JP4363589B2 - 藻場造成用構造物及び藻場造成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浚渫土や建設汚泥等からなる粒状化物を原料とする藻場造成用構造物及び藻場造成方法に関する。
海や湖沼などにおける藻場は、魚類の生息場、産卵場、稚魚の保護場等の機能を有し、豊かな生物相を維持する上で重要な役割を果たしていることが知られている。この藻場を人工的に造成するために、下記特許文献1には、セメント及び硬化剤を混ぜることでヘドロを固めて成形したヘドロ固体よりなる人工藻礁が提案されている。ヘドロ固体のセメント含有率はヘドロ固体を海水中に設置した際にそのヘドロ固体の表面が経時的に少しずつ崩壊する値に設定されている。この人工藻礁によれば、海水中に設置されたヘドロ固体の表面に藻が成長し、この藻が魚介類等の栄養分になる。
下記特許文献2には、小動物の生息空間となる空隙が形成されるような粒径の骨材で形成したポーラスコンクリートからなる本体部と、本体部に一体化した植栽基盤流出防止層とで構成した生態系保全用ポーラスコンクリート構造体が記載されている。上記植栽基盤流出防止層は植物の根の侵入は許容するが土壌の流出は阻止する程度の空隙が形成されるような粒径、例えば粒径5〜20mm、好ましくは10〜20mmの細径の骨材を用いたポーラスコンクリートを利用して土壌の吸い出しは阻止するが、植物の根の侵入は許容する程度の数ミリ程度の小さな空隙が確保できるように形成されている。このポーラスコンクリート構造体によれば、強度と透水性が高く、植物や小動物の生息の場をつくることができる。
しかし、特許文献1では、人工藻礁のヘドロ固体の表面が経時的に崩壊するため海流等の関係で藻の胞子が流されてしまい藻が成長し難くなり、また、ヘドロ固体の表面に藻の小さな胞子を確実に捕らえて藻を成長させるための構成は開示されていない。
また、特許文献2のポーラスコンクリート構造体では、植栽基盤流出防止層は植物の根の侵入を許容する程度の数ミリ程度の小さな空隙を確保しているが、この空隙では大きすぎて藻の胞子が流され易く、藻の小さな胞子を確実に捕らえて藻を成長させることはできない。また、ポーラスコンクリート構造体を護岸に適用した場合、干潮時に水が引いて露出した部分が温度上昇してしまうので、常に水没している部分でしか海藻は生息できず、藻が成長できない。
特開平7−75462号公報 特開平2002−188131号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、藻の胞子を確実に捕らえることができ藻場を確実に造成できる藻場造成用構造物及び藻場造成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による第1の藻場造成用構造物は、各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を造粒工程で得る際に少なくとも主原料と固化材を投入して造粒し、前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を型枠に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を有し、前記多数の粒状化物が投入された型枠を藻場造成地に設置することで構成されるとともに、前記粒状化物同士を圧縮することで構造物表面に形成された凹部と、前記凹部に前記粒状化物が再投入されて形成された保水部と、を備えることを特徴とする。
本発明による第2の藻場造成用構造物は、各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を造粒工程で得る際に少なくとも主原料と固化材を投入して造粒し、前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を藻場造成地に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を有し、前記投入された粒状化物同士を圧縮することで構造物表面に形成された凹部と、前記凹部に前記粒状化物が再投入されて形成された保水部と、を備えることを特徴とする。
上記第1及び第2の藻場造成用構造物によれば、次の作用効果(1)乃至(3)を奏するので、海や湖沼などにおいて藻場を確実に造成できる。
(1)粒状化物に含まれる固化材の作用により粒状化物同士が一体化し凹凸を有する表面で粒状化物が微細な多孔質であることで、発生初期等の吸着の弱い胞子の足が付着し易く、比較的大きな胞子の足が絡み易く、また比較的小さい胞子が取り込まれた後に流され難くなり、胞子自体の取り込みをより確実に行うことができ、藻の胞子を確実に捕らえることができ、藻が確実に成長できる。なお、粒状化物の表面に形成される微細孔は50〜500μm程度の径を有することが好ましい。
(2)粒状化物が微細な多孔質のため保水性を有し、この保水効果により干潮時にも多数の粒状化物が水分を保持し、藻場造成用構造物の表面の温度上昇や乾燥を抑えることができる。
(3)富栄養化した浚渫土等を利用した粒状化物から栄養塩類が溶出可能であるので、プランクトン類に必要な窒素・燐を緩やかに供給することができる。
上記第2の藻場造成用構造物において前記藻場造成地は比較的大きな凹凸部を有し、前記粒状化物が前記凹凸部にあわせて配列され一体化されていることが好ましい。凹凸部が不規則な地形であっても粒状化物を投入するだけで粒状化物が追従し粒同士が接着することで一体化した構造物となる。このように、粒状化物を投入するだけで一体化することが可能であり、不規則な地形に設置できかつ設置できる範囲が広がる。
また、上記第1及び第2の藻場造成用構造物が前記粒状化物同士を圧縮することで構造物表面に形成された凹部と、前記凹部に前記粒状化物が再投入されて形成された保水部と、を備えることによって、粒状化物同士を圧縮することで粒状化物同士の空隙を簡易に調整でき、形成した凹部では粒状化物間の空隙が減り透水性が低くなるので、透水性の低い凹部に粒状化物を再投入し保水部を形成できる。この保水部を干満時の潮溜まり等として用いることができるので、藻や小魚等の生息範囲が広がる。
また、前記粒状化物は浚渫土、建設汚泥、焼却灰・製紙灰・火山灰等の灰などを主成分とすることができる。なお、粒状化物は固化材、ポリマ及び凝集剤を更に含む。
本発明による藻場造成方法は、上述の第1または第2の藻場造成用構造物を用いて海や湖沼に藻場を造成するものである。
即ち、本発明による第1の藻場造成方法は、各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を、少なくとも主原料と固化材を投入して造粒する工程と、前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を型枠に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を形成する工程と、前記多数の粒状化物が投入された型枠を藻場造成地に設置する工程と、前記投入された粒状化物同士を圧縮することで藻場表面に凹部を形成する工程と、前記凹部に前記粒状化物を再投入して保水部を形成する工程と、を含み、前記藻場造成地に藻場を造成することを特徴とする。
第1の藻場造成方法によれば、上述の第1の藻場造成用構造物を藻場造成地に設置し、上述の(1)乃至(3)と同様の作用効果を奏するので、海や湖沼などにおいて藻場を確実に造成できる。
本発明による第2の藻場造成方法は、各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を、少なくとも主原料と固化材を投入して造粒する工程と、前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を藻場造成地に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を形成する工程と、前記投入された粒状化物同士を圧縮することで藻場表面に凹部を形成する工程と前記凹部に前記粒状化物を再投入して保水部を形成する工程と、を含み、前記藻場造成地に藻場を造成することを特徴とする。
第2の藻場造成方法によれば、上述の第2の藻場造成用構造物を藻場造成地に形成し、上述の(1)乃至(3)と同様の作用効果を奏するので、海や湖沼などにおいて藻場を確実に造成できる。
上記第1及び第2の藻場造成方法では海底または水底において浚渫工事を行う工程を更に含み、前記浚渫工事による浚渫土を原料にして前記粒状化物を造粒するようにできる。浚渫工事で生じた浚渫土を利用するので、残土処理工数を低減できる。
また、前記粒状化物の造粒を前記浚渫工事の場所及び/又は前記藻場造成地の近傍に設置した造粒プラントにおいて行うようにできる。粒状化物の造粒を浚渫工事の場所・藻場造成地の近傍で行うことができるので、粒状化物の運搬が容易となり工事コストの削減に寄与でき、また、浚渫工事で生じた残土の処理工数を低減できる。
本発明の藻場造成用構造物及び藻場造成方法によれば、藻の胞子を確実に捕らえることができ藻が確実に成長できるので、藻場を確実に造成できる。
以下、本発明による第1乃至第4の実施の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施の形態〉
図8は第1の実施の形態による藻場造成方法を説明するためのフローチャートである。本実施の形態では、浚渫土の含水比に応じて異なる造粒工程を採用している。
まず、浚渫土等の主原料の含水比が200%以上であるかどうかを確認し(S01)、含水比が200%以下の場合、後述の図5(b)のように脱水工程のない造粒処理を選定し、添加剤としてはポリマーと固化材であり、また、含水比が200%以上の場合、後述の図4(b)のように脱水工程のある造粒処理を選定し、添加剤としては凝集剤と固化材である。このようにして含水比に基づいて工法を選定する(S02)。
次に、脱水工程のある造粒処理の場合、スクリュープレスまたはフィルタープレスにより脱水工程を実行し脱水ケーキを作る(S03)。そして、後述の図1の造粒プラント31の造粒装置、図4(b)造粒ミキサ49や図5(b)の造粒ミキサ75で造粒を行う(S04)。このようにして製造された粒状化物を後述の図4(c)、図5(c)のように、運搬用小船51で運搬し(S05)、藻場造成地52に直接投入することで、藻場を造成する(S06)。
なお、上述のように含水比を目安にして造粒工法を選定するが、更に造粒装置や造粒ミキサの処理能力や添加材のコスト等を考慮して最終的に工法を選定することが好ましい。
また、脱水を行うスクリュープレスは、本出願人が特開2002−192387公報で提案したものを使用できる。また、フィルタープレスを使用した場合には、脱水ケーキの破砕工程が必要になる場合がある。
〈第2の実施の形態〉
図1は第2の実施の形態による藻場造成方法の各工程(a)、(b)、(c)を説明するための図である。図2は図1の藻場造成方法により造成した藻場の効果を説明するために藻場造成用構造物の表面近傍を拡大して模式的に示す図である。図3は図1の造粒装置で形成された粒状化物の多孔質表面を示す電子顕微鏡写真(a)、(b)である。
図1に示すように、第2の実施の形態による藻場造成方法は、浚渫土から粒状化物30を造粒プラント31で多数製造する造粒工程(a)と、多数の粒状化物30を型枠32に投入し圧縮し自然固化させブロック状にすることで藻場造成用構造物33を形成する工程(b)と、藻場造成用構造物33を藻場造成地で海中に投入し藻場34を造成する工程(c)と、を含む。
粒状化物30は、浚渫土を主原料とし、セメントや石膏等の固化材、及びポリマーまたは凝集剤を含む。上述の図8のように、ポリマーは、主原料の浚渫土の含水比が200%以下の場合に添加され、水に溶けて土粒子を吸着する。この場合は、前処理としての脱水工程は省略する。また、凝集剤は主原料の浚渫土の含水比が200%以上の場合に添加され、脱水工程において土粒子を凝集させてフロックを作成し、脱水を容易にする。
図1の造粒プラント31は造粒装置等を備えるが、この造粒装置としては、本発明者の1人が他の発明者等とともに特開2003−1297において提案した造粒ミキサを用いることができる。即ち、図1の造粒プラントに供給される浚渫土を脱水して得られる脱水ケーキを造粒ミキサに供給し、続いて、セメント等の無機粉末固化材を投入する。投入された固化材は、均一に分散され、粒子単位に分散された被処理物の粒子の周囲に塗される。塗された粒子単位の被処理物はより強固に凝集して粒状化物となる。そして、所定期間養生して粒状化物を得ることができる。
上述のようにして製造される粒状化物は、図2に示すように、その表面が微細な多孔質となっており、図3(a)、(b)のように粒状化物の表面に形成される微細孔は50〜500μm程度の径を有し、かかる微細な多孔質のため高い保水性を有する。また、かかる粒状化物は浚渫土を主原料とするので豊富な栄養分を有し水中で栄養塩類が溶出可能である。
以上のように、浚渫土などを粒状化した多数の粒状化物を型枠32に直接投入し、粒状化物に含まれる固化材の硬化作用により粒状化物同士が自然に付着し結合することにより(図1(b))、図3のように、藻場造成用構造物33の表面33aが5〜30mm程度の径を有する不規則な凹凸のあるポーラス状に形成される。上述の藻場造成用構造物33を藻場造成地に投入することで海中に藻場34を造成することができる(図1(c))。
以上の本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)藻が基盤などに吸着する初期段階(胞子発生から1〜2日)では藻の足は吸着が弱いため、平坦な面では流れにより付着することが困難であり、また、ホンダワラ類の胞子などは径が100〜300μmであり、微細な穴に足を張ることにより付着し、またアラメなどは径が8〜9μm程度であるため、微細な穴の方が確実に基盤に取り込まれる。しかし、従来、100μm以下の微細な多孔質を有するポーラスコンクリートは存在しないのに対し、上述の藻場造成用構造物33による藻場34では、その表面33aが50〜500μm程度の微細な隙間を有する多孔質であることで、図2のように、ホンダワラ類などの比較的大きな胞子Aの足A1が微細孔a1に絡み易く、また、径が最大で10μm程度であるアラメなどの比較的小さい胞子Bが微細孔b1内に取り込まれ易く、取り込まれた後に、図2の方向Hのような海流により流され難い。このように、藻場造成用構造物33の表面33aにおいて藻の胞子が付き易く藻が確実に成長できるので、藻場34を確実に造成できる。
(2)藻場造成用構造物33の構成材料が上述の多孔質性の粒状化物であるので、高い保水性(約30%)を有し、このため、藻場34が干潮時に露出し空気中に暴露しても、水分の蒸発による乾燥や温度上昇を抑えることができる。このため、藻場34において藻や小魚の生育に好都合である。なお、図1(b)のように型枠32に投入した後に粒状化物の圧縮の度合いを制御して粒状化物同士の間隙を調整し凹部を形成し、藻場造成用構造物33の透水係数を調整することで、表面33aに潮溜まり等の保水可能な保水部を形成できる(図7参照)。
(3)富栄養化した浚渫土を利用するため、水中において粒状化物から栄養塩類が溶出することで、プランクトン類に必要な窒素、燐を緩やかに供給することができる。
〈第3の実施の形態〉
図4は第3の実施の形態による藻場造成方法の各工程(a)、(b)、(c)、(d)を説明するための図である。
図4に示すように、第3の実施の形態による藻場造成方法は、海底の浚渫工事領域40において浚渫工事船41により浚渫工事を行う工程(a)と、造粒プラントを有するプラント台船42で浚渫工事で生じた浚渫土から粒状化物30を多数製造する造粒工程(b)と、プラント台船42から運搬用小船51で運搬した多数の粒状化物30を護岸53近くの藻場造成地52で海中に投入する工程(c)と、護岸53近くの藻場造成地52に投入した多数の粒状化物30が自然固化しブロック状に藻場造成用構造物55を形成することで藻場54を造成する工程(d)と、を含む。
図4(b)のプラント台船42の造粒プラントは、浚渫工事船41による浚渫工事で生じた浚渫土の含水比がおよそ200%以上の場合に適用され、浚渫工事船41からの浚渫土を土運搬船43に仮置きした後、バックホウ44で凝集反応槽45に移し、フロックを作成した後、脱水処理設備のスクリュープレス46で脱水した脱水ケーキをバックホウ48で造粒ミキサ49に供給するとともにセメント等を貯留した固化材サイロ47等から固化材等を造粒ミキサ49に供給することで、粒状化物30を自動的に製造することができる。
この粒状化物30は、図3及び図4(a)、(b)と同様に、その表面が微細な多孔質であり、粒状化物の表面に形成される微細孔は50〜500μm程度の径を有し、かかる微細な多孔質のため高い保水性を有し、また、浚渫土を主原料とするので豊富な栄養分を有し水中で栄養塩類が溶出可能である。
上述のようにして製造された粒状化物30はベルトコンベア50で運搬用小船51に移されてから、運搬用小船51で運搬されて藻場造成地52に直接投入される。プラント台船42は藻場造成地52に比較的近い位置にある。
以上のように、プラント台船42は、海底の浚渫工事領域40で浚渫工事を行う浚渫工事船41に隣接しており、浚渫工事で生じた浚渫土から粒状化物を製造し、藻場造成地52に近いので、粒状化物の運搬が容易となり工事コストの削減に寄与でき、また、浚渫工事で生じた残土を処理できるので、残土処理の処理工数を低減できる。
また、藻場造成地52は護岸53の近くであり、粒状化物を直接投入し全体の形状を加工した後に固化材の作用により自然に固化させ、不規則な地形の凹凸に粒状化物が追従し、粒状化物同士が接着することで一体化した藻場造成用構造物55を形成できる。
上記藻場造成用構造物55によれば、その表面55aが図2,図3のように微細な隙間を有する多孔質であり、保水性を有し、更に浚渫土を主原料とし栄養塩類が溶出できるので、上述と同様の効果(1)乃至(3)を奏し、図2のように藻場造成用構造物55の表面55aにおいて藻の胞子が付き易く藻が確実に成長できるため、図4(d)の藻場54を確実に造成できるとともに、藻場造成地52が護岸53に近いなどのため不規則な地形の凹凸面を有していても不規則な凹凸面に粒状化物が追従し粒状化物同士が接着することで一体的に設置できる。
〈第4の実施の形態〉
図5は第4の実施の形態による藻場造成方法の各工程(a)、(b)、(c)、(d)を説明するための図である。
図5に示すように、第4の実施の形態による藻場造成方法は、第2の実施の形態と同様に、海底の浚渫工事領域40において浚渫工事船41により浚渫工事を行う工程(a)と、造粒プラントを有するプラント台船42で浚渫工事で生じた浚渫土から粒状化物30を多数製造する造粒工程(b)と、プラント台船42から運搬用小船51で運搬した多数の粒状化物30を護岸53近くの藻場造成地52で海中に投入する工程(c)と、護岸53近くの藻場造成地52に投入した多数の粒状化物30が自然固化しブロック状に藻場造成用構造物55を形成することで藻場54を造成する工程(d)と、を含む。
図5(b)のプラント台船72の造粒プラントは、浚渫工事船41による浚渫工事で生じた浚渫土の含水比がおよそ200%以下の場合に適用され、浚渫土を貯留槽73に溜め、脱水せずにバックホウ74で造粒ミキサ75に供給するとともにポリマ、固化材等を造粒ミキサ49に供給することで、粒状化物30を自動的に製造することができる。
この粒状化物30は、図3及び図4(a)、(b)と同様に、その表面が微細な多孔質であり、粒状化物の表面に形成される微細孔は50〜500μm程度の径を有し、かかる微細な多孔質のため高い保水性を有し、また、浚渫土を主原料とするので豊富な栄養分を有し水中で栄養塩類が溶出可能である。
上述のようにして製造された粒状化物30はベルトコンベア76で運搬用小船51に移されてから、運搬用小船51で運搬されて藻場造成地52に直接投入される。プラント台船42は藻場造成地52に比較的近い位置にある。
以上のように、プラント台船72は、海底の浚渫工事領域40で浚渫工事を行う浚渫工事船41に隣接しており、浚渫工事で生じた浚渫土から粒状化物を製造し、藻場造成地52に近いので、粒状化物の運搬が容易となり工事コストの削減に寄与でき、また、浚渫工事で生じた残土を処理できるので、残土処理の処理工数を低減できる。
また、藻場造成地52は護岸53の近くであり、粒状化物を直接投入し全体の形状を加工した後に固化材の作用により自然に固化させ、不規則な地形の凹凸に粒状化物が追従し、粒状化物同士が接着することで一体化した藻場造成用構造物55を形成できる。
次に、凹凸のある護岸等に形成した藻場について図6を参照して説明する。図6は凹凸のある護岸等に形成した藻場造成用構造物を示す図である。
図6のように、護岸53は、複数の凸部56,57,58を有し、各凸部56〜58の両側の凹部とともに、海底に向け傾斜した比較的大きな凹凸面がある。このような護岸53の傾斜した比較的大きな凹凸面に対し、図4(c)、図5(c)と同様に、粒状化物を投入するだけで藻場造成用構造物60を一体化して設置することができる。この藻場造成用構造物60により、図4(d)、図5(d)と同様に、護岸53の傾斜した凹凸面に藻場を確実に造成できる。
従来、底面が平坦な通常のブロックやマット式の藻礁では不規則な図6のような凹凸面に設置するためには基礎部を築くかまたは整形する必要があり、また、浮遊式ではワイヤを打つ必要があり、限定された材料に限られており、不規則な地形の既設護岸に藻場を設置する場合は手間がかかり、工事コストが嵩んだのに対し、図6によれば、粒状化物を投入することで護岸53の不規則な凹凸面に藻場造成用構造物60を一体的に設置することが容易であり、設置可能な範囲を簡単に広げることができるので、工事コストの低減を実現できる。
次に、図4(d)、図5(d)や図6の藻場造成用構造物に干潮時における潮溜まり等の保水部の形成について図7を参照して説明する。図7は保水部の形成工程(a)、(b)、(c)を示す図である。
粒状化物30同士が単に結合しただけでは、図7(a)のように粒状化物30同士の間隔が比較的広く、干潮時に空気中に暴露する図6のような潮溜まり59では、海水が透過してしまい海水が失われてしまうが、藻場造成用構造物の設置の初期段階では粒状化物同士の間隔を小さくすることができるので、図7(b)のように、圧縮により凹部61を形成するとともに粒状化物30同士の空隙を減らして透水性を下げ海水が透過し難いようにする。
次に、図7(c)のように透水性の低い凹部61に粒状化物30aを再投入することで保水可能な保水部62を形成する。この保水部62は例えば図6のような潮溜まり59に適用し、干満時の潮溜まりで藻や小魚等が生息できる。
以上のようにして凹部61に形成した保水部62を干潮時の潮溜まりにでき、干潮時の乾燥や温度上昇を抑えることができるので、藻や小魚等の生育を助け、藻や小魚等の生息範囲を広げることができる。
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図5では、プラント台船42が藻場造成地に接近しているが、藻場造成地から離れていてもよく、運搬用船で運搬し藻場造成地に投入できる。または、プラント台船42は浚渫工事領域から離れていてもよく、浚渫土を運搬船でプラント台船42まで運搬するようにしてもよい。
また、粒状化物の主原料を浚渫土としたが、本発明ではこれに限定されず、建設汚泥、灰(焼却灰製紙灰・火山灰など)等を主原料としてもよく、これらと浚渫土とを混合させてもよい。



また、上述の図8等の説明では、浚渫土等の含水比200%を基準にして浚渫土等について脱水処理を行うか否かを判断したが、この基準となる含水比は200%に限定されるものではなく、浚渫土等の土質等に応じて150乃至250%の範囲内で適宜変えてもよい。
第2の実施の形態による藻場造成方法の各工程(a)、(b)、(c)を説明するための図である。 図1の藻場造成方法により造成した藻場の効果を説明するために藻場造成用構造物の表面近傍を拡大して模式的に示す図である。 図1の造粒プラントで形成された粒状化物の多孔質表面を示す電子顕微鏡写真(a)、(b)である。 第3の実施の形態による藻場造成方法の各工程(a)、(b)、(c)、(d)を説明するための図である。 第4の実施の形態による藻場造成方法の各工程(a)、(b)、(c)、(d)を説明するための図である。 第3及び第4の実施の形態において比較的大きな凹凸のある護岸等に形成した藻場造成用構造物を示す図である。 図4(d)や図6において形成可能な潮溜まり等の保水部の形成工程(a)、(b)、(c)を示す図である。 第1の実施の形態による藻場造成方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1・・・混合層
30・・・粒状化物
32・・・型枠
33・・・藻場造成用構造物
33a・・・藻場造成用構造物の表面
34・・・藻場
40・・・浚渫工事領域
41・・・浚渫船
42,72・・・プラント台船
52・・・藻場造成地
53・・・護岸
54・・・藻場
55,60・・・藻場造成用構造物
55a・・・藻場造成用構造物の表面
59・・・潮溜まり
61・・・凹部
62・・・保水部
A・・・ホンダワラ類などの比較的大きな胞子
a1・・・微細孔
B・・・アラメなどの比較的小さい胞子
b1・・・微細孔

Claims (5)

  1. 各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を造粒工程で得る際に少なくとも主原料と固化材を投入して造粒し、前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を型枠に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を有し、前記多数の粒状化物が投入された型枠を藻場造成地に設置することで構成されるとともに、
    前記粒状化物同士を圧縮することで構造物表面に形成された凹部と、前記凹部に前記粒状化物が再投入されて形成された保水部と、を備えることを特徴とする藻場造成用構造物。
  2. 各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を造粒工程で得る際に少なくとも主原料と固化材を投入して造粒し、前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を藻場造成地に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を有し、
    前記投入された粒状化物同士を圧縮することで構造物表面に形成された凹部と、前記凹部に前記粒状化物が再投入されて形成された保水部と、を備えることを特徴とする藻場造成用構造物。
  3. 前記藻場造成地は比較的大きな凹凸部を有し、前記粒状化物が前記凹凸部にあわせて配列され一体化されたことを特徴とする請求項に記載の藻場造成用構造物。
  4. 各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を、少なくとも主原料と固化材を投入して造粒する工程と、
    前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を型枠に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を形成する工程と、
    前記多数の粒状化物が投入された型枠を藻場造成地に設置する工程と、
    前記投入された粒状化物同士を圧縮することで藻場表面に凹部を形成する工程と、
    前記凹部に前記粒状化物を再投入して保水部を形成する工程と、を含み、前記藻場造成地に藻場を造成することを特徴とする藻場造成方法。
  5. 各個体の表面が微細な多孔質であり保水性を有し栄養塩類が溶出可能である粒状化物を、少なくとも主原料と固化材を投入して造粒する工程と、
    前記造粒工程で得た固化材を含む粒状化物を藻場造成地に多数投入し、前記粒状化物同士が前記固化材の作用により接着することで一体化し表面に凹凸を形成する工程と、
    前記投入された粒状化物同士を圧縮することで藻場表面に凹部を形成する工程と、
    前記凹部に前記粒状化物を再投入して保水部を形成する工程と、を含み、前記藻場造成地に藻場を造成することを特徴とする藻場造成方法。
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