JP4409350B2 - 屋根材固定金物 - Google Patents
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特許文献1のように、金物固定穴が1箇所の固定金物(図12)は、金物固定穴と折り曲げ部位置との距離L1‘が葺き足寸法L1応じた長さに設定されている。
しかし、異なる葺き足寸法L2となった場合、固定金物の寸法設定がL2に対応していないために、図13(c)に示す様に、重ねている上側の屋根葺き材の先端と固定金物の折り曲げ部とが干渉してしまい、屋根葺き材の軒先側先端部を係止できないという問題点がある。
また、風による屋根葺き材の脱落または飛散を防止して安全性、および、屋根葺き材が浮き上がって雨水等が浸入することを防止して防水性を高めるためには、図14に示す様に、バランス的に屋根葺き材の両端近傍に1箇所づつ、即ち、1枚の屋根葺き材に対し最低2箇所に固定金物を設置することが好ましいが、そのために材料コスト・施工手間の増大などの不具合も生じていた。
(1)上側屋根葺き材および最軒先部の屋根葺き材のそれぞれ軒先側先端部を係止するウォーターチャンネルを有する屋根葺き材の固定金物であって、屋根下地材と接する脚部、および傾斜もしくは垂直に構成された段差部を設け、下側屋根葺き材および屋根下地材に同時に裁置固定する該固定金物の一端に折曲係止片を設け、かつ隣接する屋根葺き材のウォーターチャンネルを上から押さえて固定する固定片を該固定金物の固定部の長手方向側方に設けていることを特徴とする屋根材固定金物である。
(2)前記固定部に長手方向で複数個の釘穴或いは1個の長穴からなる金物固定穴を設けていることを特徴とする上記(1)に記載の屋根材固定金物である。
(3)該固定金物の長手方向側方にガイド部を設けていることを特徴とする上記(1)〜(2)のいずれかに記載の屋根材固定金物である。
(4)前記折曲係止片の折れ曲がり始点部分に凹状の切り欠き部を設けていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の屋根材固定金物。
(5)前記折曲係止片の屋根葺き材と接触する先端部にコの字もしくはV、U字状に切り欠いて屋根葺き材側に折ったバネ部を設けていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の屋根材固定金物である。
前記屋根材固定金物は、例えば、板状の金属からなり、屋根下地材と接する脚部、および傾斜もしくは垂直に構成された段差部が設けられ、折曲係止片の一端をウォーターチャンネルを有する屋根葺き材の軒先側先端部の表面に沿って折曲して、屋根葺き材の軒先側先端部を係止する。
また、固定部は固定金物の略中間部に設け、下側屋根葺き材および屋根下地材に同時に裁置して、固定金物を固定すると共に、固定金物の長手方向側方に設けた固定片により隣接する屋根葺き材のウォーターチャンネルを上から押さえて固定する。つまり、1個の固定金物が隣接する2個の屋根葺き材を固定する。
図1に本発明の実施形態の固定金物の斜視図を示す。固定金物1は、固定部2、折曲係止片3、少なくとも2個以上の釘用もしくはビス用の穴からなる金物固定穴4、隣接する屋根葺き材aのウォーターチャンネルを上から押さえて固定する固定片5、固定金物1を固定したときに下地材と接し支持部となる脚部6、固定金物1を取り付ける時の位置を定める指標として必要なガイド部7、屋根葺き材aが自重により脱落するのを防止する屋根葺き材重量支持片8、により構成される。
第1工程として図2(a)に示す様に、まず屋根葺き材a―aを設置する前に、屋根葺き材a―aの先端と略同一の位置に固定金物1−1の屋根葺き材重量支持片8をあわせて釘もしくはビスbで金物固定穴4を貫通して野地板dに固定する。
この時、釘もしくはビスbで固定金物1を固定するときに使用する金物固定穴4は、本実施形態では、複数個設けられている金物固定穴4中で最も水上側の金物固定穴4dが用いられる。
また固定金物1は、瓦座と称される部材eと干渉しないように、金物固定穴4が設けられている部分2aと、固定金物1が軒先側の屋根葺き材aに接する凹部2bとの間に、傾斜もしくは垂直な段差部2cを設けて構成されている。
第2工程として図2(b)に示す様に、屋根葺き材a―aを屋根葺き材の水上側に予め設けてある屋根葺き材固定穴a−1に釘もしくはビスb等で固定する。この時に屋根葺き材a―aは第1工程で設置した固定金物1−1の位置と屋根葺き材aの割付に必要な墨線g1を目安に適切な位置に設置される。
次に、固定金物1−2に設けられているガイド部7を、屋根葺き材a―a中のウォーターチャンネルa−2の軒先側先端にあわせた後、第1工程と同様に、固定金物1−2を固定する。
即ち、第2工程以降の固定金物1は、適切に設置された屋根葺き材aに応じてガイド部7をウォーターチャンネルa−2の軒先側先端に合わせることで、簡単に第1工程時に取付けた固定金物1−1と同様の位置に設置することが可能となる。
またこの時、固定金物1に構成された固定片5が、屋根葺き材a―aのウォーターチャンネルa−2の側辺を上から押え込む構成となっている。
第3工程として第2工程と同様、図2(c)に示すように、隣接の屋根葺き材a−bおよび固定金物1−3を設置する。この時、屋根葺き材a−bは屋根葺き材a−a同様、固定金物1−2の折曲係止片3と固定金物1−3の固定片5により、屋根葺き材a−bの軒先側先端部に対し両端の固定部分が構成される事となる。
次に第4工程として、軒先より第2列目の屋根葺き材先端の固定方法について述べる。
図3(a)に示す様に、まず第1工程同様、屋根葺き材a―dを設置する前に、屋根葺き材a―dの軒先側先端と略同一の位置に固定金物1−4の屋根葺き材重量支持片8を合わせて、釘もしくはビスbで金物固定穴4を貫通して固定金物1−4を野地板に固定する。
この時の固定金物1−4の屋根勾配方向の位置決めとして、屋根葺き材a―aの軒先側先端と固定金物1−4の屋根葺き材重量支持片8との距離L1’は、屋根葺き材aの葺き足寸法g1−g2間の距離L1と略同一の関係から、屋根葺き材a−aの先端からL1の距離の位置に屋根葺き材重量支持片8を合わせることで容易に設置することが可能である。
第5工程として、図3(b)に示すように、第2工程と同様の作業、また、第6工程として図3(c)に示すように、第3工程と同様の作業により、以降連続的に屋根全体が屋根葺き施工される。
第7工程として図4に示す様に、固定度を高めるために、固定金物1の折曲係止片3をハンマー等で打撃して、3’の状態の様に、各折曲係止片3を屋根葺き材aの軒先側先端部に当接させて作業が終了するが、あるいは、屋根葺き材を1枚固定するたびに、同様に打撃して、屋根葺き材の軒先側先端部に当接させてもよい。
次に、屋根葺き材aの葺き足寸法がL1より短いL2の場合について説明する。
この場合、図5に示す様に、葺き足寸法がL1の時に使用した固定金物1の穴4aを使用すると、軒先側の屋根葺き材a−a、a−b、a−cなどと干渉するため固定することができない。この問題を解決するために、本実施形態では複数個の金物固定穴4が構成され、L2の場合は図5に示す様に、穴4dを用いることで解決することができる。またそれ以外の作業はL1の場合と同様である。
本発明の実施形態のその他の構成について説明する。
固定金物1の脚部6の下地材側端部には略U字状の形状をした6Uが構成されている。これは図4に示す様に、屋根葺き材aと野地板dの間に介する防水層cの破損を防止するために設けられている。
防水層cは一般的には合成高分子系、アスファルト系の材質で出来たものであり、固定金物等の角が接し、更に力が加わると容易に破損してしまい、当初の目的の一つである防水性の向上を損ねる恐れが考えられる。本発明ではこの影響を解決するために脚部6に6Uの様な丸みを帯びた部分を構成することで解決を図っている。
図7は固定金物1の曲げ剛性を高めるために、固定金物1にリブ9を設けた他の実施形態である。
図8に示すのは、図4に示した固定金物1の折曲係止片3をハンマー等で打撃して3’の状態にした時に、ハンマー等の打撃による屋根葺き材aの破損防止と密着性向上の双方の目的を達成するために、折曲係止片3の先端部にバネ効果を有するバネ部3aを構成させたものである。
まず、図9(a)に示す固定金物1を作成するには、図9(b)のような状態にて折り曲げ前の型取りを行う。この時に図9(b)に示す斜線部分は材料ロスとして廃棄されてしまう部分である。
また、ハンドリング部位10は固定金物1の製造時に機械で当該品をラインで送る際に用いるエリアであり、これも最終的には廃棄部分となってしまい、これらの部分は最終製品のコスト高要因となってしまう。
更には、図11(a)に示す様に、固定片5の部分を別部材として、後工程にて溶接等で一体化する様にしてもよい。
また、ガイド部7を凹状の切欠き形状にする事で、図10の固定金物以上に廃棄部分の面積を削減することも可能となる。
2 ・・・・・固定部
2a・・・・・穴が設けられている部分
2b・・・・・凹部
2c・・・・・段差部
3 ・・・・・折曲係止片
3a・・・・・バネ部
3b・・・・・切込み
4 ・・・・・金物固定穴
5 ・・・・・固定片
6 ・・・・・脚部
7 ・・・・・ガイド部
8 ・・・・・屋根葺き材重量支持片
9 ・・・・・リブ
10 ・・・・・ハンドリング部位
a ・・・・・屋根葺き材
a−1・・・・屋根葺き材固定穴
a−2・・・・ウォーターチャンネル
b ・・・・・釘もしくはビス
c ・・・・・防水層
d ・・・・・野地板
e ・・・・・瓦座
f ・・・・・けらば
Claims (5)
- 上側屋根葺き材および最軒先部の屋根葺き材のそれぞれ軒先側先端部を係止するウォーターチャンネルを有する屋根葺き材の固定金物であって、屋根下地材と接する脚部、および傾斜もしくは垂直に構成された段差部を設け、下側屋根葺き材および屋根下地材に同時に裁置固定する該固定金物の一端に折曲係止片を設け、かつ隣接する屋根葺き材のウォーターチャンネルを上から押さえて固定する固定片を該固定金物の固定部の長手方向側方に設けていることを特徴とする屋根材固定金物。
- 前記固定部に長手方向で複数個の釘穴或いは1個の長穴からなる金物固定穴を設けていることを特徴とする請求項1に記載の屋根材固定金物。
- 該固定金物の長手方向側方にガイド部を設けていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の屋根材固定金物。
- 前記折曲係止片の折れ曲がり始点部分に凹状の切り欠き部を設けていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の屋根材固定金物。
- 前記折曲係止片の屋根葺き材と接触する先端部に、コの字もしくはV、U字状に切り欠いて屋根葺き材側に折ったバネ部を設けていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の屋根材固定金物。
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