JP4437714B2 - 車線認識画像処理装置 - Google Patents
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Description
この種の画像フィルタは、濃淡画像を対象として、周辺よりも明るく且つ一定の幅以下の領域を、レーンマーキングとして抽出することにより、比較的簡単な回路で構成されている。
図1はこの発明の実施の形態1に係る車線認識画像処理装置を示すブロック図であり、各構成要素を処理手順に対応させて示している。
また、図2はこの発明の実施の形態1に係る車線認識画像処理装置を搭載した車両2を示す外観図である。
図2において、撮影手段を構成するカメラ1は、車両2の前方上部に設置されており、車両2の前方を撮影するようになっている。
候補点抽出手段104は、カーネルサイズ設定手段141aを含む1次元画像フィルタ処理手段141と、1次元画像フィルタ処理手段141のフィルタ処理結果Eを閾値により2値化する2値化手段142と、により構成されている。
カーネルサイズ設定手段141aは、車両2からの前方距離に応じて、カーネルサイズΔhを設定する。
図3は車両2の前方道路を撮影したカメラ1から出力される前方画像の一例を示す説明図であり、左右のレーンマーキング3、4が撮影された状態を示している。
図6は図5内の候補点P1、P2の集合を近似した2次曲線(レーンマーキング数学的モデル式)7、8を示す説明図であり、左右のレーンマーキング3、4に沿って近似された2次曲線7、8を前方画像に重畳して示している。
なお、カメラ1に搭載される撮像素子は、CMOS撮像素子とする。
続いて、ウィンドウ設定手段103は、図4に示すように、探索走査線を構成する探索ラインVn(n=0、1、…、N−1)上で、左右の候補点P1、P2を探索するための水平方向の走査範囲を、左右のウィンドウW1、W2(破線枠参照)により設定する。
また、各ウィンドウW1、W2のサイズは、画像処理を行う画像において前回画像と今回画像との時間差で生じるレーンマーキング3、4の最大移動量に合わせて設定される。すなわち、画像処理の周期が長いほど、ウィンドウW1、W2のサイズは大きくなる。
また、カーネルサイズ設定手段141aは、車両からの前方距離に応じて、カーネルサイズΔhを設定する。
上記一連の処理は、N本分設定された探索ラインV0〜VN−1(図5参照)に対して実行され、レーンマーキング3、4に沿った候補点P1、P2の集合が取得される。
以上により、図1に示した車線認識画像処理装置による処理動作が終了する。
ここでは、前述のように、1次元画像フィルタ処理手段141として、1次元トップハットフィルタ(以下、「T−Hフィルタ」と略称する)が用いられる。
図7においては、原画像輝度分布D上の注目点Poと、カーネルサイズΔhだけ離れた前後の参照点Pa、Pbとの各輝度差Δg1、Δg2が示されている。
Δg2=gPo−gPb
図9は候補点P1、P2の検出処理を示す説明図であり、フィルタ処理結果E(T−Hフィルタ出力結果)を閾値により2値化して検出する状態を示している。
図10はカーネルサイズ設定手段141aの処理を示す説明図であり、T−Hフィルタ処理用のカーネルサイズΔhを、前方距離に応じて可変設定した状態を示している。
ここで、注目点Poと参照点Paとの距離、および、注目点Poと参照点Pbとの距離は、それぞれカーネルサイズΔhと称され、図10のように、前方距離に応じてカーネルサイズ設定手段141aにより設定される。フィルタパスさせる領域幅(後述する)は、カーネルサイズΔhによって設定される。
これにより、カーネルサイズΔhは、上面視で前方距離に関わらず一定となるように設定される。
一方、ステップS10において、Δg1≧Δg2(すなわち、No)と判定されれば、続いて、輝度差Δg2(=gPo−gPb)が正の値であるか否かを判定する(ステップS12)。
たとえば、図7に示した原画像輝度分布Dの場合には、Δg1<Δg2であるため、ステップS10からステップS11に進み、Δg1>0であれば、ステップS13に進み、輝度差Δg1がフィルタ処理結果E(T−Hフィルタ出力値)となる。
また、ステップS10からステップS12に進んだ(輝度差Δg2が選択された)場合も、輝度差Δg2の正負が判定され、ステップS14またはステップS15でフィルタ処理結果E(T−Hフィルタ出力値)が決定される。
ただし、図9においては、説明を簡略化するため、1ラインのフィルタ処理結果のみが示されている。
閾値Thは、図9に示すように、フィルタ処理結果Eに対して設定され、左右の候補点P1、P2の検出に寄与する。
図11は近傍および遠方のフィルタ処理結果(T−Hフィルタ出力結果)を示す説明図であり、近傍のフィルタ処理結果Eaに比べて遠方のフィルタ処理結果Ebのコントラストが低下する状態を示している。
たとえば、図11に示すように、近傍および遠方の探索ラインVa、Vb上で、それぞれ近傍および遠方のフィルタ処理結果Ea、Ebが得られているものとする。
ここで、近傍の探索ラインVaに注目すると、閾値Thaは、近傍のフィルタ処理結果Eaから最大値Ea(max)および平均値Ea(mean)を算出し、以下の式(1)のように設定される。
この結果、図12に示すように、近傍のフィルタ処理結果Eaに比べて、コントラストが低下する遠方のフィルタ処理結果Ebに対して、適正な閾値Thb(<Tha)が設定される。
特に、低コントラストとなる遠方のフィルタ処理結果Eb(図11、図12参照)における誤検出を低減することで、道路形状を把握するために必要となる遠方のレーンマーキング認識結果の信頼性を向上させることができる。
また、探索ラインVnごとに閾値Thを設定することにより、道路構造物の陰などにより、逆に近傍のコントラストが低下する状態にも対応できる。
図13はフィルタ処理結果Eに対する信号領域およびノイズ領域の判定処理を示す説明図であり、横軸は水平座標、縦軸はフィルタ処理結果Eの出力レベルを示している。
続いて、各フィルタパス領域の幅dを規定値と比較し、規定値以上の領域幅dを有するものは信号領域と判定し、規定値未満の領域幅を有するものはノイズ領域20と判定する。
閾値下限値設定手段142cは、S/N比演算手段142bで算出されたS/N比Rsに基づいて、閾値Thの下限値を設定する。具体的には、S/N比Rsを一定に保つように閾値Thを制御する。
たとえば、S/N比Rsの許容下限値を70%とした場合、S/N比Rsが70%以上を満たしたときの閾値Th(70%)を常に記憶しておき、S/N比Rsが70%未満になったときに、最新の(最後に記憶した)閾値Th(70%)を採用する、といった制御処理が適用される。
特に、図14のように、間欠的なレーンマーキング3の車線走行時において、ウィンドウW1内にレーンマーキング3が存在しない状態に対して、有効に誤検出を低減することができる。
なお、上記実施の形態1では、ウィンドウの設定においてモデル式基準手段のみを用いたが、図15のように、ウィンドウ設定手段103A内の基準位置設定手段131に候補点基準手段131bおよび消失点基準手段131cを追加するとともに、消失点学習手段106を設け、探索ラインVnごとにウィンドウWを最適に設定してもよい。
ウィンドウ設定手段103A内のモデル式基準手段131aは、前述のレーンマーキング数学的モデル式から、探索ラインVn上のウィンドウWの基準位置を設定する。
すなわち、直線Lqrと探索ラインVnとの交点Pxを基準として、ウィンドウW1を設定する。
すなわち、直線Lqzと探索ラインVnとの交点Pyを基準として、ウィンドウW1を設定する。
図18において、消失点学習手段106は、車両の近傍で候補点抽出手段104により抽出された左右の候補点P1、P2(図4、図5、図9参照)の集合を直線近似し、候補点集合から導出した近似直線Lz1、Lz2(左右のレーンマーキング3、4に対応する)の交点を消失点Pzとして学習する。
すなわち、前述と同様に、レーンマーキング数学的モデル式から探索ラインVn上の位置を算出し、ウィンドウWの基準位置とする(ステップS23)。
このとき、近傍から遠方に向かってレーンマーキング3を探索するものとして、最初に検出された候補点Pqと、次に検出された候補点Prとが存在するものとする。
この場合も、近傍から遠方に向かって探索を開始するものとして、最初に検出された候補点Pqが存在するものとする。
以下、基準位置の設定ステップS23〜S26に続いて、たとえば左側のレーンマーキング3に対するウィンドウW1が設定される(ステップS27)。これら処理は、右側のウィンドウ4についても同様であり、ウィンドウW2が設定される。
すなわち、近傍から遠方に向かって探索を進めるにつれて、探索が正常に実行されていれば、ステップS28において抽出される候補点が増えるので、たとえばステップS22に注目すれば、ステップS26に分岐する状態からステップS25に分岐する状態に遷移するはずである。
同様に、ステップS21に注目すれば、ステップS25に分岐する状態からステップS24に分岐する状態に遷移するはずである。
さらに、適正なウィンドウ設定処理により、ウィンドウWが必要以上に広く設定されることが回避されるので、処理時間を短縮することができ、レーンマーキング3、4の見失い状態から認識状態への復帰を短時間で行うことができる。
さらに、前述と同様に、ウィンドウWを探索ラインVnごとに(近傍側から遠方側に向けて)順に設定し、1つ手前の抽出結果に基づいて次のウィンドウ位置を設定することにより、ウィンドウWの設定位置をレーンマーキング3、4上に確実に設定することができる。また、ウィンドウWのサイズを限定することにより、レーンマーキング3、4の見失い状態からの復帰時間を短縮することができる。
Claims (6)
- 車両に搭載されて路面上のレーンマーキングの撮影画像に基づいて車線を認識する車線認識画像処理装置であって、
前記車両の前方を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により得られた画像を一時記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶された画像に対して前記レーンマーキングの探索範囲をウィンドウにより設定するウィンドウ設定手段と、
前記ウィンドウ設定手段により設定された前記探索範囲から前記レーンマーキングの候補点を抽出する候補点抽出手段と、
前記候補点抽出手段により抽出された候補点の集合を数学的モデル式で近似して、レーンマーキング数学的モデル式を導出する車線認識手段と、を備え、
前記候補点抽出手段は、
前記車両からの前方距離に応じてカーネルサイズΔhを設定するカーネルサイズ設定手段と、
注目画素の濃淡値g(h)と、探索走査方向の前後に前記カーネルサイズΔhだけ離れた画素の濃淡値g(h−Δh)、g(h+Δh)と、を用いた以下の2つの式、
{g(h)−g(h−Δh)}、{g(h)−g(h+Δh)}
から得られる値のうち、小さい方の値をフィルタ処理結果として出力する1次元画像フィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理結果を閾値により2値化する2値化手段と、
を含むことを特徴とする車線認識画像処理装置。 - 前記2値化手段は、
前記フィルタ処理結果のS/N比を演算するS/N比演算手段と、
前記S/N比により前記閾値の下限値を設定する閾値下限値設定手段と、を含み、
前記S/N比演算手段は、
前記フィルタ処理結果のうち、規定値未満の領域幅を有するフィルタパス領域の数をノイズ領域数としてカウントし、
前記フィルタ処理結果のうち、規定値以上の領域幅を有するフィルタパス領域の数を信号領域数としてカウントし、
前記ノイズ領域数および前記信号領域数に基づいて前記S/N比を演算することを特徴とする請求項1に記載の車線認識画像処理装置。 - 前記撮影手段は、CMOS撮像素子により構成されたことを特徴とする請求項2に記載の車線認識画像処理装置。
- 前記2値化手段は、前記1次元画像フィルタ処理手段の探索走査線ごとに前記閾値を設定する閾値複数設定手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車線認識画像処理装置。
- 前記ウィンドウ設定手段は、候補点基準手段を含み、
前記候補点基準手段は、前記候補点が2点以上存在する場合に、前記候補点のうちの2点を結ぶ直線と次の探索走査線との交点を基準として、前記ウィンドウを設定することを特徴とする請求項1に記載の車線認識画像処理装置。 - 前記レーンマーキングを構成する左右のレーンマーキングに基づいて消失点学習位置を求める消失点学習手段を備え、
前記消失点学習手段は、前記候補点抽出手段により抽出された候補点の集合を直線近似し、前記左右のレーンマーキングの各近似直線の交点から消失点学習位置を求め、
前記ウィンドウ設定手段は、消失点基準手段を含み、
前記消失点基準手段は、前記候補点と前記消失点学習位置とを結ぶ直線と、次の探索走査線との交点を基準として、前記ウィンドウを設定することを特徴とする請求項1に記載の車線認識画像処理装置。
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