JP4423281B2 - 安定化回路、高周波フィルタ - Google Patents

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本発明は、主に高周波半導体集積回路に適用可能な安定化回路と高周波フィルタに関する。
高周波増幅回路に高周波損失を与え、回路動作を安定にするために用いられる安定化回路は多数提案されているが、取り扱う周波数が高くなるにつれて使用できる回路の構成手段は限定されてくる。特に30GHz以上のミリ波帯で動作する半導体集積回路の場合、集中定数による容量やインダクタは良好な特性が得にくいため、伝送線路によるスタブと薄膜抵抗等により構成される単純な安定化回路が主に用いられている。
また1つの回路には一般的に安定化を強く行うべき周波数と、安定化を行う必要の少ない周波数が並存する。このような場合に用いられる安定化回路のことを周波数依存性をもつ安定化回路と呼ぶ。
前記の一例としてミリ波帯のアンプを以下に説明する。
アンプの増幅周波数がfの場合、周波数fにおいては小さな損失しか与えず、それ以外の周波数においては十分大きな損失を与えることのできる安定化回路があれば、アンプは良好な増幅特性と最大の安定性が同時に得られる。またトランジスタには本質的に低周波ほど利得が高いという特性が存在する。
すなわちトランジスタ回路において周波数によらず一定の安定性を得るためには、低周波ほどより多くの回路損失を与える安定化回路が求められる。アンプにおいても例外ではなく、周波数fよりも低周波側をより重点的に安定化する必要がある。この傾向はアンプの増幅周波数fがトランジスタの性能上限に近い場合に特に顕著となる。
すなわち、増幅周波数fとf以上の周波数においてトランジスタは十分な利得を有しないため、周波数fにおいては回路に損失を与える事が少しも許されなくなる一方、fより低周波側においてはトランジスタの利得は大きくなるため十分な回路損失を与えなくてはならない。このような、回路損失の周波数変化率が大きい安定化回路を構成することはミリ波帯では容易ではない。
そこで、一般的に開放スタブと接地された薄膜容量とからなる共振器に抵抗器を接続し、その抵抗器を損失が必要とされる回路部分に接続するような安定化回路が用いられている。前記共振器は共振周波数近傍において高インピーダンスに近づく。このため、スタブの共振周波数をアンプの増幅周波数fに合わせることで、増幅周波数fでは損失が少なくそれ以外の周波数では損失を大きくする事ができる。
しかし、1/4波長を持つ短絡スタブのインピーダンスの周波数依存性は緩慢なために増幅周波数fを含む広範囲の周波数帯域で低損失となる。アンプの動作が不安定となる周波数gが増幅周波数fと近い場合には、周波数gにおいて回路が安定となるまで損失量を増してやる必要があるため、これに伴って増幅周波数fでも余分な損失が加わる。その結果、増幅回路の利得や雑音指数が劣化していた。
一方、アナログフィルタは、通信機器やレーダーなどのアナログ回路を有するシステムの性能を決定する上で重要な要素である。アナログフィルタは、システムに不要な周波数成分を取り除くことで、システムの感度向上、隣接チャネル間の干渉抑制、不要電波の放射抑制などに寄与する。アナログフィルタの種類には、信号を通過させる通過帯域と信号を減衰させる阻止帯域の設け方によって、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネートフィルタなどがあり、使用目的によって選定される。
しかし、この場合も安定化回路と同様に取り扱う周波数が高くなるにつれて回路の構成手段は限定されてくる。特に30GHz以上のミリ波帯で動作する半導体集積回路の場合、伝送線路によるスタブと薄膜抵抗、薄膜容量等により構成されるアナログフィルタが主に用いられている。また1つの回路には一般的に信号を減衰させずに通過させたい周波数と、強く抑制したい周波数とが並存する。
前記を目的として作成される単純なフィルタとして、バンドエリミネートフィルタの一形態であり、特定の周波数に急峻な減衰を与えるノッチフィルタについて以下に説明する。ノッチフィルタは例えば、通信システムにおいては、データ変調時に占有帯域の端に現れるスプリアスを低減する際に用いられる。阻止帯域の周波数がfの時、ノッチフィルタを通過した信号の周波数特性は図10のようになる。
この図10のように周波数fにおいては大きな損失を与え、それ以外の通過帯域の周波数においては十分小さな損失を与えることのできるノッチフィルタであれば、前述したような通信システムの占有帯域において、スプリアスの周波数だけに大きな損失を与え、かつデータ信号が存在する帯域には損失を与えないことが可能となり、良好な通信特性と、帯域制御が同時に得られる。その他のフィルタにおいても前記と同様の議論が成立つ。つまり阻止帯域の周波数fにおいては大きな損失を与え、それ以外の通過帯域の周波数においては十分小さな損失を与えることができれば、良好な通信特性と帯域制御が同時に得られる。
しかしながら、周波数変化率が大きいアナログフィルタを構成することはミリ波帯では容易ではない。また、伝送線路の形状に起因する寄生的なインダクタンス、キャパシタンスによって、損失を与えたい周波数が設計値よりもずれてしまう場合がある。
この問題を前述のノッチフィルタを例にとって説明する。ミリ波帯のノッチフィルタには、一般的には開放スタブと接地された薄膜容量とからなる共振器が用いられている。この共振器は開放スタブと薄膜容量との共振周波数近傍において高インピーダンスになる。このため、前記共振器を高周波回路内の所定のノードに、動作周波数の1/4波長の長さの伝送線路を介して接続することにより、そのノードにおいて、所定の周波数fで信号に損失を与えることができる。
また、特許文献1においては、導波管、超伝導体など、周波数変化率が高い素子を用いてフィルタを構成することを開示している。これらのフィルタを所望の高周波回路に接続することによって、高周波回路に対して周波数変化率が高いフィルタリングが可能となる。しかし、導波管、超伝導体を用いたフィルタは通常のICプロセスとは別に作成する必要があり、コストがかかるほか、サイズが大きくなるという欠点がある(特許文献1参照)。
特許第3655742号公報
従来の技術においては、共振器の周波数依存性が緩慢なために周波数fを含む広範囲の周波数帯域で信号に損失を与えてしまう。この結果、通信システムにおいては、データ信号を有する周波数帯に損失を与えてしまい、利得や雑音指数等を含む通信特性が劣化する可能性があった。
また、伝送線路の縁端の形状や、薄膜容量の形状などに起因する寄生的なインダクタンス、キャパシタンスにより、周波数fが設計値よりもずれてしまうと、所望の周波数の低減効果が得られない可能性があった。
本発明の目的は、高周波回路において周波数変化率が高い素子を実現し、これを用いた安定化回路および高周波フィルタを提供することにある。
課題を解決するために、本発明の請求項1においては、特性インピーダンスがZ であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、前記L と前記L とはZ ×cot(β ×L )=−Z ×cot(β ×L )の関係式を満たし、高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて互いに接続し、前記第1の接続点と前記第1のノードが抵抗を介して相互に接続されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、特性インピーダンスがZ であり、所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、前記L と前記L とはZ ×cot(β ×(L +V ))=−Z ×cot(β ×(L +V ))の関係式を満たし、高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、前記可変リアクタンススタブT と前記可変リアクタンススタブT とを第1の接続点にて互いに接続し、前記第1の接続点と前記第1のノードが抵抗を介して相互に接続されており、前記接地可変リアクタンス手段X 及び/又は前記接地可変リアクタンス手段X を変化させることにより、動作周波数が前記所定の周波数から変化することを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、前記開放スタブT と、前記開放スタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、は、それぞれ短絡スタブに置換可能なことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、特性インピーダンスがZ であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、前記L と前記L とはZ ×cot(β ×L )=−Z ×cot(β ×L )の関係式を満たし、高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、前記動作周波数における1/4波長の長さをもつ伝送線路をT とし、前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて互いに接続し、前記第1の接続点と前記第1のノードが伝送線路T を介して相互に接続されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、特性インピーダンスがZ であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、前記L と前記L とはZ ×cot(β ×L )=−Z ×cot(β ×L )の関係式を満たし、前記開放スタブT 及び前記開放スタブT と同じ特性インピーダンス、位相定数、長さを持った開放スタブをそれぞれT ’、T ’とし、前記動作周波数における1/4波長の長さの伝送線路をT とし、前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて相互に接続し、前記開放スタブT ’と前記開放スタブT ’とを第2の接続点にて相互に接続し、前記第1の接続点と前記第2の接続点とを伝送線路T によって相互に接続し、もってフィルタ回路を形成し、高周波回路の中にあって前記フィルタ回路へ信号を出力するノードを第1のノードとし、前記フィルタ回路から信号が入力されるノードを第2のノードとし、前記第1の接続点と、前記第2の接続点と、が、前記第1のノードと、前記第2のノードと、にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、特性インピーダンスがZ であり、所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、前記L と前記L とはZ ×cot(β ×(L +V ))=−Z ×cot(β ×(L +V ))の関係式を満たし、高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、前記所定の周波数における1/4波長の長さをもつ伝送線路をT とし、前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて相互に接続し、前記第1の接続点と前記第1のノードが伝送線路T を介して相互に接続されおり、前記接地可変リアクタンス手段X 及び/又は前記接地可変リアクタンス手段X を変化させることにより、動作周波数が前記所定の周波数から変化することを特徴とする。
また、請求項7に記載の本発明は、特性インピーダンスがZ であり、所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、前記L と前記L とはZ ×cot(β ×(L +V ))=−Z ×cot(β ×(L +V ))の関係式を満たし、前記可変リアクタンススタブT 及び前記可変リアクタンスタブT と同じ特性インピーダンス、位相定数、長さを持った伝送線路と、前記接地可変リアクタンス手段X および前記接地可変リアクタンス手段X と同じ接地可変リアクタンス手段と、からなる可変リアクタンススタブをそれぞれT ’、T ’とし、前記所定の周波数における1/4波長の長さの伝送線路をT とし、前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて相互に接続し、前記開放スタブT ’と前記開放スタブT ’とを第2の接続点にて相互に接続し、前記第1の接続点と前記第2の接続点とを伝送線路T によって相互に接続し、もってフィルタ回路を形成し、高周波回路の中にあって前記フィルタ回路へ信号を出力するノードを第1のノードとし、前記フィルタ回路から信号が入力されるノードを第2のノードとし、前記第1の接続点と、前記第2の接続点と、が、前記第1のノードと、前記第2のノードと、にそれぞれ接続されており、前記接地可変リアクタンス手段X 及び/又は前記接地可変リアクタンス手段X を変化させることにより、動作周波数が前記所定の周波数から変化することを特徴とする。
また、請求項8に記載の本発明は、前記開放スタブT と、前記開放スタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、は、それぞれ短絡スタブに置換可能なことを特徴とする。
本発明によれば、高周波回路において周波数変化率が高い素子を実現し、これを用いた安定化回路および高周波フィルタを提供することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態を説明する図であり、高周波回路の第1のノード5に本実施の形態による安定化回路が接続されている。この時、開放スタブT1、開放スタブT2の伝送線路の特性インピーダンスはそれぞれZ、Zであり、高周波回路の動作周波数fにおける位相定数をそれぞれβとβとする。
開放スタブT1と開放スタブT2の長さLとLはZ×cot(β×L)=−Z×cot(β×L)の関係式を満たす任意の組み合わせを用いることが可能である。抵抗R4の抵抗値の大きさは設計者の任意で設定可能であり、周波数f以外の周波数において高周波回路に与える損失の大きさを調整することができる。抵抗R4が第1のノード5における高周波信号インピーダンスよりも十分小さいかあるいは十分大きい場合は高周波回路に与える損失は小さくなり、抵抗Rが前記高周波信号インピーダンスに近い場合は損失が大きくなる。
なお、開放スタブT1と開放スタブT2に替えて短絡スタブを用いても同様の効果が得られる。この短絡スタブを適用した場合は、長さL、Lが動作周波数において満たすべき条件として、Z×tan(β×L)=−Z×tan(β×L)の関係式がある。
図2は本実施の形態の安定化回路(図2中(イ))と、従来用いられている安定化回路(図2中(ロ))の構成を示している。比較のため、実施の形態の安定化回路の片側の開放スタブと、従来回路の開放スタブとは同じスタブを用いることとし、そのインピーダンスを(a)とする。また、実施の形態のもう一方の開放スタブのインピーダンスを(b)、従来回路のグランド7に接地された容量6が持つインピーダンスを(c)とする。
簡単化のため、各スタブと容量6とは無損失であるとし、インピーダンスはリアクタンス成分のみであるとする。また両方の安定化回路はそれぞれ同じ周波数fにおいて高周波回路に小さな損失しか与えず、それ以外の周波数においては大きな損失を与えるように設計されている。
図3に(a)、(b)、(c)のインピーダンスがもつリアクタンスの周波数依存性を示す。実施の形態では、図2(イ)中の(a)と(b)が並列接続されるため、周波数fにおいてインピーダンスが無限大となる共振を持っていることが分かる。これは、周波数fにおいて前述のZ×cot(β×L)=−Z×cot(β×L)を満たしていることを示す。
また従来技術では図2(ロ)中の(a)と(c)が並列接続されるため、同様に周波数fにおいてインピーダンスが無限大となる共振を持つことが示されている。ここで、周波数fを基点としたときのインピーダンスの周波数に対する勾配に注目する。従来回路は接地容量のリアクタンスの周波数依存性が小さいため、周波数fからインピーダンスの変化が緩やかである(図3中、点線矢印)。これは、周波数fを含む広範囲の周波数において高周波回路が低損失になることを示す。
一方、実施の形態の安定化回路は、両スタブのリアクタンスが周波数によって急峻に変化するため、周波数fからのインピーダンスの変化も従来フィルタに比べて大きい(図中、実線矢印)。これは、周波数fから周波数が変化するにしたがって、高周波回路に与える損失が急速に増加することを示す。以上の性質から、実施の形態の安定化回路は従来の安定化回路よりも、低損失の周波数から大きな損失を与える周波数まで急峻な変化を行うことが可能である。
本実施の形態において使用する伝送線路としては、たとえば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路などが利用でき、開放スタブが構成可能であり、所望の高周波回路に接続可能であれば良い。
本実施の形態では、回路は無損失であるとしたが、一般的な伝送線路が示すような損失が存在しても、本実施の形態は適用可能である。なぜならば、伝送線路が示す損失は実施の形態の安定化回路が高周波回路に与える損失よりも十分に小さく、伝送線路の損失の大小で実施の形態の効果が損なわれることが無いからである。
本実施の形態において、抵抗R4の抵抗値の大きさは設計者の任意で設定可能である。よって当然、抵抗値をゼロに設定することも可能であり、抵抗R4を介さずに接続点3と前記第1のノード5とを接続することによって実現することができる。
[第2の実施の形態]
図4は第2の実施の形態を説明するための説明図であり、高周波回路の第1のノード5に実施の形態による高周波フィルタ回路(高周波フィルタ)が接続されている。この時、開放スタブT1、開放スタブT2の伝送線路の特性インピーダンスはそれぞれZ、Zであり、高周波回路の動作周波数fにおける位相定数をそれぞれβとβとする。開放スタブT1と開放スタブT2の長さLとLはZ×cot(β×L)=−Z×cot(β×L)の関係式を満たす任意の組み合わせを用いることが可能である。
すでに説明した第1の実施の形態との違いは、開放スタブT1、T2と第1のノード5との間に動作周波数に対して1/4波長の長さをもつ伝送線路T3が挿入されている点である。これにより動作周波数fにおいて、高周波回路に大きな損失を与え、その他の周波数では低損失となる。つまりバンドエリミネート型の高周波フィルタとして動作するようになっている。しかしながら、第1の実施の形態における説明と同じ原理により、従来技術と比べて損失の周波数変化率が高いという利点は保持される。
なお、開放スタブT1と開放スタブT2に替えて短絡スタブを用いても同様の効果が得られる。この短絡スタブを適用した場合は、長さL、Lが動作周波数において満たすべき条件として、Z×tan(β×L)=−Z×tan(β×L)の関係式がある。
本実施の形態において使用する伝送線路としては、たとえば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路などが利用でき、開放スタブが構成可能であり、所望の高周波回路に接続可能であれば良い。
本実施の形態では、回路は無損失であるとしたが、一般的な伝送線路が示すような損失が存在しても、本実施の形態は適用可能である。なぜならば、伝送線路が示す損失は本実施の形態の安定化回路が高周波回路に与える損失よりも十分に小さく、伝送線路の損失の大小で本実施の形態の効果が損なわれることが無いからである。
[第3の実施の形態]
図5は第3の実施の形態を説明するための説明図であり、高周波回路の第1のノード5に高安定化回路が接続されている。それぞれの可変リアクタンススタブは、特性インピーダンスがそれぞれZ、Zである伝送線路と可変リアクタンス回路X17、可変リアクタンス回路X18で構成されている。可変リアクタンス回路X、可変リアクタンス回路Xは例えば、バラクタダイオードなどで実現可能である。パラクタダイオードは外部から電圧を印加することにより、ダイオードが有するキャパシタンスを変化させることが可能である。
この動作により、バラクタダイオードが接続されたノードのリアクタンスを変化させることができる。高周波回路の動作周波数fにおける伝送線路の位相定数をそれぞれβとβとする。また、可変リアクタンス回路が与えるリアクタンスを、それぞれ、特性インピーダンスがZであり、動作周波数において位相定数がβであり、長さがVである開放スタブと同じリアクタンス−Z×cot(β×V)とし、特性インピーダンスがZであり、動作周波数において位相定数がβであり、長さがVである開放スタブと同じリアクタンス−Z×cot(β×V)とする。この時、それぞれの伝送線路の長さLとLはZ×cot(β×(L+V))=−Z×cot(β×(L+V))の関係式を満たす任意の組み合わせを用いることが可能である。
抵抗R4の抵抗値の大きさは設計者の任意で設定可能であり、周波数f以外の周波数において高周波回路に与える損失の大きさを調整することができる。抵抗R4が第1のノード5における高周波信号インピーダンスよりも十分小さいかあるいは十分大きい場合は高周波回路に与える損失は小さくなり、抵抗Rが前記高周波信号インピーダンスに近い場合は損失は大きくなる。
以下に、可変リアクタンススタブが、開放スタブと同様の条件式で扱える理由について説明する。図6は可変リアクタンススタブを示す図である。このスタブに用いられている伝送線路は、特性インピーダンスがZ、高周波回路の動作周波数fにおける位相定数がβ、その長さがLであるとする。また、可変リアクタンス回路が与えるリアクタンスをXとする。この時第1のノード5における可変リアクタンススタブのインピーダンスは
Figure 0004423281
よって、リアクタンス回路が与えるリアクタンスXは、開放スタブにおける伝送線路の長さの変化と同じ効果を与えることが示される。
本実施の形態は、高周波回路に損失を与える周波数fから周波数が変化するに従って、急峻な変化を持つことが特徴である。さらに本実施の形態においては、可変リアクタンス回路のリアクタンスを変化させることによって、動作周波数fを変化させられる点が特徴である。
例えば、可変リアクタンス回路のリアクタンスが−Z×cot(β×V’)、−Z×cot(β×V’)へ変化した場合、動作周波数はZ×cot(β×(L+V’))=−Z×cot(β×(L+V’))を満たすf’へ変化する。これにより本安定化回路の作成及び実装の後に、外部操作によって可変リアクタンス回路のリアクタンスを変化させることによって、安定化回路の動作周波数fを微調整することが可能となる。
本実施の形態において使用する伝送線路としては、たとえば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路などが利用でき、可変リアクタンス回路が接続可能であり、所望の高周波回路に接続可能であれば良い。
本実施の形態では、回路は無損失であるとしたが、一般的な伝送線路が示すような損失が存在しても適用可能である。なぜならば、伝送線路が示す損失は本実施の形態の安定化回路が高周波回路に与える損失よりも十分に小さく、伝送線路の損失の大小で本実施の形態の効果が損なわれることが無いからである。
本実施の形態では、可変リアクタンス回路の例としてバラクタダイオードを示したが、低損失でリアクタンスが変化可能であれば何でもよく、他にもFETの寄生容量の電圧変化を利用した回路や、マイクロマシン技術によって、コンデンサの容量を変化させる機構などが考えられる。
本実施の形態において、抵抗R4の抵抗値の大きさは設計者の任意で設定可能である。よって当然、抵抗値をゼロに設定することも可能であり、抵抗R4を介さずに第1の接続点3と前記第1のノード5とを接続することによって実現することができる。
[第4の実施の形態]
図7は第4の実施の形態を説明する図であり、高周波回路の第1のノード5に実施の形態による高周波フィルタ回路が接続されている。それぞれの可変リアクタンススタブは、特性インピーダンスがそれぞれZ、Zである伝送線路と可変リアクタンス回路X、Xで構成されている。可変リアクタンス回路X、Xは例えば、バラクタダイオードなどで実現可能である。バラクタダイオードは外部から電圧を印加することにより、ダイオードが有するキャパシタンスを変化させることが可能である。この動作により、バラクタダイオードが接続されたノードのリアクタンスを変化させることができる。
高周波回路の動作周波数fにおける伝送線路の位相定数をそれぞれβとβとする。また、可変リアクタンス回路が与えるリアクタンスをそれぞれ、−Z×cot(β×V)、−Z×cot(β×V)とする。この時、それぞれの伝送線路の長さLとLはZ×cot(β×(L+V))=−Z×cot(β×(L+V))の関係式を満たす任意の組み合わせを用いることが可能である。
すでに説明した第3の実施の形態との違いは、可変リアクタンススタブT1、T2と第1のノード5との間に動作周波数に対して1/4波長の長さをもつ伝送線路T3が挿入されている点である。これにより動作周波数fにおいて、高周波回路に大きな損失を与え、その他の周波数では低損失となる。つまりバンドエリミネート型の高周波フィルタとして動作するようになっている。しかしながら、第3の実施の形態における説明と同じ原理により、従来技術と比べて損失の周波数変化率が高いという利点は保持される。
本実施の形態において使用する伝送線路としては、たとえば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路などが利用でき、可変リアクタンススタブが構成可能であり、所望の高周波回路に接続可能であれば良い。
本実施の形態では、回路は無損失であるとしたが、一般的な伝送線路が示すような損失が存在しても、本実施の形態は適用可能である。なぜならば、伝送線路が示す損失は本実施の形態の安定化回路が高周波回路に与える損失よりも十分に小さく、伝送線路の損失の大小で本実施の形態の効果が損なわれることが無いからである。
本実施の形態では、可変リアクタンス回路の例としてバラクタダイオードを示したが、低損失でリアクタンスが変化可能であればよく、他にもFETの寄生容量の電圧変化を利用した回路や、マイクロマシン技術によって、コンデンサの容量を変化させる機構などが考えられる。
[第5の実施の形態]
図8は第5の実施の形態を説明する図であり、高周波回路の第1のノード5とノード2には高周波フィルタ回路が接続されている。本フィルタ回路は、急峻な周波数変化率をもつ共振器を用いたバンドパス型の高周波フィルタである。
本フィルタは4本の開放スタブT1、開放スタブT2、開放スタブT’22、開放スタブT’23と一本の伝送線路T10とで構成されている。開放スタブT1、開放スタブT2の伝送線路T10の特性インピーダンスはそれぞれZ、Zであり、高周波回路の動作周波数fにおける位相定数をそれぞれβとβとする。
開放スタブT1とT2の長さLとLはZ×cot(β×L)=−Z×cot(β×L)の関係式を満たす任意の組み合わせを用いることが可能である。開放スタブT’22、開放スタブT’23は開放スタブT1、開放スタブT2とそれぞれ等しい特性インピーダンス、位相定数、長さを持っている。開放スタブT1と開放スタブT2とは第1の接続点3で、開放スタブT1’と開放スタブT2’とは第2の接続点24でそれぞれ互いに接続される。第1の接続点3と第2の接続点24とは互いに動作周波数の1/4波長の長さの伝送線路T10で接続されることにより、高周波フィルタを構成している。
以下に動作を説明する。動作周波数fの時、開放スタブT1と開放スタブT2との組み合わせ、及び開放スタブT1’22と開放スタブT’23との組み合わせは第1の実施の形態で説明した原理に従って回路に対して高インピーダンスを与える。この時、第1のノード5から第2のノード21へ伝搬する信号に対して影響は小さく、回路は低損失となる。
一方、f以外の周波数の時、開放スタブT1と開放スタブT2との組み合わせ、及び開放スタブT’22と開放スタブT’23との組み合わせは回路に低インピーダンスを与え、第1のノード5から第2のノード21へ信号が通過することができなくなる。すなわち、動作周波数fの信号のみを通過させるバンドパスフィルタとして動作する。
なお、開放スタブT1と開放スタブT2に替えて短絡スタブを用いても同様の効果が得られる。この短絡スタブを適用した場合は、長さL、Lが動作周波数において満たすべき条件として、Z×tan(β×L)=−Z×tan(β×L)の関係式がある。
本実施の形態の高周波フィルタは、第1の実施の形態において抵抗R4を0Ωにした時の安定化回路が2段繋がっている構成と等価である。この時、本実施の形態の高周波フィルタが示す周波数変化率は、第1の実施の形態が有する周波数変化率の重畳で表すことができる。よって第1の実施の形態に比べて、より急峻な周波数変化率を実現できる点が特徴である。
本実施の形態において伝送線路T10の長さは動作周波数の1/4波長としたが、厳密にこの長さでなくてもよい。伝送線路T10の長さが動作周波数の1/4波長であるとき、開放スタブT1と開放スタブT2、及び開放スタブT1’22と開放スタブT’23とは、伝送線路T10によって接続されている影響を受けず、第1の実施の形態で説明した動作と全く同様の動作が行える。
しかし、伝送線路T10の長さが動作周波数の1/4波長から乖離すると、伝送線路T10がもつリアクタンスの影響により、開放スタブの共振周波数が僅かに変化して、動作周波数がfからf’へ変化することがある。しかしながら、その変化量は僅かであり、本実施の形態の効果である急峻な周波数変化率を損なうことはない。
本実施の形態において使用する伝送線路としては、たとえば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路などが利用でき、開放スタブが構成可能であり、所望の高周波回路に接続可能であれば良い。
本実施の形態では、回路は無損失であるとしたが、一般的な伝送線路が示すような損失が存在しても、本実施の形態は適用可能である。なぜならば、伝送線路が示す損失は本実施の形態の安定化回路が高周波回路に与える損失よりも十分に小さく、伝送線路の損失の大小で本実施の形態の効果が損なわれることが無いからである。
本実施の形態では、開放スタブT1と開放スタブT2の組み合わせを2段接続することによって、各段の周波数変化率を重畳した周波数変化率が得られることを説明した。よって、2段以上の接続も容易に予想することが可能である。また、段によって動作周波数fを変化させ、複数の周波数において低損失となるような構成も容易に予想可能である。
[第6の実施の形態]
図9は第6の実施の形態を説明する図であり、高周波回路の第1のノード5と第2のノード21とに高周波フィルタ回路が接続されている。本フィルタ回路は、急峻な周波数変化率をもつ共振器を用いたバンドパス型の高周波フィルタである。
本フィルタは4本の可変リアクタンススタブT15、可変リアクタンススタブT16、可変リアクタンススタブT’31、可変リアクタンススタブT’32と一本の伝送線路T10とで構成されている。
可変リアクタンススタブは、特性インピーダンスがそれぞれZ、Zである伝送線路と可変リアクタンス回路X17、可変リアクタンス回路X18で構成されている。可変リアクタンス回路X17、可変リアクタンス回路X18は、例えば、バラクタダイオードなどで実現可能である。バラクタダイオードは外部から電圧を印加することにより、ダイオードが有するキャパシタンスを変化させることが可能である。この動作により、バラクタダイオードが接続されたノードのリアクタンスを変化させることができる。
高周波回路の動作周波数fにおける伝送線路T10の位相定数をそれぞれβとβとする。また、可変リアクタンス回路が与えるリアクタンスをそれぞれ、−Z×cot(β×V)、−Z×cot(β×V)とする。この時、それぞれの伝送線路の長さLとLは第3の実施の形態で説明した原理により、Z×cot(β×(L+V))=−Z×cot(β×(L+V))の関係式を満たす任意の組み合わせを用いることが可能である。
可変リアクタンススタブT’31、可変リアクタンススタブT’32は可変リアクタンススタブT15、可変リアクタンススタブT16とそれぞれ等しい特性インピーダンス、位相定数、長さの伝送線路T10と接地可変リアクタンス回路X’30、接地可変リアクタンス回路X’34とからなる。
可変リアクタンススタブT15と可変リアクタンススタブT16とは第1の接続点3で、可変リアクタンススタブT’31と可変リアクタンススタブT’32とは第2の接続点24でそれぞれ互いに接続される。第1の接続点3と第2の接続点24とは互いに動作周波数の1/4波長の長さの伝送線路T10で接続されることにより、高周波フィルタを構成している。
以下に動作を説明する。動作周波数fの時、可変リアクタンススタブT15と可変リアクタンススタブT16との組み合わせ、及び可変リアクタンススタブT’31と可変リアクタンススタブT’32との組み合わせは第1の実施の形態で説明した原理に従って回路に対して高インピーダンスを与える。
この時、第1のノード5から第2のノード21へ伝搬する信号に対して影響は小さく、回路は低損失となる。一方、f以外の周波数の時、可変リアクタンススタブT15と可変リアクタンススタブT16との組み合わせ、及び可変リアクタンススタブT’31と可変リアクタンススタブT’32との組み合わせは回路に低インピーダンスを与え、第1のノード5からノード2へ信号が通過することができなくなる。すなわち、動作周波数fの信号のみを通過させるバンドパスフィルタとして動作する。
本実施の形態の高周波フィルタは、第3の実施の形態において抵抗R4を0Ωにした時の安定化回路が2段繋がっている構成と等価である。この時、本実施の形態の高周波フィルタが示す周波数変化率は、第3の実施の形態が有する周波数変化率の重畳で表すことができる。よって第3の実施の形態に比べて、より急峻な周波数変化率を実現できる点が特徴である。
本実施の形態において伝送線路T10の長さは動作周波数の1/4波長としたが、厳密にこの長さでなくてもよい。伝送線路T10の長さが動作周波数の1/4波長であるとき、可変リアクタンススタブT15と可変リアクタンススタブT16、及び可変リアクタンススタブT’31と可変リアクタンススタブT’32とは、伝送線路T10によって接続されている影響を受けず、第3の実施の形態で説明した動作と全く同様の動作が行える。
しかし、伝送線路T10の長さが動作周波数の1/4波長から乖離すると、伝送線路T10がもつリアクタンスの影響により、可変リアクタンススタブの共振周波数が僅かに変化して、動作周波数がfからf’へ変化することがある。しかしながら、その変化量は僅かであり、本実施の形態の効果である急峻な周波数変化率を損なうことはない。
本実施の形態において使用する伝送線路としては、たとえば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路などが利用でき、接地可変リアクタンス回路が構成可能であり、所望の高周波回路に接続可能であれば良い。
本実施の形態では、回路は無損失であるとしたが、一般的な伝送線路が示すような損失が存在しても、本実施の形態は適用可能である。なぜならば、伝送線路が示す損失は本実施の形態の安定化回路が高周波回路に与える損失よりも十分に小さく、伝送線路の損失の大小で本実施の形態の効果が損なわれることが無いからである。
本実施の形態では、可変リアクタンススタブT15と可変リアクタンススタブT16の組み合わせを2段接続することによって、各段の周波数変化率を重畳した周波数変化率が得られることを説明した。よって、2段以上の接続も容易に可能である。また、段によって動作周波数fを変化させ、複数の周波数において低損失となるような構成も容易である。
また、本実施の形態の高周波フィルタ回路および安定化回路を実装する場合において、伝送線路の形状であり、あるいはICで用いる素子を利用したものであるので、通常のIC製造プロセスでその他の高周波回路と同時に作成可能であり、かつIC上に実装可能であるため、回路規模(サイズ)を比較的小型にできるという利点もある。
第1の実施の形態の説明するための説明図である。 第1の実施の形態の効果を説明するための説明図である。 図2に示された安定化回路の周波数変化率を示す図である。 第2の実施の形態を説明するための説明図である。 第3の実施の形態を説明するための説明図である。 第3の実施の形態の動作原理を説明するための説明図である。 第4の実施の形態を説明するための説明図である。 第5の実施の形態を説明するための説明図である。 第6の実施の形態を説明するための説明図である。 ノッチフィルタの周波数特性を示す特性図である。
符号の説明
1…開放スタブT
2…開放スタブT
3…第1の接続点
4…抵抗R
5…第1のノード
6…容量
7…グランド
10…伝送線路T

Claims (8)

  1. 特性インピーダンスがZ であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、
    特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、
    前記L と前記L とはZ ×cot(β ×L )=−Z ×cot(β ×L )の関係式を満たし、
    高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、
    前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて互いに接続し、
    前記第1の接続点と前記第1のノードが抵抗を介して相互に接続されていることを特徴とする安定化回路。
  2. 特性インピーダンスがZ であり、所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、
    特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、
    前記L と前記L とはZ ×cot(β ×(L +V ))=−Z ×cot(β ×(L +V ))の関係式を満たし、
    高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、
    前記可変リアクタンススタブT と前記可変リアクタンススタブT とを第1の接続点にて互いに接続し、
    前記第1の接続点と前記第1のノードが抵抗を介して相互に接続されており、
    前記接地可変リアクタンス手段X 及び/又は前記接地可変リアクタンス手段X を変化させることにより、動作周波数が前記所定の周波数から変化することを特徴とする安定化回路。
  3. 前記開放スタブT と、前記開放スタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、は、それぞれ短絡スタブに置換可能なことを特徴とする請求項1または2に記載の安定化回路。
  4. 特性インピーダンスがZ であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、
    特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、
    前記L と前記L とはZ ×cot(β ×L )=−Z ×cot(β ×L )の関係式を満たし、
    高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、
    前記動作周波数における1/4波長の長さをもつ伝送線路をT とし、
    前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて互いに接続し、
    前記第1の接続点と前記第1のノードが伝送線路T を介して相互に接続されていることを特徴とする高周波フィルタ。
  5. 特性インピーダンスがZ であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、
    特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、動作周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路による開放スタブをT とし、
    前記L と前記L とはZ ×cot(β ×L )=−Z ×cot(β ×L )の関係式を満たし、
    前記開放スタブT 及び前記開放スタブT と同じ特性インピーダンス、位相定数、長さを持った開放スタブをそれぞれT ’、T ’とし、
    前記動作周波数における1/4波長の長さの伝送線路をT とし、
    前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて相互に接続し、
    前記開放スタブT ’と前記開放スタブT ’とを第2の接続点にて相互に接続し、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点とを伝送線路T によって相互に接続し、もってフィルタ回路を形成し、
    高周波回路の中にあって前記フィルタ回路へ信号を出力するノードを第1のノードとし、
    前記フィルタ回路から信号が入力されるノードを第2のノードとし、
    前記第1の接続点と、前記第2の接続点と、が、前記第1のノードと、前記第2のノードと、にそれぞれ接続されていることを特徴とする高周波フィルタ。
  6. 特性インピーダンスがZ であり、所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、
    特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、
    前記L と前記L とはZ ×cot(β ×(L +V ))=−Z ×cot(β ×(L +V ))の関係式を満たし、
    高周波回路の中にあって高周波損失を与えるノードを第1のノードとし、
    前記所定の周波数における1/4波長の長さをもつ伝送線路をT とし、
    前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて相互に接続し、
    前記第1の接続点と前記第1のノードが伝送線路T を介して相互に接続されおり、
    前記接地可変リアクタンス手段X 及び/又は前記接地可変リアクタンス手段X を変化させることにより、動作周波数が前記所定の周波数から変化することを特徴とする高周波フィルタ。
  7. 特性インピーダンスがZ であり、所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、
    特性インピーダンスがZ (但し、Z ≠Z )であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがL である伝送線路に、特性インピーダンスがZ であり、前記所定の周波数において位相定数がβ であり、長さがV である開放スタブと同じリアクタンス−Z ×cot(β ×V )を与えることができる接地可変リアクタンス手段X を接続した可変リアクタンススタブをT とし、
    前記L と前記L とはZ ×cot(β ×(L +V ))=−Z ×cot(β ×(L +V ))の関係式を満たし、
    前記可変リアクタンススタブT 及び前記可変リアクタンスタブT と同じ特性インピーダンス、位相定数、長さを持った伝送線路と、前記接地可変リアクタンス手段X および前記接地可変リアクタンス手段X と同じ接地可変リアクタンス手段と、からなる可変リアクタンススタブをそれぞれT ’、T ’とし、
    前記所定の周波数における1/4波長の長さの伝送線路をT とし、
    前記開放スタブT と前記開放スタブT とを第1の接続点にて相互に接続し、
    前記開放スタブT ’と前記開放スタブT ’とを第2の接続点にて相互に接続し、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点とを伝送線路T によって相互に接続し、もってフィルタ回路を形成し、
    高周波回路の中にあって前記フィルタ回路へ信号を出力するノードを第1のノードとし、
    前記フィルタ回路から信号が入力されるノードを第2のノードとし、
    前記第1の接続点と、前記第2の接続点と、が、前記第1のノードと、前記第2のノードと、にそれぞれ接続されており、
    前記接地可変リアクタンス手段X 及び/又は前記接地可変リアクタンス手段X を変化させることにより、動作周波数が前記所定の周波数から変化することを特徴とする高周波フィルタ。
  8. 前記開放スタブT と、前記開放スタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、前記可変リアクタンスタブT と、は、それぞれ短絡スタブに置換可能なことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の高周波フィルタ。
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