JP4352516B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素過剰のもとでアンモニアにより排気ガス中のNOx を還元するのに適したNOx 還元触媒を機関排気通路内に配置し、NOx 還元触媒に尿素水溶液を供給し、NOx 還元触媒へのNOx 流入量を求めてNOx 流入量に対する尿素の供給量の当量比が1となるように尿素水溶液の供給量を制御する内燃機関の排気浄化装置が公知である(実開平3−129712号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、当量比を正確に1に一致させたとしてもNOx 還元触媒に流入する全てのNOx を還元できるわけではなく、NOx 還元率を増大させる余地はある。一方、本願発明者によれば、当量比を1よりも大きくするとNOx 還元率が増大し、このとき当量比を大きくするにつれてNOx 還元率が増大することが判明している。言い換えると、NOx 還元触媒に流入するNOx 量に対して過剰の尿素水溶液を供給すれば、極めて高いNOx 還元率を得ることができる。
【0004】
しかしながら、尿素水溶液を過剰に供給するとNOx 還元触媒から多量のアンモニアが排出され、従ってNOx 還元率を増大させるためにはNOx 還元触媒から排出されるアンモニアを処理する必要がある。
従って、本発明の目的は大気中に排出されるアンモニア量を低減しつつNOx 浄化率を高めることができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、酸素過剰のもとでアンモニアにより排気ガス中のNOxを還元するのに適したNOx還元触媒を機関排気通路内に配置し、NOx還元触媒にアンモニア発生化合物を含む液体を供給するようにした内燃機関の排気浄化装置において、酸素過剰のもとでアンモニアを窒素に酸化するのに適したアンモニア酸化触媒をNOx還元触媒内又はNOx還元触媒下流の排気通路内に配置し、前記アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあるか否かを判断して該アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあると判断されたときには、NOx還元触媒へのNOx流入量に対する前記アンモニア発生化合物の供給量の当量比が1よりも大きくなるように前記液体の供給量を制御し、アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にないと判断されたときには前記当量比が1以下になるように前記液体の供給量を制御するようにしている。即ち1番目の発明では、アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあるときにNOx還元触媒に過剰のアンモニア発生化合物が供給されるのでNOx還元率が高く維持され、このときNOx還元触媒から排出される過剰のアンモニアはアンモニア酸化触媒で酸化され、従って大気中に排出されるのが阻止される。
【0007】
また番目の発明によれば1番目の発明において、前記アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあると判断されたときに前記当量比が1よりも大きくかつ5以下になるように前記液体の供給量を制御している。
また番目の発明によれば1番目の発明において、前記アンモニア発生化合物が尿素であり、アンモニア発生化合物を含む液体が尿素水溶液である。
また番目の発明によれば1番目の発明において、前記アンモニア酸化触媒がゼオライトを具備している。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式機関にも適用することができる。
図1を参照すると、1は機関本体、2は燃焼室、3は燃焼室2内に燃料を直接噴射する電気制御式燃料噴射弁、4は吸気弁、5は吸気ポート、6は排気弁、7は排気ポートを夫々示す。吸気ポート5は対応する吸気枝管8を介してサージタンク9に連結され、サージタンク9は吸気ダクト10を介してエアクリーナ11に連結される。吸気ダクト10内にはステップモータ12により駆動されるスロットル弁13が配置される。
【0009】
一方、排気ポート7は排気マニホルド14を介して触媒15を収容したケーシング16の入口部に連結され、ケーシング16の出口部は排気管17を介して触媒18を内蔵したケーシング19に連結される。ケーシング19の出口部は排気管20を介して触媒21を内蔵したケーシング22の入口部に連結され、ケーシング22の出口部は排気管23に連結される。本実施例では触媒15は酸化機能を有する触媒、例えば酸化触媒又は三元触媒からなり、触媒18は酸素過剰のもとでアンモニアにより排気ガス中のNOx を還元するのに適したNOx 還元触媒からなり、触媒21は酸素過剰のもとでアンモニアを窒素N2 に酸化するのに適したアンモニア酸化触媒からなる。
【0010】
図1に示す実施例では、NOx 還元触媒18としてチタニアを担体とし、この担体上に酸化バナジウムを担持した触媒V2 5 /TiO2 (以下、バナジウム・チタニア触媒という)、又はゼオライトを担体とし、この担体上に銅Cuを担持した触媒Cu/ZSM5(以下、銅ゼオライト触媒という)が用いられる。一方、アンモニア酸化触媒21として銅ゼオライト触媒、又はゼオライト担体上に白金Pt及び銅Cuを担持した触媒(以下、白金・銅ゼオライト触媒という)、もしくは銅ゼオライト触媒と白金・銅ゼオライト触媒との組み合わせが用いられる。
【0011】
各燃料噴射弁3は燃料リザーバいわゆるコモンレール(図示しない)を介して電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ(図示しない)に接続される。コモンレールにはコモンレール内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ(図示しない)が取付けられており、燃料圧センサの出力信号に基づいてコモンレール内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプの吐出量が制御される。
【0012】
さらに、排気管17には供給装置24が接続されている。この供給装置24はアンモニアを発生するアンモニア発生化合物を含む液体を収容したタンク25と、供給導管26と、供給ポンプ27と、電磁制御式流量制御弁28とを具備する。タンク25内に貯えられているアンモニア発生化合物を含む液体はこれら供給導管26、供給ポンプ27、及び電磁制御式流量制御弁28を介して排気管17内に供給される。
【0013】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、常時電源に接続されているB−RAM(バックアップRAM)35、入力ポート36、及び出力ポート37を具備する。機関本体1には機関冷却水温を検出するための水温センサ38が取付けられ、この水温センサ38は機関冷却水温を表す出力電圧を発生する。スロットル弁13上流の吸気ダクト10内には吸入空気質量流量を検出するための吸入空気量センサ39が配置され、この吸入空気量センサ39は吸入空気質量流量を表す出力電圧を発生する。排気管20内には排気管20内を流れる排気ガスの温度を検出するための温度センサ40が配置され、この温度センサ40はこの排気ガス温を表す出力電圧を発生する。この排気ガス温はNOx 還元触媒18の温度を表しており、以下NOx 還元触媒温度TNCと称する。また、排気管23内には排気管23内を流れる排気ガスの温度を検出するための温度センサ41が配置され、この温度センサ41はこの排気ガス温を表す出力電圧を発生する。この排気ガス温はアンモニア酸化触媒21の温度を表しており、以下アンモニア酸化触媒温度TACと称する。また、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み量を検出するための踏み込み量センサ42が設けられ、この踏み込み量センサ42は踏み込み量を表す出力電圧を発生する。これらセンサ38,39,40,41,42の出力信号は夫々対応するAD変換器43を介して入力ポート36に入力される。さらに、機関回転数を検出するための回転数センサ44が入力ポート36に接続される。この回転数センサ44は機関回転数を表す出力パルスを発生する。一方、出力ポート37は対応する駆動回路45を介して燃料噴射弁3、ステップモータ12、ポンプ27、及び流量制御弁28に接続される。
【0014】
さて、前述したようにNOx 還元触媒18上流の排気管17内にはアンモニア発生化合物を含む液体が供給される。アンモニアを発生しうるアンモニア発生化合物については種々の化合物が存在し、従ってアンモニア発生化合物として種々の化合物を用いることができる。本発明による実施例ではアンモニア発生化合物として尿素(CO(NH2 2 )を用いており、アンモニア発生化合物を含む液体として尿素水溶液を用いている。従って以下、NOx 還元触媒18上流の排気管17内に尿素水溶液を供給する場合を例にとって本発明を説明する。
【0015】
過剰酸素を含んでいる排気ガス中に尿素水溶液を供給すると排気ガス中に含まれるNOはNOx 還元触媒18上において尿素CO(NH2 2 から発生するアンモニアNH3 により還元される(例えば4NH3 +4NO+O2 →4N2 +6H2 O)。
この場合のアンモニア発生メカニズムについては必ずしも明らかにされていない。しかしながら、少なくとも次の二つのメカニズムが存在しているものと考えられている。即ち、その一つ目は排気通路内又はNOx 還元触媒18内における尿素の熱分解によるものである。また、二つ目は尿素の形態変化に伴うものである。詳しく説明すると、尿素はほぼ132℃においてビウレットに変化し、ビウレットはほぼ190℃においてシアヌル酸に変化し、シアヌル酸はほぼ360℃においてシアン酸又はイソシアン酸に変化する。このような温度上昇による形態変化の過程で少しずつアンモニアが発生するものと考えられている。
【0016】
いずれにしてもNOx 還元触媒18において流入するNOx は尿素から発生するアンモニアNH3 によって還元される。
この場合、上述の反応式からわかるようにNOx とアンモニアとは理論上、等モルで反応する。従って、理論上はNOx 還元触媒18へのNOx 流入量に対する尿素の供給量の当量比が1となるように尿素水溶液の供給量を制御すれば、NOx 還元触媒18に流入する全てのNOx を窒素N2 まで還元できることになる。
【0017】
しかしながら、冒頭で述べたように当量比を正確に1に一致させても実際には、必ずしも全てのNOx を還元することはできない。
一方、図2に示されるように、当量比を1よりも大きくするとNOx 浄化率EFFが増大し、このとき当量比を大きくするにつれてNOx 浄化率EFFが増大する。言い換えると、NOx 還元触媒18へのNOx 流入量に対して過剰の尿素水溶液を供給すれば、極めて高いNOx 浄化率を得ることができる。
【0018】
しかしながら、図2に示されるように尿素水溶液を過剰に供給するとNOx 還元触媒18からアンモニアが排出され、このアンモニア排出量Q(NH3 )は当量比を大きくするにつれて増大する。従ってNOx 浄化率を増大させるためにはNOx 還元触媒18から排出されるアンモニアを処理する必要がある。
そこで本発明による実施例では、NOx 還元触媒18下流の排気通路内にアンモニア酸化触媒21を設け、このアンモニア酸化触媒21において過剰のアンモニアを酸化除去するようにしている。即ち、アンモニア酸化触媒21では酸素過剰であると、まず流入するアンモニアの一部からNOが生成される(4NH3 +5O2 →4NO+6H2 O)。このようにして生成されたNOは次いで残りのアンモニアと反応する(4NH3 +4NO+O2 →4N2 +6H2 O)。このような逐次反応によりアンモニアが完全に除去され、大気中に放出されるのが阻止される。
【0019】
従って、本発明による実施例では、アンモニア酸化触媒21をNOx 還元触媒18下流の排気通路内に配置し、NOx 還元触媒18へのNOx 流入量に対する尿素の供給量の当量比が1よりも大きくなるように尿素水溶液の供給量を制御しているということになる。このようにすると、NOx 浄化率を極めて高く維持しつつ大気中にアンモニアが放出されるのを阻止できる。また、当量比の正確の正確な制御が必要ないので尿素水溶液の供給量の制御を簡素化できる。
【0020】
この場合、アンモニアの逐次反応を良好に生じせしめるためにはアンモニアをアンモニア酸化触媒21内に保持しておくのが好ましい。一方、ゼオライトは優れたアンモニア保持能力を有している。従って、アンモニア酸化触媒21としてゼオライトを具備した触媒が好ましい。
ところが、アンモニア酸化触媒21のアンモニア除去能力にも限界があるので、当量比の上限も定めるべきである。この場合、好ましくは当量比が1よりも大きくかつ5以下となるように尿素水溶液の供給量が制御され、更に好ましくは当量比が2以上かつ5以下となるように尿素水溶液の供給量が制御される。
【0021】
しかしながら、アンモニア酸化触媒21のアンモニア除去能力はアンモニア酸化触媒温度TACにも依存する。図3はアンモニアを含みかつNOx を含まないモデルガスを供給した場合のアンモニア酸化触媒21の浄化率EANを表している。ここで浄化率EANはアンモニア酸化触媒21へのアンモニア流入量と、アンモニア酸化触媒21からのアンモニア流出量及びNOx 流出量とに基づいて算出される。図3に示されるように、アンモニア酸化触媒温度TACが低いときには浄化率EANは低くなっている。これはアンモニア酸化触媒21が活性状態にないためであると考えられる。アンモニア酸化触媒温度TACが高くなると浄化率EANは次第に高くなり、アンモニア酸化触媒温度TACが下限しきい値TLよりも高くなると許容最低浄化率LLよりも高くなる。
【0022】
さらにアンモニア酸化触媒温度TACが高くなると浄化率EANはほぼ100%に維持される。さらにアンモニア酸化触媒温度TACが高くなると浄化率EANは次第に低下し、アンモニア酸化触媒温度TACが上限しきい値TUよりも高くなると許容最低浄化率LLよりも低くなる。これは上述の逐次反応のうち後段のアンモニア酸化反応に比べて前段のNO生成反応が活発になり、その結果多量のNOが排出されるためであると考えられている。
【0023】
そこで、浄化率EANが許容最低浄化率LLよりも高くなるアンモニア酸化触媒温度TACの範囲を最適温度範囲と称すると、本発明による実施例では、アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にあるか否かを判断してアンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にあると判断されたときには当量比が2以上5以下なるように尿素水溶液の供給量を制御し、アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にないと判断されたときには当量比が1になるように尿素水溶液の供給量を制御している。
【0024】
アンモニア酸化触媒21の浄化率EANが高いということは当量比を大きくしてもアンモニア酸化触媒21で十分にアンモニアを浄化できることを示している。そこで本発明による実施例では、アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にあるときにおいて、アンモニア酸化触媒温度TACが高いときには低いときに比べて当量比が大きくなるように尿素水溶液の供給量を制御している。言い換えると、当量比がアンモニア酸化触媒21の浄化率EANに比例するように尿素水溶液の供給量が制御される。
【0025】
次に、図4に示すルーチンを参照して供給装置24からの尿素水溶液の供給量QLの算出方法について詳細に説明する。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。
図4を参照するとまず、ステップ100では図5のマップから、単位時間当たりのNOx 還元触媒18へのNOx 流入量に対する尿素の当量QEが算出される。単位時間当たりのNOx 流入量は機関負荷を表すNOx 還元触媒温度TNCが高くなるにつれて増大し、吸入空気量Gaが大きくなるにつれて増大する。従って、尿素の当量QEもNOx 還元触媒温度TNCが高くなるにつれて増大し、吸入空気量Gaが大きくなるにつれて増大する。この尿素の当量QEは予め実験により求められており、NOx 還元触媒温度TNC及び吸入空気量Gaの関数として図5に示されるマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0026】
続くステップ101では、アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲(図3)内にあるか否かが判別される。アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にないときには次いでステップ102に進み、目標となる当量比を表す増量係数KIが1.0とされる。次いでステップ104に進む。これに対しアンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にあるときには次いでステップ103に進み、図6のマップから増量係数KIが算出される。この場合の増量係数KIは上述したようにかつ図6に示されるように、アンモニア酸化触媒温度TACに依存しかつ浄化率EAN(図3)に比例する。この増量係数KIはアンモニア酸化触媒温度TACの関数として図6に示されるマップの形で予めROM32内に記憶されている。次いでステップ104に進む。ステップ104では当量QEに増量係数KIを乗算することにより尿素の基本供給量QBが算出される(QB=QE・KI)。この基本供給量QBは実際の当量比を目標となる当量比にするのに必要な尿素の供給量を表している。
【0027】
続くステップ105からステップ109まではNOx 還元触媒18の貯蔵・放出機能のために必要となる尿素の基本供給量QBの補正部分である。即ち、上述のように構成されるNOx 還元触媒18は尿素又はアンモニアの貯蔵・放出機能を有することが判明している。この貯蔵・放出メカニズムについては明らかにされていないが、尿素の形で吸着され、アンモニアの形で脱離するものと考えられている。なお、アンモニアの形で吸着され、或いは尿素の形で放出された後にアンモニアに転換されるという考え方もある。
【0028】
このようにNOx 還元触媒18が貯蔵・放出機能を有する場合、尿素を基本供給量QBだけ供給すると、NOx 還元触媒18内に尿素が貯蔵されるときにはNOx 還元のために必要なアンモニアが不足し、NOx 還元触媒18から尿素がアンモニアの形で放出されるときにはアンモニアが過度に過剰になる。そこで本発明による実施例では、NOx 還元触媒18への尿素貯蔵量及びNOx 還元触媒18からの尿素放出量を推定し、これら尿素貯蔵量及び尿素放出量に基づいて基本供給量QBを補正するようにしている。
【0029】
さらに詳細に説明する。NOx 還元触媒18内に貯蔵されている全尿素量を積算尿素貯蔵量SQ、積算尿素貯蔵量SQに対する単位時間当たりにNOx 還元触媒18から放出される尿素量の割合を放出係数KR(<1.0)、単位時間当たりの尿素の供給量に対する単位時間当たりにNOx 還元触媒18に貯蔵される尿素量の割合を貯蔵係数KS(<1.0)で表すとすると、単位時間当たりにNOx 還元触媒18から放出される尿素量は概略的にはSQ・KRで表される。即ち、SQ・KRだけ過剰となるので単位時間当たりの尿素の供給量QはQB−SQ・KRとすべきである。この場合、単位時間当たりにNOx 還元触媒18に貯蔵される尿素量は概略的には(QB−SQ・KR)・KSで表され、従って(QB−SQ・KR)・KSだけ不足する。
【0030】
従って、単位時間当たりに供給すべき尿素量Qは次式で表される。
Q=(QB−SQ・KR)+(QB−SQ・KR)・KS
=(QB−SQ・KR)・(1+KS)
次に、積算尿素貯蔵量SQの算出方法について説明する。前回の処理サイクルにおける積算尿素貯蔵量SQ及び単位時間当たりの尿素の供給量QをそれぞれSQOLD、QOLDで表すとすると、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルまでにNOx 還元触媒18に貯蔵された尿素量は概略的にはQOLD・KSで表される。また、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルまでにNOx 還元触媒18から放出された尿素量は概略的にはSQOLD・KRで表される。従って、今回の処理サイクルにおける積算尿素貯蔵量SQは次式で表されることになる。
【0031】
SQ=SQOLD+QOLD・KS−SQOLD・KR
再び図4を参照すると、ステップ105では図7のマップから貯蔵係数KSが算出される。貯蔵係数KSはNOx 還元触媒18の可能な最大の尿素貯蔵量MAXに対する積算尿素貯蔵量SQの比SQ/MAXが大きくなるにつれて小さくなり、NOx 還元触媒温度TNCが高くなるにつれて小さくなる。この貯蔵係数KSは予め実験により求められており、比SQ/MAX及びNOx 還元触媒温度TNCの関数として図7に示されるマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0032】
続くステップ106では図8のマップから放出係数KRが算出される。放出係数KRはNOx 還元触媒温度TNCが高くなるにつれて増大し、吸入空気量Gaが大きくなるにつれて増大する。この放出係数KRは予め実験により求められており、NOx 還元触媒温度TNC及び吸入空気量Gaの関数として図8に示されるマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0033】
続くステップ107では積算尿素貯蔵量SQが算出される(SQ=SQOLD+QOLD・KS−SQOLD・KR)。続くステップ108では単位時間当たりの尿素の供給量Qが算出される(Q=(QB−SQ・KR)・(1+KS))。続くステップ109では積算尿素貯蔵量SQ及び単位時間当たりの尿素の供給量QがそれぞれSQOLD、QOLDとして記憶される。
【0034】
続くステップ110では単位時間当たりの尿素の供給量Qに濃度補正係数KCを乗算することにより単位時間当たりの尿素水溶液の供給量QLが算出される(QL=Q・KC)。ここで濃度補正係数KCは供給装置24から供給される尿素水溶液の濃度に応じて定められるものである。例えば、尿素水溶液として30重量パーセントの尿素水溶液を用いた場合にはこの濃度補正係数KCの値は(100+30)/30=4.3となる。流量制御弁28は実際の単位時間当たりの尿素水溶液の供給量がQLとなるように制御される。
【0035】
本発明による実施例では、このようにNOx 還元触媒18の尿素貯蔵・放出機能を考慮して尿素の供給量を求めている。従って、アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にあるときに、実際の当量比が1以下になり或いは5よりも大きくなる可能性がある。また、アンモニア酸化触媒温度TACが最適温度範囲内にないときに、実際の当量比が1よりも大きくなる可能性がある。
【0036】
上述の実施例では、NOx 還元触媒18とアンモニア酸化触媒21とは別体とし、アンモニア酸化触媒21をNOx 還元触媒18下流の排気通路内に配置している。しかしながら、NOx 還元触媒18とアンモニア酸化触媒21とを共通の担体上に配置してアンモニア酸化触媒21をNOx 還元触媒18内に配置するようにしてもよい。
【0037】
また、これまで本発明についてアンモニア発生化合物を含む液体として尿素水溶液を用いた場合を例にとって説明してきた。この場合、前述したようにアンモニア発生化合物として尿素以外のものを用いることもできるし、溶剤として水以外のものを用いることができる。更に、アンモニア発生化合物を含む液体と共にアンモニア水或いはアンモニアを含むガスを排気通路内に供給することもできる、この場合、アンモニアを含むガスは固体尿素を用いて生成することができる。
【0038】
【発明の効果】
大気中に排出されるアンモニア量を低減しつつNOx 浄化率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】NOx 還元触媒のNOx 浄化率EFFと、アンモニア排出量Q(NH3 )とを示す線図である。
【図3】アンモニア酸化触媒の浄化率EANを示す線図である。
【図4】単位時間当たりに供給すべき尿素水溶液の量QLの算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】尿素の当量をQEを示す線図である。
【図6】増量係数KIを示す線図である。
【図7】貯蔵係数KSを示す線図である。
【図8】放出係数KRを示す線図である。
【符号の説明】
1…機関本体
14…排気マニホルド
18…NOx 還元触媒
21…アンモニア酸化触媒
24…供給装置
40,41…温度センサ

Claims (4)

  1. 酸素過剰のもとでアンモニアにより排気ガス中のNOxを還元するのに適したNOx還元触媒を機関排気通路内に配置し、該NOx還元触媒にアンモニア発生化合物を含む液体を供給するようにした内燃機関の排気浄化装置において、酸素過剰のもとでアンモニアを窒素に酸化するのに適したアンモニア酸化触媒をNOx還元触媒内又はNOx還元触媒下流の排気通路内に配置し、前記アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあるか否かを判断して該アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあると判断されたときには、NOx還元触媒へのNOx流入量に対する前記アンモニア発生化合物の供給量の当量比が1よりも大きくなるように前記液体の供給量を制御し、アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にないと判断されたときには前記当量比が1以下になるように前記液体の供給量を制御するようにした内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記アンモニア酸化触媒の温度が最適温度範囲内にあると判断されたときに前記当量比が1よりも大きくかつ5以下になるように前記液体の供給量を制御する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記アンモニア発生化合物が尿素であり、アンモニア発生化合物を含む液体が尿素水溶液である請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記アンモニア酸化触媒がゼオライトを具備した請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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