JP4411004B2 - 防振機能を搭載した雲台システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視用カメラのパンニング、チルティングなどを行う雲台装置及びカメラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
雲台に搭載されるカメラに防振機能をもつカメラがなかったため、雲台においてその機能を十分に活用することがなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
防振機能を具備したカメラを雲台に搭載した場合、防振機能が働いたまま雲台の制御を行うと、不必要な時にも防振機能が働き、意図した撮影が出来ない場合があった。とくにパンニングやチルティングが始動する際や停止する際に防振機能が働くと、むしろ撮影中の画像が揺れる場合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
防振機能を具備したカメラを雲台に搭載した場合、その機能の有用性を生かすため、雲台のパンニングあるいはチルティングを行っている間は、一時的に防振機能を無効にする。
【0005】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図1は本発明の雲台システムの構成図である。
【0006】
雲台100は、ヘッド部101、ハウジング部102、カメラ103で構成される。また雲台100には、遠隔操作用の操作パネル104が接続され、雲台100のパンニングやチルティング操作、カメラ103のズーミングやフォーカシング制御、IRIS制御などの操作が可能となっている。また、雲台100からは搭載されたカメラ103の映像出力をモニタするためにモニタ105が接続される。
【0007】
図2を用いて、雲台100の制御部基本構成を説明する。
【0008】
雲台100には、CPU201が搭載され、雲台100全般の管理および制御を行っている。
【0009】
パンニングは、CPU201にパンニングドライバ202を通してパンニングモータ203を駆動し、パンニング機構204を制御することで動作する。パンニング機構にはCCW制限SW206およびCW制限SW205が搭載され、これらのSWはCPU201に入力されているため、CPU201がその状態をモニタすることで、パンニングの端を管理することが可能となっている。またパンニングモータ203には、パンニングエンコーダ207が接続され、その出力をパンニングカウンタ208に入力し、パンニングカウンタ208のカウンタ値をCPU201が管理することで、パンニング位置や駆動速度を制御することが可能となっている。
【0010】
チルティングは、CPU201にチルティングドライバ209を通してチルティングモータ210を駆動し、チルティング機構211を制御することで動作する。チルティング機構にはDOWN制限SW212およびUP制限SW213が搭載され、これらのSWはCPU201に入力されているため、CPU201がその状態をモニタすることで、チルティングの端を管理することが可能となっている。またチルティングモータ210には、チルティングエンコーダ214が接続され、その出力をチルティングカウンタ215に入力し、チルティングカウンタ215のカウンタ値をCPU201が管理することで、チルティング位置や駆動速度を制御することが可能となっている。
【0011】
また、CPU201には、タイマ218が接続されているため、雲台100全般の制御のための時間管理を可能にしている。
【0012】
さらに、CPU201は、雲台100に搭載されたカメラ103を制御するためのカメラ制御ライン218を持っている。CPU201はカメラ制御ラインに218を通して、カメラ103のズーミングやフォーカシング制御、IRIS制御などを行う。
【0013】
CPU201には通信ライン219が接続され、雲台100に搭載された通信インターフェース217を通して、外部からの通信を可能としている。
【0014】
一方、カメラ103のビデオ出力は、ビデオインターフェース216を通して、雲台100外部に出力されている。
【0015】
本発明のためのアルゴリズムを説明する。
【0016】
図3は、メインルーチンである。
【0017】
まずサブルーチンInitialize301を呼びだし、システムの初期化を行う。続いてステップ302に行き、操作パネル104からのコマンド受信があったかどうかをチェックする。なかった場合は、「なし」に行き、ステップ310において、サブルーチンCheckPanTiltDrivingを呼び出して、パンニングやチルティングなどの制御状態をチェックする。そしてステップ302に戻る。また、ステップ302で「あり」の場合は、操作パネル104からのコマンドをチェックするためにステップ303に行く。
【0018】
ステップ303では、パンニングコマンドであるかどうかをチェックする。パンニングコマンドであった場合は、「Y」に行き、ステップ307でサブルーチンPnanningCmdを呼び出して、パンニングコマンド処理を行う。そしてステップ310に行く。またステップ303でパンニングコマンドでないと判断された場合は「N」に行き、ステップ304に行く。
【0019】
ステップ304では、操作パネル104からのコマンドがチルティングコマンドであるかどうかをチェックする。チルティングコマンドであった場合は、「Y」に行き、ステップ308でサブルーチンTiltingCmdを呼び出し、チルティングコマンド処理を行う。そしてステップ310に行く。ステップ304でチルティングコマンドではないと判断された場合は、「N」に行き、ステップ305に行く。
ステップ305では、操作パネル104からのコマンドが防振機能コマンドであるかどうかをチェックする。防振機能コマンドであった場合は、「Y」に行き、ステップ309に行く。ステップ309ではサブルーチンAntivibrationCmdを呼び出し、防振コマンド処理を行う。そしてステップ310に行く。ステップ305で防振コマンドではないと判断された場合は、「N」に行き、ステップ306に行く。
【0020】
ステップ306では、その他のコマンド処理、例えば、カメラのズーミング、フォーカシング、IRIS制御などを行うが、本発明とは関係ないため処理内容は省略する。そしてステップ310に行く。
【0021】
図4を用いて、防振機能コマンド処理であるサブルーチンAntivibrationCmdの説明をする。
【0022】
ステップ401では、パンニングのステータスを調べる。PanStatus=PanStopが成立していた場合はパンニングが停止中であるため、「Y」に行き、ステップ402へ行く。ステップ401で条件が不成立の場合パンニングは駆動中であるため、「N」に行き、サブルーチンAntivibrationCmdを終了する。
ステップ402では、チルティングのステータスを調べる。TiltStatus=TiltStopが成立していた場合はチルティングが停止中であるため、「Y」に行き、ステップ403に行く。ステップ402で条件が不成立の場合チルティングは駆動中であるため、「N」に行き、サブルーチンAntivibrationCmdを終了する。
【0023】
ステップ403では、カメラの防振機能再起動待ち状態であるかどうかをチェックする。ReAntivibrationStatusをチェックし、防振機能再起動待ち状態でない場合、「NoRequest」に行き、ステップ404に行く。ステップ403でReAntivibrationStatusをチェックし、防振機能再起動待ち状態である場合、「Request」に行き、サブルーチンAntivibrationCmdを終了する。
【0024】
ステップ404では、操作パネル104からのコマンドが防止機能を有効設定にするか無効設定にするかをチェックする。防振機能を有効にする要求の場合は、「有効設定要求」に行き、ステップ407に行く。またコマンドが防振機能を無効にする要求の場合は、「無効設定要求」に行き、ステップ405に行く。
【0025】
ステップ405では現在のカメラの防振機能状態をチェックする。AntivibrationStatusが「OFF」の場合は、現在の防振機能が無効状態のため、そのままサブルーチンAntivibrationCmdを終了する。AntivibrationStatusが「ON」の場合は、現在のカメラの防振機能が有効状態のためステップ406に行く。
ステップ406では、サブルーチンAntivibrationUnworkingを呼び出し、カメラの防振機能を無効状態にする。そしてサブルーチンAntivibrationCmdを終了する。
ステップ407では現在のカメラの防振機能状態をチェックする。AntivibrationStatusが「ON」の場合は、現在のカメラの防振機能が有効状態のため、そのままサブルーチンAntivibrationCmdを終了する。AntivibrationStatusが「OFF」の場合は、現在のカメラの防振機能が無効状態のためステップ408に行く。
【0026】
ステップ408では、サブルーチンAntivibratioWorkingを呼び出し、カメラの防振機能を有効状態にする。そしてサブルーチンAntivibrationCmdを終了する。
【0027】
図5を用いて、パンニングコマンド処理であるサブルーチンPanningCmdの説明をする。
【0028】
ステップ501では操作パネル104から指令値を調べる。指令値がゼロであった場合、パンニング停止指令のため、「ゼロ」に行き、ステップ506に行く。指令値が正数であった場合CW方向駆動速度指令のため、「正数」に行き、ステップ510に行く。指令値が負数であった場合CCW方向駆動速度指令のため、「負数」に行き、ステップ502に行く。
【0029】
ステップ502では、パンニングCCW方向の駆動制限状態を調べる。PanLimitStatus=CcwLimitが成立していた場合、CCW方向は駆動制限がかかっているので、「Y」に行き、そのままサブルーチンPanningCmdを終了する。ステップ502で条件が成立していない場合、CCW方向に駆動可能なため、「N」に行き、そしてステップ503に行く。
【0030】
ステップ503では、サブルーチンCheckDriveStartを呼び出し、駆動開始のための処理を行う。そしてステップ504に行く。
【0031】
ステップ504では、CCW方向に指定速度でパンニング駆動制御を行う。そしてステップ505に行く。
【0032】
ステップ505では、パンニングのCCW方向駆動中に応じたステータスの設定を行う。すなわちPanningStatusにPanCcwを設定する。そしてサブルーチンPanningCmdを終了する。
【0033】
ステップ506では、現在のパンニングのステータスをチェックする。PanStatus=PanStopが成立していた場合はパンニングが停止中なので、「Y」に行き、サブルーチンPanningCmdを終了する。また成立していない場合はパンニングが駆動中なので、「N」に行き、ステップ507に行く。
【0034】
ステップ507では、パンニングの停止を行う。そしてステップ508に行く。
ステップ508では、パンニングの停止ステータスの設定、すなわちPanningStatus=PanStopを行い、ステップ509に行く。
【0035】
ステップ509では、サブルーチンCheckDriveStopを呼び出し、停止に伴う処理を行う。そしてサブルーチンPanningCmdを終了する。
【0036】
ステップ510では、パンニングのCW方向の駆動制限状態を調べる。PanLimitStatus=CwLimitが成立していた場合、CW方向は駆動制限がかかっているので、「Y」に行き、そのままサブルーチンPanningCmdを終了する。ステップ510で条件が成立していない場合、CW方向に駆動可能なため、「N」に行き、そしてステップ511に行く。
【0037】
ステップ511では、サブルーチンCheckDriveStartを呼び出し、駆動開始のための処理を行う。そしてステップ512に行く。
【0038】
ステップ512では、CW方向に指定速度でパンニング駆動制御を行う。そしてステップ513に行く。
【0039】
ステップ513では、パンニングのCW方向駆動中に応じたステータスの設定を行う。すなわちPanningStatusにPanCwを設定する。そしてサブルーチンPanningCmdを終了する。
【0040】
図6を用いて、チルティングコマンド処理であるサブルーチンTiltingCmdの説明をする。
【0041】
ステップ601では操作パネル104から指令値を調べる。指令値がゼロであった場合、チルティング停止指令のため、「ゼロ」に行き、ステップ606に行く。指令値が正数であった場合UP方向駆動速度指令のため、「正数」に行き、ステップ610に行く。指令値が負数であった場合DOWN方向駆動速度指令のため、「負数」に行き、ステップ602に行く。
【0042】
ステップ602では、チルティングDOWN方向の駆動制限状態を調べる。TiltLimitStatus=DownLimitが成立していた場合、DOWN方向は駆動制限がかかっているので、「Y」に行き、そのままサブルーチンTiltingCmdを終了する。ステップ602で条件が成立していない場合、DOWN方向に駆動可能なため、「N」に行き、そしてステップ603に行く。
【0043】
ステップ603では、サブルーチンCheckDriveStartを呼び出し、駆動開始のための処理を行う。そしてステップ604に行く。
【0044】
ステップ604では、DOWN方向に指定速度でチルティング駆動制御を行う。そしてステップ605に行く。
【0045】
ステップ605では、チルティングのDOWN方向駆動中に応じたステータスの設定を行う。すなわちTiltingStatusにTiltDownを設定する。そしてサブルーチンTiltingCmdを終了する。
【0046】
ステップ606では、現在のチルティングのステータスをチェックする。TiltStatus=TiltStopが成立していた場合はチルティングが停止中なので、「Y」に行き、サブルーチンTiltingCmdを終了する。また成立していない場合はチルティングが駆動中なので、「N」に行き、ステップ607に行く。
【0047】
ステップ607では、チルティングの停止を行う。そしてステップ608に行く。
【0048】
ステップ608では、チルティングの停止ステータスの設定、すなわちTiltingStatus=TiltStopを行い、ステップ609に行く。
【0049】
ステップ609では、サブルーチンCheckDriveStopを呼び出し、停止に伴う処理を行う。そしてサブルーチンTiltingCmdを終了する。
【0050】
ステップ610では、チルティングのUP方向の駆動制限状態を調べる。TiltLimitStatus=UpLimitが成立していた場合、UP方向は駆動制限がかかっているので、「Y」に行き、そのままサブルーチンTiltingCmdを終了する。ステップ610で条件が成立していない場合、UP方向に駆動可能なため、「N」に行き、そしてステップ611に行く。
【0051】
ステップ611では、サブルーチンCheckDriveStartを呼び出し、駆動開始のための処理を行う。そしてステップ612に行く。
【0052】
ステップ612では、UP方向に指定速度でチルティング駆動制御を行う。そしてステップ613に行く。
【0053】
ステップ613では、チルティングのUP方向駆動中に応じたステータスの設定を行う。すなわちTiltingStatusにTiltUpを設定する。そしてサブルーチンTiltingCmdを終了する。
【0054】
図7を用いて、パンニング・チルティングの駆動開始時における防振機能チェック処理であるサブルーチンCheckDriveStartを説明する。
【0055】
ステップ701では、パンニングの現在のステータスを調べる。PanningStatus=PanStopが成立しなかった場合、パンニングは駆動中なので「N」に行き、サブルーチンCheckDriveStartを終了する。条件が成立した場合は、パンニングは停止中なので「Y」に行き、ステップ702に行く。
【0056】
ステップ702では、チルティングの現在のステータスを調べる。TiltingStatus=TiltStopが成立しなかった場合、「N」に行き、サブルーチンCheckDriveStartを終了する。条件が成立した場合は、「Y」に行き、ステップ703に行く。
【0057】
ステップ703では、現在のカメラの防振機能状態を保存する、すなわちPreAntivibrationStatus=AntivibrationStatusを行う。そして、ステップ704に行く。
【0058】
ステップ704では、現在のかめらの防振機能状態を調べる。カメラの防振機能が無効状態の場合はAntivibrationStatusがOFFなので、「OFF」に行き、サブルーチンCheckDriveStartを終了する。またカメラの防振機能が有効状態の場合はAntivibrationStatusがONなので、「ON」に行き、ステップ705に行く。
【0059】
ステップ705では、サブルーチンAntivibrationUnworkingを呼び、防振機能無効設定処理を行う。そしてサブルーチンCheckDriveStartを終了する。
【0060】
図8を用いて、パンニング・チルティングの駆動終了時における防振機能チェック処理であるサブルーチンCheckDriveStopを説明する。
【0061】
ステップ801では、パンニングの現在のステータスを調べる。PanningStatus=PanStopが成立しなかった場合、パンニングは駆動中なので「N」に行き、サブルーチンCheckDriveStopを終了する。条件が成立した場合は、パンニングは停止中なので「Y」に行き、ステップ802に行く。
【0062】
ステップ802では、チルティングの現在のステータスを調べる。TiltingStatus=TiltStopが成立しなかった場合、チルティングは駆動中なので「N」に行き、サブルーチンCheckDriveStopを終了する。条件が成立した場合は、チルティングは停止中なので「Y」に行き、ステップ803に行く。
【0063】
ステップ803では、パンニング・チルティングを駆動する前に保存してあったカメラの防振機能の状態を戻すためにAntivibrationStatus=PreAntivibrationStatusを行う。そして、ステップ804に行く。
【0064】
ステップ804では、パンニング・チルティングを駆動する前に保存してあったカメラの防振機能の状態を調べる。カメラの防振機能が無効設定で場合、すなわちPreAntivibrationStatusがOFFの場合、「OFF」に行き、サブルーチンCheckDriveStopを終了する。またカメラの防振機能が有効設定であった場合、すなわちPreAntivibrationStatusがONの場合、「ON」に行き、ステップ805に行く。
【0065】
ステップ805では、防振機能再起動要求のための処理、すなわちReAntivibrationStatus=Request設定をする。そしてステップ806に行く。
ステップ806では、防振機能再設定のための時間を計るために、タイマ218から現在時間を読み込む。すなわちAntivibTimer0=Timerを行う。そしてサブルーチンCheckDriveStopを終了する。
【0066】
図9を用いて、パンニングの端スイッチ検出処理であるサブルーチンCheckPanLimitを説明する。
【0067】
ステップ901では、CW制限SW205の状態を調べる。SWがオンしていた場合、「ON」に行き、ステップ902に行く。SWがオフしていた場合、「OFF」に行き、ステップ903に行く。
【0068】
ステップ902では、CW制限SW205の状態を記憶する。すなわちPanLimitStatus=CwLimit設定を行う。そしてサブルーチンCheckPanLimitを終了する。
【0069】
ステップ903では、CCW制限SW206の状態を調べる。SWがオンしていた場合、「ON」に行き、ステップ904に行く。SWがオフしていた場合、「OFF」に行き、ステップ905に行く。
【0070】
ステップ904では、CCW制限SW206の状態を記憶する。すなわちPanLimitStatus=CcwLimit設定を行う。そしてサブルーチンCheckPanLimitを終了する。
【0071】
ステップ905では、CW制限SW205およびCCW制限SW206がともにオフしていたので、PanLimitStatus=NoLimit設定を行う。そしてサブルーチンCheckPanLimitを終了する。
【0072】
図10を用いて、チルティングの端スイッチ検出処理であるサブルーチンCheckTiltLimitを説明する。
【0073】
ステップ1001では、UP制限SW213の状態を調べる。SWがオンしていた場合、「ON」に行き、ステップ1002に行く。SWがオフしていた場合、「OFF」に行き、ステップ1003に行く。
【0074】
ステップ1002では、UP制限SW213の状態を記憶する。すなわちTiltLimitStatus=UpLimit設定を行う。そしてサブルーチンCheckTiltLimitを終了する。
【0075】
ステップ1003では、DOWN制限SW212の状態を調べる。SWがオンしていた場合、「ON」に行き、ステップ1004に行く。SWがオフしていた場合、「OFF」に行き、ステップ1005に行く。
【0076】
ステップ1004では、DOWN制限SW212の状態を記憶する。すなわちTiltLimitStatus=DownLimit設定を行う。そしてサブルーチンCheckTiltLimitを終了する。
【0077】
ステップ1005では、UP制限SW213およびDOWN制限SW212がともにオフしていたので、TiltLimitStatus=NoLimit設定を行う。そしてサブルーチンCheckTiltLimitを終了する。
【0078】
図11を用いて、パンニング端停止チェック処理であるサブルーチンCheckStopPanLimitを説明する。
【0079】
ステップ1101では、パンニングの現在のCW方向駆動状態を調べる。PanningStatus=PanCwが成立した場合、CW方向に駆動中なので、「Y」に行き、ステップ1102に行く。成立しなかった場合、「N」に行き、ステップ1106に行く。
【0080】
ステップ1102では、パンニングのCW方向駆動中に伴うパンニング端の状態を調べる。PanLimitStatus=CwLimitが成立した場合、パンニングがCW端にあるので、「Y」に行き、ステップ1103に行く。成立しなかった場合、パンニングがCW端にいないので「N」に行き、サブルーチンCheckStopPanLimitを終了する。
【0081】
ステップ1103では、パンニング駆動方向と同方向のパンニング端が検出されたので、パンニングの駆動停止をする。そしてステップ1104に行く。
ステップ1104では、パンニング停止に伴う状態設定、すなわちPanningStatus=PanStopを設定する。そしてステップ1105に行く。
【0082】
ステップ1105では、サブルーチンCheckDriveStopを呼び出し、停止に伴う処理を行う。そしてサブルーチンCheckStopPanLimitを終了する。
【0083】
ステップ1106では、パンニングの現在のCCW方向駆動状態を調べる。PanningStatus=PanCcwが成立した場合、パンニングはCCW方向に駆動中なので、「Y」に行き、ステップ1107に行く。成立しなかった場合、パンニングは停止中なので、「N」に行き、サブルーチンCheckStopPanLimitを終了する。
【0084】
ステップ1107では、パンニングのCCW方向駆動中に伴うパンニング端の状態を調べる。PanLimitStatus=CcwLimitが成立した場合、パンニングがCCW端にあるので、「Y」に行き、ステップ1103に行く。成立しなかった場合、パンニングはCCW端にいないので、「N」に行き、サブルーチンCheckStopPanLimitを終了する。
【0085】
図12を用いて、チルティング端停止チェック処理であるサブルーチンCheckStopTiltLimitを説明する。
【0086】
ステップ1201では、チルティングの現在のUP方向駆動状態を調べる。TiltingStatus=TiltUpが成立した場合、UP方向に駆動中なので、「Y」に行き、ステップ1202に行く。成立しなかった場合、「N」に行き、ステップ1206に行く。
【0087】
ステップ1202では、チルティングのUP方向駆動中に伴うチルティング端の状態を調べる。TiltLimitStatus=UpLimitが成立した場合、チルティングがUP端にあるので、「Y」に行き、ステップ1203に行く。成立しなかった場合、チルティングがUP端にいないため、「N」に行き、サブルーチンCheckStopTiltLimitを終了する。
【0088】
ステップ1203では、チルティング駆動方向と同方向のチルティング端が検出されたので、チルティングの駆動停止をする。そしてステップ1204に行く。
【0089】
ステップ1204では、チルティング停止に伴う状態設定、すなわちTiltingStatus=TiltStopを設定する。そしてステップ1205に行く。
【0090】
ステップ1205では、サブルーチンCheckDriveStopを呼び出し、停止に伴う処理を行う。そしてサブルーチンCheckStopTiltLimitを終了する。
【0091】
ステップ1206では、チルティングの現在のDOWN方向駆動状態を調べる。TiltingStatus=TiltDownが成立した場合、チルティングはDOWN方向に駆動中なので、「Y」に行き、ステップ1207に行く。成立しなかった場合、チルティングは停止中なので、「N」に行き、サブルーチンCheckStopTiltLimitを終了する。
【0092】
ステップ1207では、チルティングのDOWN方向駆動中に伴うチルティング端の状態を調べる。TiltLimitStatus=DownLimitが成立した場合、チルティングがDOWN端にあるので、「Y」に行き、ステップ1203に行く。成立しなかった場合、チルティングはDWON端にいないため、「N」に行き、サブルーチンCheckStopPanLimitを終了する。
【0093】
図13を用いて、初期化処理であるサブルーチンInitializeを説明する。
【0094】
ステップ1301では、カメラの防振機能の初期設定として、サブルーチンAntivibrationUnworkingを呼び出す。そして、ステップ1302へ行く。
【0095】
ステップ1302では、パンニングおよびチルティングの停止設定を行う。そして、ステップ1303に行く。
【0096】
ステップ1303では、防振機能設定用ステータス情報などを設定する。
(1) パン/チルト駆動前における防振機能状態を設定する。
PreAntivibrationStatus=AntivibrationStatus
(2) 防振機能再設定要求を無しにする。
ReAntivibrationStatus=NoRequest
(3) 防振機能再設定遅れ基準時間を設定する。
AntivibStdTime=1000[msec]
そして、ステップ1304に行く。
【0097】
ステップ1304では、パンニング関係のステータス情報を設定する
(1) パンニングの現在の状態設定をする。
PanningStatus=PanStop
(2) パンニング端状態設定をする。
PanLimitStatus=NoLimit
そして、ステップ1305に行く。
【0098】
ステップ1305では、チルティング関係のステータス情報を設定する
(1) チルティングの現在の状態設定をする。
TiltingStatus=TiltStop
(2) チルティング端状態設定をする。
TiltLimitStatus=NoLimit
そして、サブルーチンInitializeを終了する。
【0099】
図14を用いて、パンニング/チルティングの駆動状態をチェックするサブルーチンCheckPanTiltDrivingを説明する。
【0100】
ステップ1401では、サブルーチンCheckPanLimitを呼び出し、パンニング端SWのチェックを行う。そして、ステップ1402へ行く。
【0101】
ステップ1402では、サブルーチンCheckTiltLimitを呼び出し、チルティング端SWのチェックを行う。そして、ステップ1403へ行く。
【0102】
ステップ1403では、サブルーチンCheckStopPanLimitを呼び出し、パンニング端停止処理や停止に伴う処理を行う。そして、ステップ1404へ行く。
【0103】
ステップ1404では、サブルーチンCheckStopTiltLimitを呼び出し、チルティング端停止処理や停止に伴う処理を行う。
【0104】
そしてサブルーチンCheckPanTiltDrivingを終了する。
【0105】
図15を用いて、防振機能再起動チェック処理であるサブルーチンCheckAntivibStableTimeを説明する。
【0106】
ステップ1501では、防振機能再起動要求のチェックを行う。ReAntivibrationStatusがRequestの場合、要求状態であるので、「Request」に行き、ステップ1502に行く。NoRequestの場合、要求状態ではないので、「NoRequest」に行き、サブルーチンCheckAntivibStableTimeを終了する。
【0107】
ステップ1502では、タイマ218から現在時間を読み込む、すなわち、AntivibTime1=Timerを行う。そしてステップ1503に行く。
【0108】
ステップ1503では、パンニングおよびチルティングが駆動停止してからの経過時間の算出を行う。すなわちAntivibLapsedTime=AntivibTime1-AntivibTime0を演算する。そしてステップ1504に行く。
【0109】
ステップ1504では、経過時間と基準時間との比較を行う。すなわち、AntivibStdTime≦AntivibLapsedTimeを行う。その比較が成立した場合は、基準時間以上に経過したとして「Y」に行き、ステップ1505に行く。比較が不成立の場合は、基準時間に達していないとして「N」に行き、サブルーチンCheckAntvibStableTimeを終了する。
【0110】
ステップ1505では、サブルーチンAntivibrationWorkingを呼び出し、防振機能の再起動処理を行う。そしてステップ1506に行く。
【0111】
ステップ1506では、防振機能を再起動したので、再起動要求を無効に設定する。すなわちReAntivibtrationStatus=NoReqest 設定をする。そしてサブルーチンCheckAntivibStableTimeを終了する。
【0112】
図16を用いて、防振機能有効設定処理であるサブルーチンAntivibrationWorkingを説明する。
【0113】
ステップ1601では、防振機能有効ステータス設定を行う。すなわち、AntivibrationStatus=ON処理を行う。そしてステップ1602に行く。
【0114】
ステップ1602では、カメラの防振機能有効設定処理を行う。これは、CPU201がカメラ制御ライン218を通して設定する。そしてサブルーチンAntivibraitonWorkingを終了する。
【0115】
図17を用いて、防振機能無効設定処理であるサブルーチンAntivibrationNonworkingを説明する。
【0116】
ステップ1701では、防振機能無効ステータス設定を行う。すなわち、AntivibrationStatus=OFF処理を行う。そしてステップ1702に行く。
【0117】
ステップ1702では、カメラの防振機能無効設定処理を行う。これは、CPU201がカメラ制御ライン218を通して設定する。そしてサブルーチンAntivibraitonNonworkingを終了する。
【0118】
(第2の実施例)
これはパンニングもしくはチルティング中に防振コマンドを受信した場合に、防振機能再起動用として防振機能設定コマンドを保持するものである。
【0119】
図18を用いて防振機能コマンド処理(その2)であるサブルーチンAntivibrationCmd2を説明する。これは、サブルーチンAntivibrationCmdの代わりに呼ばれるものである。
【0120】
ステップ1801では、パンニングのステータスを調べる。PanStatus=PanStopが成立していた場合はパンニングが停止中であるため、「Y」に行き、ステップ1802へ行く。ステップ1801で条件が不成立の場合パンニングは駆動中であるため、「N」に行き、ステップ1809に行く。
【0121】
ステップ1802では、チルティングのステータスを調べる。TiltStatus=TiltStopが成立していた場合はチルティングが停止中であるため、「Y」に行き、ステップ1803に行く。ステップ1802で条件が不成立の場合チルティングは駆動中であるため、「N」に行き、ステップ1809に行く。
【0122】
ステップ1803では、カメラの防振機能再起動待ち状態であるかどうかをチェックする。ReAntivibrationStatusをチェックし、防振機能再起動待ち状態でない場合、「NoRequest」に行き、ステッ1804に行く。ステップ1803でReAntivibrationStatusをチェックし、防振機能再起動待ち状態である場合、「Request」に行き、サブルーチンAntivibrationCmd2を終了する。
【0123】
ステップ1804では、操作パネル104からのコマンドがカメラの防止機能を有効設定要求なのか無効設定要求なのかをチェックする。カメラの防振機能を有効にする要求の場合は、「有効設定要求」に行き、ステップ1807に行く。またコマンドがカメラの防振機能を無効にする要求の場合は、「無効設定要求」に行き、ステップ1805に行く。
【0124】
ステップ1805では、現在のカメラの防振機能状態をチェックする。AntivibrationStatusが「OFF」の場合は、現在の防振機能が無効状態のため、そのままサブルーチンAntivibrationCmd2を終了する。AntivibrationStatusが「ON」の場合は、現在の防振機能が有効状態のためステップ1806に行く。
【0125】
ステップ1806では、サブルーチンAntivibrationUnworkingを呼び出し、カメラの防振機能を無効状態に設定する。そしてサブルーチンAntivibrationCmd2を終了する。
【0126】
ステップ1807では、現在のカメラの防振機能状態をチェックする。AntivibrationStatusが「ON」の場合は、現在の防振機能が有効状態のため、そのままサブルーチンAntivibrationCmd2を終了する。AntivibrationStatusが「OFF」の場合は、現在の防振機能が無効状態のためステップ1808に行く。
【0127】
ステップ1808では、サブルーチンAntivibratioWorkingを呼び出し、カメラの防振機能を有効状態にする。そしてサブルーチンAntivibrationCmd2を終了する。
【0128】
ステップ1809では、サブルーチンReserveAntivibCmd2を呼び出し、防振機能再設定のために操作パネル104からの防振コマンドの保存を行う。
【0129】
図19を用いて、防振コマンド保持処理であるサブルーチンReserveAntivibCmdの説明を行う。
【0130】
ステップ1901では、操作パネル104からのコマンドがカメラの防止機能を有効設定にするか無効設定にするかをチェックする。カメラの防振機能を有効にする要求の場合は、「有効設定要求」に行き、ステップ1903に行く。またコマンドがカメラの防振機能を無効にする要求の場合は、「無効設定要求」に行き、ステップ1902に行く。
【0131】
ステップ1902では、操作パネル104からの防振コマンドが無効設定要求だったので、ReAntivibrationStatus=NoRequest設定を行う。そしてサブルーチンReserveAntivibCmdを終了する。
【0132】
ステップ1903では、操作パネル104からの防振コマンドが有効設定要求だったので、ReAntivibrationStatus=Request設定を行う。そしてサブルーチンReserveAntivibCmdを終了する。
【0133】
ここで、初期化ルーチンでAntivibStdTime=1000[msec]として、ある基準時間を設定しているが、この値に限られるわけではないことは言うまでもない。またこの時間を0に設定すれば、駆動停止直後に防振機能が再設定されることになる。
【0134】
以上、パンニングやチルティングの指令が速度指令であることを前提として説明したが、位置指令であってもまったく同様な処理により防振機能を有効に利用することが可能である。例えば、雲台にはショット機能と呼ばれるものがある。これはパンニング・チルティング・ズーム・フォーカスなどのある位置を位置記憶コマンドによって記憶しておき、異なる位置にいるときに位置再現コマンドによって、記憶されている場所に移動するような場合が考えられる。移動開始時に防振機能状態を記憶しておき、防振機能が有効になっていた場合は防振機能を解除し、停止後に再び防振機能を駆動前の状態に戻すことも可能である。また、この位置記憶可能数は1つでも複数であってもかまわないことは言うまでもない。
【0135】
さらにこのようなショット動作においては、防振機能の再起動のタイミングとして
(1) パンニング/チルティングが動作終了した場合に再起動起動する
(2) パンニング/チルティングおよびズーミング/フォーカシングがともに終了した場合に再起動する
ことが挙げられる。
【0136】
(1)の場合は、これまでの説明のとおりであるが、(2)の場合は、ショット動作開始時に防振機能を無効に設定し、ショット動作終了時すなわち、パンニング・チルティング・ズーミング・フォーカシングがすべて終了した後に、ショット動作前の防振機能を再設定することになる。また、第2の実施例でもまったく同じように構成可能である。
【0137】
操作パネル104には、防振機能が一時的に無効になっている状態を警告するための表示部(LEDなど)を設けることにより、ユーザに警告することも可能である。
【0138】
また操作パネル104が、コンピュータを使用して構成することも可能であることは言うまでもない。
【0139】
ここで雲台は、操作パネルなどの操作部材から制御されることを前提としているが、予め決められた動作をする自走型(例えばロビーなどの管理をする場合に、決められた時間ごとに自動的に動作するもの)にも同様な防振機能の設定を行えることは、明白である。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、防振機能を具備したカメラを雲台に搭載した場合、その機能の有用性を生かすため、雲台のチルティングあるいはチルティングを行っている間は、一時的に防振機能を無効にすることで、安定した映像が得られるため、意とした撮影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】雲台システム基本構成図
【図2】雲台制御部基本構成図
【図3】メインルーチン
【図4】コマンド処理ルーチン
【図5】パンニング駆動指令処理
【図6】チルティング駆動指令処理
【図7】駆動開始時における防振機能チェック処理
【図8】駆動停止時における防振機能チェック処理
【図9】パンニング端チェック処理
【図10】チルティング端チェック処理
【図11】パンニング端停止チェック処理
【図12】チルティング端停止チェック処理
【図13】初期化処理
【図14】駆動チェック処理
【図15】防振機能再起動チェック処理
【図16】防振機能有効設定処理
【図17】防振機能無効設定処理
【図18】コマンド処理(その2)
【図19】防振コマンド保持処理
【符号の説明】
100 雲台
103 カメラ
104 操作パネル
105 モニタ
Claims (3)
- 防振機能を有するカメラと、
前記カメラを搭載し、パンニング及びチルティング可能な雲台と、
前記カメラの防振機能の有効及び無効と、パンニング及びチルティングの動作開始及び停止を指示する操作部材と、
前記操作部材からの指示に応じて前記カメラ及び雲台の動作を制御する制御手段とを有する雲台装置において、
前記制御手段は、
前記パンニングまたはチルティングの動作を開始する前、前記防振機能が有効の場合には無効にする処理を行い、前記防振機能が無効の場合には前記防振機能の無効を維持し、
前記パンニングまたはチルティングの動作中、前記操作部材から前記防振新機能を有効または無効にする旨の指示がある場合には、前記指示を保存した上で前記防振機能の無効を維持し、
前記パンニングまたはチルティングが停止した後、前記防振機能の状態を前記保存された状態にする処理を行うことを特徴とする雲台装置。 - 前記制御手段は、前記パンニングまたはチルティングが停止した後、前記保存された状態が無効の場合には直ちに前記無効を維持する処理を行い、前記保存された状態が有効の場合には前記パンニングまたはチルティングの停止から所定時間が経過した後に前記保存された状態にする処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の雲台装置。
- 前記カメラは監視カメラであることを特徴とする請求項1又は2に記載の雲台装置。
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