JP4401836B2 - 電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はモノベンゾポルフィリンを活性層に用いた電界効果型トランジスタ、該電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
有機半導体を用いた薄膜トランジスタの開発は、1980年代後半から徐々に活発になってきており、近年では基本性能としてアモルファスシリコンの薄膜トランジスタの特性を越えるに至っている。有機材料は加工が容易であり、一般に薄膜FETが形成されるプラスチック基板と親和性が高いので、薄膜デバイス内の活性半導体層としての使用は魅力的である。有機半導体としてはこれまでに、特許文献1に開示されているペンタセンやテトラセンといったアセン類、特許文献2に開示されている鉛フタロシアニンを含むフタロシアニン類、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体といった低分子化合物や、特許文献3にはα−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー、さらにはポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった高分子化合物が提案されている。(これらの多くは、また非特許文献1に記載されている)
これらの化合物を活性層としてデバイス化する場合に必要となる導電性、半導電性などの特性は材料の純度のみでなく結晶性や配向性に大きく依存する。π共役系が拡張された化合物、例えば、ペンタセンは結晶性が高く溶媒に不溶なため、薄膜は真空蒸着法を用いることにより製膜されている。この場合、高い移動度を示す事がしられているが、ペンタセンなどは空気中の酸素、水分によって速やかに劣化が起こるため取り扱いが困難であった。一方、有機半導体膜としてπ共役系高分子を用いた有機半導体は、溶液塗布法等で容易に薄膜を形成できるなど成形性に優れることから応用開発が進められている(非特許文献2)。π共役系高分子の場合、分子鎖の配列状態が電気伝導性に大きな影響を及ぼすことが知られているが、同様にπ共役系高分子電界効果型トランジスタの電界効果移動度が半導体層中における分子鎖の配列状態に大きく依存することが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、π共役系高分子の分子鎖の配列は溶液を塗布して乾燥するまでの間に行われるため、環境の変化や塗布方法の違いによって分子鎖の配列状態が大きく変化する可能性があった。ペンタセンの可溶性前駆体薄膜を塗布で形成し、熱処理によってペンタセンに変換した膜を用いたFETも報告されている(非特許文献4)。この場合、ペンタセンへの変換に高温処理が必要であったり、質量が大きい脱離成分を減圧によって取り除いたりしなくてはならなかった。また、かさ高いビシクロ[2.2.2]オクタジエン骨格が縮環したポルフィリンを200℃で加熱して得られるテトラベンゾポルフィリンが有機半導体として有用である事が報告されている(非特許文献5、特許文献4、特許文献5)。しかしながらこの場合、安定した特性を示す結晶膜を得る為には高い焼成温度が必要であった。
特開平5−55568号公報 特開平5−190877号公報 特開平8−264805号公報 特開2003−304014号公報 特開2004−6750号公報 アドバンスド・マテリアル(Advanced Material)誌2002年第2号p.99〜117 「Japanese Journal of Applied Physics」応用物理学会1991年第30巻p.596−598 「Nature」Nature Publishing Group1999年第401巻p.685−687 「Advanced Materials」WILLEY−VCH Verlag GmbH、1999年、第11巻、p.480−483 日本化学会第81春季年会2002年講演予稿集II、p.990(2F9−14)
以上述べたように従来、有機半導体化合物を用いたFET素子は真空製膜などの煩雑な工程を経ることで結晶性や配向性を有する半導体層を形成してきた。
また、塗布法により簡便な方法がとられたものでも優れた配向性と結晶性を備えた膜を形成させるためには非常に高い温度が必要で、かつその温度は非常に狭い領域であるものが多かった。
本発明の目的は、この問題を解決するためになされたもので、低温から広い温度領域において安定して結晶性や配向性の高い有機半導体層を形成でき、かつ高い移動度を示す電界効果型トランジスタ、該電界効果型トランジスタの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、有機半導体層を有する電界効果型トランジスタであって、該有機半導体層が少なくとも下記一般式(3)で表されるモノビシクロポルフィリン化合物の、無金属体あるいは銅錯体を加熱して得られるモノベンゾポルフィリン骨格を有する化合物を含むことを特徴とする電界効果型トランジスタである。
一般式(3)
ここで、前記有機半導体層はCuKαX線回折におけるブラッグ角(2θ)7.8°±0.2°に少なくとも1つピークを有することが好ましい。
また、本発明は、有機半導体層を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、下記一般式(3)で表されるモノビシクロポルフィリン化合物の、無金属体あるいは銅錯体を加熱することによりモノベンゾポルフィリン化合物に変化させて有機半導体層を形成する工程を少なくとも有する電界効果型トランジスタの製造方法である。
一般式(3)
また本発明は、上記の電界効果型トランジスタの製造方法であって、有機半導体層が、前記一般式(3)で表されるモノベンゾポルフィリン化合物の、無金属体あるいは銅錯体を130℃以上250℃以下で加熱することにより形成されることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法である。
本発明によれば、低温から広い焼成温度領域において安定して結晶性や配向性の高い有機半導体層を形成できるため、ガラス基板等耐熱性の基板のみならず各種プラスチック基板を使用することができる。また、これにより簡便に製造可能でありかつ高い電界効果移動度を示す電界効果型トランジスタ、該電界効果型トランジスタの製造方法を提供することができる。
本実施の形態に係る電界効果型トランジスタ(FET)は、有機半導体と、絶縁体と、導電体を少なくとも有する素子である。絶縁体は、電極である導電体を覆うための絶縁膜(層)である。有機半導体はそのような導電体(電極)が発生する刺激(電界)に対して応答する有機半導体層である。具体的には電界に対して電気的特性が変化する層である。更に具体的には導電率、つまり有機半導体層を流れる電流が電界の変化に応じて変化する層である。
また、本発明のFETは、これら3つの構成要素の他に、ソース電極、ドレイン電極を有してもよい。この場合、先の導電体は、ゲート電極として用いることが出来る。そしてゲート電極を有機半導体層やソース電極や、ドレイン電極から絶縁するためにゲート電極を覆うゲート絶縁層として先の絶縁層を用いることが出来る。
図1は本実施形態に係るトップ電極型有機半導体素子を示す模式的断面図である。1は基材、2はゲート電極、3はゲート絶縁層、4はソース電極、5はドレイン電極、6は有機半導体層である。この素子は、基材1の表面にゲート電極2が設けられ、その上にゲート絶縁層3が設けられ、絶縁層3の表面にソース電極4とドレイン電極5が間隔をおいて設けられている。そしてソース電極5とドレイン電極6の上とその離間領域である絶縁層3上に有機半導体層6が両電極4、5と接して設けられている。絶縁層3はゲート電極2を覆うように設けられている。
図2は本実施形態に係るボトム電極型有機半導体素子を示す模式的断面図である。1は基材、2はゲート電極、3はゲート絶縁層、4はソース電極、5はドレイン電極、6は有機半導体層である。この素子は、基材1の表面にゲート電極2が設けられ、その上にゲート絶縁層3が設けられ、絶縁層3の表面にソース電極4とドレイン電極5が間隔をおいて設けられている。そしてソース電極4とドレイン電極5の上とその離間領域である絶縁層3上に有機半導体層6が両電極4、5と接して設けられている。絶縁層3はゲート電極2を覆うように設けられている。
本実施形態におけるトランジスタの応答性を高めるためには、有機半導体層6には高い移動度を示す材料が要求される。それ故、本発明者らは広い焼成温度領域において安定して結晶性や配向性の高い有機半導体材料を探すべく鋭意検討を重ねたところ、一般式(1)に示される特定のモノベンゾポルフィリン骨格を有する化合物が好ましいことを見出した。
一般式(1)
そして、有機半導体層6として一般式(1)に示すモノベンゾポルフィリン骨格を有する化合物を用いることで、簡便かつ高い電界効果移動度を示す電界効果型トランジスタを得ることができるという知見を得た。
そして、一般式(1)において、 および はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アリール基より選ばれかつ の少なくとも2つが水素原子以外であって、 は水素原子またはアリール基より選ばれMは2個の水素原子もしくは金属原子あるいは金属酸化物である(なお、隣接する 同士、 同士は同一であっても異なっていてもよい)化合物によって、上記に示す課題は初めて解決された。これにより本発明はなされている。
さらに好ましくは、 の内少なくとも2つがアルキル基であることである。これにより、ポルフィリン同士の配向性がさらに増し、移動度が向上する。
この薄膜の形成方法としてはモノベンゾポルフィリンを蒸着する方法、前駆体をモノベンゾポルフィリンに変換しながら蒸着する方法、前駆体を塗布してから加熱する方法等いくつかあるが、前駆体を塗布してから加熱する方法が最も好ましい。
次に前駆体について説明する。前駆体である一般式(2)に示されるポルフィリン化合物の置換基 は一般式(1)中に示されているR 〜R と同等な基であり、ビシクロ[2.2.2]オクタジエン環に結合した置換基 は熱処理によって一般式(1)に示されるモノベンゾポルフィリン化合物に変換される時に −CH=CH− となって脱離する。そのため はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アリール基より選ばれ2種以上が組み合わされていても良い。炭素数が12を越えると脱離成分の分子量が増して、ベンゾポルフィリン膜中に脱離成分が残存して十分な半導体特性が得られない。最も好ましくは が水素原子である。
一般式(2)
ポルフィリン化合物の置換基 は熱処理後に得られるモノベンゾポルフィリン化合物にも置換基として残る。そのため置換基 はモノベンゾポルフィリンの配向に影響を与える。 はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アリール基より選ばれ2種以上が組み合わされていても良い。 の炭素数が12を越えると分子全体に対するポルフィリン環の存在率が下がるためポルフィリン環同士が配向し難くなり十分な半導体特性が得られない場合がある。最も好ましくは が水素原子であり、ポルフィリン環同士のスタッキングがより起こりやすく膜の結晶性が向上する。
ポルフィリン化合物の は、溶解性と結晶性に影響を与える。 はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アリール基より選ばれ2種以上が組み合わされていても良い。 の炭素数が12を越えると分子全体に対するポルフィリン環の存在率が下がるためポルフィリン環同士が配向し難くなり十分な半導体特性が得られない。しかしながら、一般にポルフィリン類は広い平面性故に起こるスタッキングの問題で一般的な溶媒に対する溶解度が非常に悪くなる。このため有機化学合成で一般的に用いられるクロマトグラフィーや再結晶法といった精製法を用いることができない。しかしながら、良好な半導体特性を得るためには材料の高純度化も不可欠であるため、 の中の少なくとも2つ炭素数2以上12以下のものを含んでいることが好ましい。さらに好ましくは、2つ以上の が炭素数以上12以下のアルキル基である。
ポルフィリン化合物の置換基 は水素原子またはアリール基より選ばれ、好ましくは水素原子である。
ポルフィリン化合物のMは2個の水素原子もしくは金属あるいは金属酸化物であれば特に限定されない。金属の例としては銅、金、銀、亜鉛、ニッケル、クロム、マグネシウム、リチウムなどが挙げられる。金属酸化物の例としてはTiO,VOなどが挙げられる。特に好ましくはMが2個の水素原子もしくは1個の銅原子である。
半導体層の作製法としては、一般式(2)で表されるモノビシクロポルフィリン化合物を有機溶媒に溶解させてから基材に塗布し、その後に加熱することで一般式(1)で表されるモノベンゾポルフィリン化合物の結晶化膜を得る方法が好ましい。モノビシクロポルフィリン化合物を溶解するために用いられる有機溶媒はポルフィリン化合物が反応したり、析出したりしなければ特に限定されない。また、2種以上の有機溶媒を混合して用いても良い。塗膜表面の平滑性や膜厚の均一性を考慮に入れるとクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエチレンのようなハロゲン溶媒、その他キシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒が挙げられる。溶液の濃度は所望の膜厚によって任意に調節されるが、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下である。塗布方法としては、スピンキャスト法、ディッピング法、滴下法、オフセットあるいはスクリーンなどの印刷法、インクジェット法などが挙げられる。また、半導体層中に極力ゴミなどを混入させないために事前にメンブランフィルタで濾過することが望ましい。なぜならば、不溶分や外部からのゴミの混入は均一な配向を妨げ、オフ電流の増加やON/OFF比の低下を引き起こすからである。モノビシクロポルフィリンの塗膜は100℃以下で予備乾燥することもできる。
塗布形成されたポルフィリン化合物の膜は加熱によってレトロディールスアルダー反応を引き起こし、 −CH=CH− の脱離を伴うモノベンゾポルフィリン化合物への変換が起こる。ベンゾポルフィリンの生成と同時にポルフィリン環同士のスタッキングによる結晶生長を引き起こし、モノベンゾポルフィリンの結晶化膜が得られる。また、脱離反応は125℃以上で起こるが、より高い電界効果移動度を得るための加熱温度としては130℃以上250℃以下が好ましい。特に130℃未満では結晶生長が十分な結晶化膜が得られず、250℃を越えると急激な膜収縮のためにクラックが発生する。加熱はホットプレート上、熱風循環型オーブン又は真空オーブン中で行われるが、特にこれらに限定されるわけではない。
また、ビシクロ体の溶液の絶縁層上での塗膜均一性を向上させたり、加熱によりベンゾ体の膜の配向を均一にするために、絶縁層表面のみを改質することもできる。その方法としてはオゾン、プラズマ、ヘキサメチルジシラザンガスを用いた乾式処理や、有機溶剤にテトラアルコキシシラン、トリクロロシラン、界面活性剤などを溶解した溶液を用いた湿式処理などが挙げられる。
また、より高い結晶性を得るためには加熱前の塗膜を布などで軽く擦るラビング処理を行うことも好ましい。ラビング処理に使用する布はレーヨン、木綿、絹などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの操作によって得られるベンゾポルフィリン配向膜を用いた有機半導体層の膜厚は30nm以上150nm以下の範囲が好ましい。膜厚が30nm未満であると膜厚の均一性が損なわれ、一方150nmを越えると膜表面の平滑性が損なわれることで移動度が低下する。結晶の生長はX線回折や光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡などを用いた膜表面観察、膜の紫外−可視吸収スペクトルで確認することができる。有機半導体層中の結晶粒の最大径は1μm以上であることが好ましく、それ以下であると十分な電界効果移動度が得られない。また、有機半導体層のCuKαX線回折におけるブラッグ角(2θ)7.8°±0.2°に特徴的に強度の強いピークを有していることが好ましい。強いピークを有さない場合は、十分な配向が得られないことがある。
なお、本発明のX線回折測定はCuKα線を用い、次の条件で行った。
使用機:理学電機社製RAD−RX広角X線回折装置
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:150mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
サンプリング間隔:0.020deg.
積算時間:1s
積算回数:14回
測定温度:室温(20℃)
なお、本発明においてX線回折のピークの形状は製造時の条件の相違によってわずかではあるが異なる場合がある。またピークの先端部がスプリットする場合もある。
基材1としてはSi、ガラス、金属などの無機材料あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)などの樹脂材料を板状もしくはシート状に加工された基材を使用することができる。フレキシブルな素子を作製する場合、樹脂基材を用いることが好ましい。
ゲート電極2、ソース電極4、ドレイン電極5としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、およびこれらの合金や、インジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機および有機半導体、例えばシリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。電極の作製方法としてはスパッタ法、蒸着法、溶液やペーストからの印刷法、インクジェット法などが挙げられる。また、電極材料としては、上に挙げた中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
絶縁膜3としては、一般式(2)の溶液が均一に塗布できるものであれば何でもよいが、誘電率が高く、導電率が低いものが好ましい。例としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルなどの無機酸化物や窒化物、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテル、シロキサン含有ポリマー等の有機高分子が挙げられる。また、上記絶縁材料の中でも、表面の平滑性の高いものが好ましい。
一般式(2)の溶液の絶縁膜上での塗膜均一性を向上させたり、加熱により一般式(1)の膜の配向を均一にするために、絶縁膜表面のみを改質することもできる。その方法としてはオゾン、プラズマ、ヘキサメチルジシラザンガスを用いた乾式処理や、有機溶剤にテトラアルコキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、トリクロロシラン、界面活性剤などを溶解した溶液を用いた湿式処理などが挙げられる。
本発明における電界効果型トランジスタの構造は薄膜型に限定されるものではなく、立体型でもよい。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限られるものではない。
(合成例)
工程(1)
1,3−シクロヘキサジエン3.16g(39.5mmol)、トランス−1,2−ビス(フェニルスルフォニル)エチレン10.5g(34.1mmol)、トルエン200mlの混合液を7時間還流させた後、冷却、減圧下濃縮することにより反応混合物を得た。この反応粗生成物を再結晶(クロロホルム/ヘキサン)することにより5,6−ビス(フェニルスルフォニル)−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン(13.8g、35.6mmol、収量90%)を得た。
工程(2)
得られた5,6−ビス(フェニルスルフォニル)−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン7.76g(20mmol)、無水テトラヒドロフラン50mlの混合液の反応系を窒素置換し、イソシアノ酢酸エチル2.425ml(22mmol)を加え0℃に冷却した。カリウムt−ブトキシド(50ml/1MTHF溶液)を2時間かけて滴下した後、室温で3時間攪拌した。反応終了後、希塩酸を加えてから反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水、飽和食塩水の順で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、エチル−4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドール−1−カルボキシレートを得た(3.5g、16mmol、収率80%)。
工程(3)
2,4−ペンタンジオン(205.4ml,2.0mol)、アセトン(100ml)、臭化n−ブチル(54ml,0.5mol)、炭酸カリウム(34.55g,0.25mol)を反応容器に入れ、窒素置換して48時間還流した。生成した固体をろ別し、エバポレーターで溶媒を留去した後、ダイアフラムで未反応の2,4−ペンタンジオンを減圧留去した。そして、真空蒸留することにより3−n−ブチル2,4−ペンタンジオンを得た(43.25g,収率55%)。
工程(4)
アセト酢酸ベンジル(97ml,560mmol)と酢酸(81ml)を反応容器に入れ、10℃以下で亜硝酸ナトリウム(37.8g)と水(115ml)の水溶液を滴下し、滴下後3時間室温で撹拌した。別の容器に工程(3)で得られた3−n−ブチル2,4−ペンタンジオン(43.16g,280mmol)の酢酸(45ml)溶液に亜鉛粉末(36.6g)と酢酸ナトリウム(25.9g)の混合物と前述の溶液を60℃以下で加え、80℃で1時間撹拌後、氷水(1.12L)中に反応溶液を注ぎ、生じた沈殿を濾過し、水で洗浄した。この沈殿をクロロホルムに溶かし、水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮しダイアフラムで減圧蒸留することにより余分な液体を除いた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/Hexane)で精製し、さらに再結晶(MeOH)することにより、4−n−ブチル−3,5−ジメチルピロールベンジルエステルが得られた(22.92g,収率24%)。
工程(5)
反応容器に酢酸(200ml)と無水酢酸(3.09ml)を加えた。そして、そこに4−n−ブチル−3,5−ジメチルピロールベンジルエステル(8.56g,30mmol)を溶解させ、その後ゆっくりと四酢酸鉛(15.38g,31.5mmol)を加えた。2時間撹拌後、反応溶液を氷水に注ぎ、生成した沈殿を濾過して水でしっかりと洗った。この沈殿をクロロホルムに溶解させ、水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮し、ヘキサンでトリチュレーションすることによりベンジル5−アセトキシメチル−4−n−ブチル−3−メチルピロール−2−カルボキシレートが得られた(8.93g,収率87%)。
工程(6)
反応容器を窒素置換し、1−ニトロプロパン(8.93ml,100mmol)、脱水テトラヒドロフラン(dry−THF)(50ml)を加えた。そして、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(1.5ml,10mmol)を加えた後、プロピオンアルデヒド(4.68ml,100mmol)を氷浴で冷却しながら加えた。室温で10時間撹拌後、酢酸エチル(100ml)を加え、希塩酸、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮することにより4−ヒドロキシ−3−ニトロヘキサンが得られた(12.33g,収率84%)。
工程(7)
4−ヒドロキシ−3−ニトロヘキサン(14.7g,100mmol)、無水酢酸(14.8ml,157.3mmol)、クロロホルム(50ml)、濃硫酸数滴を反応容器に入れ、室温で10時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム(50ml)を加え、水、5%重曹水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮することにより、4−アセトキシ−3−ニトロヘキサンが得られた(16.3g,収率86%)。
工程(8)
反応容器に4−アセトキシ−3−ニトロヘキサン(11.34g,60mmol)を入れ、窒素置換して、dry−THF(150ml)イソシアノ酢酸エチル(7.28ml,66mmol)を加えた。そして、氷浴で冷却しながらDBU(20.76ml,144mmol)をゆっくりと滴下し、室温で12時間撹拌した。反応終了後、1N塩酸を加え、クロロホルムで抽出、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによりエチル3,4−ジエチルピロール−2−カルボキシレートが得られた(10.97g,収率94%)。
工程(9)
還流冷却器を取り付けて遮光した反応容器に、工程(2)で合成したエチル−4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドール−1−カルボキシレート(1.95g、9.6mmol)とエチレングリコール100mlと水酸化ナトリウム2.0gを加えた。そして窒素置換し、175℃で2時間撹拌した。その後、室温まで冷却した反応溶液を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮することにより4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドールを得た(0.98g、収率70.4%)。
工程(10)
還流冷却器を取り付けて遮光した反応容器に、工程(8)で得られたエチル3,4−ジエチルピロール−2−カルボキシレート(2.056g,10.53mmol)とエチレングリコール(100ml)と水酸化カリウム(3.5g)を加えた。そして窒素置換し、160℃で2.5時間撹拌した。その後、室温まで冷却した反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出、重曹水、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮した。再び還流冷却器を取り付けて遮光した反応容器に、この反応で得られた3,4−ジエチルピロールと工程(5)で得られたベンジル−5−アセトキシメチル−4−n−ブチル−3−メチルピロール−2−カルボキシレート(7.21g,21mmol)、酢酸(10ml)、エタノール(150ml)を加え、18時間還流させた。還流後、室温まで冷却しエタノール(50ml)を加え0℃で5時間放置し、析出した結晶を濾過しエタノールでよく洗浄することで2,5−ビス(5−ベンジルカルボニル−3−n−ブチル−4−メチル−2−ピロイルメチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロールが得られた(5.25g,収率72%)。
工程(11)
3つ口フラスコにパラジウムカーボン(Pd/C)0.5g、dry−THF20mlを加え水素置換し、30分間撹拌した。そこへ2,5−ビス(5−ベンジルカルボニル−3−n−ブチル−4−メチル−2−ピロイルメチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール(2.09g,3.03mmol)をdry−THF(30ml)に溶かした溶液をゆっくり滴下し、そのまま室温で一晩撹拌した。撹拌後、溶液をセライト濾過し、ろ液を減圧下で濃縮し遮光して、窒素置換した後氷浴で冷却した。そのままトリフルオロ酢酸(TFA)(5ml)を滴下し、10分間撹拌した後、オルトギ酸トリメチル(CH(OMe)3)(10ml)をゆっくり滴下し、0℃のまま1時間撹拌した。その溶液を1M NaOH溶液(メタノール及び水の1:1混合溶液で希釈した)で中和した後、氷水へ注ぐと茶色の固体が析出した。その固体を濾過した後、水で洗浄し、ヘキサンでリンスすることにより2,5−ビス(5−ホルミル−3−n−ブチル−4−メチル−2−ピロイルメチル)−3,4−ジエチル−1H−ピロールが得られた(1.94g,収率60%)。
工程(12)
遮光した反応容器に工程(9)で得られた4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドール(0.12g,0.84mmol)と、工程(11)で得られた2,5−ビス(5−ホルミル−3−n−ブチル−4−メチル−2−ピロイルメチル)−3,4−ジエチル−1H−ピロール(0.40g,0.84mmol)、クロロホルム(200ml)を加え窒素置換した。その溶液へTFA(10.0ml)を加え、50℃で18時間撹拌した。撹拌後、トリエチルアミン(18.0ml)をゆっくり滴下し中和した後、クロラニル(0.21g,0.84mmol)を加え一晩撹拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、有機層を水と飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。そこへ酢酸亜鉛を加えて室温で2日間撹拌し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによりモノビシクロポルフィリン亜鉛錯体が得られた(0.17g,収率32%)。
工程(13)
得られたモノビシクロポルフィリン亜鉛錯体(0.052g,0.08mmol)を反応容器に入れ、窒素置換しクロロホルム(10ml)に溶解させた。そこへトリフルオロ酢酸(4.5ml)をゆっくりと加え1時間撹拌させた。反応溶液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮することにより、下記一般式(3)で表される無金属モノビシクロポルフィリンが得られた(0.038g,収率81%)。
一般式(3)
工程(14)
得られた無金属モノビシクロポルフィリン(0.041g,0.07mmol)を反応容器に入れ、窒素置換し、クロロホルム(25ml)に溶解させた。そこへ酢酸銅(II)1水和物(0.028g,0.14mmol)を加え一晩撹拌した。反応溶液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮することにより、モノビシクロポルフィリン銅錯体を得た(0.038g,収率87%)。
(実施例1)
図3に本実施例におけるトップ電極型電界効果型トランジスタの構造を示す。
まず、ハイドープN型のシリコン基板をゲート電極2とした。シリコン基板表層を熱酸化して得られる5000Åの酸化シリコン膜をゲート絶縁層3とした。この基板上に合成例1で合成したモノビシクロポルフィリン銅錯体の1重量%クロロホルム溶液(このときモノビシクロポルフィリン銅錯体はクロロホルムに完全に溶解していた。)からスピンコート法により塗膜を形成した。さらに基板を220℃で加熱してモノベンゾポルフィリン銅錯体からなる有機半導体層6を形成した。有機半導体層の膜厚は平均120nmであった。その上にマスクを用いてAuを蒸着させソース電極4、ドレイン電極5を形成した。電極の作製条件は以下の通りである。蒸着装置チャンバー内の真空度は1×10−6torr、基板の温度は室温、膜厚は100nmであった。
以上の手順でチャネル長50μm、チャネル幅3mmの電界効果型トランジスタを作成した。作成したトランジスタのVd−Id、Vg−Id曲線をAgilent社(製)のパラメーターアナライザー4156C(商品名)を用いて測定した。
移動度μ(cm/Vs)は以下の式(1)に従って算出した。
Id=μ(CiW/2L)(Vg−Vth) (式1)
ここで、Ciはゲート絶縁膜の単位面積あたりの静電容量(F/cm)、W、Lはそれぞれ実施例で示したチャネル幅(mm)、チャネル長(μm)である。またId、Vg、Vthはそれぞれドレイン電流(A)、ゲート電圧(V)、しきい値電圧(V)である。また、Vd=−80VにおけるVg=−80Vと0VのIdの比をON/OFF比とした。
測定の結果、図のようなVd−Id曲線結果を得た。得られた結果からこのトランジスタは電界効果移動度が1.3×10−3cm/V・sであり、ON/OFF比は1.0×10〜6.1×10であった。
また前述の条件で作製したトランジスタ基板のCuKαX線回折を行ったところ、ブラッグ角(2θ)7.8±0.2°に非常に強いピークが得られた。その結果を図に示す。
また、モノビシクロポルフィリン銅錯体の示差熱測定をパーキンエルマー社(製)Pyris1 DSC(商品名)を用いて行ったところ、155℃以上190℃以下の範囲に発熱ピークが現れ、280℃以上292℃以下の範囲に融点由来と見られる吸熱ピークが現れた。その結果を図に示す。
モノビシクロポルフィリンの1重量%濃度クロロホルム溶液をスピンコートにより石英基板上に塗膜し、その膜の紫外−可視吸収スペクトルを日立製作所(製)のスペクトロフォトメーターU3310(商品名)を用いて観察した。
また、同様に石英基板上に塗膜した後、220℃で加熱し,モノベンゾポルフィリン膜へと変換したものの紫外−可視吸収スペクトルを測定した。結果を図に示す。
(実施例2)
実施例1に記載の加熱温度を220℃から180℃にした以外は実施例1に準じて電界効果型トランジスタを作製した。ベンゾ体への変換は9.0×10秒で完結したことを確認した。このトランジスタは電界効果移動度が7.2×10 −4 cm/V・sであり、ON/OFF比は2.0×10〜3.0×10であった。
(実施例3)
実施例1に記載の加熱温度を220℃から160℃にした以外は実施例1に準じて電界効果型トランジスタを作製した。ベンゾ体への変換は2.7×10秒で完結したことを確認した。このトランジスタは電界効果型移動度が5.8×10−4 cm /V・sであり、ON/OFF比は1.3×10であった。
(実施例4)
実施例1において有機半導体層を以下の手順で形成することを除いては実施例1に準じて行った。有機半導体層は、モノビシクロポルフィリン銅錯体を200℃の加熱によりモノベンゾポルフィリン銅錯体へと変化させた後、基板上にモノベンゾポルフィリン銅錯体を真空蒸着させることで有機半導体層6を作成した。真空蒸着条件は、基板を蒸着用ボートの上方に固定し、基板温度を220℃に固定し、真空度を1.0×10−6Torrにまで減圧した。その後毎分0.05nmから0.15nmの速度で100nmの厚さに真空蒸着を行った。
以上の手順でチャネル長50μm、チャネル幅3mmの電界効果型トランジスタを作成した。このトランジスタは電界効果移動度が1.0×10−3cm/V・sであり、ON/OFF比は1.0×10〜1.5×10であった。
(実施例5)
実施例1において、モノビシクロポルフィリン銅錯体にかえて合成例1で合成した無金属モノビシクロポルフィリンを用いた以外は実施例1に準じて行った。
このトランジスタは電界効果移動度が8.0×10−4cm/V・sであり、ON/OFF比は1.0×10〜1.0×10であった。また、無金属モノビシクロポルフィリンの示差熱測定をパーキンエルマー社(製)Pyris1 DSC(商品名)を用いて行ったところ、160℃以上180℃以下の範囲に発熱ピークが現れ、260℃以上275℃以下の範囲に融点由来と見られる吸熱ピークが現れた。その結果を図に示す。
また前述の条件で、作製したトランジスタ基板のCuKαX線回折を行ったところ、ブラッグ角(2θ)7.8±0.2°に非常に強いピークが得られた。その結果を図に示す。
(比較例1)
下記一般式(4)に示される無置換のモノビシクロポルフィリン亜鉛錯体を合成した。実施例1に準じて電界効果型トランジスタを作製しようと試みたが、溶解性が悪くクロロホルム1重量%濃度溶液が調製できなかった。
一般式(4)
本発明のトップ電極型電界効果型トランジスタの一部を拡大して模式的に示す断面図である。 本発明のボトム電極型電界効果型トランジスタの一部を拡大して模式的に示す断面図である。 本発明の実施例1の構成を示す図であり、トップ電極型電界効果型トランジスタの一部を拡大して模式的に示す断面図である。 本発明の実施例1における電界効果トランジスタの電気特性を示す図である。 本発明の実施例1で得られたX線回折図である。 本発明の実施例1で得られた示差熱測定の結果である。 実施例1で得られた紫外−可視吸収スペクトルの結果である。 実施例5で得られた示差熱測定の結果である。 本発明の実施例5で得られたX線回折図である。
符号の説明
1 基材
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 有機半導体層

Claims (4)

  1. 有機半導体層を有する電界効果型トランジスタであって、該有機半導体層が少なくとも下記一般式(3)で表されるモノビシクロポルフィリン化合物の、無金属体あるいは銅錯体を加熱して得られるモノベンゾポルフィリン骨格を有する化合物を含むことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
    一般式(3)
  2. 前記有機半導体層がCuKαX線回折におけるブラッグ角(2θ)7.8°±0.2°に少なくとも1つ以上のピークを有することを特徴とする請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 有機半導体層を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、下記一般式(3)で表されるモノビシクロポルフィリン化合物の、無金属体あるいは銅錯体を加熱することによりモノベンゾポルフィリン化合物に変化させて有機半導体層を形成する工程を少なくとも有する電界効果型トランジスタの製造方法。
    一般式(3)
  4. 有機半導体層が、前記一般式(3)で表されるモノベンゾポルフィリン化合物の、無金属体あるいは銅錯体を130℃以上250℃以下で加熱することにより形成されることを特徴とする請求項3記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
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