JP4386537B2 - 空気輸送用粉体定量供給機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホッパー内の粉体を高い精度で空気輸送管へ定量供給できる空気輸送用粉体定量供給機であって、輸送空気のリーク及び空気圧の影響を受けることが少なくできる技術に関し、特に粉体嵩比重が低い粉体でも高精度の空気定量輸送できる技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホッパーから粉体の補給を受けた粉体を一時貯えるケーシング下部にその粉体を所定流量隣接した空気輸送管内へ転送する定量供給装置を設けた空気輸送用の粉体定量供給機が広く使用されている。定量供給装置としては、外周に羽根を複数放射状に設けて羽根間に粉体収容室を設けた供給盤を使用している。これを所定回転数で回動させ、ケーシング内で粉体を羽根間の粉体収容室に充填し、回送してケーシング外の空気輸送管内でこれを吐出させる構造のものが広く知られている。
従来、この種の定量供給装置では、空気輸送管の空気が回転供給盤とケーシングの外周壁及び内部のシール部材との間隙を介してリークし、ケーシング内に空気が流入し、更にホッパー内へリークし、ラットホール現象・フラッシング現象が生起し、粉体の移動が不安定化して、供給精度が低下し、最終的には供給不能状態となることも発生していた。
特に、粉体の粉体嵩比重が低くなって粉圧が弱くなると、空気圧の方の強くなってこの空気リークの影響が大きくなるものであった。
この問題を避けるため、供給装置のシール性を高めることがなされているが、回転供給盤が回転するため及び、温度膨張を考慮しなくてはならないことからシール性には限界があり、空気リークをまぬがれなかった。
又、空気輸送管を大きくし、ケーシングを大径にすることで空気圧の影響を小さくすることもできるが、これでは設備が大型化して設備費が嵩むという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、空気輸送管の空気リークを小さく抑え、粉体嵩比重が低い粉体でも安定した高精度の供給ができる空気輸送用粉体定量供給機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 粉粒体を一時貯えるケーシングの下部にケーシング内の粉体を外部の空気輸送管内へ転送する供給盤を回動自在に設け、同ケーシングの上方に粉粒体を貯えたホッパーを設け、同ホッパー内の粉体をケーシング内に補給して、供給盤を回転させて所定流量の粉体を空気輸送管内へ移動させて空気輸送するようにした空気輸送用粉体定量供給機に於いて、
ホッパーの下方補給口をケーシング内に位置させ、同下方補給口に上下2枚の連通口付シール板間にシールロータを回動自在に封入した粉体補給装置を連設し、シール板の上下の連通口が上下重ならないように位相差を設けるとともに、粉体補給装置のシールロータによる粉体送り流量が供給盤による供給流量より大きくなるように設定し、下方シール板を粉体で閉塞させ且つケーシング内上方に空気空間を形成するようにしたことを特徴とする空気輸送用粉体定量供給機
2) ケーシング内の上方の空気空間と空気輸送管とを連通させた均圧管を設けた前記1)記載の空気輸送用粉体定量供給機
にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のシールロータ及び供給盤の回転は通常モータで回転駆動され、シールロータの回転で回動される粉体流量が供給盤による供給量より少し多くなるようにモーターのコントローラで設定する。
本発明の供給盤は一つのケーシングに対して1個所ばかりでなく複数設けることもできる。この場合作動している供給盤の供給量の総量に比べてシールロータの粉体流量が大きくなるように設定する。
シールロータの粉体流量とは、シールロータの羽根間の粉体収容室に粉体がホッパーから充填され、かつ全量が回転してそのままケーシング内に吐出されたとするときの粉体流量であって、充填された粉体量に回転速度を乗じた量である。本発明の供給盤の代表的な構造は、ケーシングの底面の外周付近の陥凹部に嵌入され、円盤の外周に羽根を有し、同羽根間を粉体収容室とし、ケーシング内の羽根上方のかなりの部分は充填口となる開口を除いて摺り板となる蓋板が設けられ、又ケーシング外部も空気輸送管の通路空間を除いて粉体収容室の上方を蓋板で閉鎖する構造のものである。
【0006】
【実施例】
以下、本発明実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、実施例の縦断面図である。
図2は、実施例の平面からみた説明図である。
図3は、実施例の粉体補給装置の分解斜視図である。
図中、Aは実施例の空気輸送用粉体定量供給機、1はホッパー、1aはホッパー1の下方補給口、2はケーシング、2aはケーシング底盤、2bはケーシング側面、2cはケーシング天蓋、2dは粉体補給装置3をケーシング内で収容する収容室、2eは同収容室を形成するケーシング天蓋2cの中央部に形成した支持筒部、2fはケーシング2内上方の空気空間、2gは供給盤5を嵌入したケーシング底盤2aの陥凹部、3は粉体補給装置、3aは上方シール板、3a1は同上方シール板に設けた3個所の連通口、3a2は取付孔、3bは下方シール板、3b1は同下方シール板に設けた3個所の連通口で、上方の連通口3a1の位置とは60°の位相差がある。3cはシールロータ、3c1は同シールロータの外周の羽根、3c2はシールロータの回転軸、3c3は同回転軸の上方シール板3a上方で軸着された撹拌羽根、4は回転軸3c2の下方に軸着したケーシング内の粉体掻込羽根、5は供給盤、5aは供給盤外周に設けた羽根、5bは同羽根間に形成された粉体充填空間、5cは供給盤5の回転軸、5dはケーシング2内で大きく開口した摺切板、5eは空気通路口、6は空気輸送管、7はケーシング2の空気空間2eと空気輸送管6とを連通する均圧管、8は回転軸3c2を回動するモータ駆動部、9は供給盤5の回転軸5cを回動するモータ、10はモータ8,9の回転速度制御及び電源開閉するコントローラである。
この実施例では、ホッパー1内の粉体は下方補給口1aから粉体補給装置3へ送られる。下方補給口1a内の粉体は撹拌羽根3c3で撹拌され、又掻き込まれるように上方シール板3aの3つの連通口3a1からシールロータ3cの羽根3c1間の粉体収容空間内に流下し、シールロータ3cの回転によって回転移送され、60°程回転されると下方シール板3bの連通口3b1からケーシング2内に流下する。
ケーシング2内の粉体は、粉体掻込羽根4によって撹拌されながら粉体を陥凹部2g内にある供給盤5内の羽根5a間の粉体充填空間5bへ流下する。供給盤5の上面には摺切板5dがあるが、ケーシング2内の部分は切欠されて開口状態となっていて、粉体は空になって戻ってきた粉体充填空間5bへ充填され、ケーシング2外へ回送されるときに、摺切板5dで摺切られて、粉体充填空間5b内の粉体量が一定量となり、ケーシング外の空気通過口5eで空気輸送管6内の空気で吐出され、空気輸送される。コントローラ10によって供給盤5の回転を変えることで供給量が調整できるようになっている。
かかる実施例において、粉体補給装置3の粉体補給流量の方が、供給盤5の粉体供給量より大きくなるように、コントローラ10によってモータ8,9の回転数を制御されている。そのため、ケーシング2内の粉体はその流量の差だけ貯っていき、粉体レベルが上昇する。粉体レベルが粉体補給装置3の下方シール板3bより上方になると、下方シール板3bの連通口3b1は粉体で塞がれて粉体補給装置3のシールロータ3cが回転しても、その羽根3c1間に充填された粉体は連通口3b1を塞ぐケーシング2内の粉体によって落下できにくくなって粉体補給装置3からの補給が減少又は停止する。停止すると供給盤5からの供給量の方が増大するので粉体レベルが低下し、下方シール板3b以下になると再び粉体補給装置3からの粉体供給が増える。このようにしてケーシング内の粉体レベルは、下方シール板3bの高さよりやや高いレベルで平衡する。
これによって、ホッパー1内の粉圧は粉体補給装置3のシールロータ3cの羽根3c1と、上方・下方シール板3a,3bによって一応遮断され、ホッパー1内の高い粉圧はケーシング2内の粉体に直接作用せず、又ホッパー1内の粉体とケーシング2内の粉体が連続することで供給盤5のシール洩れから流入した空気が粉体補給装置3を介してホッパー1内へ移行するのを粉体シールで抑えている。
又、ケーシング2内の空気はケーシング2の上方の空気空間2fへ移行し、空気圧の過大な上昇を防いでいる。
粉体補給装置3では、シールロータ3cの羽根3c1及び上方シール板3aの連通口3a1と、下方シール板3bの連通口3b1との60°の位相差によって空気の通過抵抗が高く、シール効果を高めている。
以上によって、空気輸送管6の空気のリークがホッパーまで及ばないので、フラッシング現象が生起せず、安定した定量供給が行える。
更に均圧管を設けるとケーシング2内の空気空間2fの空気圧と空気輸送管6の空気圧を同じにすることで、ケーシング内の空気圧の上昇によるラットホール現象・フラッシング現象を防止できる。
【0007】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば供給盤を有するケーシング内部にホッパーの粉体をケーシング内に所定流量送り込む粉体補給装置を設け、同粉体補給装置の送る流量を供給盤による供給量より大きく設定することでケーシング内の粉体レベルを粉体補給装置の排出の連通口を粉体内に埋入させるようにしてホッパーへの空気のリークを粉体でもって確実に遮断し、リーク空気に起因するラットホールの現象・フラッシング現象の生起を少なくして安定した高精度限定供給を可能とする。
均圧管を設ければ、リークの空気が多い場合、その空気による影響を更に少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の縦断面図である。
【図2】実施例の平面からみた説明図である。
【図3】実施例の粉体補給装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
A 空気輸送用粉体定量供給機
1 ホッパー
1a 下方補給口
2 ケーシング
2a ケーシング底盤
2b ケーシング側面
2c ケーシング天蓋
2d 収容室
2e 支持筒部
2f 空気空間
2g 陥凹部
3 粉体補給装置
3a 上方シール板
3a1 連通口
3b 下方シール板
3b1 連通口
3c シールロータ
3c1 羽根
3c2 回転軸
3c3 撹拌羽根
4 粉体掻込羽根
5 供給盤
5a 羽根
5b 粉体充填空間
5c 回転軸
5d 摺切板
5e 空気通過口
6 空気輸送管
7 均圧管
8,9 モータ
10 コントローラ

Claims (2)

  1. 粉粒体を一時貯えるケーシングの下部にケーシング内の粉体を外部の空気輸送管内へ転送する供給盤を回動自在に設け、同ケーシングの上方に粉粒体を貯えたホッパーを設け、同ホッパー内の粉体をケーシング内に補給して、供給盤を回転させて所定流量の粉体を空気輸送管内へ移動させて空気輸送するようにした空気輸送用粉体定量供給機に於いて、
    ホッパーの下方補給口をケーシング内に位置させ、同下方補給口に上下2枚の連通口付シール板間にシールロータを回動自在に封入した粉体補給装置を連設し、シール板の上下の連通口が上下重ならないように位相差を設けるとともに、粉体補給装置のシールロータによる粉体送り流量が供給盤による供給流量より大きくなるように設定し、下方シール板を粉体で閉塞させ且つケーシング内上方に空気空間を形成するようにしたことを特徴とする空気輸送用粉体定量供給機。
  2. ケーシング内の上方の空気空間と空気輸送管とを連通させた均圧管を設けた請求項1記載の空気輸送用粉体定量供給機。
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