JP4355894B2 - pH調整剤の自動注入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用水や排水、或いはプロセス水等に対するpH調整剤の添加量を最適化するに適したpH調整剤の自動注入装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
用排水やプロセス水等を中和したり、その水素イオン濃度(pH)を調整する場合、原水(被処理水)がアルカリ性であれば塩酸や硫酸等の酸性薬品が、また原水が酸性であれば苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や消石灰(水酸化カルシウム)等のアルカリ性薬品がpH調整剤として用いられる。そして原水を貯留する反応層(処理槽)にpH調整剤を注入することで上記原水の水素イオン濃度(pH)の調整、例えば中和処理が行われる。
【0003】
この際、例えば酸性の原水を中和するような場合には、従来一般的にはその目標pH値(=7)の前後に上限値H(例えばH=7.5)と下限値L(例えばL=6.5)とを設定している。そしてpH調整剤の注入によりpH調整された処理水のpH値をモニタし、そのpH値が下限値Lを下回るときにpH調整剤を注入し(注入オン)、上限値Hを上回ったときに上記pH調整剤の注入を停止(注入オフ)するようにオン/オフ制御している。
【0004】
しかし処理槽に流入する被処理水(原水)の流量やその水質が変動する水系においては、pH調整剤の最適注入量が変動することが否めない。これ故、上述したようにして一定量のpH調整剤の注入をオン/オフ制御しても、処理水のpH値が大きく変動したり、或いは目標とするpH値に収束させることができなくなると言う問題があった。
【0005】
そこで処理水のpH値に応じて被処理水(原水)に対するpH調整剤の注入量をフィードバック制御し、pH調整剤の注入量の最適化を図りながらpH調整を行う手法が提唱されている(例えば特許文献1,2を参照)。この際、処理槽へのpH調整剤の注入後、その効果(結果)が現れてpH計にて測定されるpH値が変化するまでには時間が掛かることが否めない。例えば容量3000mの処理槽を用い、10m/秒の流量で被処理水を通流させながら上記処理槽にpH調整剤を注入して被処理水を中和する場合、pH調整剤の注入の開始後、上記処理槽から中和された処理水が得られるまでには5分程度の時間遅れが生じる。そこで従来では、専らその反応遅れ時間を見込んで、具体的にはその制御出力を上記遅れ時間だけ保持しながら上述したフィードバック制御を実行している[サンプル値PI制御]。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−212387号公報
【特許文献2】
特開2001−347264号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述したサンプル値PI制御においては、前述したオン/オフ制御に比較して目標とするpH値に収束までに時間が掛かることが否めない。しかも制御出力を保持している期間内に原水(被処理水)の水質や水量等に外乱が生じると、その外乱に対する初期対応に遅れが生じる等の問題がある。特に用水や排水、プロセス水等の原水は、その水量と水質(pH値)の変動が激しいので、上述したサンプル値PI制御によって被処理水のpH値を安定に調整することが相当困難であると言う問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、水量と水質(pH値)の変動が激しい水系における被処理水へのpH調整剤の添加量を最適化することができ、そのpH値を安定に、しかも精度良く制御することのできるpH調整剤の自動注入装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明の請求項1に係るpH調整剤の自動注入装置は、用排水やプロセス水等からなる酸性の被処理水(原水)にアルカリ性薬品からなるpH調整剤を注入して、処理水の水素イオン濃度(pH)を制御するものであって、
被処理水を貯留する処理槽に設けられて該処理槽にpH調整剤を添加(注入)する調整剤注入手段と、前記処理槽に設けられたpH測定手段(pH計)と、このpH測定手段により求められたpH値と調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段を制御して前記処理槽へのpH調整剤の注入量を最適化する演算制御手段とを具備し、
特に前記演算制御手段は、前記処理水のpH値と前記調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段に対するPI制御値またはPID制御値を求める演算手段(PI制御/PID制御)と、前記処理水のpH前記処理水のpH値が前記調整目標pH値を上回ったときには前記演算手段が求めた制御値を該制御値よりも小さな値に補正する制御値補正手段(オン/オフ制御)とを備え
前記制御値補正手段は、前記pH値が前記調整目標pH値以下のときには前記演算手段が求めた制御値をそのまま前記調整剤注入手段に対する制御値として出力とし、前記pH値が前記調整目標pH値よりも大きい場合には、前記演算手段が求めた制御値を減じて前記調整剤注入手段に対する制御値として出力することを特徴としている。
【0010】
また請求項2に係るpH調整剤の自動注入装置は、アルカリ性の被処理水(原水)に酸性薬品からなるpH調整剤を注入して処理水のpHを制御するものであって、
被処理水を貯留する処理槽に設けられて該処理槽にpH調整剤を添加(注入)する調整剤注入手段と、前記処理槽に設けられたpH測定手段(pH計)と、このpH測定手段により求められたpH値と調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段を制御して前記処理槽へのpH調整剤の注入量を最適化する演算制御手段とを具備し、
特に前記演算制御手段は、前記処理水のpH値と前記調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段に対するPI制御値またはPID制御値を求める演算手段(PI制御/PID制御)と、前記処理水のpH前記処理水のpH値が前記調整目標pH値を下回ったときには前記演算手段が求めた制御値を該制御値よりも小さな値に補正する制御値補正手段(オン/オフ制御)とを備え、
前記制御値補正手段は、前記pH値が前記調整目標pH値以上のときには前記演算手段が求めた制御値をそのまま前記調整剤注入手段に対する制御値として出力とし、前記pH値が前記調整目標pH値よりも小さい場合には、前記演算手段が求めた制御値を減じて前記調整剤注入手段に対する制御値として出力することを特徴としている。
【0011】
ちなみに前記演算手段は、pH調整剤が注入された前記処理槽での被処理水の反応遅れ時間を踏まえたPI制御値を求めるサンプル値PI制御を実行するものとして実現される。
また好ましくは請求項4に記載するように、前記演算制御手段は、所定のタイミング毎に前記処理水のpH値を監視して前記演算手段によりPI制御値またはPID制御値を求め、この演算手段が求めた制御値を前記制御値補正手段により補正する第1の制御と、前記所定のタイミングよりも短い周期のタイミング毎に前記処理水のpH値を監視して前記演算手段によりPI制御値またはPID制御値を求めると共に、この演算手段が求めた制御値を前記制御値補正手段により補正する第2の制御とからなる2段階制御を行うことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るpH調整剤の自動注入装置について説明する。
この装置は概略的には、図1に示すように被処理水(原水)を貯留する所定容量の処理槽1を備えた水系に設けられ、pH調整剤槽(薬液タンク)2に貯留されているpH調整剤をポンプ3を介して前記処理槽1に注入するように構成される。このポンプ3は容量可変型のものであって、後述する制御信号によりpH調整剤の注入量が可変制御される。また前記処理槽1には、pH調整剤が添加された被処理水(原水)を撹拌する撹拌機構(図示せず)が設けられると共に、pH調整剤の添加によりpH調整された処理水の水素イオン濃度(pH値)を測定するpH計(pH測定手段)4が設けられる。このpH計4は、例えば前記処理槽1の排出口近傍に設けられる。
【0013】
そしてこのpH計4にて計測された被処理水(原水)のpH値(pHデータ)は、前記ポンプ3の作動を制御して前記処理槽1に対するpH調整剤の注入量を制御する演算制御手段としての計算機5に入力される。この計算機5は、基本的には演算手段(PID制御機能)5aを備える。この演算手段5aは、前記pHデータとその調整目標pH値とに従い、前記処理槽1に注入されたpH調整剤による被処理水(原水)の反応遅れ時間を見込んで、例えばサンプル値PI制御により処理槽1に注入するpH調整剤の注入量を、具体的には前記ポンプ3の制御値(PI制御値)を求める。
【0014】
尚、上記PI制御に代えてPID制御によりその制御値を求めることも勿論可能である。ちなみにPI制御は、PID制御における微分成分Dに対する制御ゲイン(係数)を[0]とし、比例成分と積分成分Iとに従ってその制御値を求めるものとして捉えることができる。またサンプル値PI制御は、PI制御により求められる制御値を所定時間毎にサンプルし、そのサンプル値(制御値)を上記所定時間に亘って保持しながらその制御対象(ポンプ3)に出力する制御形態を示している。このようなサンプル値PI制御により、処理対象水系における応答遅れを見込んだフィードバック制御が実現される。
【0015】
ところで計算機5は、更に前記pHデータがその調整目標pH値を越えたか否かを常時判定し、その判定結果に応じて前記PID制御機能5aが求めたPI制御値を選択的に低減補正して出力して前記ポンプ3の作動を制御する制御値補正機能(オン/オフ制御機能)5bを備えている。この制御値補正機能5bは、基本的には前記pHデータが前記調整目標pH値に至っていない場合には前記PID制御機能5cが求めたPI制御値をそのまま出力して前記ポンプ3の作動を制御し(オフ動作)、また前記pHデータが調整目標pH値を越えている場合には、前記PI制御値を所定値だけ減じて、或いは所定割合だけ減じることでPI制御値を低減補正し、この低減補正したPI制御値を用いて前記ポンプ3の作動を制御する(オン動作)ものである。
【0016】
このオン/オフ制御は、サンプル値制御のサンプリング時(制御時)であるか、或いは制御値のホールド時であるかに拘わらず動作するものであることが好ましい。具体的には上述した制御値補正機能5bは、所定のタイミング毎に前記処理水のpH値を監視してpH制御値を補正する機能と、これよりも短いタイミングで断続的に前記処理水のpH値を監視してPI制御値を補正する機能との2段階の制御形態を備えることが望ましい。
【0017】
具体的には図2に例示するように前記制御値補正機能5bは、処理水のpH値に応じて上述したPID制御機能5aによるサンプル値PI制御の下でpH調整剤の注入量を増減制御してその適正化を図るに際し、先ずサンプル値の制御タイミングであれば、予め基準となるPI制御出力を算出した状態で前記処理水のpH値を監視する。そして、例えばアルカリ性の被処理水に酸性のpH調整剤を注入する場合には、該処理水のpH値がその制御目標pH値(pH7)以上であり、pH調整剤の注入量を増加させるべき制御値が求められている場合には、前記制御値補正機能5aは上記制御値をそのまま出力する。また処理水のpH値がその制御目標pH値(pH7)を下回っており、pH調整剤の注入量を減少させるべき制御値が求められている場合には、前記制御値補正機能5aは上記基準PI制御出力値に[1]以下の所定の係数(例えば70%)を乗じる等して、その制御値を低減補正して出力する。そしてこの低減補正した制御値をポンプ3に与えて、その作動を制御する。
【0018】
またこの実施形態においては上述したサンプル値制御のタイミング以外に、このサンプリング周期よりも短い周期(例えばサンプル周期の1/2の周期)で断続的にPI制御出力値を補正している。即ち、その時点でのPI制御出力値を基準として処理水のpH値を監視し、該処理水のpH値がその調整目標pH値(pH7)以上である場合には、前記制御値補正機能5bは上記制御値をそのまま出力する。また該処理水のpH値がその調整目標pH値(pH7)を下回っており、pH調整剤の注入量を減少させるべき制御出力が求められている場合には、前記制御値補正機能5bは上記基準pI制御値に[1]以下の所定の係数(例えば70%)を乗じる等して、その制御値を低減補正している。そしてこの低減補正した制御値をポンプ3に与えて、その作動を制御するものとなっている。
【0019】
このようにして基準PI制御出力値に対して、その調整タイミングを異にする2段階の処理手順に従って制御値を補正することで、この装置においては単純にサンプル値制御を行う場合よりも、より迅速に処理水のpH値を目標pH値に近付けながら(収束させながら)、安定した狭い振幅幅でpH調整を行うものとなっている。
尚、ここではアルカリ性の被処理水に酸性のpH調整剤を注入する場合を例に説明したが、酸性の被処理水にアルカリ性のpH調整剤を注入する場合には、処理水のpH値と制御目標pH値との比較判定が逆に行われることは言うまでもない。
【0020】
より具体的に酸性の被処理水を中和する場合を例に説明すると、この場合にはその調整目標pH値が[pH=7]に設定される。そして計算機5においては概略的には図2に示す処理手順に従って前記ポンプ3の作動を制御する。即ち、計算機5においては、その時点においてポンプ3に与えているPI制御値をホールドしながら〈ステップS1〉、pH計4にて計測される処理水のpH値を求めている〈ステップS2〉。そしてその時点が所定のサンプル値制御のタイミングである否かを判定し〈ステップS3〉、サンプル値制御のタイミングである場合には計測されたpH値と上記調整目標pH値との偏差ΔpHに従って前記ポンプ3を介するpH調整剤の最適注入量に相当するポンプ3のPI制御値を求めている〈ステップS4〉。
【0021】
この際、計算機5は上記偏差ΔpHが正である(調整目標値以下)か、或いは負である(調整目標値を超えている)かを判定している。より具体的には被処理水のpH値(pHデータ)が、その制御目標値である[pH=7]以下であるか(正;pHデータが[7]または[7]未満で酸性である)、或いは制御目標値[pH=7]を越えているか(負;pHデータが[7]を上回りアルカリ性である)を判定している〈ステップS5〉。そして処理水が酸性(偏差が正)である場合には、前述したPI制御値をそのまま出力して前記ポンプ3の作動をフィードバック制御し〈ステップS6〉、逆に前記被処理水がアルカリ性(偏差が負)である場合には、例えば前記PI制御値に70%を乗じることで該PI制御値を低減補正し、この低減補正したPI制御値を用いて前記ポンプ3の作動をフィードバック制御している〈ステップS7〉。
【0022】
これに対してサンプル値制御のタイミングでない場合には〈ステップS3〉、計算機5はその時点での被処理水のpH値(pHデータ)が、その制御目標値である[pH=7]以下であるか、或いは制御目標値[pH=7]を越えているかを判定している〈ステップS8〉。そして処理水が酸性である場合には、前述した如くホールドされているPI制御値(ホールド値)をそのまま出力して前記ポンプ3の作動をフィードバック制御し〈ステップS9〉、逆に前記被処理水がアルカリ性である場合には、例えば前記ホールド値に70%を乗じることで該PI制御値を低減補正し、この低減補正したPI制御値を用いて前記ポンプ3の作動をフィードバック制御している〈ステップS10〉。
【0023】
以降、上述した処理を所定の周期で繰り返し実行し、水系での反応遅れ時間を見込んだサンプル値PI制御と、処理水のpHデータに応じた制御値の低減補正の下でpH調整剤の最適化調整を行っている。特にサンプル値制御のタイミングのみならず、その制御タイミングの周期よりも短い周期でその時点における処理水のpH値に応じてPI制御値(ホールド値)を補正しながら出力することで、きめ細かい制御を実行するものとなっている。
【0024】
例えば図3(a)(b)に処理水のpH値の変化とpH調整剤の注入量を増減する制御値との関係を模式的に示すように、或るサンプルタイミングt1において処理水のpH値がその調整目標pH値に満たない場合には、PI制御の下でpH調整剤の注入量を増加させるべく制御値を求め、このタイミングt1がサンプル値制御タイミングであるならば上記制御値をそのままポンプ3に出力している。この結果、処理水のpH値が所定の時間遅れを以て次第に高くなる。そして次のタイミングt2において計測される処理水のpH値を調べ、そのpH値がその調整目標pH値に達していない場合には、このタイミングt2がサンプル値制御タイミングでないので、先に出力している制御値(ホールド値)をそのまま出力する。
【0025】
しかる後、次のタイミングt3においては、処理水のpH値が調整目標pH値に近付いており、このタイミングt3がサンプル値制御タイミングであることから、pH調整剤の注入量を減少させるべく新たな制御値を求める。そしてこの新たな制御値をポンプ3に与えると共に、この制御値をホールドする。そして次のタイミングt4においては、処理水のpH値が調整目標pH値を越えており、サンプル値制御タイミングでないので上記ホールド値を低減補正して出力する。この制御値の低減補正により、時間遅れを伴う処理水のpH値が過度に変化しないように抑制される。
【0026】
そしてその次のタイミングt5においては、このタイミングt5がサンプル値制御タイミングであるので、そのときの処理水のpH値に応じて新たな制御値を求め、これを出力する。以降、同様にして処理水のpH値に応じて制御値を補正しながら、処理水のpH値を制御する。
この結果、図3(a)に示すように処理水のpH値の大きな変化を抑え、その調整目標pH値に逸早く収束させることが可能となる。特にpH調整剤の注入量が過剰な場合にだけサンプリングPI制御値を低減補正するので、pH調整剤の注入量が不足する状態を逸早く解消することができる。
【0027】
かくして上述した如くして被処理水に対するpH調整剤の注入量をフィードバック制御する自動注入装置によれば、処理水の流量や水質変化に応じてpH調整剤の注入量をサンプル値PID制御の下で最適化制御するに際し、処理水のpH値がその調整目標値を超えている場合には、その制御値を低減補正するので、PID制御の利点とオン/オフ制御の利点とを効果的に融合させることができる。即ち、サンプル値PID制御の下でpH調整剤の注入量を最適化制御しながら、そのPID制御値にオン/オフ制御の要素を取り入れてポンプ3の作動を制御するので、PID制御の制御ゲインを高くしても、その制御結果としての処理水のpH値の揺らぎを効果的に抑えることができる。そして制御値のホールド期間に被処理水の流量や水質が急激に変化しても、上述した如く制御ゲインが高く設定されているので、その変化に素早く対応させることができる。この結果、流量や水質が不安定な水系においても、pH調整剤の注入量を最適化して被処理水のpH値を効果的に調整することが可能となる。
【0028】
尚、前述したPI制御値を低減する低減補正係数については、その水系の仕様に応じて設定すれば良いものであるが、例えば流量が標準的に10m3/秒の被処理水を容量3000m3の処理槽1を用いてpH調整する場合には、低減補正係数を50〜80%程度として設定すれば良い。より好ましくは実際の水処理設備におけるpH調整効果に応じて、その低減補正係数を最適化調整するようにすれば良い。またここでは酸性の処理水を中和する例について説明したが、アルカリ性の処理水を中和する場合にも同様に適用することができ、中和処理することに代えて、被処理水を或るpH値に調整する場合にも適用することができる。
【0029】
また被処理水の種類やpH調整剤の種類に応じて前述した制御条件(制御ゲインや低減補正係数等)を変えても良いことは言うまでもない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流量や水質の変化が激しい水系においても、pH調整剤の注入量の最適化を図って被処理水に対するpH値を制御性良く調整することができる。しかもサンプル値PID制御の利点とオン/オフ制御の利点を活かして、流量や水質の変化に対して追従性の良いpH調整を行うことができ、その実用的利点が多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るpH調整剤の自動注入装置の要部概略構成図。
【図2】図1に示す自動注入装置における制御手順の一例を示す図。
【図3】本発明におけるpH調整剤の注入制御による効果を説明する為の処理水のpH値変化とその制御値との関係を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 処理槽
2 pH調整剤槽
3 ポンプ
4 pH計
5 計算機
5a PID制御機能
5b 制御値補正機能

Claims (4)

  1. 酸性の被処理水にアルカリ性薬品からなるpH調整剤を注入して上記被処理水のpHの制御を行うpH調整剤の自動注入装置であって、
    被処理水を貯留する処理槽と、この処理槽にpH調整剤を注入する調整剤注入手段と、前記処理槽に設けられたpH測定手段と、このpH測定手段により求められた処理水のpH値と調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段を制御して前記処理槽へのpH調整剤の注入量を最適化する演算制御手段とを具備し、
    上記演算制御手段は、前記処理水のpH値と前記調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段に対するPI制御値またはPID制御値を求める演算手段と、前記被処理水のpH値が前記調整目標pH値を上回ったときに前記演算手段が求めた制御値を該制御値よりも小さな値に補正する制御値補正手段とを備え
    前記制御値補正手段は、前記pH値が前記調整目標pH値以下のときには前記演算手段が求めた制御値をそのまま前記調整剤注入手段に対する制御値として出力とし、前記pH値が前記調整目標pH値よりも大きい場合には、前記演算手段が求めた制御値を減じて前記調整剤注入手段に対する制御値として出力することを特徴とするpH調整剤の自動注入装置。
  2. アルカリ性の被処理水に酸性薬品からなるpH調整剤を注入して上記被処理水のpHの制御を行うpH調整剤の自動注入装置であって、
    被処理水を貯留する処理槽と、この処理槽にpH調整剤を注入する調整剤注入手段と、前記処理槽に設けられたpH測定手段と、このpH測定手段により求められた処理水のpH値と調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段を制御して前記処理槽へのpH調整剤の注入量を最適化する演算制御手段とを具備し、
    上記演算制御手段は、前記処理水のpH値と前記調整目標pH値とに従って前記調整剤注入手段に対するPI制御値またはPID制御値を求める演算手段と、前記処理水のpH値が前記調整目標pH値を下回ったときに、前記演算手段が求めた制御値を該制御値よりも小さな値に補正する制御値補正手段とを備え、
    前記制御値補正手段は、前記pH値が前記調整目標pH値以上のときには前記演算手段が求めた制御値をそのまま前記調整剤注入手段に対する制御値として出力とし、前記pH値が前記調整目標pH値よりも小さい場合には、前記演算手段が求めた制御値を減じて前記調整剤注入手段に対する制御値として出力することを特徴とするpH調整剤の自動注入装置。
  3. 前記演算手段は、pH調整剤が注入された前記処理槽での被処理水の反応遅れ時間を踏まえたPI制御値を求めるサンプル値PI制御を実行するものである請求項1または2に記載のpH調整剤の自動注入装置。
  4. 前記演算制御手段は、所定のタイミング毎に前記処理水のpH値を監視して前記演算手段によりPI制御値またはPID制御値を求め、この演算手段が求めた制御値を前記制御値補正手段により補正する第1の制御と、
    前記所定のタイミングよりも短い周期のタイミング毎に前記処理水のpH値を監視して前記演算手段によりPI制御値またはPID制御値を求めると共に、この演算手段が求めた制御値を前記制御値補正手段により補正する第2の制御とからなる2段階制御を行うものである請求項1〜3のいずれかに記載のpH調整剤の自動注入装置。
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