JP4397500B2 - 多孔性炭素材軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動部位を支持するのに好適な多孔性炭素材軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から麩糠類にフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を配合して原料組成物とし、これを成型金型を用いて成型した後に500℃以上の温度で焼成することにより形成される多孔性炭素材が知られている(例えば、特開平10−101453号公報)。この多孔性炭素材は、硬質で、無潤滑下における摩擦抵抗を低くすることができるなどの理由により、摺動部位を支持する軸受としての用途が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の多孔性炭素材は、軸受とするに際し、多種多様の問題点を有している。
【0004】
例えば、摩擦抵抗が小さく摺動特性に優れた多孔性炭素材は、原料組成物の成型品に焼成を施すと大幅な寸法変化をもたらすため、寸法精度を確保することができないという問題点があった。
【0005】
また、このような問題点に対処するため、原料組成物の成型体に焼成を施して得た成型品に対して切削加工などの加工を施すことにより、円筒形状などの所定形状の軸受を形成することが考えられるが、このような軸受は、多孔質の成型品を加工することになり、加工に多大な労力を必要とし低価格化を阻害するとともに、小さくて薄いものを形成するのが困難で小型化を阻害するという問題点がある。さらに、成型品を加工した軸受においては、摩耗が大きく長期間に亘り安定した機能を保持することができない場合がある。
【0006】
なお、個別に形成された鋼材などからなる軸受本体の摺動部位に、原料組成物の成型体に焼成を施して得た成型品に対して切削加工などの加工を施した加工品を後から接着、あるいはねじなどの機械的締結法によって固着する構成の軸受も考えられるが、このような構成の軸受は、加工工程がより複雑で、しかもより多大な労力を必要とし、低価格化および小型化をより阻害するという問題点がある。
【0007】
そこで、低価格化および小型化を容易に図ることのできる多孔性炭素材からなる多孔性炭素材軸受が望まれている。
【0008】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、低価格化および小型化を容易に図ることのできる多孔性炭素材軸受を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明の多孔性炭素材軸受の特徴は、多孔性炭素材を粉砕した多孔性炭素材粉体にフェノール樹脂を配合して焼成することにより形成されている基材と、前記基材の摺動面を被覆する多孔性炭素材からなる摺動層とを備え、前記摺動層を構成する多孔性炭素材が、粒径が100〜150μmの米糠に、15〜35重量%のフェノール樹脂を配合した原料組成物を500℃以上で焼成することにより形成されているとともに、前記摺動層の厚さが、前記米糠の粒径の2倍以下である点にある。そして、このような構成を採用したことにより、多孔性炭素材からなる摺動層は、硬質で、低い摩擦係数を容易に得ることができ、しかも、焼成による摺動層の寸法変化をごく僅かなものとすることができるため、加工を施す必要がない。また、粒径が100〜150μmの米糠に、15〜35重量%のフェノール樹脂を配合した原料組成物を500℃以上で焼成することにより形成されている多孔性炭素材からなる摺動層は、軸受として必要な、低い摩擦係数、および、荷重変動に対する摩擦係数の変動を小さくすることができる。さらに、米糠の粒径の2倍以下である摺動層の厚さは、焼成による摺動層の寸法変化をごく僅かなものとすることが確実にできる。さらにまた、基材が、多孔性炭素材を粉砕した多孔性炭素材粉体にフェノール樹脂を配合して焼成することにより形成されているから、ガラス状炭素成分が少なくて摩擦係数が低くかつ多孔質の摺動層と、摺動層に比較してガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材とを容易に得ることができるとともに、摺動層と基材とをあとから加工を施すことなく容易に一体化することができる。
【0010】
また、請求項2に係る本発明の多孔性炭素材軸受の特徴は、請求項1において、前記摺動層の厚さの下限が、前記米糠の粒径と同等である点にある。そして、このような構成を採用したことにより、焼成による摺動層の寸法変化を実用上問題のない程度のごく僅かなものとすることが確実にできる。
【0013】
また、請求項に係る本発明の多孔性炭素材軸受の特徴は、請求項1または請求項2において、前記多孔性炭素材粉体の粒径が、前記原料組成物の米糠の粒径より小さく形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材を確実に得ることができる。
【0014】
したがって、本発明の多孔性炭素材軸受によれば、低価格化および小型化を容易に図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る多孔性炭素材軸受の実施形態の要部の構成を示す断面構造図である。
【0017】
本実施形態の多孔性炭素材軸受1は、所定形状、例えばほぼ円筒形状に形成された基材2の少なくとも摺動面たる内周面を、多孔性炭素材からなる薄膜の摺動層3で被覆することにより形成されている。この摺動層3は、他の部材と摺接する摺動面に形成されていればよい。
【0018】
前記摺動層3を構成する多孔性炭素材は、いわゆるRB(Rice Bran)セラミックスと称されるものであり、米糠にフェノール樹脂を配合した原料組成物を焼成することにより形成したものが用いられる。
【0019】
前記原料組成物の米糠の粒度としては、ガラス状炭素成分が少なくて摩擦係数が低くかつ多孔質の薄膜の摺動層3と、摺動層3に比較してガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材とからなる2層構造の多孔性炭素材軸受1を得るため、粒径100μm以上に分級したもの、本実施形態においては100〜150μm程度のものが用いられている。なお、ガラス状炭素成分とは、フェノール樹脂の炭化物である。
【0020】
前記原料組成物のフェノール樹脂の配合量としては、15〜35重量%、好ましくは20〜30重量%、最も好ましくは24〜26重量%程度である。この範囲より少なくなると、ガラス状炭素成分が少なくなり、摺動層3が軟らかく摩擦係数は低いものの焼成による寸法変化が大きくなるとともにうまく固まらない傾向があり、この範囲より多くなると、ガラス状炭素成分が多くなり、焼成による寸法変化は小さくなるものの摩擦係数が高くしかも荷重変動に対する摩擦係数の変動が大きくなるとともに内部に微小な割れが生じて強度劣化する傾向がある。
【0021】
さらに詳しく説明すると、摺動層3を構成するフェノール樹脂の配合量を24〜26重量%とすることにより、適宜な弾性を有するガラス成分の殻に空隙が包まれることになるので、荷重を受けた際に摺動層2が弾性変形して摩擦係数が低くなる。これに対して、摺動層3を構成するフェノール樹脂の配合量をあまり少なくすると、荷重を受けた際にガラス成分の殻が破壊され、硬い殻の破断部により相手部材を摩滅させることになる。また、摺動層3を構成するフェノール樹脂の配合量をあまり多くすると、荷重を受けた際にガラス成分の硬い殻が弾性変形せず剛性をもつため摩擦係数が高くなる。
【0022】
前記原料組成物を焼成するときの温度としては、500℃以上、本実施形態においては900℃程度が用いられる。この焼成時の温度を500℃以上とすることで、摺動層3の摩擦係数を0.08程度と低くすることができる。なお、焼成時の温度を500℃を下回る場合には、摺動層3の摩擦係数が0.4を越えて高くなる傾向がある。
【0023】
また、摺動層3の厚さとしては、米糠の粒径の2倍以下、詳しくは米糠の粒径と同等の厚さから米糠の粒径の2倍以下の範囲内に形成することが、焼成による摺動層3の寸法変化を実用上問題のない程度のごく僅かなものとするうえで好ましい。
【0024】
なお、原料組成物としては、米糠にかえて、麩、籾殻、大豆殻などの麩糠類を単独で用いたり、米糠、麩、籾殻、大豆殻などの麩糠類を組み合わせたものなどを、設計コンセプトなどの必要に応じて用いることができる。
【0025】
さらに、原料組成物としては、フェノール樹脂にかえて、フラン樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよい。また、フェノール樹脂は、10〜60重量%程度に希釈して用いてもよい。
【0026】
前記基材2は、多孔性炭素材を粉砕した多孔性炭素材粉体にフェノール樹脂を配合して焼成することにより形成されている。そして、本実施形態の基材2を構成する多孔性炭素材粉体としては、摺動層3を構成する多孔性炭素材と同様に、米糠にフェノール樹脂を配合した原料組成物を焼成し、その後粉砕することにより形成したものが用いられる。この原料組成物の米糠の粒径およびフェノール樹脂の配合量としては、特に限定されるものではないが、米糠の粒径としては、摺動層3を構成する多孔性炭素材の米糠の粒径と同一とすることが、製造コストを低減するうえで好ましい。さらに、多孔性炭素材粉体の粒径としては、摺動層3を構成する多孔性炭素材の米糠の粒径より小さくすることが肝要であり、できるだけ小さいものが基材2を緻密にできるという意味で好ましいが、粉砕機の能力と生産性と価格との制約上、現時点では、粒径100μm未満に分級したものが用いられる。
【0027】
なお、基材2としては、米糠と多孔性炭素材粉体とを混合したものにフェノール樹脂を配合したものや、混合比の異なる米糠と多孔性炭素材粉体との複数の混合体を積層したものにフェノール樹脂を配合したものなどを用いて、多層構造としてもよい。この場合、摺動層2から最も離間した部位のフェノール樹脂の配合量が最も多くなるようにすることが肝要である。
【0028】
つぎに、本実施形態の多孔性炭素材軸受の製造方法について説明する。
【0029】
本実施形態の多孔性炭素材軸受1は、以下に説明するように多種多様の製造方法により一体形成することができる。
【0030】
第1の製造方法は、成型金型内の基材形成予定部位に米糠を配置して成型し、その後成型金型内の基材形成予定部位に多孔性炭素材粉体を配置して成型することにより、多孔性炭素材粉体の内周面に米糠を配置した2重円筒成型体を得る。ついで、2重円筒成型体にフェノール樹脂を添加(含浸)して焼成を行うことにより、完成品(多孔性炭素材軸受1)を得る。なお、フェノール樹脂は、焼成後に摺動層3を形成する米糠に対して全体の配合量が25重量%となるように調整する。また、2重円筒成型体としては、成型金型内の基材形成予定部位に多孔性炭素材粉体を配置して成型し、その後成型金型内の基材形成予定部位に米糠を配置して成型することにより得るものであってもよい。
【0031】
第2の製造方法は、予め成型した多孔性炭素材粉体の成型品の内周面にバインダーなどにより米糠を接合し、これらにフェノール樹脂を添加(含浸)させて焼成を行うことにより、完成品(多孔性炭素材軸受1)を得る。なお、バインダーとしては、焼成前に多孔性炭素材粉体の成型品に米糠を保持でき、焼成後にフェノール樹脂と同様に炭化してガラス成分となるもの、例えばフラン樹脂、メラミン樹脂などを用いるとよい。また、フェノール樹脂は、焼成後に摺動層3を形成する米糠に対して全体の配合量が25重量%となるように調整する。
【0032】
第3の製造方法は、成型金型内の基材形成予定部位にフェノール樹脂の配合量が25重量%より少ない原料組成物(米糠にフェノール樹脂を配合したもの)を配置して成型し、その後成型金型内の基材形成予定部位に多孔性炭素材粉体を配置して成型することにより、多孔性炭素材粉体の内周面に米糠を配置した2重円筒成型体を得る。ついで、2重円筒成型体にフェノール樹脂を含浸させて焼成を行うことにより、完成品(多孔性炭素材軸受1)を得る。なお、フェノール樹脂は、焼成後に摺動層3を形成する米糠に対して全体の配合量が25重量%となるように調整する。また、原料組成物は、米糠にフェノール樹脂を配合し、その後造粒したものを用いてもよい。
【0033】
なお、基材2を多層構造とする場合には、摺動層3から最も離間した部位のフェノール樹脂の配合量が最も多くなるように、混合比の異なる米糠と多孔性炭素材粉体との複数の混合体を積層したものにフェノール樹脂を配合するとよい。
【0034】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0035】
本実施形態の多孔性炭素材軸受1によれば、多孔性炭素材からなる薄膜の摺動層3は、Hv(ビッカースかたさ)300以上(最大Hv1400から1500程度)の硬質で、低い摩擦係数を容易に得ることができ、しかも、焼成による摺動層3の寸法変化をごく僅かなものとすることができるため、あとから加工を施す必要がない。
【0036】
また、本実施形態の多孔性炭素材軸受1は、軸受として必要な、低い摩擦係数、および、荷重変動に対する摩擦係数の変動を小さくすることができる。
【0037】
また、本実施形態の多孔性炭素材軸受1によれば、摺動層3を構成する多孔性炭素材の厚さが、多孔性炭素材を形成する米糠の粒径の2倍以下であるため、焼成による摺動層3の寸法変化をごく僅かなものとすることが確実にできる。
【0038】
さらに、本実施形態の多孔性炭素材軸受1によれば、基材2が、多孔性炭素材を粉砕した多孔性炭素材粉体にフェノール樹脂を配合して焼成することにより形成されているため、ガラス状炭素成分が少なくて摩擦係数が低くかつ多孔質の薄膜の摺動層3と、摺動層3に比較してガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材2とを容易に得ることができるとともに、摺動層3と基材2とをあとから加工を施すことなく容易に一体化することができる。
【0039】
さらにまた、本実施形態の多孔性炭素材軸受1によれば、多孔性炭素材粉体の粒径が、原料組成物の米糠の粒径より小さく形成されているため、ガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材を確実に得ることができる。
【0040】
また、本実施形態の多孔性炭素材軸受1の基材2と摺動層3との摩擦係数と荷重との関係を調査した結果を図2に示す。
【0041】
この試験結果から明白なように、フェノール樹脂の配合量を25重量%とした摺動層3は、荷重に対する摩擦係数の変動がほとんどなく、しかも摩擦係数が0.08程度と低いことが確認できた。これに対してフェノール樹脂の配合量を25重量%以上(多孔性炭素材粉体は、フェノール樹脂がガラス化しているのでフェノール樹脂の正確な配合量は算出できないが、フェノール樹脂の使用量は摺動層3を形成する原料組成物のフェノール樹脂の配合量より多い)とした基材2は、荷重の増加にともなって摩擦係数が増加する傾向があるとともに、摩擦係数が摺動層3より高いことを示している。
【0042】
したがって、本実施形態の多孔性炭素材軸受1によれば、ガラス状炭素成分が少なくて摩擦係数が低くかつ多孔質の摺動特性に優れた薄膜の摺動層3と、摺動層3に比較してガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材2とを一体成型にて容易に得ることができるとともに、低価格化および小型化を容易に図ることができる。
【0043】
なお、本発明の多孔性炭素材軸受は、樹脂あるいは金属からなる基材の表面に摺動層を形成する構成としてもよい。
【0044】
そして、基材として樹脂を用いる場合には、基材を形成する樹脂素材に粒状に形成した多孔性炭素材を分散させたり、摺動層を予め形成しておきこの摺動層を樹脂素材にインサート成型したりすることにより一体成型を容易に行うことができるとともに、軸受全体の軽量化を容易に図ることができるため、慣性力を容易に低減できる。
【0045】
さらに、基材として金属を用いる場合には、金属からなら基材の摺動面に、バインダーなどにより米糠を接合し、これにフェノール樹脂を添加(含浸)させて焼成を行うことにより一体成型を容易に行うことができるとともに、金属からなる基材は、優れた機械的強度をもつため、高強度を必要とする軸受を容易に得ることができる。
【0046】
なお、発明の多孔性炭素材軸受は、高速回転するミシンの針棒軸受などの摺動部位を、長期間に亘り無給油で安定した機能を保持させるのに好適である。
【0047】
また、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る本発明の多孔性炭素材軸受によれば、多孔性炭素材からなる摺動層は、硬質で、低い摩擦係数を容易に得ることができ、しかも、焼成による摺動層の寸法変化をごく僅かなものとすることができるため、加工を施す必要がないなどの極めて優れた効果を奏する。また、摺動層は、軸受として必要な、低い摩擦係数、および、荷重変動に対する摩擦係数の変動を小さくすることができるなどの極めて優れた効果を奏する。さらに、摺動層は、焼成による摺動層の寸法変化をごく僅かなものとすることが確実にできるなどの極めて優れた効果を奏する。さらにまた、ガラス状炭素成分が少なくて摩擦係数が低くかつ多孔質の摺動層と、摺動層に比較してガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材とを容易に得ることができるとともに、摺動層と基材とをあとから加工を施すことなく容易に一体化することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0049】
また、請求項に係る本発明の多孔性炭素材軸受によれば、焼成による摺動層の寸法変化を実用上問題のない程度のごく僅かなものとすることが確実にできるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0052】
また、請求項に係る本発明の多孔性炭素材軸受によれば、ガラス状炭素成分が多くて緻密でかつ焼成による寸法変化の少ない基材を確実に得ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0053】
したがって、本発明の多孔性炭素材軸受によれば、低価格化および小型化を容易に図ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多孔性炭素材軸受の実施形態の要部の構成を示す断面構造図
【図2】 本発明に係る多孔性炭素材軸受の基材と摺動層との摩擦係数と荷重との関係を示す線図
【符号の説明】
1 多孔性炭素材軸受
2 基材
3 摺動層

Claims (3)

  1. 多孔性炭素材を粉砕した多孔性炭素材粉体にフェノール樹脂を配合して焼成することにより形成されている基材と、
    前記基材の摺動面を被覆する多孔性炭素材からなる摺動層と、を備え、
    前記摺動層を構成する多孔性炭素材が、粒径が100〜150μmの米糠に、15〜35重量%のフェノール樹脂を配合した原料組成物を500℃以上で焼成することにより形成されているとともに、
    前記摺動層の厚さが、前記米糠の粒径の2倍以下であることを特徴とする多孔性炭素材軸受。
  2. 前記摺動層の厚さの下限が、前記米糠の粒径と同等であることを特徴とする請求項1に記載の多孔性炭素材軸受。
  3. 前記多孔性炭素材粉体の粒径が、前記原料組成物の米糠の粒径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多孔性炭素材軸受。
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