以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1は本発明に従う画像形成装置の一実施例の概略断面を示す。本実施例において、本発明は、接触帯電方式、反転現像方式を採用した転写方式の電子写真プロセスを利用して、記録材、例えば、記録用紙、OHPシート、布等にフルカラー画像を形成し得る、最大通紙サイズがA3サイズのカラーレーザープリンタ(以下単に「画像形成装置」という。)100にて具現化される。
[画像形成装置の全体構成]
先ず、画像形成装置100の全体構成を説明する。画像形成装置100は、それぞれ異なる色(本実施例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のトナー像を形成する複数の像形成手段として第1〜第4の画像形成部Py、Pm、Pc、Pkを有し、各画像形成部Py〜Pkにて形成したトナー像を中間転写体としての中間転写ベルト91上に連続的に多重転写し、その後このトナー像を記録材に一括して転写することによりフルカラープリント画像を得る、所謂、4連ドラム方式(インライン型)のプリンタである。又、画像形成装置100は、各画像形成部Py〜Pkにおいて、像担持体としての電子写真感光体(感光体)とこれに作用するプロセス手段とを一体的に構成したプロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが画像形成装置本体100Aに着脱可能とされたプロセスカートリッジ方式を採用している。プロセスカートリッジ8Y〜8Kは、中間転写ベルト91の進行方向に沿って直列にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に4個配置されている。
各画像形成部Py〜Pkは、本実施例では、それぞれ異なる色の現像剤を使用して対応した色の画像を形成することを除いて、基本的には同一の構成を有するので、以下、特に区別を要しない場合は、各色用の画像形成部Py〜Pkに属する要素であることを表すために各符号に与えた添字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成部をより詳しく示す図2をも参照して更に説明すると、各画像形成部には、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)1が設けられている。この感光ドラム1は、有機光導電体(OPC)ドラムで、外径30mmであり、中心支軸を中心に100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって図中矢示方向に回転駆動される。又、本実施例では、感光ドラム1は、その長手長さが370mmであり、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)の表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層と、光電荷発生層と、電荷輸送層(厚さ20μm)との3層を下から順に塗り重ねた構成を有する。そして、この感光ドラム1の接触帯電処理が可能である塗工幅は340mmに設定した。
尚、感光ドラム1は、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層が上記の抵抗範囲にある場合も同等の効果がえられる。表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体でもよい。
画像形成部には帯電手段として接触帯電器である帯電ローラ2が設けられている。帯電工程では、帯電バイアス印加手段から帯電ローラ2に所定の条件の電圧が印加され、感光ドラム1の表面上を一様に負極性に帯電処理する。この帯電ローラ2は、芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表面層2dとを下から順次に積層した3層構成とされている。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、中間層2cは帯電ローラ2が全体として均一な抵抗を得るための抵抗層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。本実施例の帯電ローラ2は、芯金2aとして直径6mmのステンレス丸棒を用い、表層としてフッ素樹脂にカーボンを分散させており、ローラとしての外径は14mm、ローラ抵抗は104Ω〜107Ω、長手長さ(帯電幅)は320mmに設定した。
この帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材により回転自在に保持させると共に押圧ばねによって感光ドラム1方向に付勢して、感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。そして、帯電バイアス印加手段としての帯電バイアス電源20から直流電圧に所定の周波数の交流電圧を重畳した所定の振動電圧(バイアス電圧Vdc+Vac)が芯金2aを介して帯電ローラ2に印加されることで、回転する感光ドラム1の周面が所定の電位に帯電処理される。
本実施例においては、直流電圧;−500Vと、交流電圧;周波数f=1150Hz,ピーク間電圧Vpp=1400V,正弦波とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
又、帯電ローラ2のクリーニング部材として、帯電ローラクリーニング部材2fが設けられている。本実施例では、帯電ローラクリーニング部材2fは、可撓性を持つクリーニングフィルムであり、その長手長さは330mmに設定した。このクリーニングフィルム2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され且つ同長手方向に対し一定量の往復移動(レシプロ)をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。本実施例では、6mmのレシプロ動作を行う。支持部材2gは、画像形成装置本体100Aに設けられた駆動手段たる駆動モーターによりギア列を介して長手方向に対し一定量のレシプロ駆動され、帯電ローラ表層2dがクリーニングフィルム2fで摺擦される。これにより帯電ローラ表層2dの付着汚染物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
尚、可撓性の接触帯電部材は帯電ローラの他に、ファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。又、各種材質のものの組み合わせでより適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることもできる。又、接触帯電部材や現像部材に印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理された後に、画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャンによる走査露光系等)3による画像露光Lを受けることにより、感光ドラム1上には、目的のカラー画像における各画像形成部Py〜Pkに対応した色成分像の静電潜像が形成される。
本実施例では、露光装置3として半導体レーザを用いたレーザビームスキャナを用い、画像読み取り装置、或いはパーソナルコンピュータ等の画像形成装置本体100Aと通信可能に接続されたホスト装置から画像形成装置本体100Aに送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、回転する感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザ走査露光(イメージ露光)する。このレーザ走査露光により感光ドラム1の表面のレーザ光で照射された部位の電位が低下することで、回転する感光ドラム1の表面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。本実施例においては露光部電位を−150Vとした。
尚、像担持体としての感光体の帯電面に対する情報書き込み手段としての像露光手段は実施例のレーザ走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
次いで、感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段たる現像装置4によりトナーにより現像される。現像装置4については、後述して更に詳しく説明する。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、中間転写ユニット90の中間転写ベルト91と、感光ドラム1との当接部である1次転写ニップ部T1へ進入する。1次転写ニップ部T1では、1次転写手段たる1次転写ローラ95がその両端に設けられたそれぞれ500gfのバネにより持ち上げられており、この力から転写ローラ95の自重150gを引いた力で中間転写ベルト91の裏側に当接されている。
本実施例では、この1次転写ローラ95は導電性スポンジから成り、その抵抗は106Ω以下、外径は16mm、長手長さは330mmに設定した。又、1次転写ローラ95には、各画像形成部Py〜Pkで独立に1次転写バイアスを印加することができるように、それぞれ1次転写バイアス印加手段としての1次転写バイアス電源96Y、96M、96C、96Kが接続されている。こうして、1次転写ローラ95に印加される所定の1次転写バイアスの作用によって、回転する感光ドラム1上のトナー像は、感光ドラム1の周速とほぼ等速で移動する中間転写ベルト91上に転写される。
例えば、4色フルカラー画像を形成する場合、先ず、第1の画像形成部Pyにおいて、上述のようにして第1色目であるイエロートナー像を中間転写ベルト91に転写する。次いで、第2〜第3の画像形成部Pm〜Pkにおいて同様の工程を経て形成されたマゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を、対応する感光ドラム1より順次中間転写ベルト91上に多重転写(1次転写)する。
本実施例においては、露光部Vl部(電位−150V)に現像されたトナーに対する転写効率を考慮し、1次転写バイアスとして、1色目〜4色目に対して全て約+8μAの電流値を印加した。又、環境により電流値の補正を行ったり、再転写の影響がない1色目のみ電流値を大きく設定したりしても良い。
ここで、本実施例では、無端状の中間転写ベルト91は、駆動ローラ92、テンションローラ93及び2次転写対向ローラ94に架け渡されており、画像形成装置本体100Aが備える駆動手段たる駆動モーター(図示せず)によって駆動され、図中矢印方向に周回移動(回転)する。
中間転写ベルト91の材質としては、各画像形成部Py〜Pkでのレジストレーションを良くするため、伸縮する材料は望ましくなく、樹脂系、或いは金属芯体入りのゴムベルト、樹脂及びゴムから成るベルトが望ましい。本実施例では、PI(ポリイミド)にカーボン分散し、体積抵抗を108Ωcmオーダーに制御した樹脂ベルトを用いた。その厚さは80μm、長手方向390mm、全周は900mmに設定した。
例えば、4色フルカラー画像を形成する場合、上述のようにして中間転写ベルト91上に形成された4色フルカラー画像は、次いで2次転写手段たる2次転写ローラ10と中間転写ベルト91との当接部である2次転写ニップ部T2において、2次転写ローラ10に2次転写バイアス印加手段たる2次転写バイアス電源(図示せず)から所定の2次転写バイアスが印加されることで、記録材S上に一括して転写(1次転写)される。
記録材Sは、記録材収容部たるカセット13から記録材供給ローラ14、レジストローラ12等の記録材搬送手段によって、中間転写ベルト91上のトナー像が2次転写ニップ部T2に到達するタイミングと同期して該2次転写ニップ部T2へと送られてくる。
トナー像が転写された後、記録材Sは、中間転写ベルト91から分離されて定着装置15へと搬送され、ここで、熱・圧力によって未定着のトナー像が記録材Sに溶融定着され、カラープリント画像が画像形成装置本体100Aの外に排出される。
2次転写工程後に中間転写ベルト91上に残留する2次転写残留トナーは、中間転写ベルトクリーナ11のクリーニングブレード11aによりクリーニングされ、次の作像工程に備える。このクリーニングブレード11aは、その長手長さを330mmに設定した。
一方、1次転写工程後に感光ドラム1上に残留した1次転写残留トナーは、現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7の作用により感光ドラム1から除去される。現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7は、それぞれ感光ドラム1に当接されている。
つまり、転写工程後の感光ドラム1の表面上には転写残トナーがあり、その転写残トナーには画像部の負極性トナー、非画像部の正極性トナー、転写の正極性の電圧に影響され極性が正極性に反転してしまったトナーが含まれている。このような転写残トナーの極性を負極性に揃えるために、現像剤帯電量制御手段6が設けられている。現像剤帯電量制御手段6には、第1の現像剤帯電電源21から、トナーの正規の帯電極性と同極性である、負極性の直流電圧が印加されている。又、部分的な転写残トナーや多量の転写残トナーを散らすために、残留現像剤均一化手段7が設けられている。残留現像剤均一化手段7には、第2の現像剤帯電電源22から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である、正極性の直流電圧が印加されている。又、残留現像剤均一化手段7には、交流電圧を印加しても良い。
こうして、残留現像剤均一化手段7によって感光ドラム1上で均一化されて現像剤帯電量制御手段6において負極性に十分に帯電されることにより、負極性の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2を通過して、現像装置4との対向部において、後述するように現像剤担持体としての現像スリーブ41と感光ドラム1との間に形成される電界の作用で現像装置4に回収される。
本実施例では、現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7の両者とも導電性の繊維からなるブラシ部材を用いている。具体的には、現像剤帯電量制御手段6は横長の電極板62にブラシ部61を具備させたものであり、又残留現像剤均一化手段7についても同様に電極板72にブラシ部71を具備させてなる。そして、ブラシ部61、71が感光ドラム1の表面に当接するように配設されている。ブラシ部61、71はレーヨン、アクリル、ポリエステル等の繊維にカーボンや金属粉を含ませて抵抗値を制御したものである。ブラシ部61、71は、感光ドラム1の表面及び転写残トナーに均一に接触できるように、太さとしては30デニール以下、密度としては1〜50万本/inch2以上が好ましい。本実施例では、ブラシ部61、71ともに6デニール、10万本/inch2、毛足の長さ5mmで、ブラシの体積抵抗率は6×103Ω・cmとした。
この現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7は、感光ドラム1の長手方向に対し平行に配置され且つ同長手方向に対し一定量の往復移動(レシプロ)動作をする支持部材79に固定されている。本実施例では、ブラシ部61、71が感光ドラム1の表面に対して侵入量1mm、当接ニップ部幅は5mmとなるように当接配置されている。そして、支持部材79が、画像形成装置本体100Aが備える駆動手段たる駆動モーター(図示せず)によりギア列を介して長手方向に対し一定量のレシプロ駆動されて、感光ドラム1の表面上が現像剤帯電量制御手段6のブラシ部61、残留現像剤均一化手段7のブラシ部71で摺擦される。本実施例では、レシプロ量は5mmに設定した。
尚、現像剤帯電量制御手段6と残留現像剤均一化手段7は、本実施例では固定のブラシ状部材であるが、シート状部材など任意の形態の部材にすることができる。
[現像装置]
次に、本実施例の画像形成装置100が備える現像装置4について更に詳しく説明する。
本実施例の現像装置4は、現像剤として主に磁性粒子(キャリア)と樹脂製の着色粒子(トナー)とを備える2成分現像剤を用い、この2成分現像剤を感光ドラム1に接触させて感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像する2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である。
現像装置4は、現像容器(現像装置本体)40内にトナーと磁性キャリアとの混合物である2成分現像剤を収容している。現像容器40は、感光ドラム1との対向部が一部開口しており、この開口部に位置して内部に磁界発生手段として固定配置されたマグネットローラを有する、現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ41が設けられている。この現像スリーブ41は、その外周面の一部を現像容器40の外部に露呈させて現像容器40内に図中矢印方向に回転可能に配設されている。本実施例では、現像スリーブ41は、その外径を16mm、現像幅を310mmに設定した。又、現像スリーブ41の図中上方には、現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード42が設けられており、現像容器40内の底部側には、現像剤攪拌部材として第1及び第2のスクリュー43、44が配設されている。
本実施例では、現像剤規制ブレード42は、現像スリーブ41に対して250μmの間隙を有して設けられており、現像スリーブ41の図中矢印方向の回転に伴い、現像スリーブ41上に現像剤薄層を形成する。又、現像スリーブ41は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を400μmに保たせて、感光ドラム1に近接して対向配置されている。この感光ドラム1と現像スリーブ41との対向部が現像部Nである。
現像スリーブ41は、本実施例では、現像部Nにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に感光ドラム1に対して周速比170%の速度で回転駆動される。現像スリーブ41上の現像剤薄層は、現像部Nにおいて感光ドラム1の表面に対して接触して適度に摺擦する。又、現像スリーブ41には、現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源(図示せず)から所定の現像バイアスが印加される。本実施例においては、現像スリーブ41に対する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、Vdc=−350Vと、Vac=1800V(周波数=2300Hz)とを重畳した振動電圧である。
而して、現像剤が回転する現像スリーブ41の表面に薄層としてコーティングされ、現像部Nに搬送された現像剤中のトナーが、現像スリーブ41に印加された現像バイアスによって現像スリーブ41と感光ドラム1との間に形成された電界の作用によって、感光ドラム1上に静電潜像に対応して選択的に付着する。これにより、感光ドラム1上の静電潜像がトナー画像として現像される。本実施例の場合は、感光ドラム1上の露光明部に、感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーが付着して、静電潜像が反転現像される。
現像部Nを通過した現像スリーブ41上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ41の回転に伴い現像容器40内の現像剤溜り部に戻される。
現像容器40内に設けられた第1及び第2のスクリュー43、44は、現像スリーブ41の回転と同期して回転し、詳しくは後述するようにして現像容器40内に補給されたトナーと現像容器40内の現像剤とを混合、攪拌しながら搬送することにより、トナーとキャリアとの摩擦によりトナーに所定の帯電電荷(トリボ)を与える機能を有している。
更に説明すると、現像容器40の内部は、隔壁46によって長手方向に仕切られており、現像スリーブ41側の現像室40aに第1のスクリュー43、他方の攪拌室40bに第2のスクリュー44が現像スリーブ41の長手方向と略平行に設けられている。第1及び第2のスクリュー43、44は、それぞれ回転軸にフィンを設けてなり、長手方向に沿ってそれぞれ反対方向に現像剤を搬送する。そして、隔壁46の長手両端部に設けられた開口部を通して、現像室40aと攪拌室40bとの間で現像剤の受け渡しが可能となっている。これによって、後述するようにして攪拌室40bに補給されたトナーは、第2のスクリュー44によって攪拌室40a内の現像剤と混合攪拌されながら搬送されて現像室40aへと移動し、現像スリーブ41に供給されて現像に供される。一方、現像に供された後の現像剤は、現像室40aに戻された後第1のスクリュー43によって搬送されて攪拌室40bへと移動し、ここで補給されたトナーと再度混合、攪拌される。こうして、現像容器40内を現像剤が循環する。又、本実施例では、現像剤の攪拌効率、現像スリーブ41への現像剤の供給性の向上のために、第1、第2のスクリュー43、44のフィンとフィンの間に、各スクリュー43、44の軸線方向に対して略垂直方向に突出したリブが設けられている。
尚、トナーの平均粒径としては、5μm〜10μmのものが使用でき、より好ましくは6μm〜9μmのものが使用できる。本実施例では、平均粒径7μmのネガ帯電トナーを用いている。キャリアとしては飽和磁化が205emu/cm3の平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。そして、当初、トナーとキャリアとを重量比6:94で混合したものを現像剤として現像容器40に収容した。又、本実施例では、感光ドラム1上に現像されたトナーの帯電量は−25μC/gである。
[プロセスカートリッジ]
本実施例では、感光ドラム1と、現像装置4と、帯電ローラ2とが枠体81によって一体的にユニット化されて、画像形成装置本体100Aに対して着脱可能なカートリッジとしてのプロセスカートリッジ8とされている。本実施例では、プロセスカートリッジ8には更に、現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7、帯電ローラクリーニングフィルム2f等が一体的に設けられている。
プロセスカートリッジ8は、画像形成装置本体100Aに設けられた装着手段82を介して取り外し可能に画像形成装置本体100Aに装着される。プロセスカートリッジ8が適正に画像形成装置本体100Aに装着されると、画像形成装置本体100Aに設けられた駆動手段たる駆動モーターと、感光ドラム1に駆動を伝達する駆動伝達手段とが連結され、感光ドラム1、現像装置4(現像スリーブ41、第1及び第2スクリュー43、44)、帯電ローラクリーニングフィルム2fの支持部材2g等が駆動可能な状態となると共に、後述する画像形成装置本体100Aに設けられた現像剤補給容器5と現像装置4とが連結される。
又、同様にプロセスカートリッジ8が適正に画像形成装置本体100Aに装着されると、プロセスカートリッジ8、画像形成装置本体100Aにそれぞれ対応して設けられた電気接点を介して、画像形成装置本体100Aに設けられた各種電圧印加手段から、帯電ローラ2、現像スリーブ41、現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7に電圧を印加可能な状態となる。
更に、後述するように、プロセスカートリッジ8が適正に画像形成装置本体100Aに装着されると、現像装置4に設けられた現像装置側記憶手段17aと画像形成装置本体100Aの制御部30とが、現像装置側伝達部(通信手段)17b、装置本体側伝達部(通信手段)27を介して通信可能な状態となり、又プロセスカートリッジ8、画像形成装置本体100Aにそれぞれ対応して設けられた電気接点を介して、現像装置4に設けられた透磁率センサー45と画像形成装置本体100Aの制御部30とが通信可能な状態となる。
尚、プロセスカートリッジは、本実施例の態様に限定されるものではなく、像担持体たる電子写真感光体と、少なくとも現像手段を含む電子写真感光体に作用するプロセス手段とが一体的にカートリッジ化され、画像形成装置本体100Aに対して着脱可能とされているものであれば、本発明を等しく適用することができる。このようなプロセス手段には、電子写真感光体を帯電させる帯電手段、電子写真感光体をクリーニングするクリーニング手段等がある。又、本発明は、現像装置4が独立して画像形成装置本体に対して着脱可能とされている場合にも等しく適用可能である。この場合にも現像装置4に現像装置側記憶手段17aを設けることができる。
[トナー補給]
画像形成装置100は、ほぼ現像動作によって消費された分のトナーを、適時、現像装置4に接続された現像剤補給容器5から現像容器40に補給するために、自動トナー補給制御手段(ATR)を有している。
自動トナー補給制御手段は、現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検知装置と、該トナー濃度検知装置の出力データを処理してトナー補給量を決定するトナー補給制御手段と、該トナー補給制御手段で決定されたトナー補給量に基づいて実際にトナーを補給するトナー補給部材と、を有している。
本実施例の画像形成装置100は、トナー濃度検知装置として、現像容器40内の、第2のスクリュー44の現像剤搬送方向上流側壁面に、現像剤の透磁率変化を検出して現像剤のトナー濃度を検知する透磁率センサー45が設けられている。本実施例では、透磁率センサー45の測定面(ヘッド部)と、第2のスクリュー44のフィンの外径との距離が0.5mmとなるように設置してある。透磁率センサー45自体の構成は、従来のものと変わるところはない。
第2のスクリュー44は、回転することによって現像剤を搬送するものである。従って、第2スクリュー44の回転に伴って透磁率センサー45の測定面近傍の現像剤のかさ密度が変動することになる。よって、透磁率センサー45から検出される出力電圧値が、スクリュー44の回転に伴って変動することになる。そこで、一般に、透磁率センサー45の出力電圧値の平均値をもって、透磁率センサーの検出値(検出信号)として代用している。本実施例では、透磁率センサー45の検出値を、第2のスクリュー44の1回転に伴う透磁率センサー45の出力電圧値の平均値で現している。
図3は、透磁率センサー45の出力電圧値の波形を示している。透磁率センサー45の出力電圧値の波形は、回転することによって現像剤を搬送する第2のスクリュー44の回転周期で図3に示すようなプロファイルを示す。即ち、透磁率センサー45の測定面に第2のスクリュー44のフィンが最も近接した時に、透磁率センサー45の測定面近傍の現像剤のかさ密度が最も大きくなり、その出力電圧値が最大になる。又、透磁率センサー45の測定面が第2のスクリュー44のフィンとフィンとの間に位置する時に、透磁率センサー45の測定面近傍の現像剤のかさ密度が最も小さくなり、その出力電圧値が最小になる。更に、透磁率センサー45の測定面に、第2のスクリュー44のフィンとフィンとの間にあるリブが近接した時に、透磁率センサー45の測定面近傍の現像剤のかさ密度が若干大きくなり、その出力電圧値が中間の値を示す。
本実施例では、下記の所定の環境時に第2のスクリュー44の1回転に伴う透磁率センサー45の出力電圧値の平均値、即ち、透磁率センサーの検出値(検出信号)が2.5Vになるように、透磁率センサー45に入力する制御電圧の値を調整してある。
図4は本実施例に係わる制御回路ブロック図であり、透磁率センサー45には、検出回路33から制御電圧が入力され、又透磁率センサー45の出力電圧は検出回路33によって検出されてCPU31に入力され、平均化処理等を受ける。
ところで、上述した通り、環境が変化すると現像剤のかさ密度が変化するため、見かけの透磁率に対応した透磁率センサー45の出力値が変化してしまう。そこで、表1に示すような制御電圧値環境補正テーブルを用いて、環境に応じて透磁率センサー45に入力する制御電圧値を補正して、透磁率センサー45の出力電圧値の平均値、即ち、検出値が2.5Vになるように制御する。
制御電圧値環境補正テーブルは、画像形成装置本体100Aの制御部30が備える装置本体側記憶手段32に予め記憶されている。装置本体側記憶手段32としては、書き換え可能な不揮発性メモリーとしてのEEEPROM、FeRAMなどを用いても良いし、ROMを用いても良い。ここでは、表1中の環境として、より具体的には、例えば、環境4に対する環境情報が絶対水分量10〜12のように異なる8つの環境条件について、それぞれ制御電圧値の補正値が関係付けられている。
本実施例では、環境条件が制御電圧値環境補正テーブル中の環境4の時に、制御電圧8.0Vを透磁率センサー45に入力すると、透磁率センサー45の出力値が2.5Vを出力するようにしてある。
そして、制御部30のCPU31は、画像形成装置本体100Aに設けられた環境検知手段たる環境センサー(温度、湿度等を計測)50の情報に応じて、制御電圧値環境補正テーブルから制御電圧の補正値を選択する。そして、この補正値を用いて、即ち、環境4における透磁率センサー45の制御電圧値に各環境に応じた補正値を加算して補正された制御電圧値が求められ、透磁率センサー45に入力される。
具体的には、例えば、環境4の条件を基準として、高温・高湿度になるにしたがって、環境5→環境6→環境7→環境8に対応する電圧を用いて制御電圧を補正する。逆に低温・低湿度になるに従って、環境3→環境2→環境1→環境0に対応する電圧を用いて制御電圧を補正する。
上述のように、現像動作に供された後に現像剤が透磁率センサー45部に運ばれ、ここでトナー濃度が検知される。そして、検知されたトナー濃度に応じて、現像剤補給容器(トナーカートリッジ)5から、適正量のトナーが随時現像容器40に補給される。現像剤補給容器5の落下口52は、第2のスクリュー44の現像剤搬送方向において透磁率センサー45のやや下流側において現像容器40に設けられたトナー補給開口部47に接続されている。
トナー補給は、トナー補給制御手段として機能する画像形成装置本体100Aの制御部30が備えるCPU31の補給トナー要求に応じて行われる。即ち、制御部30のCPU31は、透磁率センサー45の検出値と、装置本体側記憶手段32に予め定められた基準出力値との差分に応じて、現像剤のトナー濃度を一定に維持するために必要な、現像剤補給容器5に設けられたトナー補給部材としての補給スクリュー51の駆動量(回転数)を求める。そして、この駆動量に応じて、駆動手段53によって補給スクリュー51を駆動して、落下口52、トナー補給開口部47を通して、現像剤補給容器5から現像容器40へとトナーを補給する。
現像容器40内に補給されたトナーは、上述のように、第2のスクリュー44により搬送されると共にキャリアと混ざり合い、適度な帯電電荷(トリボ)を付与された後に、現像スリーブ41の近傍に運ばれる。そして、この現像剤が現像スリーブ41上に供給されて薄層を形成し、現像に供される。
[基準出力値の補正]
前述のように、環境の変動による現像剤のかさ密度の変化により、見かけ透磁率に対応した透磁率センサーの検出信号が変化する。又、印字枚数が増加するにつれて現像剤のかさ密度が変化し、これによっても透磁率センサーの出力値が変動する。
そこで、本実施例では、上記透磁率センサーへ入力する制御電圧を制御電圧値環境補正テーブルに従って補正するのに加えて、更に、環境、印字枚数の情報に応じて、透磁率センサーの検出値(検出信号)と比較するための透磁率センサーの基準出力値を補正する制御を行う。
このとき、現像剤の特性、例えば、トナーの帯電電荷(トリボ)、キャリアのトナーへの帯電付与性等が、製造条件の振れ等のために大きく変わるような場合でも、現像剤のトナー濃度を安定的に制御し得るように、本実施例では、本発明に従って、画像形成装置本体100Aに対して着脱可能なプロセスカートリッジ8が備える現像装置4に、現像装置に関する情報を記憶する第1の記憶手段としての現像装置側記憶手段17aを設け、一方、画像形成装置本体100Aに搭載された第2の記憶手段としての装置本体側記憶手段32に、透磁率センサー45の基準出力値を補正するための複数の補正用情報として少なくとも2つの補正テーブルを予め記憶させておき、トナー補給制御手段として機能するCPU31が、上記現像装置側記憶手段17aの記憶内容に基づいて、上記装置本体側記憶手段32に記憶された補正テーブルを選択する構成とする。
更に説明すると、図2、図4を参照して、現像装置4には、現像装置側記憶手段17aが設けられている。本実施例では、現像装置側記憶手段17aは、該記憶手段17aへの情報の読み書きを制御するための現像装置側伝達部17bと共に一体的な記憶素子(記憶媒体としてのメモリー)17として構成されている。現像装置4を画像形成装置本体100Aに装着した場合、即ち、本実施例では、プロセスカートリッジ8を画像形成装置本体100Aに装着すると、現像装置側伝達部17bと、画像形成装置本体100Aに設けられた現像装置側記憶手段17aへの情報の読み書きを制御するための画像形成装置本体側伝達部(読み取り手段)27とが互いに対向して配置され、通信可能な状態になる。
現像装置側記憶手段17aとしては、通常の半導体による電子的なメモリーが特に制限無く使用できる。例えば、電子的なメモリーとして、不揮発性メモリーであるEEPROMやFeRAMなどを使用することができる。特に、メモリーと読み出し/書き込みICの間のデータ通信を電磁波によって行う非接触メモリーである場合、現像装置側伝達部17bと装置本体側伝達部27との間が非接触であっても良いため、現像装置4の装着状態による接触不良の可能性が無くなり、信頼性の高い制御を行うことができる。これらの伝達部17b、27は、電磁波によって非接触で通信される場合は、アンテナなどの情報を通信するための通信部材である。又、接触式で通信される場合は、電気的に接続するためのコネクタなどが用いられる。
又、現像装置側記憶手段17aには、図4に示されるように複数の情報を記憶するための記憶領域を有しており、現像剤の特性に応じた情報を記憶する記憶領域を有する第1の記憶部を構成している。つまり、本実施例では、現像装置側記憶手段17aには、プロセスカートリッジ8の製造時若しくは出荷時(例えば工場出荷時)に現像剤の特性に係わる情報を記憶するための記憶領域(第1の記憶領域)が設けられている。その他、詳しくは後述するように、現像剤の耐久状態に関する情報としてのプロセスカートリッジ8、即ち、現像装置4が使用された使用量情報(例えば、印字枚数、画像形成時間など)が随時書き込み記憶される記憶領域(第2の記憶領域)が設けられている。又、透磁率センサー45の基準出力値をオフセットするオフセット値などの現像装置に関する情報が記憶される記憶領域(第3の記憶領域)が設けられている。
ここで、現像剤の特性に応じた情報とは、現像剤のトナー濃度検知装置(透磁率センサー)45の基準出力値の補正用情報(補正テーブル)を選択するために利用し得る任意の情報を包含する。例えば、補正テーブルのID番号を記憶させることができる。
尚、現像剤のトナー濃度検知装置の基準出力の補正は、環境及び印字枚数に応じて補正することに限定されるものではない。これらの何れか一方に応じて補正したり、或いは更に他のファクターに応じて補正するようにしてもよい。つまり、補正用情報は、環境又は現像装置4の使用量と、基準値の補正量とを関係付ける補正テーブルとすることができる。
又、印字枚数等のプロセスカートリッジ8が使用された量(現像剤の耐久状態に関する情報)は、画像形成装置本体100A側に保持させることもできるが、プロセスカートリッジ8等の画像形成装置本体100Aに対して着脱可能なユニット自体に保持させることで、例えば複数の画像形成装置本体100Aに対してプロセスカートリッジ8を交換使用するような場合に有利である。
装置本体側伝達部27及び現像装置側伝達部17bによって、現像装置側記憶手段17a内の情報の読み出し及び書き込みを行うための情報伝達手段が構成される。現像装置側記憶手段17aの容量については、現像装置4の個体識別情報や特性値など、本発明を実施する上で必要となる複数個の情報を記憶するのに十分な容量をもつものとする。
尚、本実施例では、装置本体側記憶手段32に記憶されたデータ、プログラム等に従って画像形成装置100をシーケンス動作させる制御部30の制御の中心素子たる、コントローラとしてのCPU31が、透磁率センサー45の出力電圧値を処理して検出値を求める手段、透磁率センサー45の制御電圧値を補正する手段、現像装置側記憶手段17aの記憶内容に基づいて装置本体側記憶手段32に記憶された補正テーブルを選択する補正用情報選択手段、選択された補正テーブルに基づいて基準出力を補正する補正手段、現像剤補給容器5のトナー補給部材たる補給スクリュー51を制御してトナー補給量を制御するトナー補給制御手段、更には現像装置4の使用量とした例えば印字枚数を検知(カウント)する使用量検知手段の機能を兼ねる。つまり、後述の具体例にて更に詳しく説明するが、本実施例では、コントローラとしてのCPU31は、(i)検知装置45からの出力値と現像剤の特性に係わる情報とに基づいて補給部材51によるトナー補給動作を制御する機能、(ii)検知装置45からの出力値と所定の基準値とに基づいて補給部材51によるトナー補給動作を制御する機能、(iii)現像剤の特性に係わる情報に基づいて基準値を補正する機能、(iv)第1の記憶部17aに記憶された現像剤の特性に係わる情報に基づいて第2の記憶部32に記憶された補正用情報を選択して、選択された前記補正用情報に基づいて前記基準値を補正する機能、(v)現像剤の特性に係わる情報と、環境検知センサーからの環境情報と、現像装置4の使用量情報と、を用いて基準値を補正する機能、又、(vi)現像剤の特性に係わる情報と、オフセット値とに基づいて補給部材51によるトナー補給動作を制御する機能を有する。
又、制御部30には画像処理部60が接続されており、画像処理部60は、画像形成装置本体100Aに対して通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ、原稿読み取り装置等の外部ホスト機器からの画像信号を受信すると共に、制御部30に画像形成に係る信号を送信する。制御部30は、斯かる画像形成信号に従って、画像形成装置100の各部の動作を制御する。
以下、幾つかの具体例を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
(具体例1)
表2は、透磁率センサー45の基準出力値を補正する補正テーブルである。この補正テーブルは、環境、印字枚数に応じたパラメータセットである。横軸は、印字枚数であり、ここでは、画像形成に供した任意のサイズの記録材の枚数を、レターサイズに換算した枚数である。縦軸は、環境条件であり、ここでは、4つの条件の環境に対応したID番号を設定してある。
本例では、表2に示すような5個のパラメータセットを、透磁率センサー45の基準出力値を補正する補正テーブルとして、画像形成装置本体100A側の制御部30が備える装置本体側記憶手段32に記憶させている。これら5個のパラメータセットは、それぞれ特定の現像剤の特性、或いは所定範囲の現像剤特性に応じて予め設定されている。本実施例では、装置本体側記憶手段32は、基準値を補正するための補正用情報を記憶する第2の記憶部を構成する。
より具体的には、本例では、印字枚数については、0枚、10000枚、20000枚、30000枚、40000枚及び50000枚に対して、又、環境については、例えば、環境3に対する環境情報が絶対水分量8〜12のように異なる4つの環境条件に対して、それぞれ透磁率センサー45の基準出力値の補正値を設定したパラメータセットを、現像剤の特性、ここでは、トナーの帯電電荷(トリボ)に応じて5つ設定した。
具体的には、例えば、ID0のテーブルはトナーの帯電電荷が基準値(標準的なトナーの帯電電荷)の場合であり、ID0を基準として、ID1のテーブルはトナーの帯電電荷が低い場合、ID2のテーブルはトナーの帯電電荷が高い場合、ID3のテーブルはトナーの帯電電荷の耐久変化が小の場合、ID4のテーブルはトナーの帯電電荷の耐久変化が大の場合、にそれぞれ対応するものである。
図5は、本例におけるトナー補給動作を示すフローチャート図である。プリント信号がONされると(S101)、画像形成装置本体100Aの制御部30のCPU31は、画像形成装置本体100Aに設けられた環境センサー50から環境の情報を読み出す(S102)。次いで、CPU31は、環境センサー50からの環境情報に基づいて、画像形成装置本体100Aの制御部30に設けられた装置本体側記憶手段32に記憶された表1の制御電圧環境補正テーブルから透磁率センサー45に入力する補正後の制御電圧値を求める(S103)。そして、CPU31は、この補正後の制御電圧値を透磁率センサー45に入力する(S104)。
更に、CPU31は、装置本体側伝達部27、現像装置側伝達部17bを介して、現像装置4に設けられた現像装置側記憶手段17aから現像剤の特性値に基づいた情報、印字枚数(使用量情報)を読み出す(S105)。ここでは、現像装置側記憶手段17aには、現像剤の特性値に基づいた情報として、装置本体側記憶手段32に記憶された補正テーブルを選択するための、例えば、補正テーブルのIDを指定する情報が記憶されている。
現像装置側記憶手段17aに記憶されているIDは、前述したように、現像剤の特性に応じたIDであり、例えば、トナーの色毎にトナーの帯電特性(トリボ)が異なるために、各色トナーに応じて異なるIDを記憶している。この他にも、製造条件の振れによってトナーの帯電特性が変わった場合、又、トナーが改良された場合にも、それぞれのトナーの帯電特性に応じてIDを記憶させておく。
そして、CPU31は、表2の透磁率センサー45の基準出力値を補正する補正テーブルから、読み出した現像剤の特性値情報に基づいて適当なパラメータセットを選択し、更に環境センサー50からの環境情報及び読み出した印字枚数に基づいて選択した補正値を用いて、即ち、予め装置本体側記憶手段32に設定されている基準出力値に補正値を加算して、補正後の基準出力値V0を求める(S106)。又、透磁率センサー45の出力電圧値の平均値、即ち、検出値(検出信号)Vを求める(S107)。
CPU31は、透磁率センサー45の検出値Vと補正後の基準出力値V0とを比較する(S108)。V−V0≦0の場合は、トナー補給を行わず、プリント信号が入力されるまで待機する。一方、V−V0>0の場合は、V0とVの差分に基づいて、上述のようにしてトナーを補給し(S109)、その後プリント信号が入力されるまで待機する。
(具体例2)
更に、透磁率センサー45の基準出力値をオフセットするオフセット値を、現像装置側記憶手段17aに記憶させておくことで、画像形成装置本体100A側の制御部30に設ける装置本体側記憶手段32の容量増大を招くことなく、透磁率センサー45の基準出力値を補正する範囲を拡大させることができる。
このオフセット値とは、現像剤のトナーの帯電特性(トリボ)に応じた値であり、前述した補正テーブルによる補正と組み合わせることによってより基準出力値の補正範囲を広げることを可能にしている。
例えば、画像形成装置のバージョンアップなどを行った場合に、いままで使用していた現像剤とは特性の異なる現像剤を現像装置に供給することが考えられる。このような場合には、前述した補正テーブルだけで基準出力値を補正制御することが困難なケースも発生することが想定される。そのため、現像装置側記憶手段17aに、更に、現像剤の特性に応じたオフセット値を記憶させておく。
具体的には、オフセット値を例えば0.05Vなどとして、補正テーブルから得られた補正値と組み合わせることによって、より広範囲に補正制御を行うことができる。尚、オフセット値は現像剤の特性によって適宜変更可能である。例えば、各色トナーごとにオフセット値を設定して記憶させて、各色トナーの帯電特性に応じて補正制御を行うようにしても良いし、製造条件の振れによってトナーの帯電特性が変わった場合、トナーの改良によってその帯電特性が変わった場合など、適宜オフセット値を設定して記憶させて、補正制御を行うようにしてもよい。
図6は、本例におけるトナー補給動作を示すフローチャート図である。プリント信号がONされると(S201)、画像形成装置本体100Aの制御部30のCPU31は、画像形成装置本体100Aに設けられた環境センサー50から環境の情報を読み出す(S202)。次いで、CPU31は、環境センサー50からの環境情報に基づいて、画像形成装置本体100Aの制御部30に設けられた装置本体側記憶手段32に記憶された表1の制御電圧環境補正テーブルから透磁率センサー45に入力する補正後の制御電圧値を求める(S203)。そして、CPU31は、この補正後の制御電圧値を透磁率センサー45に入力する(S204)。
更に、CPU31は、装置本体側伝達部27、現像装置側伝達部17bを介して、現像装置4に設けられた現像装置側記憶手段17aから現像剤の特性値に基づいた情報、印字枚数、オフセット値を読み出す(S205)。ここでは、現像装置側記憶手段17aには、現像剤の特性値に基づいた情報として、装置本体側記憶手段32に記憶された補正テーブルを選択するための、例えば、補正テーブルのIDを指定する情報が記憶されている。
そして、CPU31は、表2の透磁率センサー45の基準出力値を補正する補正テーブルから、読み出した現像剤の特性値情報に基づいて適当なパラメータセットを選択し、又環境センサー50からの環境情報及び読み出した印字枚数に基づいて選択した補正値及び読み出したオフセット値を用いて、即ち、予め装置本体側記憶手段32に設定されている基準出力値に補正値及びオフセット値を加算して、補正後の基準出力値V0を求める(S206)。又、透磁率センサー45の出力値の平均値、即ち、検出値(検出信号)Vを求める(S207)。
CPU31は、透磁率センサー45の出力値Vと補正後の基準出力値V0とを比較する(S208)。V−V0≦0の場合は、トナー補給を行わず、プリント信号が入力されるまで待機する。一方、V−V0>0の場合は、V0とVの差分に基づいて、上述のようにしてトナーを補給し(S209)、その後プリント信号が入力されるまで待機する。
本実施例によれば、現像剤の特性に応じて基準出力値を補正する補正テーブルを選択することを可能とすることにより、現像剤の特性が大きく変わった場合においても、現像剤のトナー濃度を安定的に制御することが可能となった。
尚、上記実施例では、画像形成装置100は、感光ドラムのクリーニング手段として、感光ドラム1から付着物を除去・回収する専用のクリーニング装置を有しないものとして説明したが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、従来一般に用いられているブレード等を備えたクリーニング装置が設けられていてもよい。
又、上記実施例では、現像剤補給容器5から、現像容器40にトナーを補給するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、主にトナーとキャリアとが混合された2成分現像剤を補給するような場合でも等しく適用することができる。
更に、上記実施例では、現像剤のトナー濃度検知装置は、透磁率センサーであるとして説明した。前述のように、透磁率センサーは、小型化等の利点があり好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、トナー濃度検知装置の出力値と予め定められた基準出力値との差分に応じてトナー補給を行うためのトナー濃度検知装置であって、例えば環境、印字枚数等に応じて該基準出力を補正することが望ましいものであれば、等しく適用することができる。
又、上記実施例では補正テーブルを5つ設定した系で説明したが、これに限らず現像剤の特性に応じて必要な補正テーブルを5つ以上設定しても良い。
以上説明したように、上記実施例によれば、現像剤の特性に応じて現像剤中のトナー濃度を適正に制御することができる画像形成装置およびカートリッジ、記憶媒体を提供することができる。
より詳細には、上記実施例によれば、現像剤の特性に応じた情報を現像装置側記憶手段に記憶させ、透磁率センサーの基準出力値を補正する補正テーブルを選択することにより、現像剤の特性が大きく変わった場合においても、現像剤のトナー濃度を安定的に制御することが可能となり、その結果、カブリ、トナー飛散、濃度低下の問題を防止することができる。
又、装置本体側記憶手段に現像装置に設けられた透磁率センサーの基準出力値を補正する補正テーブルを複数個記憶させることにより、現像装置側記憶手段の容量を増大させることなく、現像剤の特性に応じた現像剤のトナー濃度制御の安定化を行うことが可能となる。
更に、透磁率センサーの基準出力値をオフセットするオフセット値を現像装置側記憶手段に記憶させることにより、装置本体側記憶手段の容量を増大させることなく、現像剤の特性に応じた現像剤のトナー濃度制御の安定化をより確実に行うことが可能となる。
このように、上記実施例によれば、現像剤の特性が大きく変わってしまった場合においても、安易に、低コストで、現像剤のトナー濃度を安定的に制御することができ、カブリ、トナー飛散、画像濃度低下等の問題を防止することができる。