JP4440346B2 - アミノオキシ修飾オリゴヌクレオチド - Google Patents
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Description
本特許出願は1997年2月14日に出願された米国仮出願第60/037,143号の優先権の利益を主張し、その出願の内容は参照することによりここに組み込まれる。
発明の分野
本発明はアミノオキシ修飾オリゴヌクレオチドに向けられる。このようなオリゴヌクレオチドは、治療薬、診断薬、及び研究用試薬として有用である。本発明は、さらに、オリゴヌクレオチドを調製するための前駆体として有用であるアミノオキシヌクレオチド、ヌクレオシド及びヌクレオシド代替物に向けられる。本発明の特定の態様において、オリゴヌクレオチドへの本発明の1つ以上のアミノオキシ部分の組み込みは、とりわけ、それらのオリゴヌクレオチドの相補鎖への結合性を向上させる。本発明のさらなる態様においては、1つ以上のアミノオキシ部分の組み込みにより、それらのオリゴヌクレオチドへの様々な有用なリガンドの結合に有用な1つ以上の結合部位が提供される。このようなリガンドには、例えば、リポーター基及び、取り込み、分配又は他の薬力学的特性を修飾する基が含まれる。
発明の背景
比較的短いオリゴヌクレオチドをmRNAに相補的にハイブリダイゼーションさせてこれら細胞内核酸の正常な必須機能を破壊させることを含む機構によってmRNAの発現を調節するのに、オリゴヌクレオチドを用いることができることが知られている。ハイブリダイゼーションは相補的RNA又はDNAへのオリゴヌクレオチドの配列特異的な塩基対水素結合である。
診断薬において、及び研究用試薬として、さらに治療薬において用いるためには、特定のDNA又はRNAに忠実に結合するオリゴヌクレオチドの能力が重要な因子である。相補的核酸に結合するオリゴヌクレオチドの相対能力は特定のハイブリダイゼーション複合体の溶融温度を測定することにより比較される。二重らせんの特徴的な物理特性である溶融温度(Tm)は、50%のらせん対コイル(ハイブリダイズしていない)形態が存在する温度(℃)である。Tmは、UV分光法を用いてハイブリダイゼーションの形成及び破壊(溶融)を決定することにより測定される。ハイブリダイゼーションの間に生じる塩基の積み重ねにはUV吸収の減少が伴う(淡色化)。したがって、UV吸収の減少はより高いTmを示す。Tmが高いほど核酸鎖の結合力が大きい。したがって、適切な強度及び忠実度でその標的RNA(又はDNA)にハイブリダイズするように修飾されたオリゴヌクレオチドが、研究用試薬、診断薬、及びオリゴヌクレオチド治療薬として使用するのに非常に望ましい。
様々な置換が、オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの塩基及び糖部分に導入されている。これらの置換のうちの特定のものを含めることで得られるオリゴヌクレオチドに何らかの向上がみられる。そのような有用な向上の1つは、2’−置換基、例えば、ハロ、アルコキシ及びアリルオキシ基を導入することによるオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性の増加である。
Ikeharaら(European J.Biochem.,1984,139,447)は、1つの2’−デオキシ−2’−フルオログアノシン残基又は1つの2’−デオキシ−2’−フルオロアデニン残基を含有する混合八量体の合成を報告している。Guschlbauer及びJankowski(Nucleic Acids Res,1980,8,1421)は、3’エンドの寄与が2’−置換基の電気陰性度の増加に伴って増加することを示している。かくして、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンは85%のC3’エンド型を含有する。
さらに、2’−置換−2’−デオキシアデノシンポリヌクレオチドがDNAではなく二本鎖RNAに類似することを示す証拠が提示されている。Ikeharaら(Nucleic Acids Res.,1978,5,3315)は、その相補体と二重鎖を形成するポリA、ポリI、又はポリCにおける2’−フルオロ置換基が標準的な溶融検定による測定でリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドポリ二重鎖よりも安定であることを示している。Ikeharaら(Nucleic Acids Res.,1978,4,4249)は、ポリ(2’−デオキシアデニル酸)における2’−クロロ又はブロモ置換基がヌクレアーゼ耐性をもたらすことを示している。Ecksteinら(Biochemistry,1972,11.4336)は、ポリ(2’−クロロ−2’−デオキシウリジル酸)及びポリ(2’−クロロ−2’−デオキシシチジル酸)が様々なヌクレアーゼに対して耐性であることを報告している。Inoueら(Nucleic Acids Res.,1987,15,6131)は、全てのヌクレオチドに2’−OMe置換基を含有する混合オリゴヌクレオチド配列の合成を記述している。この混合2’−OMe−置換オリゴヌクレオチドは、そのRNA相補体にRNA−RNA二重鎖と同程度の強さでハイブリダイズし、このRNA−RNA二重鎖は同じ配列のRNA−DNAヘテロ二重鎖よりもかなり強い(九量体についてのTm、49.0及び50.1対33.0°)。Shibaharaら(Nucleic Acids Res.,1987,17,239)は全てのヌクレオチドに2’−OMe置換基を含有する混合オリゴヌクレオチドの合成を報告している。この混合2’−OMe−置換オリゴヌクレオチドはHIVの複製を阻害するように設計された。
ヒドロキシル基の立体効果、その水素結合の能力、及びその電気陰性度対水素原子の特性を複合させたものがRNAとDNAの間の全体的な構造の差の原因であるものと信じられる。熱溶融研究で、2’−メトキシオリゴヌクレオチドの二重鎖安定性(ハイブリダイゼーション)の順序がRNA−RNA>RNA−DNA>DNA−DNAの順であることが示されている。
1991年5月7日発行の米国特許第5,013,830号は、2’−O−アルキル置換基を有し、ホスホジエステル結合によりDNA部分に結合するRNA部分を含む混合オリゴヌクレオチドを開示している。しかしながら、ホスホジエステルが存在することから、これらのオリゴヌクレオチドはヌクレアーゼ開裂に対して感受性である。
1989年4月13日出願の欧州特許出願第339,842号は、2’−O−メチルリボオリゴヌクレオチドホスホロチオエートを含む2’−O−置換ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを開示している。また、この出願は、ヌクレアーゼ耐性を欠く2’−O−メチルホスホジエステルオリゴヌクレオチドをも開示している。
1987年8月27日出願の欧州特許出願第260,032号は、糖部分に2’−O−メチル置換基を有するオリゴヌクレオチドを開示している。この出願は、他の2’−O−アルキル置換基、例えば、エチル、プロピル及びブチル基にも言及している。
1991年5月16日公開の国際公開WO91/06556号及び米国特許第5,466,786号は、ヌクレアーゼ活性に対して安定である、2’位に置換基を有するオリゴマー誘導体を開示している。オリゴヌクレオチドに組み込まれる具体的な2’−O−置換基には、エトキシカルボニルメチル(エステル形態)、及びその酸、アミド及び置換アミド形態が含まれる。
1990年5月15日出願の欧州特許出願第399,330号は、2’−O−アルキル置換基を有するヌクレオチドを開示している。
1991年10月17日公開の国際公開WO91/15499号は、2’−O−アルキル、−アルケニル及び−アルキニル置換基を有するオリゴヌクレオチドを開示している。
Martin,P.,Helvetica Chimica Acta,78,1995,486-504は、2’−メトキシエトキシ、2’−メトキシ(トリス−エトキシ)及び他の置換基を含む特定のヌクレオシド及びそれらから調製されるオリゴヌクレオチドを開示している。2’−メトキシエトキシ及び2’−メトキシ(トリス−エトキシ)置換基のいずれかで置換されたヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、Tmの増加によって判定されるようにハイブリダイゼーションの改善を示した。
ハイブリダイゼーションの忠実度が改善されたオリゴヌクレオチドが、研究用試薬、診断薬及び治療薬として有用なオリゴヌクレオチドの開発において非常に重要なものであることが認識されてきている。
発明の簡潔な説明
本発明によると、DNA及びRNAの活性を調節するアミノオキシ含有組成物が提供される。好ましい組成物は構造:
〔式中、
Bxはプリン又はピリミジン複素環塩基であり;
T1及びT2は、独立に、OH、ヒドロキシル保護基、活性化リン酸基、ヌクレオチド、ヌクレオシド、又はオリゴヌクレオチドであり、そして
Lは構造:
(式中、
mは0〜10であり;
yは1〜10であり;
xは1であり;
EはN(R1)(R2)又はN=C(R1)(R2)であり;そして
各々のR1及びR2は、独立に、H、C1〜C10アルキル、窒素保護基であるか、又はR1及びR2は一緒になって窒素保護基であるか、又はR1及びR2はN及びOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むことができる環構造に加わっている。)のうちの1つを有する。〕
の化合物を含む。
Bxは、好ましくは、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、ウラシル、チミン、シトシン、2−アミノアデニン又は5−メチルシトシンである。R1及びR2は、環構造、例えば、イミダゾール、ピペリジン、モルホリン又は置換ピペラジン(例えば、C1〜C12アルキルで置換されているピペラジン)であり得る。T1及びT2の両者がオリゴヌクレオチドであってもよく、又はそれらの一方がオリゴヌクレオチドで他方がヒドロキシル保護基であってもよい。
特定の態様において、本発明の組成物は構造:
Q−L
〔式中、
Lは構造:
(式中、
mは0〜10であり;
yは1〜10であり;
EはN(R1)(R2)又はN=C(R1)(R2)であり;
各々のR1及びR2は、独立に、H、C1〜C10アルキル、窒素保護基であるか、又はR1及びR2は一緒になって窒素保護基であるか、又はR1及びR2はN及びOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むことができる環構造に加わっている。)のうちの1つを有し、
そして、xとQは:
xが1である場合、Qが:
2’、3’もしくは5’位が前記L基で置換されているヌクレオシド;
2’もしくは5’位が前記L基で置換されている3’−亜リン酸化ヌクレオシド;
3’もしくは5’位が前記L基で置換されている2’−亜リン酸化ヌクレオシド;又は
2’、3’もしくは5’位が前記L基で置換されているヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドになるように選択されるか;又は
xが0である場合、Qは構造:
(式中、
n及びpは、独立に、0〜10であって、n及びpの合計は2より大きくて11未満であり;
Pgはヒドロキシル保護基(例えば、ジメトキシトリチル)であり;そして
Zは固体支持体又は保護された活性化リン部分(例えば、シアノエトキシ−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト基)である。)の化合物である。〕
の化合物を含む。
好ましくは、pは1でありnは4である。
好ましい化合物の群において、yは1〜4である。より好ましい化合物の群においては、yは1である。
好ましい化合物に群において、mは1〜6である。より好ましい化合物の群においては、mは2である。
好ましい化合物の群において、R1及びR2はH又はアルキルである。さらなる化合物の群においては、R1及びR2は窒素保護基である。窒素が保護された好ましい基にはフタルイミド−N−オキシ及びホルムアルオキシミル(formaloximyl)が含まれる。
好ましい群の化合物において、Qは、ヌクレオシド、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド中に組み込まれているヌクレオシドである。より好ましい化合物の群においては、Qは、オリゴヌクレオチド中に組み込まれている2’又は3’置換ヌクレオシドである。
好ましい化合物の群において、Qは構造:
(式中、Pg及びZは上に定義される通りである。)である。さらに好ましい化合物の群においては、Zは固体支持体である。さらに好ましい化合物の群においては、Zは保護された活性化リン原子である。より好ましい化合物の群においては、Zは保護されたホスホロアミダイト部分である。
本発明の好ましい組成物は、上記Q−L化合物の1つ以上を含むように修飾されたオリゴヌクレオチドを含む。したがって、これらの組成物は、本発明のアミノオキシ修飾ヌクレオシドを1つ以上有するオリゴヌクレオチド、又はQが上記構造Iである式Q−Lのヌクレオシド代替物を1つ以上含むように修飾されたオリゴヌクレオチドを含む。これらオリゴヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖標的DNA又はRNAの予め選択されたヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズし得る。これらオリゴヌクレオチドは、一本鎖DNA及びRNAを認識してそれと二本鎖を形成する。
本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、連結基を介して共に連結する核酸塩基の一本鎖からなる。本発明のオリゴヌクレオチドは、長さが約5〜約50個の核酸塩基の範囲であることができる。しかしながら、本発明の特定の好ましい態様によると、長さが約12〜25塩基の配列が望ましい。
本発明のオリゴヌクレオチドの好ましい個々のヌクレオチドは、リン結合を介して結合していてもよい。好ましいリン結合には、ホスホジエステル、ホスホロチオエート及びホスホロジチオエート結合が含まれ、ホスホジエステル及びホスホロチオエート結合が特に好ましい。
本発明の好ましいヌクレオベースには、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチル、2−プロピル及び他のアルキルアデニン、5−ハロウラシル、5−ハロシトシン、6−アザウラシル、6−アザシトシン及び6−アザチミン、シュードウラシル、4−チオウラシル、8−ハロアデニン、8−アミノアデニン、8−チオールアデニン、8−チオールアルキルアデニン、8−ヒドロキシルアデニン及び他の8−置換アデニン、8−ハログアニン、8−アミノグアニン、8−チオールグアニン、8−チオールアルキルグアニン、8−ヒドロキシルグアニン及び他の8−置換グアニン、他のアザ及びデアザウラシル、他のアザ及びデアザチミジン、他のアザ及びデアザシトシン、他のアザ及びデアザアデニン、他のアザ及びデアザグアニン、5−トリフルオロメチルウラシル及び5−トリフルオロシトシンが含まれる。
本発明の一態様によると、オリゴヌクレオチドのヌクレオシドのうちの少なくとも1つが修飾される。ヌクレオシド成分の修飾に好ましい部位は、そのヌクレオシドの2’、3’又は5’位である。この修飾は、アミノオキシ部分を1つ以上のヌクレオシドに導入するものを含む。本発明のさらなる態様によると、アミノオキシ部分を有する少なくとも1つのヌクレオシド代替物がオリゴヌクレオチドの修飾に用いられる。こうしてアミノオキシで修飾されたヌクレオシド又はアミノオキシ含有ヌクレオシド代替物は、オリゴヌクレオチドを調製するための標準合成法を用いて、オリゴヌクレオチドに組み込まれ、結果としてオリゴヌクレオチドへのアミノオキシ部分の組み込みをもたらす。
好ましい修飾は、2’、3’もしくは5’−O−アミノオキシアルキル、2’、3’もしくは5’−O−アルキルアミノオキシアルキル又は2’、3’もしくは5’−O−ジアルキルアミノオキシアルキル修飾を含むように修飾された1つ以上のヌクレオシドを包含するオリゴヌクレオチドを含む。さらに好ましい修飾は、オリゴヌクレオチドに組み込むための第1及び第2ヒドロキシ官能基を有するアルキル単位であって、かつアミノオキシ部分での結合を介して結合基をオリゴヌクレオチドに連結させるのに用いるためのそのアミノオキシ部分を有する側鎖を有するアルキル単位を含むヌクレオシド代替物を含む。このような結合は、このアミノオキシ部分の窒素原子の適切なアルキル化又はアシル化により行なわれる。ビタミンAファミリーの化合物を、そのファミリーの様々なメンバーに見出される酸又はアルコール官能基を介してオリゴヌクレオチドに結合させることができる。例えば、レチノイン酸の酸部分のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルをオリゴヌクレオチドからペンダントになっているリンカーのアミン官能基に結合させることで、オリゴヌクレオチドへのビタミンA化合物のアミド結合を介した連結が生じる。また、レチノールがそのホスホロアミダイトに変換されており、これは5’結合に有用である。
結合基又はリガンドとしての選択に適するものは:ステロイド分子、リポーター分子、親油性分子、リポーター酵素、ペプチド、タンパク質(すなわち、本質的に同じものからなる置換基)、又はグリコールもしくはグリコール様リンカーである。本発明の目的上、“リポーター分子”及び“リポーター酵素”という用語は、それらが、ゲル、流体、全細胞系、破壊された細胞系等において、分光、放射能、比色検定、蛍光、及び特異的結合のような物理的特性を用いて同定することを可能にする物理的又は化学的特性を有する分子又は酵素を包含するものである。ステロイドにはペルヒドロ−1,2−シクロペンタノフェナントレン環系を包含する化合物が含まれる。タンパク質及びペプチドは、アミノ酸のポリマーとしてのそれらの通常の意味で用いられる。通常、ペプチドには、単位分子当たりタンパク質よりも小数のアミノ酸を有するもののようなポリマーが含まれる。親油性分子には、脂肪酸;エステル;アルコール及び他の脂質分子;ジニトロフェニル基のような置換芳香族基;アダマンタン及びバックミンスターフラーレンのようなケージ構造体;及びベンゼン、ペリレン、フェナントレン、アントラセン、ナフタレン、ピレン、クリセン及びナフタセンのような芳香族炭化水素のような天然及び合成芳香族及び非芳香族部分が含まれる。
ステロイド分子として特に有用なものは、コール酸、デオキシコール酸及びデヒドロコール酸を含む胆汁酸;コルチゾン、ジゴキシゲニン、テストステロン及びコレステロールを含むステロイドであり、コルチゾン環の3位に二重結合を介して結合したトリメチルアミノメチルヒドラジド基を有するコルチゾンのようなカチオン性ステロイドもある。リポーター分子として特に有用なものは、ビオチン、ジニトロフェニル、及びフルオロセイン染料である。親油性分子として特に有用なものは、脂環式炭化水素、飽和及び不飽和脂肪酸、ワックス、テルペン、並びにアダマンタン及びバックミンスターフラーレンを含む多脂環式炭化水素である。リポーター酵素として特に有用なものは、アルカリ性ホスファターゼ及びセイヨウワサビペルオキシダーゼである。ペプチド及びタンパク質として特に有用なものは、ホスホジエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ及びヌクレアーゼタンパク質を含む配列特異的ペプチド及びタンパク質である。このようなペプチド及びタンパク質には、SV40ペプチド、RNアーゼA、RNアーゼH及びブドウ球菌ヌクレアーゼが含まれる。テルペノイドとして特に有用なものはビタミンA、レチノイン酸、レチナール及びデヒドロレチノールである。他の結合リガンドは、米国特許第5,578,718号に記載されており、この特許は本願と共通に譲渡され、参照することによりここに組み込まれる。
また、本発明は、2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシル−β−ヌクレオシドを含む複数の連結したヌクレオシドから形成されるオリゴヌクレオチドをも含む。これらのヌクレオシドは、相補的標的核酸と特異的にハイブリダイズする配列において荷電リン結合により連結される。この連結したヌクレオシドの配列は、少なくとも2つのサブ配列に分割される。第1サブ配列は、荷電3’−5’リン連結によって連結された2’−アミノオキシアルキル置換基を有するヌクレオシドを含む。第2サブ配列は、生理学的pHで陰電荷を帯びる、荷電3’−5’リン連結によって連結する2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシル−β−ヌクレオシドからなる。さらに好ましい態様においては第3サブ配列が存在し、その配列のヌクレオシドは第1サブ配列について選択し得るものから選択される。好ましい態様において、第2サブ配列は、第1サブ配列と第3サブ配列の間に位置する。本発明のこのようなオリゴヌクレオチドは“キメラ”もしくは“ギャップド(gapped)”オリゴヌクレオチド、又は“キメラ体”とも呼ばれる。
本発明の新規オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ分解に対する耐性が増加しており、かつ野生型DNA−DNA及びRNA−DNA二重鎖並びにホスホン酸メチル、ホスホロアミダイト及びリン酸トリエステルを含有するリン修飾オリゴヌクレオチド二重鎖よりも質の高いハイブリダイゼーション特性を示し、又はそれらにはヌクレオシド代替物単位が組み込まれており、これらのヌクレオシド代替物単位はアミノオキシ部分を介してオリゴヌクレオシドに結合基を連結させるためのアミノオキシ部位を有する。
また、本発明は、生物によるタンパク質の産生を調節するための方法であって、その生物を前述の考察に従って処方される組成物と接触させることを含む方法にも向けられている。調節されるべきRNA又はDNA部分が、その形成が調節されるべきタンパク質をコードするDNA又はRNAの部分を含むように予め選択されることが好ましい。したがって、用いられるオリゴヌクレオチドは、標的DNA又はRNAの予め選択された部分に特異的にハイブリダイズし得るように設計される。
また、本発明は、望ましくないタンパク質の産生を特徴とする疾患を有する生物の治療方法にも向けられている。この方法は、その生物を前述の考察による組成物と接触させることを含む。その組成物は、好ましくは、その産生が阻害されるべきタンパク質をコードするmRNAと特異的に結合するように設計されたものである。
本発明は、さらに、生物又は細胞における異常なRNA分子の有無、又は正常RNA分子の異常なもしくは不適切な発現の有無を検出するための診断方法にも向けられている。
また、本発明は、研究用試薬及び診断薬として用いるためのRNAを選択的に結合させる方法にも向けられている。このような選択的かつ強力な結合は、そのようなRNA又はDNAを、ハイブリダイゼーションの忠実度の上昇を示す本発明のオリゴヌクレオチドと相互作用させることにより達成される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の特定の中間体の合成を示す。
図2は、保護されたアミノオキシエチル基を2’−O−位に有する5−メチルウリジンDMT−ホスホロアミダイトの合成を示す。
図3は、本発明の特定の中間体の合成を示す。
図4は、保護されたアミノオキシエトキシ基を2’位に有するアデノシンDMT−ホスホロアミダイトの合成を示す。
図5は、本発明の特定の中間体の合成を示す。
図6は、保護されたアミノオキシエトキシ基を2’位に有するシチジンDMT−ホスホロアミダイトの合成を示す。
図7は、本発明の特定の中間体の合成を示す。
図8は、保護されたアミノオキシエトキシ基を2’位に有するグアニジンDMT−ホスホロアミダイトの合成を示す。
図9は、本発明の幾つかの中間体及び単量体の合成を示す。
図10は、本発明の化合物のCPGへの連結を示す。
図11は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図12は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図13は、完全長オリゴヌクレオチド(%)対オリゴヌクレオチドへのヌクレアーゼ作用の効果に関与する時間(分)のグラフを示す。
図14は、完全長オリゴヌクレオチド(%)対オリゴヌクレオチドへのヌクレアーゼ作用の効果に関与する時間(分)のグラフを示す。
図15は、完全長オリゴヌクレオチド(%)対オリゴヌクレオチドへのヌクレアーゼ作用の効果に関与する時間(分)のグラフを示す。
図16は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図17は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図18は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図19は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図20は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図21は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図22は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図23は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図24は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図25は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図26は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図27は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図28は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
図29は、本発明の中間体及び単量体の合成を示す。
好ましい態様の詳細な説明
本発明による、RNAもしくはDNAの同定もしくは定量に又はRNAもしくはDNA分子の活性化の調節に有用な組成物は、一般に、糖が修飾されたオリゴヌクレオチドであって、一本鎖もしくは二本鎖標的DNAもしくはRNA分子の予め選択されたヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。一般には、タンパク質の産生に関与するDNAもしくはRNAの配列を選択してそのタンパク質の合成を最終的かつ全体的に調節もしくは阻害するか、又は診断試験においてRNAもしくはDNAを選択して、その存在、不存在もしくは具体的な量を決定することが望ましい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、既知手順の固相合成を用いて合成することが好都合であり、標的RNAもしくはDNAの予め選択されたヌクレオチド配列と相補的になるように又はそれに特異的にハイブリダイズし得るように設計される。核酸合成装置が市販されており、当業者は、それらの使用が合理的な長さの所望のオリゴヌクレオチドの生成において有効であることを理解する。
また、本発明のオリゴヌクレオチドには、荷電された連結によって連結されたヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチド、及びその配列が少なくとも2つのサブ配列に分割されるオリゴヌクレオチドも含まれる。第1サブ配列には、第1型の連結によって連結された2’−アミノオキシアルキル置換ヌクレオシドが含まれる。第2サブ配列には、第2型の連結によって連結されたヌクレオシドが含まれる。好ましい態様においては、第3サブ配列が存在し、その配列のヌクレオシドは第1サブ配列について選択することができるものから選択され、第2サブ配列は第1サブ配列と第3サブ配列との間に位置する。本発明のこのようなオリゴヌクレオチドは“キメラ体”又は“キメラ”もしくは“ギャップド”オリゴヌクレオチドとして知られる。
本発明の脈絡において、“オリゴヌクレオチド”という用語は、天然もしくは非天然ヌクレオベースからの特定の配列において互いに繋がった複数のヌクレオチドを指す。本発明の好ましいヌクレオベースは、糖部分を介してリン結合で互いに結合し、それらには、アデニン、グアニン、アデニン、シトシン、ウラシル、チミン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチル、2−プロピル及び他のアルキルアデニン、5−ハロウラシル、5−ハロシトシン、6−アザウラシル、6−アザシトシン及び6−アザチミン、シュードウラシル、4−チオウラシル、8−ハロアデニン、8−アミノアデニン、8−チオールアデニン、8−チオールアルキルアデニン、8−ヒドロキシルアデニン及び他の8−置換アデニン、8−ハログアニン、8−アミノグアニン、8−チオールグアニン、8−チオールアルキルグアニン、8−ヒドロキシルグアニン及び他の8−置換グアニン、他のアザ及びデアザウラシル、他のアザ及びデアザチミジン、他のアザ及びデアザシトシン、他のアザ及びデアザアデニン、他のアザ及びデアザグアニン、5−トリフルオロメチルウラシル及び5−トリフルオロシトシンが含まれる。糖部分はデオキシリボースであってもリボースであってもよい。また、本発明のオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオベース、又は本発明の精神と一致する他の修飾、特には、治療薬、診断薬もしくは研究用試薬としてのそれらの使用を容易にするためにそれらのヌクレアーゼ耐性を高める修飾を有するヌクレオベースを含んでいてもよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、長さが約5〜約50塩基である。本発明のオリゴヌクレオチドは、8〜約40個の塩基を有することがより好ましく、約12〜約25個の塩基を用いることがさらに好ましい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、調節のために選択された標的RNA又はDNAのヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズし得るように適合されることが望ましい。本発明の1つ以上の態様の実施に特に適するオリゴヌクレオチドには、2’、3’もしくは5’−糖修飾オリゴヌクレオチドが含まれ、そのヌクレオシドのペントフラノシル部分の2’、3’もしくは5’位はアミノオキシ部分を含むように修飾されている。例えば、これらのオリゴヌクレオチドは、置換を含有するように修飾され、それらの置換には、2’、3’もしくは5’−O−アミノオキシアルキル、2’、3’もしくは5’−O−アルキルアミノオキシアルキル、2’、3’もしくは5’−O−ジアルキルアミノオキシエチルとして修飾された1つ以上のヌクレオシド単位;又は1つもしくは2つのヒドロキシル基及びアミノオキシ基を有するアルキル基を含む1つ以上のヌクレオシド代替物基;並びに、フタルイミド−N−オキシアルキル及びホルムアルオキシミルアルキル置換を含む上述のものの保護、ブロックトもしくは前駆体形態の組み込みが含まれるがこれらに限定されるものではない。これら修飾ヌクレオシド又は代替ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内部にそのオリゴヌクレオチド主鎖への連結を介して位置することも、オリゴヌクレオチドの3’及び5’末端の一方もしくは両方に位置することもできる。
ヌクレオシド代替物は、オリゴヌクレオチドへの組み込みのためにPIII又はPV原子価状態の適切に活性化されたリン原子を含むことができる。このような活性化リン原子には、当該技術分野において公知のように、ホスホロアミダイト、Hホスホネート及びトリエステルが含まれる。また、本ヌクレオシド代替物は、適切なヒドロキシルブロッキング基を含むこともでき、これにはジメトキシトリチル、トリメトキシトリチル、モノメトキシトリチル及びトリチルブロッキング基並びに当該技術分野において公知の他のブロッキング基が含まれるがこれらに限定されるものではない。
本発明のヌクレオシド代替物基の1つをオリゴヌクレオチドに配置するにあたり、適切にブロック及び活性化されたヌクレオシド代替物が、正常なブロックされた標準ヌクレオシド及び活性な標準ヌクレオチドを組み込むための標準法でオリゴヌクレオチドに組み込まれる。例えば、そのアミノオキシ部分がフタルイミド保護基を用いて保護されているヌクレオシド代替物が選択される。この代替物分子のヒドロキシル基の1つは、ジメトキシトリチル保護基(DMT保護基)を用いて保護され、他のヒドロキシル基、つまり第2ヒドロキシル基、はシアノエトキシジイソプロピルホスホロアミダイト部分として存在する。この代替物単位を、当該技術分野において公知であるように、通常の活性化剤で処理することにより成長しているオリゴヌクレオチドに添加し、そのホスホロアミダイト部分をその成長しているオリゴヌクレオチドと反応させる。その後、当該技術分野において公知である通りに標準法でDMT基を除去し、当該技術分野において標準である通りに正常なヌクレオチドアミダイトを用いてオリゴヌクレオチドの伸長を継続する。ヌクレオシド代替物単位がそのオリゴヌクレオチドの合成の過程で用いられた中間体単位である場合、この代替物ヌクレオシドはそのオリゴヌクレオチドの内部に位置する。ヌクレオシド代替物単位がオリゴヌクレオシドに連結する最後の単位である場合、このヌクレオシド代替物単位はそのオリゴヌクレオチドの5’最末端部分を形成することになる。
他のヌクレオチド代替物単位には、固体支持体への慣用的なヌクレオシドの結合に用いられるのと同じ方法で、固体支持体へ第2ヒドロキシル基を連結させることが含まれ得る。オリゴヌクレオチドを固体支持体から開裂させると、そのヌクレオシド代替物単位はそのオリゴヌクレオチドの3’最末端部分を形成することになる。
このようなオリゴヌクレオチドの各々において、そのオリゴヌクレオチドを固体支持体から開裂させると、フタルイミドブロッキング基が除去されてオリゴヌクレオチド上にアミノオキシ部分が生じる。このアミノオキシ部分のアミノ官能基は、アルキル化又はアシル化反応により適切なリガンドとさらに反応し、そのリガンドを結合基としてオリゴヌクレオチドに繋ぐことができる。当該技術分野において公知の様々な結合基を、この方法でオリゴヌクレオチドに結合させることができる。
本発明の置換ヌクレオシドにおいて、各々のアルキルはC1〜C10の直鎖もしくは分岐鎖である。本発明の2’、3’もしくは5’−O−置換ヌクレオシドにおいて用いるためには、より好ましいアルキル基はC1〜C4アルキルであり、C2アルキルが最も好ましい。
本発明のヌクレオシド代替物については、アルキル基全体の長さは、そのアルキル基の両末端間に位置するアミノオキシ基を伴って11未満となるように選択される。本発明の特定の好ましいヌクレオシド代替物においては、アミノオキシ基をそのヌクレオシド代替物のいずれのヒドロキシル基ともその間に少なくとも2つのメチレン基があるように配置することが好ましい。これは、アルキル主鎖内又はアミノオキシ側鎖上のいずれかのメチレン単位の何らかの組み合わせにより達成することができる。そのように配置することで、アミノオキシ部分の酸素原子とヒドロキシル基の酸素原子がアセタール型の構造を形成することがない。別の態様においては、アミノオキシ部分をヒドロキシル基の一方もしくは他方との間にメチレン基1つのみを伴って配置して、アセタール型の構造を形成させる。
本発明の置換ヌクレオシドにおいて、置換基の第1の好ましい群には、2’−アミノオキシアルキル置換基が含まれる。置換基のさらなる好ましい群には、アルキル化アミノキシアルキルが含まれ、これらには、ジアルキルアミノオキシアルキル及びモノアルキルアミノアルキル、例えば、ジメチルアミノオキシエチル及びエチルアミノオキシエチルが含まれる。置換基のさらなる好ましい群には、これら2’−O−アミノオキシアルキル置換基の前駆体又はブロックト形態が含まれ、これらには、フタルイミド及びホルムアルデヒド付加物、すなわち、フタルイミド−N−オキシ及びホルムアルオキシミル基が含まれる。
本発明の特定の好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチドの個々のヌクレオシドは、リン結合を介して繋がれる。好ましいリン結合にはホスホジエステル、ホスホロチオエート及びホスホロジチオエート結合が含まれる。本発明の好ましい態様の1つにおいては、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結を用いることにより、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性が付与される。
本発明のさらなる態様においては、ヌクレオシドを、ヌクレオシド間リン酸結合に代わる結合、例えば、代用ヌクレオシド間結合を介して連結させることができる。この型の巨大分子も、オリゴヌクレオシドと同一視されている。したがって、“オリゴヌクレオシド”という用語は、非リン結合によって繋がれた複数のヌクレオシド単位を指す。
オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオシドを繋いでキメラオリゴマー化合物を得ることができる。天然ホスホジエステル連結基に加えて、本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド及びオリゴマーキメラ化合物の調製に用いることができるリン及び非リン含有結合基は従来技術において十分に文書化されており、これらには、限定することなしに、以下のものが含まれる:
リン含有結合
ホスホロジチオエート(−O−P(S)(S)−O−);
ホスホロチオエート(−O−P(S)(O)−O−);
ホスホロアミデート(−O−P(O)(NJ)−O−);
ホスホネート(−O−P(J)(O)−O−);
ホスホトリエステル(−O−P(OJ)(O)−O−);
チオホスホロアミデート(−O−P(O)(NJ)−S−);
チオノアルキルホスホネート(−O−P(S)(J)−O−);
チオノアルキルホスホトリエステル(−O−P(O)(OJ)−S−);
ボラノホスホネート(−R5−P(O)(O)−J−);
非リン含有結合
チオジエステル(−O−C(O)−S−);
チオノカルバメート(−O−C(O)(NJ)−S−);
シロキサン(−O−Si(J)2−O−);
カルバメート(−O−C(O)−NH−及び−NH−C(O)−O−)
スルファメート(−O−S(O)(O)−N−及び−N−S(O)(O)−N−);
モルホリノスルファミド(−O−S(O)(N(モルホリノ)−);
スルホンアミド(−O−SO2−NH−);
スルフィド(−CH2−S−CH2−);
スルホネート(−O−SO2−CH2−);
N,N’−ジメチルヒドラジン(−CH2−N(CH3)−N(CH3)−);
チオホルムアセタール(−S−CH2−O−);
ホルムアセタール(−O−CH2−O−);
チオケタール(−S−C(J)2−O−);及び
ケタール(−O−C(J)2−O−);
アミン(−NH−CH2−CH2−);
ヒドロキシルアミン(−CH2−N(J)−O−);
ヒドロキシルイミン(−CH=N−O−);及び
ヒドラジニル(−CH2−N(H)−N(H)−)。
ここで、Jは置換基を示し、これは、通常、水素又はアルキル基又はある型の連結から別の連結まで変動する複雑な基である。
天然の連結の−O−P−O−原子の修飾又は置換に関与する上述の連結基に加えて、1つ以上の−O−P−O−原子の他に5’−メチレン基の修飾を含む連結基が本発明の範囲内に含まれる。この型の連結は、従来技術において十分に文書化されており、これらには、限定することなしに、以下のものが含まれる:
アミド(−CH2−CH2−N(H)-C(O))及び−CH2-O-N=CH−);並びに
アルキルリン(−C(J)2−P(=O)(OJ)−C(J)2−C(J)2−)。
ここで、Jは上述の通りである。
上述の代用ヌクレオシド間連結を合成するための合成スキームは以下のものに記載されている:
WO91/08213;WO90/15065;WO91/15500;WO92/20822;WO92/20823;WO91/15500;WO89/12060;EP216860;US92/04294;US90/03138;US91/06855;US92/03385;US91/03680;米国特許第07/990,848号;第07,892,902号;第07/806,710号;第07/763,130号;第07/690,786号;第5,466,677号;第5,034,506号;第5,124,047号;第5,278,302号;第5,321,131号;第5,519,126号;第4,469,863号;第5,455,233号;第5,214,134号;第5,470,967号;第5,434,257号;Stirchak,E.P.ら,Nucleic Acid Res.,1989,17,6129-6141;Hewitt,J.M.ら,1992,11,1661-1666;Sood,A.ら,J.Am.Chem.Soc.,1990,112,9000-9001;Vaseur,J.J.ら,J.Amer.Chem.Soc.,1992,114,4006-4007;Musichi,B.ら,J.Org.Chem.,1990,55,4231-4233;Reynolds,R.C.ら,J.Org.Chem.,1992,57,2983-2985;Mertes,M.P.ら,J.Med.Chem.,1969,12,154-157;Mungall,W.S.ら,J.Org.Chem.,1977,42,703-706;Stirchak,E.P.ら,J.Org.Chem.,1987,52,4202-4206;Coull,J.M.ら,Tet.Lett.,1987,28,745;及びWang,H.ら,Tet.Lett.,1991,32,7385-7388。
他の修飾をヌクレオチドの糖、塩基、又はリン酸基に施すことができる。代表的な修飾は、1991年7月25日公開の国際公開WO91/10671号、1992年2月20日公開のWO92/02258号、1992年3月5日公開のWO92/03568、並びに米国特許第5,138,045号、第5,218,105号、第5,223,618号、第5,359,044号、第5,378,825号、第5,386,023号、第5,457,191号、第5,459,255号、第5,489,677号、第5,506,351号、第5,541,307号、第5,543,507号、第5,571,902号、第5,578,718号、第5,587,361号、第5,587,469号に開示されており、これらは全て本発明の譲受人に譲渡されている。上で引用される刊行物の各々の開示は参照することによりここに組み込まれる。
オリゴヌクレオチド及びそれらの類似体への結合基の結合は従来技術において十分に文書化されている。本発明の化合物は、官能基、例えば、一級もしくは二級ヒドロキシル基に共有結合する結合基を含むことができる。本発明の結合基には、インターカレーター、リポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、オリゴマーの薬力学的特性を高める基、及びオリゴマーの薬物動態学的特性を高める基が含まれる。典型的な結合基には、コレステロール、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び染料が含まれる。薬力学的特性を高める基には、本発明の脈絡においては、オリゴマーの取り込みを改善する基、分解に対するオリゴマーの耐性を高める基、及び/又はRNAとの配列特異的ハイブリダイゼーションを強化する基が含まれる。薬物動態学的特性を高める基には、本発明の脈絡においては、オリゴマーの取り込み、分配、代謝又は排出を改善する基が含まれる。代表的な結合基は、1992年10月23日出願の国際特許出願PCT/US92/09196号、1997年7月1日発行の米国特許第5,578,718号、及び米国特許第5,218,105号に開示されている。前述のものの各々は本発明と共通に譲渡されている。各々の開示の全体は参照することによりここに組み込まれる。
多くのビタミンの特性は、それらを本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、又はキメラオリゴマー化合物に取り込むのに良好な結合基とする。α−トコフェロール(ビタミンE)及び他のトコフェロール(β〜ζ)をオリゴヌクレオチドに結合させ、それらの親油性により取り込みを強化することができる。また、親油性ビタミン、ビタミンD、及びそのエルゴステロール前駆体をそれらのヒドロキシル基を介してオリゴヌクレオチドに結合させることもでき、これは、まず、それらのヒドロキシル基を、例えば、ヘミコハク酸エステルに活性化することにより行なわれる。次いで、オリゴヌクレオチドからペンダントになっているアミノリンカーに結合させる。ビタミン上のヒドロキシル基を介してオリゴヌクレオチドのアミノリンカーに結合させることができる他のビタミンには、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール、デオキシピリドキシンが含まれる。脂質可溶性ビタミンK及び関連キノン含有化合物はキノン環上のカルボニル基を介して結合させることができる。ビタミンKのフィトール部分も細胞へのオリゴヌクレオチドの結合を強化するのに役立つ。
ピリドキサール(ビタミンB6)は、特異的B6結合タンパク質を有する。ピリドキサール輸送におけるこれらのタンパク質の役割がZhang及びMcCormick,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1991,88,10407によって研究されている。また、Zhang及びMcCormickは、ピリドキサールの4’位に幾つかの合成アミンが結合した一連のN−(4’−ピリドキシル)アミンが、B6輸送体によって促進されるプロセスにより細胞に侵入することが可能であることも示している。また、彼らは、これらの合成アミンの細胞内での放出も示した。ピリドキサール・ファミリーの他のメンバーには、ピリドキシン、ピリドキサミン、リン酸ピリドキサール、及びピリドキシン酸(pyridoxic acid)が含まれる。ピリドキシン酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸及びアスコルビン酸は、レチノイン酸について上述したように、オリゴヌクレオチド上に位置するアミノリンカーと反応性であるN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを用いて、オリゴヌクレオチドと結合させることができる。
アンチセンス特性を修飾するための他の基には、RNA開裂複合体、ピレン、金属キレート剤、ポルフィリン、アルキレーター(alkylators)、ハイブリッドインターカレーター/リガンド及び光架橋剤が含まれる。RNAクリーバー(cleavers)には、o−フェナントロリン/Cu複合体及びRu(ビピリジン)3 2+複合体が含まれる。このRu(bpy)3 2+複合体は核酸と相互作用して核酸を光化学的に開裂する。金属キレート剤には、EDTA、DTPA、及びo−フェナントロリンが含まれる。アルキレーターには、ヨードアセトアミドのような化合物が含まれる。ポルフィリン類には、ポルフィン、その置換形態、及び金属複合体が含まれる。ピレン類には、ピレン及び同様のプロトコルを用いて結合させることができる他のピレンをベースとするカルボン酸が含まれる。
ハイブリッドインターカレーター/リガンドには、フォトヌクレアーゼ(photonuclease)/インターカレーターリガンドである6−[[[9−[[6−(4−ニトロベンズアミド)ヘキシル]アミノ]アクリジン−4−イル]カルボニル]アミノ]ヘキサノイル−ペンタフルオロフェニルエステルが含まれる。この化合物は2つの注目すべき特徴、つまりインターカレーターであるアクリジン部分及びフォトヌクレアーゼであるp−ニトロベンズアミド基を有する。
光架橋剤には、アリールアジド、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート(HSAB)及びN−スクシンイミジル−6(−4’−アジド−2’−ニトロフェニル−アミノ)ヘキサノエート(SANPAH)が含まれる。オリゴヌクレオチドに結合したアリールアジドは、照射により核酸及びタンパク質との架橋をもたらす。また、これらは担体タンパク質(例えば、KLH又はBSA)とも架橋し、そのオリゴヌクレオチドに対する抗体を生じる。
本発明によるビタミンは、一般に、水溶性又は脂溶性として分類することができる。水溶性ビタミンには、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、すなわちナイアシン、ビタミンB6ピリドキサール群、パントテン酸、ビオチン、葉酸、B12コバミド(cobamide)補酵素、イノシトール、コリン及びアスコルビン酸が含まれる。脂溶性ビタミンには、ビタミンAファミリー、ビタミンD、ビタミンEトコフェロールファミリー及びビタミンK(及びフィトール)が含まれる。レチノイン酸及びレチノールを含むビタミンAファミリーは、特定のタンパク質、例えば、II型細胞質ゾルレチノール結合タンパク質(CRBP−II)、レチノール結合タンパク質(RBP)、及び細胞性レチノール結合タンパク質(CRBP)との相互作用を介して吸収され、そして標的組織に輸送される。これらタンパク質は、人体の様々な部位に見出されるのだが、約15kDの分子量を有する。これらは、ビタミンAファミリーの化合物、特にはレチノイン酸及びレチノールと特異的に相互作用する。
本発明の脈絡において、“ハイブリダイゼーション”とは、相補的ヌクレオチド間の水素結合を意味し、これはWatson-Crick、Hoogsteen又は逆Hoogsteen水素結合であり得る。例えば、アデニン及びチミンは水素結合の形成を介して対を形成する相補的ヌクレオベースである。ここで用いられる場合、“相補的”は2つのヌクレオチドの間の配列相補性を指す。例えば、オリゴヌクレオチドの特定の位置のヌクレオチドがDNAもしくはRNA分子の同じ位置のヌクレオチドと水素結合する能力を有する場合、そのオリゴヌクレオチドとそのDNAもしくはRNAはその位置で互いに相補的であるものと考えられる。そのオリゴヌクレオチドとそのDNAもしくはRNAは、各々の分子内の十分な数の対応位置が互いに水素結合し得るヌクレオチドで占められる場合に互いに相補的となる。かくして、“特異的にハイブリダイズし得る”及び“相補的”は、オリゴヌクレオチドとDNAもしくはRNA標的との間に安定かつ特異的な結合が生じるような十分な程度の相補性を示すのに用いられる用語である。特異的にハイブリダイズし得るのに、オリゴヌクレオチドがその標的DNA配列に対して100%相補性である必要がないことは理解される。オリゴヌクレオチドは、標的DNAもしくはRNA分子へのそのオリゴヌクレオチドの結合がその標的DNAもしくはRNAの正常な機能を妨害し、かつ特異的結合が望まれる条件下、すなわち、イン・ビボ検定もしくは治療処置の場合の生理学的条件下、又はイン・ビトロ検定の場合にはその検定が行われる条件下で、そのオリゴヌクレオチドの非標的配列への非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性が存在するときに、特異的にハイブリダイズし得る。
核酸分解酵素(nucleolytic enzymes)によるオリゴヌクレオチドの開裂には酵素−基質複合体、特には、ヌクレアーゼ−オリゴヌクレオチド複合体の形成が必要である。ヌクレアーゼ酵素は、一般に、適切な結合のためにオリゴヌクレオチド上に位置する特異的結合部位を必要とする。このオリゴヌクレオチドの結合部位が、ヌクレアーゼがそのオリゴヌクレオチドに結合することができなくなるように、除去又はブロックされている場合、そのオリゴヌクレオチドはヌクレアーゼ耐性となる。配列特異的回文構造二本鎖DNAを開裂する制限エンドヌクレアーゼの場合、特定の結合部位、例えば、3位及び7位の環員窒素が必要な結合部位として同定されている。これらの部位の1つ以上の除去又はオリゴヌクレオチド内のこれらの特定の位置に対するヌクレアーゼの立体的ブロッキングアプローチにより、特定のヌクレアーゼに対する様々な水準の耐性がもたらされている。
本発明は、優れたハイブリダイゼーション特性を有するオリゴヌクレオチドを提供する。構造−活性の関係の研究から、特定の2’−糖修飾オリゴヌクレオチドのRNA標的(相補的)への結合の増加(Tm)がそのヘテロ二重鎖の“A”型立体配座の増加と相関することが明らかになっている。さらに、修飾オリゴヌクレオチドの絶対的な忠実度は維持される。本発明の2’−糖修飾配列特異的オリゴヌクレオチドの結合性の増加により、文献において公知のリン修飾オリゴヌクレオチド、例えば、メチルホスホネート、リン酸トリエステル及びホスホロアミデートよりも優れた効力及び特異性がもたらされる。
DNA及びRNA二重鎖の間の唯一の構造的な相違は、(ウラシル環系におけるメチル基の有無には効果がないものと仮定して)DNA分子の糖部分の2’位が水素原子であるのに対してRNA分子の糖部分の2’位がヒドロキシル基であることである。しかしながら、DNA及びRNA二重鎖の間には大きな立体配座の相違が存在する。
核酸繊維のX線回折分析(Arnott及びHukins,Biochem.Biophys.Res.Comm.,1970,47,1504)及び二本鎖核酸の結晶の分析から、DNAが“B”形態の構造をとり、RNAがより堅い“A”形態の構造をとることが知られている。DNAとRNAとのヌクレオシドの糖の歪みの相違(“B”形態のDNAについてはC2’エンド、“A”形態のRNAについてはC3’エンド)が、二本鎖核酸の間の主な立体配座の相違である。
ペントフラノシル部分の立体配座に主として寄与するものは2’位の置換基の性質である。かくして、2’−置換基の電気陰性度の増加に伴い、C2’エンド形態に対してC3’エンド形態の存在数が増加する。例えば、2’−デオキシ−2’−ハロアデノシンのうち、2’−フルオロ誘導体は、C3’エンド形態の最も多い存在数(65%)を示し、2’−ヨードは、最も低い存在数(7%)を示す。アデノシン(2’−OH)及びデオキシアデノシン(2’−H)の存在数は、それぞれ、36%及び19%である。さらに、アデノシン二量体(2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシン−2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシン)の2’−フルオロ基の効果は、積み重なった立体配座の安定性にさらに相関する。ジヌクレオシドリン酸が、A−Aに類似する幾何学的構造ではあるものの塩基−塩基重複の程度がA−Aよりも大きな、積み重なった立体配座を有することが、研究から示されている。C2’−F結合の高度に極性の性質及びC3’エンドの歪みについての極度の優先度が“A”構造の積み重ねられた立体配座を安定化し得るものと考えられる。
UV淡色化、円二色性(circular dichromism)、及び1HNMRからのデータも、積み重ねの程度がハロ置換基の電気陰性度の減少に伴って減少することを示す。さらに、糖部分の2’位の立体的な嵩高さは、“B”形態の二重鎖よりも“A”形態の二重鎖によりよく収まる。
したがって、ジヌクレオシドモノリン酸の3’−ヌクレオチジル単位上の2’−置換基は積み重なり立体配座に対して幾つかの効果、つまり、立体的な反発、フラノースの歪みの優先度、静電気的反発、疎水性誘引、及び水素結合能力、を及ぼすものと考えられる。これらの置換基の効果は、その置換基の分子のサイズ、電気陰性度、及び疎水性によって決定されるものと考えられる。
2’−デオキシグアノシン、シチジン、及びウリジンジヌクレオシドリン酸の2’−OMe修飾での研究によると、対応する非メチル化種(2’−OH)よりも強化された積み重ね効果が示される。この場合、メチル基の疎水性誘引力がその立体的嵩高さの脱安定化効果を克服する傾向にある。
2’−置換アデノシン二リン酸で溶融温度(相補的結合)が増加する。この結合性の増加の原因がこの立体配座の3’エンド優先度であるのか、又はこの置換基の存在であるかは明らかではない。しかしながら、隣接する塩基のより多くの重複(積み重ね)を3’エンド立体配座で達成することができる。
理論に拘束されることを望むものではないが、本発明のアミノオキシアルキル置換基は、C3’エンドの歪みであるヌクレオシドの糖の歪みをももたらすと考えられる。
本発明の化合物は、診断薬、治療薬及び研究用試薬並びにキットとして用いることができる。これらは、有効量の本発明のオリゴヌクレオチドを適切な薬学的に許容し得る希釈剤又は担体に添加することにより、医薬組成物で用いることができる。これらは、さらに、タンパク質の望ましくない産生を特徴とする疾患を有する生物の治療に用いることができる。その望ましくないタンパク質をコードする標的核酸の鎖と特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有する本発明のオリゴヌクレオチドにこの生物を接触させることができる。
治療用組成物の配合及び引き続くそれらの投与は、当業者の技術のうちにあるものと信じられる。一般に、治療薬については、そのような治療を必要とする患者に、通常は薬学的に許容し得る担体中にある本発明によるオリゴマーを、患者の年齢及び治療する疾患状態の重篤性に応じて体重kg当たり0.01μg〜100gの範囲の用量で投与する。さらに、この治療は1回の服用であっても計画的投与であってもよく、この計画的投与が継続される期間は問題の疾患の性質、その重篤性及び患者の全体的な状態に応じて変化し、1日1回から20年に1回にまで及ぶことがある。治療の後、その患者を彼/彼女の状態の変化及び疾患状態の症状の緩和について監視する。オリゴマーの用量は、患者が現在の用量水準に対して大きく応答しない場合には増加させることができ、疾患状態の症状の緩和が観察される場合又は疾患状態が取り除かれている場合には減少させることができる。
ある場合には、本発明のオリゴマーを他の伝統的な治療様式と共に用いて患者を治療することがより有効であることがある。例えば、AIDSの治療を行う患者にオリゴマーをAZTと共に投与することができ、又はアテローム性動脈硬化症の患者を、治療した動脈の再閉塞を防止する血管形成術に続いて、本発明のオリゴマーで治療することができる。
投薬は治療しようとする疾患状態の重篤性及び応答性に依存し、治療期間は数日から数ヶ月、又は治癒が達成され、もしくは疾患状態の減少が為し遂げられるまで継続される。最適投薬スケジュールは患者の体内の薬物の蓄積を測定することから計算することができる。当業者は最適投与量、投薬方法及び繰り返し率を容易に決定することができる。最適投与量は個々のオリゴマーの相対効力に応じて変化する可能性があり、一般には、イン・ビトロ及びイン・ビボ動物モデルにおいて有効であることが見出されているEC50に基づいて見積もることができる。一般には、投与量は体重kg当たり0.01μg〜100gであり、毎日、毎週、毎月もしくは毎年1回以上、又は2〜数年毎に1回ですら投与することができる。
治療が成功した後、疾患状態の再発を防止するために患者に維持療法を施すことが望ましいものであり得、ここではオリゴマーを、体重kg当たり0.01μg〜100gの範囲の維持用量、毎日1回以上から数年毎に1回投与する。
本発明の医薬組成物は、局所的又は全身的のいずれの治療が望まれるのか、及び治療しようとする領域に応じて、幾つかの方法で投与することができる。投与は局所(眼、膣、直腸、鼻内、経皮を含む)、経口又は非経口であり得る。非経口投与には静脈内点滴、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射、又はくも膜下腔内もしくは室内投与が含まれる。
局所投与用の製剤には経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、座剤、スプレー、液体及び粉末が含まれ得る。通常の医薬担体、水性、粉末もしくは油性基剤、濃厚剤等が必要となり、又は望ましいことがある。コートしたコンドーム、手袋等も有用であり得る。
経口投与用の組成物には粉末もしくは顆粒、水もしくは非水性媒体中の懸濁液もしくは溶液、カプセル、サシェイ又は錠剤が含まれる。濃厚剤、香料、希釈剤、乳化剤、分散助剤又は結合剤が望ましいこともある。
くも膜下腔内又は室内投与用の組成物には無菌の水溶液が含まれることがあり、これも緩衝剤、希釈剤及び他の適切な添加物を含むことができる。
非経口投与用の製剤には無菌の水溶液が含まれることがあり、これも緩衝剤、希釈剤及び他の適切な添加物を含むことができる。
本発明は、単細胞原核及び真核生物から多細胞真核生物までの範囲の様々な生物において実施することができる。DNA−RNA転写又はRNA−タンパク質翻訳をその遺伝、代謝又は細胞機構の基本部分として用いるあらゆる生物がそのような治療及び/又は予防処置に対して感受性である。表面上は、多様な生物、例えば、細菌、酵母、原生動物、藻類、植物及び温血動物を含む高等動物形態をこの方法で処置することができる。さらに、多細胞真核生物の細胞の各々はDNA−RNA転写及びRNA−タンパク質翻訳の両者をそれらの細胞活性の不可欠な部分として含むため、そのような治療薬及び/又は診断薬をこのような細胞の集団に対して施すこともできる。さらに、真核細胞の多くの細胞小器官、例えば、ミトコンドリア及び葉緑体も転写及び翻訳機構を含む。そのようなものとして、単細胞、細胞の集団又は細胞小器官も本発明の治療用又は診断用オリゴヌクレオチドで処置することができる生物の定義のうちに含めることができる。ここで用いられる場合、治療薬は、疾患状態の根絶、生物、例えば細菌、原生動物もしくは他の感染体の殺傷の両者又は異常な、もしくは望ましくない細胞の成長もしくは発現の制御を含むことが意図される。
2’−置換オリゴヌクレオチドは、標準固相核酸合成により、自動合成装置、例えば、Model 380B(Perkin-Elmer/Applied Biosystems)又はMilliGen/Biosearch 7500もしくは8800を用いて合成した。リン酸トリエステル、ホスホロアミダイト、又はホスホン酸水素カップリング化学(Oligonucleotides:Antisense Inhibitions of Gene Expression.M.Carthers,p.7,J.S.Cohen(Ed.),CRC Press,Boca Raton,Florida,1989)をこれらの合成装置と共に用いて所望のオリゴヌクレオチドが得られる。Beaucage試薬(J.Amer.Chem.Soc.,1990,112,1253)又は元素状態のイオウをホスホロアミダイト又はホスホン酸水素化学種と共に用いて2’−置換ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが得られる。
必要な2’−置換ヌクレオシド(A、G、C、T(U)、及び他の修飾ヌクレオベース)は、以下に記載される手順を用いて調製する。
他の用途のうち、本発明のオリゴヌクレオチドはras−ルシフェラーゼトランス活性化を用いるras−ルシフェラーゼ融合系において有用である。1992年12月23日公開の国際公開WO92/22651号並びに米国特許第5,582,972号及び第5,582,986号(これらは本願と共通に譲渡されており、その内容全体は参照することによりここに組み込まれる)に記載されるように、ras癌遺伝子は、原形質膜の内面に局在する関連タンパク質をコードする遺伝子ファミリーのメンバーである。rasタンパク質は、アミノ酸の水準で高度に保存され、高い親和性及び特異性でGTPに結合し、そしてGTPアーゼ活性を有することが示されている。ras遺伝子産物の細胞機能は知られていないが、それらの生化学的特性は、GTP結合タンパク質、すなわちGタンパク質として知られるシグナル伝達タンパク質のクラスとのそれらの大きな配列相同性と共に、ras遺伝子産物が、原形質膜を横切る細胞外シグナルの伝達に関連する基本的な細胞調節機能において基礎的な役割を果たすことを示唆する。
H−ras、K−ras、及びN−rasと呼ばれる3種類のras遺伝子が哺乳動物のゲノムで同定されている。哺乳動物のras遺伝子は、それらのコーディング配列内の1点の突然変異により形質転換誘発特性を獲得する。天然のras癌遺伝子における突然変異は、コドン12、13、及び61に位置している。ヒトの腫瘍において見出される、最も一般的に検出される活性化ras突然変異は、H−ras遺伝子のコドン−12におけるものであり、そこではGGCからGTCへの塩基の変化が、rasタンパク質産物のGTPアーゼ調節ドメインにおいてグリシンからバリンへの置換をもたらす。この1つのアミノ酸の変化が、rasタンパク質機能の正常な制御を破壊することによって、正常に調節される細胞タンパク質が持続的に活性である細胞タンパク質に変換されるものと考えられる。このような正常rasタンパク質の機能の調節解除が、正常な成長から悪性の成長への形質転換の原因であるものと信じられる。
ras遺伝子の調節に加えて、他の核酸と特異的にハイブリダイズし得る本発明のオリゴヌクレオチドは、そのような他の核酸の発現を調節するのに用いることができる。例には、raf遺伝子が含まれ、これは時折活性化形態に転換する天然に存在する細胞性遺伝子であり、この活性化形態は異常な細胞の増殖及び腫瘍形成に関連付けられている。他の例には、プロテインキナーゼC(PKC)の発現を調節することが見出されている、PKCに関連するもの、ICAMのような細胞接着分子に関連するもの、多薬品耐性関連タンパク質に関連するもの、並びにHIV、ヘルペスウイルス、エプシュタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、パピローマウイルス、C型肝炎ウイルス及びインフルエンザウイルスを含むウイルスのゲノム核酸が含まれる(米国特許第5,166,195号、第5,242,906号、第5,248,670号、第5,442,049号、第5,457,189号、第5,510,476号、第5,510,239号、第5,514,577号、第5,514,786号、第5,514,788号、第5,523,389号、第5,530,389号、第5,563,255号、第5,576,302号、第5,576,902号、第5,576,208号、第5,580,767号、第5,582,972号、第5,582,986号、第5,591,720号、第5,591,600号及び第5,591,623を参照のこと。なお、これらは本願と共通に譲渡されており、その開示は参照することによりここに組み込まれる)。
以下の例は本発明を説明するものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例
一般的記載
全ての試薬及び溶媒は、他に記載されない限りAldrich Chemicalsから購入した。NMRスペクトルは以下の機器を用いて得た:1H−NMR:Varian Gemini-200(119.975MHZ)又はVarian Unity 400(399.957MHZ)。13C−NMR:Varian Gemini-200(50.289MHZ)。31P−NMR:Varian Gemini-200(79.990MHZ)又はVarian Unity 400(159.981MHZ)。NMRスペクトルはジューテリオクロロホルム又はジメチルスルホキシド−d6のいずれかを溶媒として用いて記録した(テトラメチルシラン又はリン酸内部標準)。個々の信号の多重度を示すのに以下の略語を用いた:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重線の二重線、brs=ブロード一重線。質量スペクトルはVG 70-SEQ機器(VG Analytical(Fisons))で高速原子衝突イオン化法(7kV Xe原子)を用いて得た。カラムクロマトグラフィーの溶媒比は容量/容量で示す。溶媒の蒸発は他に指定されない限り真空中(60トール)35℃で行った。
実施例1
メチル−2−O−(2−エチルアセチル)−3,5−ビス−O−(2,4−ジクロロベンジル)−α−D−リボフラノシド(3、図1)
化合物2(図1)(多グラム(multigram)量の2を1から文献の手順により調製した、Martin,P.Helv.Chem.Acta,1995,78,486-504)を5℃に冷却しながらDMF(86mL)に溶解し、NaH(60%分散液、1.38g、34.38ミリモル)を添加した。この反応混合物を5℃で5分間攪拌し、次に周囲温度に暖めて20分間攪拌した後、その反応混合物を5℃に冷却してエチルブロモアセテート(3.81mL、34.4ミリモル)を滴下により添加したところ、気体が発生した。この反応混合物を周囲温度に暖めて3時間攪拌した後、この混合物を5℃に冷却して飽和NH4Cl水溶液でpHを3に調整した。溶媒を真空中で蒸発させてシロップ状物質を得、これをEtOAc(200mL)に溶解し、水、次いで食塩水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン−EtOAc、60:40を用いて精製し、表題の化合物(3)を油状物質として得た(15.52g、95%)。1H NMR(CDCl3):δ 7.58−7.18(m、6H)、5.05(d、J=3.8Hz、1H)、4.79(q、JAB=13.7Hz、2H)、4.57(d、J=2.8Hz、2H)、4.31−4.16(m、5H)、4.03(m、2H)、3.62(d、2H)、3.50(s、3H)、1.28(t、3H)。13C NMR(CDCl3):δ170.0、134.2、133.6、133.5、130.3、129.8、129.1、128.8、127.1、102.1、81.4、78.9、76.6、70.6、70.0、69.3、67.6、61.0、55.6、14.2。C24H26Cl4O7・H2Oについて算出された分析値:C、49.17;H、4.81。実測値:C、49.33;H、4.31。
実施例2
1−[2’−O−(2−エチルアセチル)−3’,5’−ビス−O−(2,4−ジクロロベンジル)−β−D−リボフラノシル]チミン(4、図1)
チミン(6.90g、54.6ミリモル)を無水ジクロロエタン(136mL)に溶解し、ビストリメチルシリルアセトアミド(40.5mL、164ミリモル)を添加した。この反応混合物を還流温度に10分間加熱して溶液を得た。周囲温度に冷却した後、この溶液を攪拌しながら化合物3に添加した。トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(6.86mL、35.5ミリモル)を添加し、その反応混合物を還流温度に6時間加熱した。この混合物を5℃に冷却し、飽和NaHCO3を徐々に添加することによりpHを7に調整した。この混合物をCH2Cl2で抽出し(3×150mL)、有機抽出物を合わせ、食塩水で洗浄し、溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をCH2Cl2に溶解し、フラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン−EtOAc、45:55を用いて精製し、表題の化合物(4)を油状物質として得た(7.92g、44%)。(α−アノマーは後の画分に含まれていた)。1H NMR(400MHZ、CDCl3):δ 8.25(s、1H)、7.67(s、1H)、7.46−7.21(m、6H)、5.94(d、J=1.6Hz、1H)、4.80(q、JAB=12.4Hz、2H)、4.70−4.18(m、9H)、4.02(d、1H)、3.75(d、1H)、1.58(s、3H)、1.26(t、3H)。13C NMR(CDCl3):δ 170.1、164.3、150.3、135.5、134.5、134.2、134.1、133.8、133.5、130.7、130.2、129.4、129.0、127.1、110.3、88.4、80.8、80.5、74.7、70.1、68.9、68.0、66.2、60.9、14.1、12.1。C28H28Cl4N2O8・H2Oについて算出された分析値:C、49.43;H、4.44;N、4.12。実測値:C、49.25;H、4.10;N、3.94。
実施例3
1−[2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−3’,5’−ビス−O−(2,4−ジクロロベンジル)−β−D−リボフラノシル]チミン(5、図1)
化合物4(9.92g、15.0ミリモル)を熱EtOH(150mL)に溶解し、その溶液を水浴において周囲温度に冷却した。この溶液にNaBH4(1.13g、30.0ミリモル)を10分にわたって慎重に添加した。3時間後にNaBH4(282mg、7.45ミリモル)をさらに添加し、その混合物を1時間攪拌して8時間静置した。飽和NH4Cl(25mL)を添加することによりpHを4に調整してゴム状物質を得た。溶媒をデカントし、真空中で蒸発させて白色固体を得、それをCH2Cl2(250mL)に溶解した。ゴム状物質を飽和NaHCO3で溶解し、この溶液を生成物を含むCH2Cl2で穏やかに抽出した。有機層を分離し、水相をCH2Cl2で再度抽出した(2×50mL)。有機層を合わせた後、溶媒をMgSO4で乾燥させ、真空中で蒸発させて白色の泡状物質を得た。この泡状物質をCH2Cl2に溶解し、フラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン−EtOAc、20:80を用いて精製して、表題の化合物(5)を白色の泡状物質として得た(8.39g、90%)。1H NMR(CDCl3):δ 10.18(s、1H)、7.66(s、1H)、7.39−7.20(m、6H)、5.96(s、1H)、4.76−3.62(m、14H)、1.58(s、3H)。13C NMR(CDCl3):δ 164.0、150.8、135.2、134.6、134.2、134.1、133.5、133.4、130.2、129.4、129.0、127.1、110.6、88.6、81.0、80.7、75.2、72.0、70.1、68.9、68.1、61.9、12.1。
実施例4
1−[2’−O−(2−フタルイミド−N−ヒドロキシエチル)−3’,5’−ビス−O−(2,4−ジクロロベンジル)−β−D−リボフラノシル]チミン(6、図1)
化合物5を、無水アセトニトリルと共に蒸発させ、次いで真空中(0.1トール)、周囲温度で12時間さらに乾燥させることにより乾燥させた。この乾燥させた物質(8.39g、13.53ミリモル)を新たに蒸留したTHF(97mL)に溶解し、PPh3(3.90g、14.9ミリモル)及びN−ヒドロキシフタルイミド(2.43g、14.9ミリモル)を添加した。この反応混合物を−78℃に冷却し、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.34mL、14.9ミリモル)を添加した。この反応混合物を周囲温度に暖め、溶媒を真空中で蒸発させて泡状物質を得た。この泡状物質をEtOAc(100mL)に溶解し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した(3×30mL)。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発させて泡状物質を得た。この泡状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりCH2Cl2−アセトン、85:15を用いて精製し、表題の化合物(6)を白色の泡状物質として得た(3.22g、31%)。第2のクロマトグラフィー精製によりさらに6を白色の泡状物質として得た(5.18g、50%)。1H NMR(400MHZ、CDCl3):δ 9.0(s、1H)、7.8(m、11H)、5.95(s、1H)、4.84−3.70(m、13H)、1.60(s、3H)。13C NMR(100MHZ、CDCl3):δ 163.7、163.5、150.2、138.0、135.6、134.5、134.1、134.0、133.9、133.7、133.6、130.6、130.4、130.1、129.8、129.4、129.1、129.0、128.8、127.2、123.5、110.4、88.2、81.0、80.9、77.6、75.4、70.2、68.9、68.4、68.1、12.1。LRMS(FAB+)m/z:766(M+H)。LRMS(FAB−)m/z:764(M−H)。
実施例5
1−[2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−3’,5’−ビス−O−(2,4−ジクロロベンジル)−β−D−リボフラノシル]チミン(7、図2)
化合物6(1.79g、2.34ミリモル)をCH2Cl2(12mL)に溶解し、その溶液を−78℃に冷却してCH2Cl2中の1.0M三塩化ホウ素(5.15mL、5.15ミリモル)を添加し、その反応混合物を5℃で1.5時間保持した。CH2Cl2中の1.0M三塩化ホウ素(5.15mL、5.15ミリモル)をさらに添加し、その溶液を5°でさらに1.5時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液(30mL)でpHを7に調整した。CH2Cl2(100mL)で希釈した後、有機層を分離し、水層をCHCl3(5×25mL)、次いでEtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりCH2Cl2−アセトン、45:55を用いて精製し、表題の化合物(7)を白色の泡状物質として得た(619mg、59%)。1H NMR(CDCl3):δ 8.8(br、1H)、7.88−7.75(m、4H)、7.50(s、1H)、5.70(d、J=4Hz、1H)、4.45−3.75(m、11H)、2.95(br、1H)、1.90(s、3H)。13C NMR(100MHZ、CDCl3):δ 164.3、163.7、150.6、137.4、134.7、128.5、123.6、110.5、89.7、84.7、81.9、77.6、68.5、68.4、61.0、12.3。LRMS(FAB+)m/z:448(M+H)。LRMS(FAB−)m/z:446(M−H)。
実施例6
1−[2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−リボフラノシル]チミン(8、図2)
化合物7を、無水アセトニトリルと共に蒸発させ、次いで真空中(0.1トール)、周囲温度で12時間さらに乾燥させることにより乾燥させた。この乾燥させた物質(619mg、1.38ミリモル)を無水ピリジン(7mL)に溶解し、塩化4,4’−ジメトキシトリチル(514mg、1.52ミリモル)を添加した。2時間後に塩化4,4’−ジメトキシトリチル(257mg、0.76ミリモル)をさらに添加した。この溶液を2時間攪拌し、塩化4,4’−ジメトキシトリチル(275mg、0.76ミリモル)の最後の添加を行った。12時間後、MeOH(10mL)をこの反応混合物に添加して10分間攪拌し、溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得、それをトルエンと共に蒸発させた。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカをCH2Cl2−アセトン−ピリジン、80:20:1で前処理した後にCH2Cl2−アセトン、80:20を用いることによって精製し、表題の化合物(8)を黄色固体として得た(704mg、68%)。1H NMR(CDCl3):δ 7.8−6.8(m、18H)、5.94(d、J=2.2Hz、1H)、4.57−4.12(m、7H)、3.78(s、6H)、3.53(m、2H)、1.34(s、3H)。13C NMR(CDCl3):δ 164.3、163.8、158.6、150.6、144.4、135.5、135.4、134.7、130.1、128.7、128.2、128.0、127.1、123.7、113.3、110.9、87.9、86.7、83.2、68.7、68.5、61.7、55.2、11.9。LRMS(FAB+)m/z:750(M+H)。LRMS(FAB−)m/z:748(M−H)。C41H39N3O11・H2Oについて算出された分析値:C、65.14;H、5.38;N、5.47。実測値:C、63.85;H、5.16;N、5.14。C41H39N3O11について算出された分析値:C、65.68;H、5.24;N、5.60。実測値:C、65.23;H、5.27;N、5.45。
実施例7
1−[2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−リボフラノシル]チミン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](9、図2)
化合物8を、無水ピリジン(2×20mL)と共に蒸発させ、次いで真空中(0.1トール)、周囲温度で12時間さらに乾燥させることにより乾燥させた。この乾燥させた物質(704mg、0.939ミリモル)を、攪拌しながらCH2Cl2(9mL)、ジイソプロピルアミンテトラゾリド(80.4mg、0.47ミリモル)及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.33mL、1.03ミリモル)に溶解した。2時間後、周囲温度で、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.33mL、1.03ミリモル)をさらに添加し、その溶液を20時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得、それをフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカをCH2Cl2−アセトン−ピリジン、85:15:1で前処理した後にCH2Cl2−アセトン、85:15を用いることによって精製し、表題の化合物(9)を油状物質として得た(704mg、68%)。この生成物を無水アセトニトリル(2×30mL)及びCH2Cl2(2×30mL)と共に蒸発させ、黄色の泡状物質を得た。1H NMR(CDCl3):δ 8.6(br、1H)、7.78−6.82(m、18H)、6.06(m、1H)、4.6−3.3(m、14H)、3.75(s、6H)、2.66(m、1H)、2.37(m、1H)、1.36(s、3H)、1.16(m、12H)。31P NMR(CDCl3):δ 150.5、151.2。LRMS(FAB+)m/z:950(M+H)。LRMS(FAB−)m/z:948(M−H)。C50H56N5O12P・H2Oについて算出された分析値:C、62.04;H、6.04;N、7.24。実測値:C、62.20;H、5.94;N、7.34。
実施例8
2’−O−(2−エチルアセチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(11、図3)
アデノシン(30.00g、112ミリモル)を熱無水DMF(600mL)に溶解し、その溶液を周囲温度に冷却した。NaH(60%分散油、4.94g、124ミリモル)を添加し、その混合物を機械式攪拌機で1時間攪拌した。生じた懸濁液を5℃に冷却し、エチルブロモアセテート(13.7mL、124ミリモル)を添加した。生じた溶液を周囲温度で12時間攪拌し、溶媒を真空中で蒸発させて、2’−O−(2−エチルアセチル)アデノシン(10)及び推定3’−O−異性体を含む残滓を得た。この物質をピリジンと共に蒸発させて泡状物質を得、それを無水ピリジン(400mL)に溶解した。1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(39.52mL、124ミリモル)を添加し、その溶液を周囲温度で24時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得、それをEtOAc(500mL)に溶解して食塩水で3回洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン−EtOAc、80:20を用いて精製し、表題の化合物(11)を油状物質として得た(14.63g、22%)。1H NMR(CDCl3):δ 8.26(s、1H)、8.07(s、1H)、6.20(brs、2H)、4.91(dd、J1’2’=4.7Hz、J2’3’=9.3Hz、1H)、4.64−3.97(m、8H)、1.22(t、3H)、1.05(m、28H)。13C NMR(CDCl3):δ 170.0、155.5、152.8、149.0、139.3、120.2、88.6、82.2、81.1、69.9、68.3、60.8、60.0、17.2、14.0、12.7。C26H45N5O7Si2について算出された分析値:C、52.41;H、7.61;N、11.75、Si、9.43。実測値:C、52.23;H、7.34;N、11.69。
実施例9
2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(12、図3)
化合物11(4.175g、7.01ミリモル)をエタノール(95%、40mL)に溶解し、生じた溶液を5℃に冷却した。NaBH4(60%油分散液、0.64g、16.8ミリモル)を添加し、その混合物を周囲温度に暖めた。12時間攪拌した後、CH2Cl2(200mL)を添加し、その溶液を食塩水で2回洗浄して有機層を分離した。有機層をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりEtOAc−MeOH、95:5を用いて精製し、表題の化合物(12)を油状物質として得た(0.368g、9.5%)。1H NMR(CDCl3):δ 8.31(s、1H)、8.14(s、1H)、6.18(brs、2H)、6.07(s、1H)、4.62(dd、J1’2’=4.6Hz、J2’3’=9.4Hz、1H)、4.3−3.5(m、8H)、1.03(m、28H)。13C NMR(C DCl3):δ 155.5、153.0、148.7、138.3、120.3、89.2、82.7、81.4、73.5、69.3、61.8、59.7、17.2、17.0、16.8、13.4、12.9、12.8、12.6。LRMS(FAB+)m/z:554(M+H)、686(M+Cs+)。
実施例10
2’−O−(2−フタルイミド−N−ヒドロキシエチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(13、図4)
無水THF(10mL)中の化合物12(0.330g、0.596ミリモル)の溶液にトリフェニルホスフィン(0.180g、0.685ミリモル)及びN−ヒドロキシフタルイミド(0.112g、0.685ミリモル)を添加した。この混合物にジエチルアゾジカルボキシレート(0.11mL、685ミリモル)を5℃で滴下により添加した。周囲温度で3時間攪拌した後、溶媒を蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO3(×3)及び食塩水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりEtOAc−MeOH、95:5を用いて精製し、表題の化合物(13)を油状物質として得た(0.285g、68%)。1H NMR(CDCl3):δ 8.21(s、1H)、8.05(s、1H)、7.8−7.45(m、4H)、6.00(s、1H)、5.88(brs、2H)、4.92(dd、J1’2’=4.6、J2’3’=9.0Hz)、4.5−3.9(m、8H)、1.0(m、28H)。13C NMR(CDCl3):δ 163、155.3、152.8、149、139.6、134.3、123.4、120、88.7、82.7、81.1、77.4、70.2、69.5、60.1、17.4、17.2、17.0、16.9、13.3、12.9、12.7、12.6。LRMS(FAB+)m/z:699(M+H)。
実施例11
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミド−N−ヒドロキシエチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(14、図4)
5℃に冷却した無水ピリジン(19mL)中の化合物13(1.09g、1.97ミリモル)の溶液に塩化ベンゾイル(1.14mL、9.8ミリモル)を添加し、得られた混合物を周囲温度で12時間攪拌した。この混合物を5℃に冷却した後、冷水(3.8mL)を添加し、その混合物を15分間攪拌して濃NH4OH(3.8mL)を添加した。5℃で30分間攪拌した後、溶媒を蒸発させて残滓を得、それを水に溶解してCH2Cl2で3回抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン−EtOAc、50:50、次いで20:80を用いて精製し、表題の化合物(14)を油状物質として得た(0.618g、48%)。1H NMR(CDCl3):δ 9.2(brs、1H)、8.69(s、1H)、8.27(s、1H)、8.0−7.4(m、9H)、6.12(s、1H)、4.95(dd、J1’2’=4.7Hz、J2’3’=9.1Hz、1H)、4.5−4.0(m、8H)、1.06(m、28H)。13C NMR(CDCl3):δ 164.4、163.3、152.5、150.8、149.3、142.1、134.4、133.7、132.6、132.1、128.7、128.2、127.7、123.4、88.9、82.7、81.3、77.5、70.1、69.6、60.0、17.2、17.0、16.8、13.3、12.8、12.7、12.6。LRMS(FAB+)m/z:803(M+H)。
実施例12
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミド−N−ヒドロキシエチル)アデノシン(15、図4)
THF(20mL)中の化合物14(0.680g、0.847ミリモル)の溶液に、ポリエチレン反応容器内、5℃で、HF−ピリジン(70%、0.48mL、16.9ミリモル)を添加し、得られた混合物を周囲温度に暖めた。12時間攪拌した後、溶媒を真空中で蒸発させ、EtOAcを添加し、その溶液を水で洗浄し、水層を分離してEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させて表題の化合物(15)を固体として得た(408mg、86%)。1H NMR(DMSO−d6):δ 11.2(brs、1H)、8.71(s、1H)、8.67(s、1H)、8.0−7.5(m、9H)、6.11(d、J1’2’=5.7Hz)、5.23(d、1H)、5.14(t、1H)、4.66(t、1H)、4.35(m、3H)、3.90(m、3H)、3.6(m、2H)。13C NMR(DMSO−d6):δ 163.5、152.0、143.2、135.0、132.6、131.9、131.7、129.3、128.7、128.5、123.4、86.3、85.8、81.3、76.8、69.0、68.7、61.3。LRMS(FAB+)m/z:561(M+H)、583(M+Na+)。
実施例13
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)アデノシン(16、図4)
無水ピリジン(5mL)中の化合物15(0.258g、0.46ミリモル)の溶液に塩化4,4’−ジメトキシトリチル(0.179g、0.53ミリモル)を添加し、その溶液を周囲温度で12時間攪拌した。水を添加し、その混合物をEtOAcで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、真空中で蒸発させ、MgSO4で乾燥させた。得られた油状物質をフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン−EtOAc、90:10を用いて精製し、表題の化合物(16)を油状物質として得た(0.249g、63%)。1H NMR(CDCl3):δ 9.16(brs、1H)、8.68(s、1H)、8.28(s、1H)、8.1−6.8(m、22H)、6.26(d、J1’2’=4.0Hz、1H)、4.76(m、1H)、4.60(m、1H)、4.4−4.3(m、3H)、4.13−4.0(m、3H)、3.77(s、6H)、3.48(m、2H)。13C NMR(CDCl3):δ 164.5、163.6、158.5、152.6、151.4、149.5、144.5、141.9、135.7、134.7、132.7、130.1、128.8、128.2、127.8、126.9、123.7、113.2、87.2、84.1、82.6、69.9、69.0、63.0、60.3、55.2。C48H42N6O10について算出されたHRMS(FAB+)m/Z(M+Cs+)995.2017、実測995.2053(M+Cs+)。
実施例14
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)アデノシン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](17、図4)
CH2Cl2(10mL)中の化合物16(0.300g、0.348ミリモル)の溶液にジイソプロピルアミンテトラゾリド(0.030g、0.174ミリモル)及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.13mL、0.418ミリモル)を添加した。周囲温度で12時間攪拌した後、ジイソプロピルアミンテトラゾリド(0.060g、0.348ミリモル)及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.26mL、0.832ミリモル)を2つに分けて24時間にわたってさらに添加した。24時間後、CH2Cl2−NEt3、100:1を添加し、その混合物を飽和NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた。得られた油状物質をフラッシュクロマトグラフィーにより、シリカをヘキサン−EtOAc−NEt3(40:60:1)で前処理した後に同じ溶媒系を用いることによって、表題の化合物(17)を油状物質として得た(203g、55%)。1H NMR(CDCl3)δ 6.27(m、1H)。31P NMR(CDCl3):δ 151.0、150.5。C57H59N8O11Pについて算出されたHRMS(FAB+)m/z(M+Cs+)1195.3095、実測1195.3046(M+Cs+)。
実施例15
2’−O−(2−アミノオキシエチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(18、図5)
CH2Cl2(5mL)中の化合物13(0.228g、0.326ミリモル)の溶液に、5℃で、メチルヒドラジン(0.017mL、0.326ミリモル)を添加して2時間攪拌した。この混合物を濾過して沈殿を除去し、濾液を水及び食塩水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、真空中で蒸発させて表題の化合物(18)を油状物質として得た(186mg)。この油状物質は次の反応に十分な純度のものであった。1H NMR(CDCl3):δ 8.31(s、1H)、8.15(s、1H)、6.07(s、1H)、5.78(brs、2H)、4.70(dd、J1’、2’=4.4Hz、J2’、3’=9.0Hz、1H)、4.3−3.9(m、8H)、1.9(br、2H)、1.0(m、28H)。LRMS(FAB+)m/z:569(M+H)、702(M+Cs+)。
実施例16
2’−O−(2−O−ホルムアルドキシミルエチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(19、図5)
EtOAc(2mL)及びMeOH(2mL)中の化合物18(0.186g、0.326ミリモル)の溶液にホルムアルデヒド(37%水溶液、0.028mL、0.342ミリモル)を添加し、周囲温度で3時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させて表題の化合物(19)を油状物質として得た(189mg)。この油状物質は次の反応に十分な純度のものであった。1H NMR(CDCl3):δ 8.31(s、1H)、8.09(s、1H)、6.97(d、J=8.3Hz、1H)、6.38(d、J=8.3Hz、1H)、6.01(s、1H)、5.66(brs、2H)、4.77(dd、J1’2’=4.7Hz、J2’3’=9.3Hz)、4.3−4.0(m、8H)、1.0(m、28H)。LRMS(FAB+)m/z:581(M+H)、713(M+Cs+)。
実施例17
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−O−ホルムアルドキシミルエチル)−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(20、図5)
ピリジン(5mL)中の化合物19(0.189g、0.326ミリモル)の溶液に5℃で塩化ベンゾイル(0.19mL、1.63ミリモル)を添加し、得られた溶液を周囲温度で3時間攪拌した。この溶液を5℃に冷却し、濃NH4OH(1.5mL)を添加して1時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得、それをCH2Cl2に溶解した。この溶液を水で洗浄し、有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発させて表題の化合物(20)(223mg)を油状物質として得たが、これは次の反応に十分な純度のものであった。1H NMR(CDCl3):δ 9.30(br、1H)、8.79(s、1H)、8.31(s、1H)、8.1−7.2(m、5H)、7.00(d、1H)、6.39(d、1H)、6.09(s、1H)、4.77(dd、1H)、4.4−3.9(m、8H)、1.1(m、28H)。
実施例18
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−O−ホルムアルドキシミルエチル)アデノシン(21、図5)
THF(10mL)中の化合物20(223mg、0.326ミリモル)の溶液に、ポリエチレン反応容器内、5℃で、HF−ピリジン(70%、0.19mL、6.5ミリモル)を添加し、この混合物を周囲温度に暖めた。48時間攪拌した後、溶媒を真空中で蒸発させて残滓を得、それをEtOAcに溶解して水で洗浄した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出し、有機層を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空中で蒸発させた。得られた残滓をフラッシュクロマトグラフィーによりEtOAc−MeOH、95:5を用いて精製し、表題の化合物(21)を固体として得た(24mg、13から17%)。1H NMR(CDCl3):δ 9.05(brs、1H)、8.77(s、1H)、8.13(s、1H)、7.9−7.2(m)、6.26(d、J=10.7Hz、1H)、6.03(d、J1’2’=7.8Hz)、4.88(dd、J=4.6Hz、J=7.9Hz、1H)、4.6−3.7(m、10H)。LRMS(FAB+)m/z:443(M+H)。LRMS(FAB−)m/z:441(M−H)。
実施例19
N6−ベンゾイル−2’−O−(2−O−ホルムアルドキシミルエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)アデノシン(21A、図5)
ピリジン(7mL)中の化合物21(0.34g、0.768ミリモル)の溶液に塩化4,4’−ジメトキシトリチル(0.312g、0.922ミリモル)を添加し、その反応混合物を周囲温度で5時間攪拌した。追加量の塩化4,4’−ジメトキシトリチル(520mg、1.54ミリモル及び340mg、0.768ミリモル)を24時間にわたって添加した。溶媒を蒸発させ、粗製生成物をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させて溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物質をカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc−ヘキサン−NEt3,80:20:0.5、v/v/v、次いでEtOAc−NEt3、100:0.5、v/vを溶媒として用いて精製し、表題の化合物(21A)を油状物質として得た(0.269g、47%)。1H NMR(CDCl3):δ 8.99(brs、1H)、8.74(s、1H)、8.1−6.8(m、18H)、7.00(d、1H)、6.43(d、1H)、6.19(d、1H)、4.72(m、1H)、4.48(m、1H)、4.23(m、3H)、4.1(m、1H)、3.9(m、1H)、3.78(s、6H)、3.45(m、2H)、3.15(d、1H)。C41H40N6O8について算出されたHRMS(FAB+)m/z(M+Cs+)877.1962、実測877.1988(M+Cs+)。
実施例20
2’−O−アリル−5’−O−ジメトキシトリチル−5−メチルウリジン
100mLステンレス鋼圧力反応器において、アリルアルコール(20mL)をテトラヒドロフラン中のホウ素の溶液(1M、10mL、10ミリモル)に攪拌しながら徐々に添加した。水素ガスが急速に生じた。泡立ちの割合が鎮まったら、2,2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(1.0g、0.4.2ミリモル)及び重炭酸ナトリウム(6mg)を添加し、反応器を密封した。この反応器を油浴に入れ、内部温度170℃に18時間加熱した。反応器を室温に冷却して開封した。tlcにより出発物質が全て無くなったことが明らかになった(出発物質及び生成物のRfは、シリカゲルで、4:1酢酸エチル/メタノールにおいて、それぞれ0.25及び0.60である)。この粗製溶液を濃縮し、メタノール(50mL)、沸騰水(15mL)、無水エタノール(2×25mL)と共に蒸発させた後、残滓を乾燥させて1.4gの黄褐色泡状物質とした(1mmHg、25℃、2時間)。この粗製ヌクレオシドの一部(1.2g)をさらに精製することなく次の反応工程に用いた。この残滓をピリジン(30mL)と共に蒸発させ、ピリジン(30mL)に再溶解した。塩化ジメトキシトリチル(1.7g、5.0ミリモル)を室温で一度に添加した。2時間後、メタノール(5mL)で反応を停止させ、真空中で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム及び酢酸エチルの溶液(各々150mL)に分配した。有機層を分離して濃縮し、その残滓を、ヘキサン−酢酸エチル−トリエチルアミン(50:49:1)〜(60:39:1)の溶媒勾配を用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル45g)に処した。生成物含有画分を合わせ、濃縮し、アセトニトリル(30mL)と共に蒸発させ、乾燥(1mmhg、25℃、24時間)させて840mg(2工程の収率34%)の白色泡状固体とした。NMRは文献に報告される非メチル化ウリジン類似体と一致した。
実施例21
2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−5’−O−ジメトキシトリチル−5−メチルウリジン
2’−O−アリル−5’−O−ジメトキシトリチル−5−メチルウリジン(1.0g、1.6ミリモル)、四酸化オスミウム水溶液(0.15M、0.36mL、0.0056ミリモル、0.035当量)及び4−メチルモルホリンN−酸化物(0.41g、3.5ミリモル、2.15当量)をジオキサン(20mL)に溶解し、25℃で4時間攪拌した。tlcによりジオールへの完全かつ完壁な反応が示された(シリカゲルで、ジクロロメタン/メタノールにおいて、出発物質からジオールへのRfは0.40から0.15である)。過ヨウ化カリウム(0.81g、3.56ミリモル、2.2当量)を水(10mL)に溶解し、この反応物に添加した。17時間後、tlcにより反応の90%の完了が示された(上記の系におけるアルデヒドのRfは0.35)。この反応溶液を濾過し、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で反応を停止させ、生成物アルデヒドを酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水(2×100mL)で洗浄し、濃縮して油状物質とした。この油状物質を無水エタノール(15mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(1g)を添加した。25℃で2時間後、tlcにより反応の完了が示された。水(5mL)を添加して水素化ホウ素を破壊した。2時間後、この反応物をストリップし、残滓を酢酸エチル及び飽和重炭酸ナトリウム溶液(各々50mL)に分配した。有機層を真空中で濃縮し、残滓をカラム処理した(シリカゲル30g、ジクロロメタン−メタノール97:3)。生成物含有画分を合わせ、ストリップし、乾燥させて0.50g(50%)の白色泡状物質とした。NMRはグリコシル化経路によって調製した物質のものと一致した。
実施例22
2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルウリジン
100mLステンレス鋼圧力反応器において、エチレングリコール(20mL)をテトラヒドロフラン中のホウ素の溶液(1M、10mL、10ミリモル)に攪拌しながら徐々に添加した。水素ガスが急速に生じた。泡立ちの割合が鎮まったら、2,2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(1.0g、0.4.2ミリモル)及び重炭酸ナトリウム(3mg)を添加し、反応器を密封した。この反応器を油浴に入れ、内部温度150℃に72時間加熱した。ボンベを室温に冷却して開封した。tlcにより65%の出発物質が無くなったことが明らかになった(出発物質及び生成物のRfは、シリカゲルで、4:1酢酸エチル/メタノールにおいて、それぞれ0.25及び0.40である)。反応は不完全であった。この粗製溶液を濃縮し(1mmHg、100℃)、メタノール(50mL)、沸騰水(15mL)及び無水エタノール(2×25mL)と共に蒸発させ、残滓を乾燥させて1.3gのオフホワイトの泡状物質とした(1mmHg、25℃、2時間)。この粗製生成物のNMRは所望の生成物65%及び出発物質35%と一致した。TLCのRfが上記DMT誘導体をメタノール中において希塩酸で処理することにより生じる同じ生成物と一致した(同スポット(cospot))だけではなく、この生成物の試料を塩化ジメトキシトリチルで処理することにより生じるスポットのうちの1つが既知DMT誘導体と一致した(他のスポットは側鎖上のDMT及びビス置換生成物であった)。
実施例23
N4−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](25、図6)
2’−O−アミノオキシエチルシチジン及びグアノシド類似体は報告された文献の手順と組み合わせた類似の化学により調製することができる。この合成経路の鍵は非保護ヌクレオシドの選択的2’−O−アルキル化である。(Guinosso,C.J.,Hoke,G.D.,Frier,S.,Martin,J.F.,Ecker,D.J.,Mirabelli,C.K.,Crooke,S.T.,Cook,P.D.,Nucleosides Nucleotides,1991,10,259;Manoharan,M.,Guinosso,C.J.,Cook,P.D.,Tetrahedron Lett.,1991,32,7171;Izatt,R.M.,Hansen,L.D.,Rytting,J.H.,Christensen,J.J.,J.Am.Chem.Soc.,1965,87,2760.Christensen,L.F.,Broom,A.D.,J.Org.Chem.,1972,37,3398.Yano,J.,Kan,L.S.,Ts’o,P.O.P.,Biochim.Biophys.Acta,1980,629,178;Takaku,H.,Kamaike,K.,Chemistry Lett.1982,189)。したがって、シチジンを選択的にアルキル化して中間体2’−O−(2−エチルアセチル)シチジン22を得ることができる。22の3’−異性体が典型的には微量存在し、クロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。化合物22を保護して2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジン(23)を得ることができる。このエステル23を還元することで2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジン(24)が生じ、これをN−4−ベンゾイル化することができ、その一級ヒドロキシル基を光延反応によりN−ヒドロキシフタルイミドで置換することができ、かつ保護されたヌクレオシドを通常の通り亜リン酸化してN4−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](25)を得ることができる。
実施例24
N2−イソブチリル−6−O−ジフェニルカルバモイル−2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](31)
同様の方式で、2’−O−アミノオキシエチルグアノシン類似体をジアミノプリンリボシド(多グラム量のジアミノプリンリボシドはSchering AG(ベルリン)から購入することができる)の選択的2’−O−アルキル化により得、微量の3’−O−異性体を含む2’−O−(2−エチルアセチル)ジアミノプリンリボシド26類似体を得ることができる。化合物26はアデノシンデアミナーゼで処理することにより分離して2’−O−(2−エチルアセチル)グアノシン27に変換することができる(McGee,D.P.C.、Cook,P.D.、Guinosso,C.J.、PCT国際出願、85pp.;PIXXD2;WO94/02501A1940203)。標準的な保護手順により2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン28及び2N−イソブチリル−6−O−ジフェニルカルバモイル−2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン29が得られ、これを還元して2−N−イソブチリル−6−O−ジフェニルカルバモイル−2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4、4’−ジメトキシトリチル)グアノシン(30)が得られる。前記と同様に、光延反応によりヒドロキシル基をN−ヒドロキシフタルイミドで置換し、保護したヌクレオシドを通常通り亜リン酸化して2−N−イソブチリル−6−O−ジフェニルカルバモイル−2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](31)を得ることができる。
実施例25
N−(1−ヒドロキシフタルイミド)−5−ヘキセン(32、図9)
THF(500mL)中の5−ヘキサン−1−オール(20g、0.2モル)の攪拌溶液にトリフェニルホスフィン(80g、0.3モル)及びN−ヒドロキシフタルイミド(49g、0.3モル)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、ジエチルアジドカルボキシレート(48mL、0.3モル)を1時間にわたって徐々に添加した。この反応混合物を室温に暖め、その黄色溶液を一晩攪拌した。次に、溶媒を蒸発させて黄色の油状物質を得た。この油状物質をCH2Cl2に溶解し、水、飽和HaHCO3溶液、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。有機層を真空中で濃縮し、残留油状物質をCH2Cl2/エーテルの溶液に溶解してPh3P=Oを可能な限り多く晶出させた。3工程の精製の後、表題の化合物を黄色ワックス状固体として単離した(収率93%)。13C NMR:δ 21.94、24.83、27.58、33.26、78.26、114.91、123.41、128.40、128.54、128.63、134.45及び163.8ppm。
実施例26
N−(1−ヒドロキシフタルイミド−5,6−ヘキサン−ジオール)(33、図9)
化合物32(2.59g、10ミリモル)、四酸化オスミウム水溶液(0.15M、3.6mL、0.056ミリモル)及びN−メチルモルホリン−N−オキシド(2.46g、21ミリモル)をTHF(100mL)に溶解した。この反応混合物をアルミニウムホイルで覆い、25℃で4時間攪拌した。tlcによりジオールが形成されたことが示された。溶媒を蒸発させ、残滓を水及びCH2Cl2に分配した。有機層をNaClの飽和溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。有機層を濃縮することで褐色がかった油状物質が生じ、これを13C NMRで特徴付け、さらに精製することなく次の工程において用いた。13C NMR:δ 21.92、28.08、32.62、66.76、71.96、78.33、123.43、128.47、128.71、131.93、132.13、134.49、163.89。
実施例27
N−1−ヒドロキシフタルイミド−6−O−ジメトキシトリチル−5,6−ヘキサン−ジオール(34、図9)
前工程からの生成物(3.0g)をピリジン(2×20mL)と共に蒸発させ、ピリジン(100mL)に溶解した。塩化ジメトキシトリチル(3.5g、10ミリモル)をピリジン(30mL)に溶解し、ジオールに30分にわたって滴下により添加した。4時間後、メタノール(10mL)で反応を停止させた。溶媒を蒸発させ、残留生成物を飽和重炭酸ナトリウム溶液及びCH2Cl2(各々100mL)に分配した。有機層を無水MgSO4で乾燥させて濃縮し、その残滓を、ヘキサン−酢酸エチル−トリエチルアミン(60:39:1)を用いるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに処した。生成物含有画分を合わせ、真空中で濃縮し、乾燥させて黄色の泡状固体を得た。NMR分析により、表題の化合物が純粋な均質ジメトキシトリチル化固体(5.05g、収率83%)として示された。
実施例28
(35、図9)
化合物34を、CH2Cl2溶媒(20mL)中で、ジイソプロピルアミンテトラゾリド(214mg、1.25ミリモル)及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.3mL、4.0ミリモル)を添加することにより亜リン酸化した(1.5g、2.5ミリモル)。この溶液を一晩攪拌した後、溶媒を蒸発させ、その残滓をシリカゲルカラムに添加してヘキサン−酢酸エチル−トリエチルアミン(50:49:1)で溶出した。適切な画分を濃縮することで1.61gの亜リン酸化化合物を黄色泡状物質として得た(81%)。
実施例29
O−NリンカーのCPGへの結合(36、図10)
スクシニル化したキャップドCPGをP.D.Cookらによって記述される方法に従って調製した(米国特許第5,541,307号)。化合物34(0.8ミリモル)、ジメチルアミノピリジン(0.2ミリモル)、2.0gのスクシニル化したキャップドCPGトリエチルアミン(160μg)及びDEC(4.0ミリモル)を一緒に24時間振盪した。次にペンタクロロフェニル(1.0ミリモル)を添加し、得られた混合物を24時間振盪した。CPGビーズを濾別し、ピリジン(30mL)、ジクロロメタン(2×30mL)、エーテル中のCH3OH(30mL)で徹底的に洗浄した。このCPG固体支持体をP2O5で乾燥させたところ、その積載量は28μモル/gと決定された。
実施例30
ONリンカーを用いるオリゴヌクレオチドの合成
以下のオリゴヌクレオチドを化合物35を用いて合成した:
これらのオリゴヌクレオチドはホスホロチオエートとして合成した。化合物35はCH3CN中の0.1M溶液として用いた。ON−リンカーのカップリング効率は、トリチルの色によって示されるように、>95%であった。固相結合のために、これらのオリゴヌクレオチドは固体支持体に保持した。
実施例31
ON−リンカーを用いるオリゴヌクレオチドへのピレンの結合
CPG中のオリゴヌクレオチド配列番号1(1μモル)をガラスロート反応器にとり、9:1CH2Cl2/CH3OH中の5%メチルヒドラジン(5mL)を添加した。反応器を30分間振盪した。メチルヒドラジンを排出し、CH2Cl2で洗浄し、メチルヒドラジン反応を繰り返した。ビーズをCH2Cl2、次いでエーテルで洗浄し、乾燥させた。DMF(5mL)中のピレン酪酸−N−ヒドロキシスクシンイミド(110mg)を添加した。2時間振盪した後、ピレンブチレート溶液を排出し、オリゴヌクレオチドをNH4OH中において室温で30分間脱保護した。次に、その水溶液を濾過し、HPLC分析を行った。生成物ピークの保持時間は34.85分であり、ダイオード・アレイ分光光度計によりピレンの吸収が示された。
実施例32
ピレンブチルアルデヒドのオリゴヌクレオチド(配列番号2)への結合
ピレンブチルアルデヒドを、MeNHNH2処理の後に配列番号2に添加した。次に、MeOH中のNaCNBH3を添加した。CPGを脱保護し、次いでCPGをNH4OH開裂することにより、オリゴヌクレオチドへのピレンの結合が示された。
実施例33
無水THF(100mL)中の1,6−ヘキサン−ジオールN−ヒドロキシフタルイミド(6.525g、0.039モル)及びトリフェニルホスフィン(10.2g、0.039モル)の攪拌溶液にジエチルアジドカルボキシレート(DEAD、7.83g、0.045モル)を5℃、アルゴン雰囲気下で、1時間にわたって添加した。次に、この反応混合物を室温で一晩攪拌した。その明黄色溶液を真空下で濃縮してTHFを除去し、CH2Cl2及び水に分配した。その後、有機層を飽和NaHCO3、次いで飽和NaClで洗浄した。次に、それを無水MgSO4で乾燥させ、シリカカラムに添加してEtOAc/ヘキサン1:1で溶出し、9.8gを得た。この物質にはPh3P=Oが混入しており、CH2Cl2/エーテルを用いて再結晶させた。
実施例34
(図11及び12)
5−ヘキセン−1−オールをCH2Cl2中のイミダゾール/TBDPS−Clを用いてシリル化し(sylylated)、化合物37を得る。次に、化合物37を(化合物33に対する実施例25)と同様にOSO4/NMMOでジヒドロキシル化し、化合物38を得る。化合物38の一級アルコール官能基をジメトキシトリチル化し、化合物39を得る。次いで、これを、N−ヒドロキシフタルイミドを用いる光延反応に処し、化合物40を得る。その後、化合物40をTBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム、THF中1M)でジシリル化して化合物41を得る。次に、化合物41を誘導体化してホスホロアミダイト42とする。またこれとは別に、化合物41をコントロールド・ポア・グラス・ビーズに結合させた(化合物43)。
実施例35
2,6,9−(β−D−リボフラノシル)プリン(5.64g、20ミリモル)を、DMF100mL中のヘキサンで予め洗浄した油中の60%水素化ナトリウム800mgの懸濁液に、アルゴンの下で添加した。室温で1時間攪拌した後、臭化アリル(2mL、1.1当量)をこの溶液に添加し、室温で一晩攪拌した。この反応混合物を蒸発させ、シリカカラムに添加して1%トリエチルアミンを含むCH2Cl2/CH3OH(20:1)で溶出した。2’及び3’O−アリル化合物の総収量は5.02g(77%)であった。次に、この2’及び3’異性体の混合物を、MeOH中、定量的収量でのDMFDMAの処理により環外のアミンを保護した。その後、この物質を5’−O−ジメトキシトリチル化し、5’−O−ジメトキシトリチル−N−2−ホルムアミジン−2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−グアノシン及び5’−O−ジメトキシトリチル−N2−ホルムアミジン−3’−O−(2−ヒドロキシエチル)グアノシンの2:1の比の混合物を得た。これらの最終化合物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
実施例36
2,6ジアミノ−9−(b−D−リボフラノシル)プリン(282mg、1ミリモル)を、無水DMF(5mL)中のヘキサンで予め洗浄した油中の60%水素化ナトリウム40mgの懸濁液に添加した。これに、2−(ブロモエトキシ)−t−ブチル−ジメチルシラン(220mL)の溶液を添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した。その反応混合物を蒸発させ、残留油状物質を水及び酢酸エチルに分配した。有機層をNa2SO4で乾燥させた。この反応混合物をシリカゲルで精製して2’及び3’異性体を得た。その後、2’−物質をDMFDMAでアミン保護し、5’−ジメトキシトリチル化して5’−O−ジメトキシトリチル−N2−ホルムアミジン−2’−O−(2−TBDMS−ヒドロキシエチル)グアニンを得た。
実施例37
オリゴヌクレオチドの合成
非置換及び置換オリゴヌクレオチドを、自動DNA合成装置(Applied Biosystems model 380B)で、ヨウ素による酸化を伴う標準ホスホロアミダイト化学を用いて合成する。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドについては、標準酸化ボトルを亜リン酸結合の段階的チア化(thiation)のために3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドで置き換える。チア化遅延工程は68秒に増加させ、その後にキャッピング工程を行う。CPGカラムから開裂して55℃で濃水酸化アンモニウムで脱ブロック(18時間)した後、2.5容量のエタノールを用いて0.5M NaCl溶液から2回沈殿させることによりオリゴヌクレオチドを精製する。分析用ゲル電気泳動を20%アクリルアミド、8M尿素、454mMトリス−ホウ酸バッファ、pH=7.0で行う。オリゴヌクレオチド及びホスホロチオエートが、ポリアクリルアミドゲル電気泳動に基づいて、80%を上回る完全長物質であるものと判定される。
実施例38
CPG支持体に結合したヌクレオシドの5’−ヒドロキシに2’−デオキシ−2’−置換5’−ジメトキシトリフェニルメチルリボヌクレオシドを結合させるための一般的手順
オリゴヌクレオチドの末端3’位に存在する2’−デオキシ−2’−置換ヌクレオシドを5’−DMT基として保護し(シトシン及びアデニンの環外アミノ基はベンゾイル化し、グアニンのアミノはイソブチリル化する)、ピリジン中のトリフルオロ酢酸/ブロモ酢酸混合無水物及びジメチルアミノピリジンを用いて50℃で5時間処理する。次に、この溶液を減圧下で蒸発させて希薄シロップを得、これを酢酸エチルに溶解してシリカゲルのカラムに通す。均質画分を集め、蒸発させて乾燥させる。10mLのアセトニトリル、10μMの3’−O−ブロモメチルエステル修飾ヌクレオシド、及び1mLのピリジン/ジメチルアミノピリジン(1:1)の溶液を、遊離5’−ヒドロキシル基をもたらす標準条件に従って酸で予め処理されているCPGチミジンの1μMカラム(Applied Biosystems,Inc.)を通して徐々に(60〜90秒)注入する。他のヌクレオシド結合CPGカラムを用いることもできる。溶出液を集め、再度カラムを通して注入する。このプロセスを3回繰り返す。CPGカラムを10mLのアセトニトリルでゆっくりと洗浄した後、ABI 380B核酸合成装置に取り付ける。ここでオリゴヌクレオチドの合成を開始する。CPG支持体からチミジンエステル結合を開裂する濃水酸化アンモニウム脱保護の標準条件は、ピリミジン修飾ヌクレオシドを最初からCPGヌクレオシドに結合していたチミジンに結合させる3’5’エステル結合をも開裂する。このようにして、あらゆる2’−置換ヌクレオシド又は、一般に、複素環及び/又は糖が修飾されているあらゆるヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの3’末端に結合させることができる。
実施例39
2’−置換ヌクレオチドを組み込むための修飾オリゴヌクレオチドの合成
A.ABI合成装置
1−[2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−リボフラノシル]チミンを含むオリゴヌクレオチド配列を、ABI 380Bで、二重カップリングを用い、かつカップリング時間を増加させた(5及び10分)ホスホロアミダイト化学を利用して合成した。2’−O−アミノオキシエトキシホスホロアミダイトを0.08Mの出発濃度で用い、アセトニトリル中の10%過酸化tert−ブチルを酸化剤として用いた。デオキシホスホロアミダイトを0.2Mで用いた。2’−O−アミノオキシエトキシ及びデオキシアミダイトの最終濃度は、それぞれ、0.04M及び0.1Mであった。オリゴヌクレオチドをCPG支持体から開裂させ、濃アンモニアを55℃で6時間用いて塩基保護基を除去した。これらのオリゴヌクレオチドをセファデックスG25でのサイズ排除クロマトグラフィーにより精製し、エレクトロスプレー質量分析及びキャピラリーゲル電気泳動により分析した。デオキシホスホロアミダイトはPerseptive Biosystems GmbHから購入した。
(配列番号6)CTC GTA CCt TTC CGG TCC。LRMS(ES−)m/z:算出:5453.2;実測:5453.5。
(配列番号8)CTC GTA Ctt ttC CGG TCC。LRMS(ES−)m/z:算出:5693.2;実測:5692.9。
(配列番号12)GCG ttt ttt ttt tGC G。LRMS(ES−)m/z:算出:5625.7;実測:5625.9。
B.Expedite合成装置
1−[2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル−5’−O−ジメトキシトリチル−B−D−リボフラモシル(riboframosyl))−6−N−ベンゾイルチミンを含むオリゴヌクレオチドをExpedite 8690合成装置で合成した。130mgのアミダイトを乾燥CH3CN(1.3mL、約0.08M)に溶解した。CH3CN中の10%t−BuOOH v/vを酸化剤として用いた。カップリング及び遅延時間を延長し、10分の酸化を行った。このオリゴヌクレオチドの合成優れたカップリング収率(>98%)を示した。オリゴヌクレオチドを精製し、それらの質量スペクトル及びプロフィールを決定した。
ここで、aは1−[2’−O−(2−アミノオキシエチル)−β−D−リボフラノシル]アデノシンを表す。
実施例40
中央2’−デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチド領域に並列する2’−置換オリゴヌクレオチド領域を有するオリゴヌクレオチド
配列5’GCGTTTTTTTTTTGCG 3’(配列番号3)の15量体RNA標的を通常の方法で、RNAプロトコルを用いるDNAシーケンサーで調製する。2’−デオキシ領域に並列する領域に2’−O−置換ヌクレオチドを有する一連の相補的ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを、既知の文献の調製法により調製した2’−O−置換ヌクレオチド前駆体、すなわち2’−O−メチル、又は1992年3月5日公開の国際公開WO92/03568号の手順により調製した2’−O−置換ヌクレオチド前駆体を用いて調製する。これらの2’−O−置換ヌクレオチドを、それらの5’−O−ジメトキシトリチル−3’−ホスホロアミダイトとして、通常の方法で、DNA合成装置を用いて付加する。これらの相補的オリゴヌクレオチドは5’CGCAAAAAAAAAAAAACGC 3’(配列番号4)の配列を有する。2’−O−置換基はこれらのオリゴヌクレオチドのCGC及びCG領域に位置する。用いる2’−O−置換基は2’−アミノオキシエチル、2’−O−エチルアミノオキシエチル及び2’−O−ジメチルアミノオキシエチルである。
実施例41
ハイブリダイゼーション分析
A.2’−修飾オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの熱力学の評価
2’−修飾オリゴヌクレオチドがそれらの相補的RNA又はDNA配列にハイブリダイズする能力を熱溶融分析により決定する。RNA相補体をT7 RNAポリメラーゼ及びApplied Biosystems,Inc.で合成したDNAのテンプレート−プロモーターから合成する。380B RNA種を、FPLC(LKB Pharmacia,Inc.)を用いるイオン交換により精製する。天然のアンチセンスオリゴヌクレオチド又は特定の位置に2’−修飾を含むものをRNAもしくはDNA相補体のいずれかに化学量論的濃度で添加し、二重鎖からランダムコイルへの移行の際の吸収(260nm)の濃色化をGilford Response II分光光度計を用いて監視する。これらの測定は、10mM Na−リン酸、pH7.4、0.1mM EDTA、及びイオン強度10を生じる、0.1Mもしくは1.0MのいずれかのNaClのバッファ中で行う。データを1/Tm対ln(Ct)のグラフ表示により分析し、ここで(Ct)は全オリゴヌクレオチドの濃度であった。この分析から熱力学的パラメータを決定する。形成されるヘテロ二重鎖の二重鎖安定性に関して得られる情報に基づき、オリゴヌクレオチドへの修飾ピリミジンの配置をらせん安定性に対するそれらの効果について評価する。ハイブリッドの安定性を劇的に変化させる修飾はフリーエネルギーの減少(デルタG)を示し、それらのアンチセンスオリゴヌクレオチドとしての有用性に関する判定を行う。
以下の表(表1)に示されるように、本発明の2’−置換ヌクレオシドをオリゴヌクレオチドに組み込むことで、修飾オリゴヌクレオチド鎖(アンチセンス鎖)及びその相補的RNA鎖(センス鎖)の二重鎖安定性を大きく高めることができる。二重鎖の安定性はアンチセンス鎖中の2’−置換ヌクレオシドの数が増加するに従って増加した。表1から明らかなように、2’−置換ヌクレオシドの付加により、個々のヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド配列におけるそのヌクレオシドの位置にかかわらず、二重鎖安定性が増加した。
表1において、小文字のヌクレオシドは本発明の置換基を含むヌクレオシドを表す。DNA(アンチセンス)−RNA(センス)二重鎖の安定性に対する2’−O−アミノオキシエトキシ修飾の効果
t=1−[2’−O−(2−アミノオキシエチル)−β−D−リボフラノシル]チミン。a=1−[2’−O−(2−アミノオキシエチル)−β−D−リボフラノシル]アデノシン。*=DNAに対してセンス鎖としてハイブリダイズした。
表1から明らかなように、RNAと本発明の2’−置換基を含むオリゴヌクレオチドとの間で形成される二重鎖は、ハイブリダイゼーションの熱力学的安定性による測定で、結合安定性の増加を示す。理論によって結び付けることを望むものではないが、現時点では、本発明の2’−置換基の存在が実質的に3’エンド立体配座を呈する2’−置換ヌクレオチドの糖部分を生じ、これがA型らせん立体配座を呈するオリゴヌクレオチド−RNA複合体を生じるものと信じられる。
実施例42
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−O2−2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(101)
O2−2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(Pro.Bio.Sint.、バレーゼ、イタリア、100.0g、0.416ミリモル)、ジメチルアミノピリジン(0.66g、0.013当量、0.0054ミリモル)を乾燥ピリジン(500ml)に周囲温度、アルゴン雰囲気下で、機械的に攪拌しながら添加した。tert−ブチルジフェニルクロロシラン(125.8g、119.0mL、1.1当量、0.458ミリモル)を一度に添加した。この反応物を周囲温度で16時間攪拌した。TLC(Rf 0.22、酢酸エチル)により反応の完了が示された。この溶液を減圧下で濃縮して濃厚油状物質を得た。これをジクロロメタン(1L)及び飽和重炭酸ナトリウム(2×1L)及び食塩水(1L)に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して濃厚油状物質を得た。この油状物質を酢酸エチル及びエチルエーテルの1:1混合液(600mL)に溶解し、その溶液を−10℃に冷却した。生じた結晶性生成物を濾過により集め、エチルエーテル(3×200mL)で洗浄し、乾燥(40℃、1mmHg、24時間)させて149g(74.8%)の白色固体とした。TLC及びNMRは純粋な生成物と一致した。
実施例43
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルウリジン(102)
2Lのステンレス鋼非攪拌圧力反応器内にテトラヒドロフラン中のボラン(1.0M、2.0当量、622mL)を添加した。ヒューム・フード内において手で攪拌しながら、エチレングリコール(350mL、過剰)を最初は水素ガスの発生が鎮まるまで慎重に添加した。5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−O2−2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(149g、0.311モル)及び重炭酸ナトリウム(0.074g、0.003当量)を手で攪拌しながら添加した。反応器を密封して油浴において内部温度が160℃に到達するまで加熱した後、それを16時間維持した(圧力<100psig)。反応容器を周囲温度に冷却して開封した。TLC(所望の生成物についてRf 0.67、ara−T副生物についてRf 0.82、酢酸エチル)により、生成物への約70%の変換が示された。さらなる副生物の形成を回避するため、反応を停止させ、減圧下(10〜1mmHg)で、温水浴(40〜100℃)において、エチレングリコールの除去に用いられるより極端な条件を用いて濃縮した。[あるいは、低沸点溶媒が無くなったら、残留する溶液を酢酸エチル及び水に分配することができる。生成物は有機相に存在する。]残滓をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2kg、酢酸エチル−ヘキサン勾配1:1〜4:1)により精製した。適切な画分を合わせ、ストリップし、乾燥させて生成物を白色のパリパリした泡状物質(84g、50%)としたところ、出発物質(17.4g)及び純粋な再使用可能な出発物質20gが混入していた。出発物質、純度の劣る回収された出発物質に基づく収率は58%であった。TLC及びNMRは純度99%の生成物と一致した。NMR(DMSO−d6)d 1.05(s、9H、t−ブチル)、1.45(s、3H、CH3)、3.5−4.1(m、8H、CH2CH2、3’−H、4’−H、5’−H、5”−H)、4.25(m、1H、2’−H)、4.80(t、1H、CH2O−H)、5.18(d、2H、3’−OH)、5.95(d、1H、1’−H)、7.35−7.75(m、11H、Ph及びC6−H)、11.42(s、1H、N−H)。
実施例44
2’−O−([2−フタルイミドキシ)エチル]−5’−t−ブチルジフェニルシリル−5−メチルウリジン(103)
ヌクレオシド102(20g、36.98ミリモル)をトリフェニルホスフィン(11.63g、44.36ミリモル)及びN−ヒドロキシフタルイミド(7.24g、44.36ミリモル)と混合した。次にこれを、高真空下、40℃で2日間、P2O5で乾燥させた。この反応混合物をアルゴンでフラッシュし、乾燥THF(369.8mL、Aldrich、確実に密封したボトル)を添加して透明溶液を得た。ジエチル−アゾジカルボキシレート(6.98mL、44.36ミリモル)をこの反応混合物に滴下により添加した。添加の速度は、生じる深紅の色合いが次の液滴を添加する前に丁度消散するように維持する。添加が完了した後、反応物を4時間攪拌した。それまでには、TLCで反応の完了が示された(酢酸エチル:ヘキサン、60:40)。溶媒を真空中で蒸発させた。得られる残滓をフラッシュカラムに添加し、酢酸エチル:ヘキサン(60:40)で溶出して103を白色泡状物質(21.819、86%)として得た。Rf 0.56(酢酸エチル:ヘキサン、60:40)。MS(FAB−)m/e 684(M−H+)。
実施例45
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−[(2−ホルムアドキシイミノオキシ)エチル]−5−メチルウリジン(104)
化合物103(3.1g、4.5ミリモル)を乾燥CH2Cl2(4.5mL)に溶解し、メチルヒドラジン(300mL、4.64ミリモル)を−10℃〜0℃で滴下により添加した。1時間後、この混合物を濾過してその濾液を氷冷CH2Cl2で洗浄し、合わせた有機相を水、食塩水で洗浄して無水Na2SO4で乾燥させた。この溶液を濃縮して2’−O−(アミノオキシエチル)チミジンを得、次にこれをMeOH(67.5mL)に溶解した。これにホルムアルデヒド(20%水溶液、w/w、1.1当量)を添加し、その混合物を1時間。溶媒を減圧下で除去した;残滓をクロマトグラフィー処理し、化合物104を白色泡状物質(1.95、78%)として得た。Rf 0.32(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(エレクトロスプレー)m/e 566(M−H+)。
実施例46
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−[N,N−ジメチルアミノオキシエチル]−5−メチルウリジン(105)
化合物104(1.77g、3.12ミリモル)を乾燥MeOH中の1Mピリジニウムp−トルエンスルホネート(PPTS)の溶液(30.6mL)に溶解した。水素化シアノホウ素ナトリウム(0.39g、6.13ミリモル)をこの溶液に、10℃、不活性雰囲気下で添加した。この反応混合物を10℃で10分間攪拌した。その後、反応容器を氷浴から取り出して室温で2時間攪拌し、反応をTLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。NaHCO3水溶液(5%、10mL)を添加し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。酢酸エチル相を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をMeOH中の1M PPTSの溶液(30.6mL)に溶解した。ホルムアルデヒド(20%w/w、30mL、3.37ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で10分間攪拌した。反応混合物を氷浴において10℃に冷却し、水素化シアノホウ素ナトリウム(0.39g、6.13ミリモル)を添加して反応混合物を10℃で10分間攪拌した。10分後、反応混合物を氷浴から取り出し、室温で2時間攪拌した。この反応混合物に5%NaHCO3(25mL)溶液を添加し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。得られた残滓をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2中の5%MeOHで溶出して105を白色泡状物質として得た(14.6g、80%)。Rf 0.35(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(FAB+)m/e 584(M+H+)。
実施例47
2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン(106)
トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(3.91mL、24.0ミリモル)を乾燥THF及びトリエチルアミン(1.67mL、12ミリモル、乾燥、KOHで保持)に溶解した。次に、このトリエチルアミン−2HFの混合物を化合物105(1.40g、2.4ミリモル)に添加し、室温で24時間攪拌した。反応をTLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。溶媒を減圧下で除去して残滓をフラッシュカラムに入れ、CH2Cl2中の10%MeOHで溶出して106(766mg、92.5%)を得た。Rf 0.27(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(FAB+)m/e 346(M+H+)。
実施例48
5’−O−DMT−2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン(107)
化合物106(750mg、2.17ミリモル)をP2O5で減圧下において一晩、40℃で乾燥させた。次に、これを無水ピリジン(20mL)と共に蒸発させた。得られた残滓をアルゴン雰囲気下でピリジン(11mL)に溶解した。4−ジメチルアミノピリジン(26.5mg、2.60ミリモル)、塩化4,4’−ジメトキシトリチル(880mg、2.60ミリモル)をこの混合物に添加し、その反応混合物を出発物質が全て消失するまで室温で攪拌した。ピリジンを減圧下で除去し、残滓をクロマトグラフィー処理してCH2Cl2中の10%MeOH(数滴のピリジンを含む)で溶出し、107(1.13g、80%)を得た。Rf0.44(CH2Cl2中の10%MeOH)。MS(FAB+)m/e 648(M+H+)。
実施例49
5’−O−DMT−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](108)
化合物107(1.08g、1.67ミリモル)をトルエン(20mL)と共に蒸発させた。その残滓にN,N−ジイソプロピルアミンテトラゾニド(0.29g、1.67ミリモル)を添加し、P2O5で高真空下において一晩、40℃で乾燥させた。次に、この反応混合物を無水アセトニトリル(8.4mL)及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロアミダイト(2.12mL、6.08ミリモル)を添加した。この反応混合物を周囲温度で4時間、不活性雰囲気下で攪拌した。反応の進行をTLC(ヘキサン:酢酸エチル1:1)で監視した。溶媒を蒸発させた後、残滓を酢酸エチル(70mL)に溶解し、5%NaHCO3水溶液(40mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水NaSO4で乾燥させ、濃縮した。得られた残滓をクロマトグラフィー処理(溶出液として酢酸エチル)し、108を泡状物質として得た(1.04g、74.9%)。Rf 0.25(酢酸エチル:ヘキサン、1:1)。31P NMR(CDCl3)δ 150.8ppm;MS(FAB+)m/e 848(M+H+)。
実施例50
2’/3’−O−アリルアデノシン(109)
アデノシン(20g、74.84ミリモル)をP2O5で高真空下において40℃で2日間乾燥させた。次に、これを不活性雰囲気下でDMFに懸濁させた。水素化ナトリウム(2.5g、74.84ミリモル、鉱油中の60%分散液)、室温で10分間攪拌した。その後、臭化アリル(7.14mL、82.45ミリモル)を滴下により添加し、その反応混合物を室温で一晩攪拌した。DMFを真空下で除去し、その残滓を酢酸エチル(100mL)で洗浄した。酢酸エチル層をデカントした。得られた濾液は生成物を含んでいた。次に、これをフラッシュカラムに添加し、CH2Cl2中の10%MeOHで溶出して109(15.19g、66%)を得た。Rf 0.4、0.4a(CH2Cl2中の10%MeOH)。
実施例51
2’/3’−O−アリル−N6−ベンゾイルアデノシン(110)
化合物109(15.19g、51.1ミリモル)をP2O5で高真空下において一晩、40℃で乾燥させた。次に、これを不活性雰囲気下で無水ピリジン(504.6mL)に溶解した。トリメチルクロロシラン(32.02mL、252.3ミリモル)を0℃で添加し、その反応混合物を不活性雰囲気下で1時間攪拌した。その後、塩化ベンゾイル(29.4mL、252.3ミリモル)を滴下により添加した。塩化ベンゾイルの添加が完了したら、その反応混合物を室温にして4時間攪拌した。次に、その反応混合物を氷浴において0℃にした。水(100.9mL)添加し、その反応混合物を30分間攪拌した。その後、NH4OH(100.0mL、30%水溶液w/w)を添加し、その反応混合物を0℃に保持してさらに1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残滓を水及びエーテルに分配した。生成物が油状物質として沈殿し、次にそれをクロマトグラフィー処理(CH2Cl2中の5%MeOH)して13を白色泡状物質(12.67g、62%)として得た。
実施例52
3’−O−アリル−5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−ベンゾイル−アデノシン(111)
化合物110(11.17g、27.84ミリモル)をP2O5で真空下において40℃で乾燥させた後、乾燥CH2Cl2(56mL、Aldrichからの確実な密封品)に溶解した。4−ジメチルアミノピリジン(0.34g、2.8ミリモル)、トリエチルアミン(23.82mL、167ミリモル)及び塩化t−ブチルジフェニルシリルを添加した。この反応混合物を12時間激しく攪拌した。反応をTLC(酢酸エチル:ヘキサン1:1)で監視した。次に、これをCH2Cl2(50mL)で希釈し、水(3×30mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液として酢酸エチル:ヘキサン1:1)で精製し、111を白色泡状物質として得た(8.85g、49%)。Rf 0.35(酢酸エチル:ヘキサン、1:1)。
実施例53
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−ベンゾイル−2’−O−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−アデノシン(112)
化合物111(5.5g、8.46ミリモル)、4−メチルモルホリンN−オキシド(1.43g、12.18ミリモル)をジオキサン(45.42mL)に溶解した。OSO4の4%水溶液(1.99mL、0.31ミリモル)を添加した。この反応混合物を光から保護し、3時間攪拌した。反応をTLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。酢酸エチル(100mL)を添加し、得られた反応混合物を水(1×50mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて112(5.9g)を得、これを精製することなく次の工程に用いた。Rf 0.17(CH2Cl2中の5%MeOH)。
実施例54
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−ベンゾイル−2’−O−(ホルミルメチル)−アデノシン(113)
化合物112(5.59g、8.17ミリモル)を乾燥CH2Cl2(40.42mL)に溶解した。これに、シリカゲルに吸着させたNaIO4(J.Org.Chem.1997,62,2622-2624を参照)(16.34g、2g/ミリモル)を添加し、周囲温度で30分間攪拌した。反応をTLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。反応混合物を濾過し、濾液をCH2Cl2で徹底的に洗浄した。ジクロロメタン層を蒸発させてアルデヒド113(5.60g)を得、これを精製することなく次の工程に用いた。Rf 0.3(CH2Cl2中の5%MeOH)。
実施例55
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−2’−O−(2−ヒドロキシエチル)アデノシン(114)
化合物113(5.55g、8.50ミリモル)を無水MeOH(85mL)中の1Mピリジニウムp−トルエンスルホネートの溶液に溶解した。反応混合物を水分から保護した。水素化シアノホウ素ナトリウム(1.08g、17.27ミリモル)を添加し、反応混合物を周囲温度で5時間攪拌した。反応の進行をTLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。この反応混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈した後、5%NaHCO3(75mL)及び食塩水(75mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中の5%MeOH)で精製し、114(4.31g、77.8%)を得た。Rf 0.21(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(FAB+)m/e 655(M+H+)、677(M+Na+)。
実施例56
5’−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−ベンゾイル−2’−O−(2−フタルイミドオキシエチル)アデノシン(115)
化合物114(3.22g、4.92ミリモル)をトリフェニルホスフィン(1.55g、5.90ミリモル)及びN−ヒドロキシフタルイミド(0.96g、5.90ミリモル)と混合した。その後、これをP2O5で真空下において40℃で2日間乾燥させた。乾燥させた混合物を不活性雰囲気下において無水THF(49.2mL)に溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(0.93mL、5.90ミリモル)を滴下により添加した。添加速度は、生じる深紅の色合いが次の液滴が添加される前に丁度消失するように維持した。添加が完了した後、反応物を4時間攪拌し、TLC(酢酸エチル:ヘキサン70:30)で監視した。溶媒を真空下で除去し、残滓を酢酸エチル(75mL)に溶解した。酢酸エチル層を水(75mL)で洗浄した後、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、クロマトグラフィー処理(酢酸エチル:ヘキサン70:30)して115(3.60g、91.5%)を得た。Rf 0.27(酢酸エチル:ヘキサン、7:3)。MS(FAB+)。m/e799(M+H+)、821(M+Na+)。
実施例57
5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−ベンゾイル−2’−O−(2−ホルムアルドキシイミノオキシエチル)アデノシン(116)
化合物115(3.5g、4.28ミリモル)をCH2Cl2(43.8mL)に溶解した。N−メチルヒドラジン(0.28mL、5.27ミリモル)を−10℃で添加し、その反応混合物を−10〜0℃で1時間攪拌した。反応をTLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。形成した白色沈殿を濾過し、濾液を氷冷CH2Cl2で徹底的に洗浄した。ジクロロメタン層を、ロタベイパー(rotavapor)を用いて、ロタベイパーの水浴の温度を25℃未満に保持しながら蒸発させた。その後、得られた残滓をMeOH(65.7mL)に溶解した。ホルムアルデヒド(710mL、4.8ミリモル、20%水溶液)を添加し、その反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。反応を1H NMRで監視した。反応混合物を濃縮し、クロマトグラフィー処理(CH2Cl2中の5%MeOH)して116を白色泡状物質として得た(2.47g、83%)。Rf 0.37(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(FAB+)m/e 681(M+H+)。
実施例58
5’−tert−ブチルジフェニルシリル−N6−ベンゾイル−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)アデノシン(117)
化合物116(2.2g、3.23ミリモル)をMeOH中の1Mピリジニウムp−トルエンスルホネート(PPTS)の溶液(32mL)に溶解した。水素化シアノホウ素ナトリウム(0.31g)を10℃で添加し、反応混合物を10℃で10分間攪拌した。次に、それを周囲温度にして2時間攪拌し、TLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。5%重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をMeOH中の1M PPTSの溶液(32mL)に溶解した。ホルムアルデヒド(0.54mL、3.55ミリモル、20%水溶液)を添加し、室温で10分間攪拌した。水素化シアノホウ素ナトリウム(0.31g)を10℃で添加し、10℃で10分間攪拌した。その後、この反応混合物を氷浴から取り出し、室温でさらに2時間攪拌し、TLC(CH2Cl2中の5%MeOH)で監視した。反応混合物を5%NaHCO3水溶液(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。酢酸エチル層を乾燥させて蒸発させ、クロマトグラフィー処理(CH2Cl2中の5%MeOH)して117(1.9g、81.8%)を得た。Rf 0.29(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(FAB+)m/e 697(M+H+)、719(M+Na+)。
実施例59
N6−ベンゾイル−2’−O−(N,N−ジメチルアミノオキシエチル)アデノシン(118)
無水THF(10mL)中のEt3N−3HF(1.6g、10ミリモル)の溶液にトリエチルアミン(0.71mL、5.12ミリモル)を添加した。その後、この混合物を化合物17(0.72g、1ミリモル)に添加し、室温、不活性雰囲気下で24時間攪拌した。反応をTLC(CH2Cl2中の10%MeOH)で監視した。溶媒を真空下で除去し、その残滓をクロマトグラフィー処理(CH2Cl2中の10%MeOH)して118(0.409g、89%)を得た。Rf0.40(CH2Cl2中の10%MeOH)。MS(FAB+)m/e 459(M+H+)。
実施例60
5’−O−ジメトキシトリチル−N6−ベンゾイル−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)アデノシン(119)
化合物118(0.4g、0.87ミリモル)をP2O5で真空下において一晩、40℃で乾燥させた。4−ジメチルアミノピリジン(0.022g、0.17ミリモル)を添加した。その後、それを無水ピリジン(9mL)と共に蒸発させた。残滓を不活性雰囲気下で無水ピリジン(2mL)に溶解し、塩化4,4’−ジメトキシトリチル(0.58g、1.72ミリモル)を添加して室温で4時間攪拌した。TLC(CH2Cl2中の5%MeOH)により反応の完了が示された。ピリジンを真空下で除去し、残滓をCH2Cl2(50mL)に溶解して、5%NaHCO3水溶液(30mL)、次いで食塩水(30mL)で洗浄した。CH2Cl2層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残滓をクロマトグラフィー処理(数滴のピリジンを含む、CH2Cl2中の5%MeOH)して119(0.5g、75%)を得た。Rf 0.20(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(エレクトロスプレー)m/e 759(M+H+)。
実施例61
N6−ベンゾイル−5’−O−DMT−2’−O−(N,N−ジメチルアミノオキシエチル)アデノシン−3’−O−ホスホロアミダイト(120)
化合物119(0.47g、0.62ミリモル)をトルエン(5mL)と共に蒸発させた。残滓をN,N−ジイソプロピルアミンテトラゾリド(0.106g、0.62ミリモル)と混合し、P2O5で高真空下において一晩乾燥させた。その後、それを不活性雰囲気下で無水CH3CN(3.2mL)に溶解した。2−シアノエチル−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.79mL、2.48ミリモル)を滴下により添加し、その反応混合物を室温、不活性雰囲気下で6時間攪拌した。反応をTLC(数滴のピリジンを含む酢酸エチル)で監視した。溶媒を除去した後、残滓を酢酸エチル(50mL)に溶解し、5%NaHCO3水溶液(2×25mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させて蒸発させ、残滓をクロマトグラフィー処理(数滴のピリジンを含む酢酸エチル)して120(0.45g、76%)を得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 959(M+H+)。31P NMR(CDCl3)δ 151.36、150.77ppm。
実施例62
2’/3’−O−アリル−2,6−ジアミノプリンリボシド(121及び122)
2,6−ジアミノプリンリボシド(30g、106.4ミリモル)を無水DMF(540mL)に懸濁させた。反応容器をアルゴンでフラッシュした。水素化ナトリウム(3.6g、106.4ミリモル、鉱油中の60%分散液)を添加し、その反応物を10分間攪拌した。臭化アリル(14.14mL、117.22ミリモル)を20分にわたって滴下により添加した。得られた反応混合物を室温で20時間攪拌した。TLC(CH2Cl2中の10%MeOH)により出発物質の完全な消失が示された。DMFを真空下で除去し、シリカに吸収させた残滓をフラッシュカラムに入れてCH2Cl2中の10%MeOHで溶出した。2’及び3’アリル化生成物の混合物を含む画分をまとめてプールし、濃縮して乾燥させ、121及び122の混合物を得た(26.38g、77%)。Rf 0.26、0.4(CH2Cl2中の10%MeOH)。
実施例63
2’−O−アリル−グアノシン(123)
121及び122の混合物(20g、62.12ミリモル)を100mmリン酸ナトリウムバッファ(pH7.5)に懸濁させ、アデノシンデアミナーゼ(1g)を添加した。得られた溶液を、反応容器を大気に開放しながら、非常にゆっくりと60時間攪拌した。その後、反応混合物を氷浴において1時間冷却し、得られた沈殿を濾過し、P2O5で高真空下において乾燥させて123を白色粉末として得た(13.92g、収率69.6%)。Rf 0.19(CH2Cl2中の20%MeOH)。
実施例64
2’−O−アリル−3’,5’−ビス(tert−ブチルジフェニルシリル)グアノシン(124)
2’−O−アリル−グアノシン(6g、18.69ミリモル)をイミダゾール(10.18g、14.952ミリモル)と混合し、P2O5で高真空下において一晩乾燥させた。その後、これをアルゴンでフラッシュした。無水DMF(50mL)を添加し、その反応混合物を10分間攪拌した。これに、塩化tert−ブチルジフェニルシリル(19.44mL、74.76ミリモル)を添加し、その反応混合物をアルゴン雰囲気下で一晩攪拌した。DMFを真空下で除去し、その残滓を酢酸エチル(100mL)に溶解して水(2×75mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、CH2Cl2中の5%MeOHで溶出した。生成物を含む画分をまとめてプールし、蒸発させて124(10.84g、収率72%)を白色泡状物質として得た。Rf=?。MS(FAB+)m/e 800(M+H+)、822(M+Na+)。
実施例65
2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−3’,5’−ビス(tert−ブチルジフェニルシリル)グアノシン(125)
化合物124(9g、11.23ミリモル)をCH2Cl2(80mL)に溶解した。この透明溶液に、アセトン(50mL)、4−メチルモルホリン−N−オキシド(1.89g、16.17ミリモル)を添加した。反応フラスコを光から保護した。このようにして四酸化オスミウムの4%水溶液を添加し、その反応混合物を室温で6時間攪拌した。反応容積を半分に濃縮し、酢酸エチル(50mL)を添加した。その後、これを水(30mL)及び食塩水(30mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。その後、残滓をCH2Cl2に溶解し、シリカに吸着させたNaIO4(21.17g、2g/ミリモル)を添加して、その反応混合物を30分間攪拌した。この反応混合物を濾過し、シリカをCH2Cl2で徹底的に洗浄した。合わせたCH2Cl2層を蒸発させて乾燥させた。その後、残滓を乾燥MeOH中の1Mピリジニウム−p−トルエンスルホネート(PPTS)(99.5mL)に不活性雰囲気下で溶解した。この透明溶液に水素化シアノホウ素ナトリウム(1.14g、18.2ミリモル)を添加し、室温で4時間攪拌した。5%重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)をこの反応混合物に徐々に添加し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、CH2Cl2中の10%MeOHで溶出して125を得た(6.46g、収率72%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 802(M−H+)。
実施例66
2’−O−[(2−フタルイミドキシ)エチル]−3’,5’−ビス(tertブチルジフェニルシリル)グアノシン(126)
化合物125(3.7g、4.61ミリモル)をPh3P(1.40g、5.35ミリモル)及びヒドロキシフタルイミド(0.87g、5.35ミリモル)と混合した。次に、それをP2O5で高真空下において2日間、40℃で乾燥させた。これらの無水THF(46.1ミリモル)を不活性雰囲気下で添加して透明溶液を得た。ジエチルアジドカルボキシレート(0.73mL、4.61ミリモル)を滴下により、次の液滴が添加される前に赤色が消失するような方式で添加した。その後、得られた溶液を室温で4時間攪拌した。THFを減圧下で除去し、その残滓を酢酸エチル(75mL)に溶解して水(2×50mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。残滓をカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル中の7%MeOHで溶出して126を得た(2.62g、収率60%)。Rf 0.48(CH2Cl2中の10%MeOH)。MS(FAB-)m/e 947(M−H+)。
実施例67
2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−3’,5’−O−ビス−tert−ブチルジフェニルシリル−N2−イソブチリルグアノシン(127)
2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−3’,5’−O−ビス−tert−ブチルジフェニルシリルグアノシン(3.66g、3.86ミリモル)を無水ピリジン(40mL)に溶解し、その溶液を5℃に冷却して塩化イソブチリル(0.808mL、7.72ミリモル)を滴下により添加した。この反応混合物を25℃に暖め、2時間後にさらに塩化イソブチリス(0.40mL、3.35ミリモル)を25℃で添加した。1時間後、溶媒を真空中(0.1トール)、30℃で蒸発させて泡状物質を得、これを酢酸エチル(150mL)に溶解して微細懸濁液を得た。この懸濁液を水(2×15mL)及び食塩水(4mL)で洗浄し、有機層を分離してMgSO4で乾燥させた。溶媒を真空中で蒸発させて泡状物質を得、これをカラムクロマトグラフィーによりCH2Cl2−MeOH、94:6、v/vを用いて精製し、表題の化合物を白色泡状物質として得た(2.57g、65%)。1H NMR(CDCl3):d 11.97(brs、1H)、8.73(s、1H)、7.8−7.2(m、25H)、5.93(d、1H、J1’、2’=3.3Hz)、4.46(m、1H)、4.24(m、2H)、3.83(m、2H)、3.60(m、2H)、3.32(m、1H)、2.67(m、1H)、1.30(d、3H、J=3.2Hz)、1.26(d、3H、j=3.1Hz)、1.05(s、9H)、1.02(s、9H)。
この化合物を、さらに、A及びT類似体について上述される化学を用いて対応するホスホロアミダイトに誘導体化し、化合物128を得た。
実施例68
3’−O−アセチル−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5’−O−tert−ブチルジフェニルシリルチミジン(129)
化合物105(3.04g、5.21ミリモル)をクロロホルム(11.4mL)に溶解した。これにジメチルアミノピリジン(0.99g、8.10ミリモル)を添加し、その反応混合物を10分間攪拌した。無水酢酸(0.701g、6.87ミリモル)を添加し、その反応混合物を一晩攪拌した。次に、この反応混合物をCH2Cl2(40mL)で希釈し、飽和NaHCO3(30mL)及び食塩水(30mL)で洗浄した。CH2Cl2層を蒸発させて乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、酢酸エチル:ヘキサン(80:20)で溶出して129を得た。Rf 0.43(酢酸エチル:ヘキサン、80:20)。MS(エレクトロスプレー)m/e 624(M−H+)。
実施例69
2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル 5−メチルシチジン(130)
無水CH3CN(49mL)中の1,2,4−トリアゾール(5.86g、84.83ミリモル)の溶液を氷浴において5〜10分間、アルゴン雰囲気下で冷却した。これにPOCl3の冷懸濁液(1.87mL、20ミリモル)を10分にわたって徐々に添加し、攪拌をさらに5分間継続した。トリエチルアミン(13.91mL、99.8ミリモル)を、浴温度を約0〜2℃に保持しながら、30分にわたって徐々に添加した。添加が完了した後、その反応混合物をこの温度でさらに30分間攪拌し、その時点で無水アセトニトリル(3mL)中の化合物35(3.12g、4.99ミリモル)を一度に添加した。この反応混合物を0〜2℃で10分間攪拌した。その後、氷浴を取り除き、反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。その反応混合物を℃に冷却し、濃縮して小容積にし、酢酸エチル(100mL)に溶解して水(2×30mL)及び食塩水(30mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。その後、得られた残滓をジオキサン中のNH3の飽和溶液(25mL)に溶解し、室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去した。残滓をカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2中の10%MeOHで溶出して130を得た。
実施例70
2’−O−(2,N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−N4−ベンゾイル−5’−O−tert−ブチルジフェニルシリルシチジン(131)
化合物130(2.8g、4.81ミリモル)を無水DMF(12.33mL)に溶解した。無水安息香酸(1.4g、6.17ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で一晩攪拌した。メタノールを添加し(1mL)、溶媒を蒸発させて乾燥させた。残滓をジクロロメタン(50mL)に溶解し、NaHCO3の飽和溶液(2×30mL)、次いで食塩水(30mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。得られた残滓をカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2中の5%MeOHで溶出して131を泡状物質として得た。
実施例71
H4−ベンゾイル−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルシチジン(132)
化合物131(2.5g、3.9ミリモル)をP2O5で高真空下において乾燥させた。100mL丸底フラスコにおいて、三フッ化水素酸トリエチルアミン(6.36mL、39ミリモル)を無水THF(39mL)に溶解した。これにトリエチルアミン(2.72mL、19.5ミリモル)を添加し、その混合物を直ちに化合物131に注いで室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残滓をフラッシュカラム内に保持してCH2Cl2中の10%MeOHで溶出し、132を得た。
実施例72
N4−ベンゾイル−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5−O’−ジメトキシトリチル−5−メチルシチジン(133)
化合物132(1.3g、2.98ミリモル)をP2O5で高真空下において一晩乾燥させた。その後、これを無水ピリジン(10mL)と共に蒸発させた。残滓を無水ピリジン(15mL)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(10.9mg、0.3ミリモル)を添加して、その溶液を室温、アルゴン雰囲気下で4時間攪拌した。ピリジンを真空下で除去し、その残滓を酢酸エチルに溶解して5%NaHCO3(20mL)及び食塩水(20mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、数滴のピリジンを含むCH2Cl2中の10%MeOHで溶出して化合物133を得た。
実施例73
N4−ベンゾイル−2’−O−(2−N,N−ジメチルアミノオキシエチル)−5−ジメトキシトリチル−5−メチルシチジン−3’−O−ホスホロアミダイト(134)
化合物133(1.54g、2.09ミリモル)をトルエン(10mL)と共に蒸発させた。次に、これをジイソプロピルアミンテトラゾリド(0.36g、2.09ミリモル)と混合し、P2O5で高真空下において40℃で一晩乾燥させた。その後、それを無水アセトニトリル(11mL)に溶解し、2−シアノエチル−テトライソプロピルホスホロアミダイト(2.66mL、8.36ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温、不活性雰囲気下で4時間攪拌した。溶媒を真空下で除去した。酢酸エチル(50mL)をその残滓に添加し、5%NaHCO3(30mL)及び食塩水(30mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、数滴のピリジンを含む酢酸エチル:ヘキサン(60:40)で溶出して134を得た。
実施例74
2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシドホスホロアミダイト(135)
2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシドをオリゴヌクレオチドに組み込むのに、保護6−アミノ−2−フルオロプリンリボシド135のホスホロアミダイトを用いることを選んだ。オリゴ合成後、オリゴヌクレオチドの保護基の脱保護に伴い、2−フルオロ基がアンモニアで置換されて2,6−ジアミノプリンリボシド類似体が生じる。したがって、2,6−ジアミノプリンリボシドを臭化ジメチルアミノオキシエチル136でアルキル化して2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシド137及び3’−異性体138の混合物を得る。典型的には、5’−ヒドロキシルにDMTで機能付加して5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシド139を得た後、2’−異性体をクロマトグラフィーで分離することができる。139をSchiemann反応(Krolikiewicz,K.;Vorbruggen,H.Nucleosides Nucleotides,1994,13,673-678)によってフッ素化することで2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−6−アミノ−2−フルオロ−プリンリボシド140が得られ、標準保護プロトコルにより5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−6−ジメチルホルムアミジン−2−フルオロプリンリボシド140が得られる。140を亜リン酸化することで5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−ジメチルアミノオキシエチル−6−ジメチルホルムアミジン−2−フルオロプリンリボシド−3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]138が得られる。
化合物139を3’−異性体からクロマトグラフィーで分離することができない場合には、化合物137及び138の混合物を、3’−O−異性体の存在下において2’−O−置換アデノシン類似体を選択的に脱アミノ化することが知られるアデノシンデアミナーゼで処理し、2’−O−ジメチルアミノオキシエチルグアノシン142を得る。5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−ジメチルアミノオキシエチルグアノシン140を、6−オキソ基をアミノ化することにより、2,6−ジアミノプリンリボシド類似体139に変換することができる(Gryaznov,S.;Schultz,R.G.Tetrahedron Lett.1994,2489-2492)。その後、これを標準保護法及び亜リン酸化プロトコルにより対応するアミダイト144に変換した。
実施例75
2’/3’−O−[2−(tert−ブチルジメチルシリルヒドロキシ)エチル]−2,6−ジアミノプリンリボシド(145及び146)
2,6−ジアミノプリンリボシド(10g、35.46ミリモル)をP2O5で高真空下において乾燥させた。これを無水DMF(180mL)に懸濁させ、NaH(1.2g、35.46ミリモル、鉱油中の60%分散液)を添加した。この反応混合物を周囲温度、不活性雰囲気で30分間攪拌した。これに(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(12.73g、53.2ミリモル)を滴下により添加し、得られた溶液を室温で一晩攪拌した。DMFを真空下で除去し、残滓を酢酸エチル(100mL)に溶解して水(2×70mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水MgSO4で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、CH2Cl2中の5%MeOHで溶出して生成物の混合物を得た(6.0711g、収率31%)。Rf 0.49、0.59、0.68(CH2Cl2中の5%MeOH)。
実施例76
2’−O−アミノオキシエチル類似体
ヌクレオシドの他の様々な2’−O−アミノオキシエチル類似体(例えば、2,6−ジアミノプリンリボシド)を化合物154として調製することができる。例えば、2,6−ジアミノプリンを(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランでアルキル化することで、2’−O−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシド145及び3’−異性体146が得られる。所望の2’−O−異性体は、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシド147を調製し、その混合物をカラムクロマトグラフィーに処することにより分離することができる。シリル基を脱保護することにより5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−ヒドロキシエチル−2,6−ジアミノプリンリボシド148が得られ、これを光延反応に処することで5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−2,6−ジアミノプリンリボシド149が得られる。149をSchiemann条件下で処理することによりDMT基のフッ素化及び脱保護が生じ、2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−6−アミノ−2−フルオロプリンリボシド150が得られる。標準保護条件で5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−フタルイミド−N−オキシエチル)−6−ジメチルホルムアミド−2−フルオロプリンリボシド151が得られ、そのフタルイミド官能基の脱保護により5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−アミノオキシエチル−6−ジメチルホルムアミジン−2−フルオロプリンリボシド152が得られる。
152をアルデヒド又はジアルデヒドで還元アミノ化することで、環状もしくは非環式二置換2’−O−アミノオキシエチル類似体153が生じる。153を亜リン酸化することで、環状もしくは非環式二置換2’−O−アミノオキシエチル類似体154がホスホロアミダイトとして得られる。
実施例77
2’/3’−O(2−tert−ブチルジメチルシリルヒドロキシエチル)アデノシン(155及び156)
アデノシン(10g、37.42ミリモル)をP2O5で高真空下において乾燥させた。その後、これを無水DMF(150mL)に懸濁させ、NaH(1.35g、56.13ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温、不活性雰囲気下で30分間攪拌した。その後、(2−ブロモエチル)−tert−ブチルジメチルシラン(9.68mL、4.4.90ミリモル)を滴下により添加し、その反応混合物を室温で一晩攪拌した。DMFを真空下で除去し、その残滓にジクロロメタン(100mL)を添加して水(2×80mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残滓をカラムで精製して生成物の混合物を得た(4.30g)。Rf 0.49、0.57(CH2Cl2中の10%MeOH)。
実施例78
2’−O−(2−メチレンイミノオキシエチル)チミジン(157)
化合物104(3.10g、5.48ミリモル)をP2O5で高真空下において乾燥させた。100mL丸底フラスコにおいて、三フッ化水素酸トリエチルアミン(8.93mL、54.8ミリモル)を無水THFに溶解し、トリエチルアミン(3.82mL、27.4ミリモル)を添加した。得られた溶液を直ちに化合物104に添加し、その反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去した。得られた残滓をフラッシュカラムに入れ、CH2Cl2中の10%MeOHで溶出して157を白色泡状物質として得た(1.35g、収率75%)。Rf 0.45(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(FAB+)m/e 330(M+H+)、352(M+Na+)。
実施例79
5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メチレンイミノオキシエチル)チミジン(158)
化合物157(0.64g、1.95ミリモル)をP2O5で高真空下において一晩乾燥させた。その後、これを無水ピリジン(5mL)と共に蒸発させた。残滓を無水ピリジン(4.43mL)及び塩化ジメトキシトリチル(0.79g、2.34ミリモル)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(23.8mg、0.2ミリモル)を添加した。反応混合物を不活性雰囲気下、周囲温度で4時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残滓をカラムで精製し、数滴のピリジンを含むCH2Cl2中の5%MeOHで溶出して158を泡状物質として得た(1.09g、収率88%)。Rf 0.4(CH2Cl2中の5%MeOH)。MS(エレクトロスプレー)m/e 630(M−H+)。
実施例80
5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メチレンイミノオキシエチル)チミジン−3’−O−ホスホロアミダイト(159)
化合物158(0.87g、1.34ミリモル)をトルエン(10mL)と共に蒸発させた。その後、残滓をジイソプロピルアミンテトラゾリド(0.23g、1.34ミリモル)と混合し、P2O5で高真空下において一晩乾燥させた。次に、これをアルゴンでフラッシュした。無水アセトニトリル(6.7mL)を添加して透明溶液を得た。この溶液に2−シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.7mL、5.36ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で6時間、不活性雰囲気下で攪拌した。溶媒を真空下で除去し、その残滓を酢酸エチル(40mL)で希釈して5%NaHCO3(20mL)及び食塩水(20mL)で洗浄した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して乾燥させた。残滓をフラッシュカラムに入れ、酢酸エチル:ヘキサン(60:40)で溶出して159を得た(1.92g、収率80%)。Rf 0.34(酢酸エチル:ヘキサン、60:40)。31P NMR(CDCl3)δ 150.76ppm、MS(エレクトロスプレー)m/e 830(M−H+)。
実施例81
固体支持体へのヌクレオチドの結合の一般的手順
化合物107(200mg、0.31ミリモル)をDMAP(19mg、16ミリモル)、無水コハク酸(47mg、0.47ミリモル)、トリエチルアミン(86mL、0.62ミリモル)及びジクロロメタン(0.8mL)と混合し、4時間攪拌した。この混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、CH2Cl2層をまず氷冷10%クエン酸水溶液で、次いで水で洗浄した。有機相を濃縮して乾燥させ、161を得た。残滓(161)を無水アセトニトリル(23mL)に溶解した。これに、DMAP(37mg、0.3ミリモル)、及び2’,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)(103mg、0.33ミリモル)を添加した。この溶液を5分間攪拌した。これに、無水アセトニトリル(3mL)中のトリフェニルホスフィン(78.69mg、0.3ミリモル)を添加した。この溶液を10分間攪拌した後、CPGを添加した。その後、このスラリーを2時間振盪した。次に、それを濾過し、アセトニトリル及びCH2Cl2で洗浄した。この機能付加CPGを乾燥させ、キャッピング溶液でキャップを形成して161を得た。積載能力を決定した(58.3μモル/g)。
実施例82
アミノオキシ誘導体の合成:代替手順
ジオール162を、1当量のp−塩化トルエンスルホニル−ピリジンでの処理とそれに続く標準的後処理により、そのトシレート誘導体163に変換する。続いて、このトシレートを、トシレートの置換において求核剤として作用する幾つかのアミノ−ヒドロキシ化合物で処理し、一連のオキシ−アミノ化合物を得る。この反応は、無水条件下で水素化ナトリウムを用いることによりアミノアルコール又はヒドロキシルアミン誘導体からアニオンを予め形成することで促進される。
手順1
ヌクレアーゼ耐性
A.血清及び細胞質ヌクレアーゼに対する修飾オリゴヌクレオチドの耐性の評価。
本発明の修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドをそれらの血清ヌクレアーゼに対する耐性について、様々な濃度のウシ胎児血清又はヒト成人血清を含む培地においてそれらのオリゴヌクレオチドをインキュベートすることにより評価することができる。標識オリゴヌクレオチドを様々な時間インキュベートし、プロテアーゼKで処理した後、20%ポリアクリルアミド−尿素変性ゲル上でのゲル電気泳動、及びそれに続くオートラジオグラフィーにより分析する。オートラジオグラムをレーザー濃度測定により定量する。オリゴヌクレオチドの修飾の位置及びその既知の長さに基づいて、特定の修飾によるヌクレアーゼの分解に対する効果を決定することができる。細胞質ヌクレアーゼに対しては、HL60細胞系を用いる。ポストミトコンドリア(post-mitochondrial)上清を分画遠心により調製し、標識オリゴヌクレオチドをこの上清中で様々な時間インキュベートする。インキュベーションの後、血清核分解について上に概述されるように、オリゴヌクレオチドを分解について評価する。非修飾及び修飾オリゴヌクレオチドを比較するため、オートラジオグラフィーの結果を定量する。対照として、非置換ホスホジエステルオリゴヌクレオチドは1時間以内に50%分解し、20時間以内に100%分解することが見出されている。
B.特定のエンド及びエキソヌクレアーゼに対する修飾オリゴヌクレオチドの耐性の評価
分解に対する修飾の正確な効果を決定するため、特定のヌクレアーゼ(すなわち、エンドヌクレアーゼ、3’,5’−エキソ、及び5’,3’−エキソヌクレアーゼ)に対する天然及び修飾オリゴヌクレオチドの耐性の評価を行う。修飾オリゴヌクレオチドを、選択された様々なヌクレアーゼについて特有の定義された反応バッファ中でインキュベートする。生成物をプロテアーゼKで処理した後、尿素を添加し、尿素を含む20%ポリアクリルアミドゲル上での分析を行う。ゲル生成物を、Stains All(Sigma Chemical Co.)を用いて染色することにより可視化した。レーザー濃度測定を用いて分解の程度を定量する。修飾の効果を特定のヌクレアーゼについて決定し、血清及び細胞質系から得られる結果と比較する。
T19ジエステル及びチオエート対照と共に、ゲル精製したオリゴを32Pで5’末端標識し、標準ヌクレアーゼ検定プロトコルにより実施した。PAGE/リン光画像形成により、無傷%及び(無傷+(N−1))%について定量化された画像が形成された。これらのパーセンテージをプロットして半減期を得、これが下記表に記載されている。この表には2’−O−メトキシエチル(MOE)類似体(配列番号22)の半減期が含められている。これらの結果は、2’−ジメチルアミノオキシエチル(DMAOE)が高度にヌクレアーゼ耐性の修飾であることを示した(図14及び15)。
2’−DMAOE修飾でキャップしたオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性の最初の検定では、検定間の比較で、修飾2’−O−メトキシエチルよりも良好な耐性が示された(図13)。これらの研究は、2つのモチーフにおける幾つかの修飾の中での検定内比較である。第1のモチーフは、最3’側ヌクレオシドから始まる4つの修飾ヌクレオチドのキャップを有する、完全ホスホジエステル主鎖である。第2のモチーフは、同様ではあるが、最3’側ヌクレオチド間結合にホスホロチオエートを1つ含む。
T19ホスホロチオエート対照と共に、これらのオリゴをゲル精製し、標準ヌクレアーゼプロトコルにより実施した。これらの検定から、配列番号23が次に最も耐性のオリゴヌクレオチドであるものと立証された。配列番号24はより容易に分解され、配列番号25はむしろ急速に分解する。このゲルは、ゲルの底部に幾つかの反応生成物を示すが、耐性オリゴヌクレオチドのn−2及びn−3はほとんど示さない。これらの生成物はSVPDによるヌクレオチド鎖切断開裂の結果であるものと思われる。この型の活性は常に基本的な割合で存在するが、ほとんどのオリゴヌクレオチドに対する3’エキソヌクレアーゼ活性の圧倒的な優位性のため、通常は見られない。しかしながら、これらのオリゴヌクレオチドは3’エキソヌクレアーゼに対して並外れて耐性であるため、エンドヌクレアーゼ活性が完全長オリゴに対する大部分の開裂の原因となる。エンドヌクレアーゼ反応の2’−デオキシホスホジエステル生成物は、次に、迅速に開裂されて単量体となる。これらの反応について2組の定量を行う。一方は3’−エキソヌクレアーゼ生成物のみを計数し、他方は全ての反応の生成物を計数する。いずれの場合においても、配列番号23の半減期は24時間を上回る。配列番号24については、エキソヌクレアーゼ活性の半減期は24時間を上回るが、他の型の定量では約100分の半減期が示される。ホスホロチオエート結合を1つ含むモチーフのオリゴヌクレオチド(配列番号26及び配列番号27)は上述のエンドヌクレアーゼ活性の基質であるが、3’エキソヌクレアーゼ活性の生成物はこの検定の間には検出されない。
ΔTmは、DNA及びホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの報告されている文献値に基づく。
手順2
ras−ルシフェラーゼ・リポーター遺伝子の組み立て
この研究に記載されるras−ルシフェラーゼ・リポーター遺伝子を、PCR技術を用いて組み立てる。オリゴヌクレオチドプライマーを、変異体(コドン12)及び非変異体(野生型)ヒトH−ras遺伝子の両者のエキソン1の5’領域をPCRクローン化するためのプライマーとして用いるために合成する。H−ras遺伝子のテンプレートはメリーランド州ベテスダのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC番号41000及び41001)から購入する。オリゴヌクレオチドPCRプライマー5’-ACA-TTA-TGC-TAG-CTT-TTT-GAG-TAA-ACT-TGT-GGG-GCA-GGA-GAC-CCT-GT-3’(センス)(配列番号16)、及び5’-GAG-ATC-TGA-AGC-TTC-TGG-ATG-GTC-AGC-GC-3’(アンチセンス)(配列番号17)を、変異体及び非変異体H−ras遺伝子をテンプレートとして用いる標準PCR反応において用いる。これらのプライマーは、NheI及びHindIII制限エンドヌクレアーゼ部位が並列する、正常及び変異体H−rasの(翻訳開始部位に対して)配列−53〜+65に相当する145塩基対のDNA産物を生じるものと期待される。このPCR産物を、標準手順を用いて、ゲル精製し、沈殿させ、洗浄して水に再懸濁させる。
P.ピラリス(P.pyralis)(ホタル)ルシフェラーゼ遺伝子をクローン化するためのPCRプライマーは、そのPCR産物が、アミノ末端メチオニン残基が2つのアミノ酸、アミノ末端リジン残基、続いてロイシン残基で置換されていることを除いて完全長のルシフェラーゼタンパク質をコードするように設計された。ルシフェラーゼ遺伝子のクローン化に用いられるこれらのオリゴヌクレオチドPCRプライマーは5’-GAG-ATC-TGA-AGC-TTG-AAG-ACG-CCA-AAA-ACA-TAA-AG-3’(センス)(配列番号18)、及び5’-ACG-CAT-CTG-GCG-CGC-CGA-TAC-CGT-CGA-CCT-CGA-3’(アンチセンス)(配列番号19)であり、ルシフェラーゼ・リポーター遺伝子を含む市販のプラスミド(pT3/T7−Luc)(Clontech)をテンプレートとして用いる標準PCR反応において用いる。これらのプライマーは、HindIII及びBssHII制限エンドヌクレアーゼ部位が並列する、ルシフェラーゼ遺伝子に相当する約1.9kbの産物を生じるものと期待される。この断片を、標準プロトコルを用いて、ゲル精製し、沈殿させ、洗浄して水に再懸濁させる。
ras−ルシフェラーゼ融合リポーター遺伝子の組み立てを完了させるため、ras及びルシフェラーゼPCR産物を適切な制限エンドヌクレアーゼで消化し、制限エンドヌクレアーゼNheI、HindIII及びBssHIIを用いて三部ライゲーションによりステロイド誘発性マウス乳癌ウイルスプロモーターMMTVを含む発現ベクターにクローン化する。得られたクローンは、インフレームでホタルルシフェラーゼ遺伝子と融合したH−ras5’配列(−53〜+65)の挿入を生じる。得られた発現ベクターはras−ルシフェラーゼ融合産物をコードし、これはステロイド誘発性MMTVプロモーターの制御の下で発現する。
手順3
プラスミドDNAでの細胞の形質移入
形質移入を、以下の変更を加えて、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel et al.,Eds.,John Wiley and Sons,New YorkにGreenbergによって記載される通りに行う:HeLa細胞を60mm皿に5×105細胞/皿で平板培養する。合計10μgのDNAを各々の皿に添加し、そのうちの9μgはras−ルシフェラーゼ・リポータープラスミドであり、1μgは構成型ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターの制御の下でラット糖質コルチコイド・リポーターを発現するベクターである。リン酸カルシウム−DNA共沈殿を、16〜20時間後に、3mM EGTAを含むトリス緩衝生理食塩水(50mMトリス−Cl(pH7.5),150mM NaCl)で洗浄することにより除去する。その後、10%ウシ胎児血清を補足した新鮮な培地を細胞に加える。この時点で、細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで前処理し、次いでリポーター遺伝子の発現をデキサメタゾンにより活性化する。
手順4
細胞のオリゴヌクレオチド処理
プラスミド形質移入の直後に、細胞をOptiMEM(GIBCO)で3回洗浄し、37℃に予め暖める。10μg/mlの塩化N−[1−(2,3−ジオールエチルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム(DOTMA)(Bethesda Research Labs、ゲーサーズバーグ、MD)を含む2mlのOptiMEMを各々の皿に添加し、オリゴヌクレオチドを直接添加して37℃で4時間インキュベートする。その後、OptiMEMを除去し、オリゴヌクレオチドを含む適切な細胞成長培地に交換する。この時点で、リポーター遺伝子の発現を、細胞を最終濃度0.2μMまでのデキサメタゾンで処理することにより活性化する。ステロイド処理の12〜16時間後に細胞を回収する。
手順5
ルシフェラーゼ検定
Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel et al.,Eds.,John Wiley and Sons,New YorkにGreenbergによって記載されるように、洗浄剤トリトンX−100で溶解することにより、細胞からルシフェラーゼを抽出する。Dynateck ML1000照度計を用いて、ルシフェリン(Sigma)を625μMまで添加した際のピーク発光を測定する。各々の抽出物について、データが検定の直線範囲に集まることを確実にするために異なる量の抽出物を用いて、ルシフェラーゼ検定を複数回行う。
手順6
ras−ルシフェラーゼ遺伝子の発現のアンチセンスオリゴヌクレオチドの阻害
活性化H−rasのコドン−12点変異を標的とする一連のアンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチド類似体を、前述の例に記載されるルシフェラーゼ・リポーター遺伝子系を用いて試験する。この系列には基本配列及びその基本配列の類似体が含められた。基本配列は、上で確認された国際公開WO92/22651に報告される既知活性を有するものである。この基本配列及びその類似体の両者において、ヌクレオチドサブユニットの各々はヌクレアーゼ耐性をもたらすためにホスホロチオエート結合を含んでいた。類似体の各々は、2’−O−置換及び2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシル糖を含むヌクレオチドサブユニットを含んでいた。これらの類似体において、2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシル糖含有サブユニットの配列にはその両端に2’−O−置換サブユニットの配列が並列する。これらの類似体は2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシル糖含有ヌクレオチドの配列の長さの点で互いに異なる。これらの配列の長さは、合計1〜9ヌクレオチドの間で、2ヌクレオチドづつ変化する。2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシルヌクレオチドサブ配列は、活性化rasのコドン−12点変異の点変異に中心を置く。
手順7
mRNAの過剰発現を検出するための診断検定
オリゴヌクレオチドを、合成の後に、ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5’末端を32P標識することにより放射標識する。Sambrookら(”Molecular Cloning.A Laboratory Manual,”Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989,Volume 2,pg.11.31-11.32)。放射標識オリゴヌクレオチドをmRNAの過剰発現が疑われる組織又は細胞試料、例えば患者からの試料と、特異的ハイブリダイゼーションが起こり得る条件下で接触させ、その試料を洗浄して未結合のオリゴヌクレオチドを除去する。放射標識オリゴヌクレオチドを特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で正常細胞又は組織試料と接触させ、その試料を洗浄して未結合のオリゴヌクレオチドを除去する類似の対照を維持する。試料に残留する放射能は結合したオリゴヌクレオチドを示すものであり、それをシンチレーションカウンター又は他の定型的な手段を用いて定量する。正常及び疾患細胞からの試料に残留する放射能の比較により、関心のあるmRNAの過剰発現が示される。
また、本発明の放射標識オリゴヌクレオチドはオートラジオグラフィーにおいても有用である。組織切片を放射標識オリゴヌクレオチドで処理し、上述の通り洗浄した後、標準オートラジオグラフィー手順に従って写真乳剤に露出する。正常細胞又は組織試料を用いる対照も維持する。乳剤は、現像すると、mRNAを過剰発現する領域全体にわたって銀粒子の画像を生じるので、それを定量する。mRNAの過剰発現の程度を、正常及び疾患細胞で観察される銀粒子の比較によって決定する。
mRNAの過剰発現を蛍光検出するための類似の検定は、フルオレセイン又は他の蛍光タグで標識されている本発明のオリゴヌクレオチドを用いる。標識DNAオリゴヌクレオチドは、自動DNA合成装置(Applied Biosystems model 380B)で、ヨウ素による酸化を用いる標準ホスホロアミダイト化学を用いて合成する。β−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイトはApplied Biosystems(Foster City、CA)から購入する。フルオレセイン標識アミダイトはGlen Research(Sterling、VA)から購入する。オリゴヌクレオチド及び生物学的試料のインキュベーションは、シンチレーションカウンターの代わりに蛍光顕微鏡を蛍光の検出に用いることを除いて、放射標識オリゴヌクレオチドについて記述される通りに行う。正常及び疾患細胞に由来する試料に観察される蛍光を比較することで、mRNAの過剰発現を検出することが可能となる。
手順8
異常なmRNAの発現の検出
異常なmRNAを発現することが疑われる組織又は細胞試料を、野生型(正常)mRNAを標的とする第1の32P又はフルオレセイン標識オリゴヌクレオチドと共にインキュベートする。細胞又は組織の同一試料を、異常mRNAを標的とする第2の標識オリゴヌクレオチドと共に、特異的ハイブリダイゼーションが生じ得る条件下でインキュベートし、その試料を洗浄して未結合オリゴヌクレオチドを除去する。試料に残留する標識は結合したオリゴヌクレオチドを示すものであり、シンチレーションカウンター、蛍光光度計、又は他の定型的な手段を用いて定量することができる。結合が第2の試料の場合には観察されるものの第1の試料では観察されない場合、異常なmRNAの存在が示される。
二重標識も、本発明のオリゴヌクレオチド及び方法で、異常なmRNAの発現を特異的に検出するのに用いることができる。単一の組織試料を、野生型mRNAを標的とする第1の32P標識オリゴヌクレオチド及び異常mRNAを標的とする第2のフルオレセイン標識オリゴヌクレオチドと共に、特異的ハイブリダイゼーションが生じ得る条件下でインキュベートする。この試料を洗浄して未結合オリゴヌクレオチドを除去し、標識をシンチレーション計数及び蛍光定量により検出する。その試料が32P標識オリゴヌクレオチドとは結合しない(すなわち、放射性ではない)ものの、蛍光標識を保持する(すなわち、蛍光性である)場合、異常なmRNAの存在が示される。
Claims (12)
- 構造:
〔式中、
Bxはプリン又はピリミジン複素環塩基であり;
T1及びT2は、独立に、OH;ヒドロキシル保護基;そのリン原子がオリゴヌクレオチドへの組み込みのためにP III 又はP V 原子価状態に活性化されたホスホロアミダイト、Hホスホネート、又はホスホトリエステル;ヌクレオチド;ヌクレオシド;又はオリゴヌクレオチドであり、そして
Lは構造:
(式中、
mは1〜6であり;
yは1〜10であり;
xは1であり;
EはN(R1)(R2)又はN=C(R1)(R2)であり;そして
各々のR1及びR2は、独立に、H、C1〜C10アルキル、又はホルムアルデヒドにより形成される窒素保護基であるか、又は、EがN(R1)(R2)である場合においてR1とR2はそれらが結合するNと一緒になってフタルイミドであるか、又はR1及びR2は、イミダゾール、ピペリジン、モルホリン又はC1〜C12アルキルで置換されているピペラジンから選択される環構造に加わっている。)のうちの1つを有する。〕
を有する化合物。 - Bxが、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、ウラシル、チミン、シトシン、2−アミノアデニン又は5−メチルシトシンである、請求項1の化合物。
- R1及びR2が、独立に、H又はC1〜C10アルキルである、請求項1の化合物。
- R1及びR2が、イミダゾール、ピペリジン、モルホリン又はC1〜C12アルキルで置換されているピペラジンから選択される環構造に加わっている、請求項1の化合物。
- T1及びT2の両方がオリゴヌクレオチドであるか、又はT1及びT2の一方がオリゴヌクレオチドであって他方がヒドロキシル保護基である、請求項1の化合物。
- 構造:
Q−L
〔式中、
Lは構造:
(式中、
mは1〜6であり;
xは1であり;
yは1〜10であり;
EはN(R1)(R2)又はN=C(R1)(R2)であり;
各々のR1及びR2は、独立に、H、C1〜C10アルキル、又はホルムアルデヒドにより形成される窒素保護基であるか、又は、EがN(R1)(R2)である場合においてR1とR2はそれらが結合するNと一緒になってフタルイミドであるか、又は、R1及びR2は、イミダゾール、ピペリジン、モルホリン又はC1〜C12アルキルで置換されているピペラジンから選択される環構造に加わっている。)のうちの1つを有し、
そして、Qは:
2’、3’もしくは5’位が前記L基で置換されているリボヌクレオシド;
2’もしくは5’位が前記L基で置換されている3’−亜リン酸化リボヌクレオシド;
3’もしくは5’位が前記L基で置換されている2’−亜リン酸化リボヌクレオシド;又は
2’、3’もしくは5’位が前記L基で置換されているリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドになるように選択される。〕
の化合物。 - Qが、2’、3’もしくは5’位がL基で置換されているリボヌクレオシドである、請求項6の化合物。
- Qが、その2’位がL基で置換されているリボヌクレオシドである、請求項7の化合物。
- Qが、その2’位がL基で置換されている3’−亜リン酸化リボヌクレオシドある請求項7の化合物。
- Qが、2’、3’もしくは5’位がL基で置換されている少なくとも1つのリボヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドである、請求項6の化合物。
- Qが、その2’位がL基で置換されている少なくとも1つのリボヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドである、請求項10の化合物。
- Qが、その2’位がアミノオキシエチル基で置換されている少なくとも1つのリボヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドである、請求項6の化合物。
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