以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明の実施の形態である商品収納装置を示したものである。ここで例示する商品収納装置は、図6に示すように、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を販売する自動販売機に適用されるもので、本体キャビネット1に構成された断熱構造の商品収容庫2に商品収納ラック10を備えている。
商品収納ラック10は、図1〜図5に示すように、横倒しの姿勢で投入された商品を自動販売機の商品収容庫2に収納する一方、販売指令が与えられた場合に対応する商品の払い出しを行うもので、左右一対のベース側板11の間に商品を収納するための商品収納通路12を備えている。商品収納通路12は、一対のベース側板11の間に複数の通路構成要素を配設することによって構成し、上下方向に沿って前後に蛇行状に延在したもので、上端開口が商品入口となる一方、下端開口が商品出口となっている。商品収納通路12の前後奥行き長さは、最も太径の商品が投入された場合にもこれを通過させることのできる大きさに構成してある。本実施の形態では、同様の構成を有した5つの商品収納通路12を商品収容庫2の前後方向に並設した商品収納ラック10を例示している。以下、必要に応じて前方側に位置するものから順次第1商品収納通路、第2商品収納通路、第3商品収納通路、第4商品収納通路、第5商品収納通路と称する。
商品収納通路12を画成する通路構成要素としては、湾曲セグメント13及び出口アジャスタ板14を適用している。湾曲セグメント13は、ベース側板11の相互間距離に相当する幅を有し、横断面が湾曲状を成す薄板状部材であり、湾曲内面を互いに内方に向け、かつ上下方向に沿って前後に千鳥状となる態様で配設してある。尚、図中の符号15は、湾曲セグメント13に設けたフラッパである。このフラッパ15は、板バネや図示せぬコイルバネの弾性力によって商品収納通路12に突出するように設けてあり、商品収納通路12を通過する商品に当接することによって商品へ加えられる衝撃を干渉するとともに、商品収納通路12において商品の姿勢を修正するためのものである。出口アジャスタ板14は、商品収納通路12の下端部においてベンドメックと称される商品払出機構16と対向する位置に配設したプレート状部材であり、商品払出機構16との間の奥行き長さを拡縮すべく商品払出機構16に対して近接離反する方向に移動可能となる態様で一対のベース側板11の間に配設してある。
ここで、それぞれの商品収納通路12において出口アジャスタ板14の直上に位置する湾曲セグメント(以下、「下方フリーセグメント13L」と称する)に関しては、上端縁部を軸心として揺動可能に配設してあるとともに、下端縁部が出口アジャスタ板14よりも内方側において出口アジャスタ板14の上端縁部と交差するように設けてある。従って、この下方フリーセグメント13Lは、出口アジャスタ板14を移動させた場合、出口アジャスタ板14に連動して適宜揺動することになり、出口アジャスタ板14の位置に関わらず両者の間を常に連続した状態に維持するように機能する。
尚、本実施の形態では、図3〜図5に示すように、左右に独立したペダル16a,16bを備えた商品払出機構16を適用している。
また、商品収納ラック10には、それぞれの商品収納通路12に対してトップトレイ20が設けてある。トップトレイ20は、商品収容庫2の前面開口から投入された商品を商品収納通路12の上端開口に案内するためのプレート状部材であり、図7及び図8に示すように、商品収納通路12から前方に向けて漸次上方に傾斜する態様で配設してある。具体的には、トップトレイ20の両側縁に支持軸部21を突設するとともに、ベース側板11にトレイ支持スリット22を形成し、支持軸部21の突出端部をトレイ支持スリット22に挿通させることによってトップトレイ20を一対のベース側板11の間に設けるようにしている。本実施の形態においては、後方側の商品収納通路12に対応するトップトレイ20をベース側板11の上方側に位置させるとともに、その全長が漸次長くなるように構成してある。つまり、第1商品収納通路12に対応するトップトレイ20に関しては、最下方において最も全長が短くなる一方、第5商品収納通路12に対応するトップトレイ20に関しては、最上方において最も全長が長くなるように構成してある。そこで、第1商品収納通路12に対応する最短長さのトップトレイ20についてはその中央部に設けた支持軸部21を介してベース側板11に支持させてある一方、他の商品収納通路12に対応するトップトレイ20については前端部及び後端部に設けた支持軸部21を介してベース側板11に支持させてある。
図7及び図8からも明らかなように、それぞれのトップトレイ20を支持するトレイ支持スリット22は、そのいずれもがベース側板11の前後方向に沿って延在するスライド部22aを含むように構成してある一方、少なくともベース側板11の前端側に位置するものが前端規定部22b及び後端規定部22cを有するように構成してある。前端規定部22bは、スライド部22aの前端部から下方に延在する部分であり、また後端規定部22cは、スライド部22aの後端部から下方に延在する部分である。
さらに、それぞれのトップトレイ20の後端縁部には、商品収納通路12の前端側において最上位に位置する湾曲セグメント(以下、「上方可動セグメント13U」と称する)の上端部が連接してある。具体的に説明すると、第1商品収納通路12においては、トップトレイ20の後端縁と上方可動セグメント13Uの上端縁とが連続するように両者を一体に構成してある一方、他の商品収納通路12においては、トップトレイ20とは個別に設けた上方可動セグメント13Uの上端部をトップトレイ20の後端縁部下面に連係させることにより、それぞれトップトレイ20の傾斜方向に沿った両者の相対移動を阻止するように構成してある。
上記のように構成したトップトレイ20では、前端部を持ち上げることによって支持軸部21をトレイ支持スリット22のスライド部22aに位置させれば、ベース側板11に対してこれを前後に移動させることが可能となり、それぞれの商品収納通路12に対して後端縁部を進退移動させることができる。具体的には、トップトレイ20を前方側に引き出せば、図7に示すように、トップトレイ20の後端縁部が商品収納通路12の後端側において最上位に位置する湾曲セグメント13から離隔して互いの間の奥行き長さを拡大することができる一方、トップトレイ20を後方側に押し入れれば、図8に示すように、トップトレイ20の後端縁部が商品収納通路12の後端側において最上位に位置する湾曲セグメント13に近接して互いの間の奥行き長さを縮小することができる。
しかも、いずれの状態においても上方可動セグメント13Uがトップトレイ20の移動に連動することになるため、商品収納通路12における上端部の奥行き長さもトップトレイ20の移動に連動して拡縮されることになる。
さらに、それぞれの状態においてトップトレイ20の前端部を下方に押し下げれば、支持軸部21が前端規定部22b、もしくは後端規定部22cに位置し、再び前端部を押し上げない限りトップトレイ20の支持軸部21がトレイ支持スリット22のスライド部22aへ至ることがないため、トップトレイ20が不用意に移動する事態を招来する虞れがない。
従って、比較的太径の商品を投入する場合には、図7に示すように、トップトレイ20を前方側に引き出して商品収納通路12における上端開口の奥行き長さとともに、商品収納通路12における上端部の奥行き長さをそれぞれ拡大して太径の商品に対応させれば、トップトレイ20から商品収納通路12の上端開口を通過する際に商品の姿勢を修正することができるとともに、商品収納通路12の上端部を通過する際に姿勢が乱れる事態を有効に防止することが可能となる。
逆に、比較的細径の商品を投入する場合には、図8に示すように、トップトレイ20を後方側に押し入れて商品収納通路12における上端開口の奥行き長さとともに、商品収納通路12における上端部の奥行き長さをそれぞれ縮小して細径の商品に対応させれば、トップトレイ20から商品収納通路12の上端開口を通過する際に商品の姿勢を修正することができるとともに、商品収納通路12の上端部を通過する際の間隙が小さくなるために姿勢が乱れる事態を有効に防止することが可能となる。
これらの結果、トップトレイ20の位置を適宜変更することにより、投入する商品の外径に関わらず常に安定した姿勢で商品収納通路12に商品を収納することが可能となり、商品の姿勢が乱れることに起因した販売ミスや商品詰まりといった問題を有効に防止することができるようになる。
尚、上述した実施の形態では、トップトレイ20と上方可動セグメント13Uとを一体に構成したり、トップトレイ20に直接上方可動セグメント13Uを連接させるようにしているが、必ずしもこれらに限らず、トップトレイ20に連動して上方可動セグメント13Uが移動すれば良い。例えば、トップトレイ20と上方可動セグメント13Uとの間をリンク機構によって連係しても同様の作用効果を期待することが可能である。
また、上述した実施の形態では、最上位に位置する湾曲セグメント13のみをトップトレイ20と連動させるようにしているが、複数の湾曲セグメント13をトップトレイ20と連動させるようにしても構わない。
一方、上記商品収納ラック10には、トップトレイ20と商品収納通路12との間にそれぞれ支持シャフト31を介して姿勢制御部材30が設けてある。
支持シャフト31は、横断面が一様の円形状を成す長尺の線状部材であり、トップトレイ20と商品収納通路12との間に位置する部分において一対のベース側板11の間に架設してある。
姿勢制御部材30は、図9に示すように、第1姿勢制御部30aと第2姿勢制御部30bとを有した横断面が略L字状を成すもので、第1姿勢制御部30aの外表面に係止部材32及び一対の係止ガイド33を備えている。係止部材32は、図10−1に示すように、第1姿勢制御部30aの外表面から立設した第1弾性部32aと、第1弾性部32aから第1姿勢制御部30aと第2姿勢制御部30bとの会合部方向に向けて屈曲延在した第2弾性部32bと、第2弾性部32bの延在端部から外方に向けて僅かに屈曲した導入部32cとを有したもので、弾性に富む金属薄板によって一体に成形してある。係止ガイド33は、第1姿勢制御部30aの外表面から立設した第1ガイド部33aと、第1ガイド部33aから第1姿勢制御部30aと第2姿勢制御部30bとの会合部方向に向けて屈曲延在した第2ガイド部33bとを有したもので、第1姿勢制御部30a及び第2姿勢制御部30bの一部を適宜切り起こすことによって構成してある。
図10−1に示すように、係止ガイド33の第2ガイド部33bは、第1姿勢制御部30aの外表面との間に支持シャフト31の外径に対応した間隙を確保した状態で第1姿勢制御部30aの外表面にほぼ平行となる態様で延設してある。これに対して係止部材32の第2弾性部32bは、第1弾性部32aから離隔するに従って漸次第1姿勢制御部30aに近接する態様で傾斜延設してあり、その延在端部と第1姿勢制御部30aの外表面との間に支持シャフト31の外径よりも小さい間隙を確保している。
上記のように構成した姿勢制御部材30は、以下の手順で支持シャフト31に装着してある。すなわち、図10−1に示すように、第1姿勢制御部30aが上方において前方側に向けて延在するとともに、第2姿勢制御部30bが下方に延在する姿勢を確保し、この状態から図10−2に示すように、姿勢制御部材30を後方側に移動させることにより、係止部材32の導入部32cと第1姿勢制御部30aの外表面との間に支持シャフト31を押圧させる。
導入部32cと第1姿勢制御部30aの外表面との間に支持シャフト31が押圧された係止部材32にあっては、導入部32cの傾斜作用に従って第2弾性部32bの延在端部が適宜弾性変形することにより、第1姿勢制御部30aの外表面から離隔することになる。その後、両者の間隙が支持シャフト31の外径を越えた時点で当該支持シャフト31が第2弾性部32bと第1姿勢制御部30aの外表面との間、並びに係止ガイド33における第2ガイド部33bと第1姿勢制御部30aの外表面との間にそれぞれ挿入されることになる。
支持シャフト31が第2弾性部32bと第1姿勢制御部30aの外表面との間に挿入された後においては、図10−3に示すように、第2弾性部32bの延在端部がその弾性復元力によって元の状態に復帰し、再び第2ガイド部33bの延在端部と第1姿勢制御部30aの外表面との間の間隙が支持シャフト31の外径よりも小さくなる。この結果、係止部材32の第1弾性部32aと第2弾性部32bとの弾性力により両者の会合部と第1姿勢制御部30aの外表面との間に支持シャフト31が保持されることになり、結局、係止部材32を介して姿勢制御部材30が支持シャフト31に保持されることになる。
一方、上述した状態から姿勢制御部材30を前方側に引っ張ると、第2弾性部32bの傾斜作用に従って第2弾性部32bの延在端部が適宜弾性変形することにより、第1姿勢制御部30aの外表面から離隔することになる。その後、両者の間隙が支持シャフト31の外径を越えた時点で当該支持シャフト31が第2弾性部32bと第1姿勢制御部30aの外表面との間、並びに係止ガイド33における第2ガイド部33bと第1姿勢制御部30aの外表面との間から逸脱することになり、支持シャフト31から姿勢制御部材30を取り外すことができる。
こうして支持シャフト31に保持された姿勢制御部材30は、一対のベース側板11の間に設けた姿勢規定部材34(図7及び図8参照)が第2姿勢制御部30bの外表面に当接することにより、通常状態においてトップトレイ20と第1姿勢制御部30aとの間の通過高さが商品の外径よりも小さくなる姿勢に保持されている。
この状態からトップトレイ20に横倒しの姿勢で商品が投入されると、第1姿勢制御部30aの先端が商品に当接することによってその姿勢が修正されることになる。このため、例えばトップトレイ20に斜めの状態で商品が投入されたとしても、姿勢制御部材30によってこれを修正することができる。この場合、上記姿勢制御部材30によれば、係止部材32の両側に位置する係止ガイド33がそれぞれ支持シャフト31に当接した状態となっているため、例えば商品が第1姿勢制御部30aの中心からずれた位置に当接したとしても、支持シャフト31に対して傾く虞れはない。
第1姿勢制御部30aに商品が当接した姿勢制御部材30は、第1姿勢制御部30aがトップトレイ20から離隔する方向に揺動することによって商品の通過を許容する一方、第2姿勢制御部30bが商品収納通路12に突出する方向に揺動し、対向する湾曲セグメント13との間の奥行き長さを狭める状態となる。
この結果、今度は姿勢制御部材30の第2姿勢制御部30bとこれに対向する湾曲セグメント13との間において商品の姿勢が修正されるとともに、これら第2姿勢制御部30bと湾曲セグメント13との間において直立の姿勢での商品の通過が阻止されるようになる。このため、仮に第1姿勢制御部30aによる修正が不十分であった場合にも第2姿勢制御部30bによって商品の姿勢が再度修正されることになり、商品収納通路12に横倒しの姿勢で順次商品を収納することができるようになる。
ここで、上述した姿勢制御部材30にあっては、商品の外径に応じて最適となる形態が互いに相違する。例えば太径の商品の場合には、第1姿勢制御部30aと第2姿勢制御部30bとの間の角度αがより大きい方が好ましく、逆に細径の商品の場合には、第1姿勢制御部30aと第2姿勢制御部30bとの間の角度αが小さいほど商品の姿勢を確実に修正することが可能となる傾向がある。つまり、1種類の姿勢制御部材30によっては異なる外径の商品全てに対応することが困難である。
この点、上記商品収納ラック10によれば、上述した操作により支持シャフト31に対して姿勢制御部材30を着脱することができる。従って、投入する商品のサイズに応じて都度最適な形態となる姿勢制御部材30に付け替えることができ、商品の外径に関わらず、常に商品の姿勢を確実に修正することが可能となる。
尚、姿勢制御部材30としては、必ずしも第1姿勢制御部30a及び第2姿勢制御部30bからなるものに限らず、例えば第2姿勢制御部30bの下端縁に第3姿勢制御部を備えるものを適用しても構わない。
さらに、上記商品収納ラック10には、図1〜図5に示すように、それぞれの商品収納通路12に対して一対のベース側板11の間に位置する部位に可動側板40が設けてある。可動側板40は、ベース側板11との間の商品通過幅を変更するためのもので、それぞれベース側板11に対して近接離反する方向に移動可能に配設した第1可動側板140及び第2可動側板240を備えている。
第1可動側板140は、正面向かって左方側のベース側板11に対向する態様で配設したもので、図1〜図5、図11及び図13に示すように、商品収納通路12の内部に位置する第1収納幅規定部141と、トップトレイ20の上方域に位置する第1投入幅規定部142とを備えている。
第1収納幅規定部141は、上端部が商品収納通路12の上端開口から突出するとともに、下端部が出口アジャスタ板14に対向するに十分な長さを有した長尺のプレート状部材である。
この第1収納幅規定部141には、上端部に筒状体143が設けてあるとともに、下端部に係合突片141cが設けてある。筒状体143は、左右方向に沿って水平となる軸心を中心とした細径の円筒状を成し、第1収納幅規定部141の板厚に対して十分に大きな長さを有したもので、その中心孔にスライドガイドシャフト143aが貫通している。スライドガイドシャフト143aは、横断面が一様の円形状を成す長尺の線状部材であり、一対のベース側板11の間に水平となる態様で架設したもので、筒状体143を介して第1収納幅規定部141の左右方向に沿った移動を案内するとともに、筒状体143との間において軸心に直交する軸回りに第1収納幅規定部141がガタ付くのを規制する機能を有している。係合突片141cは、出口アジャスタ板14に設けた係合溝孔14aとの間において下部保持手段を構成するものである。係合突片141cは、第1収納幅規定部141の最下端部において出口アジャスタ板14に対向する部位から下方に向けて漸次外方に傾斜した三角形状に突出する部分である。出口アジャスタ板14の係合溝孔14aは、図3〜図5及び図15に示すように、上方に向けて漸次幅が狭くなる三角形状のガイド孔部14aaと、このガイド孔部14aaの頂角となる位置から上方に向けて延在した位置決めスリット部14abとを一体に形成したもので、第1収納幅規定部141が後述する所定の退避位置及び分割位置に占位した場合にそれぞれ係合突片141cが位置決めスリット部14abに挿通できるように形成してある。
第1投入幅規定部142は、第1収納幅規定部141の上端部から前方に向けて延在した部分であり、第1収納幅規定部141に対して上下方向に沿ってのみ移動可能となる態様で第1収納幅規定部141に保持させてある。具体的には、第1投入幅規定部142の一方の側面から下方に向けてスライド舌片142aを突設する一方、第1収納幅規定部141にスライド舌片142aを上下方向に沿ってスライド可能に挿通することのできるスライド開口141aを形成し、また両者の間に上下方向に沿ったスライドガイド壁141b,142bを形成することにより、第1投入幅規定部142が第1収納幅規定部141に対して上下方向に沿ってのみ移動可能となるように両者を連係させるようにしている(図20及び図21参照)。
この第1投入幅規定部142には、スライド挿通孔144及び前後一対の係合突部145,146が設けてある。スライド挿通孔144は、第1投入幅規定部142に設けた貫通孔であり、その内部にスライド部材147が挿通してある。スライド部材147は、一対のベース側板11の間に水平となる態様で架設したものである。このスライド部材147が挿通するスライド挿通孔144は、その前後方向に沿った幅がスライド部材147に嵌合する大きさに形成し、かつその高さがスライド部材147の板厚よりも十分に大きく形成してあり、第1投入幅規定部142を介して第1可動側板140の左右方向に沿った移動を案内する一方、第1収納幅規定部141に対する第1投入幅規定部142の上下方向に沿った移動を許容する機能を有している。係合突部145,146は、第1投入幅規定部142の前方及び後方となる部位に設けた突部であり、それぞれ前方位置決め用フレーム部材148及び後方位置決め用フレーム部材149に設けた複数の係合スリット148a,149aとの間において上部保持手段を構成するものである。第1投入幅規定部142の前方に設けた係合突部(以下、「前方係合突部145」と称する)は、下方に向けて突出するもので、図16に示すように、前方位置決め用フレーム部材148に対して下動した場合に係合スリット148aに係合する一方、図17に示すように、上動した場合に係合スリット148aとの係合状態を解除することが可能である。第1投入幅規定部142の後方に設けた係合突部(以下、「後方係合突部146」と称する)は、後方に向けて突出するもので、後方位置決め用フレーム部材149に対して下動した場合に係合スリット149aに係合する一方、上動した場合に係合スリット149aとの係合状態を解除することが可能である。尚、第1商品収納通路12に設けた第1可動側板140については、スペース効率の観点からスライド挿通孔144の上縁部に前方係合突部145を形成し、このスライド挿通孔144にスライド部材147を兼用した前方位置決め用フレーム部材148を挿通させるようにしている。また、第2商品収納通路〜第5商品収納通路については、それぞれのトップトレイ20に係合スリット148aを形成することにより、トップトレイ20に前方位置決め用フレーム部材148を兼用させるようにしている。
第2可動側板240は、正面向かって右方側のベース側板11及び第1可動側板140に対向する態様で配設したもので、図1〜図5、図12及び図14に示すように、商品収納通路12の内部に位置する第2収納幅規定部241と、トップトレイ20の上方域に位置する第2投入幅規定部242とを備えている。第2収納幅規定部241は、上端部が商品収納通路12の上端開口から突出するとともに、下端部が出口アジャスタ板14に対向するに十分な長さを有した長尺のプレート状部材である。第2投入幅規定部242は、第2収納幅規定部241の上端部から前方に向けて延在した部分であり、第2収納幅規定部241と一体に構成してある。
この第2可動側板240には、スライド挿通孔244及び前後一対の係合突部245,246が設けてある。スライド挿通孔244は、第1可動側板140のスライド挿通孔144に対応する部位に形成した貫通孔であり、その内部に上述したスライド部材147が挿通してある。このスライド部材147が挿通するスライド挿通孔244は、その前後方向に沿った幅がスライド部材147に嵌合する大きさに形成し、かつその高さがスライド部材147の板厚よりも十分に大きく形成してあり、第2可動側板240の左右方向に沿った移動を案内する一方、ベース側板11に対して第2可動側板240の上下方向に沿った移動を許容する機能を有している。係合突部245,246は、第1可動側板140の前方係合突部145及び後方係合突部146に対応する部位に形成したもので、それぞれ前方位置決め用フレーム部材148及び後方位置決め用フレーム部材149に設けた複数の係合スリット148a,149aとの間において上部保持手段を構成している。尚、第1商品収納通路12に設けた第2可動側板240については、第1可動側板140と同様に、スペース効率の観点からスライド挿通孔244の上縁部に前方係合突部245を形成し、このスライド挿通孔244にスライド部材147を兼用した前方位置決め用フレーム部材148を挿通させるようにしている。また、第2商品収納通路〜第5商品収納通路についても、それぞれのトップトレイ20に係合スリット148a,149aを形成することにより、トップトレイ20に前方位置決め用フレーム部材148を兼用させるようにしているのは、第1可動側板140と同様である。
これら第1可動側板140及び第2可動側板240には、図3〜図5に示すように、それぞれ第1収納幅規定部141と第2収納幅規定部241との間にリンク機構50及び誤挿入防止部材60が設けてある。
リンク機構50は、第1可動側板140と、第2可動側板240の第2収納幅規定部241に設けたスライド体51との間にそれぞれ上下一対のリンク桿52,53を介在させることによって構成した平行リンクである。スライド体51は、第2可動側板240の第2収納幅規定部241に上下方向に沿ってのみスライド可能に配設したものである。リンク桿52,53は、それぞれの一端部が前後方向に沿う水平軸回りに揺動する態様で第1収納幅規定部141の中間部及び下方部に支承してある一方、それぞれの他端部が前後方向に沿う水平軸回りに揺動する態様でスライド体51の上端部及び下端部に支承してある。
誤挿入防止部材60は、中間部にコイル状に巻回したコイル部61を有するとともに、その両端部がコイル部61の前端部及び後端部からそれぞれ径外方向に向けて延在した形状を成すもので、例えば金属から成る一連の線状体によって成形してある。この誤挿入防止部材60は、コイル部61の中心軸が第1可動側板140及び第2可動側板240と平行となる鉛直面において前後方向に沿う状態で一方の端部を第1収納幅規定部141の上端部に接続し、かつ他方の端部を第2収納幅規定部241の上端部に接続することによって第1可動側板140と第2可動側板240との間に配設してある(図20参照)。
上記のように第1可動側板140及び第2可動側板240を備えて可動側板40を構成した商品収納ラック10においては、図3及び図18に示すように、第1可動側板140及び第2可動側板240を互いに近接させた状態で第1可動側板140を一方のベース側板11、例えば正面向かって左方側のベース側板11に隣接した退避位置に配置させる。この状態から第1可動側板140及び第2可動側板240それぞれの前方係合突部145,245を前方位置決め用フレーム部材148の係合スリット148aに係合させるとともに、後方係合突部146,246を後方位置決め用フレーム部材149の係合スリット149aに係合させ、さらに第1可動側板140の下端部に設けた係合突片141cを出口アジャスタ板14の係合溝孔14aに挿通させれば、第2可動側板240と右方側のベース側板11との間に最大限の商品通過幅を確保することができるようになり、この商品通過幅に応じた高さを有する商品を安定した姿勢で収納することが可能となる。販売指令に応じて商品の払い出しを行う場合には、商品払出機構16が備える左右一対のペダル16a,16bを同期させて駆動すれば良い。
また、上述したように、支持シャフト31に対して姿勢制御部材30が着脱可能であるため、図3に示すように、左右方向に大きく構成した姿勢制御部材30を保持させれば、商品の姿勢を確実に修正することによって商品収納通路12での商品の姿勢をより安定させることができる。
この場合、誤挿入防止部材60は、適宜弾性的に変形することによって第1可動側板140と第2可動側板240との間に折り畳まれた状態にある。従って、この誤挿入防止部材60がトップトレイ20に投入された商品の通過に対して何ら影響を与えることはない。
上述した状態から、図19に示すように、第2可動側板240を上方へ移動させることによって前方係合突部245と前方位置決め用フレーム部材148との係合を解除するとともに、後方係合突部246と後方位置決め用フレーム部材149との係合を解除し、第2可動側板240のみを左方側のベース側板11から離隔移動させる。この時、スライド体51が適宜上下方向に移動することにより、第2可動側板240が上下方向に移動することなく、第1可動側板140に対して常に平行状態のまま移動することになる。第2可動側板240を所望の位置に配置した後、これを下動させることによって再び前方係合突部245を前方位置決め用フレーム部材148の係合スリット148aに係合させるとともに、後方係合突部246を後方位置決め用フレーム部材149の係合スリット149aに係合させれば、図4及び図20に示すように、この第2可動側板240と右方側のベース側板11との間に縮小した商品通過幅を確保することができ、比較的高さの小さい商品を安定した姿勢で収納することが可能となる。販売指令に応じて商品の払い出しを行う場合には、商品払出機構16が備える左右一対のペダル16a,16bを同期させて駆動すれば良い。
また、第2可動側板240の移動に先んじて幅の小さい姿勢制御部材30′に付け替えておけば、商品の姿勢を確実に修正することによって商品収納通路12での商品の姿勢をより安定させることができる。
この場合、誤挿入防止部材60は、第1可動側板140に対する第2可動側板240の移動に伴ってこれら第1可動側板140と第2可動側板240との間において自動的に拡開し、コイル部61を前後方向に向けた状態でトップトレイ20から商品収納通路12へ至る間の商品の通過域に現出することになる。従って、第1可動側板140と第2可動側板240との間に誤って商品が投入された場合、ルートマン等の作業者が設定を行わずとも、誤挿入防止部材60によって商品が商品収納通路12へ至る事態を確実に防止することが可能となる。しかも、第1可動側板140と第2可動側板240とを互いに連結する態様でコイル部61を有した誤挿入防止部材60を設けるようにしているため、操作ミスにより第2可動側板240を過剰に移動させた場合であってもその機能を継続して発揮することが可能であり、第2可動側板240の移動を規制する手段を別途設けることなく、操作ミスによる商品の誤投入を防止することができる。
上記の状態から、同様の操作によって第2可動側板240をさらに右方側のベース側板11に向けて移動させた後、図21に示すように、第1可動側板140において前方係合突部145と前方位置決め用フレーム部材148との係合を解除するとともに、後方係合突部146と後方位置決め用フレーム部材149との係合を解除し、さらに第1可動側板140の下端部に設けた係合突片141cと出口アジャスタ板14の係合溝孔14aとの係合状態を解除し、第1可動側板140を左方側のベース側板11から離隔した分割位置に配置させる。この状態から第1可動側板140及び第2可動側板240を互いに近接させ、第1可動側板140及び第2可動側板240それぞれの前方係合突部145,245を前方位置決め用フレーム部材148の係合スリット148aに係合させるとともに、後方係合突部146,246を後方位置決め用フレーム部材149の係合スリット149aに係合させ、さらに第1可動側板140の下端部に設けた係合突片141cを出口アジャスタ板14の係合溝孔14aに挿通させれば、図5及び図22に示すように、左方側のベース側板11と第1可動側板140との間、並びに第2可動側板240と右方側のベース側板11との間にそれぞれほぼ1/2となる商品通過幅の商品収納通路12を確保することができるようになる。従って、それぞれの商品通過幅に応じた高さを有する商品を安定した姿勢で収納することが可能となるばかりでなく、商品の収納数を大幅に増大することができ、スペースの有効利用を図ることができる。販売指令に応じて商品の払い出しを行う場合には、商品払出機構16が備える左右一対のペダル16a,16bを互いに独立して駆動すれば良い。
また、第1可動側板140及び第2可動側板240の移動に先んじて姿勢制御部材30′を取り外しておき、その後に各商品収納通路12に対応して姿勢制御部材30″を取り付ければ、それぞれにおいて商品の姿勢を確実に修正し、商品収納通路12での商品の姿勢をより安定させることができる。
この場合、誤挿入防止部材60は、ルートマン等の作業者が設定を行わずとも、適宜弾性的に変形することによって第1可動側板140と第2可動側板240との間に折り畳まれた状態となる。従って、この誤挿入防止部材60がトップトレイ20に投入された商品の通過に対して何ら影響を与えることはない。
ここで、上記のように構成した商品収納ラック10によれば、左方側のベース側板11から離隔した分割位置及び左方側のベース側板11に隣接する退避位置にそれぞれ上部保持手段及び下部保持手段を介して択一的に配置される第1可動側板140と、第1可動側板140に対して平行移動する態様でリンク機構50を介して第1可動側板140に連結した第2可動側板240とを備えて可動側板40を構成しているため、第1可動側板140に対して第2可動側板240が常に平行状態を維持することになり、第2可動側板240に関してはその位置を規定するだけの上部保持手段を設ければ十分となる。従って、商品収納通路12に多数種類の商品を収納させる場合にも、前方位置決め用フレーム部材148及び後方位置決め用フレーム部材149にのみ多数の係合スリット148a,149aを設ければよく、常に商品荷重を受ける出口アジャスタ板14に多数の係合溝孔14aを設ける必要がなくなり、強度的な問題を招来する虞れがない。
しかも、リンク機構50を介して第1可動側板140に連結した第2可動側板240は、その移動もスムーズとなり、移動操作性の点でも有利となる。
また、上記商品収納ラック10によれば、スライドガイドシャフト143aに貫通する筒状体143によって第1可動側板140が鉛直軸回りや前後方向に沿った水平軸回りにガタ付く虞れがなくなる。従って、前方係合突部145と前方位置決め用フレーム部材148の係合スリット148a、後方係合突部146と後方位置決め用フレーム部材149の係合スリット149a、係合突片141cと出口アジャスタ板14の係合溝孔14aは、いずれも着脱操作性を考慮して互いの間に隙間を確保したものを適用した場合であっても、第1可動側板140のガタ付きに起因した商品詰まりや商品の払い出しミスといった問題を招来することがなく、第1可動側板140の移動操作性を向上させることが可能となる。
さらに、第1可動側板140に関しては、第1収納幅規定部141に対して第1投入幅規定部142を上下方向に沿って移動可能に配設するとともに、第1収納幅規定部141と前方位置決め用フレーム部材148及び後方位置決め用フレーム部材149との間に上部保持手段を構成するようにしているため、これら上部保持手段を解除する場合には第1収納幅規定部141を何ら移動させることなく第1投入幅規定部142のみを上方に移動させれば良いことになり、その操作を容易に、かつ軽快に行うことが可能になる。
尚、上述した実施の形態では、可動側板として第1可動側板と第2可動側板とを備えたものを適用し、これら第1可動側板及び第2可動側板の間に誤挿入防止手段を設けるようにしているが、必ずしも可動側板が第1可動側板と第2可動側板とを備えている必要はない。
すなわち、図23及び図24に示す本発明の他の実施の形態では、一対のベース側板11の間に唯一可動側板340を配設し、この可動側板340と一方のベース側板11、例えば左方側のベース側板11との間にリンク機構50及び誤挿入防止部材60が設けてある。これらリンク機構50及び誤挿入防止部材60の構成は、先に示した実施形態と同様であるため、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
上記のような可動側板340を備えた商品収納ラック10′においては、図23に示すように、可動側板340を一方のベース側板11に隣接した退避位置に配置させる。この状態から可動側板340と位置決め用フレーム部材350との間に設けた図示せぬ上部保持手段によって可動側板340を位置決め保持させれば、可動側板340と右方側のベース側板11との間に最大限の商品通過幅を確保することができるようになり、この商品通過幅に応じた高さを有する商品を安定した姿勢で収納することが可能となる。
この場合、誤挿入防止部材60は、適宜弾性的に変形することによってベース側板11と可動側板340との間に折り畳まれた状態にある。従って、この誤挿入防止部材60がトップトレイ(図示せず)に投入された商品の通過に対して何ら影響を与えることはない。
上述した状態から、図24に示すように、上部保持手段(図示せず)を解除し、可動側板340を左方側のベース側板11から離隔移動させると、スライド体51が適宜上下方向に移動することにより、可動側板340が上下方向に移動することなく、ベース側板11に対して常に平行状態のまま移動することになる。可動側板340を所望の位置に配置した後、再び上部保持手段(図示せず)によって可動側板340を所望の位置に位置決め保持させれば、可動側板340と右方側のベース側板11との間に縮小した商品通過幅を確保することができ、比較的高さの小さい商品を安定した姿勢で収納することが可能となる。
この場合、誤挿入防止部材60は、ベース側板11に対する可動側板340の移動に伴って左方側のベース側板11と可動側板340との間において自動的に拡開し、コイル部61を前後方向に向けた状態でトップトレイ(図示せず)から商品収納通路へ至る間の商品の通過域に現出することになる。従って、ベース側板11と可動側板340との間に誤って商品が投入された場合、ルートマン等の作業者が設定を行わずとも、誤挿入防止部材60によって商品収納通路へ至る事態を確実に防止することが可能となる。しかも、ベース側板11と可動側板340とを互いに連結する態様でコイル部61を有した誤挿入防止部材60を設けるようにしているため、操作ミスにより可動側板340を過剰に移動させた場合であってもその機能を継続して発揮することが可能であり、可動側板340の移動を規制する手段を別途設けることなく、操作ミスによる商品の誤投入を防止することができる。