JP4439214B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは箱形にして前面を開口させる本体枠(筺体)の内部に複数の(通常3個の)回転ドラムを横一列に連装したドラムユニットと、「当り」に備えてメダルを貯留するメダル払出し装置とを格納し、上記前面の開口部を前扉で被うようにしてある。
そして、前扉に開設する透視窓を通して前記回転ドラムの前面部周面を覗くようにして複数の回転ドラムの周面に表わす図柄の一致に伴う「当り」を確認する一方、この前扉の前面部には上記回転ドラムの始動のためのレバーや、回転を停止させるボタン等遊技を開始し進行させ、操作するための各種の操作手段が設置される。
【0003】
その一方、前扉の前記回転ドラムを覗く窓の周囲には予め設定される遊技方法や遊技の進行状況、遊技の成立等を表示する表示ランプ等の表示手段が回転ドラムの図柄の確認に併せて視認できるように設けられている。一般にこれらの表示手段は前記窓に嵌め付ける透明板の設置と同じように個々の表示ランプ等を窓の周囲に一体的に設け、前扉の一部としており、これらを前扉の前面に配置することによって前扉の外観、つまりスロットマシン固有の意匠が形ち作られている。
【0004】
勿論、上記表示手段は遊技方法や進行状況の表示、「当り」の表示など機能的な面についてだけ利用されているものではなく、遊技の楽しさを演出するため表示ランプ等についてデザインされ、配置に工夫が施されている。更には演出を盛り上げる照明用ランプ類を組入れたり、或いは回転ドラムに表わす図柄に合せた装飾を施したりして遊技の内容に合せた意匠表現が行われている。
従って、スロットマシンにおける前記回転ドラムと、この回転ドラムに関連させた表示手段、装飾を施した前扉とは一体のものとなり、不可分の状態におかれている。
【0005】
しかし、知られる様にスロットマシンは長期に亘って使用されると、変化を求める遊技者から飽きられることから、遊技内容を変えたり、デザインを変えた新らたな機種に入れ替える必要が生じる。
スロットマシンの入れ替えは遊技者の嗜好、興味に対応させる上で効果的であり、遊技者を惹きつける上で確実性が高いが、スロットマシンをそっくり入れ替えることは経済的負担が高く、これを定期的に実施することは容易なことではない。
【0006】
そこで、この問題を解決する方法として、スロットマシンの中枢部でもある回転ドラム(回転リールを含む。)と、この回転ドラムを電気的に制御する遊技制御装置、及び回転ドラムに表示される図柄の予め定められた組合に併せて当り状態を表示する表示手段や遊技を演出する演出手段など表示並びに装飾を施す表示装置をユニット化してこれをスロットマシンの本体を構成する筺体と前扉に対して独立して着脱交換可能に収め、機種を変更する場合にこのユニットを交換する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0007】
また、このユニット化を更に進めて回転ドラムとこれを制御する制御装置を一体化する一方、遊技を演出する演出装置を別にしてこの両者を個別に交換可能とし、機種の変更を行うようにしたスロットマシンが提案されている(例えば特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】
特許第3126812号公報 第1頁左欄の特許請求の範囲の項、同第2頁右欄の第30行目〜第3頁左欄の第15行目、及び図面の図1、図2。
【特許文献2】
特開2003−10384公開特許公報 第2頁左欄の特許請求の範囲の項、第3頁左欄段落0008及び0009、図面の図1、図2、図4、図5、図6。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記回転ドラムを中心としたユニット化によりスロットマシンの中枢機構部分を筺体と前扉からなる本体部から取り外し自由にして他のものと交換し、この交換を通して機種の変更を行う方法は、スロットマシン全体を交換し機種を変えるそれまでの方法に比較して遥かに経済的である。しかも交換における作業時間も短時間で済ますことができ、また多くの部分をそのまゝ再利用できることから廃棄処分の問題も少なく極めて有効な手段となっている。
【0010】
しかし、上記従来方式は機種の変更を中心に見た場合、当初の効果を挙げることができるが、この機種の変更に併せてその変更に伴う外観、つまりその機種に対応させて施される装飾、固有の意匠等についての変更については不充分であり、ときには実質的に機種の変更がされているにもかゝわらず、遊技者に伝わらないことがある。
機種の変更は遊技内容が変わることであり、これが遊技者に新鮮味を与え興趣をそゝるものとなるが、この変更はスロットマシンに現れる外観、意匠によって一層明確なものとなる。
【0011】
本発明はこの様な事情に鑑み開発されたものであり、スロットマシン本体枠に対して回転ドラム及びこの回転ドラムの制御を含む遊技制御装置を備える回転ドラムユニットの交換により機種の変更を実現することに併せて、この回転ドラムユニットに設定される固有の遊技内容を表現する表示枠体をスロットマシンの本体部、特に前扉に対して無関係に取り替えられるようにして簡便に機種の変更に併せた表示、装飾等の意匠的変更が行えるようにしたスロットマシンを提供しようとするものである。
【0012】
また、本発明は前記表示枠体に前記回転ドラムの前面側周面を覗く窓を開設すると同時に、遊技を演出する副表示手段たる液晶表示器等からなる副表示装置の画面を覗く窓を併せて開設し、本体枠内部に収められる前記回転ドラムユニット並びに前記副表示装置の全体を被い隠す大きさにして、その前面部に施す表示乃至装飾を該表示枠体の交換によって全て入れ替え、意匠の変更ができるようにしたスロットマシンを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、スロットマシンの本体枠内部には回転ドラムを主体とするドラムユニットを出入れ自由に格納すると共に、このドラムユニットとは別体をなす副表示装置たる画像表示装置を同じく出入れ自由に格納して併設し、これら両者を前記ドラムユニットの前部に立上り状に備える表示枠体で被う一方、該表示枠体に開設する主,従の窓開口部にそれぞれ臨ませて前記本体枠の前面を塞ぐ前扉に開設する透視窓を通してこれらを視認可能にしたことにある。
【0014】
これによってドラムユニットに併設する副表示手段となる画像表示装置を含む全体を表示枠体で被い隠すと同時に、前扉の透視窓に対してこの表示枠体の前面側の表示部の全面を露出させることから、この表示部に施す表示手段,装飾手段をスロットマシンの中心の表示及び装飾手段とすることができ、遊技者に対し最も印象深い存在とすることができる。
そして、本発明においてはこの表示枠体を単独に、又はドラムユニットと共に取り外し交換することを可能とすることにより、この一部の変更によってスロットマシンの意匠外観を変更し、機種の入れ替えに匹敵する変更を可能としたことにある。
【0015】
更に、本発明の特徴とするところを詳述すれば、本発明は回転ドラムを連装するドラムユニットとメダルの払出し装置とを格納する本体枠の前面開口部を前扉により塞ぎ、該前扉に開設する透視窓を通して前記回転ドラムの周面を覗く一方、前記前扉の前面部に備える操作手段の操作により遊技するようにしたスロットマシンにおいて、前記ドラムユニットは前記本体枠の内部に付設する支持レールを介して出入れ自由に格納する一方、該ドラムユニットには前記回転ドラムの前部に前面側に表示部を備える表示パネルとこれを照明するランプを収めるランプケースとを有してなる表示枠体を着脱自由に立設し、該表示枠体を前記ドラムユニットに対して交換可能に取付けると同時に、前記前扉の前記透視窓に背後から対面させて該表示枠体に開設する主窓開口部に前記回転ドラムの周面を臨ませ、その一方、前記本体枠の内部には前記ドラムユニットとは別体をなす副表示装置を格納し、該副表示装置の画面を前記表示枠体の前記主窓開口部に隣接して開設する従窓開口部に臨ませ、前記表示枠体の前記表示パネルの表示部内に前記回転ドラムの周面と共に該副表示装置の画面を併設表示し、当該回転ドラムの周面と副表示装置の画面とを前記前扉の透視窓を通して同時に視認できるようにしてなることを特徴としたスロットマシンを提供することにある。
【0016】
また本発明は、前記ドラムユニットを支持する支持レールは、本体枠の両側板に向い合せにして前後方向に付設する2本のレールから構成し、一方ドラムユニットは両側部に滑合体を備えて左右の各滑合体を前記左右の支持レールに滑合させ前後方向に移動自由となるよう支持してなることを特徴としたスロットマシンを提供することにある。
【0017】
また本発明は、前記本体枠の両側板若しくは上面板の各内側面のいずれかに前後方向に向けて第2の支持レールを付設し、他方副表示装置には該第2の支持レールに滑合する滑合部を形成して滑合組合せ、該副表示装置を本体枠内部に格納すると共に、前記第2の支持レールを案内に出入れ自由に格納してなることを特徴としたスロットマシンを提供することにある。
【0018】
また本発明は、前記第2の支持レールは並行する2条のレールとし、他方副表示装置には前記2条のレールにそれぞれ滑合する一対の滑合部を設けてなることを特徴としたスロットマシンを提供することにある。
【0019】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
次に、本発明を添付する図面に示す実施例に基づき説明することにする。図1から図8は本発明に係るスロットマシンの第1の実施例である。
図1は斜視図であり、図2は正面図、図3は前扉を取り除いた正面図で、図4は前扉を取り除くと共にドラムユニットの一部を欠截した正面図である。
【0020】
図面の符号1は、箱形に形成したスロットマシンの本体となる本体枠であり、2は本体枠の前面の開口部3を閉ざす前扉である。
本体枠1は内部に3個の回転ドラム4a,4b,4cを横列に連装するドラムユニット5と、「当り」に合せて放出するメダルを貯留するメダル払出し装置6とを上下の空間に格納し、ドラムユニット5は後述するように前面の前記開口部3を通して出し入れ自由となるように収めてある。
【0021】
前扉2は本体枠1の開口部3の全体を被い隠せる大きさの矩形の枠体に形成してあり、一側縁を本体枠1の開口部3の一側縁に添わせ、上下の2箇所をヒンジ装置7,7によって連結し、このヒンジ装置を支点にして開閉自由に蝶着してある。
この前扉2は上半部分を周囲の枠部分8を残して大きく開口させ透視窓9を開設し、この窓を通して後述するように前記ドラムユニット5の前面が覗けるようにしてあり、窓9にはガラス等の透明板10が嵌め殺しの状態で嵌め付けてあり塞いである。
【0022】
また、この前扉2の下半部分はゲームを設定し、或は進行させるための各種の操作手段を備える操作台11と、機種名やゲーム内容に関連するキャラクター名称、或いは図模様を表わす表示パネル12と、放出されるメダルを受ける受皿13等が上中下段に分散配置してある。
【0023】
操作台11は前方に突き出す横長の台として形成してあり、その上面の左端にはメダルの投入数を1個、2個、3個と設定する投入個数設定ボタン14が3個一列に配置してあり、右端にはゲームを始めるに当って投入するメダルの投入口15が設けてある。
また、この操作台11の前面部には、左端側からスタートレバー16、3個の回転ドラムを個別に停止させるストップボタン17a,17b,17c、クレジットモードの設定ボタン18、詰りメダルの解除ボタン19が横一列に配置され、右端にはこの前扉2を施錠し、解錠するための錠穴20が設けてある。
【0024】
図中21は、メダル払い出し装置6から放出されるメダルを受皿13に送る放出口であり、22は前扉2の上縁部前面に設けた表示用のランプケースである。
前扉2に開設される前記透視窓9は左右の枠部分8と上部の枠部分に当る前記ランプケース22に囲まれる広い範囲を開放することによって形成してあり、扉が閉塞されたとき、この窓9を透して本体枠1の内部に格納される前記ドラムユニット5の前面部分の全体が覗ける大きさとなっている。
【0025】
図5乃至図8は本体枠1の内部に収まるドラムユニット5と、メダル払出し装置6の関係及びドラムユニット5並びに副表示装置である画像表示器23の構造を詳述したものであり、次にこれらの図面に従って説明することにする。
【0026】
ドラムユニット5はベースとなる基板24の上に門形のフレーム25を立ち上げて、この間に前記3個の回転ドラム4a,4b,4cを横一列に並べ図示しない支軸を介して回転自由に軸承させてある。そして、各回転ドラムは個々に独立して回転し、且つ回転を停止させるステッピングモータを内蔵し、前記したスタートレバー16を操作したとき一斉に回転を開始し、ストップボタン17a,17b,17cの個別の操作によって次々と停止できるようにしてある。
【0027】
前記基板24上には前記回転ドラムを被うように支持枠26が組んである。この矩形に形成した上部枠部分26aには横長のケースに収めた遊技制御基板27が取付けてある。
この支持枠26は上記制御基板27を固定するための外、回転ドラムの前面を被う表示枠体28を支持するために設けられているもので、前面側の上縁部左右と、下端部左右にはこの表示枠体28を支持するための係止爪29と受爪30を上下向い合せに備えている。
【0028】
前記表示枠体28につき更に詳述すると、この表示枠体は照明或いは表示するためのランプを収めるプラスチック製のランプケース31と、このランプケースの前面に張り付ける同じくプラスチック製の表示パネル32から構成してあり、ランプケース31は浅い奥行きをもった矩形の箱形に形成して内部を複数に仕切って多数のランプ収納室を形成し、その中心部分に3個の回転ドラム4a,4b,4cの前面部分を覗くことができる空部33を設けている。
上記ランプ収納室は次に説明する表示パネル32に各形成する表示部にそれぞれ対応させてあり、収めるランプの点灯によって各表示部を照らすことができるようにしてある。
【0029】
表示パネル32はプラスチックの透明板から構成して周縁部分を着色して不透明とし、中央部分に前記ランプケースの空部33に合せた透明部を設けて主窓開口部34を形成している。そして、この実施例では主窓開口部34の右隣りに並べてこれより小型の従窓開口部35を設け、前記副表示装置である画像表示器23の画面が覗けるようにしてある。
【0030】
上記表示パネル32には装飾用の図柄36を配すると共に、前記主窓開口部34の上方にクレジットメダル数を表示する表示部37、大当たりラウンド表示部38、メダル払出し数表示部39を左から順次配置し、主窓開口部34の左側には縦列に遊技状態報知部40‥‥を設け、更に左右の縁に沿って5本の当りライン41‥‥の選択を表示するライン表示部42‥‥,43‥‥を、そして下縁に沿っては3個の回転ドラムの回転状態を表示する表示部44‥‥を設けている。
尚、当りライン41は図2,3に示したように主窓開口部34を渡って上下に並行する3本と、交錯する2本のラインからなり、回転ドラムの定められた図柄がこのライン上で揃ったとき予め定められた当り状態が実現することになる。このことはこの種スロットマシンにおけるものと同じである。
【0031】
前記ランプケース31に形成する多数のランプ収納室45‥‥は前記表示パネル32に形成する各表示部に対応するものであり、その内部にはそれぞれランプ46‥‥が収められ、前記遊技制御基板27からの指示を受けて点灯或は点滅して積極表示することになる。
【0032】
表示パネル32はランプケース31の前面側の上下の縁に沿って向い合せに突設する係合受片47,48に上下の縁を係合させることによって組合せられる。
この組合せは図6に示したようにランプケース31の右方の端から図中2点鎖線で示すように表示パネル32の左端縁を臨ませ差し込むようにして行われ、パネルの左端がランプケースの左端に衝合したとき組立が完了し、これによって表示パネル32に設けた前記表示部とランプケース31の各ランプ収納室45‥‥とが一致することになる。
【0033】
この表示パネル32の差し込みによる両者の組合せは、必要に応じて交換を簡単に行うための配慮によるものであり、後述するようにスロットマシンの模様替えをする際、他の表示パネルと差し替えて簡単に模様替えを行うことができるものとなる。
尚、ランプケース31の右辺部の切欠部49は画像表示器23を受け入れるための空部であり、表示パネル32が組付けられたときこの切欠部49の前面に従窓開口部35が位置し、画面を覗かせることになる。
【0034】
前記ランプケース31に表示パネル32を組付けることによって完成される表示枠体28は支持枠26の前面に添わせ、ランプケース31の下辺部を前記受爪30,30に乗せたのち、上辺部を後方に押付け、前記係止爪29,29を一旦押上げて係止させることによりドラムユニット5に組付けられる。
この受爪30と係止爪29による表示枠体28の止め付けは、ドラムユニット5に対する取付けと取り外しを容易にして交換作業を迅速且つ簡便に行うための手法であって模様替えに対応させたものとなっている。
【0035】
さて、表示枠体28を取付けたドラムユニット5は本体枠1に対して支持レール50,51を介して出入れ自由に装着される。
上記2本の支持レール50,51は本体枠1の左右の側板52,53の内面に向かい合わせに止着して水平に取付けてあり、ドラムユニット5の基板24の左右に備える滑合体たるローラ54,55を受け止め支持するようにしてある。
この支持レール50,51はローラ54,55の外れを防止するためそれぞれ内側の縁に沿って突片50a,51aを立ち上げ、レールに沿ってローラを前後に移動する際、或は格納時にドラムユニット5が落下するのを防止する。
【0036】
一方、前記画像表示器23はドラムユニット5とは別に本体枠1の上部空間に出入れ自由に取付けるようにしてある。
この実施例では前記右方の支持レール51の取付片部を上方に延長させて、この延長部分51bに上下並行する第2の支持レール56,57を付設し、画像表示器の右壁面に備える滑合部たる板58の上縁と下縁をそれぞれ滑合させて支持するようにしてある。
【0037】
上記第2の支持レール56,57は断面L字形にして溝を設け、この溝を向い合せにしてあり、この溝に前記滑合部の板58の上縁と下縁を嵌め入れ前後方向に摺動自由にして画像表示器23を取外し自由にしてある。そして、取付け格納した状態においては前記ドラムユニット5の右辺部に設ける切欠部49に収まると共に、前面の画面を表示枠体28の表示パネル32に開設する前記従窓開口部35に臨ませることができるようになっている。
【0038】
尚、ここで前記画像表示器23の第2の支持レール56,57をドラムユニット5を支える支持レール51に一体に併設する構造にしたことから、このドラムユニット5と画像表示器23を設置したとき、回転ドラム4a,4b,4cと画像表示器の画面との位置併せが容易になり表示枠体28に形成する主,従の窓開口部34,35に対して容易に且つ正確に臨ませることができる。
【0039】
図中59はドラムユニット5の基板24上に載置した副表示装置たる前記画像表示器23の制御回路基板を収納する基板ケースで、60はこの制御回路基板と画像表示器とを接離自由に接続するコネクタである。
また、61は電源基板を格納するケースであり、62は電源基板と前記各制御回路基板、ドラムユニット内のステッピングモータ、メダル払出し装置等とを接続するコードである。
【0040】
本発明のスロットマシンは上述の様に構成されるもので、ドラムユニット5は本体枠1に対してその前面の前扉2を開放した状態で持ち込み、左右のローラ54,55を支持レール50,51に滑合させ、これを案内に押込むことで格納することになる。
上記格納時のドラムユニット5の前後の移動は、ローラの回転を適宜の方法で止めればよく、例えばレールとの間に小片を噛ませる等して止め移動を拘束することができる。
【0041】
このドラムユニット5の格納についてはその作業に先立って第2の支持レール55,56を使って副表示装置たる画像表示器23を本体枠1内に格納しておくことになる(図5参照)。次に、ドラムユニット5の格納によってその前面の表示枠体28の表示パネル32に形成する従窓開口部35をこの画像表示器23の画面に合せ、これを前面に向けて露出させることになる。
【0042】
この格納作業ののち、前扉2を閉じ、この扉の自由端縁側背面部の上下に備える係止片63,63を本体枠の右側板内面に供える係止部64,64に掛け止めてロックする。尚、このロックの解除は前述したように錠穴20に対する解錠操作によって行うことになる。
【0043】
閉塞された前扉2は、上部の略全面に亘って開口し形成される透視窓9をドラムユニット前面の表示枠体28に臨ませることになり、この表示パネル32の前面の表示部を透明板10を通して露出させることになる。そして、これに形成する飾り図柄36を始めとして主,従の窓開口部34,35、そして各表示部37〜43を前扉2の閉塞と共にその前面部分の一部として組み込み、一体的に外観させることになる。
勿論、このため表示枠体28の表示パネル32は広く開放する前記透視窓9の開口面積よりやゝ広い大きさに形成して両者間の空隙を埋め、本体枠1の内部が直接覗かれないようにすることは言うまでもない。その一方、主窓開口部34を通して回転ドラム4a,4b,4cの前面部分を、そして従窓開口部35を通して画像表示器23の画面を覗かせることになる。
【0044】
この様に、本発明スロットマシンは前扉2に広く開設した透視窓9にドラムユニット5の前面を被うように備える表示枠体28を背後から臨ませ露出させると同時に、この表示枠体の表示パネル32に主,従の窓開口部34,35を隣接して設け、ドラムユニットの回転ドラム4a,4b,4cと、画像表示器23の画面を両窓開口部を通して前面に露出させる構造としたことから、回転ドラムと画像表示器を表示パネル32内において一体に現わすことができるものとなる。このため、例えば3個の回転ドラム4a,4b,4cにそれぞれ表わし、組合せを楽しむ図柄を、更に前記画像表示器23の画面にも表わすことで4個の組合せを楽しむことも可能となる(図3,4を参照)。
【0045】
またこのとき、主,従の窓開口部34,35は一つの表示パネル内にあって纏められると共に、この表示パネル32の表面部は一つであって統一した図柄,模様を表わす特定の意匠とすることができるため看る者をして強い印象を与えることが可能となる。
従って、遊技内容(仕様)の変更を伴うドラムユニット5の交換の際、実質的な機種の変更と共に、この機種をイメージする表示枠体28をそっくり入れ替えることができるため極めて効果的な模様替えを実行することができることになる。
【0046】
また、このドラムユニット5の交換による表示枠体28の入れ替えの外に、表示枠体28はドラムユニット5に対して着脱自由に取付く構造としたことからこの表示枠体28をドラムユニット5とは切り離して単独で交換し、スロットマシンの模様替えを行うことも可能である。
【0047】
更に上記表示枠体28はランプケース31に対して表示部を含む装飾部となる表示パネル32を着脱自由に組付ける構造に係ることからこの表示パネルを単独に交換し模様替えを行うことも可能である。
【0048】
また更に本発明においてはドラムユニット5と組にして使用することが可能になっている副表示装置たる画像表示器23を本体枠1に対して第2のレールを介して着脱自由に取付けることから、ドラムユニット5をそのまゝにして他の画像表示器23と交換し、表現内容を変更して演出効果を変えることも可能になっている。
【0049】
本発明は、遊技仕様を具体的に表わし、特定の機種を特徴付けるドラムユニット5の交換による機種の変更操作に加えて、この機種の特徴を表現し、遊技者に記憶させる表示枠体28、画像表示器23、更には表示パネル32を単独に、又個別に交換できることから様々な組合せを通して多様な意匠的変更を簡単に、且つ的確に実行できるものとなっているのである。
【0050】
【実施例2】
図面の図9〜図15は本発明に係るスロットマシンの第2の実施例を表わしたものである。この実施例は前記第1の実施例がドラムユニット5に対して画像表示器23が右隣りに位置する場合であるのに対して上方に位置させた場合を示すものである。
図9は斜視図であり、図10は前扉を外した状態における正面図、図11はドラムユニットの前面部に備える表示枠体を取り除いた状態の正面図、図12は分解斜視図で、図13はドラムユニットと表示枠体を分解した斜視図である。尚、これらの図面において前記第1の実施例と同一の部所については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
この実施例と第1の実施例の相違する点は、前述の通り画像表示器70が第2の支持レール71,72を介して本体枠1の上面板73の下面に取付けられることであり、この取付位置の変更に伴ってドラムユニット5に形成するフレーム26に画像表示器70を受け入れる切欠部74が上部中央部に形成されることである。そして、上記切欠部74の位置変更に伴って表示枠体28を構成するランプケース31と表示パネル32の組合せ構造に変更が加えられたことが主なる相違点である。以下、その他の付随して変更された箇所と共に図面に基づいて詳述することにする。
【0052】
画像表示器70は言うまでもなく副表示装置であり、ここでは横長の箱形に形成して上面板75の両側端を左右に突出させ滑合部76,77を形成し、これをレール71,72に滑合させるようにしてある。
第2のレール71,72は矩形の金属板の左右両側端をコ字形に折り返して向い合う溝形に形成したもので、側方に突き出す前記滑合部76,77を受け入れ、その長さ方向、つまり本体枠1に対して前後方向に摺動自由となるように滑合し、吊設した状態で支持するようになっている。
【0053】
尚、前記第2の支持レール71,72を形成する金属板は左端を本体枠の左側板52に当接するようにして上面板73に固定し、他方ドラムユニット5の左側の支持レール50を同じく左側板52に接して固定して、両者の位置関係を定め、これによってドラムユニット5と画像表示器70との位置関係が自動的に定まり、表示枠体28のそれぞれの窓開口部34,35に臨むようにしてある。
【0054】
ドラムユニット5の支持フレーム26は基板24から立ち上り、前面部に表示枠体28を支えるようにしてあり、上面中央部に形成される切欠部74は前後方向に抜けると共に、前記吊設状態で支持される画像表示器70を受け入れる縦と横の幅をもって形成してある。
【0055】
表示枠体28は前記実施例と同様にランプケース31と表示パネル32から構成してあり、ランプケース31には画像表示器70を受け入れる切欠部78が、また表示パネル32には画像表示器70の画面を臨ませる従窓開口部79が中央部に設けられる主窓開口部34の上方に位置するように設けてある。
【0056】
ランプケース31の前面側の左右の縁と下縁には内向きの溝になる係合受片80,81が設けられ、上方から落し込む表示パネル31の縁をそれぞれに嵌め入れて一つに結合するようにしてある。
図13はこの結合を説明するため分解して示したもので、図12は表示枠体28の組立を完了したのちドラムユニット5に組付けた状態を示している。
【0057】
表示枠体28は支持フレーム26の前面部に設ける受爪30に掛け止めたのち上縁部を係止爪29に押付けることによって着脱自由に係止し、ドラムユニット5に組付けられる。この組付けの方法は第1の実施例の場合と同じである。
表示枠体28を取付けたドラムユニットは前扉2を開放した本体枠1に前方から持ち込み、左右の支持レール50,51をガイドにして押し入れ格納することになる。
尚、この実施例における右方の支持レール51は、前記第1の実施例と異なり、第2の支持レールを別にして単独のものとしていることから左方の支持レール50と同一構造のものを使用している。
【0058】
ドラムユニット5の格納に先立って上面板73の下面に止着した第2の支持レール71,72に滑合部76,77を滑合させて画像表示器70を吊設状に装着し、格納しておくことは前記第1の実施例とおなじである。ドラムユニット5の格納に合せてその画面を表示パネル31に設ける従窓開口部79に臨ませ、前方に露出させると共に、主窓開口部34に臨む回転ドラム4a,4b,4cの上に位置させて併設することになる。
【0059】
上記画像表示器70は図10,11に示したように、ここでは画面を横長に形成したことと、主窓開口部34の直上に位置させたことによって画面を縦割りに3コマに分割し、それぞれ回転ドラム4a,4b,4cに各対応させるようにしてこの画面に「当り」となる図柄の組合せを表示するなど遊技者に目標を与える演出が表現される。
【0060】
尚、図面において、82は回転ドラムを中心とした遊技を操作するための遊技制御回路基板を内蔵するケースで、83は画像表示器70に表示する画像を制御する演出用の制御回路基板を内蔵するケースである。
【0061】
上記説明の通り第2の実施例は、副表示装置である画像表示器70をドラムユニット5の側方部から上方部に移したことにより表示枠体28の表示パネル32の窓開口部の位置が異なること、またこれに伴って画面自体の形状も横長となり、表現される内容が異なることから第1の実施例とは外観的に異なる印象を与えるものとなるが、本体枠1に対してドラムユニット5を出入れ自由に格納し、またドラムユニット5に表示枠体28を着脱交換自由に取付けるようにしたこと、そして表示枠体28のランプケース31に対して表示パネル32を着脱自由にして交換を可能にした点において共通し、また本体枠1に対して画像表示器70を着脱自由にして交換を可能にした点について共通しており、前記両実施例は主要な部分において共通したものとなっている。
【0062】
本発明は以上の説明の通り、本体枠に対して機種を決定するドラムユニット5の交換を可能にして本体枠をそのまゝにして機種の変更を行うことができる一方、このドラムユニット5に対して表示枠体28の交換を可能にしたことから、ドラムユニットを交換することなくこの表示枠体の入れ替えを通して機種を視覚的に特徴付け、印象付ける部分を交換し効果的に模様替えすることができることになる。
そして、上記表示枠体はランプケースに対して表示パネルを単独で取外すことができることから更に容易に模様替えの作業を行うことができるものとなっている。
【0063】
この表示枠体、更には表示枠体前面に設ける表示パネルの交換によるスロットマシンの模様替えは、表示パネルを含む表示枠体28に機種を特定するドラムユニット5に備える回転ドラムの周面と、副表示装置となる主として演出用の画像表示器23(又は70)の画面を表わす主,従の窓開口部34,35を併設して収めたことにより一層効果的に行われるものとなっている。
【0064】
即ち、ドラムユニットの回転ドラムと画像表示器の画面が表示枠体の中に揃って現れることから表示枠体の前面表示部、つまり表示パネルの前面部には主,従の窓開口部と各表示部を含む全体について統一した装飾表現が可能となり、これにより強い印象をもった表現手段とすることができるため、有効な模様替えを実行することができる。
【0065】
また、表示枠体は主,従2つの窓開口部を備えてドラムユニットと画像表示器の両者を被う広さをもつことから従来前扉に表わしていた模様、装飾をこの表示枠体に移して表わすことが可能であり、従って前扉に変更を加えることなく表示枠体単独の、或はドラムユニットと共に交換することによって新しい外観のスロットマシンに変化させることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明によれば前扉とは別体のドラムユニットに備える表示枠体に回転ドラムを覗く主窓開口部と副表示装置を覗く従窓開口部を併設し、一つの表示枠体内に収めたことから回転ドラムに表わす図柄、遊技の設定、進行を表示する各種の表示部及び副表示装置に表わす画像について表示枠体の前面に関連した内容でデザインすることができ、特徴付けられるため前扉を全く変更することなくこの表示枠体の交換によって効果的に模様替えが行える。
【0067】
また、表示枠体若しくは表示パネルの単独の交換によって実行することができるため容易に且つ迅速に作業ができると共に、これらの部分を除くその他の大部分を再使用するため廃棄処分等の問題が少なく極めて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスロットマシンの斜視図。
【図2】スロットマシンの正面図。
【図3】 本体枠から前扉を除いた正面図。
【図4】 図3においてドラムユニット前面の表示枠体を除いた正面図。
【図5】前扉を開放し本体枠内部からドラムユニットを取り出した状態を示す分解斜視図。
【図6】 ドラムユニットから表示枠体を外すと共に表示枠体をランプケースと表示パネルに分解した状態を示す斜視図。
【図7】 一部断面としたドラムユニットの格納状態を説明する平面図。
【図8】図7の分解平面図。
【図9】 第2の実施例におけるスロットマシンの斜視図。
【図10】本体枠内部の格納状態を説明するため前扉を取り除いた正面図。
【図11】図10におけるドラムユニット前面の表示枠体を取り除いた状態における正面図。
【図12】 前扉を開放すると共に本体枠内部からドラムユニットを取り出した状態を示す斜視図。
【図13】ドラムユニットから表示枠体を外すと共に表示枠体をランプケースと表示パネルに分解した状態を示す斜視図。
【図14】スロットマシンの右側に片寄った位置で断面とした縦断右側面図。
【図15】図14の分解右側面図である。
【符号の説明】
1 本体枠
2 前扉
3 本体枠の開口部
4a,4b,4c 回転ドラム
5 ドラムユニット
6 メダル払出し装置
9 前扉に形成した透視窓
10 透明板
11 操作台
23,70 副表示装置たる画像表示器
28 表示枠体
31 ランプケース
32 表示パネル
33 ランプケースに形成した窓
34 主窓開口部
35 従窓開口部
37,38,39 表示部
41 表示ライン
49,74 切欠部
50,51 支持レール
54,55 ローラ
56,57,71,72 第2の支持レール
Claims (5)
- 回転ドラムを連装するドラムユニットとメダルの払出し装置とを格納する本体枠の前面開口部を前扉により塞ぎ、該前扉に開設する透視窓を通して前記回転ドラムの周面を覗く一方、前記前扉の前面部に備える操作手段の操作により遊技するようにしたスロットマシンにおいて、
前記ドラムユニットは前記本体枠の内部に付設する支持レールを介して出入れ自由に格納する一方、該ドラムユニットには前記回転ドラムの前部に前面側に表示部を備える表示パネルとこれを照明するランプを収めるランプケースとを有してなる表示枠体を着脱自由に立設し、該表示枠体を前記ドラムユニットに対して交換可能に取付けると同時に、前記前扉の前記透視窓に背後から対面させて該表示枠体に開設する主窓開口部に前記回転ドラムの周面を臨ませ、その一方、前記本体枠の内部には前記ドラムユニットとは別体をなす副表示装置を格納し、該副表示装置の画面を前記表示枠体の前記主窓開口部に隣接して開設する従窓開口部に臨ませ、前記表示枠体の前記表示パネルの表示部内に前記回転ドラムの周面と共に該副表示装置の画面を併設表示し、当該回転ドラムの周面と副表示装置の画面とを前記前扉の透視窓を通して同時に視認できるようにしてなることを特徴としたスロットマシン。 - 請求項1に記載のスロットマシンにおいて、ドラムユニットを支持する支持レールは本体枠の両側板に向い合わせにして前後方向に付設する2本のレールから構成し、一方前記ドラムユニットは両側部に滑合体を備えて左右の各滑合体を前記左右の支持レールに滑合させ前後方向に移動自由となるよう支持してなることを特徴としたスロットマシン。
- 請求項1に記載のスロットマシンにおいて、本体枠の両側板若しくは上面板の各内側面のいずれかに前後方向に向けて第2の支持レールを付設し、他方副表示装置には該第2の支持レールに滑合する滑合部を形成して滑合組合せ、該副表示装置を本体枠内部に格納すると共に、前記第2の支持レールを案内に出入れ自由に格納してなることを特徴としたスロットマシン。
- 請求項3に記載のスロットマシンにおいて、第2の支持レールは並行する2条のレールとし、他方副表示装置には前記2条のレールにそれぞれ滑合する一対の滑合部を設けてなることを特徴としたスロットマシン。
- 請求項1又は3又は4に記載のスロットマシンにおいて、副表示装置は画像表示装置であることを特徴としたスロットマシン。
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