JP4396416B2 - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、無線LAN(Local Area Network)のように複数の無線局間で相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、制御局と被制御局の関係を有しないで各通信局が自律分散的に動作することにより無線ネットワークが構築される無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、各通信局がネットワーク情報などを記載したビーコンを所定のフレーム周期毎に報知し合うことにより自律分散型の無線ネットワークを形成する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、各通信局が互いに送信するビーコンの衝突を回避しながら自律分散型の無線ネットワークを形成する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
また、本発明は、各通信局が所定の時間間隔単位で自律的に通信動作を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、通信局が他局の信号との衝突を回避しながら所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入が検討されている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格の1つにIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE802.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格…などの各種無線通信方式が存在する。
無線技術を用いてローカル・エリア・ネットワークを構成するために、エリア内に「アクセス・ポイント」又は「コーディネータ」と呼ばれる制御局となる装置を1台設けて、この制御局の統括的な制御下でネットワークを形成する方法が一般的に用いられている。
アクセス・ポイントを配置した無線ネットワークでは、ある通信装置から情報伝送を行なう場合に、まずその情報伝送に必要な帯域をアクセス・ポイントに予約して、他の通信装置における情報伝送と衝突が生じないように伝送路の利用を行なうという、帯域予約に基づくアクセス制御方法が広く採用されている。すなわち、アクセス・ポイントを配置することによって、無線ネットワーク内の通信装置が互いに同期をとるという同期的な無線通信を行なう。
ところが、アクセス・ポイントが存在する無線通信システムで、送信側と受信側の通信装置間で非同期通信を行なう場合には、必ずアクセス・ポイントを介した無線通信が必要になるため、伝送路の利用効率が半減してしまうという問題がある。
これに対し、無線ネットワークを構成する他の方法として、端末同士が直接非同期的に無線通信を行なう「アドホック(Ad−hoc)通信」が考案されている。とりわけ近隣に位置する比較的少数のクライアントで構成される小規模無線ネットワークにおいては、特定のアクセス・ポイントを利用せずに、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができるアドホック通信が適当であると思料される。
アドホック型無線通信システムには中央制御局が存在しないので、例えば家庭用電気機器からなるホーム・ネットワークを構成するのに適している。アドホック・ネットワークには、1台が故障又は電源オフになってもルーティングを自動的に変更するのでネットワークが破綻しにくい、移動局間でパケットを複数回ホップさせることにより高速データレートを保ったままで比較的遠くまでデータを伝送することができる、といった特徴がある。アドホック・システムにはいろいろな開発事例が知られている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。
例えば、IEEE802.11系の無線LANシステムでは、制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作するアドホック・モードが用意されている。この動作モード下では、ビーコン送信時間になると各端末がランダムな期間をカウントし、その期間が終わるまでに他の端末のビーコンを受信しなかった場合に、自分がビーコンを送信する。
ここで、IEEE802.11を例にとって、従来の無線ネットワーキングの詳細について説明する。
IEEE802.11におけるネットワーキングは、BSS(Basic Service Set)の概念に基づいている。BSSは、AP(Access Point:制御局)のようなマスタが存在するインフラ・モードで定義されるBSSと、複数のMT(Mobile Terminal:移動局)のみにより構成されるアドホック・モードで定義されるIBSS(Independent BSS)の2種類で構成される。
インフラ・モード:
インフラ・モード時のIEEE802.11の動作について、図23を参照しながら説明する。インフラ・モードのBSSにおいては、無線通信システム内にコーディネイションを行なうAPが必須である。
APは、自局周辺で電波の到達する範囲をBSSとしてまとめ、いわゆるセルラ・システムで言うところの「セル」を構成する。AP近隣に存在するMTは、APに収容され、BSSのメンバとしてネットワークに参入する。すなわち、APは適当な時間間隔でビーコンと呼ばれる制御信号を送信し、このビーコンを受信可能であるMTはAPが近隣に存在することを認識し、さらにAPとの間でコネクション確立を行なう。
図23に示す例では、通信局STA0がAPとして動作し、他の通信局STA1並びSTA2がMTとして動作している。ここで、APとしての通信局STA0は、同図右側のチャートに記したように、一定の時間間隔でビーコン(Beacon)を送信する。次回のビーコンの送信時刻は、ターゲット・ビーコン送信時刻(TBTT:Target Beacon Transmit Time)というパラメータの形式によりビーコン内で報知されている。そして、時刻がTBTTに到来すると、APはビーコン送信手順を動作させている。
これに対し、AP周辺のMTは、ビーコンを受信することにより、内部のTBTTフィールドをデコードすることにより次回のビーコン送信時刻を認識することが可能であるから、場合によっては(受信の必要がない場合には)、次回あるいは複数回先のTBTTまで受信機の電源を落としスリープ状態に入ることもある。
インフラ・モード時には、APのみが所定フレーム周期でビーコンを送信する。他方、周辺MTはAPからのビーコンを受信することでネットワークへの参入を果たし、自らはビーコンを送信しない。なお、本発明は、APのようなマスタ制御局の介在なしでネットワークを動作させることを主眼とし、インフラ・モードとは直接関連しないことから、インフラ・モードに関してはこれ以上説明を行なわない。
アドホック・モード:
もう一方のアドホック・モード時のIEEE802.11の動作について、図24を参照しながら説明する。
アドホック・モードのIBSSにおいては、MTは複数のMT同士でネゴシエーションを行なった後に自律的にIBSSを定義する。IBSSが定義されると、MT群は、ネゴシエーションの末に、一定間隔毎にTBTTを定める。各MTは自局内のクロックを参照することによりTBTTが到来したことを認識すると、ランダム時間の遅延の後、未だ誰もビーコンを送信していないと認識した場合にはビーコンを送信する。
図24に示す例では、2台のMTがIBBSを構成する様子を示している。この場合、IBSSに属するいずれか一方のMTが、TBTTが到来する毎にビーコンを送信することになる。また、各MTから送出されるビーコンが衝突する場合も存在している。
また、IBSSにおいても、MTは必要に応じて送受信機の電源を落とすスリープ状態に入ることがある。但し、スリープ状態は本発明の要旨とは直接関連しないので、本明細書では説明を省略する。
IEEE802.11における送受信手順:
続いて、IEEE802.11における送受信手順について説明する。
アドホック環境の無線LANネットワークにおいては、一般的に隠れ端末問題が生じることが知られている。隠れ端末とは、ある特定の通信局間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信局からは聞くことができるが他方の通信局からは聞くことができない通信局のことであり、隠れ端末同士ではネゴシエーションを行なうことができないため、送信動作が衝突する可能性がある。
隠れ端末問題を解決する方法論として、RTS/CTS手順によるCSMA/CAが知られている。IEEE802.11においてもこの方法論が採用されている。
ここで、CSMA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)とは、キャリア検出に基づいて多重アクセスを行なう接続方式である。無線通信では自ら情報送信した信号を受信することが困難であることから、CSMA/CD(Collision Detection)ではなくCSMA/CA(Collision Avoidance)方式により、他の通信装置の情報送信がないことを確認してから、自らの情報送信を開始することによって、衝突を回避する。CSMA方式は、ファイル転送や電子メールなどの非同期データ通信に適しているアクセス方式である。
また、RTS/CTS方式では、データ送信元の通信局が送信要求パケットRTS(Request To Send)を送信し、データ送信先の通信局から確認通知パケットCTS(Clear To Send)を受信したことに応答してデータ送信を開始する。そして、隠れ端末はRTS又はCTSのうち少なくとも一方を受信すると、RTS/CTS手続に基づくデータ伝送が行なわれると予想される期間だけ自局の送信停止期間を設定することにより、衝突を回避することができる。
図25には、RTS/CTS手順の動作例を示している。同図に示す例では、互いに自律分散的に通信動作を行なう通信局STA0から通信局STA1宛に何らかの情報(Data)を送信する場合の例が示されている。
まず、STA0は、実際の情報の送信に先立ち、所定期間だけメディアがクリアであることを確認した後に、情報の宛て先であるSTA1に向けてRTSパケットをCSMAの手順に従って送信する。STA1は、RTSパケットを受信したことに応答して、RTSを受信できた旨をSTA0にフィードバックするCTSパケットを送信する。
送信側であるSTA0では、CTSを無事に受信が行なわれれば、メディアがクリアであるとみなし、すぐさま情報(Data)パケットを送信する。また、STA1では、情報を無事に受信し終えると、ACKを返送し、これによって1パケット分のRTS/CTS送受信トランザクションが終了する。
なお、情報送信元であるSTA0がRTSを送信した際、他の局がたまたまほぼ同時になんらかの信号を送信した場合には、信号が衝突するため、情報受信先であるSTA1はRTSを受信できない。この場合、STA1はCTSを返送しない。この結果、STA0は、しばらくの間CTSが受信されないことを理由に、先のRTSが衝突したことを認識することができる。そして、STA0は、ランダム・バックオフをかけつつ、RTSを再送する手順が起動される。基本的には、このように衝突のリスクを負いながら送信権利の獲得を競合する。
IEEE802.11におけるアクセス競合方法:
続いて、IEEE802.11において規定されているアクセス競合方法について説明する。
IEEE802.11では、4種類のパケット間隔(IFS:Inter Frame Space)が定義されている。ここでは、そのうち3つのIFSについて図26を参照しながら説明する。IFSとしては、短いものから順にSIFS(Short IFS)、PIFS(PCF IFS)、DIFS(DCF IFS)が定義されている。
IEEE802.11では、基本的なメディア・アクセス手順としてCSMAが採用されているが(前述)、送信機が何かを送信する前には、メディア状態を監視しながらランダム時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ、この間に送信信号が存在しない場合に始めて送信権利が与えられる。
通常のパケットをCSMAの手順に従って送信する際(DCF(Distributed Coordination Functionと呼ばれる)には、何らかのパケットの送信が終了してから、まずDIFSだけメディア状態を監視し、この間に送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、送信権利が与えられることになっている。
これに対し、ACKなどの例外的に緊急度の高いパケットを送信する際には、SIFSのパケット間隔の後に送信することが許されている。これにより、緊急度の高いパケットは、通常のCSMAの手順に従って送信されるパケットよりも先に送信することが可能となる。
要するに、異なる種類のパケット間隔IFSが定義されている理由は、IFSがSIFS、PIFS、DIFSのいずれであるか、すなわちパケット間隔の長さに応じてパケットの送信権争い優先付けが行なわれる、という点にある。PIFSがどのような目的で用いられているかについては後述に譲る。
IEEE802.11における帯域保証(1)
CSMAによるアクセス競合を行なう場合、一定の帯域を保証して確保することが不可能である。このため、IEEE802.11では、帯域を保証して確保するためのメカニズムとして、PCF(Point Coordination Function)が存在する。しかし、PCFの基本はポーリングであり、アドホック・モードでは動作せず、インフラ・モードにおいてのみ、APの管理下で行なわれる。
図27には、PCF動作により優先通信を提供する様子を示している。同図では、STA0がAPとして動作し、STA1とSTA2がAPの管理するBSSに参入している。そして、STA1が帯域を保証して情報の送信を行なう場合を想定している。
APとしてのSTA0は、例えばビーコンを送信した後に、SIFSの間隔でSTA1宛てにCF−Pollメッセージを送ることでポーリングを行なう。CF−Pollを受信したSTA1には、データの送信権利を与えられ、SIFS間隔でデータを送信することが許される。これに応答して、STA1はSIFSの後にデータを送信する。STA0が該送信データに対するACKを返送し、1トランザクションが終了すると、STA0は再度STA1に対してポーリングを行なう。
図27に示す例では、今回のポーリングが何らかの理由により失敗した場合が記されている。このとき、STA0は、再度STA1に対してポーリングした後、SIFS経過後もSTA1から情報が送信されてこないことを認識すると、ポーリングが失敗したとみなし、PIFS間隔の後に再度ポーリングを行なう。再度のポーリングが成功すると、STA1からデータが送信され、STA0からACKが返送される。
この一連の手順の最中に、例えばSTA2が送信したパケットを保持していたとしても、DIFSの時間間隔が過ぎる以前にSIFSあるいはPIFSの間隔でSTA0あるいはSTA1が送信を行なってしまうため、STA2に送信権利が移ることはない。すなわち、APとしてのSTA0からポーリングを受けているSTA1が常に優先権利を得ていることになる。
IEEE802.11における帯域保証(2)
IEEE802.11では、さらなる帯域保証手段が検討されており、Enhanced DCF(EDCF)と呼ばれる手法が採用される予定となっている(IEEE802.11eにおけるQoS拡張)。EDCFは、帯域を保証する必要のある優先度の高いトラヒックに関してはランダム・バックオフ値のとりうる幅を短く設定し、それ以外のトラヒックに関しては図26に示したパケット間隔IFSやバックオフ値のとりうる幅を長く設定するようにした。この結果、PCFほど確定的ではないものの、統計的に優先度の高いトラヒックを優先して送信可能にするメカニズムが実現する。
図28には、EDCF動作により帯域を保証するトラフィックに優先送信を提供する様子を示している。同図に示す例では、STA1が優先トラヒックをSTA0に送信しようとし、STA2が非優先トラヒックをSTA0に送信しようとしている場合を想定している。また、両トラヒックとも基準IFSはDIFS相当の時間が適用されているものと仮定する。
時刻T0からメディアがクリアになると、STA1及びSTA2がともにDIFSだけ時間の経過を待つ。T0からDIFS経過後(時刻T1)でもまだメディアがクリアなため、STA1とSTA2はともにランダム・バックオフにて決定した時間だけメディアがクリアであることを確認し始める。
EDCF動作によれば、STA1のバックオフ値は優先トラヒックのため短く、STA2のバックオフ値は非優先トラヒックのため長い。図28では、各通信局の時刻T1からのバックオフ値を矢印にて示している。STA1のバックオフ値だけ時間が経過した時刻T2において、STA1はRTSを送信し始める。一方、STA2は、STA1から送信されたRTSを検知し、バックオフの値を更新して次回の送信に備える。
また、STA0は、RTSを受信してからSIFSが経過した時刻T3にてCTSを返送する。CTSを受信したSTA1は、CTSを受信してからSIFSが経過した時刻T4でデータの送信を開始する。そして、STA0は、STA1からのデータを受信してからSIFSが経過した時刻T5にてACKを返送する。
STA0によるACKの返送が終了した時刻T6において、メディアが再びクリアになる。ここで、STA1及びSTA2はともに再度DIFSだけ時間の経過を待つ。そして、DIFS経過後(時刻T7)でもまだメディアがクリアであるから、STA1及びSTA2はともにランダム・バックオフにて決定した時間だけメディアがクリアであることを確認し始める。ここでも、STA1のバックオフ値は優先トラヒックのため再び短く設定され、時刻T8においてSTA2 のバックオフ値よりも早くRTSの送信が行なわれる。
上述したような手順により、アクセス権を競合するSTA1とSTA2の間では、取り扱うトラヒックの優先度に応じてアクセス権獲得の優劣が提供されている。なお、図示していないが、STA2のバックオフ値も徐々に小さくなるため、アクセス権利が与えられなくなるということはない。
International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer C.K.Tho著"Ad Hoc Mobile Wireless Network"(Prentice Hall PTR社刊)
上述したようにIEEE802.11における送受信手順によれば、アクセス競合並びに帯域保証の問題を解決することができる一方、以下に示すような幾つかの課題が残されている。
(1)Point Coordinatorの存在
IEEE802.11においては、上述したように、PCFによるQoS通信のメカニズムが提供されている。しかしながら、PCFはメディア・アクセスを統括するAPの存在により動作するものである。APが存在するネットワークでは、APに不具合が生じると全ての通信が提供できなくなるなどの問題が生じる。また、APと通信できない場所にいるMTはネットワークに参画できないなどの問題がある。
(2)EDCFの衝突確率増大の問題
IEEE802.11のEDCFのメカニズムでは、基本的にはAPのようなPoint Coordinatorが存在しなくても優先度の高いリンクを優先的に通すことが可能となる。しかしながら、優先度の高い送信を複数局が同時に開始すると、バックオフが短く設定されるために衝突が多発し、通信効率が低下するという問題を招来する。また、優先度の低いトラヒックは長いIFSが設定される場合もあり、これら優先度の低いトラヒックが支配的となる環境では、すべての通信局が長いIFSが経過した後に送信権利獲得競合を行なうため、オーバーヘッドが大きくなり通信効率が下がるという問題が発生する。さらに、APのような制御局が存在しない場合には、ネットワークの許容負荷を超えるトラヒックが要求された場合、これを抑える術がなく、すべてのリンクにおいて上位レイヤの要求を満たせなくなるという問題が生じる。複数のビデオ・ストリームなどを提供するなどという場合には、大きな問題として浮上する。
(3)ビーコン衝突の問題
ネットワークを構築する際、特定の制御局又は自律分散的に動作する各通信局は、ネットワーク情報などを記述したビーコンを所定間隔で報知する。このようなシステムでは、ビーコン衝突の問題が存在する。例えばIEEE802.11では、インフラ・モード並びにアドホック・モードのいずれにおいても、同じエリアで且つ同一チャネル上で複数局がビーコンの送信を行なう際、この問題が生じる。
アドホック・モードでは、そもそもビーコン送信局がランダム・バックオフにて定義されているため、初手からビーコンの衝突発生は回避できない。また、インフラ・モードでは、単一BSSしか存在しない場合には問題は生じないものの、ネットワークが場所的に移動したり、周辺の電波遮断物が移動するなどの事象により複数のBSSが電波到達範囲に入ったりした場合には、複数ビーコンが共存する形となる。このとき、ビーコンの送信時刻が重なっていた場合には、周辺局はビーコンを受信することができなくなる、という問題が発生する。
本発明は上述したような技術的課題を鑑みたものであり、その主な目的は、制御局となる装置を特に配置せずに各通信局が自律分散的に動作することにより無線ネットワークが構築される、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、特定の制御局の介在なしに、通信品質を保証した自律分散型のネットワークを構築することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、特定の制御局が介在しない自律分散型のネットワークにおいて、衝突を回避しながらデータ送信を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、通信局がビーコンを報知することにより構築されるネットワークにおいて、複数の通信局間でのビーコンの衝突を好適に回避することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、各通信局が互いに送信するビーコンの衝突を回避しながら自律分散型の無線ネットワークを好適に形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、各通信局が所定の時間間隔単位で自律的に通信動作を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、通信局が他局の信号との衝突を回避しながら所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、特定の制御局を配置せず、各通信局が所定の間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築する自律分散型の無線通信システムであって、
ネットワーク内で2以上の通信局から送信されるビーコンの衝突を検出し、
該衝突の検出に応答して、少なくとも一方のビーコンの送信タイミングを変更することによって衝突を解消する、
を具備することを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
自律分散型の通信環境下では、各通信局は、所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。また、通信局は、各チャネル上でスキャン動作を行ない、ビーコン信号を受信することにより、隣接局の通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。
また、各通信局は、ビーコン送信タイミングに関する近隣装置情報をビーコン信号に含めて送信するようにする。このような場合、通信局は、ビーコンを直接受信することができる隣接局のネットワーク情報だけでなく、自局はビーコンを受信できないが隣接局が受信することができる次隣接局すなわち隠れ端末についてのビーコン情報も取得することができる。
このような自律分散型のネットワークでは、新規に参入する通信局は、まずスキャン動作すなわちスーパーフレーム長以上にわたり連続して信号受信を試み、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なう。この過程で、周辺局からビーコンが受信されなかった場合には、通信局は適当なビーコン送信タイミングを設定する。一方、周辺局から送信されるビーコンを受信した場合には、各受信ビーコンに記載されている近隣装置情報を参照して、いずれの既存局もビーコンを送信していないタイミングを自局のビーコン送信タイミングとして設定する。
各通信局が静止して電波の到来範囲が変動しないという条件下では、上述のような手順によりビーコンの衝突を回避することができる。これに対し、通信局が移動するなどにより電波の到達範囲が変動する場合、各通信局が送信するビーコンが衝突するケースが発生する。
例えば、電波の届かない範囲にある2つの系で通信局がそれぞれ全く独立して同じ送信タイミングを設定した後、電波の到来範囲が移動し受信可能な状態になると、各局のビーコンが衝突するという事態に陥る。
あるいは、電波の届かない範囲にある2つの系で通信局がそれぞれ全く独立して同じ送信タイミングを設定した後、双方の系から受信可能な新規の通信局が出現することにより各通信局が送信するビーコンの衝突が露呈するというケースも考えられる。
本発明によれば、通信範囲内で2以上の通信局から送信されるビーコンの衝突を検出すると、少なくとも一方のビーコンの送信タイミングを変更することによって、各通信局の自律的な動作によりビーコンの衝突を回避することができる。
ここで、ビーコンの送信タイミングを変更する通信局は、ビーコンの送信タイミングを変更する旨の警告を記載したビーコンを周辺局に報知し、少なくとも所定期間だけスキャン動作を行ない、周辺局がビーコン送信に使用していないタイミングを発見してこれを新規のビーコン送信タイミングに決定する。
電波の届かない範囲にある2つの系で通信局がそれぞれ全く独立して同じ送信タイミングを設定した後、電波の到来範囲が移動し受信可能な状態になった場合には、通信局同士で互いのビーコンが衝突することを認識することができる。
このような場合、いずれか一方の通信局が自局のビーコン送信タイミングを自発的に移動することで、衝突を回避することができる。例えば、通信局は自局のビーコン送信の直前に衝突のおそれがあるタイミングで他局のビーコンを受信したことに応答して、自局のビーコン送信位置を変更する。または、通信局は自局のビーコン送信の直後に衝突のおそれがあるタイミングで他局のビーコンを受信したことに応答して、自局のビーコン送信位置を変更する。
あるいは、一方の通信局が自発的にビーコン送信タイミングを変更するのではなく、自局のビーコン送信タイミング付近で他局のビーコンを受信しビーコンの衝突を認識したときに、該他局に対してビーコン送信タイミングの変更を要求するようにしてもよい。
また、電波の届かない範囲にある2つの系で通信局がそれぞれ全く独立して同じ送信タイミングを設定した後、双方の系から受信可能な新規の通信局が出現することにより各通信局が送信するビーコンの衝突が露呈するといった場合、この新規参入局は、ビーコンが衝突するいずれか一方の通信局に対してビーコン送信タイミングの変更を要求するようにしてもよい。ここで言うビーコン送信タイミングの変更には、ビーコン送信タイミングの移動の他に、ビーコン送信の停止を含むものとする。
ここで、本発明に係る無線通信ネットワークにおいて、各通信局は、ビーコンを送信したことに伴い、トラフィックの優先利用期間を獲得するようになっている。そして、各通信局は、前記所定の時間間隔で、正規のビーコンを1回だけ送信するとともに、該正規のビーコンに類似する信号からなる1以上の補助ビーコンを送信することを許容するようにしてもよい。
例えば、各通信局が送信する補助ビーコンにはトラフィックのプライオリティが設定され、プライオリティに関する情報をビーコンに記載して報知する。このような場合、ビーコンの衝突が発生したときには、互いのビーコンのプライオリティを参照し、プライオリティの低いビーコンの送信元が自局のビーコン送信タイミングを変更するようにしてもよい。ここで言うビーコン送信タイミングの変更には、ビーコン送信タイミングの移動の他に、ビーコン送信の停止を含むものとする。
また、ビーコンが衝突し合う通信局が隠れ端末に相当する場合、ビーコンを直接には受信できないから、自局のビーコンとのプライオリティの比較を行なうことはできない。
このような場合、通信局は、前記所定の時間間隔内で配置したいビーコンの個数並びにそのプライオリティを指定したビーコン停止要求を周辺局へ向けて送信する。一方、このビーコン停止要求を受信した通信局は、前記所定の時間間隔内で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけ検出し、各ビーコンの送信元の通信局に対しビーコン停止要求を送信する。このような遠隔操作により、通信局は、互いにビーコンを受信可能な近隣局と同様に、隠れ端末からも所望のビーコン送信タイミングを得ることができる。
また、本発明の第2の側面は、制御局と被制御局の関係を有さずに、各通信局が所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことによってネットワークを構築する無線通信システムであって、
通信局は、前記所定の時間間隔毎に定期的な信号送受信を行なう場合に、該定期的な信号送受信に先立ち又は送受信を行なった後の少なくとも一方において、他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突の有無を検出する、
ことを特徴とする無線通信システムである。
本発明の第2の側面に係る無線通信システムでは、例えば各通信局が所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を自律的に行なっている通信環境下で、通信局は、所定時間間隔内の適当なタイミングで予約帯域又は優先利用期間を得て、所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことが許容されている。
そして、通信局は、前記所定の時間間隔毎に定期的な信号送受信を行なう場合に、該定期的な信号送受信に先立ち、あるいは信号の送受信を行なった後に、他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突の有無を検出する。具体的には、自局の定期的な信号送受信タイミング付近で他局の送信信号を受信することにより、定期的な信号送受信タイミングの衝突を検出することができる。また、自局の信号送受信タイミング付近で他局の定期的な送信信号を受信することにより、定期的な信号送受信タイミングの衝突を検出することができる。
また、通信局は、前記定期的な信号送受信の衝突を検出したことに応答して、少なくとも所定期間だけスキャン処理を行ない、他局の周期的信号の送信状況の確認を試みるようにしてもよい。
ここで、通信局は、定期的な信号送受信に先立ち他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突を検出したことに応答して、該他局の信号との衝突を回避できるように自局の信号の送信タイミングを遅延させることで、衝突を回避することができる。
このような場合、通信局は、衝突回避のために定期的な信号の送信タイミングを変更した旨を記載した信号を送信するようにしてもよい。衝突を起こした他局は、衝突回避のために定期的な信号の送信タイミングを変更した旨を記載した信号を受信して、自局が送信した後に送信しようとしていた定期的な信号との衝突を検出することができる。
また、通信局は、定期的に送受信される信号のスケジュールを記載したビーコンを報知しあうようにしてもよい。この場合、各通信局は、互いの定期的な信号送受信時刻を抽出することができる。そして、周辺局から受信したビーコンに記載された情報に基づいて定期的信号送受信区間の衝突を検出したときには、衝突している信号送受信タイミングを変更するようにすればよい。
また、通信局は、定期的に送受信される信号に優先度が設定し、定期的に送受信される信号のスケジュールとともに優先度を記載したビーコンを報知するようにしてもよい。そして、周辺局から受信したビーコンに記載された情報に基づいて定期的信号送受信区間の衝突を検出したときには、優先度の低い定期的信号送受信のタイミングを変更することで、衝突を回避することができる。
また、通信局は、定期的信号送受信を行なう信号の一部に当該通信局のビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載するようにしてもよい。この場合、通信局は、他局の送信する定期的に送信される信号を受信すると、前記定期的に送信される信号に記載されているビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を基に当該信号の送信局におけるビーコンの送信時刻を抽出して衝突を検出することができる。そして、当該時刻に行なわれている他の信号の送信を停止させることにより、衝突を回避することができる。
また、通信局は、定期的に送信を行なう信号の一部に、当該信号が定期的にスケジュールされて送信されている旨を示す情報を記載するようにしてもよい。さらに、定期的に送信を行なう信号の一部に、当該信号の優先度を示す情報を記載するようにしてもよい。このような場合、通信局は、定期的信号送受信の衝突を検出したことに応答して優先度の低い定期的信号送受信のタイミングを変更することができる。
また、通信局は、定期的な信号の送受信の送信時刻にランダムなオフセットを付加するようにしてもよい。そして、通信局は、定期的に送受信される信号の一部に送信時刻のランダムなオフセットに関わる情報を掲載するようにしてもよい。
また、通信局は、定期的信号の送受信を新規に生成するに先立ち、スキャン動作を行なうことにより他局の定期的信号送受信と衝突しない時間帯を抽出し、該新規の定期的信号の送受信タイミングを他局の定期的信号送受信と衝突しない時間帯に設定するようにしてもよい。
また、通信局は、ネットワークに関する情報を取得する際、当該情報を得るために必要な情報が送信される時間帯を抽出し、該抽出された時間帯において信号受信を試みるようにして、スキャン動作を効率的に行なうようにしてもよい。
また、通信局は、1つ以上の定期的信号送受信区間を獲得して所望の通信局と信号の送受信を行なっている際には、定期的信号送受信区間における信号受信状態を監視するようにしてもよい。そして、信号受信状態が著しく劣化したときには、他の信号と衝突していると推定されることから、このような定期的信号送受信区間を開放するようにしてもよい。
また、通信局は、周辺局の定期的信号送受信区間以外の時間帯では、伝送路上の所定時間の信号検出とランダムなバックオフ期間の待機を伴うCSMA方式に従ったアクセス手順に基づいて信号の送受信を行なうようにしてもよい。
また、本発明の第3の側面は、制御局と被制御局の関係を有さずに、各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築する無線通信システムであって、
通信局は、前記所定の時間間隔毎に定期的な信号送受信を行なう場合に、定期的信号送受信を行なう信号の一部に当該通信局のビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載し、周辺局から受信した信号に記載されている相対時刻情報に基づいて当該周辺局のビーコンとそれ以外の局が送受信する信号との衝突を検出する、
ことを特徴とする無線通信システムである。
本発明の第3の側面に係る無線通信システムでは、各通信局がビーコン信号を定期的に報知し合うことによってネットワークが構築される。そして、通信局は、所定時間間隔内の適当なタイミングで予約帯域又は優先利用期間を得て、所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことが許容されている。
ここで、所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なう通信局は定期的信号送受信を行なう信号の一部に当該通信局のビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載することにより、通信局同士で衝突を検出し合うことができる。具体的には、通信局は、周辺局から受信した信号に記載されている相対時刻情報に基づいて当該周辺局のビーコンの送信時刻を抽出し、同時刻に自局が信号を送信していたときに当該周辺局のビーコンとの衝突を検出することができる。
また、通信局は、周辺局から受信した信号に記載されている相対時刻情報に基づいて当該周辺局のビーコンの送信時刻を抽出し、同時刻に当該周辺局のビーコンを受信できなかったときに他局の信号との衝突を検出することができる。
また、通信局は、信号の衝突を検出したことに応答して衝突を回避するようにしてもよい。例えば、通信局は、抽出されたビーコン信号の送信時刻に行なわれている他の信号の送信を停止させることにより衝突を回避することができる。
また、本発明の第4の側面は、特定の制御局を配置せず、各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される自律分散型の通信環境下において無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第4の側面は、制御局と被制御局の関係を有しない通信環境下で所定の時間間隔毎に通信動作を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信する信号送受信ステップと、
定期的な信号送受信に先立ち又は送受信を行なった後の少なくとも一方において、他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突の有無を検出する衝突検出ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第5の側面は、制御局と被制御局の関係を有さずに、各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって構築される通信環境下で無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
信号の一部にビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載して前記所定の時間間隔毎に定期的な信号送受信を行なう信号送受信ステップと、
周辺局から受信した信号に記載されている相対時刻情報に基づいて当該周辺局のビーコンとそれ以外の局が送受信する信号との衝突を検出する衝突検出ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第4乃至第6の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第4乃至第6の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、無線通信装置として動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1乃至第3の各側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、特定の制御局の介在なしに、通信品質を保証した自律分散型のネットワークを構築することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、特定の制御局が介在しない自律分散型のネットワークにおいて、衝突を回避しながらデータ送信を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、通信局がビーコンを報知することにより構築されるネットワークにおいて、複数の通信局間でのビーコンの衝突を好適に回避することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、各通信局が互いに送信するビーコンの衝突を回避しながら自律分散型の無線ネットワークを好適に形成することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、各通信局が所定の時間間隔単位で自律的に通信動作を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、通信局が他局の信号との衝突を回避しながら所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、制御局のようなPoint Coordinatorの存在しない分散制御環境であっても、QoS通信を提供することが可能である。また、分散制御環境であっても、ネットワークの負荷状態を各通信局が自律的に把握することが可能であり、且つネットワークの許容負荷を超えるトラヒックを要求された場合には、通信プロトコルの上位レイヤの要求する優先度に応じて、優先度の低いトラヒックのみを排除することが可能となる。
また、本発明によれば、ネットワークの交錯などによりビーコンが衝突した場合においても、定常的にビーコンの衝突が生じる事態を避けることができ、ネットワークに存在する各ノードの存在を的確に把握することができるため、コネクション断などの発生確率を飛躍的に抑えることが可能となる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.システム構成
本発明において想定している通信の伝搬路は無線であり、複数の通信局間でネットワークを構築する。本発明で想定している通信は蓄積交換型のトラヒックであり、パケット単位で情報が転送される。また、以下の説明では、各通信局は単一のチャネルを想定しているが、複数の周波数チャネルすなわちマルチチャネルからなる伝送媒体を用いた場合に拡張することも可能である。
本発明に係る無線ネットワーク・システムは、コーディネータを配置しない自律分散型のシステム構成であり、緩やかな時分割多重アクセス構造を持った伝送(MAC)フレームによりチャネル・リソースを効果的に利用した伝送制御が行なわれる。また、各通信局は、CSMAに基づくアクセス手順に従い直接非同期的に情報を伝送するアドホック通信を行なうこともできる。
このように制御局を特に配置しない自律分散型の無線通信システムでは、各通信局はチャネル上でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。通信局は伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義される。また、各通信局は、伝送フレーム周期に相当する期間だけチャネル上をスキャン動作することにより、周辺局から送信されるビーコン信号を発見し、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知る(又はネットワークに参入する)ことができる。各通信局は、ビーコン信号の交換により互いの伝送フレーム周期内の送受信タイミングを通知し合うことで、自律分散的にCSMA手順によりメディアへのランダム・アクセスを行ないつつ、緩やかな時分割多重アクセスを実現することができる。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信システムを構成する通信装置の配置例を示している。この無線通信システムでは、特定の制御極を配置せず、各通信装置が自律分散的に動作し、アドホック・ネットワークが形成されている。同図では、通信装置#0から通信装置#6までが、同一空間上に分布している様子を表わしている。
また、同図において各通信装置の通信範囲を破線で示してあり、その範囲内にある他の通信装置と互いに通信ができるのみならず、自己の送信した信号が干渉する範囲として定義される。すなわち、通信装置#0は近隣にある通信装置#1、#4、と通信可能な範囲にあり、通信装置#1は近隣にある通信装置#0、#2、#4、と通信可能な範囲にあり、通信装置#2は近隣にある通信装置#1、#3、#6、と通信可能な範囲にあり、通信装置#3は近隣にある通信装置#2、と通信可能な範囲にあり、通信装置#4は近隣にある通信装置#0、#1、#5、と通信可能な範囲にあり、通信装置#5は近隣にある通信装置#4、と通信可能な範囲にあり、通信装置#6は近隣にある通信装置#2、と通信可能な範囲にある。
ある特定の通信装置間で通信を行なう場合、通信相手となる一方の通信装置からは聞くことができるが他方の通信装置からは聞くことができない通信装置、すなわち「隠れ端末」が存在する。
図2には、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示している。図示の無線通信装置は、制御局を配置しない自律分散型の通信環境下において、同じ無線システム内では効果的にチャネル・アクセスを行なうことにより、衝突を回避しながらネットワークを形成することができる。
図示の通り、無線通信装置100は、インターフェース101と、データ・バッファ102と、中央制御部103と、ビーコン生成部104と、無線送信部106と、タイミング制御部107と、アンテナ109と、無線受信部110と、ビーコン解析部112と、情報記憶部113とで構成される。
インターフェース101は、この無線通信装置100に接続される外部機器(例えば、パーソナル・コンピュータ(図示しない)など)との間で各種情報の交換を行なう。
データ・バッファ102は、インターフェース101経由で接続される機器から送られてきたデータや、無線伝送路経由で受信したデータをインターフェース101経由で送出する前に一時的に格納しておくために使用される。
中央制御部103は、無線通信装置100における一連の情報送信並びに受信処理の管理と伝送路のアクセス制御を一元的に行なう。中央制御部103では、例えば、ビーコン衝突時における衝突回避処理などの動作制御が行なわれる。衝突回避の処理手順として、自局のビーコン送信位置の移動や、自局のビーコン送信停止、他局へのビーコン送信位置変更(ビーコン送信位置の移動又は停止)要求などが挙げられるが、これらの処理手順の詳細については後述に譲る。
ビーコン生成部104は、近隣にある無線通信装置との間で周期的に交換されるビーコン信号を生成する。無線通信装置100が無線ネットワークを運用するためには、自己のビーコン送信位置や周辺局からのビーコン受信位置などを規定する。これらの情報は、情報記憶部113に格納されるとともに、ビーコン信号の中に記載して周囲の無線通信装置に報知する。ビーコン信号の構成については後述する。無線通信装置100は、伝送フレーム周期の先頭でビーコンを送信するので、無線通信装置100が利用するチャネルにおける伝送フレーム周期はビーコン間隔によって定義されることになる。
無線送信部106は、データ・バッファ102に一時格納されているデータやビーコン信号を無線送信するために、所定の変調処理を行なう。また、無線受信部110は、所定の時間に他の無線通信装置から送られてきた情報やビーコンなどの信号を受信処理する。
無線送信部106及び無線受信部110における無線送受信方式は、例えば無線LANに適用可能な、比較的近距離の通信に適した各種の通信方式を適用することができる。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式などを採用することができる。
アンテナ109は、他の無線通信装置宛に信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し、あるいは他の無線通信装置から送られる信号を収集する。本実施形態では、単一のアンテナを備え、送受信をともに並行しては行なえないものとする。
タイミング制御部107は、無線信号を送信並びに受信するためのタイミングの制御を行なう。例えば、伝送フレーム周期の先頭における自己のビーコン送信タイミングや、他の通信装置からのビーコン受信タイミング、他の通信装置とのデータ送受信タイミング、並びにスキャン動作周期などを制御する。
ビーコン解析部112は、隣接局から受信できたビーコン信号を解析し、近隣の無線通信装置の存在などを解析する。例えば、隣接局のビーコンの受信タイミングや近隣ビーコン受信タイミングなどの情報は近隣装置情報として情報記憶部113に格納される。
情報記憶部113は、中央制御部103において実行される一連のアクセス制御動作などの実行手順命令(衝突回避処理手順などを記述したプログラム)や、受信ビーコンの解析結果から得られる近隣装置情報などを蓄えておく。
本実施形態に係る自律分散型ネットワークでは、各通信局は、所定のチャネル上で所定の時間間隔でビーコン情報を報知することにより、近隣(すなわち通信範囲内)の他の通信局に自己の存在を知らしめるとともに、ネットワーク構成を通知する。ビーコン送信周期のことを、ここではスーパーフレーム(Super Frame)と定義し、例えば80ミリ秒とする。
新規に参入する通信局は、スキャン動作により周辺局からのビーコン信号を聞きながら、通信範囲に突入したことを検知するとともに、ビーコンに記載されている情報を解読することによりネットワーク構成を知ることができる。そして、ビーコンの受信タイミングと緩やかに同期しながら、周辺局からビーコンが送信されていないタイミングに自局のビーコン送信タイミングを設定する。
ここで、本実施形態に係る各通信局のビーコン送信手順について、図3を参照しながら説明する。
各通信局は、周辺で発信されるビーコンを聞きながら、ゆるやかに同期する。新規に通信局が現われた場合、新規通信局は既存の通信局のビーコン送信タイミングと衝突しないように、自分のビーコン送信タイミングを設定する。
周辺に通信局がいない場合、通信局01は適当なタイミングでビーコンを送信し始めることができる。ビーコンの送信間隔は80ミリ秒である(前述)。図3中の最上段に示す例では、B01が通信局01から送信されるビーコンを示している。
以降、通信範囲内に新規に参入する通信局は、既存のビーコン配置と衝突しないように、自己のビーコン送信タイミングを設定する。このとき、各通信局はビーコン送信の直後に優先利用領域(TPP)を獲得することから(後述)、各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりも伝送フレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、本実施形態では、基本的に自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始するようにしている。
例えば、図3中の最上段に示すように、通信局01のみが存在するチャネル上において、新たな通信局02が現われたとする。このとき、通信局02は、通信局01からのビーコンを受信することによりその存在とビーコン位置を認識し、図3の第2段目に示すように、通信局01のビーコン間隔のほぼ真中に自己のビーコン送信タイミングを設定して、ビーコンの送信を開始する。
さらに、新たな通信局03が現われたとする。このとき、通信局03は、通信局01並びに通信局02のそれぞれから送信されるビーコンの少なくとも一方を受信し、これら既存の通信局の存在を認識する。そして、図3の第3段に示すように、通信局01及び通信局02から送信されるビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで送信を開始する。
以下、同様のアルゴリズムに従って近隣で通信局が新規参入する度に、ビーコン間隔が狭まっていく。例えば、図3の最下段に示すように、次に現われる通信局04は、通信局02及び通信局01それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定し、さらにその次に現われる通信局05は、通信局02及び通信局04それぞれが設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングでビーコン送信タイミングを設定する。
なお、各通信局のビーコン送信タイミングを集中して配置し、残りのスーパーフレーム周期では受信動作を停止して装置の消費電力を低減させるという利用方法もある。この場合、通信を行う通信局間ではビーコン送信タイミングを集中させるなどという処理が施され、スーパーフレーム周期中の1箇所あるいは複数箇所にビーコンが集中して送信される。
あるいは、通信局固有の送信データ容量に合わせて、ビーコン送信タイミングを設定することもある。この場合、送信データ量が多い通信局は次ビーコンまでの間隔が長くなるような時刻にビーコン送信タイミングを設定し、送信データ量が少ない通信局は次ビーコンまでの間隔が短くなるような時刻にビーコン送信タイミングを設定することもある。
但し、帯域(伝送フレーム周期)内がビーコンで溢れないように、最小のビーコン間隔Bminを規定しておき、Bmin内に2以上のビーコン送信タイミングを配置することを許容しない。例えば、80ミリ秒の伝送フレーム周期でミニマムのビーコン間隔Bminを5ミリ秒に規定した場合、電波の届く範囲内では最大で16台の通信局までしか収容できないことになる。
図4には、スーパーフレーム内で配置可能なビーコン送信タイミングの構成例を示している。但し、同図に示す例では、80ミリ秒からなるスーパーフレーム内における時間の経過を、円環上で時針が右回りで運針する時計のように表している。
図4に示す例では、0からFまでの合計16個の位置0〜Fがビーコン送信を行なうことができる時刻すなわちビーコン送信タイミングを配置可能な「スロット」として構成されている。図3を参照しながら説明したように、既存の通信局が設定したビーコン間隔のほぼ真中のタイミングで新規参入局のビーコン送信タイミングを順次設定していくというアルゴリズムに従って、ビーコン配置が行なわれたものとする。Bminを5ミリ秒と規定した場合には、1スーパーフレームにつき最大16個までしかビーコンを配置することができない。すなわち、16台以上の通信局はネットワークに参入できない。
なお、図3並びに図4では明示されていないが、各々のビーコンは、各ビーコン送信時刻であるTBTT(Target Beacon Transmission Time)から故意に若干の時間オフセットを持った時刻で送信されている。これを「TBTTオフセット」と呼ぶ。本実施形態では、TBTTオフセット値は擬似乱数にて決定される。この擬似乱数は、一意に定められる擬似ランダム系列TOIS(TBTT Offset Indication Sequence)により決定され、TOISはスーパーフレーム周期毎に更新される。
TBTTオフセットを設けることにより、2台の通信局がスーパーフレーム上では同じスロットにビーコン送信タイミングを配置している場合であっても、実際のビーコン送信時刻がずらすことができ、あるスーパーフレーム周期にはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレーム周期では各通信局は互いのビーコンを聞き合う(あるいは、近隣の通信局は双方のビーコンを聞く)ことができるので、自局のビーコンが衝突したことを認識できる。通信局は、スーパーフレーム周期毎に設定するTOISをビーコン情報に含めて周辺局に報知する(後述)。
また、本実施形態では、各通信局は、データの送受信を行なっていない場合で、送受信が不要な時間帯に送受信機の電源を切るパワーセーブ状態にあっても、信号送信時には、自局が信号を送信する前後の一定期間は受信動作を行なうこと、すなわち“Listen Before Send”、“Listen After Send”という衝突検出のための通信動作が義務付けられる。ここで言う信号送信には、通常のデータ・フレームの送信とビーコン送信の双方を含む。
また、通信局は、データ送受信を行なわない場合であっても、数秒に一度は1スーパーフレームにわたり連続して受信機を動作させてスキャン動作を行ない、周辺ビーコンのプレゼンスに変化がないか、あるいは各周辺局のTBTTがずれていないかを確認することも義務付けられる。なお、このスキャン動作は、ビーコンや優先送信期間が衝突していることを検出した場合、ある優先送信期間における通信が断絶した場合,などの異常事態の検出に起因しても行なわれることもある(後述)。
スキャン処理は、基本的には1スーパーフレームにわたり連続して受信機を動作させるフルスキャンを行なうが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、通信局が認識する「ビーコンが送信されてくる時間帯」に限り受信機を動作させる部分スキャンを行なう場合もある。ビーコンが送信されてくる時間帯とは、図4に示したようなビーコン送信タイミングの配置を行なう本実施形態においては、各TBTTの前後又は直後がこれに相当するが、他の実施形態においてはこれに限らない。
他局のビーコンを受信するなどによりTBTTにずれを確認することができる。本実施形態では、自局の認識するTBTT群を基準に−Bmin/2ミリ秒以内をTBTTと規定しているものを「進んでいる」、+Bmin/2ミリ秒以内をTBTTと規定しているものを「遅れている」ものと定義する。そして、通信局は、最も遅れているTBTTに合わせて時刻を修正する。但し、系内で同じルールが規定されていれば最も進んでいるTBTTに併せて時刻を修正するようにしても構わない。これにより、系内の全通信局が最も遅れている(あるいは進んでいる)TBTTに併せて時刻を修正することになり、この修正された時刻がネットワークに伝播していくことになる。結果として直接通信ができない通信局同士であっても同一の基準時刻を共有することができる。
B.送信優先区間TPP
各通信局はビーコンを一定間隔で送信しているが、ビーコンを送信した後しばらくの間(例えば480マイクロ秒)は、該ビーコンを送信した局に送信の優先権を与えられる。図5には、ビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示している。本明細書では、この優先区間をTransmission Prioritized Period(TPP)と定義する。また、TPPに続くスーパーフレームの残りの区間をFairly Access Period(FAP)と定義され、この期間では通信局間で通常のCSMA/CA方式により通信が行なわれる。
図6には、スーパーフレームの構成を示している。同図に示すように、各通信局からのビーコンの送信に続いて、そのビーコンを送信した通信局のTPPが割り当てられ、TPPの長さ分だけ時間が経過するとFAPになり、次の通信局からのビーコンの送信でFAPが終わる。
各通信局は、ビーコン並びに自局のTPP内でのパケットの送信に関しては、SIFSでの間隔での送信を許容し、それ以外のパケットについてはDIFS+バックオフでの送信を行なうことが許容される。すなわち、ビーコンを送信する度に、優先的にデータを送信する機会が得られることになる。
また、各通信局は、基本的にはスーパーフレーム周期毎に1回のビーコンを送信するが、場合に応じて、複数個のビーコンあるいはビーコンに類する信号を送信することが許容され、これらのビーコンを送信する度にTPPを獲得することができる。言い換えれば、通信局は、スーパーフレーム毎に送信するビーコンの個数に応じて優先的な送信用のリソースを確保できることになる。ここで、通信局がスーパーフレーム周期の先頭で必ず送信するビーコンのことを「正規ビーコン」、それ以外のタイミングでTPP獲得又はその他の目的で送信する2番目以降のビーコンのことを「補助ビーコン」と呼ぶことにする。
図29には、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ送信を開始するための動作を図解している。
TPP区間内では、通信局は、自局のビーコンを送信した後、より短いバケット間隔SIFSの後に送信を開始することができる。図示の例では、ビーコン送信局はSIFSの後にRTSパケットを送信する。そして、その後も、送信されるCTS、データ、ACKの各パケットも同様にSIFSのフレーム間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連の通信手順を実行することができる。
これに対し、FAP区間では、ビーコン送信局は、他の周辺局と同様にLIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。言い換えれば、すべての通信局にランダムなバックオフにより送信権が均等に与えられることになる。図示の例では、他局のビーコンが送信された後、まずDIFSだけメディア状態を監視し、この間にメディアがクリアすなわち送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行ない、さらにこの間にも送信信号が存在しない場合に、RTSパケットを送信する。なお、RTS信号に起因して送信されるCTS、データ、ACKなどの一連のパケットはSIFSのフレーム間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、一連のトランザクションを実行することができる。
上述した信号の往来管理方法によれば、優先度の高い通信局がより短いフレーム間隔を設定することで優先的に送信権を獲得することができる。
但し、優先送信期間TPPは、基本単位としては最小ビーコン間隔以下の一定期間に固定され、その後はFAPというすべての通信局が共通のIFSとランダム・バックオフで均等な条件で通信権を得る期間へと移行する。このため、通信局が、上位レイヤからの要求により、スーパーフレーム毎に1回のビーコン送信で得られる優先送信期間TPPを超えた通信帯域が必要となった場合には、例えば正規ビーコン以外に補助ビーコンを送信し、さらにTPPの獲得を行なうことができるようになっている。なお、帯域確保を目的とする場合には、優先送信期間TPPを連続的に配置することも許容される。この場合、最小ビーコン間隔を上回る期間にわたりTPPを継続することができる。
図30には、通信局が補助ビーコンという仮想的なビーコンを複数送信して、この優先利用期間を増やす様子を示している。図示の例では、通信局#1は、上位レイヤから要求された通信帯域を確保するために、スーパーフレーム内で空いているビーコン・スロットを発見し、自局の補助ビーコンを配置することにより、1スーパーフレームで複数のTPPを得ている。なお、上記の通り、通信局#1が連続してTPPを確保している区間に関しては、図30においては通信局#1のTPP間に存在しているFAPを排除し、連続したTPPとして利用する場合もある。NBOI情報の交換により自律分散的にスーパーフレームを構築するシステムにおいては、隠れ端末問題も考慮して空きビーコン・スロットを探索することができるので、補助ビーコンを利用した帯域の獲得方法は簡易である。
図31には、本実施形態において、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示している。図示の例では、自局が優先送信権を獲得しているTPP期間に相当する「優先送信モード」と、すべての通信局が優先送信権を得ていないFAP期間に相当する「通常送信モード」という2つの状態が定義されている。
通信局は、通常動作モード下では、PIFS+ランダム・バックオフだけ待機してから送信開始する。
ここで、自局のビーコン送信タイミングTBTTが到来し、ビーコンを送信した後、優先送信モードに遷移し、優先送信期間TPPを獲得する。
優先送信モード下では、SIFSのフレーム間隔で送信することにより、近隣局に邪魔されず、送信権を獲得することができる。
通信局は、上位レイヤから要求される帯域量に相当する長さの優先送信期間TPPだけ優先送信モードを継続する。
そして、TPPが終了し、FAPへ移行したとき、あるいは他局のビーコンを受信したときには、優先送信モードから通常動作モードへ復帰する。
また、図32には、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図についての他の例を示している。図示の例では、自局が優先送信権を獲得しているTPP期間に相当する「優先送信モード」と、すべての通信局が優先送信権を得ていないFAP期間に相当する「通常送信モード」に加え、他局の優先送信期間TPPに相当する「優先送信モード」という状態が定義されている。
通信局は、通常動作モード下では、通常のフレーム間隔PIFSにランダム・バックオフを加えた期間だけ待機してから送信開始する。FAPの期間中はシステム内のすべての通信局は、PIFS+バックオフにて送信する
ここで、自局のビーコン送信タイミングTBTTが到来し、ビーコンを送信した後、優先送信モードに遷移し、優先送信期間TPPを獲得する。
優先送信モード下では、PIFSよりも短いフレーム間隔SIFSの待機時間だけで送信することにより、近隣局に邪魔されず、送信権を獲得することができる。通信局は、上位レイヤから要求される帯域量に相当する長さの優先送信期間TPPだけ優先送信モードを継続する。そして、TPPが終了し、FAPへ移行したときには、通常送信モードへ復帰する。
また、他局からのビーコンを受信し、当該他局の優先送信期間に突入したときには、非優先送信モードに遷移する。非優先送信モード下では、通常送信モード時のフレーム間隔PIFSよりもさらに長いフレーム間隔DIFSにランダム・バックオフを加えた期間だけ待機してから送信開始する。
そして、他局のTPPが終了し、FAPへ移行したときには、通常送信モードへ復帰する。
なお,上記では、通信局は、周辺局のTPP期間においてもDIFSのフレーム間隔にて送信を継続的に試みる場合を例示したが、他局がTPPである期間においては送信を試みずに電源を切るなどしてパワーセーブ状態に入る場合もある。また、DIFSのフレーム間隔にて送信を継続的に試みるのではなく、他の手法によりTPPの開放を確認の後に送信を試みるような利用例もある。
正規ビーコンはネットワーク構築のために送信されるのに対し、補助ビーコンは優先送信期間TPPを獲得する目的で送信されることから、補助ビーコンが正規ビーコンに含まれるすべての情報(後述)が掲載されている必要はない。そのため、補助ビーコンには、TPP獲得に関連する情報のみが含まれている場合もある。極端な例では、補助ビーコンは、本信号がTPPを獲得した上で送信されている旨を記載した1ビット(若しくは数ビット程度)の情報で構成することもできる。
また、自律分散的な通信システムにおいて、補助ビーコンを用いなくても、通信局が優先送信期間TPPを獲得することができる仕組みを実現することができる。補助ビーコンを使用しないシステムでは、通信局が優先送信期間TPPを得て送信する信号の一部に優先送信期間TPPを利用して送信している旨を記載することによっても、補助ビーコンを使用して優先送信期間TPPを獲得したことを報知する場合と同様のネットワーク動作(衝突回避動作)を実現することができる。この点の詳細は後述に譲る。各通信局は、ビーコン信号の報知、若しくはデータ・フレームなどの信号の一部の記載に基づいて互いのスーパーフレーム内の送受信タイミングを通知し合い、自律分散的にCSMA手順によりメディアへのランダム・アクセスを行ないつつ、緩やかな時分割多重アクセスを実現することができる。
なお、ここではビーコン送信局がビーコン送信の直後からTPPが開始する例を示したが、これには限定されるものではなく、例えば、ビーコンの送信時刻から相対位置(時刻)でTPPの開始時刻を設定するようにしてもよい。
また、上記の説明では、TPP中の通信局にのみ優先送信権が与えられるという説明を行なったが、TPP中の通信局に呼び出された通信局にも優先送信権TPPを与える。基本的にTPPにおいては、送信を優先するが、自通信局内に送信するものはないが、他局が自局宛てに送信したい情報を保持していることが判っている場合には、その「他局」宛てにページング(Paging)メッセージあるいはポーリング(Polling)メッセージを投げたりしてもよい。
逆に、ビーコンを送信したものの、自局には何も送信するものがない場合でかつ他局が自局宛てに送信したい情報を保持していることを知らない場合、このような通信局は、通信動作を行なわず、TPPで与えられた送信優先権を放棄し、何も送信しない。すると、DIFS+バックオフあるいはPIFS+バックオフ経過後に他局がこのTPPの時間帯でも送信を開始する。
図6に示したようにビーコン送信した直後にTPPが続くという構成を考慮すると、各通信局のビーコン送信タイミングは密集しているよりも伝送フレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、本実施形態では、基本的に自身が聞こえる範囲でビーコン間隔が最も長い時間帯のほぼ真中でビーコンの送信を開始するようにしている。勿論、各通信局のビーコン送信タイミングを集中して配置し、残りの伝送フレーム周期では受信動作を停止して装置の消費電力を低減させるという利用方法もある。
本実施形態に係る無線ネットワークにおける衝突時の挙動において、ビーコンの衝突回避動作は、正規ビーコン同士の衝突時も、正規ビーコンと補助ビーコンの衝突、並びに補助ビーコン同士の衝突時にもほぼ同様の原理が適応可能である。さらに言えば、優先送信期間TPPの獲得によりスーパーフレーム毎に定期的に送信される信号(データ・フレームなど)も、スーパーフレーム間隔で送受信されるという性質上、衝突の検出並びに衝突の回避動作に関しビーコンと同様に扱うことができる。例えば、補助ビーコン送信が伴われない優先送信期間同士の衝突時の処理においても、ビーコンの場合と同様の衝突検出並びに衝突回避の手順により同様の効果を得ることができる。そこで、以下では、便宜上、正規ビーコンだけでなく、補助ビーコン並びに優先送信期間TPPの衝突に関しても、併せてビーコンの衝突として説明を行なうことにする。
C.ビーコンのフレーム・フォーマット
図7には、本実施形態に係る自律分散型の無線通信システムにおいて送信されるビーコン・フレームのフォーマット一例を示している。
図示の例では、ビーコンには、送信元局を一意に示すアドレスであるTA(Transmitter Address)フィールドと、当該ビーコンの種類を示すTypeフィールドと、周辺局から受信可能なビーコンの受信時刻情報であるNBOI/NBAI(Neighboring Beacon Offset Information/ Neighboring Beacon Activity Information)フィールドと、当該ビーコンを送信したスーパーフレーム周期におけるTBTTオフセット値(前述)を示す情報であるTOIS(TBTT Offset Indication Sequence)フィールドと、TBTTの変更やその他各種の伝達すべき情報を格納するALERTフィールドと、当該通信局が優先的にリソースを確保している量を示すTxNumフィールドと、当該スーパーフレーム周期内で複数のビーコンを送信する場合に当該ビーコンに割り振られた排他的な一意のシリアル番号を示すSerialフィールドなどが含まれている。
Typeフィールドには、当該ビーコンの種類が8ビット長のビットマップ形式で記述される。本実施形態では、ビーコンが、各通信局が1スーパーフレーム毎のその先頭で1回だけ送信する「正規ビーコン」、あるいは優先的送信権を得るために送信されている「補助ビーコン」のいずれであるかを識別するための情報として、プライオリティを示す0から255までの値を用いて示される。具体的には、1スーパーフレーム毎に1回送信することが必須である正規ビーコンの場合は最大のプライオリティを示す255が割り当てられ、補助ビーコンに対してはトラフィックのプライオリティに相当する0から254までのいずれかの値が割り当てられる。
補助ビーコンを使用しないシステムにおいては、予約利用期間又は優先利用期間TPPを設定して定期的に送信する信号(データ・フレームなど)の予約又は優先利用におけるプライオリティを示すために、Typeフィールドを信号の一部に記載することができる。
NBOIフィールドは、スーパーフレーム内において自局が受信可能な周辺局のビーコンの位置(受信時刻)を記述した情報である。本実施形態では、図4に示したように1スーパーフレーム内で最大16個のビーコンを配置なスロットが用意されていることから、受信できたビーコンの配置に関する情報を16ビット長のビットマップ形式で記述する。すなわち、自局の正規ビーコンの送信時刻を基準としてNBOIフィールドの先頭ビット(MSB)にマッピングするとともに、自局が受信可能なビーコンの位置(受信時刻)を自局の正規ビーコンの送信時刻からの相対位置のビットにマッピングし、自局の正規又は補助ビーコンの相対位置(オフセット)並びに受信可能なビーコンの相対位置(オフセット)に対応するビットに1を書き込み、それ以外の相対位置に対応するビット位置は0のままとする。
例えば、図4に示したように最大16局の通信局0〜Fが収容されている通信環境下で、通信局0が「1100,0000,0100,0000」のようなNBOIフィールドを作った場合には、「通信局1並び通信局9からのビーコンが受信可能である」旨を伝えることになる。つまり、受信可能なビーコンの相対位置に対応するビットに関し、ビーコンが受信可能である場合には1がマークされ、受信されてない場合には0すなわちスペースを割り当てる。また、MSBが1になっているのは自局がビーコンを送信しているためで、自局が補助ビーコンを送信している時刻に相当する場所も1をマークする。
なお、上記ではNBOIフィールドがスーパーフレーム中の時刻に対応するビットマップにて送受信されることを想定して説明したが、NBOIフィールドを必ずしもビットマップ形式で構成する必要はなく、スーパーフレーム中のどの時間帯が通信用途に利用されているかを示す情報群で構成され、結果的に上記の処理が施すことが可能な形式で送受信されていれば本発明の目的を達成することができる。
また、上記では送信並びに受信ビーコンの相対位置(時刻)をマークすると説明したが、勿論優先送信期間の時刻をNBOI中にマークすることもでき、これによって、ビーコン同士の衝突に加え、優先送信期間TPPを利用して定期的に送受信されている信号とビーコンとの衝突、並びに定期的な送受信信号同士の衝突を検出することができる。
また、NBAIフィールドは、ビーコン受信の隠れ端末を軽減する目的で、ビーコンのフレーム・フォーマット中にNBAIフィールドが設定されており、NBOIフィールドと同様のフォーマットで「自局が実際に受信処理を行なっているビーコン」を特定する情報が記載される。NBAIフィールドは、NBOIフィールドと同様のフォーマットで、自局の正規ビーコンの送信時刻を基準にビットが配置され、自局が実際に受信処理を行なっているTBTTを特定する情報がビットマップ形式で記載される。
各通信局は、スリープ・モード状態においては他局のビーコンを受信しない。このため、スリープ・モード状態においては、NBAIビットには、オールゼロがセットされた状態で(但し、自局がビーコン送信を行なう時刻を除く)、ビーコンが送信される。一方、他局との通信状態に入ると、周辺局の正規ビーコンを受信する動作を行なう。この場合、NBAIビットには、周辺局の正規ビーコンの受信時刻(TBTT)に対応するビットに1がセットされた状態でビーコンが送信される。
なお、周辺局が補助ビーコンを送信している場合、当該補助ビーコンによる優先的な送信が自局に宛てて行なわれると判断される場合に限り、受信される補助ビーコンの受信時刻(TBTT)に対応するNABIビットに1をセットする。補助ビーコンによる優先的な送信が自局に宛てて行なわれるかどうかは、当該補助ビーコンを送信している通信局との間で通信状態に入っていることを基に判断する。
また、さらに、補助ビーコン毎に当該補助ビーコンに付随するTPPにて送信するデータの宛先がなんらかの手段により指定されている場合、上記データの宛先が自局であると判断される補助ビーコンに限り、当該補助ビーコンの受信時刻(TBTT)に対応するNBAIビットに1をセットする。すなわち、通信局は、当該時間帯に送信される補助ビーコン並びに他局がTPPを利用して送信した信号が自局に宛てて送信されているか(自局が当該信号を受信する必要があるか)否かにより、NBAIビットに1をセットするか否かを判断する。
一方、ビーコンを受信した局側では、受信ビーコン中のNBAIビットを、Rx NBOI Tableを作成したときと同様の手順(前述)により、ビーコン受信時刻に応じてシフトしながらORをとり、当該スーパーフレーム内に設定されている各TBTTにおいて送信不許可処理を行なうか否かを判断する。
該当する時刻のNBAIビットのORをとった結果が1であった場合、通信局は、当該TBTTの時刻あるいはそれに若干先立つ時刻からTBTTオフセットの最大長+ビーコン長にて規定される一定期間に渡り送信不許可状態にし、他局のビーコン受信を妨げないよう考慮する。但し、当該TBTTが自局のビーコン送信時刻であった場合には、送信不許可処理を行なわず、ビーコン情報を含むフレームを送信する。
TOISフィールドでは、上述のTBTTオフセットを決定する擬似ランダム系列が格納されており、当該ビーコンがどれだけのTBTTオフセットを以って送信されているかを示す。TBTTオフセットを設けることにより、2台の通信局がスーパーフレーム上では同じスロットにビーコン送信タイミングを配置している場合であっても、実際のビーコン送信時刻がずらすことができ、あるスーパーフレーム周期にはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレーム周期では各通信局は互いのビーコンを聞き合う(あるいは、近隣の通信局は双方のビーコンを聞く)、すなわち衝突を認識することができる。
図8には、TBTTと実際のビーコン送信時刻を示している。図示のように、TBTT、TBTT+20マイクロ秒、TBTT+40マイクロ秒、TBTT+60マイクロ秒、TBTT+80マイクロ秒、TBTT+100マイクロ秒、TBTT+120マイクロ秒のいずれかの時刻となるようTBTTオフセットを定義した場合、スーパーフレーム周期毎にどのTBTTオフセットで送信するかを決定し、TOISを更新する。
また、他局の信号との衝突の検出などに起因して、送信局が意図した時刻に送信できない場合には、TOISにオールゼロなどを格納し、ビーコンを受信可能な周辺局に対し、今回のビーコン送信タイミングは意図した時刻に行なえなかった旨を伝達する。TOISフィールドの具体的な使用形態については後述に譲る。
ALERTフィールドには、異常状態において、周辺局に対して伝達すべき情報を格納する。例えば、ビーコンの衝突回避などのため自局の正規ビーコンのTBTTを変更する予定がある場合や、また周辺局に対し補助ビーコンの送信の停止を要求する場合には、その旨をALERTフィールドに記載する。ALERTフィールドの具体的な使用形態については後述に譲る。
TxNumフィールドは、当該局がスーパーフレーム周期内で送信している補助ビーコンの個数が記載される。通信局はビーコン送信に続いてTPPすなわち優先送信権が与えられることから、スーパーフレーム周期内での補助ビーコン数は優先的にリソースを確保して送信を行なっている時間率に相当する。
Serialフィールドには、当該スーパーフレーム内で複数のビーコンを送信する場合に当該ビーコンに割り振られたシリアル番号が書き込まれる。ビーコンのシリアル番号として、スーパーフレーム内に送信する各々のビーコンに排他的で一意の番号が記載される。本実施形態では、自局の正規ビーコンを基準に、何番目のTBTTで送信している補助ビーコンであるかを示す相対時刻情報をシリアル番号としてSerialフィールドに記載される。
なお、正規ビーコンはネットワーク構築のために送信されるのに対し、補助ビーコンは優先送信期間TPPを獲得する目的で送信されることから、正規ビーコンに含まれるすべての情報(後述)が掲載されている必要はない。そのため、補助ビーコンには、TPP獲得に関連する一部の情報のみが含まれている場合もある。
また、補助ビーコンを使用しないシステムでは、優先送信期間TPPを得て送信する信号の一部に優先送信期間を利用して送信している信号に正規ビーコンと同様の情報を記載することにより、優先送信期間TPPを利用して定期的に送受信されている信号とビーコンとの衝突、並びに定期的な送受信信号同士の衝突を、ビーコン同士の衝突と同様に扱うことができる。
例えば、優先送信期間TPPに対しプライオリティを設定する場合には、補助ビーコン又は優先送信期間を利用して定期的に送信される信号にもTypeフィールドを含める必要がある。
また、優先送信期間TPPを利用して定期的に送信される信号の送信タイミングにランダムなオフセットを与える場合や、衝突回避のために定期的な送受信信号の送信タイミングを変更するメカニズムを採用する場合には、補助ビーコン又は優先送信期間を利用して定期的に送信される信号にもTOISフィールドを含める必要がある。
また、ビーコンとの衝突検出のために、優先送信期間TPPを利用して定期的に送信される信号の送信タイミングと正規ビーコンとの相対時刻位置(正規ビーコンからのオフセット)を通信局同士で通知し合いたい場合には、補助ビーコン又は優先送信期間を利用して定期的に送信される信号にもSerialフィールドを含める必要がある。
D.正規ビーコンのTBTTの設定
通信局は電源投入後、まずスキャン動作すなわちスーパーフレーム長以上にわたり連続して信号受信を試み、周辺局の送信するビーコンの存在確認を行なう。この過程で、周辺局からビーコンが受信されなかった場合には、通信局は適当なタイミングをTBTTとして設定する。一方、周辺局から送信されるビーコンを受信した場合には、周辺局から受信した各ビーコンのNBOIフィールドを当該ビーコンの受信時刻に応じてシフトしながら論理和(OR)をとって参照することにより、最終的にマークされていないビット位置に相当するタイミングの中からビーコン送信タイミングを抽出する。
基本的には、通信局はビーコン送信の直後に優先利用領域(TPP)を獲得することから、各通信局のビーコン送信タイミングはスーパーフレーム周期内で均等に分散している方が伝送効率上より好ましい。したがって、周辺局から受信したビーコンから得たNBOIのORをとった結果、スペースのランレングスが最長となる区間の中心をビーコン送信タイミングとして定める。
なお、ランレングスが最長となるTBTT間隔が最小のTBTT間隔よりも小さい場合(すなわちBmin以下の場合)には、新規通信局はこの系に参入することができない。
また、他の実施形態においては、通信局の属性などに応じて、既に送信されているビーコンの直後など隣接する時刻に自局のビーコン送信時刻TBTTを設定する場合もある。この場合、実際に通信を行なう通信局の間でビーコン送信時刻をまとめるよう配慮するなどの処理が付加されることになる。
図9には、新規に参入した通信局が周辺局から受信したビーコンから得た各ビーコンのNBOIに基づいて自局のTBTTを設定する様子を示している。同図に示す例では、新規に登場した通信局Aに着目し、通信局Aの周辺には通信局0、通信局1、通信局2が存在しているという通信環境を想定している。そして、通信局A は、スキャン動作によりスーパーフレーム内にこの3つの局0〜2からのビーコンが受信できたとする。
周辺局のビーコン受信時刻を自局の正規ビーコンに対する相対位置として扱い、NBOIフィールドはこれをビットマップ形式で記述している(前述)。そこで、通信局Aでは、周辺局から受信できた3つのビーコンのNBOIフィールドを各ビーコンの受信時刻に応じてシフトし、時間軸上でビットの対応位置を揃えた上で、各タイミングのNBOIビットのORをとることで、NBOIを統合して参照する。
周辺局のNBOIフィールドを統合して参照した結果、得られている系列が図9中“OR of NBOIs”で示されている「1101,0001,0100,1000」である。1はスーパーフレーム内で既にTBTTが設定されているタイミングの相対位置を、0はTBTTが設定されていないタイミングの相対位置を示している。この系列において、スペース(ゼロ)が最長ランレングスとなる場所が新規にビーコンを配置する候補となる。図9に示す例では、最長ランレングスが3であり、候補が2箇所存在していることになる。そして、通信局Aは、このうち15ビット目を自局の正規ビーコンのTBTTに定めている。
通信局Aは、15ビット目の時刻を自局の正規ビーコンのTBTT(すなわち自局のスーパーフレームの先頭)として設定し、ビーコンの送信を開始する。このとき、通信局Aが送信するNBOIフィールドは、ビーコン受信可能な通信局0〜2のビーコンの各受信時刻を、自局の正規ビーコンの送信時刻からの相対位置に相当するビット位置をマークしたビットマップ形式で記載したものである、図9中の“NBOI for TX (1 Beacon TX)”で示す通りとなる。
なお、通信局Aが補助ビーコンを送信するなどにより優先送信権利を得る際には、さらにこの後、周辺局のNBOIフィールドを統合した“OR of NBOIs”で示されている系列のスペース(ゼロ)の最長ランレングスを探し、探し当てたスペースの箇所に補助ビーコン(優先送信期間)の送信時刻を設定する。図9に示す例では、2つの補助ビーコンを送信する(すなわち、2つの優先送信期間を獲得する)場合を想定しており,“OR of NBOIs”の6ビット目と11ビット目のスペースの時刻に補助ビーコンの送信タイミング(優先送信期間の設定タイミング)を設定している。この場合、通信局Aが送信するNBOIフィールドは、自局の正規ビーコン並びに周辺局から受信するビーコンの相対位置に加え、さらに自局が補助ビーコンの送信を行なっている箇所(正規ビーコンに対する相対位置)にもマークされ、“NBOI for TX (3 Beacon TX)”で示されている通りとなる。
各通信局が上述したような処理手順で自局のビーコン送信タイミングTBTTを設定してビーコンの送信を行なう場合、各通信局が静止して電波の到来範囲が変動しないという条件下では、ビーコンの衝突を回避することができる。また、送信データの優先度に応じて、補助ビーコン(又は複数のビーコンに類する信号)をスーパーフレーム内で送信するなどにより優先送信期間を設定することにより、ある時間帯に特定通信局間での通信に優先的にリソースを割り当て、QoS通信を提供することが可能である。また、周辺から受信したビーコン数(NBOIフィールド)を参照することにより、各通信局がシステムの飽和度を自律的に把握することができるので、分散制御システムでありながら、通信局毎に系の飽和度を加味しつつ優先トラヒックの収容を行なうことが可能となる。さらに、各通信局が受信ビーコンのNBOIフィールドを参照することで、ビーコン送信時刻は衝突しないように配置されるので、複数の通信局が優先トラヒックを収容した場合であっても、衝突が多発するといった事態を避けることができる。
E.ビーコン衝突シナリオと衝突回避手順
各通信局が静止して電波の到来範囲が変動しないという条件下では、ビーコンの衝突を回避することができる(前述)。これに対し、通信局が移動するなどにより電波の到達範囲が変動する場合、各通信局が送信するビーコンが衝突するケースが発生する。
図10には、電波の到来範囲の変動によりビーコンが衝突する様子を示している。同図では、ネットワークを構築している系同士が接近してくる場合である。
図10上段では、通信局STA0とSTA1は、通信局STA2とSTA3とは電波の届かない範囲に存在しており、STA0とSTA1が通信を行なっている。また、これとは全く独立してSTA2とSTA3が通信を行なっている。この場合、系毎に独立して各局のビーコン送信タイミングを設定することになるが、図10上段の右側に記されている通り、互いに認識していない局同士で運悪く重なってビーコン送信タイミングが設定されているとする。
その後、各局(電波の到来範囲)が移動し、図10下段に示すように各局が送受信可能な状態になると、各局のビーコンが衝突するという事態に陥る。
このような場合、衝突を起こした少なくとも一方の局がビーコンの送信時刻を変更して衝突を回避する必要がある。図11には、衝突の検出並びにTBTT変更手順の一例を示している。ここでは、STA0の送信するビーコンのTBTTとSTA2の送信するビーコンのTBTTが時刻TBTT0にて完全に一致してしまっている場合を例示している。
時刻T0では、STA0とSTA2ともビーコン送信のTBTTとなり、時刻T0から各々TBTTオフセットだけずれた時刻にビーコンを送信する。時刻T0では、STA0のTBTTオフセットとSTA2のTBTTオフセットがたまたま同じであったため、両ビーコンは衝突し、STA0とSTA2はともにビーコンが衝突していることを検知することができない。但し、各通信局は、送信動作と受信動作を同時に起動することができないものとする。
次のスーパーフレームが訪れ、時刻T1でSTA0とSTA2がともにTBTTを迎えるため、再度ビーコンの送信処理が起動される。ここで、STA2はTBTTオフセットがゼロである一方、STA0はTBTTオフセットとして比較的大きな値が選択されたとする。TBTTオフセットにより実際のビーコン送信時刻をずらすことで、あるスーパーフレーム周期にはビーコンが衝突しても、別のスーパーフレーム周期では各通信局は互いのビーコンを聞き合うことができる。
図示の場合、STA0は、ビーコン送信の前後では受信機を動作させるため、STA2が自局のTBTT時刻近辺にてビーコンを送信していることを認識する。同じくSTA2は、ビーコン送信の前後では受信機を動作させるため、STA0が自局のTBTT時刻近辺にてビーコンを送信していることを認識する。なお、自局のTBTTの近辺でビーコンが受信されたか否かの判断は、自ビーコンのTBTT±Bmin/2の範囲内でビーコンが受信されたか否かにて判断する。
ここで、STA0は、自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことを理由に、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更することを決定する。一方、STA2は、自ビーコンのTBTT時刻近辺にてビーコンが受信されたものの、自局のビーコン送信の後にビーコンを受信したことを理由に、TBTTの変更は行なわない。
また、STA0並びにSTA2ともデータの送受信を行なっておらずパワーセーブ状態であった場合であっても、信号送信時には、自局が信号を送信する前後の一定期間は受信動作を行なうこと、すなわちListen Before Send及びListen After Sendが義務付けられており、このような受信動作により、各通信局は互いのビーコンを認識することが可能である。
STA0は、ビーコン送信位置を変更する場合、送信するビーコンのALERTフィールドにて、TBTTを変更する旨を周辺局に報知する(ALERTフィールドは、異常状態において周辺局に伝達すべき情報を格納するフィールドである)。さらに、STA0は、新規のTBTTを決定するための情報を収集するため、少なくとも1スーパーフレーム分だけスキャンを実行する。
図11に示す例では、STA0は時刻T1近辺においてビーコン衝突を認識し、直ちにTBTT変更処理を起動しているが、通信局内部の処理遅延などにより、この処理が1乃至2スーパーフレームだけ遅れて実行される場合もある。
そして、STA0は、図9を参照しながら説明した上記の手順により空きのTBTTを見つけると、TBTT1を新規のTBTTとして設定し、時刻T2ではビーコンの送信を行なわず、代わりに時刻T3にてビーコンの送信を行ない、以降、TBTT1のタイミングでTBTTオフセットを付加しながら定期的にビーコンの送信を行なう。
一方、STA2は、何事もなかったかのように時刻T2にてビーコンを送信し、以降もTBTT0のタイミングにてTBTTオフセットを付加しながらビーコン送信を継続する。図11で示した例では、STA2はTBTTの変更は行なわないが、STA0のビーコンを受信したことによりネットワークが交錯したことを認識し、ネットワークの状況を把握する目的でスキャン処理を行なう場合もある。
なお、通信局は、ALERTフィールドにてTBTTを変更する旨を報知しているビーコンや、これまで受信できていたビーコンのTBTT近辺でビーコンが送信されていないことを認識した場合には、当該ビーコンの新規TBTTがどこに決定されたかを把握するために、スキャンを実行する(図示しない)。
また、自局のビーコン送信時刻の直後に他局のビーコンを受信したときに、直後に受信したビーコンの送信元に対してビーコン送信時刻を変更するように要求してもよい。図12には、ビーコン衝突時に一方の局が他方の局へビーコン送信時刻の変更要求メッセージを送ることによるTBTT変更手順の一例を示している。
時刻T1でSTA0とSTA2がともにTBTTを迎えると、互いにビーコンの送信処理が起動される。ここで、STA2はTBTTオフセットがゼロである一方、STA0はTBTTオフセットとして比較的大きな値が選択されたとする。この場合、STA0は、ビーコンなどの信号送信の前後では受信機を動作させるため、STA2が自局のTBTT時刻近辺にてビーコンを送信していることを認識する。同じくSTA2は、ビーコン送信の前後では受信機を動作させるため、STA0が自局のTBTT時刻近辺にてビーコンを送信していることを認識する。
ここで、STA2は、STA0に対して「TBTTを変更して欲しい旨」のメッセージを送信する。STA0は、パワーセーブ状態であってもビーコンなどの信号送信の前後ではしばらくの間にわたり受信機を動作させるため(前述)、このメッセージを受信することができる。
これに対し、STA0は、TBTT変更要求メッセージを受信したことに応答して、送信するビーコンのALERTフィールドにて、TBTTを変更する旨を周辺局に報知する。さらに、STA0は、新規のTBTTを決定するための情報を収集するため、少なくとも1スーパーフレーム分だけスキャンを実行する。
そして、STA0は、図9を参照しながら説明した上記の手順により空きのTBTTを見つけると、TBTT1を新規のTBTTとして設定し、時刻T4ではビーコンの送信を行なわず、代わりに時刻T5にてビーコンの送信を行ない、以降、TBTT1のタイミングでTBTTオフセットを付加しながら定期的にビーコンの送信を行なう。
一方、STA2は、何事もなかったかのように時刻T2にてビーコンを送信し、以降もTBTT0のタイミングにてTBTTオフセットを付加しながらビーコン送信を継続する。図12で示した例では、STA2はTBTTの変更は行なわないが、STA0のビーコンを受信したことでネットワークが交錯したことを認識し、ネットワークの状況を把握する目的でスキャン処理を行なう場合もある。
なお、上述した処理手順では、ビーコンの衝突時には、自局のビーコン送信時刻の直前で他局のビーコンを受信した通信局が、自らのビーコン送信時刻を変更するというルールになっているが、逆に、自局のビーコン送信時刻の直後に他局のビーコンを受信したときに自らのビーコン送信時刻を変更するようにしてもよい。
以下では、本実施形態に係る自律分散型の無線ネットワークにおいて、通信局が信号の衝突検出に関する動作についてさらに詳細に説明する。図33〜図37には、データを送受信している通信局のビーコンが衝突した場合を例にとり衝突の検出手順の幾つかの例を示している。衝突が検出された後には,必要に応じて,すでに説明した手順にてTBTT変更手順が起動される。
図33には、STA0とSTA2のビーコン送信時刻の衝突が発生し、且つSTA0がSTA1宛てにデータの送信を継続している場合の一例を示している。
時刻T0でSTA0とSTA2がともにTBTTを迎えると、互いにビーコンの送信処理が起動される。ここで、STA2のTBTTオフセットがSTA0のTBTTオフセットよりも比較的大きな値が選択されたとする。
STA0が予定通りにビーコンを送信する(図中B0)。STA2は、ビーコンなどの信号送信の前後では受信機を動作させるため、STA0が自局のTBTT時刻近辺にてビーコンを送信していることを認識する。さらにSTA2はCSMA/CAの手順に則り、他局の信号が存在する間はNAVを設定して信号の送信動作を控える。その結果、本来時刻T1にてビーコンを送信する予定であったものが遅延させられることになる。
STA0は引き続きデータをSTA1に対して送信する(図中D0)。当該データのDurationフィールドにはバーチャル・キャリア・センスの目的でACKを受信する時刻までの時間長が書き込まれており、STA2はこれを解釈して時刻T2までは信号の送信を控える。
その後、STA2は、時刻T2からPIFS(あるいはSIFS)+ランダムな遅延量(例えばTBTTオフセット)が経過した後、信号送信可能状態へと遷移し、時刻T3にてビーコンを送信する(図中B2)。
STA0は、信号送信の前後では受信機を動作させるため、STA2が自局のTBTT時刻近辺にてビーコンを送信していることを認識する。
STA2は、自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことを理由に、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更することを決定する。一方、STA0は、自ビーコンのTBTT時刻近辺にてビーコンが受信されたものの、自局のビーコン送信の後にビーコンを受信したことを理由に、TBTTの変更は行なわない。
STA2は、ビーコン送信位置を変更する場合、送信するビーコンのALERTフィールドにて、TBTTを変更する旨を周辺局に報知しつつ、スキャンを実行し、衝突が発生しない新規の空きTBTTを見つけ出して、自局のTBTTを空きTBTTへと変更する。
一方、STA0は、何事もなかったかのようにビーコン送信を継続するが、STA2のビーコンを受信したことでネットワークが交錯したことを認識し、ネットワークの状況を把握する目的で、スキャン処理を行なう場合もある。
図34には、STA0の信号送信とSTA2のビーコン送信時刻と衝突が発生した場合の一例を示している。
STA0は、STA1に向けて時刻T0にRTSを、時刻T1にデータを送信する。STA2は、時刻T2にてビーコンを送信しようと試みているため、Listen Before Sendにより受信機を動作させており、STA0の信号を受信することができる。そして、STA2は、CSMA/CAの手順に則り、他局の信号が存在する間は信号の送信を控える。さらに、STA2は、受信した信号のDurationフィールドを解析することにより、ACKを受信するまでの時刻T3までは送信を控える。その結果、本来時刻T2にてビーコンを送信する予定であったものが遅延させられることになる。
この時点で、STA2は、定期的に送信される信号が衝突していることを既に検出している。STA2は、時刻T3からPIFS(あるいはSIFS)+ランダムな遅延量(例えばTBTTオフセット)が経過した後、信号送信可能状態へと遷移し、時刻T4にてビーコンを送信する。このとき、STA2は自局の意図した時刻にビーコンを送信できなかった旨をTOISフィールドに記載する。
STA0は、信号送信の前後では受信機を動作させる。図示の例では、Listen After SendによりSTA2が自局の信号終了直後にビーコンを送信していることを認識し、STA2の存在を確認することができる。且つ、STA2から受信したビーコンのTOISフィールドを参照することにより、送信局が意図した時刻に送信できていないことを認識し、自局の送信信号がSTA2のビーコン送信時刻を妨害したものと判断し、信号の衝突を検出する。
STA2は、STA0の信号がTPPで送信されていることを何らかの理由(例えば補助ビーコンに引き続き送信されていることや、送信信号の一部にTPPであることが記載されていること)により認識した場合には、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更する場合がある。一方、STA0の信号がTPPで送信されていないなどSTA2がTBTTを変更しない場合には、STA0は、このTBTT近辺ではSTA2のビーコンが送信されることを認識し、今後STA2のビーコン送信を妨げないようSTA0がこの時間帯において送信を不許可とする。
STA0並びSTA2は、互いに衝突を検出したことに基づいて、ネットワークが交錯したことを認識することができる。このような場合、各局は、ネットワークの状況を把握する目的で、スキャン処理を行なう場合もある。
図35には、STA0の信号受信とSTA2のビーコン送信時刻と衝突が発生した場合の一例を示している。
STA0は、データの送信元であるSTA1に向けて時刻T1にCTSを送信する。STA2は、時刻T1をTBTTとして、この時刻からTBTTオフセットだけ遅れた時刻T2にてビーコンを送信しようと試みており、Listen Befor Sendにより受信機を動作させていることから、このCTS信号を受信することができる。そして、STA2は、CSMA/CAの手順に則り、他局の信号が存在する間は信号の送信を控える。さらに、STA2は、受信した信号のDurationフィールドを解析することにより、データを受信するまでの時刻T3までは送信を控える。その結果、本来時刻T2にてビーコンを送信する予定であったものが遅延させられることになる。
この時点で、STA2は、定期的に送信される信号が衝突していることを既に検出している。STA2は、時刻T3からPIFS(あるいはSIFS)+ランダムな遅延量(例えばTBTTオフセット)だけ経過した後、信号送信可能状態へと遷移し、時刻T4にてビーコンを送信する。このとき、STA2は自局の意図した時刻にビーコンを送信できなかった旨をTOISフィールドに記載する。
STA0は、信号送信の前後では受信機を動作させ、Listen After SendによりSTA2が自局の信号の受信を終了した直後にビーコンを送信していることを認識し、STA2の存在を確認することができる。且つ、STA2から受信したビーコンのTOISフィールドを参照することにより、STA2が意図した時刻に送信できていないことを認識し、自局の送信信号がSTA2のビーコン送信時刻を妨害したものと判断し、信号の衝突を検出する。
STA2は、STA0の信号がTPPにて受信されていることを何らかの理由(補助ビーコンに引き続き送信されているなど)により認識した場合には、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更する場合がある。一方、STA0の信号がTPPで受信されていないなどSTA2がTBTTを変更しない場合には、STA0は、このTBTT近辺ではSTA2のビーコンが送信されることを認識し、今後はSTA2のビーコン送信を妨げないように、STA1に対して送信を不許可とするための手順を起動し、STA0がこの時間帯において受信を行なわないようにする。
STA0並びにSTA2は、互いに衝突を検出したことを基づいてネットワークが交錯したことを認識し、ネットワークの状況を把握する目的で、スキャン処理を行なう場合もある。
図34で説明した例では、各通信局がDurationフィールドを認識することを前提に説明を行なう。Durationフィールドの認識は好ましい処理ではあるが、Durationフィールドの認識が行なわれない場合の衝突検出について説明する。図36には、STA0の信号送信とSTA2のビーコン送信時刻と衝突が発生した場合の一例を示している。
STA0は、データを送信するが、このデータ送信途中にSTA2のTBTT(図中時刻T1)が訪れる。STA2は時刻T1にてビーコンを送信しようと試み、Listen Before Sendにより受信機を動作させているため、STA0からの信号を受信する。STA2はCSMAの手順に則り、他局の信号が存在する間は信号の送信を控え、時刻T2までは送信不許可とする。その結果、本来時刻T1にてビーコンを送信する予定であったものが遅延させられることになる。
この時点で、STA2は、定期的に送信される信号が衝突していることを既に検出している。STA2は、時刻T2からDIFS+ランダムな遅延量(例えばTBTTオフセット)だけ経過した後、信号送信可能状態へと遷移し、時刻T3にてビーコンを送信する。このとき、STA2は自局の意図した時刻にビーコンを送信できなかった旨をTOISフィールドに記載する。
STA0はこの間にSTA1よりACKを受信しているが、DIFSがACK受信に要する時間よりも長ければ、STA2がこのACK受信を妨げることはない。STA0は、信号送信の前後では受信機を動作させるため、Listen After SendによりSTA2が時刻T3で送信するビーコンを受信し、STA2の存在を確認することができる。且つ、STA0はSTA2から受信したビーコンのTOISフィールドを参照することにより、STA2が意図した時刻に送信できていないことを認識し、自局の送信信号がSTA2のビーコン送信時刻を妨害したものと判断し、信号の衝突を検出する。
STA2は、STA0の信号がTPPで送信されていることを何らかの理由(補助ビーコンに引き続き送信されていることや、ことSTA0の送信信号の一部にTPPで送信されている旨が記載されていることなど)により認識した場合には、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更する場合がある。一方、STA0の信号がTPPで送信されていないなどSTA2がTBTTを変更しない場合には、STA0が、このTBTT近辺ではSTA2のビーコンが送信されることを認識し、今後STA2のビーコン送信を妨げないようSTA0がこの時間帯において送信を不許可とする。
STA0並びにSTA2は、互いに衝突を検出したことに基づいてネットワークが交錯したことを認識し、ネットワークの状況を把握する目的でスキャン処理を行なう場合もある。
なお、上述した処理手順では、ビーコンの衝突時には、自局のビーコン送信時刻の直前で他局のビーコンを受信した通信局が、自らのビーコン送信時刻を変更するというルールになっているが、逆に、自局のビーコン送信時刻の直後に他局のビーコンを受信したときに自らのビーコン送信時刻を変更するようにしてもよい。
衝突回避手順の動作例:
続いて、図36で示した動作例と同様、Durationフィールドの認識が行なわれない場合やRTS/CTS手順が併用されない場合の衝突検出について、もう一例を挙げて説明する。図37には、STA0の信号受信とSTA2のビーコン送信時刻と衝突が発生した場合の一例を示している。
STA0は、データの送信元であるSTA1からデータを受信している。このデータ受信の最中にSTA2のTBTT(図中時刻T1)が訪れる。STA2は信号送信(ビーコン送信)に先立ち、Listen Before Sendにより受信機を動作させてはいるものの、隠れ端末であるSTA1からの送信データを直接受信することはできないため、STA0の存在を未だ検出しておらず、予定通り時刻T1にてビーコンを送信する。
STA0は、STA2からのビーコンの送信信号により、STA1からの受信信号は干渉を受け、データは正確に受信されない。STA0は、データ受信の後、データが受信できなかった旨をNACKとしてSTA1に返送する。
STA2は、信号送信の後もListen After Sendにより一定期間受信機を動作させているため、STA0のNACKを受信することができる。STA2は、自局の信号直後にSTA1からNACKを受信したことから、先の自局の信号送信によりSTA1がデータの受信に失敗したものと判断し、自局のビーコンが他局の信号受信と衝突したことを検出する。
STA2は、この直後に、STA0に対して「この時間帯はSTA2のビーコン送信に用いている旨」を伝える信号をSTA0に送信し(図示せず)、STA0に信号受信タイミングの変更を促す場合がある。一方、STA2がこれを行なわない場合には、STA2が自律的にTBTTを変更することがある。
STA2(並びにSTA0)は、互いに衝突を検出したことに基づいてネットワークが交錯したことを認識し、ネットワークの状況を把握する目的でスキャン処理を行なう場合もある。
図33〜図37では、他局の信号とビーコンが衝突する場合について例示したが、他局の信号と定期的に行なわれる優先送受信の信号が衝突した場合においても、全く同じ手順となる。
電波到来範囲の変化などによりビーコンの衝突が発生した際、上述したように衝突を起こした通信局の一方がビーコン送信時刻を移動する(TBTT変更)という上記の手順を以って衝突回避を行なう場合、さらに以下の付帯事項が加味される。
上記の例では、STA0は自ビーコン送信の直前で他局のビーコンを受信すると即座にTBTT変更処理を起動しているが、STA0が新規TBTTを設定して間もない場合にはTBTT変更処理を例外的に起動しないようにする。ここで言う「間もない」とは、例えば新規TBTTを設定してから1乃至3スーパーフレーム内に相当する。何故ならば、比較的規模の大きなネットワーク同士が衝突した場合、他の通信局のTBTT変更により衝突が回避される可能性があり、異常状態が整定されるまで待機すべきだからである。また、衝突相手となるネットワークが過ぎ去ってしまい、異常状態が整定される可能性もあるからである。
さらに、自ビーコン送信の直前で他局のビーコンを受信したものの、受信ビーコンのALERTフィールドにより当該ビーコンのTBTTが変更される旨が報知されていた場合にも、例外的にTBTT変更処理を起動しない。TBTT変更処理によりビーコン衝突が自ずと解決されるからである。
これらの付帯条件を加味することにより、複数の通信局が同時にTBTTを変更する場合に、TBTT変更の発振を防ぐことに貢献できる。
また、自ビーコン送信の直前で他局のビーコンを受信したものの、受信ビーコンのTYPEフィールドで示されるプライオリティ値が、当該TBTTで送信する自ビーコンのプライオリティ値よりも低い場合には、例外的にTBTT変更処理を起動しない。この場合、逆にプライオリティ値の低いビーコンを送信している方の局がTBTT変更処理を起動することになる。例えば、一方の通信局の正規ビーコンと他方の通信局の補助ビーコンが衝突した場合には、補助ビーコンの方のTBTTを移動すべきである。また、補助ビーコン同士が衝突した場合には、トラフィックのプライオリティが高い方が優先され、プライオリティの低い方を移動(あるいは排除)すべきである。
図13には、電波到来範囲の変化などによりビーコンの衝突が発生した際に、衝突を起こした通信局の一方がビーコン送信時刻を移動すること(TBTT変更)によりビーコンの衝突を回避するために、通信局毎に実行される装置動作をフローチャートの形式で示している。このような装置動作は、実際には無線通信装置100内の中央制御部103において所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
当該動作は、通信局が自局の送信ビーコンの衝突を検出したことに応答して起動する。まず、自局において最近にTBTT変更が発生したかどうかをチェックする(ステップS1)。
最近にTBTTが変更していない場合には、さらに、受信したビーコンのALERTフィールドでTBTTを変更する旨が記載されているかどうかをチェックする(ステップS2)。
ステップS1及びS2において、自局においても周辺局においても最近でのTBTTの変更が確認されなかった場合には、自局側の送信ビーコンのプライオリティと受信ビーコンのTypeフィールドに記載されているプライオリティを比較する(ステップS3)。
そして、他局から受信したビーコンのプライオリティの方が自局側の送信ビーコンのプライオリティよりも低くない場合には、逆に、他局から受信したビーコンのプライオリティの方が自局側の送信ビーコンのプライオリティよりも高いかどうかをチェックする(ステップS4)。
他局から受信したビーコンのプライオリティの方が自局側の送信ビーコンのプライオリティよりも高い場合には、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更することを決定する。この場合、当該通信局は、図11を参照しながら説明したように、新規のTBTTを決定するための情報を収集するため、少なくとも1スーパーフレーム分だけスキャンを実行し、TBTTを変更する旨をALERTフィールドに記載したビーコンを周辺局に報知し、さらに図9を参照しながら説明した上記の手順により空きのTBTTを発見してビーコンの移動先を検出する(ステップS6)。そして、新規のTBTTにてビーコンを送信することにより、ビーコン送信タイミングの移動先を周辺局に報知する。
また、ステップS4において、受信した他局のビーコンのプライオリティが自局側の送信ビーコンのプライオリティよりも高くない、すなわち両ビーコンのプライオリティが一致する場合には、受信ビーコンの受信時刻が自局のビーコン送信時刻よりも早いかどうかをチェックする(ステップS5)。
他局からの受信ビーコンのタイミングの方が早い場合には、自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことを理由に、自局のTBTTすなわちビーコン送信位置を変更することを決定する。すなわち、当該通信局は、新規のTBTTを決定するための情報を収集するため少なくとも1スーパーフレーム分だけスキャンを実行し、TBTTを変更する旨をALERTフィールドに記載したビーコンを周辺局に報知し、さらに空きのTBTTを発見してビーコンの移動先を検出する(ステップS6)。そして、新規のTBTTにてビーコンを送信することにより、ビーコン送信タイミングの移動先を周辺局に報知する。
信号送信タイミングが完全に一致した場合の衝突回避手順:
ここまでは、ビーコン送信並びに優先送受信区間TPPはTBTTを基準とした時刻から若干のランダムな遅延を伴って開始されることを前提に説明してきた。このランダム遅延が存在することから、スーパーフレーム内での信号の送信タイミングTBTTが重なっていたとしても衝突時には双方の信号を発見できる場合が典型的ではある。ところが、場合によっては、衝突している信号同士が、TBTTに加えこのランダム値さえも全く一致してしまっていることが発生し得る。このような場合、衝突信号が常に同一のタイミングで送信されてしまい、衝突を起こした通信局はそれぞれ送信動作を行なっているため互いの信号を検出することができず、当該時間帯において信号が衝突してしまっていることを認識できない。
このような場合,衝突が発生している特定の時間帯に送受信される信号のクオリティが大幅に劣化し、この時間帯のみ通信断絶が発生する。そこで、通信局は、特定の時間帯においてTPPにより送信している信号のクオリティが大幅に劣化したと判断したときに、当該時間帯のTPPを開放することにより、信号の衝突を解消することができる場合がある。
ここで、信号のクオリティが大幅に劣化したと判断する事象としては、特定の時間帯のみ受信信号にエラーが多発し通信断絶状態が続いたこと、特定の時間帯のみACKの返信がない状態が続いたこと、特定の時間帯のみ低データレートでの通信を要求されたことなどが挙げられる。
このような理由によりTPPを開放した通信局は、ランダム・バックオフを伴うCSMA/CAに基づくアクセス方法にてデータの送受信を継続しながら、隠れているかもしれない他局のビーコン信号などの検出を試みるために、受信機を連続的に動作させスキャン処理を起動する。この過程において、新規通信局のビーコンを発見すると、上述した手順に従い、ビーコンに記載されている情報を解析し、近隣通信局のメディア占有状態を抽出し、衝突回避に努める。
図38には、衝突している信号同士がTBTTに加えこのランダム値さえも完全に一致してしまっている場合における衝突回避動作を含んだ通信手順をフローチャートの形式で示している。
通信局は、スーパーフレーム内でビーコン又は優先送信期間TPPの信号送信タイミングTBTTを設定し(ステップS31)、当該設定した送信タイミングによりこれらの信号の送受信を行なう(ステップS32)。
通信局自体は、当該送信タイミングTBTTにおいて送信動作を行なうため、TBTTのみならずランダム値すなわちTBTTオフセットまでも完全に一致する場合には、自ら衝突を検出することはできない。このため、数スーパーフレームにまたがって定期的な当該信号送信動作を継続する。この結果、信号のクオリティが大幅に劣化するという事態が検出される(ステップS33)。ここで言う信号のクオリティの劣化は、同じ特定の時間帯のみ受信信号にエラーが多発し通信断絶状態が続いたこと、特定の時間帯のみACKの返信がない状態が続いたこと、特定の時間帯のみ低データレートでの通信を要求されたことなどの症状として検出される。
当該通信局は、このような信号のクオリティの劣化を検出すると、スーパーフレーム内で他の使用可能な送受信タイミングを検索し(ステップS34)、発見されれば、クオリティが劣化した送信区間を開放し(ステップS35)、劣化した当該定期的な送信信号の新たな送信タイミングTBTTに設定する。
新たな送信タイミングTBTTは、ビーコンに記載して周辺局に報知されるとともに、新たな送信タイミングTBTTで定期的な信号を送信すること自体により周辺局に通知することができる。
正規ビーコンを受信できない場合の衝突回避手順:
補助ビーコンや優先送信期間TPPを利用して定期的に送受信される信号には、正規ビーコンに記載されているすべての情報(図7を参照のこと)が記載されていない場合もある。この場合、補助ビーコン同士の衝突、優先送信期間TPPを利用して定期的に送受信される信号とビーコンの衝突、又は定期的な送受信信号同士の衝突が生じたとしても、その他の時間帯のメディア占有情報までは検出することができない。また、スキャン処理を行なっても、間が悪くTBTTオフセットまでも完全に一致するなどにより当該通信局の正規ビーコンの送信時間帯に他信号を送信しているなどの理由により、正規ビーコンを受信できない場合も考えられる。
このような場合、補助ビーコンや優先送信期間TPTTを利用して定期的に送信される信号にSerialフィールドを設け、自局の正規ビーコンを基準に何番目のTBTTで送信している信号であるかを示す相対時刻情報を記載することにより、補助ビーコン又は定期的な送信信号を受信した通信局は、当該補助ビーコン送信局の正規ビーコンの送信時刻を抽出することができる。
図39には、補助ビーコン又は定期的な送信信号に付加されたSerialフィールドの記載内容に基づいて信号の衝突回避を行なうための通信動作例を示している。同図では、STA0とSTA1が各々図示しない他の通信局と通信中であり、それぞれ独立したネットワークとして動作していたが、通信局の移動やネットワーク間を遮っていた障壁の除去などによりSTA0とSTA1が電波の到達範囲に入ってきた場合を想定している。また、同図では、スーパーフレーム中にT0からT7までの8つのTBTTが設定されているものとする。
図39最上段が初期状態である。時刻T0と時刻T2において、両者の正規ビーコンが他方の補助ビーコンと衝突している。ここで、TBTTオフセットが一致し続けたなどの理由により、互いの正規ビーコンの受信が連続的に不可能である場合を想定する。この場合、STA1は、STA0の正規ビーコンを受信できず、同様にSTA0はSTA1の正規ビーコンを受信できない。
その後、STA1は、時刻T4、時刻T6に送信されるSTA0の補助ビーコン並びに優先送信期間TPPを利用した送信信号を受信することができる。この場合、STA1は、時刻T4、時刻T6にSTA0から送信された補助ビーコンを受信すると、Serialフィールドの記載を解析し、補助ビーコンが正規ビーコンの送信時刻からどれだけの相対時間差を以って送信されているかの情報を抽出することにより、STA0の正規ビーコンが時刻T2近辺で送信されていることを認識する。さらに、STA1は、時刻T2近辺にて自局が信号を送信しているためにSTA0の正規ビーコンが受信できないということを認識する。
その後、同図の中上段に示すように、STA1は、時刻T2近辺で利用していたTPPを開放して他のTBTT(同図中の時刻T3)へと配置し直し、STA0の正規ビーコンを受信できるようになる。STA1は、STA2の正規ビーコンを受信することにより、STA2のリソース利用状況を把握することができるようになる。
STA0も、時刻T5で送信されるSTA1の補助ビーコンは受信することが可能であるため、上記のSTA1と同様の処理を行なうことにより、時刻T0における自局のTPPを開放するとSTA1の正規ビーコンを受信することが可能となる。そして、最終的には、図39最下段に示すような正規ビーコン並びに補助ビーコン(優先送信期間又はTPPを利用した定期的な送信信号)の配置となる。
一方、STA0が時刻T5におけるSTA1の補助ビーコンに気づかないなど、STA0が自律的にTPPを開放しない場合には、例えば、図39中下段に示すように、STA1はSTA0に対してTPPを開放する旨を要請するメッセージを送信するようにしてもよい。この場合、STA0は、この開放要請メッセージを受信することにより、時刻T0にて送信していた補助ビーコンの送信時刻を変更し、最終的に図39最下段に示すような正規ビーコン並びに補助ビーコンの配置となる。これにより、STA0は、STA1の正規ビーコンを受信することができ、STA1のリソース利用状況を把握することができるようになる。
なお、補助ビーコンによるTPP区間の変更手順は、既に説明した手順により行なわれる。スキャン動作により空きスロットを検出した後、衝突が発生しない時刻にてTPPの配置が行なわれる。
その他のスキャン・トリガ:
これまでの説明では、スキャン動作として、定期的に行なわれるスキャンと、衝突の検出に起因して行なわれるスキャンに処理について説明してきた。本実施形態では、通信局は、衝突が検出されなかった場合であっても、信号送信に先んじて行なわれる信号検出/受信処理(Listen Before Send)、並びに信号送信に引き続き行なわれる信号検出/受信処理(Listen After Send)により、これまで近隣局として認識していなかった通信局の信号を検出することができる場合がある。このような信号検出/受信処理に起因してスキャン処理を起動し、当該通信局のビーコンを探して当該通信局のメディア占有情報の入手に努める場合もある。
なお、スキャン処理中、信号を送信しない時間帯においては信号検出器並びに受信機は連続的に動作させるが、信号を送信する時間帯においては、信号の送信を優先し、信号の送信中に限り受信機をストップさせる場合もある。
F.ビーコン衝突の他のシナリオと衝突回避手順
前項Eでは、通信局が移動するなどにより電波の到達範囲が変動する場合についてのビーコン衝突回避のための処理手順について説明した。これ以外にも、新規の通信局が電源を投入することにより、各通信局が送信するビーコンの衝突が露呈するというケースも考えられる。
図14には、新規の通信局が電源を投入することにより、各通信局が送信するビーコンの衝突が露呈する様子を示している。同図に示す例では、既に独立してネットワークを構築している系同士が新規通信局の出現などによりマージされる。また、新規通信局が出現しない場合であっても,既に独立してネットワークを構築している系同士の間に第3の通信局が移動してくるなどによってマージされる場合もある。このような場合も下記で説明する同様の処理を行なうことが可能である。
図14上段においては、通信局STA0とSTA1は、通信局STA2とSTA3とは電波の届かない範囲に存在しており、STA0とSTA1が通信を行なっている。また、これとは全く独立してSTA2とSTA3が通信を行なっている。このときの各局のビーコン送信タイミングは、図14上段の右側に記されている通り、互いに認識していない局同士で運悪く重なっている場合を想定する。
その後、これらの通信局の間に通信局STA4が新たに登場し、図14下段に示すように、STA4からはSTA0、STA1、STA2、STA3の各局が送受信可能な状態になったことを想定すると、STA4にとっては各局のビーコンが衝突してしまう。この場合、ビーコンが衝突する通信局の組み合わせのうち少なくとも一方の局にビーコン送信タイミングTBTTを変更してもらわなければ、ビーコンを正常に聞き取ることができない。言い換えれば、STA4はネットワークに参入することができない。
このような場合にも、いずれかの局がビーコンの送信時刻を変更する必要がある。図15には、新規の通信局の参入によりビーコンの衝突が露呈した場合のTBTT変更手順の一例を示している。同図に示す例では、STA0の送信するビーコンのTBTTとSTA2の送信するビーコンのTBTTがTBTT0にてほぼ一致してしまっているが、STA0のTBTTの方が微妙に遅れている場合を想定している。また、STA4はSTA0及びSTA2のいずれとも通信可能ではあるが、STA0とSTA2は直接通信できない状況(互いに隠れ端末)であるとする。
時刻T0に、STA0とSTA2ともビーコン送信のTBTTとなり、時刻T0からそれぞれのTBTTオフセットだけずれた時刻にビーコンを送信する。時刻T0では、STA0のTBTTオフセットとSTA2のTBTTオフセットがたまたま異なる値となり、STA2は小さいTBTTオフセット値、STA0は大きいTBTTオフセット値が選択されている。
STA4は、STA0及びSTA2の両方から送信されるビーコンを受信することができる。ここで、STA4は、自局のTBTTの刻み内で(すなわち±Bmin/2の範囲内で)これら2局からのビーコンが受信されたため、ビーコンが衝突していることを検知する。そして、どちらかの通信局のTBTTを変更する旨のメッセージを送信することを決定する。図示の例では、STA0のビーコンの方が遅く受信されたことから、STA4は、STA0にTBTTを変更してもらうことを決定し、STA0に対してTBTTの変更を要求する旨のメッセージMを送信する。ここで,STA0並びにSTA2とも、データの送受信を行なっておらずパワーセーブ状態であった場合でも、上記の通り、信号送信時には、自局が信号を送信する前後の一定期間は受信動作を行なうことが義務付けられるので(Listen Before Send/Listen After Send)、STA0はこのメッセージを受信することが可能である。
なお、STA4は、衝突した受信ビーコンのいずれが遅いかを決定するために、単なるビーコン受信時刻を比較するのではなく、ビーコンのTOISフィールドを参照し、使用された擬似ランダム系列を差し引くことにより、当該ビーコンのTBTTそのものを算出する。勿論、各通信局間で同一の取り決めが行なわれていれば、ビーコン受信時刻あるいはTBTTの早い方に対してTBTT変更メッセージを送信するという取り決めであっても構わないが、ここでは遅い方に上記メッセージを送信するという取り決めであることを例にとり、以降の説明を続ける。
STA0は、TBTT変更要求メッセージを受信し、TBTTを変更しなければならないことを認識すると、時刻T1からTBTT変更の処理を起動する。この場合、この処理手順では、STA0は、まず、送信するビーコンのALERTフィールドにて、TBTTを変更する旨を周辺局に報知する(ALERTフィールドは、異常状態において周辺局に伝達すべき情報を格納するフィールドである)。さらに、STA0は、新規のTBTTを決定するための情報を収集するため、少なくとも1スーパーフレーム分だけスキャンを実行する。図15に示した例では、時刻T1からTBTT変更処理を直ちに開始しているが、通信局内部の処理遅延などにより、この処理が1乃至2スーパーフレームだけ遅れて実行される場合もある。
そして、STA0は、図9を参照しながら説明した上記の手順により空きのTBTTを見つけると、TBTT1を新規のTBTTとして設定し、時刻T2ではビーコンの送信を行なわず、代わりに時刻T3にてビーコンの送信を行ない、以降、TBTT1のタイミングでTBTTオフセットを付加しながら定期的にビーコンの送信を行なう。
一方、STA2は、何事もなかったかのように時刻T2にてビーコンを送信し、以降もTBTT0のタイミングでTBTTオフセットを付加しながらビーコン送信を継続する。
なお、通信局は、ALERTフィールドにてTBTTを変更する旨を報知しているビーコンや、これまで受信できていたビーコンのTBTT近辺でビーコンが送信されていないことを認識した場合には、当該ビーコンの新規TBTTがどこに決定されたかを把握するために、スキャンを実行する(図示しない)。
新規通信局の参入などによりビーコンの衝突が露呈した際、上述したように新規参入局が衝突を起こした通信局の一方に対しビーコン送信時刻の変更を要求するという上記の手順を以って衝突回避を行なう場合、さらに以下の付帯事項が加味される。
上記の例では、STA0は、STA4からTBTT変更要求のメッセージを受信することによりTBTT変更処理を起動しているが、STA0が新規TBTTを設定して間もない場合には、TBTT変更処理を例外的に起動しないようにする。ここで言う「間もない」とは、新規TBTTを設定してから1乃至3スーパーフレーム内である場合が該当する。何故ならば、比較的規模の大きなネットワーク同士が衝突した場合、他の通信局のTBTT変更により衝突が回避される可能性があり、異常状態が整定されるまで待機すべきだからである。また、衝突相手となるネットワークが過ぎ去ってしまい、異常状態が整定される可能性もあるからである。
また、上記の例では、STA4は、衝突ビーコンの受信時刻あるいはTBTTの遅い方の通信局に対してTBTT変更要求メッセージを送信しているが、衝突ビーコンのうちALERTフィールドにより当該ビーコンのTBTTが変更される旨が報知されていた場合には、当該ビーコンを衝突ビーコンとしてカウントせず、これらを除外した上で衝突ビーコンが存在する場合にのみTBTT変更要求メッセージ送信処理を起動する。TBTT変更処理によりビーコン衝突が自ずと解決されるからである。
これらの付帯条件を加味することにより、複数の通信局が同時にTBTTを変更する場合に、TBTT変更の発振を防ぐことに貢献できる。
また、衝突ビーコンのうちTYPEフィールドで示されるプライオリティ値が異なる場合、これらの中で最低のプライオリティ値を上回るプライオリティ値を示しているビーコンは、上記メッセージの送信対象通信局から外した上で上記メッセージ送信処理を起動する。例えば、一方の通信局の正規ビーコンと他方の通信局の補助ビーコンが衝突した場合には、補助ビーコンの方のTBTTを移動すべきである。また、補助ビーコン同士が衝突した場合には、トラフィックのプライオリティが高い方が優先され、プライオリティの低い方を移動(あるいは排除)すべきである。
図16には、新規参入局の出現によりビーコンの衝突が露呈した際に、衝突を起こした通信局の一方にビーコン送信時刻の変更(TBTT変更)を要求することによりビーコンの衝突を回避するために、通信局において実行される装置動作をフローチャートの形式で示している。このような装置動作は、実際には無線通信装置100内の中央制御部103において所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
当該動作は、自局の受信ビーコンの衝突を検出したことに応答して起動する。ここでは仮にビーコンAとビーコンBの受信が衝突したとする。
まず、受信したビーコンA又はBのいずれか一方のALERTフィールドでTBTTを変更する旨が記載されているかどうかをチェックし,記載されているビーコンを衝突ビーコンから削除する(ステップS10)。
ここで、ALERTフィールドでTBTTを変更する旨が記載されているビーコンを衝突ビーコンから削除した後に,再度,衝突ビーコンが存在するか否かを判断する(ステップS11)。判断の結果,衝突ビーコンが存在する場合には,後述のステップS12以降の処理を行い,衝突ビーコンが存在しない場合には本処理ルーチンを終了する。
ステップS10の処理の後であっても,なお衝突ビーコンが存在する場合には,各受信ビーコンのTYPEフィールドを参照してトラフィックのプライオリティの差を比較する(ステップS12)。
ここで、ビーコンAのプライオリティの方が低い場合には、ビーコンAの送信元に対してTBTT変更要求メッセージを送信して(ステップS14)、本処理ルーチンを終了する。また、ビーコンBのプライオリティの方が低い場合には、ビーコンBの送信元に対してTBTT変更要求メッセージを送信して(ステップS15)、本処理ルーチンを終了する。
また、受信ビーコンのプライオリティに差がない場合には、さらにいずれの受信ビーコンの到来が遅いかを判別する(ステップS13)。衝突した受信ビーコンのいずれが遅いかを決定するために、単なるビーコン受信時刻を比較するのではなく、ビーコンのTOISフィールドを参照し、使用された擬似ランダム系列を差し引くことにより、当該ビーコンのTBTTそのものを算出する。
ここで、ビーコンAの到来が遅い場合には、ビーコンAの送信元に対してTBTT変更要求メッセージを送信して(ステップS14)、本処理ルーチンを終了する。また、ビーコンBの到来が遅い場合には、ビーコンBの送信元に対してTBTT変更要求メッセージを送信して(ステップS15)、本処理ルーチンを終了する。
正規ビーコンが受信できない場合の衝突回避手順:
補助ビーコンや優先送信期間TPPを利用して定期的に送受信される信号には、正規ビーコンに記載されているすべての情報(図7を参照のこと)が記載されていない場合もある(同上)。この場合、補助ビーコン同士の衝突、優先送信期間TPPを利用して定期的に送受信される信号とビーコンの衝突、又は定期的な送受信信号同士の衝突が生じたとしても、その他の時間帯のメディア占有情報までは検出することができない。また、スキャン処理を行なっても、間が悪く当該通信局の正規ビーコンの送信時間帯に他信号が存在するなどの理由により、正規ビーコンを受信できない場合も考えられる。
このような場合、補助ビーコンや優先送信期間TPTTを利用して定期的に送信される信号にSerialフィールドを設け、自局の正規ビーコンを基準に何番目のTBTTで送信している補助ビーコンであるかを示す相対時刻情報を記載することにより、補助ビーコン又は定期的な送信信号を受信した通信局は、当該補助ビーコン送信局の正規ビーコンの送信時刻を抽出することができる。
図40には、補助ビーコン又は定期的な送信信号に付加されたSerialフィールドの記載内容に基づいて信号の衝突回避を行なうための通信動作例を示している。同図では、STA0が図示しない他の通信局と通信中であり、STA2が同様に図示しない他の通信局と通信中であり、各々独立してネットワークを構成していたが、STA1が通信局の移動やネットワーク間の障壁の除去などの理由によりSTA0とSTA2の電波の到達範囲に入ってきた場合を想定している。また、同図では、スーパーフレーム中にT0からT7までの8つのTBTTが設定されているものとする。
図40上段が初期状態である。時刻T0において、STA0の補助ビーコンとSTA2の正規ビーコンが衝突している。このとき、STA1は、STA0が送信する補助ビーコンあるいは優先送信期間TPPを利用して送信される信号のために、STA2が送信する時刻T0の正規ビーコンを受信することができない。しかし、時刻T5に送信されるSTA2の補助ビーコンは受信可能である。この場合、STA1は、時刻T5にSTA2から送信された補助ビーコンを受信すると、そのSerialフィールドを解析し、補助ビーコンが正規ビーコンの送信時刻からどれだけの相対時間差を以って送信されているかの情報を抽出することにより、STA2の正規ビーコンが時刻T0近辺で送信されていることを認識する。さらに、STA1は、時刻T0近辺にてSTA0が信号を送信しているためにSTA2の正規ビーコンが受信できないことを認識する。
その後、図40中段に示すように、STA1は、時刻T0近辺でSTA0が獲得している優先送信期間TPPを開放させる旨のメッセージをSTA0に向けて送信する。STA0は、このメッセージを受信すると、時刻T0で確保しているTPPを開放する。これにより、時刻T0では定期的な送信信号としてはSTA2の正規ビーコンのみが送信されることとなり、STA1はSTA2の正規ビーコンを受信することが可能となる。STA1は、STA2の正規ビーコンを受信することにより、STA2のリソース利用状況を把握することができるようになる。
一方、図40下段に示すように、STA1は、STA2に対して正規ビーコン送信時刻の変更を要請するメッセージを送信することがある。この場合、STA2は、このメッセージを受信すると、時刻T0にて送信していた正規ビーコンの送信変更手順を起動し、既に述べた手順に従って空きスロットを検出した後、衝突が発生しない時刻にて正規ビーコンの送信を開始する。これにより、STA1は、STA2の正規ビーコンを受信できるようになり、STA2のリソース利用状況を把握することができるようになる。
その他のスキャン・トリガ:
これまでの説明では、スキャン動作として、定期的に行なわれるスキャンと、衝突の検出に起因して行なわれるスキャンに処理について説明してきた。本実施形態では、通信局は、衝突が検出されなかった場合であっても、信号送信に先んじて行なわれる信号検出/受信処理(Listen Before Send)、並びに信号送信に引き続き行なわれる信号検出/受信処理(Listen After Send)により、これまで近隣局として認識していなかった通信局の信号を検出することができる場合がある。このような信号検出/受信処理に起因してスキャン処理を起動し、当該通信局のビーコンを探して当該通信局のメディア占有情報の入手に努める場合もある。
なお、スキャン処理中、信号を送信しない時間帯においては信号検出器並びに受信機は連続的に動作させるが、信号を送信する時間帯においては、信号の送信を優先し、信号の送信中に限り受信機をストップさせる場合もある。
G.プライオリティに基づく補助ビーコンのTBTTの設定
通信局は、ビーコンを送信する際、スキャンを行ない、受信ビーコンのNBOIを参照することにより空きTBTTを探し出して、自局の新規TBTTを設定する。
しかしながら、新規TBTTを設定する過程で、スーパーフレーム内が既に他局の正規ビーコン並びに補助ビーコンで飽和状態となっており、空きTBTTが存在しないという事態も想定される。この場合、通信局は、このシステムでトラヒックを流すことを断念する方法や、低い優先度のトラヒック用に送信されているリソースを争奪して自局のより高い優先度のトラヒックを送信するという解決方法がある。本実施形態に係る無線ネットワークでは、後者の方法のために、他の通信局に対し低い優先度の補助ビーコン送信の停止を要求することが許容されている。
図17には、通信局がスーパーフレーム周期内に新規TBTTを設定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。このような装置動作は、実際には無線通信装置100内の中央制御部103において所定の実行命令プログラムを実行するという形態で実現される。
この処理手順は、新規参入時に正規ビーコンのTBTTをスーパーフレーム内に設定し、あるいはトラフィックのリソース獲得のために補助ビーコンのTBTTをスーパーフレーム内に設定する際に起動する(ステップS21)。この時点で、自局がTBTTを設定しようとするビーコンのプライオリティは設定されているものとする。
通信局は、少なくとも1スーパーフレーム分だけスキャン動作を行ない(ステップS22)、スーパーフレーム内で新規TBTTの空きスロットを探索する(ステップS23)。ここで、空きスロットを見つけ出すことができた場合には、図9を参照しながら説明した処理手順により新規TBTTを設定し(ステップS27)、本処理ルーチン全体を終了する。
一方、スーパーフレーム内で空きスロットを検出できない、すなわち満杯状態の場合には、スーパーフレーム内にTBTTが配置されている各ビーコンの中から、自局がTBTTを設定しようとするビーコンよりも優先度の低いものを探索する(ステップS24)。
そして、優先度の低いビーコンが所望の個数だけ検出されたならば、各ビーコンの送信元に対して当該ビーコン送信の停止要求を行なう(ステップS25)。
この後、通信局は、ビーコン送信の停止により空きスロットとなった位置に、自局の正規ビーコン又は補助ビーコンのTBTTを設定して(ステップS26)、本処理ルーチン全体を終了する。
図18には、スーパーフレーム内にTBTTが配置されている各ビーコンの中から優先度の低いものを探索し、自局のビーコンのTBTTを設定するための手順を示している。ここで、周辺局が設定するビーコンのTBTTは、各ビーコンに記載されているNBOIフィールドを参照することにより認識される。また、ビーコンのプライオリティはビーコン中のTYPEフィールドに記載されている。
図18に示す例では、新規に高い優先度のトラヒックを送信したい通信局Aに着目し、通信局Aの周辺に通信局0、通信局1、通信局2が存在するという通信環境を想定している。そして、通信局Aは、スーパーフレーム内にこれら3つの通信局からのビーコンが受信可能であるとする。
NBOIフィールドは、周辺局のビーコン受信時刻を自局の正規ビーコンに対する相対位置としてビットマップ形式で記述している(前述)。そこで、通信局Aでは、周辺局から受信できた3つのビーコンのNBOIフィールドを各ビーコンの受信時刻に応じてシフトして時間軸上でビットの対応位置を揃えた上で、各タイミングのNBOIビットのORをとって参照する。
周辺局のNBOIフィールドを統合して参照した結果、得られている系列が図16中“OR of NBOIs”で示され、1はスーパーフレーム内で既にTBTTが設定されているタイミングの相対位置を、0はTBTTが設定されていないタイミングの相対位置を示す。同図に示す例では、この系列は「1111,1111,1111,1111」、すなわちスーパーフレーム内のすべてのタイミングがマークされており、これ以上の空きのTBTTが存在しないことが示されている。
このような場合、通信局Aは、スーパーフレーム内で受信された各ビーコンのTYPEフィールドを参照し、各々が持つトラフィックのプライオリティを取得する。そして、自局がこれから送信しようとするトラヒックの優先度を下回るプライオリティが設定されているビーコンに着目し、このようなプライオリティの低いビーコンの受信時刻に相当する“OR of NBOIs”中のビットをクリアする。
図18に示す例では、Beacon−0'のTYPEが低優先度に設定されているとする。この場合、逓優先度のビーコン送信タイミングに相当するビット位置に1が設定されている“Low Priority Beacon Rx”と“OR of NBOIs”との排他的論理和XORがとられ、“OR of NBOIs”中でBeacon−0'が受信されている時刻に相当する5ビット目、10ビット目、並びに12ビット目がクリアされる。この結果、同図の“XOR of Each”で示されている系列をNBOIの集計結果とみなし、通信局Aのビーコン送信時刻候補とする。以降は、通信局Aは、図9を参照しながら説明した上記の手順により空きのTBTTを見つけ、新規ビーコンのTBTTを設定すればよい。
上述したような、優先度の低いビーコンをNBOIから排除するとともに自局の新規ビーコンのTBTTを設定するという処理手順を行なうことにより、自局並びに他局が同じTBTTを設定し、ビーコンの衝突が一時的には発生する。しかし、系内ではビーコンの衝突に応答してこれを回避するために、図13並びに図16に示したTBTT変更手順が起動することになる。この結果、低プライオリティのビーコンのTBTT変更処理が実行されることになり、低プライオリティのビーコンが系内から徐々に消滅していくことになる。
図19には、スーパーフレーム内がTBTTを既に設定したビーコンで満杯の状態で、通信局が優先度の低い他局のビーコンを排除して、新規にTBTTを設定する様子を示している。同図では、時刻T0から時刻T0'までで1スーパーフレームを表しており、上段から中段、下段へと3スーパーフレームにわたるビーコン送信の時系列変遷を示している。また、ここでは、STA0、STA1、STA2という3台の通信局が存在し、少なくともSTA0とSTA2は電波の到達範囲内に位置し、直接信号の送受信ができるという通信環境を想定している。
図19上段に示した状態では、STA2は、スーパーフレーム内で、正規ビーコン(TYPE=255)と、優先度(TYPE=)127の補助ビーコンを2つ送信している。また、STA0は、スーパーフレーム内で、正規ビーコン(TYPE=255)と、優先度(TYPE=)254の補助ビーコンを3つ送信している。スーパーフレーム中のTBTTのタイミングはすべて占有されている状態であり、空きの時間帯は存在していない。
このような状況下で、STA0はさらに2つの補助ビーコンを追加送信したい場合、まずスキャン動作を行ない(図示せず)、STA2の送信する優先度127の補助ビーコンを、自局がTBTTを設定しようとするビーコンよりも優先度の低いビーコンとして見つけ出す。そして、図18を参照しながら説明した手順に従い、“Low Priority Beacon Rx”と“OR of NBOIs”との排他的論理和XORがとられ、NBOI上でこれらSTA2からの補助ビーコンの送信タイミングを無効化して空きTBTTとして取り扱う。さらに、STA0は、無効化されたTBTTタイミングに相当する時刻T1並びに時刻T6において、優先度254の補助ビーコンを送信することを決定する。
図19中段では、STA0が時刻T1並びに時刻T6で補助ビーコンを送信することにより、STA0とSTA2のビーコンが衝突している様子を示している。このとき、STA0並びにSTA2は、図13又は図16に示されたTBTT変更手順に従って処理を行なう。この結果、優先度の低い補助ビーコンを層雲しているSTA2がTBTT変更処理を開始する。
STA2は、優先度127を持つ2個の補助ビーコンのTBTTを設定すべく、スキャン動作を行ない、スーパーフレーム内で空き時間を探すが(図示せず)、空き時間が見つからないため(あるいは優先度より低い補助ビーコンが見つからないため)、補助ビーコンの送信を断念する。この結果、図19下段に示された状態で落ち着く。
上述したような、スーパーフレーム内で優先度の低いビーコンのTBTTを排除して優先度のより高いビーコンのTBTTを設定するという操作を繰り返すことにより、高いプライオリティ用のリソースを確保することが可能となる。
なお、ここでは、新規に発生する高プライオリティ・トラヒックを収容する場合を例示して、高プライオリティ・トラヒックが低プライオリティ・トラヒックのリソースを奪うことを説明した。場合によっては、プライオリティの高低に関わらず、既にサービスされているTPPを優先するというポリシーが設定される場合もある。この場合には、上記の低プライオリティ・トラヒック用のTPPを奪う処理は起動されないが、既にサービスされているトラヒック群が通信局の移動により衝突状態に陥った場合には、いずれかの既存サービスのTPPを排除しなければならないときがある。このような場合においても、上記と同様の手順を適応することにより、高プライオリティ・トラヒックを優先的に生かすことが可能となる。
H.プライオリティに基づく補助ビーコンのTBTTの設定(遠隔操作)
前項Gで説明した処理手順に従えば、新規にビーコンのTBTTを設定したい通信局Aの周辺に低プライオリティのトラヒックを送信する通信局が存在する場合には、高いプライオリティ用のリソースを確保するという効果を上げることができる。
一方、通信局Aの周辺には、低プライオリティのトラヒックを送信する通信局が存在しない場合、低プライオリティのトラヒックを受信する通信局しか存在しない場合には、これを消滅させることができない。何故ならば、隠れ端末との間では、互いのビーコンを受信し合うことができず、通信局Aが低プライオリティのトラフィックを自局ビーコンのNBOI上で無効化しても、隠れ端末側には伝わらず、図13又は図16に示したようなTBTT変更手順を直接起動させることができないからである。
そこで、図18で述べた手段においても、なおかつビーコンの送信時刻が見当たらなかった場合には、新規ビーコンのTBTTの設定を希望する通信局は周辺局に対して、低プライオリティのトラヒックを送信している通信局が存在しないかを探してもらい、送信を止めるように要求することで、隠れ端末に対する「遠隔操作」を行なう。
図20並びに図21には、新規ビーコンのTBTTの設定を希望する通信局が周辺局を介在した遠隔操作によりビーコンの送信を停止させ、自局ビーコンのTBTTを設定する様子を示している。同図では、時刻T0から時刻T0'までで1スーパーフレームを表しており、4スーパーフレームにわたるビーコン送信の時系列変遷を示している。また、ここでは、STA0、STA1、STA2という3台の通信局が存在し、少なくともSTA0とSTA2は電波の到達範囲外に位置し、直接信号の送受信ができないという通信環境を想定している。
図20上段に示した状態では、STA2は、スーパーフレーム内で、正規ビーコン(TYPE=255)と、優先度(TYPE=)2の補助ビーコンを5つ送信している。また、STA0とSTA1は、スーパーフレーム内で、それぞれ正規ビーコン(TYPE=255)のみを送信している。そして、スーパーフレーム中のTBTTのタイミングはすべて占有されている。
ここで、STA0は,時刻T0で、優先度254のトラヒックを送信するために3つの補助ビーコンの送信を希望しているが、スーパーフレーム内ですべてのTBTTのタイミングが既に占有されていることを認識している。さらに、STA0は、図18に示した低プライオリティのトラフィックを排除するための処理手順を起動しても、補助ビーコン送信タイミングを見つけることができない。そこで、STA0は、時刻T0で送信する正規ビーコンのALERTフィールドに、「優先度254のビーコンを3つ送信したい」旨を示す情報を掲載し、周辺局に報知する。ALERTフィールドにこのような情報が記載されたビーコンは、周辺局に対する遠隔的なビーコン停止要求に相当する。また、STA0は、ALERTでビーコン停止要求を報知した後、周辺局による遠隔操作で空きスロットができないかを探すために、しばらくの間スキャン状態に入る。
なお、ALERTフィールドは、異常状態において周辺局に伝達すべき情報を格納するフィールドである。前述では、ALERTフィールドは、自局のTBTTを変更する旨を周辺局に報知するための情報を記載するために使用されている。ここでは、ALERTフィールドは、複数の異常状態を通知するために多重定義されている。図22には、この場合のALERTフィールドの構成を模式的に示している。図示の通り、ALERTフィールドは、定義の種別を示す種別フィールドと、異常状態を記述する本体フィールドに区別される。種別が自局のTBTT変更であれば、本体フィールドにはTBTT変更に関する情報が記載される。また、種別が遠隔操作である場合には、本体フィールドには自局が設定したいビーコンの優先度と設定したいビーコンの個数が記載される。
STA1は、ALERTフィールドに「優先度254のビーコンを3つ送信したい」旨の情報が掲載されているビーコンを受信すると、優先度254を下回るビーコンが近隣で送信されていないかを確認するため、少なくとも1スーパーフレーム分のスキャン動作を行なう。そして、STA1は、スキャン終了と同時に、STA2がスーパーフレーム内でより低い優先度2の補助ビーコンを5つ送信していることを認識する。
次いで、図20下段に示すように、STA1は、STA2に対して「優先度254を下回る優先度の3つのビーコン送信を一時的に止めてほしい」旨を記載したビーコン停止要求メッセージMを送信する。なお、この間もSTA0は、周辺局による遠隔操作で空きスロットができないかを探すために、スキャン状態のままでいる。
STA2は、ビーコン停止要求メッセージMを受信したことに応答して、現在送信中の優先度2が補助ビーコンのうち時刻T3、時刻T5、時刻T7で送信している3つの補助ビーコン送信をとりやめる。
次いで、図21上段では、STA1は、少なくとも1フレーム分のスキャン動作を行なうことにより、時刻T3、時刻T5、時刻T7が空いていることを検出する。あるいは、STA2やその他の周辺局が送信するビーコンのNBOIにより、時刻T3、時刻T5、時刻T7が空いていることが報知される。なお、この間もSTA0は、周辺局による遠隔操作で空きスロットができないかを探すために、スキャン状態のままでいる。
次いで、図21下段では、STA0は、STA1又はその他の周辺局から受信したビーコンのNBOIを参照して、時刻T3、時刻T5、時刻T7が空いていることを認識すると、これらのタイミングでそれぞれ優先度254の補助ビーコンのTBTTを設定し、ビーコンの送信を開始する。
一方、STA2は、一時的にビーコン送信を休止した後、再度、優先度2の補助ビーコン送信を試みるため、スーパーフレーム内で空きTBTTを探す。しかしながら、既にSTA0がこの時間帯をより高い優先度のビーコンで占有しているため、空き時刻を見つけることができず、補助ビーコンの送信を断念する。
上述したような、スーパーフレーム内で優先度の低いビーコンのTBTTを排除して優先度のより高いビーコンのTBTTを設定するための遠隔操作を行なうことにより、高いプライオリティ用のリソースを確保することが可能となる。
なお、ALERTフィールドに「優先度XXのビーコンを送信したい」旨を示す情報が掲載されているビーコンを受信した通信局は、上記の遠隔操作によるビーコン停止処理を行なうと同時に、提示された優先度XXよりも低い自局の補助ビーコンの送信処理を一時的に停止させる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、自律分散型の無線ネットワークにおいて、各通信局が所定のフレーム周期毎にビーコンを報知し合うような通信環境下において本発明を適用した場合を主な実施形態として説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。
例えば、通信範囲内で複数の通信局からビーコンが送信されるような他の形態の通信システムや、各通信局が所定の時間間隔単位で動作し、この時間間隔毎に定期的に予約利用又は優先利用した帯域を設定して信号送信を行なう他の形態の通信システムに対しても、本発明を同様に適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムを構成する通信装置の配置例を示した図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る無線ネットワークにおいて通信局として動作する無線通信装置の機能構成を模式的に示した図である。 図3は、本発明に係る自律分散型ネットワークにおいて、各通信局がビーコンを送信するための手順を説明するための図である。 図4は、スーパーフレーム周期内で配置可能なビーコン送信タイミングの構成例を示した図である。 図5は、スーパーフレーム周期内でビーコン送信局に優先権が与えられる様子を示した図である。 図6は、スーパーフレーム周期の構成を示した図である。 図7は、本実施形態に係る自律分散型の無線通信システムにおいて送信されるビーコン・フレームのフォーマット一例を示した図である。 図8は、TBTTオフセットを説明するための図である。 図9は、新規に参入した通信局が周辺局から受信したビーコンから得た各ビーコンのNBOIに基づいて自局のTBTTを設定する手順を説明するための図である。 図10は、電波の到来範囲の変動によりビーコンが衝突する様子を示した図である。 図11は、TBTT変更手順の一例を示した図である。 図12は、図11に示したTBTT変更手順の変形例を示した図である。 図13は、電波到来範囲の変化などによりビーコンの衝突が発生した際に、衝突を起こした通信局の一方がビーコン送信時刻を移動する(TBTT変更)することによりビーコンの衝突を回避するために、通信局毎に実行される装置動作を示したフローチャートである。 図14は、新規の通信局が電源を投入することにより、各通信局が送信するビーコンの衝突が露呈する様子を示した図である。 図15は、新規の通信局の参入によりビーコンの衝突が露呈した場合のTBTT変更手順の一例を示した図である。 図16は、新規参入局の出現によりビーコンの衝突が露呈した際に、衝突を起こした通信局の一方にビーコン送信時刻の変更(TBTT変更)を要求することによりビーコンの衝突を回避するために通信局において実行される装置動作を示したフローチャートである。 図17は、通信局がスーパーフレーム周期内に新規TBTTを設定するための処理手順を示したフローチャートである。 図18は、スーパーフレーム内にTBTTが配置されている各ビーコンの中から優先度の低いものを探索し、自局のビーコンのTBTTを設定するための手順を説明するための図である。 図19は、スーパーフレーム内がTBTTを既に設定したビーコンで満杯の状態で、通信局が優先度の低い他局のビーコンを排除して、新規にTBTTを設定する様子を示した図である。 図20は、新規ビーコンのTBTTの設定を希望する通信局が周辺局を介在した遠隔操作によりビーコンの送信を停止させ、自局ビーコンのTBTTを設定する様子を示した図である。 図21は、新規ビーコンのTBTTの設定を希望する通信局が周辺局を介在した遠隔操作によりビーコンの送信を停止させ、自局ビーコンのTBTTを設定する様子を示した図である。 図22は、ALERTフィールドの構成を模式的に示した図である。 図23は、IEEE802.11に基づく無線ネットワークにおけるインフラ・モード時の動作を説明するための図である。 図24は、IEEE802.11に基づく無線ネットワークにおけるアドホック・モード時の動作を説明するための図である。 図25は、RTS/CTS手順によるアクセス動作例を示したチャートである。 図26は、IEEE802.11において定義されているパケット間隔IFSを示した図である。 図27は、PCF(Point Coordination Function)の動作を説明するための図である。 図28は、EDCF動作により帯域を保証するトラフィックに優先送信を提供する様子を示した図である。 図29は、通信局がTPP区間及びFAP区間においてそれぞれ送信を開始するための動作を説明するための図である。 図30は、通信局が補助ビーコンという仮想的なビーコンを複数送信して、この優先利用期間を増やす様子を示した図である。 図31は、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図を示した図である。 図32は、通信局として動作する無線通信装置の状態遷移図である。 図33は、データを送受信している通信局のビーコンが衝突した場合における衝突の検出手順を説明するための図である。 図34は、データを送受信している通信局のビーコンが衝突した場合における衝突の検出手順を説明するための図である。 図35は、データを送受信している通信局のビーコンが衝突した場合における衝突の検出手順を説明するための図である。 図36は、データを送受信している通信局のビーコンが衝突した場合における衝突の検出手順を説明するための図である。 図37は、データを送受信している通信局のビーコンが衝突した場合における衝突の検出手順を説明するための図である。 図38は、衝突している信号同士がTBTTに加えこのランダム値さえも完全に一致してしまっている場合における衝突回避動作を含んだ通信手順を示したフローチャートである。 図39は、補助ビーコン又は定期的な送信信号に付加されたSerialフィールドの記載内容に基づいて信号の衝突回避を行なうための通信動作例を示した図である。 図40は、補助ビーコン又は定期的な送信信号に付加されたSerialフィールドの記載内容に基づいて信号の衝突回避を行なうための通信動作例を示した図である。
符号の説明
100…無線通信装置
101…インターフェース
102…データ・バッファ
103…中央制御部
104…ビーコン生成部
106…無線送信部
107…タイミング制御部
109…アンテナ
110…無線受信部
112…ビーコン解析部
113…情報記憶部

Claims (73)

  1. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    通信局は、自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答してビーコンの衝突を検出して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定するとともに、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答してビーコンの衝突を検出して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、衝突を解消する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    通信局は、周辺局から受信するビーコン同士が衝突することを検出したことに応答して、いずれか一方の通信局に対してビーコン送信タイミングの変更を要求することによって衝突を解消する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 通信局は、ビーコンの受信時刻がより遅い方の通信局に対してビーコン送信タイミングの変更を要求する、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
  4. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    各通信局が送信するビーコンにはトラフィックのプライオリティが設定されるとともに、プライオリティに関する情報をビーコンに記載して報知し、
    ネットワーク内で2以上の通信局から送信されるビーコンの衝突を検出したときには、一方の通信局が前記所定の時間間隔内で配置したいビーコンの個数並びにそのプライオリティを指定したビーコン停止要求を周辺局へ向けて送信し、
    該ビーコン停止要求を受信した他方の通信局は前記所定の時間間隔内で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけ検出し、各ビーコンの送信元の通信局に対しビーコン停止要求を送信し、該ビーコン停止要求を受信した通信局は前記所定の時間間隔内で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけビーコンの送信をとりやめる、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 各通信局は、前記所定の時間間隔で、正規のビーコンを1回だけ送信するとともに、該正規のビーコンに類似する信号からなる1以上の補助ビーコンを送信することができる、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
  6. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    各通信局は、前記所定の時間間隔で自局に設定されたスロット内でのビーコン送信タイミングを擬似ランダム系列により与えられるオフセット値に基づいて移動してビーコンの送信を行なうとともに、該擬似ランダム系列に関する情報を当該ビーコンに記載して報知し、受信したビーコンに記載されている擬似ランダム系列に関する情報に基づいて自局のビーコン送信タイミングを同じスロット内で移動する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    各通信局は、周辺局に対して伝達すべき異常状態に関する警告をビーコンに記載して報知するとともに、異常状態の警告を意図する情報を掲載したビーコンを周辺局から受信したことに応答してスキャン動作を行なってネットワークの状態の情報を獲得して、ビーコンの送信タイミングを変更することによって衝突を解消する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  8. 該衝突の検出に応答してビーコンの送信タイミングを変更する通信局は、ビーコンの送信タイミングを変更する旨の警告を記載したビーコンを周辺局に報知し、少なくとも所定期間だけスキャン動作を行ない、周辺局がビーコン送信に使用していないタイミングを発見してこれを新規のビーコン送信タイミングに決定する、
    ことを特徴とする請求項1、2、4、6、のいずれかに記載の無線通信システム。
  9. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段によるビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  10. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段によるビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段と、
    を具備し、
    自局のビーコン送信タイミングを変更する際、
    前記ビーコン信号生成手段は、ビーコンの送信タイミングを変更する旨の警告をビーコン中に記載し、
    前記タイミング制御手段は、少なくとも所定期間だけスキャン動作を行なうことで周辺局がビーコン送信に使用していないタイミングを発見し、新規のビーコン送信タイミングに決定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  11. 前記衝突回避手段は、ビーコンの送信タイミングを変更する旨の警告が記載されたビーコンを他局から受信したこと、又は予定されたビーコン受信タイミングで他局からビーコンを受信できなかったことに応答して、前記所定の時間間隔にわたり当該他局からのビーコンを検出するためのスキャン動作を行ない、周辺局の送信するビーコンに記載されている情報を獲得する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記衝突回避手段は、ビーコンの送信タイミングの変更する旨の警告が記載されたビーコンと衝突した場合、自局のビーコン送信タイミングを変更しない、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  13. 前記衝突回避手段は、自局のビーコン送信タイミングを設定してから所定期間が経過する前に他局のビーコンと衝突した場合、自局のビーコン送信タイミングを変更しない、
    ことを特徴とする請求項9又は10のいずれかに記載の無線通信装置。
  14. 前記衝突回避手段は、周辺局から受信するビーコン同士が衝突することを検出したことに応答して、いずれか一方の通信局に対してビーコン送信タイミングの変更を要求する、
    ことを特徴とする請求項9又は10のいずれかに記載の無線通信装置。
  15. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段によるビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段と、
    を具備し、
    前記ビーコン信号生成手段は、ビーコンに設定されているトラフィックのプライオリティを当該ビーコン中に記載し、
    前記衝突回避手段は、前記所定の時間間隔内で配置したいビーコンの個数並びにそのプライオリティを指定したビーコン停止要求を周辺局へ向けて送信し、他局からビーコン停止要求を受信したときには前記所定の時間間隔内で当該要求で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけビーコンの送信をとりやめる、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  16. 前記衝突回避手段は、他局からビーコン停止要求を受信したことに応答して、スキャン動作を行なって、前記所定の時間間隔内で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけ検出し、各ビーコンの送信元の通信局に対しビーコン停止要求を送信する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信装置。
  17. 前記所定の時間間隔で、正規のビーコンを1回だけ送信するとともに、該正規のビーコンに類似する信号からなる1以上の補助ビーコンを送信することができ、
    前記ビーコン信号生成手段は、各ビーコンにトラフィックのプライオリティを設定する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信装置。
  18. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段によるビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段と、
    を具備し、
    前記タイミング制御手段は、前記所定の時間間隔で自局に設定されたスロット内でのビーコン送信タイミングを擬似ランダム系列により与えられるオフセット値に基づいて移動してビーコンの送信を行ない、
    前記ビーコン信号生成手段は、該擬似ランダム系列に関する情報を当該ビーコンに記載して報知し、
    前記衝突回避手段は、受信したビーコンに記載されている擬似ランダム系列に関する情報に基づいて自局のビーコン送信タイミングを同じスロット内で移動する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  19. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下で動作する無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段によるビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段と、
    を具備し、
    前記ビーコン信号生成手段は、周辺局に対して伝達すべき異常状態に関する警告をビーコンに記載して報知し、
    前記衝突回避手段は、異常状態の警告を意図する情報を掲載したビーコンを周辺局から受信したことに応答してスキャン動作を行ない、ネットワークの状態の情報を獲得する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  20. 前記ビーコン信号生成手段は、異常状態の警告として、自局のビーコンの送信位置の変更、又は他局が送信するビーコンの排除に関する要求を記載する、
    ことを特徴とする請求項19に記載の無線通信装置。
  21. 自局が受信可能な周辺局のビーコンの受信時刻を、前記所定の時間間隔中のどの時間帯が通信用途に利用されているかを示す形式で保持する、
    ことを特徴とする請求項9、10、15、18、19のいずれかに記載の無線通信装置。
  22. 前記の保持した通信用途に利用されている時間帯に関する情報を周辺局に報知する、
    ことを特徴とする請求項21に記載の無線通信装置。
  23. 前記の保持した通信用途に利用されている時間帯に関する情報をビーコン信号に記載することにより周辺局に報知する、
    ことを特徴とする請求項22に記載の無線通信装置。
  24. 各通信局が所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    通信局は、定期的な信号送受信に先立ち他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突を検出したことに応答して、該他局の信号との衝突を回避できるように自局の信号の送信タイミングを遅延させる、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  25. 通信局は、衝突回避のために定期的な信号の送信タイミングを変更した旨を記載した信号を送信する、
    ことを特徴とする請求項24に記載の無線通信システム。
  26. 衝突を起こした他局は、衝突回避のために定期的な信号の送信タイミングを変更した旨を記載した信号を受信して、自局が送信した後に送信しようとしていた定期的な信号との衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項25に記載の無線通信システム。
  27. 各通信局が所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    各通信局は、定期的に送受信される信号のスケジュールを記載したビーコンを報知することにより、互いの定期的な信号送受信時刻を抽出し、
    通信局は、周辺局から受信したビーコンに記載された情報に基づいて定期的信号送受信区間の衝突を検出し、衝突している信号送受信タイミングを変更する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  28. 通信局は、定期的に送受信される信号に優先度が設定されており、通信局は,自局が定期的に送受信する信号と他局が定期的に送受信する信号の衝突を検出したときには、優先度の低い定期的信号送受信のタイミングを変更する、
    ことを特徴とする請求項26に記載の無線通信システム。
  29. 定期的信号の送受信を行なう信号の一部に当該通信局のビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載する、
    ことを特徴とする請求項26に記載の無線通信システム。
  30. 通信局は、他局の送信する定期的に送信される信号を受信すると、前記定期的に送信される信号に記載されているビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を基に当該信号の送信局のビーコンの送信時刻を抽出し、当該時刻に行なわれている他の信号の送信を停止させる、
    ことを特徴とする請求項28に記載の無線通信システム。
  31. 各通信局が所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    通信局は、定期的な信号の送受信の送信時刻にランダムなオフセットを付加するとともに、定期的に送受信される信号の一部に送信時刻のランダムなオフセットに関わる情報を掲載して送信するとともに、他局から受信した定期的な信号に記載されている送信時刻のランダムなオフセットに関わる情報に基づいて、自局の定期的な信号の送受信の送信時刻のオフセットを移動する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  32. 各通信局が所定の時間間隔毎に定期的な通信動作を行なうことによって自律分散的にネットワークを構築する無線通信システムであって、
    通信局は、定期的信号の送受信を新規に生成するに先立ち、スキャン動作を行なうことにより他局の定期的信号送受信と衝突しない時間帯を抽出し、該新規の定期的信号の送受信タイミングを他局の定期的信号の送受信と衝突しない時間帯に設定する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  33. 通信局は、自局の信号送受信タイミング付近で他局の定期的な送信信号を受信することにより、定期的な信号送受信タイミングの衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  34. 通信局は、前記定期的な信号送受信の衝突を検出したことに応答して、少なくとも所定期間だけスキャン処理を行ない、他局の周期的信号の送信状況の確認を試みる、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  35. 通信局は、定期的に送信を行なう信号の一部に、当該信号が定期的にスケジュールされて送信されている旨を示す情報を記載する、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  36. 通信局は、ネットワークに関する情報を取得するためのスキャン動作を行なう際、当該情報を得るために必要な情報が送信される時間帯を抽出し、該抽出された時間帯において信号受信を試みる、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  37. 通信局は、1つ以上の定期的信号送受信区間を獲得して所望の通信局と信号の送受信を行なっている際に、定期的信号送受信区間における信号受信状態を監視し、信号受信状態が著しく劣化したことが検出された定期的信号送受信区間を開放する、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  38. 通信局は、周辺局の定期的信号送受信区間以外の時間帯にて、伝送路上の所定時間の信号検出とランダムなバックオフ期間の待機を伴うアクセス手順に基づいて信号の送受信を行なう、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  39. 通信局は、前記所定の時間間隔毎に定期的な信号送受信を行なう場合に、定期的信号送受信を行なう信号の一部に当該通信局のビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載し、周辺局から受信した信号に記載されている相対時刻情報に基づいて当該周辺局のビーコンとそれ以外の局が送受信する信号との衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項24、27、31、32のいずれかに記載の無線通信システム。
  40. 自律分散的な通信環境下で所定の時間間隔毎に通信動作を行なう無線通信装置であって、
    無線データを送受信する通信手段と、
    前記通信手段による信号の送受信動作の制御と送受信信号の処理を行なうとともに、前記所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信動作を制御する通信制御手段と、
    定期的な信号送受信に先立ち又は送受信を行なった後の少なくとも一方において、他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突の有無を検出する衝突検出手段と、
    前記衝突検出手段が定期的な信号送受信に先立ち他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突を検出したことに応答して、該他局の信号との衝突を回避できるように自局の信号の送信タイミングを遅延させる衝突回避手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  41. 前記通信制御手段は、衝突回避のために定期的な信号の送信タイミングを変更した旨を信号に記載する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  42. 前記衝突検出手段は、衝突回避のために定期的な信号の送信タイミングを変更した旨を記載した信号を受信して、自局が送信した後に送信しようとしていた定期的な信号との衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項41に記載の無線通信装置。
  43. 定期的に送受信される信号のスケジュールを記載したビーコンを生成するビーコン生成手段をさらに備え、
    前記通信制御手段はビーコン信号を前記所定の時間間隔毎に送信する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  44. 前記衝突検出手段は、ビーコンの記載に基づいて他局の定期的な信号送受信時刻を抽出して定期的信号送受信区間の衝突を検出し、
    前記衝突回避手段は、衝突している信号送受信タイミングを変更する、
    ことを特徴とする請求項43に記載の無線通信装置。
  45. 前記通信制御手段は、定期的に送受信される信号に優先度を設定し、
    前記衝突検出手段は、自局の定期的に送受信する信号と周辺局が定期的に送受信する信号の衝突の衝突を衝突した場合に、優先度の低い定期的信号送受信のタイミングを変更する、
    ことを特徴とする請求項43に記載の無線通信装置。
  46. 前記通信制御手段は、定期的信号送受信を行なう信号の一部に当該通信局のビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載する、
    ことを特徴とする請求項43に記載の無線通信装置。
  47. 前記衝突回避手段は、他局の送信する定期的に送信される信号を受信すると、前記定期的に送信される信号に記載されているビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を基に当該信号の送信局のビーコンの送信時刻を抽出し、当該時刻に行なわれている他の信号の送信を停止させる、
    ことを特徴とする請求項46に記載の無線通信装置。
  48. 前記通信制御手段は、定期的に送信を行なう信号の一部に、当該信号が定期的にスケジュールされて送信されている旨を示す情報を記載する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  49. 前記通信制御手段は、定期的に送信を行なう信号の一部に、当該信号の優先度を示す情報を記載する、
    ことを特徴とする請求項48に記載の無線通信装置。
  50. 前記衝突回避手段は、定期的信号送受信の衝突を検出したことに応答して優先度の低い定期的信号送受信のタイミングを変更する、
    ことを特徴とする請求項49に記載の無線通信装置。
  51. 当該情報を得るために必要な情報が送信される時間帯を抽出し、該抽出された時間帯において信号受信を試みるスキャン動作手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項47に記載の無線通信装置。
  52. 前記衝突検出手段は、1つ以上の定期的信号送受信区間を獲得して所望の通信局と信号の送受信を行なっている際に、定期的信号送受信区間における信号受信状態を監視し、
    前記衝突回避手段は、信号受信状態が著しく劣化したことが検出された定期的信号送受信区間を開放する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  53. 前記衝突検出手段は、自局の定期的な信号送受信タイミング付近で他局の送信信号を受信することにより、定期的な信号送受信タイミングの衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  54. 前記衝突検出手段は、自局の信号送受信タイミング付近で他局の定期的な送信信号を受信することにより、定期的な信号送受信タイミングの衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  55. 前記定期的な信号送受信の衝突を検出したことに応答して、少なくとも所定期間だけスキャン処理を行ない、他局の周期的信号の送信状況の確認を試みるスキャン動作手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  56. 前記通信制御手段は、定期的な信号の送受信の送信時刻にランダムなオフセットを付加する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  57. 前記通信制御手段は、定期的に送受信される信号の一部に送信時刻のランダムなオフセットに関わる情報を掲載する、
    ことを特徴とする請求項56に記載の無線通信装置。
  58. 定期的信号の送受信を新規に生成するに先立ち、スキャン動作を行なうスキャン動作手段をさらに備え、
    前記通信制御手段は、スキャン動作により抽出された他局の定期的信号送受信と衝突しない時間帯に該新規の定期的信号の送受信タイミングを設定する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  59. 前記通信制御手段は、周辺局の定期的信号送受信区間以外の時間帯にて、伝送路上の所定時間の信号検出とランダムなバックオフ期間の待機を伴うアクセス手順に基づいて信号の送受信を行なう、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  60. 前記の各通信局は、自局が受信可能な周辺局のビーコンの受信時刻を、前記所定の時間間隔中のどの時間帯が通信用途に利用されているかを示す形式で保持する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  61. 自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段と、
    前記通信手段により周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    前記通信手段によるビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段と、
    をさらに備え、
    前記所定の時間間隔毎に定期的な信号送受信を行なう場合に、定期的信号送受信を行なう信号の一部にビーコンの送信時刻からの相対時刻情報を記載し、
    前記衝突検出手段は、周辺局から受信した信号に記載されている相対時刻情報に基づいて当該周辺局のビーコンとそれ以外の局が送受信する信号との衝突を検出する、
    ことを特徴とする請求項40に記載の無線通信装置。
  62. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  63. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避ステップと、
    を有し、
    自局のビーコン送信タイミングを変更する際、
    前記ビーコン信号生成ステップでは、ビーコンの送信タイミングを変更する旨の警告をビーコン中に記載し、
    前記タイミング制御ステップでは、少なくとも所定期間だけスキャン動作を行なうことで周辺局がビーコン送信に使用していないタイミングを発見し、新規のビーコン送信タイミングに決定する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  64. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避ステップと、
    を有し、
    前記ビーコン信号生成ステップでは、ビーコンに設定されているトラフィックのプライオリティを当該ビーコン中に記載し、
    前記衝突回避ステップでは、前記所定の時間間隔内で配置したいビーコンの個数並びにそのプライオリティを指定したビーコン停止要求を周辺局へ向けて送信し、他局からビーコン停止要求を受信したときには前記所定の時間間隔内で当該要求で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけビーコンの送信をとりやめる、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  65. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避ステップと、
    を有し、
    前記タイミング制御ステップでは、前記所定の時間間隔で自局に設定されたスロット内でのビーコン送信タイミングを擬似ランダム系列により与えられるオフセット値に基づいて移動してビーコンの送信を行ない、
    前記ビーコン信号生成ステップでは、該擬似ランダム系列に関する情報を当該ビーコンに記載して報知し、
    前記衝突回避ステップでは、受信したビーコンに記載されている擬似ランダム系列に関する情報に基づいて自局のビーコン送信タイミングを同じスロット内で移動する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  66. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための無線通信方法であって、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成ステップと、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析ステップと、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御ステップと、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避ステップと、
    を有し、
    前記ビーコン信号生成ステップでは、周辺局に対して伝達すべき異常状態に関する警告をビーコンに記載して報知し、
    前記衝突回避ステップでは、異常状態の警告を意図する情報を掲載したビーコンを周辺局から受信したことに応答してスキャン動作を行ない、ネットワークの状態の情報を獲得する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  67. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段と、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段、
    として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
  68. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段、
    他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段、
    として機能させ、
    自局のビーコン送信タイミングを変更する際、
    前記ビーコン信号生成手段は、ビーコンの送信タイミングを変更する旨の警告をビーコン中に記載し、
    前記タイミング制御手段は、少なくとも所定期間だけスキャン動作を行なうことで周辺局がビーコン送信に使用していないタイミングを発見し、新規のビーコン送信タイミングに決定する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  69. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段、
    他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段、
    として機能させ、
    前記ビーコン信号生成手段は、ビーコンに設定されているトラフィックのプライオリティを当該ビーコン中に記載し、
    前記衝突回避手段は、前記所定の時間間隔内で配置したいビーコンの個数並びにそのプライオリティを指定したビーコン停止要求を周辺局へ向けて送信し、他局からビーコン停止要求を受信したときには前記所定の時間間隔内で当該要求で指定されたプライオリティ以下のビーコンを指定された個数だけビーコンの送信をとりやめる、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  70. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段、
    として機能させ、
    前記タイミング制御手段は、前記所定の時間間隔で自局に設定されたスロット内でのビーコン送信タイミングを擬似ランダム系列により与えられるオフセット値に基づいて移動してビーコンの送信を行ない、
    前記ビーコン信号生成手段は、該擬似ランダム系列に関する情報を当該ビーコンに記載して報知し、
    前記衝突回避手段は、受信したビーコンに記載されている擬似ランダム系列に関する情報に基づいて自局のビーコン送信タイミングを同じスロット内で移動する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  71. 各通信局が所定の時間間隔でネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによって自律分散的に構築される通信環境下において無線通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    自局に関する情報を記載したビーコン信号を生成するビーコン信号生成手段、
    周辺局から受信したビーコン信号を解析するビーコン信号解析手段、
    ビーコン送信タイミングを制御するタイミング制御手段、
    自局のビーコン送信の直前に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定し、又は、自局のビーコン送信の直後に他局のビーコンを受信したことに応答して自局のビーコン送信タイミングの変更を決定することによって、他局との間で発生したビーコンの衝突を回避する衝突回避手段、
    として機能させ、
    前記ビーコン信号生成手段は、周辺局に対して伝達すべき異常状態に関する警告をビーコンに記載して報知し、
    前記衝突回避手段は、異常状態の警告を意図する情報を掲載したビーコンを周辺局から受信したことに応答してスキャン動作を行ない、ネットワークの状態の情報を獲得する、
    ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  72. 自律分散的な通信環境下で所定の時間間隔毎に通信動作を行なう無線通信方法であって、
    前記所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信する信号送受信ステップと、
    定期的な信号送受信に先立ち又は送受信を行なった後の少なくとも一方において、他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突の有無を検出する衝突検出ステップと、
    前記衝突検出ステップにおいて定期的な信号送受信に先立ち他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突を検出したことに応答して、該他局の信号との衝突を回避できるように自局の信号の送信タイミングを遅延させる衝突回避ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  73. 自律分散的な通信環境下で所定の時間間隔毎に通信動作を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
    信号の送受信動作の制御と送受信信号の処理を行なうとともに、前記所定の時間間隔毎に定期的な信号の送受信動作を制御する通信制御手段、
    定期的な信号送受信に先立ち又は送受信を行なった後の少なくとも一方において、他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突の有無を検出する衝突検出手段、
    前記衝突検出手段が定期的な信号送受信に先立ち他局からの送信信号の受信を試み、該定期的な信号送受信と他局の信号送信との衝突を検出したことに応答して、該他局の信号との衝突を回避できるように自局の信号の送信タイミングを遅延させる衝突回避手段、
    として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
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