JP4365647B2 - 車載電子制御装置の電源回路 - Google Patents
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Description
なお、上記電磁継電器は一旦動作するとマイクロプロセッサから動作保持信号が供給され、電源スイッチを遮断した後でもマイクロプロセッサが各種の退避制御を完了するまでは継続動作するようになっており、このような給電状態を保持給電と称している。
また、特許文献2のものでは車載電気負荷が電源スイッチから直接給電されるようになっているので、電源スイッチが大電流を扱う必要があると共に、電源遅延遮断を行うこと
が出来ない構成となっている。
この発明の第二の目的は、車両の運転中にあっては車載電気負荷に対する給電と車載電子制御装置に対する給電が一元的に行われ、異常発生時にどちらか一方にだけ給電されることがないような電源回路を提供することである。
タイマ回路(120)と第一の給電回路(104a・141)と第二の給電回路(142;103a)とを
備え、
上記定電圧電源回路(140)は上記車載バッテリ(101)から上記第一又は第二の給電回路を介して給電されて、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)と当該マイクロプロセッサに付随するプログラムメモリ(111a;111b)と演算処理用のRAMメモリ(114)と入力インタフェース回路(150・170;150・160・170)と出力インタフェース回路(180a;180b)に対して所定の安定化電源を供給し、
上記覚醒タイマ回路(120)は上記車載バッテリ(101)から直接給電されて動作し、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)に対する給電が停止されてから所定時間後に覚醒トリガ信号(Awk)を出力し、
上記第一の給電回路(104a・141)は上記定電圧電源回路(140)及び各種電気負荷(108a・109a;180b)と車載バッテリ(101)間に接続された第一の開閉素子となる出力接点(104a)と該出力接点を閉路駆動する電磁コイル(104b)とを有する電源リレー(104)と、上記出力接点(104a)に直列接続された逆流阻止ダイオード(141)とを備え、上記電磁コイル(104b)は車両運転時に操作される電源スイッチ(102)が閉路したことによって付勢されると共に、該電源スイッチ(102)が開路されても上記マイクロプロセッサ(110a;110b)によって第一の所定期間の持続給電が行われ、
上記第二の給電回路(142;103a)は少なくとも上記定電圧電源回路(140)と車載バッテリ(101)間を接続する第二の開閉素子(142;103a)を備え、該第二の開閉素子は上記覚醒トリガ信号(Awk)の発生によって閉路すると共に、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)によって第二の所定期間の持続給電が行われ、
上記逆流阻止ダイオード(141)は上記第一の給電回路(104a・141)から各種電気負荷(108a・109a;108b)に対する給電は可能であっても第二の給電回路(142;103a)から各種電気負荷(108a・109a;108b)に対する給電を阻止する関係に接続されている
ことを特徴とするものである。
また、運転手が不在で電源スイッチが遮断されているときの車載電子制御装置の覚醒活性化にあっては、車載電気負荷に対する給電が行われない構成となっているので、車載バッテリの消費電力を抑制することができると共に、異常発生に伴う焼損事故の発生を未然に防止することができる効果がある。
(1)実施の形態1の構成
図1はこの発明の実施の形態1における車載電子制御装置の電源回路構成を示す全体回路図であり、以下この詳細構成を説明する。
図1において、100aは密閉筐体に収納された車載電子制御装置であり、該車載電子制御装置は以下に説明する外部機器と接続されるようになっている。
101は例えばDC12V系の車載バッテリ、102は車両の運転停止時に操作される例えばイグニションスイッチ等の電源スイッチ、104は出力接点104aと電磁コイル104bとを有する電源リレー、105はエンジンの回転センサ、クランク角センサ、車速センサや変速機のシフトレバー位置を検出するシフトスイッチ等のON/OFF動作を行う各種入力センサ、107はアクセルペダルの踏込度合いを検出するアクセルポジションセンサ、スロットルバルブの開閉度合いを検出するスロットルポジションセンサ、吸気スロットルに設けられたエアフローセンサ、排気ガスセンサ、燃料タンクの温度センサ・残量センサ・圧力センサ、冷却水温センサ、気筒圧センサ等の各種アナログ入力センサ、108a・109aは例えばステッピングモータの励磁コイル等の車載電気負荷であり、車載電気負荷としてはその他に点火コイル、燃料噴射用電磁弁スロットル制御用モータなど多数のものがある。
120は例えばカレンダー時計で使用されるような低消費電力の電界効果トランジスタを用いた覚醒タイマであり、該覚醒タイマ120は上記車載バッテリ101から直接給電されていて、上記マイクロプロセッサ110aが発生する計時動作開始指令信号出力Dy2を一瞬受信したことによって計時動作を開始し、予め設定されている所定時間が経過すると覚醒トリガ信号出力Awkを発生して、後述の論理和素子145の入力に作用すると共に、第二の入力回路121を介してマイクロプロセッサ110aに対して第二の電源制御入力信号Dx2を供給するように構成されている。
なお、上記定電圧電源回路140は上記マイクロプロセッサ110aと該マイクロプロセッサに付随するプログラムメモリ111aや演算処理用のRAMメモリ114、不揮発データメモリ115、或いは後述の入出力インタフェース回路150・170・180aに対して所定の安定化電圧を供給するようになっている。
なお、上記ブリーダ抵抗151は入力センサ105が閉路したときの接点電流を十分大きな値にしておくことで接点の接触不良を防止したり、入力センサ105がトランジスタスイッチである場合であっても信号配線に重畳するノイズを抑制する観点から比較的大きな電流が流れるよう意図されていて、入力センサ105が開路したときには車載バッテリ101の正の電圧側にプルアップするよう構成されている。
155は論理積回路であり、該論理積回路の一方の入力は上記出力接点104aと逆流阻止ダイオード141の接続点に接続され、他方の入力はマイクロプロセッサ110aの出力端子である電源保持駆動出力Dy1に接続されている。156は第一の入力回路であり、該第一の入力回路は上記電源スイッチ102の開閉信号Igsを第一の電源制御入力Dx1として上記マイクロプロセッサ110aに供給するようになっている。
180aは上記マイクロプロセッサ110aのデジタル出力ポートDy0と車載電気負荷108a・109a間に接続された出力インタフェース回路であり、該出力インタフェース回路は駆動トランジスタ181、プルアップ抵抗182、論理反転回路183、反転駆動トランジスタ184などを備え、例えばデジタル出力ポートDy0の論理レベルが「H」のときには駆動トランジスタ181が導通して電気負荷108aに給電され、デジタル出力ポートDy0の論理レベルが「L」のときには駆動トランジスタ184が導通して電気負荷109aに給電されるようになっている。
上述した構成を有する図1の回路において、電源スイッチ102を閉路すると論理和回路152からの出力により駆動トランジスタ153が導通し、その結果、逆接保護ダイオード154を介して車載バッテリ101から電磁コイル104bに給電され、電源リレー104の出力接点104aが閉路する。
但し、車載バッテリ101の接続極性が誤っているときには逆接保護ダイオード154の作用によって電磁コイル104bに給電されることがなく、出力接点104aは閉路しないようになっている。
車載バッテリ101が正常極性で接続されていて、出力接点104aが閉路すると逆流阻止ダイオード141を介して定電圧電源回路140が動作して所定の定電圧Vccを発生し、マイクロプロセッサ110aが動作を開始する。
その結果、まずは電源保持手段112aの作用で電源保持駆動出力Dy1が発生して、論理積回路155と論理和回路152を介して駆動トランジスタ153の導通を維持するので、その後に電源スイッチ102が開路されても電源リレー104の動作は維持されるようになっている。
しかし、電源スイッチ102が開路されると、第一の電源制御入力信号Dx1の論理レベルが「H」から「L」に変化するので、マイクロプロセッサ110aはRAMメモリ114内の一部の学習データ等を不揮発データメモリ115に退避保存したり、電気負荷の動作状態を初期状態に駆動復帰させるなどの退避制御を行ったうえで、電源保持手段112aによって電源保持駆動出力Dy1を停止する。その結果、駆動トランジスタ153が不導通となって電源リレー104が消勢され、定電圧電源回路140の出力電圧が消滅することによってマイクロプロセッサ110aの動作も停止する。
従って、マイクロプロセッサ110aの動作停止後に覚醒タイマ回路120で設定された時間が経過すると、覚醒タイマ回路120は覚醒トリガ信号出力Awkを発生し、論理和素子145と駆動トランジスタ143を介して第二の開閉素子であるトランジスタ素子142が導通する。
その結果、車載バッテリ101からトランジスタ素子142を介して定電圧電源回路140に給電され、所定の定電圧出力Vccを発生してマイクロプロセッサ110aが動作を開始する。
電源供給されたマイクロプロセッサ110aは、第一の電源制御入力信号Dx1が論理レベル
「L」であって電源スイッチ102が開路している状態で、しかも第二の電源制御入力信号Dx2が論理レベル「H」となっていることによって覚醒運転状態であることを判定し、まずは電源保持駆動出力Dy1を発生することによって、覚醒トリガ信号出力Awkが停止しても論理和素子145によってトランジスタ素子142の導通を維持する。
続いて、予め定められている特定の入力信号の状態をRAMメモリ114に格納すると共に、再度覚醒運転を行うかどうかを判定する。
マイクロプロセッサ110aは特定入力の読込み記憶と判定処理を行った後、電源保持駆動出力Dy1を停止し、トランジスタ素子142が不導通となることによって定電圧電源回路140の出力が消滅してマイクロプロセッサ110aは動作停止する。
但し、再度覚醒運転が必要な場合には電源保持駆動出力Dy1を停止する直前に、計時動作開始指令信号出力Dy2を発生して、覚醒タイマ回路120の動作を開始させておくようになっている。
また、この実施形態の場合には、ブリーダ抵抗151が出力接点104aと逆流阻止ダイオード141との接続点から給電されているので、覚醒運転の段階ではON/OFF動作の入力センサ105の動作状態は読み込むことができない構成となっている。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施形態1による車載電子制御装置100aの電源回路は、車載バッテリ101から給電され、ON/OFF信号を発生する各種入力センサ105又はアナログ信号を発生する各種入力センサ107の動作状態とプログラムメモリ111aの内容に応動して各種電気負荷108a・109aを駆動するマイクロプロセッサ110aを備えた車載電子制御装置100aに対する電源回路であって、上記車載電子制御装置100aは定電圧電源回路140と覚醒タイマ回路120と第一・第二の給電回路とを備えている。
上記覚醒タイマ回路120は上記車載バッテリ101から直接給電されて動作し、上記マイクロプロセッサ110aに対する給電が停止されてから所定時間後に覚醒トリガ信号出力Awkを発生する節電回路素子を用いたタイマ回路となっている。
上記第二の給電回路は少なくとも上記定電圧電源回路140と車載バッテリ101間を接続する第二の開閉素子142を備え、該第二の開閉素子142は上記覚醒トリガ信号出力Awkの発生によって閉路すると共に、上記マイクロプロセッサ110aが発生する電源保持駆動出力Dy1によって動作保持される給電回路となっている。
なお、上記逆流阻止ダイオード141は第一の給電回路である出力接点104aから各種電気負荷108a・109aに対する給電は可能であっても、第二の給電回路である第二の開閉素子142から各種電気負荷108a・109aに対する給電を阻止する関係に接続されている。
従って、新たに付加された第二の開閉素子142を長寿命・無接点化して、車載電子制御装置100aに内蔵し、寿命を有する電源リレー104は密閉筐体の外部に設置して保守交換を容易にすることができる特徴がある。
上記第一の電源制御入力信号Dx1は上記電源スイッチ102の開閉信号Igsであり、上記第二の電源制御入力信号Dx2は上記覚醒タイマ回路120が発生する覚醒トリガ信号Awkであり、上記電源保持手段112aは閉路されていた電源スイッチ102が開路した時点において、マイクロプロセッサ110aの退避制御処理に必要な第一の期間中では第一の給電回路を継続保持するための電源保持駆動出力Dy1を発生すると共に、上記電源スイッチ102が開路されているときにあっては特定入力信号の状態を監視するための第二の期間において上記第二の給電回路を継続保持する電源保持駆動出力Dy1を発生する手段となっている。
従って、マイクロプロセッサ110aは第一・第二の電源制御入力信号Dx1・Dx2によって電源遅延遮断又は電源遮断中の覚醒給電のいずれの状態であるかを判定して、電源保持手段112aによって適切な電源保持駆動出力Dy1を発生することができる特徴がある。
従って、マイクロプロセッサ110aは覚醒運転を行うかどうかの判定を行って、覚醒運転を行わないと判定したときには第二の給電回路の動作ができないようにして、車載バッテリ101の消費電力を抑制することができる特徴がある。
上記論理積回路155は上記第一の開閉素子である出力接点104aが閉路していて、しかも上記電源保持駆動出力Dy1が発生しているときに第一の論理出力を発生し、上記論理和回路152は上記第一の論理出力と電源スイッチ102が閉路したことによって発生する第二の論理出力との論理和出力を発生し、上記電源リレー104の電磁コイル104bは上記論理和出力によって付勢されるようになっている。
従って、電源保持駆動出力Dy1が発生しても、電源スイッチ102が閉路していないときには電源リレー104が作動しないようになっているので、一個の電源保持駆動出力Dy1によって第一・第二の給電回路を識別して動作保持することができる特徴がある。
(1)実施形態2の構成
図2はこの発明の実施の形態2における車載電子制御装置の電源回路構成を示す全体回路図であり、以下図1のものとの相違点を中心にして説明する。
図2において、100bは密閉筐体に収納された車載電子制御装置であり、該車載電子制御装置は以下に説明する外部機器と接続されるようになっている。
図1のものと同様に、101は車載バッテリ、102は電源スイッチ、104は出力接点104aと電磁コイル104bとを有する電源リレー、105はON/OFF動作を行う各種入力センサ、107は各種アナログ入力センサ、108bは車載電気負荷であるが、ON/OFF動作を行う各種入力セ
ンサは第一グループの各種入力センサ105と第二グループの各種入力センサ106に分割さ
れている。
なお、第一グループの各種入力センサ105は電源スイッチ102が遮断されているときに、入力センサの動作状態を定期監視する必要のないセンサグループであるのに対し、第二グループの各種入力センサ106は電源スイッチ102が遮断されているときに、入力センサの動作状態を定期監視する必要のあるセンサグループとなっている。
また、103は出力接点103aと電磁コイル103bとを有する第二の電源リレー、109は警報・表示器である。
120は上記車載バッテリ101から直接給電される覚醒タイマ回路であり、該覚醒タイマ回路は上記マイクロプロセッサ110bが発生する計時動作開始指令信号出力Dy2を一瞬受信したことによって計時動作を開始し、予め設定されている所定時間が経過すると覚醒トリガ信号出力Awkを発生して、後述の論理和素子162の入力に作用すると共に、第二の入力回路121を介してマイクロプロセッサ110bに対して第二の電源制御入力信号Dx2を供給するように構成されている。
なお、上記定電圧電源回路140は上記マイクロプロセッサ110bと該マイクロプロセッサに付随するプログラムメモリ111bや演算処理用のRAMメモリ114、不揮発データメモリ115、或いは後述の入出力インタフェース回路150・160・170・180bや異常記憶回路190に対して所定の安定化電圧を供給するようになっている。
152は上記マイクロプロセッサ110bが発生する電源保持駆動出力Dy11と、上記電源スイッチ102の開閉信号Igsとを入力として動作する論理和回路、153は該論理和回路の出力が論理レベル「H」であるときに導通する駆動トランジスタ、154は該駆動トランジスタと直列接続された逆接保護ダイオードであり、上記電源リレー104の電磁コイル104bは上記車載バッテリ101から逆接保護ダイオード154、駆動トランジスタ153を介して給電されるようになっている。
156は第一の入力回路であり、該第一の入力回路は上記電源スイッチ102の開閉信号Igsを第一の電源制御入力Dx1として上記マイクロプロセッサ110bに供給するようになっている。157は第三の入力回路であり、該第三の入力回路は上記出力接点104aの開閉信号を第三の電源制御入力Dx3として上記マイクロプロセッサ110bに供給するようになっている。
162は上記マイクロプロセッサ110bが発生する電源保持駆動出力Dy12と、上記覚醒トリガ信号出力Awkとを入力として動作する論理和素子、163は該論理和素子の出力が論理レベル「H」であるときに導通する駆動トランジスタ、164は該駆動トランジスタと直列接続された逆接保護ダイオードであり、上記電源リレー103の電磁コイル103bは上記車載バッテリ101から逆接保護ダイオード164、駆動トランジスタ163を介して給電されるようになっている。
また、第二の開閉素子となる出力接点103aは車載バッテリ101と定電圧電源回路140との間に接続されていて、出力接点103aから車載電気負荷108bや警報・表示器109に至る回路には逆流阻止ダイオード141が介在することによって給電できないように構成されている。
図2のように構成された回路において、電源スイッチ102を閉路すると論理和回路152、駆動トランジスタ153、逆接保護ダイオード154を介して車載バッテリ101から電磁コイル104bに給電され、電源リレー104の出力接点104aが閉路する。
但し、車載バッテリ101の接続極性が誤っているときには逆接保護ダイオード154の作用によって電磁コイル104bが励磁されることがなく、出力接点104aは閉路しないようになっている。
車載バッテリ101が正常極性で接続されていて、出力接点104aが閉路すると逆流阻止ダイオード141を介して定電圧電源回路140が動作して所定の定電圧Vccを発生し、マイクロプロセッサ110bが動作を開始する。
その結果、まずは電源保持手段112bの作用で電源保持駆動出力Dy11が発生して、論理和回路152を介して駆動トランジスタ153の導通を維持するので、その後に電源スイッチ102が開路されても電源リレー104の動作は維持されるようになっている。
しかし、電源スイッチ102が開路されると、第一の電源制御入力信号Dx1の論理レベルが「H」から「L」に変化するので、マイクロプロセッサ110bはRAMメモリ114内の一部の学習データ等を不揮発データメモリ115に退避保存したり、電気負荷の動作状態を初期状態に駆動復帰させるなどの退避制御を行ったうえで、電源保持手段112bによって電源保持駆動出力Dy11を停止する。
その結果、駆動トランジスタ153が不導通となって電源リレー104が消勢され、定電圧電源回路140の出力電圧が消滅することによってマイクロプロセッサ110bの動作も停止する。
従って、マイクロプロセッサ110bの動作停止後に覚醒タイマ回路120で設定された時間が経過すると、覚醒タイマ回路120は覚醒トリガ信号出力Awkを発生し、論理和素子162と駆動トランジスタ163を介して第二の電源リレー103の電磁コイル103bに給電され、第二の開閉素子である出力接点103aが導通する。
その結果、車載バッテリ101から出力接点103aを介して定電圧電源回路140に給電され、所定の定電圧出力Vccを発生してマイクロプロセッサ110bが動作を開始する。
電源供給されたマイクロプロセッサ110bは、第一の電源制御入力信号Dx1が論理レベル
「L」であって電源スイッチ102が開路している状態で、しかも第二の電源制御入力信号Dx2が論理レベル「H」となっていることによって覚醒運転状態であることを判定し、まずは電源保持駆動出力Dy12を発生することによって、覚醒トリガ信号出力Awkが停止しても論理和素子162と駆動トタンジスタ素子163によって第二の電源リレー103の動作を維持している。
続いて、予め定められている特定の入力信号の状態をRAMメモリ114に格納すると共に、再度覚醒運転を行うかどうかを判定する。
但し、再度覚醒運転が必要な場合には電源保持駆動出力Dy12を停止する直前に、計時動作開始指令信号出力Dy2を発生して、覚醒タイマ回路120の動作を開始させておくようになっている。
なお、この実施形態の場合には、ブリーダ抵抗161が出力接点103aから給電される位置に接続されているので、覚醒運転の段階で第二グループの入力センサ106の動作状態は読み込むことができるようになっている。
しかし、覚醒運転時に監視が不要な第一グループの入力センサ105に関しては、逆流阻止ダイオード141によってブリーダ抵抗151への給電が行われないようになっている。
このような異常状態に対して、マイクロプロセッサ110bは警報表示手段116によって異常警報表示出力Dy3を発生し、異常記憶回路190を介して警報・表示器109を作動させるようになっている。
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施形態2による車載電子制御装置100bの電源回路は、車載バッテリ101から給電され、ON/OFF信号を発生する第一・第二の入力センサ105・106、又はアナログ信号を発生する各種入力センサ107の動作状態とプログラムメモリ111bの内容に応動して各種電気負荷108bを駆動するマイクロプロセッサ110bを備えた車載電子制御装置100bに対する電源回路であって、上記車載電子制御装置100bは定電圧電源回路140と覚醒タイマ回路120と第一・第二の給電回路とを備えている。
上記覚醒タイマ回路120は上記車載バッテリ101から直接給電されて動作し、上記マイクロプロセッサ110bに対する給電が停止されてから所定時間後に覚醒トリガ信号出力Awkを発生する節電回路素子を用いたタイマ回路となっている。
上記第二の給電回路は少なくとも上記定電圧電源回路140と車載バッテリ101間を接続する第二の開閉素子となる出力接点103aと該出力接点を閉路駆動する電磁コイル103bとを有する第二の電源リレー103を備え、上記電磁コイル103aは上記覚醒トリガ信号出力Awkの発生によって付勢されると共に、上記マイクロプロセッサ110bが発生する電源保持駆動出力Dy12によって動作保持される給電回路となっている。
なお、上記逆流素子ダイオード141は第一の給電回路である出力接点104aから各種電気負荷108bに対する給電は可能であっても、第二の給電回路である出力接点103aから各種電気負荷108bに対する給電を阻止する関係に接続されている。
更に、第二の開閉素子として第二の電源リレー103を使用したので、トランジスタ素子による場合に比べて発熱が小さくなると共に、出力接点が開路しているときの漏れ電流が小さくなる特徴がある。
110bに対して第一・第二の電源制御入力信号Dx1・Dx2が入力されると共に、上記プログラムメモリ111bには電源保持手段となるプログラム112bが格納されている。
上記第一の電源制御入力信号Dx1は上記電源スイッチ102の開閉信号Igsであり、上記第
二の電源制御入力信号Dx2は上記覚醒タイマ回路120が発生する覚醒トリガ信号Awkであ
り、上記電源保持手段112bは閉路されていた電源スイッチ102が開路した時点において、
マイクロプロセッサ110bの退避制御処理に必要な第一の期間中では第一の給電回路を継続保持するための電源保持駆動出力Dy11を発生すると共に、上記電源スイッチ102が開路されているときにあっては特定入力信号の状態を監視するための第二の期間において上記第二の給電回路を継続保持する電源保持駆動出力Dy12を発生する手段となっている。
従って、マイクロプロセッサ110bは第一・第二の電源制御入力信号Dx1・Dx2によって
電源遅延遮断又は電源遮断中の覚醒給電のいずれの状態であるかを判定して、電源保持手段112bによって適切な電源保持駆動出力Dy11又はDy12を発生することができる特徴がある。
上記覚醒制御手段113bは上記電源保持駆動出力Dy11やDy12の発生を停止する直前に計時動作開始指令信号出力Dy2を発生することによって次回の覚醒動作を行うと共に、上記特定入力信号の監視結果に応動して計時動作開始指令信号Dy2の発生を停止することによって以降の覚醒動作を停止する制御手段となっている。
従って、マイクロプロセッサ110bは覚醒運転を行うかどうかの判定を行って、覚醒運転を行わないと判定したときには第二の給電回路の動作ができないようにして、車載バッテリ101の消費電力を抑制することができる特徴がある。
上記第一の入力インタフェース回路150に接続された第一グループの入力センサ105は上記第一の給電回路に接続されていて、該第一グループの入力センサ105は電源スイッチ102が開路しているときには監視が不要なセンサグループとなっている。
上記第二の入力インタフェース回路160に接続された第二グループの入力センサ106は上記第二の給電回路に接続されていて、該第二グループの入力センサ106は電源スイッチ102が開路しているときに監視が必要なセンサグループであるか、電源スイッチ102が開路しているときに監視が不要であるが消費電流が微小なセンサグループとなっている。
従って、入力監視のための覚醒運転において車載バッテリ101の消費電力を抑制することができる特徴がある。
従って、出力接点104aが溶着異常を発生した場合には、運転手によって電源スイッチ102が遮断された直後の僅かの時間をおいて警報・表示器109が作動して異常を報知する
ので、車載バッテリ101の異常放電や異常に伴う焼損事故等を未然に防止することができ
る特徴がある。
100b 車載電子制御装置
101 車載バッテリ 140 定電圧電源回路
102 電源スイッチ 141 逆流阻止ダイオード
103 第二の電源リレー 142 トランジスタ素子
103a 出力接点 (第二の開閉素子)
103b 電磁コイル
104 電源リレー 150 第一の入力インタフェース回路
104a 出力接点(第一の開閉素子) 152 論理和回路
104b 電磁コイル 155 論理積回路
105 入力センサ(ON/OFF信号) 160 第二の入力インタフェース回路
106 入力センサ(ON/OFF信号) 170 アナログ入力インタフェース回路
107 入力センサ(アナログ信号) 180a 出力インタフェース回路
108a 電気負荷 180b 出力インタフェース回路
108b 電気負荷
109a 電気負荷
109 警報・表示器 190 異常記憶回路
110a マイクロプロセッサ Dx1 第一の電源制御入力信号
110b マイクロプロセッサ Dx2 第二の電源制御入力信号
111a プログラムメモリ Dy1 電源保持駆動出力
111b プログラムメモリ Dy11 電源保持駆動出力(第一の給電用)
112a 電源保持手段 Dy12 電源保持駆動出力(第二の給電用)
112b 電源保持手段 Dy2 計時動作開始指令信号出力
113a 覚醒制御手段 Awk 覚醒トリガ信号出力
113b 覚醒制御手段 Igs 電源スイッチの開閉信号
114 RAMメモリ
116 警報・表示手段
Claims (9)
- 車載バッテリ(101)から給電され、各種入力センサ(105・107;105・106・107)の動作状態とプログラムメモリ(111a;111b)の内容に応動して各種電気負荷(108a・109a;108b)を駆動するマイクロプロセッサ(110a;110b)を備えた車載電子制御装置(100a;100b)であって、上記車載電子制御装置(100a;100b)は定電圧電源回路(140)と覚醒タイマ回路(120)と第一の給電回路(104a・141)と第二の給電回路(142;103a)とを備え、
上記定電圧電源回路(140)は上記車載バッテリ(101)から上記第一又は第二の給電回路を介して給電されて、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)と当該マイクロプロセッサに付随するプログラムメモリ(111a;111b)と演算処理用のRAMメモリ(114)と入力インタフェース回路(150・170;150・160・170)と出力インタフェース回路(180a;180b)に対して所定の安定化電源を供給し、
上記覚醒タイマ回路(120)は上記車載バッテリ(101)から直接給電されて動作し、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)に対する給電が停止されてから所定時間後に覚醒トリガ信号(Awk)を出力し、
上記第一の給電回路(104a・141)は上記定電圧電源回路(140)及び各種電気負荷(108a・109a;180b)と車載バッテリ(101)間に接続された第一の開閉素子となる出力接点(104a)と該出力接点を閉路駆動する電磁コイル(104b)とを有する電源リレー(104)と、上記出力接点(104a)に直列接続された逆流阻止ダイオード(141)とを備え、上記電磁コイル(104b)は車両運転時に操作される電源スイッチ(102)が閉路したことによって付勢されると共に、該電源スイッチ(102)が開路されても上記マイクロプロセッサ(110a;110b)によって第一の所定期間の持続給電が行われ、
上記第二の給電回路(142;103a)は少なくとも上記定電圧電源回路(140)と車載バッテリ(101)間を接続する第二の開閉素子(142;103a)を備え、該第二の開閉素子は上記覚醒トリガ信号(Awk)の発生によって閉路すると共に、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)によって第二の所定期間の持続給電が行われ、
上記逆流阻止ダイオード(141)は上記第一の給電回路(104a・141)から各種電気負荷(108a・109a;108b)に対する給電は可能であっても第二の給電回路(142;103a)から各種電気負荷(108a・109a;108b)に対する給電を阻止する関係に接続されている
ことを特徴とする車載電子制御装置の電源回路。 - 上記第二の給電回路における第二の開閉素子はトランジスタ素子(142)によって構成
され、当該トランジスタ素子は上記覚醒トリガ信号(Awk)の発生によって導通駆動され
ると共に、上記マイクロプロセッサ(110a)が発生する電源保持駆動出力(Dy1)によっ
て動作保持されることを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置の電源回路。 - 上記車載電子制御装置(100a)は密閉筐体に収納されていて、上記電源リレー(104)
は上記密閉筐体の外部に設置されると共に、上記第二の開閉素子は上記密閉筐体に内蔵されたトランジスタ素子(142)によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車載電子制御装置の電源回路。 - 上記第二の給電回路における第二の開閉素子は、上記定電圧電源回路(140)と車載バ
ッテリ(101)間を接続する出力接点(103a)と、当該出力接点を閉路駆動する電磁コイ
ル(103b)とを有する第二の電源リレー(103)を備え、上記電磁コイル(103b)は上記
覚醒トリガ信号(Awk)の発生によって付勢されると共に、上記マイクロプロセッサ(110b)が発生する電源保持駆動出力(Dy12)によって持続給電されることを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置の電源回路。 - 上記マイクロプロセッサ(110a;110b)には第一・第二の電源制御入力信号(Dx1・Dx2)が入力されると共に、上記プログラムメモリ(111a;111b)には電源保持手段(112a;112b)となるプログラムが格納されていて、上記第一の電源制御入力信号(Dx1)は上記電源スイッチ(102)の開閉信号であり、上記第二の電源制御入力信号(Dx2)は上記覚醒タイマ回路(120)が発生する覚醒トリガ信号(Awk)であり、上記電源保持手段(112a;112b)は閉路されていた電源スイッチ(102)が開路した時点において、上記マイクロプロセッサ(110a;110b)の退避制御処理に必要な第一の期間中では上記第一の開閉素子(104a)を継続動作保持するための電源保持駆動出力(Dy1;Dy11)を発生すると共に、上記電源スイッチ(102)が開路されているときにあっては特定入力信号の状態を監視するための第二の期間において上記第二の開閉素子(142;103a)を継続動作保持する電源保持駆動出力(Dy1;Dy12)を発生することを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置の電源回路。
- 上記覚醒タイマ回路(120)には上記マイクロプロセッサ(110a;110b)から計時動作開始指令信号出力(Dy2)が入力されると共に、上記プログラムメモリ(111a;111b)には覚醒制御手段(113a;113b)となるプログラムが格納されていて、上記覚醒制御手段(113a;113b)は上記電源保持駆動出力(Dy1;Dy12)の発生を停止する直前に計時動作開始指令信号出力(Dy2)を発生することによって次回の覚醒動作を行うと共に、上記特定入力信号の監視結果に応動して計時動作開始指令信号出力(Dy2)の発生を停止することによって以降の覚醒動作を停止することを特徴とする請求項5に記載の車載電子制御装置の電源回路。
- 上記マイクロプロセッサ(110a)による電源保持駆動出力(Dy1)は、上記第一・第二
の開閉素子(104a・142)に対して共通の出力ポートから出力されるものであると共に、
論理積回路(155)と論理和回路(152)とを備え、
上記論理積回路(155)は上記第一の開閉素子である出力接点(104a)が閉路していて、
しかも上記電源保持駆動出力(Dy1)が発生しているときに第一の論理出力を発生し、上
記論理和回路(152)は上記第一の論理出力と、上記電源スイッチ(102)が閉路したことによって発生する第二の論理出力との論理和出力を発生し、上記電源リレー(104)の電磁コイル(104b)は上記論理和出力によって付勢されるものであることを特徴とする請求項5に記載の車載電子制御装置の電源回路。 - 上記各種入力センサ(105・106)は第一又は第二の入力インタフェース回路(150・160)を介して分割して上記マイクロプロセッサ(110b)に接続されるものであると共に、上記第一の入力インタフェース回路(150)に接続された第一グループの入力センサ(105)は上記第一の開閉素子(104a)に接続されていて、該第一グループの入力センサ(105)は電源スイッチ(102)が開路しているときには監視が不要なセンサグループであり、
上記第二の入力インタフェース回路(160)に接続された第二グループの入力センサ(106)は上記第二の開閉素子(103a)に接続されていて、該第二グループの入力センサ(106)は電源スイッチ(102)が開路しているときに監視が必要なセンサグループであるか、電源スイッチ(102)が開路しているときに監視が不要であるが消費電流が微小なセンサグループであることを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置の電源回路。 - 上記プログラムメモリ(111b)は警報・表示手段(116)となるプログラムを包含し、上記警報・表示手段(116)は上記電源スイッチ(102)が開路され、しかも上記電源保持駆動出力(Dy11)が発生していないときに上記電源リレー(104)の出力接点(104a)が閉路していることによって異常記憶回路(190)を動作させ、警報・表示器(109)によって異常検知する手段であることを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置の電源回路。
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