JP4370646B2 - ホイールクレーンの旋回フレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラフテレーンクレーン等のホイールクレーンにおいて、ブームを起伏可能に支持しながら旋回する旋回フレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ホイールクレーンの旋回フレームは、下部走行体に旋回可能に設置され、ブームを起伏可能に支持している。図9は、そのような旋回フレームの構成例を示す側面図である。
【0003】
すなわち、旋回フレーム520の主たる構造部材は、下部走行体511と旋回ベアリング522により直接連結され、旋回フレーム全体のベースとなる底板521と、底板521の上に左右方向(紙面に対し垂直方向)で一対となるように配置され、図略のブームとブーム起伏用シリンダとを支持するサイドスタンド523と、サイドスタンド523が左右方向の荷重に対して横倒れしないように一対のサイドスタンドを前端及びシリンダフットピン支持部532付近で連結する構造物524,525とからなっている。
【0004】
この中で、サイドスタンド523は、後部上端部P501にブームを起伏回動可能に支持するブームフットピン支持部531と中間部P502にブーム起伏用シリンダ(図略)を回動可能に支持するシリンダフットピン支持部532を有し、これらの支持部531,532によってそれぞれ吊り荷による荷重を受けるものである。吊り荷を正確に移動させるためには、このサイドスタンド523も十分な剛性を有し、荷重が加わった状態で極力たわみを生じないことが求められる。
【0005】
サイドスタンド523の構造は、以下の3通りに大別される。(1)1枚板と補強リブの組み合わせ構造(図10の(a)参照)、(2)1枚板と閉断面部材の組み合わせ構造(図10の(b)参照)、(3)箱形構造(図10の(c)参照)。なお、図10では、いずれも左側のサイドスタンドのみを模式的に表している。
【0006】
従来の旋回フレームにおけるサイドスタンドは、特に大型のホイールクレーンでは(3)箱形構造が主流であり、支持側面をほぼ覆ってしまう側板を持ち、それに梁やリブの組み合わせたものであった。また、側方からサイドスタンドを見たときの輪郭形状では、上面側は直線状となっているものが殆どであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ホイールクレーンにおいても、他のクレーンと同様にクレーンの操作性を良くするために、荷物を吊り上げるときに生じるフレームのたわみを極力小さくしたい。一方、コストや重量の面から旋回フレームも簡素化、軽量化が要求される。旋回フレーム520の中でも、サイドスタンド523はブームとシリンダで支えている吊り荷の荷重が直接伝わる部分であり、前記図10(a)〜(c)に示したような多様な構造が存在し、構造の簡素化、軽量化は困難であった。
【0008】
特に、荷物を吊り上げたときに、図11に示すように、ブームフットピン支持部531に対して上前方に引っ張り力F501がかかり、またシリンダフットピン支持部532に対して下後方に圧縮力F502がかかる。これらの力F501,F502により、側面から見るとサイドスタンド523が、図中の破線で示すように、弓なりに変形し、ブームフットピン支持部531が上方に変位してシリンダフットピン支持部532が下方に変位する。その結果、ブームはブームフットピン支持部531とシリンダフットピン支持部532の間の点を中心にして前方に回転し、ブームの先端が前方下に移動する量が多くなる。従来は、サイドスタンド523の構造部材を、旋回ベアリング522からオフセットして設置していたので、底板521に曲り荷重がかかり、サイドスタンド523の変形はさらに大きくなる。このため、吊り荷が移動してしまい、クレーンの操作性に支障をきたすおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、サイドスタンドの変形を抑えて、操作性を向上させるとともに、簡素化、軽量化を図ることのできるホールクレーンの旋回フレームを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、ホイールクレーンの下部走行体上に旋回ベアリングを介して旋回可能に支持される底板と、この底板上に立設され、後部上端部にブームを起伏可能に支持するブーム支持部が設けられるとともに前後方向の中間部にブーム起伏用シリンダを回動可能に支持するシリンダ支持部が設けられた左右一対の支持部材とを備えたホイールクレーンの旋回フレームにおいて、前記支持部材は、当該支持部材の最上面を構成するように当該支持部材の前端部から後部上端部まで延設され、前記旋回ベアリングの前側直上の位置で前記底板に接続された上縁部材と、前記上縁部材に対して前記旋回ベアリングの前後中間位置の上方で接続され、その上縁部材に対する接続部から前記底板側へ延び、前記旋回ベアリングの後側直上の位置で前記底板に接続された中間部材と、前記上縁部材に対して当該支持部材の後部上端部付近で一端部が接続され、その上縁部材に対する接続部から当該支持部材の最下面を構成するように延び、前記中間部材の前記底板に対する接続部付近でその中間部材に他端部が接続された下縁部材とを含み、前記支持部材において、前記上縁部材のうち前記中間部材との接続部よりも前側の部分と前記中間部材との間に位置する領域及び前記上縁部材のうち前記中間部材との接続部よりも後側の部分と前記中間部材と前記下縁部材とで囲まれた領域は、いずれも側方に開口しており、前記支持部材のうち前記上縁部材と前記中間部材のみが前記底板に接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成により、支持部材は、旋回ベアリングの前側直上の位置で底板に接続された上縁部材と、旋回ベアリングの後側直上の位置で底板に接続された中間部材とを備えているので、支持部材が支える荷重を下部走行体に効率良く伝えられる。すなわち、旋回フレームは旋回ベアリングを介して下部走行体で支えられているので、ブームで荷物を吊った時の荷重も旋回ベアリングを介して下部走行体に伝わる。そのため、旋回フレームの中でブームからの荷重を支える支持部材のうち上縁部材と中間部材を上記旋回ベアリングの前側直上と後側直上の底板上に接続することにより、底板に曲げ荷重がかかりにくくなるので、吊り荷による荷重を効率良く下部走行体に伝えられる。
【0012】
また、これらの上縁部材と下縁部材と中間部材とからなる支持部材にかかる荷重は旋回ベアリングを介して下部走行体に効率的に伝えられる。したがって、従来のような側板を使用しなくても十分な剛性が確保される。
【0013】
さらに、少なくとも上縁部材と下縁部材と中間部材は、矩形断面を有する構造部材であれば(請求項2)、支持部材のより大きな剛性が確保される。
【0014】
さらに、前記上縁部材は、前記支持部材の後部上端部と、前記旋回ベアリングの前後中央位置の上方との間で、上方に向けて凸状をなす屈曲部を少なくとも1箇所備えれば(請求項3)、支持部材にかかる荷重は屈曲部の上下から加わる圧縮力にかわり、この屈曲部が押し上げられることにより支持部材の変形が一層少なくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
従来の構成では、旋回フレームのサイドスタンドを、旋回ベアリングからオフセットして設置していたが、このオフセットをなくすことでサイドスタンドの変形を防止できる。本実施形態は、かかる点に着目したものであり、以下に説明する。
【0016】
図1は本実施形態に係るホイールクレーンの側面図、図2はその旋回フレームの概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るホイールクレーン10は、地盤上を走行する下部走行体11を備え、下部走行体11は、下部フレーム12や、これを支持するホイール13等を備えている。そして、下部フレーム12の略中央位置にターンテーブル14を介して旋回可能に旋回フレーム20が設置されている。
【0018】
旋回フレーム20は、図2(a)に示すような水平の底板21を備え、底板21はリング状の旋回ベアリング22を介して図1の下部フレーム12側に旋回可能に支持されるとともに、図略の旋回モータにより旋回駆動されるようになっている。
【0019】
底板21上には、左右一対のサイドスタンド(支持部材)23が立設されている。このサイドスタンド23は、図2(b)に示すように、前方に向かうに従って上面側が低くなる略三角形状あるいは平行四辺形状に形成され、その下側前部同士が連絡部材24を介して連結されるとともに、その下側後部同士が連結部材25を介して連結されることにより、サイドスタンド23の横倒れの原因となる左右方向の変形が規制されている。また、サイドスタンド23の後部上端部P1には、リング状のブームフットピン支持部31を設けており、この支持部31に図略のブームフットピンを挿通することにより、起伏回動可能にブームB(図1)が支持されるようになっている。また、サイドスタンド23の中間部P2には、リング状のシリンダフットピン支持部32を設けており、この支持部32に図略のシリンダフットピンを挿通することにより、回動可能にシリンダC(図1)が支持されている。
【0020】
本実施形態では、後部上端部P1と中間部P2とを含む平面を横切る旋回ベアリング22の前側直上と後側直上の底板21上に、ブームフットピン支持部31に加わる力とシリンダフットピン支持部32に加わる力を受ける脚部P3,P4をそれぞれ設けていることを特徴としている。
【0021】
具体的には、図1の旋回フレーム20は、以下に示すようなラーメン構造を主要構造部材としている。すなわち、サイドスタンド23は、図2(a),(b)に示すように、上縁部材1と中間部材2と下縁部材3を有し、このうち、上縁部材1は、サイドスタンド23の最上面側を構成する部材であって、後部上端部P1のブームフットピン支持部31と中間部P2のシリンダフットピン支持部32を含む平面を横切る旋回ベアリング22の前側直上の脚部P3で底板21と接続され、後部上端部P1まで延設されている。
【0022】
中間部材2は、上縁部材1と下縁部材3を互いに連結する部材であり、上縁部材1と、上縁部材1と旋回ベアリング22の前後中間位置の上方P5で接続され、後部上端部P1のブームフットピン支持部31と中間部P2のシリンダフットピン支持部32を含む平面を横切る旋回ベアリング22の後側直上の脚部P4で底板21と接続されている。
【0023】
下縁部材3は、サイドスタンド23の最下面を構成する部材であり、上縁部材1と後部上端部P1付近で接続され、中間部材2の底板接続部P4付近で中間部材2と接続されている。
【0024】
これらの上縁部材1と中間部材2と下縁部材3とは、その剛性強度を確保して、極力簡略化と軽量化を図るために、ここでは一律に中空の矩形断面を有する構造部材が使用され、各部材1〜3同士及び部材と底板21との接続部分は、いずれも互いに回転を生じないように、例えば溶接等によりリジッドに連結されている。ただし、各部材1〜3の材料については、剛性強度を確保できれば、中実であってもよいし、その他の断面形状を有するものであってもよい。また、上記連結部分P1,P3〜P5には、応力集中を避けるために、適当な形状の補助部材を溶接等してもよい。
【0025】
ブームフットピン支持部31は、上縁部材1と下縁部材3とが接続された後部上端部P1に形成されている。しかし、シリンダフットピン支持部32は、上縁部材1と下縁部材3の中間部P2に位置することから、それを支えるためにリブ材4が設けられている。リブ材4は、図に示すとおり、サイドスタンド23の上縁部材1と下縁部材3の間でX字状に取り付けられている。このように取り付けることにより、シリンダフットピン支持部32に作用する力が各部材1〜3間に適当に分散され、局所的な変形を生じるおそれがなくなる。リブ材4は、例えば、一枚板であってもよいし、アングル材あるいはチャンネル材であってもよい。要は、そこに要求される剛性強度が確保できればなんでもよい。
【0026】
また、リブ材4は、必ずしも上記のようにX字状とする必要はなく、そこに要求される剛性強度が確保できればよく、例えば図3に示すように、上下で一直線状に取り付けてもよい。逆に、リブ材を増やして上記作用する力をさらに分散させることとしてもよい。
【0027】
さらには、図4に示すように、ブームフットピン支持部31を支持するためのリブ材5を備えてもよい。その場合、リブ材5は、上記と同様に一枚板等で構成され、また図に示すとおり、サイドスタンド23の上縁部材1と下縁部材3間でX字状に取り付ける他、上記と同様一直線状等の他の取り付け形態としてもよい。
【0028】
以上のように構成することにより、本実施形態では、以下のような動作形態を得ることができる。
【0029】
図1,図2において、シリンダCを伸長させてブームBを起立させ、ブームBにより荷物を吊り上げたとき、旋回フレーム20のサイドスタンド23には、ブームBとシリンダCからの反力がそれぞれ加わる。これらの反力により、サイドスタンド23の後部上端部P1にあるブームフットピン支持部31には、上前方に引っ張り力F1がかかり、中間部P2にあるシリンダフットピン支持部32には、下後方に圧縮力F2がかかる。これらの力(荷重)の方向は、いずれも従来例と同様である。
【0030】
しかし、本実施形態では、旋回フレーム20のサイドスタンド23を構成する部材1〜3と底板21間の接続部分である脚部P3,P4をいずれも旋回ベアリング22の直上に設定しているので、サイドスタンド23が支える荷重が下部走行体11に効率良く伝えられ、底板21には曲げ荷重が殆どかからなくなる。
【0031】
したがって、底板21の曲げ荷重によるサイドスタンド23の上下方向の変形が抑えられ、これにより、ブームBで荷物を吊った時でもブームBは前に倒れにくくなる。その結果、クレーンの操作性を向上させることができる。
【0032】
さらに、本実施形態では、旋回フレーム20をサイドスタンド23の各部材同士及び部材と底板21間でそれぞれリジッドに連結したラーメン構造とすることにより、従来例におけるような側板を省略できるので、旋回フレーム20の剛性強度を確保したまま大幅な軽量化が図れる。なお第1の参考例として、図5に示すように、側板6を一部に設ける構造がある。
【0033】
ところで、上記実施形態では、旋回フレームのサイドスタンドで支える荷重の向きは従来例と同様であるが、この荷重の向きを変えることによってもサイドスタンドの変形を防止できる。第2の参考例は、かかる点に着目したものであり、以下に説明する。
【0034】
図6は第2の参考例に係る旋回フレームの概略構成図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態と共通する要素には同一符号を付した。
【0035】
この第2の参考例は、図6に示すように、サイドスタンド23は、上面側7に、後部上端部P1と、この後部上端部P1と中間部P2を含む平面を横切る旋回ベアリング22の前後中央位置の直上P5との間で、上方に向けて凸状をなす屈曲部P6を少なくとも1箇所備えることを特徴としている。
【0036】
ここで、上面側7における屈曲部P6の位置を後部上端部P1と旋回ベアリング22の前後中央位置の直上P5との間としたのは、以下の理由による。
【0037】
すなわち、図7に示すように、吊り荷による荷重を受けたサイドスタンド23は、従来と同様、前方斜め上方に変位する。この場合、ブームフットピン支持部31にかかる荷重のうち、前方に向いた力の成分により旋回フレーム20の上面側7に圧縮力F11が働く。上面側7は屈曲部P6があるため、その圧縮力F11の成分が屈曲部P6で上面側7を上方向に押し上げる効果を生じる。そのような効果を生じるのは、理論的には、まず圧縮力F11の成分がシリンダフットピン支持部32に対して上向きとなる場合に限られる。したがって、屈曲部6の高さはこの支持部32の高さ以上でなければならない。ただし、このような高さ関係であっても、旋回ベアリング22の前後中央位置の直上P5は旋回ベアリング22の前後部との間で一種のトラス構造となっているので、旋回ベアリング22の前後中央位置の直上P5以下の位置では引っ張り力が作用し、シリンダフットピン支持部32に対して下向きの成分が生じることとなる。そこで、上面側7における屈曲部P6の位置を後部上端部P1と旋回ベアリング22の前後中央位置の直上P5との間とした。
【0038】
この第2の参考例では、屈曲部P6の上方向への変形により旋回フレーム20に固定されているシリンダフットピン支持部32も上方向に変位し、ブームB全体がブームフットピン支持部31とシリンダフット支持部32の間の点を中心にして回転するのを防ぎ、ひいてはブーム先端の変位量を小さくする。
【0039】
ここでは、サイドスタンド23の上面側7に屈曲部P6を一箇所だけ設けているが、さらに多くの屈曲部を設けてもよく、その場合にも上記と同様に、ブーム先端の変位量を小さくすることができる。ただし、屈曲部が少ない方が加工上、強度上有利である。
【0040】
以上のようにして、第2の参考例では、サイドスタンド23の上下方向の変形が抑えられ、これによりブームBで荷物を吊った時でもブームBは前に倒れにくくなる。その結果、クレーンの操作性を向上させることができる。
【0041】
なお、上記実施形態に第2の参考例を組み合わせ適用してもよく、その場合には上記を相乗した作用効果を得ることができる。また、その場合、ブームシリンダフットピンを確実に上方に変位させるため、図8に示すように、上縁の屈曲部P6付近とシリンダフット支持部32をリブ4等で連結してもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態及び第2の参考例では、ホイールクレーンとして、ラフテレーンクレーンを例示したが、その他のクレーンであっても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の請求項1は、ホイールクレーンの下部走行体上に旋回ベアリングを介して旋回可能に支持される底板と、この底板上に立設され、後部上端部にブームを起伏可能に支持するブーム支持部が設けられるとともに前後方向の中間部にブーム起伏用シリンダを回動可能に支持するシリンダ支持部が設けられた左右一対の支持部材とを備えたホイールクレーンの旋回フレームにおいて、前記支持部材は、当該支持部材の最上面を構成するように当該支持部材の前端部から後部上端部まで延設され、前記旋回ベアリングの前側直上の位置で前記底板に接続された上縁部材と、前記上縁部材に対して前記旋回ベアリングの前後中間位置の上方で接続され、その上縁部材に対する接続部から前記底板側へ延び、前記旋回ベアリングの後側直上の位置で前記底板に接続された中間部材と、前記上縁部材に対して当該支持部材の後部上端部付近で一端部が接続され、その上縁部材に対する接続部から当該支持部材の最下面を構成するように延び、前記中間部材の前記底板に対する接続部付近でその中間部材に他端部が接続された下縁部材とを含み、前記支持部材において、前記上縁部材のうち前記中間部材との接続部よりも前側の部分と前記中間部材との間に位置する領域及び前記上縁部材のうち前記中間部材との接続部よりも後側の部分と前記中間部材と前記下縁部材とで囲まれた領域は、いずれも側方に開口しており、前記支持部材のうち前記上縁部材と前記中間部材のみが前記底板に接続されていることを特徴とするものである。
【0044】
上記構成により、支持部材は、旋回ベアリングの前側直上の位置で底板に接続された上縁部材と、旋回ベアリングの後側直上の位置で底板に接続された中間部材とを備えているので、支持部材が支える荷重を下部走行体に効率良く伝えられる。すなわち、旋回フレームは旋回ベアリングを介して下部走行体で支えられているので、ブームで荷物を吊った時の荷重も旋回ベアリングを介して下部走行体に伝わる。そのため、旋回フレームの中でブームからの荷重を支える支持部材のうち上縁部材と中間部材を上記旋回ベアリングの前側直上と後側直上の底板上に接続することにより、底板に曲げ荷重がかかりにくくなるので、吊り荷による荷重を効率良く下部走行体に伝えられる。その結果、支持部材の上下方向の変形が抑制され、クレーンの操作性が向上する。
【0045】
さらに、支持部材は、前記旋回ベアリングの前側直上の脚部で底板と接続され、後部上端部まで延設された上縁部材と、上縁部材と前記旋回ベアリングの前後中間位置の上方で接続され、前記旋回ベアリングの後側直上の脚部で底板と接続された中間部材と、上縁部材と後部上端部付近で接続され、中間部材の底板接続部付近で該中間部材と接続された下縁部材とを備えているので、これらの上縁部材と下縁部材と中間部材とからなる支持部材にかかる荷重は旋回ベアリングを介して下部走行体に効率的に伝えられる。したがって、従来のような側板を使用しなくても十分な剛性が確保されるので、簡略化と軽量化を図ることができる。
【0046】
さらに、少なくとも上縁部材と下縁部材と中間部材は、矩形断面を有する構造部材であるので(請求項2)、支持部材のより大きな剛性が確保できる。
【0047】
さらに、支持部材は、上縁部材と下縁部材とからそれぞれシリンダ支持部まで延設されたリブ材を備えているので、ブーム起伏用シリンダの支持部の剛性が確保できる。
【0048】
支持部材は、さらに上縁部材と下縁部材とからそれぞれブーム支持部まで延設されたリブ材をも備えているので、ブームの支持部の剛性も確保できる。
【0049】
さらに、リブ材は、上縁部材と下縁部材との間でX字状に取り付けられたものであるので、ブーム起伏用シリンダ又はブームの支持部の剛性を高めることができる。
【0050】
さらに、前記上縁部材は、前記支持部材の後部上端部と、前記旋回ベアリングの前後中央位置の上方との間で、上方に向けて凸状をなす屈曲部を少なくとも1箇所備えているので(請求項3)、支持部材にかかる荷重は屈曲部の上下から加わる圧縮力にかわり、この屈曲部が押し上げられることにより支持部材の変形が一層少なくなる。したがって、これによりクレーンの操作性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ホイールクレーンの全体構成を示す側面図である。
【図2】 実施形態に係る旋回フレームの概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】 上記実施形態の一変形例を示す側面図である。
【図4】 上記実施形態の他の変形例を示す側面図である。
【図5】 上記実施形態の第1の参考例を示す側面図である。
【図6】 上記実施形態の第2の参考例に係る旋回フレームの概略構成を示す側面図である。
【図7】 第2の参考例の作用を示す説明図である。
【図8】 上記実施形態のさらに別の変形例を示す側面図である。
【図9】 従来の旋回フレームの概略構成を示す側面図である。
【図10】 従来の旋回フレームの構成例を示す斜視図である。
【図11】 従来の旋回フレームの作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1 上縁部材
2 中間部材
3 下縁部材
4,5 リブ材
6 側板
7 上面側
10 ホイールクレーン
11 下部走行体
12 下部フレーム
13 走行ホイール
14 旋回テーブル
20 旋回フレーム
21 底板
22 旋回ベアリング
23 サイドスタンド(支持部材)
24 前部連結部材
25 後部連結部材
31 ブームフットピン支持部(ブーム支持部)
32 シリンダフットピン支持部(シリンダ支持部)
B ブーム
C ブーム起伏用シリンダ
P1 後部上端部
P2 中間部
P3,P4 脚部
P5 中間位置上方
P6 屈曲部
Claims (3)
- ホイールクレーンの下部走行体上に旋回ベアリングを介して旋回可能に支持される底板と、この底板上に立設され、後部上端部にブームを起伏可能に支持するブーム支持部が設けられるとともに前後方向の中間部にブーム起伏用シリンダを回動可能に支持するシリンダ支持部が設けられた左右一対の支持部材とを備えたホイールクレーンの旋回フレームにおいて、
前記支持部材は、当該支持部材の最上面を構成するように当該支持部材の前端部から後部上端部まで延設され、前記旋回ベアリングの前側直上の位置で前記底板に接続された上縁部材と、前記上縁部材に対して前記旋回ベアリングの前後中間位置の上方で接続され、その上縁部材に対する接続部から前記底板側へ延び、前記旋回ベアリングの後側直上の位置で前記底板に接続された中間部材と、前記上縁部材に対して当該支持部材の後部上端部付近で一端部が接続され、その上縁部材に対する接続部から当該支持部材の最下面を構成するように延び、前記中間部材の前記底板に対する接続部付近でその中間部材に他端部が接続された下縁部材とを含み、
前記支持部材において、前記上縁部材のうち前記中間部材との接続部よりも前側の部分と前記中間部材との間に位置する領域及び前記上縁部材のうち前記中間部材との接続部よりも後側の部分と前記中間部材と前記下縁部材とで囲まれた領域は、いずれも側方に開口しており、
前記支持部材のうち前記上縁部材と前記中間部材のみが前記底板に接続されていることを特徴とするホイールクレーンの旋回フレーム。 - 少なくとも前記上縁部材と前記下縁部材と前記中間部材は、矩形断面を有する構造部材であることを特徴とする請求項1記載のホイールクレーンの旋回フレーム。
- 前記上縁部材は、前記支持部材の後部上端部と、前記旋回ベアリングの前後中央位置の上方との間で、上方に向けて凸状をなす屈曲部を少なくとも1箇所備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のホイールクレーンの旋回フレーム。
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