の一次粒子の粒度分布が0.003μm以上1μm以下にピークを有し、該チタニア以外のセラミック粉末の一次粒子の粒度分布が10μm以上50μm以下にピークを有し、該セラミック粉末程度の大きさの空孔を有する酸素センサ。
  2. 上記チタニア粉末が、アナターゼ型チタニア粉末である請求項1に記載の酸素センサ。
  3. 上記チタニア以外のセラミック粉末がアルミニウム原子を含む複合酸化物の粉末である請求項1又は2記載の酸素センサ。
  4. 上記チタニア粉末の一次粒子の粒度分布が0.003〜0.5μmにピークを有し、上記チタニア以外のセラミック粉末の一次粒子の粒度分布が15〜50μmにピークを有する請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の酸素センサ。
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