JP4439229B2 - 水系で合成した無機粒子を単粒子粉体として取出す方法 - Google Patents

水系で合成した無機粒子を単粒子粉体として取出す方法 Download PDF

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Description

本発明は、単粒子に分散した分散性に優れる炭酸カルシウム粉体などのカルシウム系無機粉体の製造方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、ゴム、樹脂、塗料、インキ等への配合に際して単分散状態で配合することができ、かつ物性向上を図ることができる単粒子に分散した高度に分散性に優れる非凝集系のカルシウム系無機粒子からなる単粒子粉体の新規な製造方法に関する。
カルシウム系無機粒子、典型的な例として合成炭酸カルシウムを挙げることができるが、前記合成炭酸カルシウムは、水酸化カルシウムの水懸濁液(石灰乳)に炭酸ガスを導入する水媒体中系での合成方法が広く知られている。
このとき、合成条件の選択により、大きくわけて以下の2種類の炭酸カルシウムを合成することができる。
(1).石灰乳濃度を低濃度にし(3〜6%)、炭酸ガス導入量を大量にし(反応速度を早くする)、反応温度を低くする(30℃以下)、という条件設定により、0.1μm以下の膠質炭酸カルシウム(コロイド炭酸カルシウム)を合成することができる。
(2).石灰乳濃度を高濃度にし(10%以上)、炭酸ガス導入量を少量にし(反応速度を遅くする)、反応温度を高くする(30℃以上)、という条件設定により、1.0μm以上の軽微性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)を合成することができる。
また、前記した合成炭酸カルシウム、例えば粒径が1.0μm以下の炭酸カルシウムは、表面エネルギーや凝集エネルギーの関係から粒子同士が凝集し、この傾向は粒子の粒径が小さくなればなる程強くなり、再度水に分散させても元の状態(合成直後の粒子が良好に分散した状態)には戻らないという性質をもっていることも広く知られている。
前記した合成炭酸カルシウムの凝集性は、次の点からも説明することができる。
即ち、炭酸カルシウムは難溶性物質であるが、水懸濁液中では僅かではあるが水に溶解する(溶解度:0.82g/dm3 、25℃。化学便覧基礎編改定3版、日本化学会編、II−167)。従って、炭酸カルシウムを水懸濁液から乾燥すると、溶解している炭酸カルシウムが炭酸カルシウム粒子間で結合剤的に働き炭酸カルシウム粒子を凝集させる。
当業界において、前記した凝集性の炭酸カルシウムを利用する場合、凝集性を改善した利用方法が採用されている。例えば以下のような利用方法が採用されている。
(1).粒径が0.1μm以上の炭酸カルシウムは、製紙の塗工剤として、白色度の向上やインキ受理性の向上などの目的のために利用されている。この場合 、炭酸カルシウムの水分散体を調製するために、炭酸カルシウム粒子の表面をカルボキシル基を有するアクリル酸系の有機物や縮合リン酸系化合物で処理する方法が採用されている。
(2).粒径が0.04μm以上の炭酸カルシウムは、ゴム、樹脂、インキ等の充填剤や体質顔料などとして利用されている。この場合、これら有機物質(媒体)のなかでの分散を図るために、炭酸カルシウムの表面を有機物、例えば脂肪酸や樹脂酸などで処理し、炭酸カルシウムの表面を親油性にし、分散性を向上させる方法が採用されている。
しかしながら、前記した凝集性の炭酸化カルシウムの分散化向上策には限界がある。
一般的にコロイド炭酸カルシウム(粒径0.1μm以下)を脂肪酸や樹脂酸などで処理した粉体の(二次粒子の)平均粒子径は、5〜10μmである。
また、粒子径が0.04μmの炭酸カルシウムの理論上の比表面積は55.6(m2/g)であるが、市販のものは20〜30(m2/g)である。
このことは、前記した従来の脂肪酸や樹脂酸などの表面処理により分散化を図ったとしても、0.04μmの粒子が10〜20個凝集したものしか得られないことを意味している。
このため、炭酸カルシウムをゴム、樹脂、インキ等へ充填、配合する際、分散性を更に高めるために、例えばゴム工業においてはバンバリーミキサー、樹脂工業においてはペレタイザー、塗料工業においてはサンドグラインドミルやディゾルバー、インキ工業においては三本ロール等の強力なエネルギーを使って凝集物を単分散に近付けているのが現状である。
本発明は前記した従来技術の欠点を解消すべく創案されたものである。
即ち、本発明の目的は、各種基材に体質改善等のために充填、配合される炭酸カルシウムなどのカルシウム系無機粒子において、充填、配合時に分散化のために過度のエネルギーを必要としない単粒子に分散した高度に分散性に優れるカルシウム系無機粒子の単粒子粉体の新規かつ効率的な製造方法を提供することにある。
本発明を概説すれば、本発明は、水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法が、
(1).水媒体中カルシウム系無機粒子の水懸濁液を調製する工程、
(2).前記水媒体中カルシウム系無機粒子の水懸濁液を調製する工程の後、直ちに水媒体を有機溶媒に置換する工程、
(3).前記(2)工程により得られるカルシウム系無機粒子の有機溶媒懸濁液から無機粒子の単粒子粉体を分離する工程、
から成ることを特徴とする水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法に関するものである。
本発明により例えば平均粒子径が1.0μm以下の単粒子に分散した高度に分散性に優れる炭酸カルシウムなどのカルシウム系無機粒子の単粒子粉体を経済的かつ効率的に製造することができる。
また、本発明の単粒子に分散した高度に分散性に優れる炭酸カルシウムなどのカルシウム系無機粒子の単粒子粉体は、各種基材、例えばゴム、樹脂、塗料、インキ等に対する分散性が優れているため、ゴム、樹脂、塗料、インキ等の製品の製造時に、充填や配合のために特別な分散機がいらず、製造に要するエネルギー消費量を大幅に低減させることができる。
更にまた、本発明の単粒子に分散した高度に分散性に優れる炭酸カルシウムなどのカルシウム系無機粒子の単粒子粉体は、各種基材に対する分散性が優れていることに起因して、これら基材を利用した体質改善、物性改善に優れた各種の製品を提供することができる。
以下、本発明の技術的構成及び実施態様について詳しく説明する。
本発明の水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法について、典型例としてカルシウム系無機粒子が炭酸カルシウム粒子であるケースを例にとり、以下、詳しく説明する。
本発明の水媒体中で合成した炭酸カルシウム粒子を単粒子粉体として取出す方法は、
1).水の存在する水酸化カルシウム水懸濁液(石灰乳)に炭酸ガスを導入して調製した合成炭酸カルシウム、例えば粒子径が1μm以下の合成炭酸カルシウムは、生成と同時に粒子の表面エネルギー等により凝集がはじまること、
2).炭酸カルシウムは難溶性物質ではあるが、その粒子表面に水があると微量のものが溶解するため、乾燥工程で水が無くなると前記溶解物が析出し、粒子間で結合剤の作用をなして凝集を促進すること、
3).前記した溶解、溶出は、合成炭酸カルシウムの生成と同時に媒体変換により、即ち、水媒体を有機媒体に変換することにより阻止することができ、従って粒子間の凝集を防止することができること、
という知見に基づいて完成されたものである。
本発明の前記(1)工程の炭酸カルシウムの水懸濁液の調製工程は、合成炭酸カルシウムの利用面からその平均粒子径が1μm以下の炭酸カルシウムが得られるようにすることが好ましい。しかし、本発明の(1)工程は前記平均粒子径のものを得るものに限定されない。
本発明の前記(2)工程の水媒体を有機溶媒(有機媒体)に置換する工程は、前記(1)工程による合成炭酸カルシウムの水懸濁液の調製後、炭酸カルシウムの生成と同時に粒子の表面エネルギー等による凝集が始まるため、前記(1)工程の直後に行うことが好ましい。
本発明において、水媒体を有機溶媒(有機媒体)に置換する方法は所望の態様で行えばよい。例えば透析または置換により行えばよい。
前記透析法としては、例えば合成炭酸カルシウムの水懸濁液をセロハンの透析チューブにいれ、メチルアルコール等の有機溶媒中で透析すればよい。この時、アルコールを数回交換して透析速度をあげたり、あるいはアルコール中に水を吸着あるいは脱水するオライトや活性炭などを添加し、置換効率を高めてもよい。
本発明において、前記有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、ペンタノン、エチルメチルケトン等のケトン類等を使用すればよい。
前記した有機溶媒として、炭酸カルシウムの合成等に使用されているものが使用できることはいうまでもない。
例えば、炭酸カルシウムの合成において有機溶媒を使用した例としては、特開平4−31315、特開平4−31316、と開閉4−31317、特開平4−292414、特開平5−155613、特開平5−294616などがある。これらは、生石灰あるいは水酸化カルシウムのメタノール懸濁液に水を添加し、炭酸ガスを導入して炭酸カルシウムを合成する方法で、生成する炭酸カルシウムは、球状、楕円球状、碁石状などの形状であり、平均粒子径は0.1〜2.0μmであり、結晶系はバテライトである。
また、炭酸カルシウムの分散媒として有機溶媒を使う方法としては、特開昭64−4239、特開昭64−4240にグリコールを分散媒として使用するものがある。なお、これらは炭酸カルシウム表面に予め他の有機物で表面処理をした炭酸カルシウムを用いている。
本発明の前記(3)工程の、単粒子に分散した炭酸カルシウム粉体の分離、回収は、所望に行えばよい。
本発明の水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法は、前記したカルシウム系無機粒子が炭酸カルシウムである場合に限定されない。本発明は、水媒体中で合成されるその他の無機粒子に広く適用することができるものである。以下、この種の他の無機粒子の例について説明する。
他の無機粒子の例としてリン酸カルシウムがある。
一般にリン酸カルシウム(非晶質リン酸カルシウム、アパタイト、リン酸三カルシウム等)の合成方法は、水溶性カルシウム塩溶液あるいは石灰乳と水溶性リン酸塩あるいはリン酸溶液とアンモニア溶液あるいはアルカリ金属水溶液を、例えばCa/P比が1.67〜1.0の条件で混合あるいは滴下して反応させる方法が採用されている。しかしながらこの種の合成方法において、低温で反応させると0.1μm以下のコロイド粒子が生成し、分離性に優れた粉体として取出すのが非常に困難である。
また、他の無機粒子の例として含水シリカがある。
一般に含水シリカの合成方法は、珪酸ナトリウム水溶液と鉱酸(硫酸等)、あるいは珪酸ナトリウム水溶液と塩類(塩化マグネシウム等)と反応させ珪酸塩類を生成し、次に鉱酸(硫酸等)あるいは炭酸ガスで分解する方法がある。更に、これらの方法において酸性側で反応させてゲル化させる方法とアルカリ側で直接沈殿させる方法がある。
一般的に非晶質の含水シリカの一次粒子は10〜50nmであるが、ぶどう状に凝集した二次粒子は1〜数百μmといわれている。含水シリカは、ゴムや樹脂の補強剤として使用されているが、ロール練やバンバリー等の強い剪断力を加えることにより部分的に一次粒子まで分散することができるが、完全に分散することは不可能に近いと言われている。
更に、その他の無機粉体としては、例えば、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどを例示することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
本発明は、前記したように高度に分散性に優れた炭酸カルシウムなどの無機粒子の単粉子粒体を経済的かつ効率的に製造することに最大の特徴点がある。以下、本発明の前記した特徴点を下記の式(1)で求めた分散度(%)により実証する。
分散度(%)=〔(BET測定より求めた比表面積)/(計算式より求めた比表面積)〕×100 ………………(1)
前記計算式より求めた比表面積は、下記の式(2)で求めたものである。
S=〔6/(ρ・D)〕 ………………(2)
前記式(2)において、Sは比表面積(m2/g)、ρは真比重、Dは粒子径(直径、μm)を示す。
なお、本発明は実施例のものに限定されないことはいうまでもないことである。
液温20℃の5%石灰乳400mlに攪拌速度600r.p.mで25容量%の炭酸ガスを1600ml/分で導入し炭酸化を終了させた。直ちに得られた炭酸カルシウム乳液50mlをセルロースチューブ(Wako製)に密封し、1000mlの99.8%のメチルアルコール液中に浸漬した。この時、水分吸収剤としてモレキュラシーブス(Wako製)200gを投入し攪拌を12時間行い、溶媒置換終了後セルロースチューブから乳液を濾過し、110℃で1晩乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、約3gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.04μm、BET法による比表面積は49.2m2/g 、分散度は88%であった。粉体の電子顕微鏡写真(倍率7000倍)を図1に示す。
液温20℃の5%石灰乳400mlに攪拌速度600r.p.mで25容量%の炭酸ガスを1600ml/分で導入し炭酸化を終了させた。直ちに得られた炭酸カルシウム乳液50mlをセルロースチューブに密封し、1000mlの99.5%のエチルアルコール液中に浸漬した。このエチルアルコールを3時間置きに2回交換し、3回目のエチルアルコール交換時に、水分吸収剤としてモレキュラシーブス100gを投入し攪拌を12時間行い、溶媒置換終了後セルロースチューブから乳液を濾過し、110℃で1晩乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、約3gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.04μm、BET法による比表面積は50.1m2/g 、分散度は90%であった。粉体の電子顕微鏡写真(倍率7000倍)を図2に示す。
液温15℃の6%石灰乳400mlに攪拌速度1000r.p.mで25容量%の炭酸ガスを600ml/分で導入し炭酸化を終了させた。直ちに得られた炭酸カルシウム乳液50mlをセルロースチューブに密封し、1000mlの99.8%のメチルアルコール液中に浸漬した。この時、水分吸収剤としてモレキュラシーブス200gを投入し攪拌を12時間行い、溶媒置換終了後セルロースチューブから乳液を濾過し、110℃で1晩乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、約4gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.1μm、BET法による比表面積は20.8m2/g、分散度は95%であった。
硝酸カルシウム四水和物47.23gを溶解した水溶液400mlを1000mlの容器に採り攪拌しながら、リン酸二水素アンモニウム15.85gを300mlに溶解した水溶液300mlとアンモニア水2.4mlを300mlに溶解した水溶液を、同時に滴下速度10ml/分で滴下した。この時の反応温度を10℃とし、滴下終了後12時間そのままの温度で攪拌続け、直ちに得られたリン酸カルシウム乳液100mlをセルロースチューブに密封し、1000mlの99.5%のエチルアルコール液中に浸漬した。このエチルアルコールを3時間置きに2回交換し、3回目のエチルアルコール交換時に、水分吸収剤としてモレキュラシーブス100gを投入し攪拌を12時間行い、溶媒置換終了後セルロースチューブから乳液を濾過し、80℃で1晩乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、約2gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.02μm、BET法による比表面積は99.7gm2/g 、分散度は90%であった。
塩化カルシウム二水和物44.11gを溶解した水溶液400mlを1000mlの容器に採り攪拌しながら、ヘキサメタリン酸ナトリウム18.35gを300mlに溶解した水溶液300mlと水酸化ナトリウム16.8gを300mlに溶解した水溶液を、同時に滴下速度10ml/分で滴下した。この時の反応温度を10℃とし、滴下終了後12時間そのままの温度で攪拌続けた。反応終了後直ちに得られたリン酸カルシウム乳液50mlをセルロースチューブに密封し、100mlの99.5%のエチルアルコール液中に浸漬した。このエチルアルコールを3時間置きに2回交換し、3回目のエチルアルコール交換時に、水分吸収剤としてモレキュラシーブス100gを投入し攪拌を12時間行い、溶媒置換終了後セルロースチューブから乳液を濾過し、80℃で1晩乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、約39gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.02μm、BET法による比表面積は95.4m2/g 、分散度は86%であった。
比較例1
炭酸カルシウム乳液を得るまでは実施例1と同様に行った。得られた炭酸カルシウム乳液を直ちに濾過し、110℃で1晩乾燥した。乾燥物を乳鉢で粉砕後、網の目100メッシュで篩い、23gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.04μm、BET法による比表面積は28.0m2/g 、分散度は51%であった。このものは実施例1のものと比較して、単分散性に劣るものであった。
比較例2
炭酸カルシウム乳液を得るまでは実施例3と同様に行った。得られた炭酸カルシウム乳液を直ちに濾過し、110℃で1晩乾燥した。乾燥物を乳鉢で粉砕後、網の目100メッシュで篩い、31gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.1μm、BET法による比表面積は15.3m2/g 、分散度は69%であった。このものは実施例3のものと比較して、単分散性に劣るものであった。
比較例3
硝酸カルシウム四水和物47.23gを溶解した水溶液400mlを1000mlの容器に採り攪拌しながら、リン酸二水素アンモニウム15.85gを300mlに溶解した水溶液300mlとアンモニア水2.4mlを300mlに溶解した水溶液を、同時に滴下速度10ml/分で滴下した。この時の反応温度を10℃とし、滴下終了後12時間そのままの温度で攪拌続け、得られたリン酸カルシウム乳液を直ちに濾過・水洗し80℃で24時間乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、19gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡観察による平均粒子径は約0.02μm、BET法による比表面積は55.5m2/g 、分散度は50%であった。このものは実施例4と比較して、単分散性に劣るものであった。
比較例4
塩化カルシウム二水和物44.11gを溶解した水溶液400mlを1000mlの容器に採り攪拌しながら、ヘキサメタリン酸ナトリウム18.35gを300mlに溶解した水溶液300mlと水酸化ナトリウム16.8gを300mlに溶解した水溶液を、同時に滴下速度10ml/分で滴下した。この時の反応温度を10℃とし、滴下終了後12時間そのままの温度で攪拌を続け、得られたリン酸カルシウム乳液を直ちに濾過・水洗し80℃で24時間乾燥した。乾燥物を網の目100メッシュで篩い、29gの乾燥粉体を得た。このようにして調製された粉体は、電子顕微鏡による平均粒子径は約0.02μm、BET法による比表面積は64.6m2/g 、分散度は58%であった。このものは実施例5と比較して、単分散性に劣るものであった。
本発明の実施例1で調製した高度に単粒子に分散した炭酸カルシウム粉体のEMS(走査型電子顕微鏡)写真(倍率7000倍)である。 本発明の実施例2で調製した高度に単粒子に分散した炭酸カルシウム粉体のEMS(走査型電子顕微鏡)写真(倍率7000倍)である。

Claims (4)

  1. 媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法が、
    (1).水媒体中カルシウム系無機粒子の水懸濁液を調製する工程、
    (2).前記水媒体中カルシウム系無機粒子の水懸濁液を調製する工程の後、カルシウム系無機粒子の一部が水媒体に溶解(溶出)し、これが単分子状に合成したカルシウム系無機粒子の間で結合的に作用し、粒子の凝集(肥大化)を招かないように直ちに水媒体を有機溶媒に置換する工程、
    (3).前記(2)工程により得られるカルシウム系無機粒子の有機溶媒懸濁液からカルシウム系無機粒子の単粒子粉体を分離する工程、
    から成ることを特徴とする水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法。
  2. (1)工程が、粒径が1μm以下の炭酸カルシウム、または、リン酸カルシウムのカルシウム系無機粒子の水懸濁液を調製するものである請求項1に記載の水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法。
  3. (2)工程の水媒体を有機溶媒に置換する工程が、透析または置換によるものである請求項1に記載の水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法。
  4. (2)工程の有機溶媒が、アルコール類またはケトン類である請求項1に記載の水媒体中で合成したカルシウム系無機粒子を単粒子粉体として取出す方法。
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