JP4391015B2 - 電気化学的電池用電流遮断器 - Google Patents
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Description
本発明は、内部の温度又は気体圧力の過度の増大に際して電池を流れる電流を確実に遮断する電気化学的電池用電流遮断器に関する。
【0002】
電気化学的電池、特に、例えば内部のリチウム又はリチウムイオンが活物質であるようなエネルギー密度の高い電池は、当該電池によって電源供給されるデバイス又は周囲環境に損傷を与える原因となり得る漏洩又は破壊の危険にさらされる。可充電電池の場合には、電池の内部温度上昇は過充電に起因することがあり得る。望ましくない温度上昇は、しばしば対応する内部気体圧力の増加を伴う。これは、外部短絡状態の場合に起こりやすい。さらに、内部気体圧力は電池が過度に放電された場合にも増加することがあり得る。電池のコストや、サイズ、質量を増大することなしに、安全装置を電池に付属させることが望ましい。
【0003】
この種の電池、詳細には活物質としてリチウム又はリチウムイオンを利用する可充電電池は、しばしば対応する圧力上昇を伴う電池の内部温度上昇に起因する漏洩又は破壊にさらされる。これは、過充電のような酷使状態又は過放電中に起こることのある短絡状態によって引き起こされやすい。さらに、これらの電池は、電解質溶媒が外部外へ漏出すること及び外部環境から湿気が内部へ侵入することを阻止するために気密に密封されることも重要である。
【0004】
上記のように、この種の電池が過充電されると自己加熱が起こる。余りに急速に充電するか又は過充電することは温度上昇に通ずる。電池を過充電する際に、充電電圧又は充電電流が余りに大きくなると、電池を急速に過熱させ、ひいては、安全問題を提起する。電池の化学的性質及び構造によって変化するある一点を温度が超過すると、望ましくなく、かつ制御できない熱的暴走状態が始まる。さらに、過熱に起因して内部圧力が上昇し、電解質が電池から突如放出されることがあり得る。この状態が起こる前に、制御された換気を開始するのが好ましい。過度の電流量が可充電電池を通過することを阻止しようとする試みに、そこを通過する電流と共にその抵抗値が増大するPTC(正の熱膨張係数をもつデバイス)が用いられた。ただし、例えば過度の充電電圧が用いられて電池が過充電された場合に熱的暴走状態の発生を阻止するには、この種のデバイスだけでは不十分である。
【0005】
例えば直方体状電池又はセルラ電話用小型円筒形電池のような幾つかの可充電電池は非常に薄い場合がある。この種の電池は小型なので、信頼度の高い電流遮断安全装置を組み込むことは困難であった。しかし、セルラ電話を正常に使用する際には電池が消費者に近接しているので、この種の安全装置の必要性は非常に大きい。
【0006】
従来の電池設計は、電池の陽極活物質及び陰極活物質と適当なセパレート物質及び電解質が円筒形ケース内に挿入された後で、端部の開いた円筒形ケーシングに挿入されるエンドキャップはめ込み部を用いる。エンドキャップは陽極物質又は陰極物質の1つと電気接触し、エンドキャップの露出した部分は一方の電池端子を形成する。電池ケーシングの一部はもう一方の端子を形成する。
【0007】
本発明は、単一電池内に集積され、一次又は二次(充電可能な)電池に有利に適用される1つ又は幾つかの電流遮断アセンブリを扱う。本発明のエンドキャップアセンブリの特定用途は、例えば、液体又は高分子電解質又はハイブリッド高分子/液体電解質及び水素化ニッケル金属、ニッケルカドミウムを用いるリチウムイオン及び充電可能なリチウム電池等のような可充電電池、又は、他の可充電電池用に使用することである。本発明のエンドキャップアセンブリは、電池過熱、及び、高温への露出、過度又は不適当な充電又は放電、又は、電池の短絡に際して発生する圧力上昇の危険性を克服するものである。
【0008】
本発明は、一態様において、薄い直方体状電池又は直径の小さい円筒形電池用の電流遮断メカニズムに向けられる。小さな熱感応電流遮断アセンブリが電池内に配置される。電流遮断アセンブリは、個別に製造され、電池組立て期間中に個別ユニットとして電池内に挿入可能であることを利点とする独立型密封デバイスであることが好ましい。電池内部が過熱して所定温度を超過したとき、独立アセンブリ内の熱感応電流遮断メカニズムは、電流を中断し、電流が電池を通って流れることを阻止するように動作する。電流遮断メカニズムは、好ましくは曲面を有する形状記憶金属合金で構成されたフレキシブルディスクであることが望ましい熱感応部材を含む。電池の正常動作に際して、形状記憶合金ディスクは、一方の電池電極と、その電極が接続されている端子との間に電気通路の一部を形成することが好ましい。電池内温度が所定値に達すると形状記憶ディスクが偏向し、電極と端子の間の電気通路を遮断して、電池を作動停止(シャットダウン)する。ダイオード、好ましくはツェナーダイオードが、電流遮断アセンブリ内にの中に形状記憶ディスクへ近接して配置されるのがよい。ツェナーダイオードは、電池端子に並列に電気的に接続される。電池が不注意に過充電されるか、長期充電されるか、又は、過度の電圧で充電されたときは、ダイオードを加熱し、ひいては、形状記憶ディスクを偏向させて電気通路を遮断し、それによって電池を作動停止とする。
【0009】
本発明の別の一態様において、電流遮断アセンブリは、熱感応電流遮断メカニズム及び圧力作動電流遮断メカニズムの両方で構成される独立ユニットである。電流遮断アセンブリは、電池の端子として機能する露出されたエンドキャッププレートを有する。アセンブリが電池に適用され、その電池が正常作動している場合には、エンドキャッププレートは電池電極(陽極又は陰極)と電気的に導通している。電流遮断メカニズムは、望ましくは湾曲ディスクの形をした形状記憶金属合金、又は、バイメタルで構成され、柔軟な導電性部材と物理的に導通していても差し支えない熱感応フレキシブル部材を有する。熱感応部材とフレキシブル導電部材の間の物理的導通は、これら2つのエレメントの間に配置された非導電性可動ロッドによって達成されてもよい。電池が正常作動しているときは、フレキシブル導電部材は、電池電極の1つとエンドキャップ(端子)との間の電気通路の一部を形成する。電池内温度が所定値に達すると、熱感応部材が偏向し、非導電性可動ロッドによってフレキシブル導電部材を押圧してこれを偏向させ、その結果として電極と端子の間の電気通路を遮断する。
【0010】
アセンブリは、熱感応部材に近接して配置されたダイオード、好ましくはツェナーダイオードを有する。ツェナーダイオードは、電池端子に並列接続される。電池が不注意に過充電されるか、長期充電されるか、又は、過度の電圧で充電された場合には、ダイオードを加熱し、次に熱感応部材を偏向させて、電気通路を遮断し、それによって電池を作動停止する。さらに、アセンブリは、好ましくは圧力作動金属ダイアフラム含む圧力作動電流遮断メカニズムを含むことが望ましい。ダイアフラムは、電流遮断アセンブリハウジングの一部を形成し、電池内圧力が所定レベルを超過すると偏向することが好ましい。ダイアフラムの偏向は、電池電極と、対応する端子との間の電気通路の遮断を引き起こし、それにより、電池を作動停止する。
【0011】
他の一態様において、電池は、上記2つのタイプの独立構造の電流遮断アセンブリの両方を含むこともあり得る。すなわち、一方は熱感応電流遮断メカニズムを含み、もう一方は熱感応電流遮断メカニズム機構と圧力作動電流遮断メカニズムの両方を含む。これは、多重独立電流遮断安全機能を電池に付与する。例えば、電池の直径又は全体の太さは約5ないし20mmの間である場合のように、電池の直径が両方の電流遮断アセンブリを収納するに充分な大きさである場合には、この種の設計は有利に使用できる。この種の一実施形態において、熱感応電流遮断メカニズムのみを有する電流遮断アセンブリは、電池の最も熱い部分に近接するように、完全に電池内部に有利に配置可能である。ダイオード、好ましくはツェナーダイオードは、一方又は両方のこの種の独立構造型電流断アセンブリ内に含まれ、電池端子と並列に電気接続されることが可能である。
【0012】
好ましい一実施形態において、本発明の熱感応電流遮断器アセンブリ220は、図1に示すように電池215内に完全に内部配置可能である。電池215は、図1に示すように平行六面体に整形されたケーシング225を有する直方体状電池であるが、その代りに直径の小さい円筒形電池であっても差し支えない。電池215が直方体状電池である場合には、一般に全厚さが約3ないし10mmであって非常に薄い。一般に直方体状電池は非常に薄く、全厚さは約3ないし6mmである。電池215が直径の小さい円筒形電池である場合には、直径は一般に約3ないし10mmである。ここに示す電流アセンブリ220は、例えば厚さ約3ないし15mmの直方体状電池、又は、直径約3ないし15mmの円筒形電池のような比較的大きい寸法の電池内に集積配置されることもあり得る。ただし、アセンブリ220は、薄い直方体状又は細い円筒形電池として特定の用途に用いられる。電池215は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル金属水素化物電池、又は、ニッケルカドミウム電池のような一次又は充電可能な電池であることも可能であるが、リチウムイオン電池のような充電可能な電池として有利である。リチウムイオン充電可能電池は、電池の放電に際して、リチウムイオンを陰極から陽極へ転移し、電池の充電に際して、リチウムイオンを陽極から陰極へ転移することによって特徴付けられる。この場合、陽極としては、一般にリチウムコバルト酸化物(LiXCoO2)、又は、リチウムニッケル酸化物(LiNiXO2)、又は、コバルト置換リチウムニッケル酸化物(LiCOXNiYO2)、又は、スピネル型水晶状構造(LiXMn2O4)のリチウムマンガン酸化物が用いられる。リチウムイオン電池は、一般に、陰極として、炭素又は錫酸化物材料を使用する。陰極は、電池の放電期間中は陰極を構成し、充電期間中は陽極を構成するが、陽極は、電池の放電期間中は陽極を構成し、充電期間中は陰極を構成する。この種の電池用電解質は、非水溶性溶媒の混合物に溶解したリチウム塩で構成される。この場合の塩はLiPF6であり、溶媒としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、及び、これらの混合物が有利に用いられる。図1に示す特定の一実施形態において、電池215は、対面する平らな本体面205(a)と205(b)、平らな側面208(a)と208(b)、及び、平らな端面209(a)と209(b)で形成されるケーシング225を有する直方体状のリチウムイオン電池である。正端子245及び負端子246は、同一側面208(a)から露出し、電源供給しようとするデバイスへ接続するためにアクセス可能である。電極スタック235は、図に示すように、1枚の陽極材料211、1枚の陰極材料213、及び、これらの間に配置された従来型の多孔性分離材料212で構成される。スタック235は、従来型のゼリーロール様に巻かれ、次に、巻かれた材料は、電池内に緻密に適合するように、平らにされる。
【0013】
本発明の熱感応電流遮断アセンブリ220は、図1に示すように、リチウムイオン直方体状電池215内に集積される。この種の実施形態において、電流遮断アセンブリは、完全に電池内部に配置され、一方の端部において陽極211に、もう一方の端部において正端子245に電気的に接続される。従って、正常な作動状態においては、陽極211と正端子245との間に電気通路が存在する。電流遮断アセンブリ220の好ましい一実施形態を図2に示す。アセンブリ220は、金属製ケーシング280、金属製エンドキャップ230、形状記憶合金であることが好ましい電流遮断ディスク250、及び、キャップ230の内部表面と接触する金属接点プレート295を有する独立構造型密封ユニットである。図2に示すように、エンドキャップ230は、その表面が外側に膨らむような凹状である。ケーシング280は、図3に示すように開口端とわずかに膨らんだ本体を有するカップ型円形構造である。アセンブリ220は、ディスク250の周辺縁とエンドキャップ230の周辺エッジ縁230(a)との間に、絶縁リング290を備える。さらに、アセンブリ220は、電流遮断ディスク250に近接して配置されたツェナーダイオードチップ600であることが好ましいダイオードを有する。ツェナーダイオード600は、接点プラグ295内に位置しても差し支えない。ツェナーダイオード600は、接点プラグ295の内部表面に接触している正の面620及び電池の負端子246に電気的に接続された負の面630を備えたウェーハ形であることが好ましい。エンドキャップ230は、それを貫通する小孔640を備える。この小孔は、従来のポリプロピレン又はガラスから成る密封金属材料に対する電気絶縁パッキン押え(グランド)603で裏打ちされる。導電性コネクタ又はリード602は、電池の負端子246に接続するために、絶縁された小孔640を通ってツェナーダイオードの負の面630から伸延する。コネクタ602は、負の面630に溶接されたニッケル又は銅であっても差し支えない。ダイオード600は、露出した負の面630を覆って、絶縁するために適用されるポリエステル又はポリイミド材料から成る絶縁被覆601を備えることができる。従って、絶縁被覆601は、両者共に正である接点プラグ295又はエンドキャップアセンブリ235と接触しないように負の面630を保護する。絶縁被覆601を備えたダイオード600は厚さが約0.25ないし0.35mmのダイオードサブアセンブリを形成する。
【0014】
ツェナーダイオードチップ600は、例えば薄い楕円形又は多角形ウェーハディスクとしてのウェーハ形状、好ましくは図3に示すような矩形、又は、方形ウェーハディスク、又は、円筒形の二端子半導体接合デバイスである。ウェーハ形の場合には、ツェナーダイオードは、金属被覆された正端子面(陽極)620、金属被覆された負端子面(陰極)630、及び、2つの端子面の間のコア半導体接合層615を有する。接合部615は、一般に、二酸化ケイ素によって保護される。円筒形ツェナーダイオードにおいては、半導体接合部は円筒の内に所在する。円筒の外側表面は端子面の1つを形成し、円筒の端部は反対の端子を形成する。ツェナーダイオードは、電気化学電池又は他のDC(直流)電源に接続されると、特有の電流対電圧プロファイルを表す。ツェナーダイオードは、ツェナー電圧V*(絶縁破壊電圧)及びツェナー電圧における電力消費(ワット)により事前選定可能である。ダイオード端子間電圧Vが変化すると、ダイオード内部の抵抗は、ツェナー電圧V*まで徐々に減少する。電圧がツェナー電圧V*に近付いてこれを超過すると、ダイオード内部の抵抗は劇的に低下する。これは、ダイオード内部の抵抗が非常に小さくなり、電圧がツェナー電圧Vを著しく超過するとダイオードを通る電流Iが非常に大きくなることを意味する。電流がダイオードを通過するとI2R熱を発生する。ダイオードの均衡表面温度はワット密度(単位表面積当たり電力消費)の関数である。
【0015】
本発明のエンドキャップアセンブリにとって好ましいダイオード600はツェナーダイオードであるが、その代わりに、他のダイオードも使用することができる。例えば、ツェナーダイオードは、適当なパワー及び低圧ドレーンのショットキダイオード、又は、パワーダイオードで代替することができる。同様に、この種のダイオードは、印加電圧が増大するにつれて抵抗が減少するという望ましい特性を示すので、電池が過充電状態である場合に電流遮断ディスク250を偏向させるために、ツェナーダイオードの代わりの発熱体として使用することができる。ただし、例えば事前選定されたツェナー電圧のような特定の電圧に達すると、これらのダイオードの抵抗は急激には降下しないので、この種のダイオードはツェナーダイオードよりは望ましくない。
【0016】
適切なダイオード600を選定し、熱感応電流遮断ディスク250の近くのエンドキャップアセンブリ220内ダイオードを交換することによって、過度の充電電圧又は高充電電流の結果として電池が過充電状態に曝された場合における安全性を強化することが確認された。このような場合、ダイオードは、I2R熱によって迅速に熱くなり、ひいては、アセンブリ220内の電気通路を遮断して、電池を作動停止するように電流遮断ディスク250を偏向させる。電流遮断ディスクは、追加熱源、すなわちダイオードに露出されて、これを感知するので、ツェナーダイオードを含むことは、この種の過充電状態期間中におけるシャットダウン(作動停止)応答を迅速化することが確認された。ツェナー電圧が電池の正常作動電圧を充分に超過するが、同時に、電池を作動停止するために電流遮断ディスク250をトリガすることが望ましいしきい値電圧を表すように、ツェナーダイオードを有利に選定される。さらに、ツェナーダイオードは、発熱が電流遮断ディスク250を偏向させるに十分な温度に到達すると、ツェナー電圧において流れる電流が消散されるように選定される。さらに、電池が使用中でない場合には無視できる程度のドレインだけが流れるようなダイオードを選定することが好ましい。リチウムイオン電池の場合には、そのドレーンが約100マイクロアンペア未満であり、好ましくは3.0ボルトにおける電流が約20マイクロアンペアであるようなツェナーダイオードを選定するのが望ましい。
【0017】
リチウムイオン電池は、一般に約3ないし4ボルトの電圧範囲で作動する。従って、エンドキャップアセンブリ220及び後で述べる他の電流遮断エンドキャップアセンブリで使用する場合におけるリチウムイオン電池に適したツェナーダイオードは、ツェナー電圧が約5.0ボルト以下、好ましくは約4.7ないし5.0ボルトであり、約3ないし4ボルトの電池動作電圧範囲内において、低電流がダイオードを流れるようにワット数が約100ないし500マイクロワットの間であるように選定するのが望ましい。すなわちダイオードは、正常充電状態においては電流遮断ディスク250を偏向させるのに十分な熱を発生することがなく、電池が使用中でない場合には電池を著しく消耗させるような大きい電流を電池から放出させることのないように選定されなければならない。リチウムイオン電池と共に用いられるエンドキャップアセンブリ220用に好ましいツェナーダイオード600は、マサチューセッツ州メルローズ(Melrose)所在のCompensated Devices社によって供給されるツェナー電圧4.7ボルトのツェナーダイオード(500マイクロワット)ウェーハチップ型no.CDC 5230であり得る。リチウムイオン電池と共に用いられるエンドキャップアセンブリ220用の代替ツェナーダイオード600は、ツェナー電圧が4.7ボルトの300マイクロワットウェーハチップ型no.CDC 4688であってもよい。この種のチップは、幅が約0.25mmであり、厚さが約0.6mmである。
【0018】
ツェナーダイオード600を含むか、又は、含まないエンドキャップアセンブリ220を使用する場合には、電池の陽極と正端子245の電気通路内に従来型PTC(正の熱膨張率)デバイスを加えても差し支えない。この種のPTCデバイスは、付加する場合には、エンドキャップアセンブリ220内、又は、その外部に配置することができる。ただし、ツェナーダイオード600を備えたエンドキャップアセンブリ220に関する上述の一実施形態ではPTCデバイスを必要としない。PTCデバイスの抵抗値は、そこを通る電流が増加するにつれて増加する。ただし、PTCデバイスディバイスの抵抗は 全電流がそこを通過することを阻止する程には高くならない。従って、特に、過電圧充電又は長期充電によって電池が過充電状態になった場合、PTCデバイスは、それ自体、エンドキャップアセンブリ220に関する前述の好ましい一実施形態と同じ程度の保護機能は提供しない。その上、熱電流遮断ディスク250は、過度の充電又は放電電流に反応することも可能であり、この種の状況に対する保護を与えるために、PTCデバイスを使用する必要性を排除する。
【0019】
アセンブリ220の各構成要素の好ましい構造を図3に示す。電流遮断ディスク250の厚さはその直径又は平均幅に比較して小さく、円形又は円筒形であることが好ましいが、他の形状、例えば卵形又は長円形又は薄い平行六面体又は薄く細長いスラブの形又は平行でなくても差し支えない1対又は複数対の対面する縁をもつプレートであっても差し支えない。この種の構造は、厚さがその長さの約30%未満かつその平均幅の約30%未満であることが好ましい。従って、ここで使用する、詳細には熱感応部材250,350,352と関連して使用するディスクという用語はこのような他の形状が含まれることを意味する。卵形又は長円形のディスクの場合は、平均幅という用語はその主面の最小直径を意味するものとする。
【0020】
ディスク250の厚さは1mm未満であることが望ましく、約0.05ないし0.5mmの間であることが好ましい。図3に最もよく示される電流遮断ディスク250の好ましい実施形態は外側縁258及び中空中心部分257を有する。柔軟で弾性のあるフレキシブル部分255は周辺縁258から中空部分257に内側に向かって突出している。フレキシブル部分255は、その端部255(b)が正極211と正端子245の間の電気通路を完成する接触プレート295に対して第1位置に置かれるようにその表面内でわずかに上向きに曲げる255(a)ことにより図3のように有利に形成される。正常作動中は、電流は、正極211からコネクタタブ287(a)とケーシング280を経て電流遮断ディスク250及び柔軟部分255を通り接触プラグ295とアセンブリエンドキャップ230及びコネクタタブ287(b)を経て正端子245まで流れる。図1から分かるように、電流遮断ディスク250は、抵抗を最小化するために電流がディスク250の厚さ、従って柔軟部分255の厚さを貫いて流れるようにアセンブリ内に配置される。電池215内の温度が所定値を越えると、端部255(b)は下向きに第2位置に向かって偏向し、接触プレート295との接触を遮断し、それによって、電極211と端子245の間の電気通路を遮断し、電池を作動停止(シャットダウン)する。
【0021】
図3において、電流遮断アセンブリ220は、ケーシングの底部表面上に配置されるように電流遮断ディスク250をケーシング280の開口端に挿入することによって容易に組み立てられるように設計されている。ツェナーダイオード600の正の面620は接触プラグ295の内部表面へ接続される。次に、絶縁リング290がディスク250上に挿入され、金属接触プラグ295は堅固なディスク様プラグの形で、形状記憶合金製であることが好ましい突き出た弾性部材255上に位置するまで、絶縁リングに設けられた小孔290(a)を経て挿入される。絶縁グロメット275はエンドキャップ230上に挿入され、エンドキャップ230の内部表面が接触プラグ295の上面に接触するように、これら2つの部品は金属接触プラグ295上に配置される。次に、ケーシング280の周辺縁及び絶縁グロメット275の周辺縁は、エンドキャップ230の周辺縁230(a)上でクリンプされる。クリンプに際しては半径方向の圧力が加えれるので、エンドキャップ230の周辺縁230(a)は、絶縁グロメット275の周辺縁275(a)の内部表面にに噛み込み、エンドキャップ230とケーシング280の間に堅固な密封を形成する。
【0022】
熱電流遮断アセンブリの他の一実施形態、すなわち、アセンブリ320を図6及び7に示す。電流遮断器のこの実施形態は、図4に示すように直方体状電池の端部から、又は、図5に示すように円筒形電池の端部から突き出るように設計されている。この種の実施例形態において、直方体状電池の全体の厚さは少なくとも6mmであることが有利であり、一般に約6ないし20mmの間であれば、アセンブリ320を収容するために十分な厚さである。図5に示すように、電池が円筒形である場合には、アセンブリ320を収容するために、少なくともサイズAAAの電池と同じ大きさの直径であることが望ましい。従って、アセンブリ320は、AAA、AA、A、C、又は、Dサイズの円筒形電池の端部から突き出るか、又は、例えば、電池の直径が約5ないし20mmの間であるように都合よく決定されてもよい。この方法を用いると、アセンブリ320の突出部分、すなわちエンドキャップ325は一方の電池端子を都合よく形成することになる。
【0023】
電流遮断アセンブリ320のエンドキャップ325は、図6に示すようにアセンブリ320の上側部分を形成する逆カップ形とアセンブリの下側部分を形成するカップ形本体370の形状であることが望ましい。エンドキャップ325及び本体370は電導性物質で形成される。カップ形本体370のベース372は、電池内圧力が所定値を越えると上方へ(エンドキャップ325の方へ)偏向するように設計された圧力作動ダイアフラムを形成することが好ましい。形状記憶合金又はバイメタルによって有利に構成されるフレキシブル熱感応部材350又は352はカップ370底部内の圧力ダイアフラム372へ近接して配置される。熱感応部材は、図7に示すような曲面をもったディスク350又は352のように円盤形であることが好ましい場合もあり得る。ただし、形状記憶合金又はバイメタル合成材が用いられる場合には、どちらの構造であっても差し支えなく、形状記憶合金が用いられる場合には細長いスラブ又は平行六面体構造352が好ましく、バイメタル合成材が用いられる場合には、円形ディスク350構造であることが好ましい。ディスク350(又はディスク352)は、実質的にエンドキャップ325表面に平行な平面内に所在するようにアセンブリ320内に配置されることが望ましい。電気絶縁ロッド又はプラグ340は、フレキシブル熱感応部材350の最上表面上に配置することができる。アセンブリ320は、本体370の棚部分374上に都合よく配置できる金属支持リング360を含むことが望ましいアセンブリ320は、周辺縁332からディスク330の中空部分333内に伸延する柔軟で弾性のある部材334で構成されるフレキシブルな電導性金属ディスク330を含むことが望ましい。絶縁リング335は、ディスク330の周辺縁332と金属支持リング360の縁362との間に配置される。フレキシブルな導電性ディスク330は、エンドキャップ325の周辺縁327と絶縁リング335の間にはさまれる。絶縁グロメット375は、エンドキャップ325の周辺縁327及びカップ形下側本体370の周辺縁377を囲み、グロメット375はディスク330及び絶縁リング335も囲む。ケーシング380は結果的に絶縁グロメット375を囲む。
【0024】
電流遮断アセンブリ320は、例えば薄い楕円形(図9)又は多角形ウェーハディスクのようなウェーハ形であっても差し支えないダイオードディスク700を含むこともあり得る。図10に示すように、ダイオード700は矩形又は方形ウェーハ形であることが好ましい。ダイオード700はツェナーダイオードであることが好ましいが、例えば適当な電力消散及び低圧ドレーンを持つショットキーダイオード又は電力整流ダイオードのような他のダイオードも使用できる。ダイオードの正の金属面720は、導電性はんだを用いて取り付けることによってエンドキャップ325(図6)に接続される。金属線又はタブの形であっても差し支えない導電性リード702が用いられ、ダイオードの負の面730から伸延する。リード702は、アセンブリケーシング380に電気的に接続可能であり、セルケーシングに溶接することによって結果的に電池の負端子へ電気的に接続される。電気絶縁物703は負リード702の上下に施され、負リードがエンドキャップ325又は正極性であるアセンブリ320内のいずれかの内部金属構成要素と接触することを阻止する。絶縁物703は、ポリエステル又はポリイミド物質の薄膜の形であっても差し支えない。その代りに、絶縁物703はポリ塩化ビニルであっても差し支えない。同様に、ダイオードの露出した金属製負面730は、ダイオードの負の面730と正であるアセンブリ320内の金属構成要素との間の接触を阻止するために、例えばポリエステル又はポリイミド材の絶縁薄膜を用いて絶縁材によって被覆される。ダイオード700は、エンドキャップアセンブリ320内で使用し、リチウムイオン電池に適用するには、ツェナー電圧が約5.0ボルト以下、好ましくは約4.7ないし5.0ボルトの間であり、ワット数が約100ないし500マイクロワットであるツェナーダイオードであることが好ましい。この種のダイオードが必要とする電池のドレーンは無視できる程度である。リチウムイオンル電池と共に使用されるエンドキャップアセンブリ320用として好ましいツェナーダイオード700は、マサチューセッツ州Melrose所在のCompensated Devices社から入手可能な、ツェナー電圧が4.7ボルトのツェナーダイオード(500マイクロワット)ウェーハチップ型no.CDC523Oであってもよい。ツェナーダイオード700は、導電性リード702及び絶縁物703と共に、厚さが約0.25ないし0.35mmまでのダイオードアセンブリを形成する。
【0025】
好ましい実施形態において、ここに記述するエンドキャップアセンブリ用として用いられるダイオード600又は700は、電池の端子と恒久的かつ電気的に並列接続される。前述の好ましい実施形態において、ダイオード600又は700、及び、電流遮断器250又は350は両方とも、電池の正端子へ電気的に接続される。従って、電流遮断器250又は350が作動化されると、正端子端と正電極の間の電気通路が遮断され、それによって、電池を作動停止し、同時に、ダイオードを非作動化する。ダイオードを含む代替回路設計も同様に可能である。例えば抵抗器のような他の抵抗を、1つ又は両方のツェナーダイオード端子と、前記ツェナー端子と対応する電池端子の接続部との間の回路に含ませても差し支えない。同様に、例えばダイオード700(図6)のようなダイオードは電池端子と並列接続可能であり、例えば、ダイオード700の正の面720がエンドキャップ320の代わりの金属製支持プレート360(図6)に接続されている場合には、電流遮断器の弾性アーム330をダイオードと直列接続することができる。この種の一実施形態においては、電流遮断部材350と弾性アーム330が偏向した場合に、ダイオードは非作動化されない。従って、ここで用いられ、特許請求の範囲で用いられる場合、「ダイオードの並列電気接続」という用語は、ダイオード端子と、対応する極性の電池端子とこのダイオード端子との接続部との間の回路脚に、追加抵抗器又は例えば弾性アーム330のような熱対応電流遮断器の導電性部分を挿入する可能性を除外することを意味しない。上述したように選定されたダイオードが電池に要求するドレーンは無視できる程度である。電池のあらゆるアイドルドレーンを完全に排除するには、一方のダイオード端子は対応する電池端子に恒久的に接続することが可能であり、もう一方のダイオード端子は、充電装置又は電源供給されている装置に電池を挿入する時にオンするスイッチによって、対応する電池端子に接続可能である。
【0026】
ツェナーダイオード700の介在によるか、又は、介在なしに、エンドキャップアセンブリ320を使用する場合には、正極211と正端子325の間の電気通路内に従来型PTC(正の熱膨張率)を加えることを妨げない。この種のPTCデバイスを加える場合には、電池の内側及びエンドキャップアセンブリ320の外側に配置することが望ましい。ただし、ツェナーダイオード700を介在させたエンドキャップアセンブリ320に関する前述の実施形態は、特に電池に過度の充電電圧が印加される場合に、単独でPTCデバイスを使用するよりもさらに大きい保護機能を提供する。
【0027】
図7において、電流遮断アセンブリ320は、グロメットの外側表面がケーシング380の内部壁に接触するように先ず絶縁グロメット375をケーシング380に挿入することによって組み立て可能である。熱感応部材350又は352をカップ形本体370へ挿入し、次に、カップ形本体370の棚部分374へ金属支持リング360を挿入することによってサブアセンブリが組み立てられる。プラスチック製可動のロッド340は、部材350に位置するように支持リング360の中心小孔363を通って挿入される。絶縁リング335は、支持リング360上に配置されて、その周辺縁362に接触する。次に、ディスク330は、ディスク330の周辺縁332が絶縁リング335上に位置するように絶縁リング335上に配置される。ツェナーダイオード700の正の面720はエンドキャップ325の内部表面へ接続される。次に、エンドキャップ325の周辺縁327がディスク330の周辺縁332上に載るようにエンドキャップ325がディスク330上に配置される。次に、サブアセンブリは、その中に含まれる絶縁グロメット375と共に、ケーシング380に挿入される。次に、ケーシング380の端部380(a)及びグロメット375の端部375(a)が、サブアセンブリ及びその構成要素が堅固かつ恒久的に所定場所に保持され、グロメット375及び周りのケーシング380によって密封されるように、エンドキャップ325の周辺縁327上でクリンプされる。
【0028】
アセンブリ320は、図8に示すように、例えば、リチウムイオン円筒形電池のような充電可能な円筒形電池400に挿入可能である。アセンブリ320のエンドキャップ325は、電池の端部から突出し、一般に正の端子である電池端子を形成する。同様に、図4に示すように、アセンブリ320は、例えば直方体状リチウムイオン電池500のように、充電可能な直方体状電池に挿入可能である。この種の用途において、エンドキャップ325は電池の端部から突出し、一般に正の端子である電池端子の1つを形成する。円筒形又は直方体状電池が用いられるいずれの場合にも、電池は、随意に追加電流遮断アセンブリ、すなわち、上述の電流遮断アセンブリ220を含むことができる。2つを別々に収納することにより、独立構造型電流遮断アセンブリは、相互に独立して自己作動化する2つの熱感応電流遮断システムを電池に提供する。
【0029】
内部に両方の電流遮断アセンブリ220及び320を含む電池400を図8に示す。図8に示す両方の電流遮断アセンブリ220及び320は、「オン」位置、即ち、電極211から端子エンドキャップ325へ電流が正常に流れることを可能にする位置に在る。電池400がこの種の作動モードにある場合には、電池電極の1つ、例えば電極211と電池端子325の間に電気通路が存在する。正常作動状態において、電流は電極211から接続タブ287(a)、アセンブリ220のケーシング280、接触プラグ295、エンドキャップ230、次に、コネクタタブ287(b)へ流れる。電流はコネクタタブ287(b)からアセンブリ320の下側本体370へ流れる。次に、電流は、本体370から支持リング360、ディスク330の弾性アーム334、ディスク330から端子エンドキャップ325へ流れる。万一電池内部温度が所定値に達した場合には、熱感応弾性部材255が下方に向かって曲がり、それによって、部材255と接触プラグ295の間の電気接続を遮断する。これは、電極211と端子エンドキャップ325の間の電気通路の遮断を実施し、電池を作動停止する。同様に、電池の内部温度が別の所定値に達すると、アセンブリ320の熱感応部材350(又は352)は図6に示す位置に向かって上向きに曲がる。部材350の上向き運動はプラスチック製ロッド340を、ディスク330のフレキシブルかつ弾性あるアーム334に対して上向きに動かす。これは、弾性アーム334に支持リング360との接触を遮断させ、それによって電極211と端子エンドキャップ325の間の電気通路を切断する。電池の内部温度が極めて迅速に上昇した場合には、アセンブリ220の熱感応部材255とアセンブリ320の熱感応部材350(又は352)の両方が作動化され、電極211と端子エンドキャップ325の間の電気通路を2つの場所で無理なく同時に遮断する。これは、確実に電池を即時作動停止させて、安全性を強化し、2つの熱感応部材のうちの1つが動作不良であっても電池は作動停止する。
【0030】
その代りに、電池内の気体圧力が上昇して所定値を超過すると、アセンブリ320のダイアフラム372が上向きに曲がり、プラスチック製ロッド340を弾性アーム334に対して上向きに動かし、弾性アーム334に支持リング360との接触を遮断させる。これは、結果的に、電極211と端子エンドキャップ325の間の電気通路遮断を実施し、それによって電池を作動停止する。ダイアフラム372は電池内部の圧力だけに感応し、必然的に、電池の内部温度とは無関係に作動化される。従って、電池内の気体圧力が電池温度に関係なく所定値に達した場合に、電池が作動停止することを圧力作動ダイアフラム372が保証する。
【0031】
図2及び3に示す電流遮断アセンブリの一実施形態において、内側へ伸延している弾性部材255を備えた熱感応ディスク250又はディスク350又は図6及び図7に示すディスク352は形状記憶合金から成ることが望ましい。形状記憶合金は、例えばニッケル・チタン(Ni−Ti)、銅・亜鉛・アルミニウム(Cu−Zn−Al)、及び、銅・アルミニウム・ニッケル(Cu−Al−Ni)のような公知の記憶合金グループの中から選択可能である。ただし、形状記憶合金ディスク250、又は、ディスク350又は352として最も望ましい合金はニッケル・チタン合金であることが判明した。好ましいニッケル・チタン記憶合金は、Special Metals社からNITINOL合金の商標で入手可能である。ディスク250、又は、ディスク350又は352の弾性部材255はリセット可能記憶合金、即ち、加熱すると変形するが、周囲温度まで冷却すると、外力をかけることなしに、元の形状に戻る合金であっても差し支えない。ただし、形状記憶合金は周囲温度ではリセット可能でないこと、すなわち、その活性化温度まで加熱されると不可逆的に変形することが望ましい。これは、一旦、電池内部が過度の加熱状態を引き起こすと、その電池は再び作動可能にならないことを保証する。従って、ディスク250、359、又は、352は、一旦、作動化されるとリセット不可能なNITINOL合金を用いて作られることが好ましい。好ましい記憶ディスク250は、これから内向きにフレキシブルな部材255が突き出た円形周辺縁258を備えたNITINOL合金の単体として便利に作成可能である。フレキシブル部材255は、折り曲げ線255(a)によって内側脚255(c)から分離された上向きに折れた外側脚255(d)を用いて作成された矩形であることが便利である(図2及び3)。弾性部材255は、幅が約2ないし5mm、長さが3ないし8mm、厚さが約0.05ないし0.5mmであることが望ましい。温度が約60°Cないし120°Cである場合に、脚255(d)は、折り曲げ線255(a)に沿って下方に向かって曲がり、部材255と接触プラグ295の間の接触の遮断を引き起こす。ディスク250の直径は約5ないし15mmの間であることが望ましい。
【0032】
この種の活性化効果を達成するために、記憶ディスク250及び弾性部材255の厚さは、前記部材の抵抗が約5ミリオーム未満であれうような表面部分を備えた約0.05ないし0.5mmの範囲内にあることが有利であることが判明した。前記形状は、正常作動中にその厚さを貫いて電流が流れる場合に、ディスク250の全抵抗を減少させるために厚さを減少させ、良好な接触部分をもつことを可能にするので、ディスク250のための前述の形状、すなわちフレキシブル部分255がそこから内向きに突き出した円形周辺縁を備えた中空ディスクであることが望ましい。形状記憶部材255は約8%を超過する変形歪みを持たないことが望ましい。曲げ角度は約10ないし30度であることが望ましい。即ち、端部255(b)はディスクの平面から約10ないし30度の角度で上向きに曲げられる。これは、活性化温度に達すると、記憶部材255が接触プラグ295から遠のく方向に偏向し、平らになることを可能にする。リチウムイオン電池用に使用する場合には、記憶ディスクに関する前述の好ましい設計では、電池の連続作動状態における電流ドレーンが最大5アンペアであるような全抵抗5ミリオームが結果として得られる。
【0033】
図6及び7に示す電流アセンブリ実施形態において、熱感応部材は、曲がった円形ディスク350の形、又は、薄い曲がった細長いスラブ形にディスク、又は、平行六面体352の形で、形状記憶合金、上述したように好ましくはNITINOL合金によって有利に作ることができる。(ディスク352が薄く細長いスラブの形である場合には、卵形であるか、或いは、1つ又は複数対の平行でない対面する縁を持つ形状であり得る。)ディスク350又は352は、望ましくは約60℃ないし120℃の所定温度に曝した場合、不可逆変形するように作成されることが好ましい。電池の内部温度が所定値を越えた場合には、ディスク又はスラブの湾曲は反転するか、又は、平らになり、プラスチックロッド340にディスク330の弾性アーム334を押圧させる。これは、結果として、上述したように電流を遮断するために、ディスク330と金属支持リング360との間の電気接触の遮断を引き起こす。熱感応ディスク350又は352は、その代りに、バイメタル構成、即ち、熱膨張係数の異なる類似しない金属の2つの層による構成であっても差し支えない。バイメタル構成が用いられる場合には、バイメタルディスク350又はスラブ352の最上層(エンドキャップ325に最も近い層)は、好ましくはニッケル・クロム合金のような高熱膨張金属で構成されても差し支えなく、下に在る層又は底部層は好ましくはニッケル・鉄合金のような低熱膨張金属で構成されても差し支えない。他の適当なバイメタル合成はニッケルとチタンである。この種の実施形態において、ディスク350(又は、ディスク352)は、電池温度が少なくとも60℃まで上昇した場合に作動化し、一般に、約60℃ないし120℃の電池温度で作動化可能である。ディスク350又は352は、−20℃以下の温度を除き、リセットされることのないように、高熱膨張金属層及び低熱膨張金属層を選定することも可能であり、従って、ほとんどの用途において、この種デバイスは単一作動サーモスタットデバイスとして使用される。
【0034】
電流遮断アセンブリ220(図2及び3)において、ケーシング280は、強度と耐腐食性を強化するために、アルミニウム、ステンレス鋼、又は、チタンで形成してもよい。ケーシング280の肉厚は約0.1mmないし0.5mmであることが望ましい。ケーシング280、及び、従ってアセンブリ220の直径は約3ないし15mmであることが望ましく、一般に、直径は約3ないし8mmのあり、深さは約1ないし10mmであり、一般に、約1ないし3mmである。この種の全寸法であるアセンブリ220は、電池容量を著しく減少させるか、又は、電流遮断機能を損なうことなしに、全厚さが約3ないし6mmである非常に薄い直方体状電池に挿入可能である。
【0035】
内部絶縁リング290は、圧縮強度及び温度安定性が比較的高い耐食性サーモプラスチック材料から成ることが望ましい。絶縁リング290用の好ましい物質はCelanese Co.から商標VECTRAポリマとして入手可能な液晶ポリマ、又は、商標VALOXポリマとしてGeneral Electric Plastics社から入手可能なポリエステルである。接触プラグ295は、エンドキャップ230の下面に容易に溶接可能な冷間圧延鋼又はステンレス鋼で形成されることが望ましい。接触プラグ295は、その接触抵抗を小さくするために、銀のような貴金属でめっきしても差し支えない。エンドキャップ230は、強度及び耐食の観点から必要な組合わせを提供するためにステンレス鋼、アルミニウム、又は、チタンで形成されることが望ましく、全直径は約3ないし15mmの間、一般に約4ないし8mmの間であり、全深さは約1mm以下、一般に約0.1ないし1mmの間であることが望ましい。絶縁グロメット275は、厚さが約0.1ないし0.5mmの間、全直径が約3ないし15mmの間、好ましくは約4ないし8mmの間であることが望ましい。グロメット275は、電解質に対して不活性であり、ケーシング280とアセンブリ220の内部構成要素との間に良好な密封性を提供するに充分な弾性を備えた、例えば高密度ポリプロピレンのような耐久性も弾性もある耐食サーモプラスチック材料で形成しても差し支えない。
【0036】
電流遮断アセンブリ320(図6及び7)において、ケーシング380は、強度と耐食性の観点から、ステンレス鋼、又は、ニッケルめっきした冷間圧延鋼によって形成されても差し支えない。ケーシング380の肉厚は約0.1mmないし0.5mmの間であることが望ましい。ケーシング380、ひいてはアセンブリ320は、直径又は全幅が約4ないし15mm、一般に約4ないし8mmの間であり、深さが約1ないし10mm、一般に約3ないし6mmの間であることが好ましい。この種の全寸法のアセンブリ320は、全厚さが約6ないし20mmの直方体状電池、又は、直径が約5ないし20mmの円筒形電池に、電池容量又は電流遮断機能を著しく低下させることなく挿入できる。エンドキャップ325は、一般に、全直径が約4ないし15mmであり、全深さが約0.1ないし1mmである。エンドキャップ325は、十分な強度及び耐食性を提供するために、ステンレス鋼又はニッケルめっき冷間圧延鋼で形成しても差し支えない。フレキシブル導電ディスク330は、直径が約4ないし15mm、厚さが約0.1ないし0.5mmであることが望ましい。それは、その接触抵抗を下げるために例えば金又は銀のような貴金属でめっきした、例えばベリリウム―銅合金又はスプリング鋼のような良好な導電率と強度を備えた弾性金属材料で構成されることが望ましい。ディスク330の弾性アーム334は、矩形であり、幅が約2ないし5mm、長さが約3ないし8mm、厚さが約0.1ないし0.5mmであることが望ましい。
【0037】
絶縁リング335は、圧縮強度及び温度安定性が比較的高い耐食性サーモプラスチック材料で構成されることが望ましい。絶縁リング335用として好ましい材料は、Celanese社からVECTRAポリマという商標で入手可能な液晶ポリマ、又は、General Electric Plastics社からVALOXポリマと称して入手可能なポリエステルである。可動ロッド340は、直径又は幅が約1ないし3mm、長さが1ないし5mmである。ロッド340は本質的に非導電性(高抵抗率材料で形成される)であり、例えば120°C以上の高温度に曝されても熱的に安定していなければならない。ロッド340用の好ましい材料は、Celanese社からVECTRAポリマの商標で入手可能な液晶ポリマである。金属支持リング360は、直径が約4ないし15mm、好ましくは約4ないし8mm、厚さが約0.1ないし1mmであることが望ましい。支持リング360は、十分な強度を提供するために、ステンレス鋼又は冷間圧延鋼から容易に形成可能である。この種材料は、接触抵抗を下げるために金又は銀のような貴金属でめっきしても差し支えない。カップ形本体370の深さは約1ないし3mmであることが望ましい。望ましくはカップ形本体370の基礎を形成する圧力作動ダイアフラム372は、直径が約4ないし15mm、肉厚が約0.1ないし0.5mmである。カップ形本体370及びダイアフラム372は、アルミニウムから容易に形成可能であり、アルミニウムは高い圧力差にさらされると容易かつ恒久的に変形する。絶縁グロメット375は、厚さが約0.1ないし0.5mm、全直径が約4ないし15mmであることが望ましい。グロメット375は、例えば、電解質に対して不活性であり、ケーシング380とアセンブリ320内部構成要素との間に良好な密封性を提供する高密度ポリプロピレンのような耐久性も弾性もある耐食サーモプラスチック材料で形成することができる。
【0038】
本発明は好ましい実施形態に関して記述したが、本発明のコンセプトから逸脱することなしに記述した実施形態の改造が可能であることを理解されたい。従って、本発明が、特定の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲とその均等範囲によって定義されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 完全に直方体状電池内に配置された本発明の電流遮断アセンブリの一実施形態を示す一部切欠斜視図である。
【図2】 図1に示す電池及び電流遮断アセンブリの縦断面図である。
【図3】 図1及び2に示す電流遮断アセンブリの構成要素の分解斜視図である。
【図4】 電池の一端部から突出した状態を示す電流遮断アセンブリの他の一実施形態を伴った直方体状電池の斜視図である。
【図5】 図4に示す電流遮断アセンブリの同じ実施形態を伴った円筒形電池の斜視図である。
【図6】 図4及び5に示す電流遮断アセンブリの縦断面図である。
【図7】 図4、5及び6に示す電流遮断アセンブリの分解斜視図である。
【図8】 図2及び6に示す電流遮断アセンブリの実施形態を含む円筒形電池の縦断面図である。
【図9】 ダイオードサブアセンブリ用卵形ディスク形状構成の斜視図である。
【図10】 ダイオードサブアセンブリ用矩形ディスク形状構成の斜視図である。
Claims (17)
- ケーシング(280)と、
前記ケーシング(280)内のチャンバと、
前記ケーシング(280)を密封するエンドキャップ(230)と、
を備える、電気化学的電池(215)のための電流遮断アセンブリ(220)であって、
前記電流遮断アセンブリ(220)は、前記ケーシング(280)と前記エンドキャップ(230)との間を貫通する電気的導電通路を有し、
前記電流遮断アセンブリ(220)は、電池の電極(211,213)の1つと、対応する電池の端子(245,246)と、の間の前記電気的導電通路の一部を形成するように電池に挿入可能であり、
前記電流遮断アセンブリ(220)は前記チャンバ内に、前記電流遮断アセンブリ(220)内の前記電気的導電通路を電流が流れるのを防ぐ熱感応部材を有し、
前記電流遮断アセンブリ(220)は電気抵抗手段をさらに有し、
前記電気抵抗手段は電流が自己を通過すると熱を発し、
前記電気抵抗手段は印加電圧の増加に伴って抵抗値を減少し、
前記熱感応部材は熱感応ディスク(250)を有し、
前記熱感応ディスク(250)は電池動作中に自己の厚さ方向に電流が流れるように前記電流遮断アセンブリ(220)内に配置されており、前記熱感応ディスク(250)を、前記電流遮断アセンブリ(220)内の温度が所定のレベルに達したとき、前記熱感応ディスク(250)の少なくとも一部が変形し、前記電流遮断アセンブリ(220)を通る前記電気的導電通路を遮断する、ものとして構成し、それによって前記電池の動作を停止させる、
ことを特徴とする、電流遮断アセンブリ。 - 前記熱感応ディスク(250)は、形状記憶合金を有することを特徴とする、請求項1に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記熱感応ディスク(250)は、バイメタルであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記熱感応ディスク(250)は貫通する中空部分(257)を有し、前記熱感応ディスク(250)は外側縁(258)を有し、前記外側縁(258)はその一部から前記中空部分(257)へ突き出るフレキシブル部分(255)を有し、
前記外側縁(258)は前記エンドキャップ(230)内の絶縁リング(290)の表面と接触し、
前記フレキシブル部分(255)は、前記電気的導電通路を完成するために接触プレート(295)に対して第1の位置に端部(255(b))を有し、
前記端部(255(b))を、前記電流遮断アセンブリ(220)内の電池温度が所定のレベルに達したとき、前記端部(255(b))が第2の位置に下向きに変形し、前記電気的導電通路を遮断する、ものとして構成する、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の電流遮断アセンブリ。 - 前記電気抵抗手段は、前記ケーシング(280)内に配置されるダイオード(600)を有し、前記ダイオード(600)は、前記電気化学的電池(215)の正端子(245)と負端子(246)とにそれぞれ並列に電気的に接続される正端子面(620)と負端子面(630)とを有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記電気抵抗手段は、前記ケーシング(280)内に配置されるツェナーダイオードを有するダイオードサブアセンブリを有し、
前記ツェナーダイオードは、前記電気化学的電池(215)の正端子(245)と負端子(246)とにそれぞれ並列に電気的に接続される正端子面(620)と負端子面(630)とを有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の電流遮断アセンブリ。 - 前記ツェナーダイオードの前記正端子面(620)または前記負端子面(630)は、前記電流遮断アセンブリ(220)の前記エンドキャップ(230)に電気的に接続され、
前記エンドキャップ(230)に接続された、前記正端子面(620)または前記負端子面(630)は、前記エンドキャップ(230)と同じ極性を有することを特徴とする、請求項6に記載の電流遮断アセンブリ。 - 前記電流遮断アセンブリ(220)は、他の電流遮断アセンブリから独立して作動する独立構造を有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記ダイオードサブアセンブリは、前記ダイオード(600)の前記正端子面(620)または前記負端子面(630)に接続された導電性部材(602)をさらに有し、前記導電性部材(602)は前記ダイオード(600)から伸延し、同じ極性の電池端子(245,246)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記導電性部材(602)の本体は電気絶縁物(603)で囲まれていることを特徴とする、請求項9に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記ツェナーダイオードは100乃至500マイクロワットの間のワット数を有することを特徴とする、請求項6乃至10に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記ツェナーダイオードは、5ボルト未満のツェナー電圧を有することを特徴とする、請求項6乃至11に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記ツェナーダイオードはウェーハチップであることを特徴とする、請求項6乃至12に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記ダイオードサブアセンブリは、多角形または楕円形のウェーハの形状であることを特徴とする、請求項6乃至13に記載の電流遮断アセンブリ。
- 前記電池の前記端子(245,246)の一方としての正端子(245)と、前記電池の前記端子(245,246)の他方としての負端子(246)と、前記電池の前記電極の一方としての陽電極(211)と、前記電池の前記電極の他方としての陰電極(213)とを備え、請求項1乃至14のいずれかに記載の電流遮断アセンブリ(220)を備える、電気化学的電池(215)。
- 前記電流遮断アセンブリ(220)は、他の電流遮断アセンブリから独立して動作し、前記電池の内容積に完全におさまる独立ユニットであり、
前記電池は、直方体状であって、全厚が3乃至10mmの間である可充電電池であることを特徴とする、請求項15に記載の電気化学的電池。 - 前記電流遮断アセンブリ(220)は、前記電極(211,213)の1つと対応する電池の端子(245,246)との間の電気的導電通路の一部を形成し、
前記電流遮断アセンブリ(220)の前記ケーシング(280)および前記エンドキャップ(230)の一方は前記電池の電極(211,213)の1つに電気的に接続され、他方は対応する電池の端子(245,246)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項15または16に記載の電気化学的電池。
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