JP4386021B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
このように、画像のつなぎ合わせ部分で光量が減少すると、この部分が帯状に暗くなるため、つなぎ目において違和感を生じることになる。
そして、広範囲の被写体を分割した複数の各分割被写部をそれぞれ個別に複数の撮像手段によって撮像するので、広範囲の被写体を、パララックスをほとんど生じることなく撮像することが可能になる。
また、各撮像手段において、レンズのうち最も被写体側に位置するレンズが、光軸を含まない平面により円形レンズを切断して成ることにより、撮像領域が隣接する撮像手段を、この切断面において互いに接合するように配置させることができ、撮像手段が接合した状態でNP点を所定の半径領域内に容易に集合させることが可能になる。
これは、光軸からの距離がaの位置では、光軸からの距離が大きくなるに従って走査の方向における最大照度に対する光量の比が減少していく領域にあるが、絞り開放から絞り閉まで変化させても走査の方向における最大照度に対する光量の比が変化しないため、ある程度の光量が得られ、a>Hを満たすことによりオーバーラップ領域の中心位置がその位置よりも光軸側にあるからである。
これにより、画像の貼り合わせ部分における光量不足を回避して、画像のつなぎ目において違和感がない画像を得ることが可能になり、絞りの状態に関わらず良好な画質の画像を得ることが可能になる。
また、広範囲の被写体を、パララックスをほとんど生じることなく撮像することが可能になる。
従って、本発明によれば、広い範囲、例えば、前方120度以上の範囲や全方位を、良好な画質で撮像することが可能になる。
そして、このような基本構造の撮像装置において、画角αは、凸レンズ201による屈折分を無視すると、ほぼ撮像素子202の直径d1と、凸レンズ201と撮像素子202との間の距離d4(焦点距離)により決定され、tan(α/2)=(d1/2)/(d4)の式で表すことができる。
尚、図2中321は鏡胴を示し、322はカメラを示す。
この主光線311のうちの物空間312における直線部分を延長して光軸310と交わる点をNP点(ノンパララックス点)313として設定したものである。
図1に示した1つの凸レンズ201ではNP点203の位置は制約されたポイントのみとなるため、複数のカメラをそれぞれのNP点203を共通するように配置することは物理的に不可能である。
これに対して、図2に示す等価凸レンズ300のように複数のレンズを組み合わせることによって、NP点313をほぼ光軸310の延長線上の任意の位置に設定することが可能になることを見出した。
しかしながら、これらの構成の場合、カメラの撮像素子や信号処理回路部が入った部分が他のカメラの撮像範囲と物理的に干渉してしまう。このため、干渉する部分の画像が得られなくなってしまう。
NP点を撮像素子より後方に配置することにより、各撮像手段のレンズ等の光学系が他の撮像手段の光路をさえぎらない。
また、所定の半径領域(球形領域)内に全てのカメラのNP点を位置させることによって、隣接するカメラの画像間のパララックスを抑制することができる。
好ましくは、この所定の半径領域を、半径約20mm以内の領域とする。
テレフォト型の光学系を構成して、NP点を撮像素子より後方にするには、例えば物空間側(被写体側)に凸レンズ作用(収束作用)を有するレンズを配置すると共に、像空間側(撮像素子側)に凹レンズ作用(発散作用)を有するレンズを配置すればよい。
このような構成とすることにより、撮像領域が隣接する撮像手段を、この切断面において互いに接合するように配置させることができ、このように配置すれば、撮像手段が接合した状態でNP点を上述した所定の半径領域内に容易に集合させることが可能になる。
図14に示す撮像装置110は、2台の撮像部(カメラ)111,112を接合して成り、2台の撮像部(カメラ)111,112でそれぞれ撮像した画像から1つの貼り合せ画像を得るものである。図14は、隣接する2台のカメラ111,112のレンズの光軸を結ぶ平面における断面図を示している。
各カメラ111,112は、前玉レンズ101と、筐体102と、レンズ群103と、撮像素子104とを備えて成る。筐体102は、頂角θの扇形の断面形状となっていて、その頂点105と、前述したNP点とが略一致している。そして、2台のカメラ111,112において、それぞれの筐体102の頂点105を一致させて配置していることにより、NP点を共有している。
なお、図14は、絞り開放のF値であるF値2.0における光路も併せて示している。
2台のカメラ111,112のNP点を扇形の筺体の頂点105において略一致させるために、図15に示すように、直線109を含む切断面(レンズの光軸を含まない平面)により円形レンズをカットして、前玉レンズ101を形成している。
そして、直線109部分よりも外側では光線がけられるため、図14に示すように、撮像素子104の端に到達する光線107,108の光束数は、撮像素子104の中心に到達する光線106の光束数と比較して少なくなっている。
ここで、撮像素子104上において、撮像素子104の中心(レンズ101,103の光軸上にある)CEから図16中の矢印方向、即ち隣接するカメラの光軸へ向かう方向に走査した場合の光量比の変化を図17に示す。図17の横軸は、撮像素子104の中心CEからの距離(像高)を示し、縦軸は走査方向における最大照度を1とした場合の光量比を示す。そして、開放F値2.0からF値8.0までの光量比の変化を、それぞれ曲線A,B,C,D,Eで示している。
図17に示すように、前玉レンズ101の直線109部分で光線がけられるため、像高(中心CEからの距離)D以上においては、F値2.0(曲線A)では光量比が低下していく。F値を大きくすると、光量比の低下が始まる位置が中心CE(像高0)から遠くなるが、光量比の低下が急峻になることがわかる。
図18に示すように、カメラ111の撮像領域113αと、カメラ112の撮像領域113βとが、図中の斜線部(オーバーラップ領域)122においてオーバーラップしている。このオーバーラップ領域122では、2台のカメラ111,112において、それぞれ同一の被写体が撮像される。
2台のカメラ111,112の光軸CEα,CEβを結ぶ平面X−Xにおいて、左のカメラ111の撮像領域113αの画像端120αと右のカメラ112の撮像領域113βの画像端120βとの中点を通る線が、オーバーラップ領域122の中央線121である。
このような位置関係にあることにより、撮像素子104の中心(光軸)CEからオーバーラップ領域122の中央線121までの距離(像高)をHとすると、図17に示すように、オーバーラップ領域122の中央部123(像高H)における光量比ILは、絞り開放のF値(F値2.0;曲線A)において、約0.4となっており、光量比IL>0を満たしている。
このため、オーバーラップ領域122、即ち画像の貼り合わせ部分において、画像が暗くなり、スムーズに画像がつながらなくなる。
この領域では、図17にも示したように、絞り開放の状態では比較的光軸に近い位置から光量比が減少し始めるが、光量比の減少はゆるやかである傾向を示し、絞り閉の状態では比較的光軸から遠い位置から光量比が減少し始めるが、光量比の減少は急峻である傾向を示す。そして、この領域内には、絞り開放から絞り閉まで変化させても、走査の方向における最大照度に対する光量比が変化しない位置が存在する。この位置の光軸からの距離(像高)をaとする。この位置では、光軸付近よりは光量比が小さくなっているものの、絞りの状態に関わらず、ある程度の光量比(図17では0.4)が得られる。
図17では、a<Hとなっているため、オーバーラップ領域122の中心123(像高H)では、絞り閉の状態における光量比がかなり小さい。そのため、画像の貼り合わせ部分において、画像が暗くなり、スムーズに画像がつながらなくなる。
これは、ある程度以上の光量比が得られていれば、例えばノイズ成分を除去した信号成分を増幅して、光軸付近の光量比に近づけることが可能であるからである。図17に示した例のように光量比が小さいと、ノイズ成分の影響が大きいため、増幅して復元することが難しくなる。
オーバーラップ領域の中心位置(像高H)における光量比は、例えば、0.5程度以上、より好ましくはノイズ成分が多い場合を考慮して0.6程度以上あればよい。
従って、像高aの位置が、オーバーラップ領域の中心位置(像高H)よりも外側にさえあれば、撮像素子の端縁よりも内側であっても外側であっても構わない。
この撮像装置10は、2台の撮像部(カメラ)11,12を接合して成り、2台の撮像部(カメラ)11,12でそれぞれ撮像した画像から1つの貼り合せ画像を得るものである。図3は、隣接する2台のカメラ11,12のレンズの光軸を結ぶ平面における断面図を示している。
各カメラ11,12は、前玉レンズ1と、頂角θ1の扇形の断面形状を有する筐体2と、レンズ群3と、撮像素子4とを備えて成る。なお、図示しないが、レンズ群3内に、図2に示した開口絞り309と同様の開口絞りが設けられている。
なお、図3は、絞り開放のF値2.0における光路も併せて示している。
また、2台のカメラ11,12のNP点が、半径20mmの球内(半径領域内)に存在するように、各NP点間の距離Lが設定されている。
2台のカメラ11,12のNP点を半径20mmの球内に存在させるために、図4に示すように、直線9を含む切断面(レンズの光軸を含まない平面)により円形レンズをカットして、前玉レンズ1を形成している。
本実施の形態においては、直線9の光軸からの距離DAを、比較例(図15)の場合の距離DXよりも充分大きくしており、直線9部分よりも外側でけられる光束は、撮像素子4の有効画素部に到達しない。このため、直線9部分よりも外側の光線がカットされることが、光量比へは影響しない。これにより、図3に示すように、撮像素子4の端に到達する光線6,8の光束数が、撮像素子4の中心に到達する光線5の光束数とほぼ同等となっている。
ここで、撮像素子4上において、撮像素子4の中心(レンズ1,3の光軸上にある)CEから図5中の矢印方向、即ち隣接するカメラの光軸に向かう方向に走査した場合の光量比の変化を図6に示す。図6の横軸は、撮像素子4の中心CEからの距離(像高)を示し、縦軸は走査方向における最大照度を1とした場合の光量比を示す。そして、開放F値2.0からF値8.0までの光量比の変化を、それぞれ曲線A,B,C,D,Eで示している。
図6に示すように、F値2.0からF値を大きくしていっても、光量比はほぼ変化しない。
図7に示すように、カメラ11の撮像領域13αと、カメラ12の撮像領域13βとが、図中の斜線部(オーバーラップ領域)22においてオーバーラップしている。このオーバーラップ領域22では、2台のカメラ11,12において、それぞれ同一の被写体が撮像される。
2台のカメラ11,12の光軸CEα,CEβを結ぶ平面A−Aにおいて、左のカメラ11の撮像領域13αの画像端20αと右のカメラ12の撮像領域13βの画像端20βとの中点を通る線が、オーバーラップ領域22の中央線21である。
このような位置関係にあることにより、オーバーラップ領域22の中央部23(像高H)における光量比ILが、図6に示したように、IL>0を満たしている。
さらにまた、図6に示すように、F値を絞り開放のF値2.0から次第に大きくしていっても、光軸から撮像素子の端縁まで全体にわたり、ほぼ光量比が変化しない。
即ち、前述した、常に光量比が一定(即ち曲線A、B,C,D,Eの交点)になる像高をaとすると、像高aの位置が、実際の撮像素子の端縁よりも光軸から充分遠い位置にあり、撮像素子全体で絞りの状態に関わらず光量比の分布が一定である構成となっていて、H<aを満たしている。
これにより、隣接する2台のカメラ11,12の各撮像素子4で得られる画像を貼り合わせたときに、貼り合わせ部分即ちオーバーラップ領域22でも充分な光量が得られるので、光量不足を回避して、画像のつなぎ目において違和感がない画像を得ることが可能になる。そして、絞りの状態に関わらず良好な画質の画像を得ることが可能になる。
そして、前玉レンズ1が光軸を含まない平面により切断されていることにより、2台のカメラ11,12を、この切断面において互いに接合することができ、2台のカメラ11,12が接合した状態でNP点を所定の半径領域内に容易に集合させることが可能である。
また、2台のカメラ11,12で撮像領域を分担して撮像するため、各カメラ11及び12で高い解像度で撮像することにより、広い範囲を高い解像度で撮像することが可能になる。
この撮像装置50は、2台の撮像部(カメラ)51,52を接合して成り、2台の撮像部(カメラ)51,52でそれぞれ撮像した画像から1つの貼り合せ画像を得るものである。図8は、隣接する2台のカメラ51,52のレンズの光軸を結ぶ平面における断面図を示している。
各カメラ51,52は、前玉レンズ41と、頂角θ2の扇形の断面形状を有する筐体42と、レンズ群43と、撮像素子44とを備えて成る。なお、図示しないが、レンズ群43内に、図2に示した開口絞り309と同様の開口絞りが設けられている。
なお、図8は、絞り開放のF値2.0における光路も併せて示している。
また、2台のカメラ51,52のNP点が、半径20mmの球内(半径領域内)に存在するように、各NP点間の距離Lが設定されている。
ただし、NP点の位置は、先の実施の形態の撮像装置10と比較して後方にあり、筺体42の扇型の頂点に近くなっている。
2台のカメラ51,52のNP点を半径20mmの球内に存在させるために、図9に示すように、直線49を含む切断面(レンズの光軸を含まない平面)により円形レンズをカットして、前玉レンズ41を形成している。
本実施の形態においては、直線49の光軸からの距離DBを、比較例(図15)の場合の距離DXよりも大きく、先の実施の形態(図4)の場合の距離DAよりも小さくしている。即ち、DX<DB<DAとなっている。
また、直線49部分よりも外側では光線がけられて、撮像素子44の端に到達する光線46,48の光束数は、撮像素子44の中心に到達する光線45の光束数と比較して少なくなっている。
ここで、撮像素子44上において、撮像素子44の中心(レンズ41,43の光軸上にある)CEから図10中の矢印方向、即ち隣接するカメラの光軸に向かう方向に走査した場合の光量比の変化を図11に示す。図11の横軸は、撮像素子44の中心CEからの距離(像高)を示し、縦軸は走査方向における最大照度を1とした場合の光量比を示す。そして、開放F値2.0からF値8.0までの光量比の変化を、それぞれ曲線A,B,C,D,Eで示している。
前玉レンズ41の直線49部分で光線がけられるため、図11に示すように、像高(光軸CEからの距離)D以上においては、F値2.0(曲線A)では光量比が低下していき、像高Hでは約0.7となっている。
図12に示すように、カメラ51の撮像領域53αと、カメラ52の撮像領域53βとが、オーバーラップ領域62においてオーバーラップしている。
2台のカメラ51,52の光軸CEα,CEβを結ぶ平面B−Bにおいて、左のカメラ51の撮像領域53αの画像端60αと右のカメラ52の撮像領域53βの画像端60βとの中点を通る線が、オーバーラップ領域62の中央線61である。
オーバーラップ領域62の中央部63(像高H)における光量比ILは、図11に示したように、IL>0を満たしている。
従って、F値を大きくした場合でも、貼り合せた画像が欠落することなくスムーズに画像がつながる。
従って、2台のカメラ51,52の画像信号を加算して所定の処理を行うことにより、違和感なく画像をつなぐことができる。
ノイズ等も考慮すると、像高=Hにおける光量比が0.6程度以上あることが望ましい。
これにより、隣接する2台のカメラ51,52の各撮像素子で得られる画像を貼り合わせたときに、貼り合わせ部分即ちオーバーラップ領域62でも充分な光量が得られるので、光量不足を回避して、画像のつなぎ目において違和感がない画像を得ることが可能になる。そして、絞りの状態に関わらず良好な画質の画像を得ることが可能になる。
そして、前玉レンズ1が光軸を含まない平面により切断されていることにより、2台のカメラ51,52を、この切断面において互いに接合することができ、2台のカメラ51,52が接合した状態でNP点を所定の半径領域内に容易に集合させることが可能である。
また、2台のカメラ51,52で撮像領域を分担して撮像するため、各カメラ51及び52で高い解像度で撮像することにより、広い範囲を高い解像度で撮像することが可能になる。
即ち、前玉レンズのカット量の制御により、距離aの大きさを制御することが可能である。
全天のうち一部例えば前方の半球領域を撮像する構成や、多面体を構成して、ほぼ全天の撮像を行う構成等が考えられる。
図13Aは、前玉レンズの切断面を光軸CEから遠くした場合で、曲線部分が残っている。
一方、図13Bは、前玉レンズの切断面を図13Aよりも光軸CEに近くして、正方形状とした場合である。この場合は、画像のオーバーラップ領域が図13Aの形態よりも広くなる。
これらの形態も、各図に矢印で示す方向を走査方向として、各走査方向で、いずれもa>Hを満たすように構成する。
Claims (3)
- 広範囲の被写体を分割した複数の各分割被写部をそれぞれ個別に複数の撮像手段によって撮像し、各前記撮像手段からの映像情報を入力した処理手段によって1つの映像に張り合わせ処理する撮像装置であって、
各前記撮像手段が、1枚以上のレンズ及び前記レンズを通過した光線を検知する撮像素子を備え、
前記撮像手段の前記レンズの開口絞りの中心を通る主光線中、ガウス領域に位置する主光線を選択し、前記選択された主光線の物空間における直線成分を延長して光軸と交わる点をNP点と定義したときに、各前記撮像手段において、前記NP点が前記撮像素子よりも後方に設定され、かつ前記複数の撮像手段の各前記NP点を略一致させ、
各前記撮像手段において、前記レンズのうち最も被写体側に位置するレンズが、前記光軸を含まない平面により円形レンズを切断して成り、
前記撮像素子上において、前記光軸から、隣接する前記撮像手段の光軸へ向かう方向に走査したときに、画像が隣接する前記撮像手段とオーバーラップするオーバーラップ領域の中心位置までの前記光軸からの距離をHとし、前記光軸からの距離が大きくなるに従って前記走査の方向における最大照度に対する光量の比が減少していく領域にあるが、絞り開放から絞り閉まで変化させても前記走査の方向における最大照度に対する光量の比が変化しない位置までの前記光軸からの距離をaとすると、
a>Hを満たし、
前記絞り開放としたとき、前記走査の方向における最大照度に対する、隣接する前記撮像手段との前記オーバーラップ領域の中心位置の光量の比ILが、IL≧0.5を満たす
撮像装置。 - 前記撮像素子上において、前記光軸から、隣接する前記撮像手段の光軸へ向かう方向に走査したときに、前記光軸から前記撮像素子の端縁までの範囲全体で、絞り開放から絞り閉まで変化させても、前記走査の方向における最大照度に対する光量の比が変化しない請求項1に記載の撮像装置。
- 前記光量の比ILがIL≧0.6を満たす請求項1に記載の撮像装置。
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