JP4415597B2 - 成形加工原紙およびそれを用いた紙製成形容器 - Google Patents

成形加工原紙およびそれを用いた紙製成形容器 Download PDF

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Description

本発明は、成形加工原紙およびそれを用いた紙製成形容器に関するものである。さらに生鮮食料品、あるいは各種加工食品等を収納する容器の素材として好適に用いられる成形加工原紙およびそれを用いた紙製成形容器に関する。さらに詳しくは、焼却、廃棄する場合でも問題のない環境負荷が低く、特に深絞り成形に適した特性を有する成形加工原紙およびそれを用いた紙製成形容器に関する。
従来、食品容器等の包装材料として、成形が容易であること、大量生産できること、安価に製造できることなどから、プラスチック製容器が大量に使用されてきた。これらのプラスチック製容器としては、例えば、発泡ポリスチレンビーズをモールド成形または発泡ポリスチレンシートをプレス成形して得た発泡スチロール容器、またポリプロピレン容器、ポリエチレンテレフタレート容器、ポリ塩化ビニル容器等が広く用いられている。しかしながら、上記のようなプラスチック製容器は、廃棄処分時の環境に対する負荷が高いという問題があった。すなわち、埋め立て処理をすると半永久的に分解されず地中に残存し、また、焼却処理をすると、燃焼カロリーが高いため焼却炉を傷めやすいこと、完全燃焼しにくく、特にポリ塩化ビニルを使用したものは、腐食性の強い塩化水素ガスを発生する恐れがあることなどの問題があった。
そこで、近年、環境問題、リサイクル問題、省資源を考慮し、前述のプラスチック製容器に代わるものとして、リサイクルが可能で、廃棄された場合の燃焼カロリーも低く、生分解性能を有し、環境に対する負荷の低いパルプを素材とする容器が求められている。パルプ、もしくはパルプを主体とする素材による三次元形状を有する成形体としては、従来からパルプモールド容器が存在する。パルプモールド製容器は、以前から包装容器として広く使用されている。パルプモールド容器の製造方法は、その目的とする容器形状に対応する凹凸形状を有する網型を作製し、その網型にパルプスラリーを吸引抄紙し、乾燥することで、パルプ原料を所望の形状に成形する方法である。従って、この方法により得られる容器形状はある程度自由度が高いものである。しかし、パルプモールドの製造には時間もかかり生産性に問題があった。さらに、パルプモールド容器には食品用のトレー容器にはしばしば要求される十分な耐水性や耐油性を付与することは困難でありコスト増加を伴うものであった。
パルプモールド以外で、パルプを主体した成形品を得る方法として、板紙等のパルプを主体とした基材シートを加熱下でプレス成形する方法が知られている。この方法は、雌雄型の間に予め罫線を入れた基材シートを装填し、熱圧でプレス成形したものである。このようなプレス成形法は、1回のプレスで成形体が得られるため、生産性が非常に高い。しかし、樹脂や金属と異なり、紙パルプを主体とする基材シートは、一般に延伸性、延展性、伸長性に乏しい。従って、ある程度の深さを持つトレーを成形しようとして深いプレス成形を行うと、基材シートがその延伸に耐えられず破断する恐れがある。したがって、通常の板紙等を基材として使用した場合、いわゆる紙皿と呼ばれるような深さのほとんどない成形容器しか製造することできず、得られる成形体の形状が非常に限られていた。また、破断が発生しなくても、罫線部分の折れ目部分に段差が生じたり容器表面を滑らかにすることは難しい。また、トレーの容器口縁部に段差が生じた場合等は、蓋をつけた場合や、またフィルム等でシールをしようとする場合に段差分の隙間ができるため、密閉性が問題となっていた。さらに、紙の折れ目を起点とする破断点がトレーの強度を下げる原因ともなっている。
このような問題を解決するため、例えば、加工原紙の密度を低下させたり、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性樹脂繊維とパルプ繊維と混抄して延伸性、伸長性および延展性を向上させる方法ある。
加工原紙の密度を低下させる方法として、紙抄造時におけるプレス工程で出来るだけプレス圧を低くし、紙表面を平滑性を付与するために行われるカレンダー処理を行わない方法、紙抄造時に中空の合成有機物のカプセルを配合する方法、マイクロカプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性の発泡体粒子を混抄する方法、シラスバルーンを混抄する方法、微細フィブリル化セルロースを添加する方法、パルプ繊維間の結合の阻害要因として働く低密度薬剤として無定形シリカ、無定形シリケート等を添加して、パルプ繊維結合間の距離を増すことによる低密度化する方法等が挙げられる。
しかしながら、上記の紙の低密度化の方法は、添加剤のパルプ繊維との混合性が悪く、いわゆる「粉落ち」が発生し、印刷光沢低下、印刷ムラ等の問題、紙力(強度)の低下の問題が危惧される。いずれにしても、上記の低密度化方法のいずれも紙の伸長性等の効果が十分でなく、コスト上昇等の経済的な面でも問題がある。
一方、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性樹脂繊維とパルプ繊維とを混抄する方法は、紙基材の有するリサイクル性や、廃棄時の環境負荷の少なさなどの特性を損なうものである。また、伸伸性等の点でも十分な効果が得られていない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、表面加飾を付与する印刷加工やその他の抜き、ムシリ、貼り、成形等の各種加工性を有し、焼却、廃棄する場合も問題とならない環境に対する負荷の低い、伸長性、延伸性および延展性に優れる深絞り成形が可能な成形工原紙およびそれを用いた紙製成形容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、
請求項1に係る発明は、
幅方向の伸び率が2〜9%、流れ方向の伸び率が1〜6%の原紙に、予め任意形状の凹凸を形成した後、該凹凸を形成した原紙をプレス成形により押圧潰加工を施し、伸長性を付与したことを特徴とする成形加工原紙である。
請求項2に係る発明は、
前記任意形状の凹凸を、エンボス加工もしくはシボ加工により形成することを特徴とする請求項1記載の成形加工原紙である。
請求項3に係る発明は、
前記任意形状の凹凸の高さ(深さ)が、0.5mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の成形加工原紙である。
請求項4に係る発明は、
前記エンボス加工もしくはシボ加工が、70〜150℃の範囲の温度で加熱して加工することを特徴とする請求項2記載の成形加工原紙である。
請求項5に係る発明は、
前記押圧潰加工を施すプレス成形が、加熱されたプレスロールを用いることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形加工原紙である。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形加工原紙を用たことを特徴とする紙製成形容器である。
本発明により、表面加飾を付与する印刷加工やその他の抜き、ムシリ、貼り、成形等の各種加工性を有し、リサイクルが容易な、焼却、廃棄する場合にも問題の生じない環境に対する負荷の低い、伸長性、延伸性および延展性に優れる成形加工原紙を提供することができる。
本発明の成形加工原紙をブランクとして、プレス成形時にフランジ部、コナー部および底部などに亀裂や紙切れが発生することがない不良品の発生が抑制された優れた成形性と高い生産性を有する、深絞り成形が可能な紙製成形容器を提供できる。
本発明の紙製成形容器は、食肉、野菜、鮮魚等の生鮮食料品、あるいは弁当、総菜、冷凍食品、菓子類、めん類などの各種加工食品等を収納する容器として好適に使用される。
以下、本発明の1実施例としての最良の実施形態について説明する。
本発明の成形加工原紙は、幅方向の伸び率が2〜9%、流れ方向の伸び率が1〜6%の原紙に、予め任意形状の凹凸を形成した後、その凹凸を形成した原紙をプレス成形により押圧潰加工を施し、伸長性、延伸性および延展性を付与したことを特徴とするものである。
原紙の伸び率は、JIS P8132の「紙及び板紙の伸び試験法に準じて測定した数値のことをいうもので、流れ方向とは、抄紙機で紙を抄紙する際に紙が進んでいく方向を指し、幅方向は、それと直角方法、すなわち紙の進んでいく方向と直角の方向を指す。
本発明における成形加工原紙に用いられる原紙は、幅方向の伸び率が2〜9%、流れ方向の伸び率が1〜6%の原紙が用いられる。
原紙としては、例えば、木材繊維(化学パルプ、機械パルプ)、非木材繊維、古紙パルプなどが必要に応じて任意に使用される。木材繊維のうち化学パルプとしては、木材チップ蒸解時に苛性ソーダと硫化ナトリウムを使用するクラフトパルプや、亜硫酸と亜硫酸水素塩を使用する亜硫酸パルプなどが挙げられる。これらのパルプは未晒品でも、漂白処理を施したものでもよい。また、機械パルプとしては、丸太をグラインダーで磨砕して得られるグラウンドウッドパルプ(GP)、製材工場の廃材をリファイナーで磨砕(リファイニング)して得られるリファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、木材チップを加熱、リファイニング処理して得られるサーモメカニカルパルプ(TMP)などが挙げられる。これらの機械パルプのうち、シートの嵩高さ、及び強度の点からTMPが最適である。なおTMPとしては、木材チップを化学処理した後に加圧下でリファイニングするC−TMP、さらに漂白処理を施したBC−TMP等も含むものとする。また、こうした木材繊維パルプのうち、マツ、カラマツ、スギ、モミ、ヒノキ等の針葉樹から得られる繊維長の長いパルプは紙シートの延伸性、強度を向上させるために好適に使用される。
また、上記の非木材繊維としては、コウゾ、ミツマタ、ガンピ、アマ、タイマ、ケナフ、チョマ、ジュート、サンヘンプなどの靭皮繊維類や、木綿、コットンリンターなどの種
毛繊維類や、マニラ麻、サイザル麻、エスパルトなどの葉繊維類や、竹、イネワラ、ムギワラ、サトウキビバガスなどの茎繊維類などが挙げられる。特にコウゾ、ミツマタ、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、木綿、コットンリンターなどは、繊維長も長く、本発明原紙の延伸性、強度を向上させることができるため好適に用いられる。非木材繊維の蒸解は、木材繊維と同様の方法で行うことができる。
また、上記の古紙パルプとしては、段ボール古紙、雑誌古紙などが挙げられるが、特に段ボール古紙は紙シートの延伸性、強度を向上させることができ、好適に用いられる。
本発明で使用される紙基材の原紙を抄造するために添加する製紙用薬品としては、通常の抄紙で用いられるのと同様のサイズ剤、紙力剤、歩留まり向上剤等を必要に応じて使用することができる。例えばサイズ剤としてはアルキルケテンダイマー、スチレンアクリル樹脂、ロジン等の内添サイズ剤が使用される。また、紙力剤、歩留まり向上剤としてはポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミン及びその誘導体、カチオン性及び両性デンプン、酸化デンプン、カルボキシメチル化デンプン、植物ガム、ポリビニルアルコール等の有機系化合物、及び硫酸バンド、アルミナゾル、コロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を適宜組み合わせて使用することができる。
また、抄造時に填料を添加することができる。填料としてはタルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料や、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等を適宜選択して使用することができる。また、これらを任意に併用して使用してもよい。
さらに、染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙用添加助剤も用途に応じて適宜使用できる。本発明の抄紙時pHは酸性抄紙である4.5付近から中性抄紙の6〜8程度の間で必要に応じて任意に選択することが可能である。
上記で得られる原紙は、優れた延伸性、強度などの性能の向上が期待できるものである。
本発明において用いられるエンボス加工もしくはシボ加工としては、任意形状の凹凸模様が形成されているエンボスロールもしくはシボロールが、紙基材を挟むようにして2つ位置されている。この2つのエンボスロールもしくはシボロールを両側から紙基材に押し当てると、エンボスロールもしくはシボロールの凹凸形状にしたがって紙基材に微細な凹凸形状が賦型されて形成される。
上記の凹凸形状の高さ(深さ)が、0.5mm以上とするのが望ましい。
上記のエンボス加工もしくはシボ加工が、70〜150℃の範囲の温度で加熱して加工することができる。このようにすると、紙基材が破れることなく、凹凸形状の深さが深い形状を容易に賦型することができる。
上記で得られた任意形状の凹凸が形成された紙基材を、プレス成形としてプレスロールを通し、前記の凹凸形状を押圧潰加工を施し、凹凸形状が押し潰されて平滑性を発現させたものである。表面は平滑性で凹凸形状がなくなったように見えるのであるが、実際、凹凸が紙層内に残存し、紙容器等にプレス成形する際に紙基材が伸長性、延伸性および延展性を発現する。
また、凹凸形状を押圧潰加工を施すプレスロールを加熱することもできる。このようにすると、容易に凹凸形状を潰すことができ、平滑性に優れる表面が得られる。
上記で得られる成形加工原紙に、必要に応じて、光沢等の美粧性、耐水性、耐油性を付与するために、焼却、廃棄する場合に問題が生じない範囲で、少なくとも片面に樹脂層を設けることができる。
樹脂層を設ける方法としては、含浸、コーティング、フィルムの貼り合わせ等の方法が適用できる。フィルムの貼り合わせ方法としては、通常用いられる押出ラミネーション、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
上記で得られる成形加工原紙に貼り合わせる樹脂層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられる。未延伸もしくは延伸いずれのものも要求品質に応じて適宜選択される。
また、上記で得られる成形加工原紙に貼り合わせる樹脂層として、微生物分解性熱可塑性樹脂を用いるのが望ましい。
微生物分解性を有する熱可塑性樹脂としては、紙と同等もしくはそれ以上の微生物分解性を有する樹脂であれば、特にその種類に限定はない。すなわち、3−ヒドロキシブチレート・3ヒドロキシバリレート共重合体、3−ヒドロキシブチレート重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸などのポリグリコリド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとデンプンの複合体、セルロースアセテートなどのセルロース誘導体など、合成あるいは天然の樹脂を単独あるいは混合して用いることができる。これらの微生物分解性の熱可塑性樹脂の中で、特に好適な樹脂は脂肪族ポリエステルである。微生物分解性の脂肪族ポリエステルは、原紙に積層する際の加工性に優れ、製品の耐水性においても優れている。これらの熱可塑性樹脂の加工性や物性を向上させる目的で、樹脂に微生物分解性あるいは、微生物分解性を有さない樹脂や添加剤を添加することも差し支えない。微生物分解性を有さない樹脂や添加剤を添加する場合は、その添加量が元の樹脂の重量を越えない範囲で添加することが望ましく、これを越えると成形加工原紙全体に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。
また、上記の耐水性を付与する樹脂の材質としては、耐水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、でんぷん等が、また湿潤時紙力増強剤として尿素ホルムアルデヒド樹脂、でんぷん、ポリアミドアミン、そのエピクロルヒドリン変性体、さらに各種ラテックス、例えば天然ゴムラテックス、SBR、NBR、ポリクロロプレン等の合成ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、もしくはこれらの共重合体の樹脂ラテックス等が挙げられるが、好ましくは、微生物分解性を有するポリビニルアルコール樹脂、でんぷん、ポリ酢酸ビニル樹脂等を使用するのが望ましい。
また、上記の耐油性を付与する樹脂の材質としては、例えば、耐油性の低い低密度ポリエチレン系樹脂以外の耐油性の高い樹脂が使用され、例えば、中密度もしくは高密度ポリエチレン系樹脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル(可塑、無可塑)、ぽり塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、アイオノマー、ポリイミド、ポリウレタン系樹脂などが挙げられるが、好ましくは、微生物分解性を有するセルロース系樹脂を使用するのが望ましい。
上記で得られる本発明の成形加工原紙は、表面加飾を付与する印刷加工やその他の抜き、ムシリ、貼り、成形等の各種加工性を有し、リサイクルが容易な、焼却、廃棄する場合にも問題の生じない環境に対する負荷の低い、伸長性、延伸性および延展性に優れるものである。本発明の成形加工原紙を用いて、プレス成形時にフランジ部、コナー部および底部などに亀裂や紙切れが発生することがない不良品の発生が抑制された優れた成形性と高い生産性を有する、深絞り成形が可能な紙製成形容器を提供できる。
次に、本発明の成形加工原紙を用いた深絞り成形による紙製成形容器について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の紙製成形容器の1例を示す斜視図とその容器本体を構成するブランクの平面図である。図2〜4は、本発明におけるブランクの1実施例を示す断面図である。図5は、本発明の1実施例としての紙製成形容器本体の斜視図である。図6は、本発明の1実施例としての紙製成形容器本体の斜視図である。
本発明の絞り成形による紙製容器の1例として、図1に示すように、シール蓋20による密封性の高いシールが可能なフランジ部12を有する密封型の深絞り紙トレーを例示して説明する。本発明における密封型の深絞り紙製成形容器は、本発明の成形加工原紙からなるブランク30には、予め成形した時にシワの入りやすい部分に罫線31を多数本施しておくことが、より成形をし易すくする。この罫線31の加工は、打ち抜き加工と同時に行うことができる。ブランク30を成形することによって得られた深絞り紙トレー本体10のフランジ部12の凹凸を少なくし平滑な面を形成することによって得られる。シール蓋20としては、深絞り紙トレーの内面の材料により適宜選定するが、イージーピール性を持ち、かつ生分解性を有するものが好ましい。例えば、ポリ乳酸樹脂等使用可能である。特に、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート系樹脂とを混合させたものは柔軟性を有し、ヒートシール剤として使用することができる。
絞りを深くした場合には、フランジ部12にシワが入りやすく、フランジ部12の面は凹凸面となってしまうが、フランジ部12形成後の成形加工原紙の密度が0.8g/cm3以下となるように成形することにより、フランジ部12が平滑となり、シール蓋20をシールする際に圧力、押し圧時間の調整範囲が広がり容易に密閉構造を得ることが可能である。
本発明において用いられるブランクとして、一例として、図2〜4に示すように、本発明の成形加工原紙40の片面に、第1の樹脂層40aとさらに第2の樹脂層40bを積層したもの(図2参照)、本発明の成形加工原紙40の片面に第1の樹脂層40a、もう一方の他面に第2の樹脂層40bを積層したもの(図3参照)、本発明の成形加工原紙40の片面に第1の樹脂層40aを積層したもの(図4参照)を用いることができる。
上記の第1の樹脂層40aおよび第2の樹脂層40bとしては、例えば、プロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などの未延伸もしくは延伸いずれのものも要求品質に応じて適宜選択される。
本発明の紙製成形容器として、深絞り紙トレー本体10の形状として四角形状のものを例示したが、図5に示すような楕円(ボウル)形状のもの、また、図6に示すような円形(ボウル)形状のものであってもよい。フランジ部を有していればよく、特に形状については限定されるものではない。
次に、ブランクから本発明の紙製成形容器を製造する工程について説明する
図7は、本発明におけるプレス工程に使用する雄雌プレス装置の概念図である。図7に示すように、本発明で絞り成形は一対のプレス用金型により行う。一対の加熱プレス用金型とは、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型の雄型金型と、凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型の雌型金型である。前記一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも片方の型が動くことにより成形品をプレスすることができる。凸状の型を上型とし、凹状の型を下型とし、上型が下方に移動することによりプレスする方式である。
ブランクを加熱する方法としては、高周波加熱、熱風加熱、赤外線加熱などの方法でもよい。また、金型全体を加熱しておいてもよい。この場合、金型を加熱する手段を必要とする。金型加熱手段としては該プレス用金型に電熱加熱装置を設け加熱することが一般的であるが、プレス用金型に高周波発振機を接続して、高周波を印加して乾燥する手段もある。また、電熱加熱と高周波加熱を併用することもできる。
また、成形時の加熱温度は加工原紙が100℃〜150℃となるような範囲が好ましく、さらに好ましくは110〜140℃である。100℃未満であると、成形に時間がかかり生産性が落ちる。また150℃を越えると、特に原紙水分が高い場合、ブリスターが発生しやすくなるため好ましくない。成形加工原紙は、前記した加熱されたプレス機械にセットした際に前記所定の温度にすることができる。
絞り成形を完了した容器は、金型から取り出し、空冷してもよいが、寸法安定性を高めるためには、高温の容器を冷却用の金型に一定時間だけ固定冷却することも好ましい。
前記加熱プレス用金型の材質としては、アルミニウム、アルミニウム系合金、黄銅、鉄、ステンレス鋼、セラミックなど公知のものが使用できる。
上記で得られる本発明の紙製成形容器は、本発明の伸長性、延伸性および延展性に優れる成形加工原紙を用いて成形することで、プレス成形時にフランジ部、コナー部および底部などに亀裂や紙切れが発生することがない不良品の発生が抑制された優れた成形性と高い生産性を有する、リサイクル性が容易な、焼却、廃棄する場合にも問題の生じない環境に対する負荷の低い、紙基材を主体とする深絞り成形が可能な紙製成形容器を提供できる。
坪量270g/m2、厚さ0.35mmのカップ原紙(中越パルプ工業株式会社製)からなる紙基材に、方面にエンドレス印刷を行い、エンボス高さ2.0mm、山ピッチ6.0mmの雌雄エンボスロールにより下記の条件でエンボス加工を施した。エンボス後の厚さが、1.8mmであった。
<エンボス加工条件>
ロール温度: 100℃
圧力: 1000mm幅線圧で5トン
エンボスクリアランス:0.3mm
その後、上記のエンボス加工を施した紙基材を金属/金属製のプレスロールを通し、下記の条件で押圧潰加工を施し、エンボスの凹凸を潰した。
<押圧潰加工条件>
ロール温度: 100℃
圧力: 1000mm幅線圧で5トン
押圧潰ロールクリアランス:なし
上記で得られた本発明の成形加工原紙の表裏にポリプロピレン(PP)樹脂を押出ラミネート法により、30μmの厚さの樹脂層を形成し、300φmmに罫線を入れ、打ち抜きブランクを作成した。そのブランクを下記のボウル金型を用いて成形し、本発明の紙製容器を作成した。
<金型>
口径: 150φmm
深さ: 70mm
テーパー:20度
坪量270g/m2、厚さ0.35mmのカップ原紙(中越パルプ工業株式会社製)からなる紙基材を用いた。
市販のポリプロピレン(PP)樹脂混抄紙を用いた。
市販の一般に入手可能な伸長性を有する紙基材(日本紙共版社製、商品名「ウェイビィウェイビィ」)を用いた。
上記の実施例1で得られた本発明の成形加工原紙、および比較としての実施例2〜4で用いた一般市販の紙基材について、伸長性(伸び率)、コスト、印刷適性、小ロット対応、剛度、リサイクル性、絞り適性について比較評価した。なお、印刷適性、小ロット対応、剛度、リサイクル性、絞り適性については、優(◎)、良(○)、可(×)の3段階評価を行った。その結果を表1に示す。
表より、明らかに、本発明の成形加工原紙は、伸び率(伸長性)、印刷適性、小ロット対応、リサイクル性、絞り適性のいずれも優れたものである。なお、比較としての実施例4の伸長性を有する紙基材は、伸び率(伸長性)は優れるが、表面平滑性に劣るために印刷適性に問題があった。さらに小ロット対応、剛度、コスト面で、本発明の成形加工原紙に比較して劣るものである。
本発明の成形加工原紙は、食肉、野菜、鮮魚等の生鮮食料品、あるいは、弁当、総菜、冷凍食品、菓子類、めん類などの各種加工食品等を収容する容器の深絞りプレス成形に適した特性を有する素材として好適に使用される。また、容器とした場合、使用済み後の焼却、廃棄する際に問題がなく、環境負荷が低く、環境配慮型の容器として好適に使用される。
本発明の紙製成形容器の1例としての紙製トレーの斜視図とその紙製トレー用ブランクの平面図である。 本発明におけるブランクの1例を示す断面図である。 本発明におけるブランクの他の例を示す断面図である。 本発明におけるブランクのさらに他の例を示す断面図である。 本発明の紙製成形容器の1例を示す斜視図である。 本発明の紙製成形容器の他の例を示す斜視図である。 本発明における絞り成形プレス装置の1例を示す要部断面図である。
符号の説明
10、50、60、90・・・紙製成形容器本体
11・・・罫線部
12・・・フランジ部
20・・・蓋
30、80・・・ブランク
31・・・罫線
40・・・成形加工原紙
40a・・・第1の樹脂層
40b・・・第2の樹脂層
70・・・絞り成形プレス装置
71・・・雄型
72・・・雌型
73・・・押さえ板
74・・・スプリング

Claims (3)

  1. 幅方向の伸び率が2〜9%、流れ方向の伸び率が1〜6%の原紙に、70〜150℃の範囲の温度でエンボス加工もしくはシボ加工により高さ(深さ)が0.5mm以上の凹凸を形成しプレス成形により押圧潰加工を施し、伸長性を付与したことを特徴とする深絞り成形加工原紙。
  2. 前記エンボス加工もしくはシボ加工が、70〜150℃の範囲の温度で加熱して加工することを特徴とする請求項1項記載の深絞り成形加工原紙。
  3. 少なくとも加工原紙の片面または両面に樹脂層を形成してなる紙製成形容器用ブランクが深絞り加工されてなる紙製成形容器であり、前記加工原紙が幅方向の伸び率が2〜9%、流れ方向の伸び率が1〜6%の原紙に、70〜150℃の範囲の温度でエンボス加工もしくはシボ加工により高さ(深さ)が0.5mm以上の凹凸を形成し、プレス成形により押圧潰加工を施してなる深絞り成形加工原紙であり、その密度が0.8g/cm 以下に深絞り加工されてなることを特徴とする紙製成形容器。
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