JP4427462B2 - 車両用鋼部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、最大引張強度(TS)で700MPaから1300MPaの強度を有する自動車用の構造用部材、補強用部材、足廻り用部材、ホイール用部材に関するものであり、特に、衝撃エネルギー吸収特性および疲労特性が要求される部材に好適である。
近年、自動車部材の軽量化のために、ハイテンと呼ばれる高強度鋼板の使用比率が増大している。しかしながら、鋼板が高強度化するほど冷間プレス成形性は低下し、加工度が高い部分で板破断したり、スプリングバック現象により所望の寸法形状に成形することが極めて難しくなる。このプレス成形性の低下は、700MPa以上の鋼板を冷間プレス成形する場合に顕在化しており、鋼板強度が高いほど、成形性の低下はより顕著になっていた。
この課題を解決する手段として、鋼板をオーステナイト域に加熱し、軟質かつ高延性の状態で熱間プレス成形を行い、これと同時に該プレス成形した金型内で急冷することによりマルテンサイト変態を起こさせて、高強度でかつ複雑な形状を有する鋼部材を生成する方法が開示されている。また、この熱間プレス用鋼板あるいは熱間プレス用亜鉛めっき鋼板に係る技術が、例えば、特許文献1や、特許文献2により開示されている。
しかしながら、従来方法では、近年使用量が増加している700〜1300MPaの強度を有する鋼部材の製造は困難であり、製造できたとしても、該鋼部材内の強度分布が不均一となり、該強度分布と強い相関がある衝撃エネルギー吸収特性や疲労特性などの特性が低下してしまうという問題点があった。
特開2003―147499号公報 特開2003―73774号公報
本発明は、冷間プレスでは製造が困難な複雑形状を有し、さらに、700〜1300MPaのTSを有し、衝撃エネルギー吸収能あるいは疲労特性に優れた自動車用の構造用、補強用、足廻り用、ホイール用部材を、容易かつ安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意、実験と検討を重ねた結果、MoとBを複合的に添加させかつその他の合金元素を適正量添加した鋼板素材を用いることで、従来の技術で問題となっていた、衝撃エネルギー吸収能にすぐれた引張強度で700〜1300MPaの部材を、熱間プレス法により作製できることを見出した。
すなわち、第1の発明である車両用鋼部材の製造方法は、質量%で、
C:0.025〜0.12%、
Si:1.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P:0.10%以下、
S:0.02%以下、
Mo:0.03〜1.0%、
B:0.0005〜0.005%、
Ti:0.1%以下
N:0.02%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、さらに、([%Ti]/[%N])×(14/48)>0.8を満たす鋼板を(Ac温度−30℃)以上に加熱し、次いで、Ar−50℃)以上の温度で熱間プレス成形を開始し、700〜1300MPaの引張強さを有する部材を得ることを特徴とするものである。
第2の発明は、前記発明に加えて、下記a群〜d群の1群または2群以上を含むことを特徴とするものである。
a群:Nb、V、Ta、Alの1種または2種以上を合計で0.001〜0.2質量%。
b群:Ca、Mg、Zr、REMの1種または2種以上を合計で0.001〜0.01質量%。
c群:Wを0.05〜1.0質量%。
d群:Cr、Cu、Niの1種または2種以上を合計で0.001〜2.0質量%。
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、アルミ系または亜鉛系めっきが施されている鋼板を用いて加熱、熱間プレス成形することを特徴とするものである。
第4の発明は、第1から第3の発明のいずれかの製造方法において、鋼板をプレス成形後、金型内で冷却し、冷却された部材の最小硬さ部の硬さが最大硬さ部の硬さの70%以上であることを特徴とするものである。
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれかの製造方法により製造した部材であって、部材の最小硬さ部の硬さが最大硬さ部の硬さの70%以上であり、700〜1300MPaの引張強さを有することを特徴とするものである。
本発明は、衝撃エネルギー吸収能に優れるTSで700MPaから1300MPa級の高強度を有する自動車用の構造用部材、補強用部材、足廻り用、ホイール用部材を、容易かつ安価に提供できる。さらに、本発明は、熱間プレス法を利用するために、冷間プレス法では成形が困難であった複雑形状の部材の製造も可能である。
本発明者らは、熱間プレス成形法により生成した、700〜1300MPaの引張強度を有する鋼部材の材質と衝撃エネルギー吸収特性あるいは疲労特性との関係について調査した。その結果、金型内における鋼部材の冷却速度は、部位により異なるため、成分が適正でないと、急冷された部分と徐冷された部分とでは硬さが大きく異なることを見出した。例えば、ある成分系では、金型と接触して150℃/s以上の冷却速度が得られた部分は、マルテンサイト組織において1200MPaの強度を有するが、金型とは非接触であって、30℃/s程度の冷却速度しか得られない部分は、フェライト相が混じり、強度が700MPa以下となっていた。
次いで、このように硬さが不均一性である鋼部材に対して、衝撃荷重を付与する試験を行った結果、軟部に歪が集中し、低い変形応力で鋼部材が変形するためにエネルギー吸収量が小さくなっていた。また、硬さが不均一である鋼部材に対して、疲労試験を行った結果、同様に軟部に塑性歪が集中し、早い時間で疲労破壊に至った。
そこで、本発明者らは、金型内における鋼板の冷却速度として最も遅いと考えられた30℃/sの冷却速度において、軟質のフェライト相あるいはパーライト相の形成を抑制することが、課題解決に重要であるとの認識に立ち、数多くの実験と検討を重ねた。
その結果、MoとBを複合添加し、かつその他の成分を適正範囲にすることによって、汎用的に用いられる2.0%以下の低Mn系成分の低炭素鋼においても冷却速度変化に伴う硬さ変化を小さくすることが可能であることを見出し、本発明に至った。

以下に、本発明について詳細に説明する。まず、成分の限定理由について説明する。なお、%は質量%を意味する。
C:Cは鋼部材の強度調整に用いられる。しかし、0.025%未満であると700MPa以上の引っ張り強度が得られない。一方、0.12%を超えると700〜1300MPaの強度範囲と金型内の冷却速度変化に伴う強度均一性の確保の両立が困難となる。
このため、その範囲を0.025〜0.12%に限定した。なお、金型内の冷却速度のバラツキによって生じる強度の不均一性を抑えるとともに、TS:1100MPa以下の引張強度を有する鋼部材を生成するためには、C:0.09%以下であることが好ましい。
Si:SiはCと同様に、鋼部材の強度調整に用いられる。しかしながら、その含有量が1.0%を超えると脱スケール性の悪化を招き、また、Ac温度が上昇するために製造コスト高になる。従って、Si含有量は1.0%以下の範囲に制限した。下限は特に限定しないが、製鋼コストの観点から、0.001%以上含有することが望ましい。
Mn:Mnは、鋼部材の強度調整に用いられる。Mnは効果に比較して安価であるので、多く使用することが好ましい。しかしながら、2.0%を超えると、部材のスポット溶接性が悪化する。
このため、Mn含有量の適正範囲を2.0%以下の範囲内に限定した。なお、製造コストの観点からは、0.7%以上添加することが好ましい。
P:Pは主に鋼部材の強度調整に用いられる。0.10%を超えると2次加工割れが顕著になるので、P含有量の範囲を0.10%以下とした。不可避的不純物として0.0003%以上含有することがあるが、下限は特に限定しない。
S:Sは不純物であり、多量に含有すると鋼板製造時の熱間加工割れあるいは熱間プレス中の破断を起こすので、0.02%以下とした。不可避的不純物として0.0003%以上含有することがあるが、少ないほど好ましく、下限は特に限定しない。
Mo:Moの含有量が0.03%未満であると、プレス後冷却中のフェライト変態あるいはパーライト変態の抑制効果が小さく、5.0%を超えるとAc温度が上昇し、高温加熱が必要となり鋼部材の表面性状が悪化する。このため、Mo含有量の適正範囲を0.03〜5.0%に限定した。鋼部材内の硬さ均一性を上げる観点からは、0.1%以上の添加がより望ましく、製造コストの観点からは1.0%以下の添加がより望ましい。
B:Bの含有量が0.0005%未満であると、プレス後冷却中のフェライト変態あるいはパーライト変態の抑制効果が見られず、0.005%を超えると粗大な硼化物あるいは鉄硼炭化物の析出により熱間プレス成形中の割れを起こす。このため、B含有量の適正範囲を0.0005〜0.005%の範囲内に限定した。Bは微量添加で焼入れ性を上昇させる元素であるので、コスト上0.0008%以上添加することが望ましい。
Ti:Tiは主にTiNとして鋼中のNを固着し、BNの析出を防ぎ、粒界偏析BとしてMoとBの複合効果を有効に発現させるために重要な元素である。しかしながら、0.1%を超えると、衝撃吸収エネルギーが低下する場合があるので、その範囲を0.1%以下に限定した。下限については、含有するN量に応じて、([%Ti]/[%N])×(14/48)>0.8を満たす範囲内で含有すればよい。
N:Nは主にオーステナイト域の結晶粒径制御および強度の調整に用いられる。しかしながら、Nが0.02%を超えると、TiNの析出量が過大になり、疲労特性が低下するので、N含有量の範囲を0.02%以下とした。
([%Ti]/[%N])×(14/48)値:この値は固溶Nの量を限定するための指標として用いるものである。この値が0.8以下であると、固溶Nが残存し、その結果BNとして添加したBが消費されてしまうために、MoとBの複合添加効果が得られなくなる。
このため、その範囲を0.8超に制限した。Bの効果(冷却速度の違いによって生じる硬さのバラツキを抑制)を最大限に発現させるためには1.0以上であることがより望ましい。
本発明では、上記した成分に加えて、さらに、a群〜d群のうちの1群または2群以上を含有しても、本発明の目的を達成することができる。
a群:Nb、V、Ta、Alのうち1種または2種以上の合計を0.001〜0.2%。
Nb、V、Ta、Alは脱酸元素、あるいは、炭窒化物形成元素として用いることにより固溶N量を調整することができるため、含有量の合計が、0.001%以上という制限を設けた。0.2%以下という制限を設けたのは、これを超えるとコスト高になるからである。
b群:Ca、Mg、Zr、REMのうち1種または2種を合計で0.001〜0.01%。
Ca、Mg、ZrおよびREMは脱酸に用いる元素であるため、1種または2種を合計で0.001%以上含有することが好ましい。しかしながら、合計の含有量が0.01%を超えると、成形加工性の悪化の原因となる。そのため、合計量の範囲を0.001〜0.01%とした。なお、本発明において、REMとはLaおよびランタノイド系列の元素を指すものとする。
c群:Wを0.05〜1.0%。
WはMoと同様にBとの複合添加効果を示し、熱間プレス後の鋼部材の強度分布のバラツキを抑える効果を有しているため、0.05%以上含有することが望ましい。しかしながら、1.0%を超えるとコスト高になるので、その範囲を0.05〜1.0%の範囲に限定した。
d群:Cr、Cu、Niのうち1種または2種以上の合計を0.001〜2.0質量%。
Cr、Cu、Niは鋼板の強度を調整するために主に用いられるため、これらの1種又は2種以上を合計で0.001%以上含有することが望ましい。しかしながら、2.0%を超えるとコスト高になるため、合計量の適正範囲を2.0%以下の範囲内に限定した。
なお、その他の不可避不純物としてOを0.01%以下含んでいてもよい。
次に、熱間プレス成形方法について説明する。
鋼の加熱温度が(Ac温度−30℃)未満であると、衝撃吸収エネルギー能に優れかつ700〜1300MPaの強度を有する部材を製造することが困難となるので、その適正範囲を(Ac温度−30℃)以上に限定した。金型冷却後の部材内の強度均一性を高める観点からはAc温度以上がより好ましい。加熱温度の上限は特に定めないが、鋼板加熱中のスケール形成を避ける観点からは、960℃以下とすることが好ましい。
また、一般的に熱間プレス成形の開始温度がAr未満であると、フェライト、パーライト相等の軟質相が部材内で不均一に形成されやすくなり、強度不均一性が大きくなる傾向がある。しかしながら、MoとBを複合添加することによりAr以上の開始温度でフェライト、パーライト相等の軟質相の形成が抑制できる効果が見込める。
このため、熱間プレス成形開始温度の適正範囲をAr温度以上に限定した。なお、軟質相の形成をできる限り回避するという観点から、(Ar温度+50℃)以上の温度で熱間プレス成形するのが好ましい。
なお、Ac温度およびAr温度は化学組成(wt%)より次の式を用いて簡易的に計算した値である。
Ac=910−203*C1/2+45*Si−30*Mn+700*P−15*Ni−20*Cu−11*Cr+32*Mo+400Al+400Ti
Ar=900−325*C+30Si+40Al−90*(Mn+Cu)−50Ni−50000*B
プレス成形の開始温度の上限は特に定めないが、熱間プレス成形中の板破断を回避するために、1000℃以下とすることが好ましい。なお、ここで成形開始とは金型上に鋼板を置いた瞬間を指す。
本発明は、熱間プレス金型中で急冷された場所の硬さと徐冷された場所の硬さをなるべく少なくすることが肝要である。該最小硬さ部の硬さが該最大硬さ部の硬さの70%未満であると、衝撃荷重が加わった際に軟部に歪が集中し、低い変形応力で鋼部材が変形するため、エネルギー吸収量が小さくなる。
また、疲労試験においては、鋼部材の軟部に歪が集中し、早い時間で疲労破壊に至る。このため、部材中の最小硬さ部の硬さを最大硬さ部の硬さの70%以上と限定した。より高い衝撃吸収エネルギーをえる観点からは、75%以上であることがより望ましい。
なお、硬さの評価方法としては、部材内から試料を切り出し、硬さ試験によって評価する。これに代わる評価法として、最大の硬さ部を代表するものとして、鋼板を900℃に加熱した後、金型冷却の冷却速度に相当すると考えられる180℃/sの冷却速度で室温まで冷却する熱処理を施し、一方、最小硬さ部を代表するものとして、鋼板を900℃に加熱した後、一般的な金型非接触部の冷却速度に相当すると考えられる30℃/sの冷却速度で室温まで冷却する熱処理を施し、それぞれの試料の硬さを測定する方法を用いても良い。
熱間プレス成形を行う素材鋼板は、熱延鋼板、冷延まま鋼板、冷延焼鈍板のいずれでもよく、また、鋼板表面に電気めっき、溶融めっき、合金化めっき層が施されている鋼板でも、上述と同様の効果を有する。ただし、熱間プレス後のめっき品質を確保するという観点からは、めっきの主成分としてはアルミまたは亜鉛であることが、より望ましい。
素材としてめっき鋼板を用いる場合は、熱間プレスの過程中に、めっきが酸化するかあるいは地鉄との間で化学反応を起こす場合があるので、部材の表層部の形成物としては、(1)めっきそのもの、(2)めっきの酸化物、(3)めっき成分とFeとの合金のうち1種または2種以上の混合物になる。
本発明に係る成分の鋼部材の製造方法は、異なる成分の鋼板を接合した後に熱間プレスを行う場合にも適用可能である。例えば、本発明範囲内の成分を有する鋼板と本発明範囲内ではあるが異なる成分の鋼板を接合し、次いで本発明に示された条件で熱間プレス成形を行うことにより、全く異なる強度(例えば部品の一部は800MPaの引張強度を有し、残りは1200MPaの引張強度)を有する一体部品(テーラードブランク部品)を製造することが可能になる。
なお、接合する鋼板の組み合わせについては、本発明に示す成分の鋼板同士だけではなく、本発明内の成分の鋼板と、本発明外の成分の鋼板との組み合わせでも構わない。この場合、熱間プレス成形後の引張強度は、例えば、本発明に関する鋼板の部分は800MPaであり、残部は本発明外の1500MPaの引張強度を有することになる。
なお、本発明の特徴である部材の最小硬さ部の硬さが最大硬さ部の硬さの70%以上であるという規定は、異種成分鋼板を接合した後に熱間プレスを行なう場合は、成形後の部材中のそれぞれの成分の鋼板について各々成り立つものである。
鋼板の加熱方法としては、加熱炉中に装入する方法、高周波誘導加熱による方法のいずれでも構わない。また、板全体を加熱しても、局部的に板を加熱しても構わない。本部材を作製する熱間プレス成形方法としては、深絞り成形、張出成形、伸びフランジ成形、曲げ変形、あるいは、これら変形モードが複合した方法のいずれでも構わない。
本形態の製造方法によって製造された鋼部材は、自動車用の構造用部材(例えば、補強用部材、足廻り用部材、ホイール用部材)のほか、他の車両(例えば、二輪車)の構造用部材などにも用いることができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
表1に示す成分を有する板厚1.4mmの鋼板A〜Kを、表2に示す温度で5分間加熱し、ハット形状の金型(長さ:300mm、断面一辺の長さ:約50mm)を用いて熱間プレス試験を行った。
次いで、この成形部材内において金型に接触して急冷されている部分と金型に非接触で緩冷されている部分をそれぞれ最大硬さ部および最小硬さ部の硬さとみなし、それぞれのビッカース硬さ(荷重:10kgf)を測定した。なお、発明者らの詳細な検討から、最大硬さ部は熱間プレス中に約180℃/sの冷却速度で冷却されている部分であり、一方、最小硬さ部は金型の形にもよるが約30℃/sの冷却速度で冷却されている部分であることがわかっており、比較の観点から、熱間プレスをシミュレートする加熱および冷却熱処理を行うことで、硬さを評価することがより好適である。
次いで、60キロ級の鋼板で残辺に蓋をした試験材を作製し、上部から重錘を落とし、試験材の圧潰形状と吸収エネルギーを測定する実験を行った。本発明の部材の衝撃吸収エネルギーは、強度の不均一性が大きい部材の衝撃吸収エネルギーと比較して20%以上大きかった。
最小硬さと最大硬さの比が1に近いほど部材の強度均一性が高いことを示し、最小硬さが最大硬さの70%以上のものは上述の圧潰試験において蛇腹状の圧潰形態を示し、また、衝撃吸収エネルギーが高いことを示していた。
疲労試験は、まずはじめに板内に局部的に冷却速度が低い部分ができるような金型を用いて、上記と全く同一の熱処理条件で板を加熱後、熱間プレス試験を行い、このプレス材から疲労試験片を採取した。次いで、全ひずみ量0.3%の歪一定条件で、圧縮−引っ張りのサイクルを繰り返すことにより行い、破断までの回数で疲労特性を評価した。
TSは最小硬さを10/3倍した値として算定した。No.11、No.12は、MoとBが適正量複合添加されていないために、徐冷却時にフェライトが形成し、部材中の強度不均一性が大きく、十分な衝撃エネルギーの吸収あるいは疲労特性が得られなかった例である。No.13は、MoとBが適正量複合添加されているものの、([%Ti]/[%N])×(14/48)量が適正でないために、徐冷却時にフェライトが形成し、部材中の強度不均一性が大きく、十分な衝撃エネルギーの吸収あるいは疲労特性が得られなかった例である。
No.9は、成分は適正範囲内であったにもかかわらず、鋼板の加熱温度が(Ac温度−50℃)以下であったために、TSで700MPa程度以上の強度が得られなかった例である。
No.10は、成分は適正範囲内であったにもかかわらず、熱間プレス開始温度がAr温度以下であったために、TSで700MPa程度以上の強度が得られなかった例である。
前述したように、本発明は、衝撃エネルギー吸収能に優れるTSで700MPaから1300MPaの強度を有する自動車用の構造用部材、補強用部材、足廻り用、ホイール用部材を容易かつ安価に提供でき、さらに、熱間プレス法を利用するために、冷間プレス法では成形が困難であった複雑形状の部材の製造も可能である。したがって、本発明は、産業上の利用可能性が極めて高いものである。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.025〜0.12%、
    Si:1.0%以下、
    Mn:2.0%以下、
    P:0.10%以下、
    S:0.02%以下、
    Mo:0.03〜5.0%、
    B:0.0005〜0.005%、
    Ti:0.1%以下、
    N:0.02%以下、
    を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、さらに、([%Ti]/[%N])×(14/48)>0.8を満たす鋼板を(Ac温度−30℃)以上に加熱し、次いで、Ar以上の温度で熱間プレス成形し、700〜1300MPaの引張強さを有する鋼部材を得ることを特徴とする車両用鋼部材の製造方法。
  2. 前記成分に加えて、下記a群〜d群の1群または2群以上を含むことを特徴とする請求項1記載の車両用鋼部材の製造方法。
    a群:Nb、V、Ta、Alの1種または2種以上を合計で0.001〜0.2質量%。
    b群:Ca、Mg、Zr、REMの1種または2種以上を合計で0.001〜0.01質量%。
    c群:Wを0.05〜1.0質量%。
    d群:Cr、Cu、Niの1種または2種以上を合計で0.001〜2.0質量%。
  3. アルミ系または亜鉛系めっきが施されている鋼板を用いて加熱、熱間プレス成形することを特徴とする請求項1または2記載の車両用鋼部材の製造方法。
  4. 前記鋼板をプレス成形後、金型内で冷却し、該冷却された部材の最小硬さ部の硬さが最大硬さ部の硬さの70%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用鋼部材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造した車両用鋼部材であって、該車両用鋼部材の最小硬さ部の硬さが最大硬さ部の硬さの70%以上であり、700〜1300MPaの引張強さを有することを特徴とする車両用鋼部材。
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