JP4404752B2 - クリップ - Google Patents

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Description

本発明は、2つの部材を、互いに着脱可能に結合させるクリップに関する。例えば、ポーチを、バッグパックに着脱可能に後付けするためのクリップに関する。
例えば、図9に示すように、バックパック200の側面側に小物を入れるポーチ100を取付けた状態で使用される場合がある。従来、バックパック200にポーチ100を後付けする手段として、図10に示すようなクリップ300が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
クリップ300は、板状のベース体310と、ベース体310の一端部を支点に回動自在に設けられた板状の蓋体320とから構成される。ベース体310は、表面に形成された2本のスリット311と、他端部の両側に形成された係止爪312とを備えている。蓋体320は、U字状をなした2本の腕部321と、腕部321の先端に形成され、係止爪312と係合する係止孔322とを備えている。
このようなクリップ300を用いて、ポーチをバックパックに取付けるには、例えば、ベース体310のスリット311に、ポーチのストラップ110を挿通してポーチを取付け、次に、ベース体310と蓋体320との間に、バックパックのベルトを挟み、係止爪312および係止孔322を係合させればよい。
また、ポーチをバックパックから取り外すには、つまり、クリップ300をベルトから取り外すには、係止爪312および係止孔322の係合を解除する。そのためには、蓋体320の腕部321の両外側端面を指で内側に押圧しながら、係止爪312と係止孔322を隔離させるとともに、蓋体320をベース体310から離れる方向へ回動させればよい。
また、他の従来例として、図11に示すように、特許文献1のクリップ300とほぼ同様の構成を備えており、ベース体310に被係止爪313が、蓋体320に被係止爪313と係合する係止爪323が形成されたクリップ300Aも知られている(例えば、特許文献2参照)。被係止爪313には、その根元部分から延長され、変形可能な小腕部314が形成されており、この小腕部314を変形させると、被係止爪313の位置がずれる使用方法および操作方法も、クリップ300とほぼ同様であるが、被係止爪313および係止爪323の係合を解除するためには、ベース体310の両外側側端面を、指で内側に押圧して小腕部314を変形させ、被係止爪313と係止爪323を隔離させるとともに、蓋体320を回動させる。
特開2002−119322号公報 米国特許第6145169号
特許文献1および特許文献2のクリップ300,300Aにおいて、係止爪312,323、および、係止孔322または被係止爪313の係合を解除するには、ベース体310または蓋体320の両外側側端面を指で内側に押圧し、腕部321または小腕部314を変形させていた。しかし、これら腕部321および小腕部314は、それぞれベース体310または蓋体320に一体的に成形されたものである。さらに、これらベース体310および蓋体320は、厚みのある樹脂で成形され、かつ、板状の形状を持つため、内側へ向かって変形しにくい。そのため、腕部321および小腕部314を、係合の解除に充分なほど変形させるためには、かなり強い押圧力が必要となる。しかし、ベース体310および蓋体320の材質・形状は、使用目的、強度確保、さらに、係止爪312,323、係止孔322、被係止爪313の形成のために、強度のある樹脂製や、幅広の板状形を採用せざるを得ない。
また、特許文献1のクリップ300には、回動を行う蓋体320に押圧される腕部321が形成されていることから、係止爪312と係止孔322の係合の解除を行うには、蓋体320の両側端面を指で内側に押圧しながら、蓋体320を回動させなければならないが、上記の通り、蓋体320の押圧にかなり強い力が必要なことから、この連動する2つの動作をスムーズに行うことは難しい。
このように、特許文献1および特許文献2のクリップ300,300Aには、その使用において、強い力が必要であり、また、操作性が悪いことから、使用者および使用用途が限られるという課題がある。
本発明の目的は、使い勝手が良く、かつ、強度の高いクリップを提供することである。
本発明のクリップは、ベース体と、このベース体に回動可能に設けられた蓋体とを備え、前記ベース体と前記蓋体との間にベルトを狭持するクリップにおいて、前記蓋体は、前記ベース体に回動可能に設けられた蓋体取付部と、この蓋体取付部の前記ベース体と対向する表面から空間をあけて形成され、前記空間に前記ベルトを挿通する押え片とを備え、前記ベース体および前記蓋体のいずれか一方に被係止部が設けられ、前記ベース体および前記蓋体のいずれか他方に、前記被係止部を係止する移動体が移動自在に設けられることを特徴とする。
このような構成によれば、被係止部が移動体によって係止された状態において、移動体を、この被係止部を係止する位置から移動させると、被係止部と移動体の係止状態が解除され、つまり、ベース体と蓋体の係止状態が解除される。移動体は、ベース体および蓋体のいずれか他方に移動自在に設けられているため、ベース体および蓋体の材質・形状によって移動されにくくなることはない。そのため、ベース体および蓋体がどのような材質・形状であっても、移動体は移動させやすく、使用者は、軽い力で係止状態の解除を行うことができる。従って、操作性が良いので、クリップの使用者および使用用途を拡大させることができる。
さらに、ベース体および蓋体の材質・形状は、クリップの使用目的や強度を優先することができるため、使い勝手が良く、かつ、強度の高いクリップを実現できる。
さらに、特許文献1のように、係止解除を行うために変形または移動される部材(特許文献1ではフランジ、本発明では移動体)が蓋体に設けられているクリップの場合、このクリップを被挟持体から取り外す過程において、ベース体と蓋体の係止状態の解除、および、蓋体の回動という2つの作業を連動して行わなければならない。しかし、本発明では、前述のように、使用者は、移動体を、被係止部を係止する位置から移動させる作業を軽い力で容易に行うことができるため、次に行う蓋体を回動させる作業へ、スムーズに取りかかることができる。つまり、クリップを取り外す際に強い力が必要ないことから、係止状態の解除、および、蓋体の回動は、それぞれ互いの作業に邪魔されることなく行われることができる。
本発明のクリップは、前記移動体には、前記被係止部を係止する係止部が設けられ、前記移動体は、前記ベース体の一端部に形成され前記ベース体を回動可能に支持する回動機構とは反対側の他端部に形成されることが好ましい。
本発明のクリップは、移動体を、被係止部を係止する位置に復帰させる付勢手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、被係止部を移動体に係止させるには、まず、移動体を、被係止部を係止する位置から移動させる作業、次に、移動体を、被係止部を係止する位置まで移動させる作業が必要となるが、この後者の作業は、付勢手段によって、被係止部が移動体に係止される位置に、移動体が復帰されることより行われるため、使用者は、前者の作業のみを行えばよい。
ベース体と蓋体との係止状態において、被係止部が移動体に係止される位置に、移動体が常に付勢されるので、移動体を移動させない限り、この係止状態が外れることはない。
ベース体と蓋体との係止状態を解除するには、まず、移動体を、被係止部を係止する位置から移動させ、係止状態を解除させるが、この作業の後、移動体は、付勢手段によって自動的に所定の位置から元の位置に復帰するので、使用者は、この移動体を元の位置に移動させる作業を行う必要はない。
本発明のクリップにおいて、付勢手段は、移動体に一体的に形成され弾性変形可能な弾性脚によって構成され、移動体が、被係止部を係止する位置から移動する際に弾性脚が弾性変形し、この弾性脚の復元力により被係止部が係止部に係止される位置に移動体が復帰されることが好ましい。
このような構成によれば、付勢手段は、移動体と一体的に形成された弾性脚であることから、物品点数、組立工程数が少なくてすみ、さらに、比較的簡単な構成であるので成形しやすい。
本発明のクリップにおいて、移動体は、ベース体および蓋体のいずれか他方に互いに接近離隔する方向へ移動可能に設けられた一対のスライド部材を有し、この一対のスライド部材には、一対のスライド部材を互いに離隔する方向へ付勢する付勢手段と、この付勢手段によって一対のスライド部材が互いに離隔する方向へ付勢された状態において被係止部を係止する係止部とが設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、付勢手段によって、一対のスライド部材は、係止部が被係止部を係止する状態となる方向、つまり、互いに隔離する方向へ常に付勢されるので、この係止状態を確実に保持することができる。
一対のスライド部材を互いに接近する方向へ移動させ、スライド部材が所定の位置に達すると、ベース体と蓋体との係止状態が解除される。つまり、この係止状態を解除するには、一対のスライド部材を、互いに接近する方向へ移動させればよい。よって、使用者は、例えば、人差し指を一方のスライド部材の外側面に、親指を他方のスライド部材の外側面に当て、この2本の指の間を狭めるように互いに押圧すれば、この係止状態を解除することができる。つまり、使用者は、片手の指でこの解除作業を行うことができるから、操作性が良い。
本発明のクリップにおいて、前記ベース体の前記蓋体取付部と対向する面には、前記押え片を挟んだ両側に突条が平行に形成されていることが好ましい。
本発明のクリップにおいて、移動体は、ベース体および蓋体のいずれか他方に進退可能に設けられた進退部材を有し、この進退部材には、進退部材をベース体および蓋体のいずれか他方から突出する方向へ付勢する付勢手段と、この付勢手段によって進退部材が突出する方向へ付勢された状態において被係止部を係止する係止部とが設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、付勢手段によって、進退部材は、係止部が被係止部を係止する状態となる方向、つまり、ベース体および蓋体のいずれか他方から突出する方向へ常に付勢されるので、この係止状態を確実に保持することができる。
進退部材を、ベース体および蓋体のいずれか他方に進入する方向へ移動させ、進退部材が所定の位置まで達すると、ベース体と蓋体との係止状態が解除される。つまり、この係止状態を解除するには、移動体を進入する方向へ移動させればよい。よって、使用者は、例えば、人差し指でベース体および蓋体のいずれか他方の外側面を押さえて、親指を進退部材の外側面に当て、親指を人差し指の方向へ押圧すれば、この係止状態を解除することができる。つまり、使用者は、片手の指でこの解除作業を行うことができるから、操作性が良い。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明にあたって、同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
<第1実施形態>
図1〜図5には、第1実施形態のクリップが示されている。
図1は、ポーチをバックパックに取付けるためのクリップの斜視図、図2は、移動体の斜視図、図3は、図2の移動体と移動体が挿入される中空孔を示す拡大図、図4および図5は、クリップの係止過程を説明するための断面図である。
第1実施形態のクリップ1は、これらの図に示すように、ベース体2と、このベース体2に回動機構4を介して回動可能に取付けられ、ベース体2との間に、例えば、バックパック200のベルト210を挟持する蓋体3と、蓋体3に設けられた被係止部としての被係止軸部5と、ベース体2に、別体として、かつ、移動可能に設けられた移動体としての2枚のスライド部材6A,6Bと、このスライド部材6A,6Bに設けられ、係止位置に移動された際に被係止軸部5を係止するとともに、スライド部材6A,6Bがそれぞれ解除位置まで移動された際に、被係止軸部5との係止状態を解除する係止部7とを備えている。
ベース体2は、ほぼ長方形の合成樹脂板であり、長手方向一端側に設けられ、ポーチ100のストラップ110に取付けられるベース体取付部21と、ベース体取付部21の他端側に設けられたスライド部材収納部22とから構成されている。
ベース体取付部21には、長手方向に沿った2本の突条23が、互いに平行に形成されている。突条23はストラップ110を支持している。
スライド部材収納部22には、図3に示すように、幅方向に貫通され、ほぼ直方体の内壁を持つ中空孔24が形成されている。
中空孔24は、スライド部材収納部22の両側端面に形成された2つの側面開口241と、板表面から板裏面に向かって貫通された表面開口242と、表面開口242のベース体取付部21とは反対側に並列し、板表面を貫通したスリット243とを有している。中空孔24の両内側壁であるガイド壁244のうち、スリット243が形成された側のガイド壁244には、スリット243の貫通方向と重なる部分に抜止凹部245が形成されている。さらに、このスリット243が形成された側のガイド壁244は、両側面開口241に近づくにつれて開口が広がるように他端側へ向かって反っている。これは、中空孔24に、前記スライド部材6A,6Bを挿入しやすくするためである。
蓋体3は、ベース体2とほぼ同様な形状を持つ合成樹脂板であり、その長手方向一端部が、ベース体2の一端部に取付けられている。蓋体3は、バックパック200のベルト210に取付けられる蓋体取付部31と、蓋体取付部31の他端側に設けられ、前記被係止軸部5を有する先端部32とから構成されている。蓋体取付部31には、表面から僅かな空間を空けて平行に形成された片であり、かつ、この空間にベルト210を挿通する押え片33が形成されている。
回動機構4は、ベース体2の一端部に形成され、幅方向に伸びる筒部41と、筒部41の筒内部に挿通される支軸ピン42と、蓋体3の一端部に形成され、支軸ピン42の両端を保持する保持部43とから構成される。これにより、蓋体3は、ベース体2に対して自在に回動することができる。
被係止軸部5は、ベース体2と対向する蓋体3の表面の他端部に形成されており、蓋体3と直交する方向に伸びた軸脚51と、軸脚51の先端に形成された円弧形状の係止爪部52とから構成されている。係止爪部52の蓋体3に対向する表面には、蓋体3の表面と平行な係止面53が形成されている。
スライド部材6A,6Bは、図2に示すように、共に合成樹脂板であって、同一の構成を持つ。
スライド部材6Aは、長方形の本体面部61と、本体面部61の長手方向一端側に一体的、かつ同平面上に形成された弾性脚62とから構成されている。
本体面部61には、表面中央に貫通された長方形の第1開口63Aと、第1開口63Aの長手方向他端側が、第1開口63Aに対し直交する方向に段状に隆起した止め段64と、開口63Aと長手方向に沿って並列し、細帯状に貫通されたスリット65と、スリット65と並列する側端面に形成された抜止凸部66と、長手方向他端側側面に緩やかな曲面に形成された側面押圧部67と、第1開口63Aの長手方向一端側の一部が、止め段64と同じ方向に段状に隆起した嵌合凸部68Aとが設けられている。抜止凸部66は、中空孔24の抜止凹部245に係合される。
スライド部材6Bには、スライド部材6Aと同一な第2開口63B、嵌合凸部68B等が設けられている。
弾性脚62は、幅方向の一端側から他端側へ、かつ、長手方向に伸びた緩やかな曲線状の細脚であり、その先端は球状となっている。
スライド部材6A,6Bは、図3に示すように、長手、幅方向の向きを揃え、かつ、嵌合凸部68A, 嵌合凸部68Bを、それぞれ第2開口63B、第1開口63Aに嵌合させて重ね合わされる。さらに、スライド部材6A,6Bは、この重ね合わせた状態で、かつ、抜止凸部66が中空孔24の抜止凹部245に対向するように、中空孔24に挿入される。このとき、スライド部材6A,6Bの各長手側端面611は、中空孔24のガイド壁244に摺接し移動する。
中空孔24に挿入されたスライド部材6A,6Bの各弾性脚62の先端は、それぞれ他方の止め段64の段壁面641に対向しており、スライド部材6A,6Bを接近させる、つまり、それぞれの側面押圧部67を押圧して、互いに重なる方向へ移動させると、弾性脚62は、それぞれ段壁面641に押圧されて弾性変形する。この弾性脚62の弾性変形で生じる復元力によって、スライド部材6A,6Bは、隔離する方向、つまり、互いにずれる方向へ付勢される。スライド部材6A,6Bは、それぞれの側面押圧部67を押すことによって移動させることができる。
係止部7は、上記のようにスライド部材6A,6Bを重ね合わせた際に形成される。
係止部7は、第1開口63Aの一端側内壁面である第1挟持面71Aと、第1挟持面71Aと対向し、かつ、第2開口63Bの一端側内壁面である第2挟持面71Bと、これら第1、第2挟持面71A,71B、および、第1開口63Aの両内側壁面によって形成される係止口72とから構成される。
スライド部材6A,6Bの各側面押圧部67を押圧すると、スライド部材6A,6Bは互いに接近し、第1、2挟持面71A,71Bの距離が大きくなるので、係止口72も広まる。反対に、スライド部材6A,6Bが、互いに隔離すると、第1、2挟持面71A,71Bの距離が小さくなるので、係止口72も狭まる。
第1実施形態のクリップ1によって、ポーチ100をバックパック200に後付けする方法を、図1、図4および図5を用いて説明する。
クリップ1は、被係止軸部5と係止部7の係止状態を解除しておく。
ポーチ100の背面と、ポーチ100のストラップ110との間にベース体2を挿通して、クリップ1をポーチ100に取付ける。蓋体3の押え片33にバックパック200のベルト210を挿通する。
使用者は、蓋体3をベース体2に近づくように回動させ、図4に示すように、被係止軸部5の係止爪部52を係止口72に当接させる。次に、被係止軸部5とは反対側の蓋体3の表面、および、ベース体2のスライド部材収納部22の裏面を指で互いに押圧する。
このとき、係止爪部52が円弧形状をしていることから、スライド部材6A,6Bの第1,第2挟持面71A,71Bは、係止爪部52の両側の曲面に押されて移動し、第1,第2挟持面71A,71Bの間の距離が大きくなる。つまり、係止口72が広がり、スライド部材6A,6Bがそれぞれ解除位置に達したとき、係止爪部52は、図5に示すように係止口72へ挿入される。
係止爪部52が完全に係止口72へ挿入されると、軸脚51が係止爪部52の末広部分より細いことから、スライド部材6A,6Bは、変形された弾性脚62の付勢力によって互いに接近する方向へ移動する。スライド部材6A,6Bが係止位置に達すると、第1,第2挟持面71A,71Bは、軸脚51の両側面を挟持し、さらに、スライド部材6Aの嵌合凸部68Aの表面、および、スライド部材6Bの一端側裏面が係止面53に当接し、係止爪部52を保持する。このようにして、被係止軸部5は、係止口72に係止される。このとき、弾性脚62の弾性変形は完全に復元されていないため、スライド部材6A,6Bは、互いに接近する方向へ付勢されており、被係止軸部5を確実に保持する。
この被係止軸部5と係止部7の係止により、ベース体2と蓋体3は重なり合った状態で固定され、ベース体2と蓋体3の間に挿通されたベルト210が確実に挟持される。こうして、ポーチ100は、バックパック200に確実に取付けられる。
ポーチ100をバックパック200から取り外すためには、使用者は、まず、片手の親指と人指し指で、スライド部材6A,6Bの側面押圧部67を押し合う。スライド部材6A,6Bが解除位置に近づくにつれて、第1,第2挟持面71A,71Bの間の距離が大きくなり、係止口72は、係止爪部52が出入り可能なほど広がる。
この状態で、使用者は残りの指を用いて、蓋体3をベース体2から離れる方向へ回動させ、係止爪部52を係止口72から引出す。このようにして、被係止軸部5と係止部7の係止状態を解除する。
すると、ベース体2と蓋体3の間に挟持されていたベルト210が自由となるので、ベルト210を押え片33から外すと、クリップ1をバックパック200から取り外すことができる。つまり、ポーチ100をバックパック200から取り外すことができる。
第1実施形態によれば、次のような効果を期待することができる。
(1)スライド部材6A,6Bは、ベース体2および蓋体3のいずれとも別体であるので、ベース体2および蓋体3の材質・形状によって移動されにくくなることはない。
(2)(1)より、ベース体2および蓋体3がどのような材質・形状であっても、スライド部材6A,6Bは移動させやすく、使用者は、軽い力で係止状態の解除を行うことができる。従って、操作性が良いので、クリップ1の使用者および使用用途を拡大させることができる。
(3)(1)より、ベース体2および蓋体3の材質・形状は、クリップ1の使用目的や強度を優先することができるため、使い勝手が良く、かつ、強度の高いクリップ1を実現できる。
(4)被係止軸部5を係止部7に係止させるには、まず、スライド部材6A,6Bを解除位置まで移動させる作業、次に、被係止軸部5を係止口72に挿入させた後、スライド部材6A,6Bを被係止部が係止される位置まで移動させる作業が必要となるが、この後者の作業は、弾性脚62によって、スライド部材6A,6Bが係止位置に復帰されることより行われるため、使用者は、前者の作業のみを行えばよい。また、前者の作業も、被係止軸部5を係止口72に指で押し込むだけでよく、係止作業が簡単である。
(5)被係止軸部5の係止部7との係止状態において、係止位置に、スライド部材6A,6Bが常に付勢されるので、スライド部材6A,6Bを移動させない限り、この係止状態が外れることはない。
(6)被係止軸部5と係止部7の係止状態を解除するには、まず、スライド部材6A,6Bを解除位置まで移動させ、係止状態を解除させるが、この作業の後、スライド部材6A,6Bは、弾性脚62によって自動的に解除位置から係止位置に復帰するので、使用者は、このスライド部材6A,6Bを係止位置に移動させる作業を行う必要はない。
(7)弾性脚62は、スライド部材6A,6Bと一体的に形成されていることから、物品点数、組立工程数が少なくてすみ、さらに、比較的簡単な構成であるので成形しやすい。
(8)被係止軸部5と係止部7の係止状態を解除するには、解除位置に達するまで、一対のスライド部材6A,6Bを、互いに接近する方向へ移動させればよいので、使用者は、例えば、人差し指をスライド部材6Aの側面押圧部67に、親指をスライド部材6Bの側面押圧部67に当て、この2本の指の間を狭めるように互いに押圧すれば、この係止状態を解除することができる。つまり、使用者は片手の指でこの解除作業を行えることから、操作性が良い。
(9)中空孔24に形成された抜止凹部245、および、スライド部材6A,6Bに形成された抜止凸部66が係合されるので、スライド部材6A,6Bを、中空孔24から抜け落ちないようにすることができる。
(10)中空孔24のガイド壁244に抜止凹部245が形成され、スライド部材6A,6Bには、スリット65と並列する側端面に抜止凸部66が形成されていることから、スライド部材6A,6Bを中空孔24に挿入する際、抜止凸部66を内側方向へ変形させることができるので、スライド部材6A,6Bを中空孔24に挿入しやすくなる。
なお、第1実施形態のクリップ1は、図6に示すように構成してもよい。つまり、係止面53の表面を、軸脚51に近づくにつれて係止爪部52の先端方向へ食い込むように傾斜させ、さらに、係止面53と当接する嵌合凸部68Aの表面、および、スライド部材6Bの一端側裏面も、第1、第2開口63A,63Bに向かって傾斜を持つように形成してもよい。このようにすると、軸脚51を挟持した第1,第2挟持面71A,71Bは、互いに隔離する方向へ移動しにくくなる。そのため、係止口72は、より確実に被係止軸部5を係止することができる。
第1実施形態のクリップ1では、スライド部材収納部22の両端面に側面開口241が形成されていたが、本発明のクリップ1は、いずれか一方の側面開口241のみを形成し、この側面開口241から中空孔24へ1つのスライド部材6Aを挿入し、係止爪部52の係止面53をスライド部材6Aの底面に係止させることで、ベース体2と蓋体3の固定を行う構成とすることも可能である。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を、図7および図8に示す。図7は、第2実施形態の移動体の斜視図、図8は、図7の移動体と移動体が挿入される中空孔を示す拡大図である。
第2実施形態のクリップ1Aは、第1実施形態のクリップ1に対して、係止爪部52の向きが異なり、また、移動体がベース体2に対し進退可能である進退部材8によって形成されており、そのため、中空孔24Aおよび係止部9の構成が異なる。
進退部材8は、図7に示すように、一端側から四角状に大きく切込まれた切込開口83を有する本体面部81と、本体面部81の長手方向一端側に一体的、かつ同平面上に形成された2本の弾性脚82A,82Bとから構成されている。
本体面部81には、幅方向一端側側面に形成された抜止凸部66と、長手方向他端側側面に緩やかな曲面に形成された側面押圧部67とが設けられている。
弾性脚82A,82Bは、互いに対称であり、切込開口83の内側面に長手方向に沿って設けられた長尺板状の脚支持部84と、脚支持部84から長手方向へ延長された脚先端部85とから構成される。脚支持部84は、切込開口83の内側面に対し、境界部分がV字溝を形成するように傾いて設けられている。脚先端部85は、それぞれ、幅方向の一端側(他端側)から他端側(一端側)へ湾曲して、互いに交差しており、その先端は球状となっている。
係止部9は、切込開口83の一端付近の脚支持部84の両内側面に設けられ、それぞれ幅方向に伸びる係止板91A,91Bと、係止板91A,91Bの間に挟まれた係止口92とから構成される。係止口92には、被係止軸部5の係止爪部52が係止される。
中空孔24Aは、図8に示すように、第1実施形態の中空孔24に対して、側面開口241が片側のみに形成され、この側面開口241を口とした袋形状となっている点が異なる。
進退部材8は、抜止凸部66が中空孔24Aの抜止凹部245に対向するように、一端側から中空孔24Aに挿入される。このとき、弾性脚82A,82Bの先端は、中空孔24Aの袋底面に当接しており、進退部材8を中空孔24Aに進入する方向へ移動させると、弾性脚82A,82Bは、それぞれ袋底面に押圧されて弾性変形する。この弾性脚82A,82Bの弾性変形で生じる復元力によって、進退部材8は、中空孔24Aから突出する方向へ付勢される。進退部材8は、側面押圧部67を押すことによって移動させることができる。
第2実施形態のクリップ1Aを用いて、ポーチをバックパックに後付けするには、前述した第1実施形態のクリップ1を用いる方法に対し、被係止軸部5を係止部9によって、係止・解除する原理が異なる。
まず、被係止軸部5を係止部9に係止するには、被係止軸部5の係止爪部52を係止口92に当接させて、ベース体2および蓋体3を互いに押圧するが、このとき、係止爪部52の円弧形状の先端により、係止板91A,91Bが押圧され、係止板91A,91B、および、これらが形成された脚支持部84が、ベース体2の表面から裏面へ向かう方向へ変形される。この係止板91A,および、91Bの変形によって、係止爪部52は係止口92に挿入することができる。
係止爪部52が完全に係止口92へ挿入されると、軸脚51が係止爪部52の末広部分より細いことから、係止板91A,91Bの変形が復元し、係止板91A,91Bの表面が、係止面53に当接して係止爪部52を保持する。このようにして、被係止軸部5は、係止口92に係止される。
次に、この被係止軸部5と係止部9の係止状態を解除するには、使用者は、まず、片手の親指と人差し指等で、進退部材8の側面押圧部67とベース体2の側端面を押し合う。すると、進退部材8が中空孔24Aへ進入する方向へ移動するので、係止板91A,91Bの位置も移動する。やがて、進退部材8が解除位置に近づくにつれ、係止板91A,91Bと係止面53の位置が完全にずれ、係止面53が、係止板91A,91Bから隔離される。
この状態で、残りの指を用いて、蓋体3をベース体2から離れる方向へ回動させ、係止爪部52を係止口92から引出す。このようにして、被係止軸部5と係止部7の係止状態を解除する。
第2実施形態によれば、第1実施形態で期待できる効果(4),(8)を除いた効果(1)〜(10)に加え、次のような効果を期待することができる。
(11)被係止軸部5と係止部9の係止は、係止板91A,91B、および、脚支持部84の変形によって、係止爪部52が係止口92に挿入され、次に、係止板91A,91B、および、脚支持部84の変形の復元によって、係止爪部52が係止されることによって行われるため、使用者は、被係止軸部5を係止口92に指で押し込むだけでよく、係止作業が簡単である。
(12)脚支持部84は、切込開口83の内側面に対し、V字溝を形成するように傾いて形成していることから、(11)の係止板91A,91B、および、脚支持部84の変形が行われやすい。
(13)(12)より、進退部材8を中空孔24Aに挿入する際、抜止凸部66を、V字溝の方向へ変形させることができるので、進退部材8を中空孔24Aに挿入しやすくなる。
(14)被係止軸部5と係止部9の係止状態を解除するには、解除位置に達するまで、進退部材8を、中空孔24Aに進入する方向へ移動させればよいので、使用者は、例えば、人指し指をベース体2の側端面に、親指を進退部材8の側面押圧部67に当て、この2本の指の間を狭めるように互いに押圧すれば、この係止状態を解除することができる。つまり、使用者は片手の指でこの解除作業を行えることから、操作性が良い。
(15)移動部材としての進退部材8が一枚であることから、部品点数が少なくてすみ、また、中空孔24Aへ挿入しやすいので、クリップ1Aの組立の手間を少なくすることができる。
<変形例>
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
本発明では、被係止軸部5をベース体2に、係止部7,9を蓋体3に設けてもよい。
第1、第2実施形態では、回動機構4は、支軸ピン42を回動の中心とする構成であるが、本発明では、ベース体2と蓋体3の取付部分にヒンジを形成し、このヒンジの変形によりベース体2および蓋体3の回動を行ってもよい。このような構成によると、被係止軸部5と係止部7,9の係止状態の解除と同時に、ヒンジの復元力により、自動的に蓋体3がベース体2から離れて回動されるので、使用者は、この蓋体3の回動作業を行う必要がない。
また、他にも、保持部43に、筒部41と噛み合う歯車状のノッチ部を形成し、蓋体3のベース体2に対する回動角度を調節し、その回動角度で固定できるようにしてもよい。
第1、第2実施形態では、ベース体2と蓋体3は別体であり、回動機構4を介して互いに取付けられるとしたが、本発明では、ベース体2および蓋体3を一体的に成型してもよい。
第1、第2実施形態では、付勢手段として、スライド部材6A,6B、または、進退部材8に一体成形された弾性脚62,82A,82Bを用いたが、本発明では、例えば、別体のばね等を用いてもよい。このように付勢手段にばねを用いると、クリップ1,1Aは、強度が高く、弾性が極めて小さい金属部材からも成形することができる。
本発明は、別体である2つの部材を、互いに着脱可能に結合させるクリップに利用できる。
本発明の第1実施形態にかかるクリップの斜視図。 同上の実施形態にかかる移動体の斜視図。 図2の移動体と移動体が挿入される中空孔を示す拡大図。 同上の実施形態にかかるクリップの係止過程を説明するための断面図。 同上の実施形態にかかるクリップの係止過程を説明するための断面図。 同上の実施形態にかかるクリップの変形例を示す断面図。 本発明の第2実施形態にかかる移動体の斜視図。 図7の移動体と移動体が挿入される中空孔を示す拡大図。 ポーチをバックパックに取付ける例を示す図。 従来のクリップを示す斜視図。 図10とは異なる従来のクリップを示す斜視図。
符号の説明
1,1A…クリップ、2…ベース体、245…抜止凹部、3…蓋体、5…被係止軸部、6A,6B…スライド部材、62,82A,82B…弾性脚、66…抜止凸部、7,9…係止部、8…進退部材、210…ベルト

Claims (7)

  1. ベース体2と、このベース体2に回動可能に設けられた蓋体3とを備え、前記ベース体2と前記蓋体3との間にベルト210を狭持するクリップ1,1Aにおいて、
    前記蓋体3は、前記ベース体2に回動可能に設けられた蓋体取付部31と、この蓋体取付部31の前記ベース体2と対向する表面から空間をあけて形成され、前記空間に前記ベルト210を挿通する押え片33とを備え、
    前記ベース体2および前記蓋体3のいずれか一方に被係止部5が設けられ、
    前記ベース体2および前記蓋体3のいずれか他方に、前記被係止部5を係止する移動体6A,6B,8が移動自在に設けられる
    ことを特徴とするクリップ。
  2. 前記移動体6A,6B,8には、前記被係止部5を係止する係止部7,9が設けられ、
    前記移動体6A,6B,8は、前記ベース体2の一端部に形成され前記ベース体2を回動可能に支持する回動機構4とは反対側の他端部に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  3. 前記移動体6A,6B,8を、前記被係止部5を係止する位置に復帰させる付勢手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクリップ。
  4. 前記付勢手段は、前記移動体6A,6B,8に一体的に形成され弾性変形可能な弾性脚62,82A,82Bによって構成され、前記移動体6A,6B,8が、前記被係止部5を係止する位置から移動する際に弾性脚62,82A,82Bが弾性変形し、この弾性脚62,82A,82Bの復元力により前記被係止部5が前記係止部7,9に係止される位置に前記移動体6A,6B,8が復帰される
    ことを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
  5. 前記移動体は、前記ベース体2および前記蓋体3のいずれか他方に互いに接近離隔する方向へ移動可能に設けられた一対のスライド部材6A,6Bを有し、
    この一対のスライド部材6A,6Bには、一対のスライド部材6A,6Bが互いに離隔する方向へ付勢する付勢手段と、この付勢手段によって一対のスライド部材6A,6Bが互いに離隔する方向へ付勢された状態において前記被係止部5を係止する前記係止部7とが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  6. 前記ベース体2の前記蓋体取付部31と対向する面には、前記押え片33を挟んだ両側に突条23が平行に形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のクリップ。
  7. 前記移動体は、前記ベース体および前記蓋体のいずれか他方に進退可能に設けられた進退部材8を有し、
    この進退部材8には、進退部材8を前記ベース体2および前記蓋体3のいずれか他方から突出する方向へ付勢する付勢手段と、この付勢手段によって進退部材8が突出する方向へ付勢された状態において前記被係止部5を係止する前記係止部7とが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
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