JP4349818B2 - R研削装置およびコ状ワ−ク脚部のr研作方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナノプロセス用マイクロ加工機械に利用されるマイクロリニアモ−タガイドのような断面コ状ワ−クの脚部内面に曲率ア−ル(R)を研削加工するR研削装置およびそれを用いてコ状ワ−ク脚部内面にR研削する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワ−クの内面をR研削する方法として内筒研削装置とR面砥石車を用いてボ−ルネジナットの雌ネジを研削することは知られており、また、実施されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−228732号公報(第3−4頁および図4参照。)
【特許文献2】
US2002/0183887A1公報(第4−6頁および図1、図3参照。)
【0004】
同じようにワ−クの内面を砥石で研削するリニアモ−タガイドのような断面コ状ワ−クAのR研削は、図6に示すように、そのワ−クの脚部Aa,Abを上方に向けてテ−ブルに固定し、その脚部内面に脚部間距離よりも直径が小さいが外周面ア−ルの砥石車Gをワ−クの側面より脚部間に挿入させ、砥石車を左方向に移動して左脚部Aaに当て、ついで前後方向、左方向および上下方向に倣い移動させて左脚部にR研削し、ついで、砥石車を右方向に移動して右脚部Abに当て、ついで前後方向、右方向および上下方向に倣い移動させて左脚部にR研削しているのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ワ−ク内面を内面径(距離)よりも小さい直径の砥石車でR研削する従来の方法では、砥石径が小さいので砥石の研削力が小さく、R研削に長時間要するとともに、加工面の仕上がりが悪い。
本発明の第1の目的は、ワ−ク内面を内面径(距離)よりも大きい直径の肩R砥石車を用いてR研削できるR研削装置を提供する。本発明の他の目的は、該R研削装置を用い、断面コ状ワ−クの脚部内面にR研削する方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、前後方向(X軸方向)に往復移動可能な前後移動テ−ブル上に固定された主軸台と心押台に水平方向に把持された回転可能な支持具、該支持具に固定されたロ−タリ−式ワ−ク治具、左右方向(Z軸方向)に往復移動可能な左右移動テ−ブル上に固定された砥石台に備え付けられたコラム、肩R面砥石車の直径方向が左右方向(Z軸方向)に平行に移動するように肩R面砥石車を前記コラムに備える砥石頭、および、前記肩R面砥石車を回転駆動させるモ−タを有するR研削装置であって、前記ロ−タリ−式ワ−ク治具がロータリ−回転軸を中心に点対称に一対のコ状ワ−クをそのコ状ワ−クの脚部を外方に向けて固定する治具であり、肩R面砥石車は、その肩R面砥石車の幅方向において内側に研削部の肩R面を向かい合って2個設けた段付肩R面砥石車であり、肩R面砥石車の直径は、コ状ワ−クの脚部間の距離よりも大きいことを特徴とする、R研削装置を提供するものである。
【0007】
支持具の回転とロ−タリ−式ワ−ク治具の回転によりワ−クの脚部を上方に向かって斜めに固定でき、この脚部間に直径が脚部間距離よりも大きい肩R砥石車の幅方向を挿入させることができ、ワ−ク脚部の内面をR研削することが可能である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のR研削装置を用い、ロ−タリ−式ワ−ク治具に脚部を外方に向けて固定されたコ状ワ−クの前後方向の送りと、コ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と、回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動により一対のコ状ワ−ク(A,B)のそれぞれの脚部内側(Aa,Ab,Bc,Bd)をR研削する方法であって、次の工程を経て一対のコ状ワ−クの脚部にR研削する方法を提供するものである。
(1)肩R面砥石車を待避位置から左方向に移動させて第1研削開始点に位置させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸が肩R面砥石車の幅方向の軸に対しθ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させたのち、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに回転させて第1研削開始点にコ状ワ−ク(B)を位置させて肩R面砥石車の段付肩R面砥石車の一方の肩R面(R1 )をコ状ワ−ク(B)の脚部内面(Bc)に押し当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bc)をR研削する。
(2)肩R面砥石車を右方向に移動させて待避位置に待機させ、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第2研削開始点まで後退させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具をロ−タリ−回転軸を中心に時計逆回り方向に2θ度回転させてコ状ワ−ク(B)脚部内面(Bd)に段付肩R面砥石車の肩R面(R1 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bd)をR研削する。
(3)肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点位置に待機させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸が肩R面砥石車の幅方向の軸に対し2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−クAの脚部内面(Ab)に段付肩R面砥石車の他方の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Ab)を研削する。
(4)肩R面砥石車を右方向に移動させて待避位置に待機させ、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第1研削開始点まで前進させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第1研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−ク(A)の脚部内面(Aa)に段付肩R面砥石車の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Aa)をR研削する。
【0017】
先にワ−クAをR研削し、ついで、ワ−クBをR研削する工程を経る方法である。内側に研削部の肩R面を向かい合って2個設けた段付肩R面砥石車を用いるので、砥石車交換までに到る時間が長い利点を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のR研削装置を用い、ロ−タリ−式ワ−ク治具に脚部を外方に向けて固定されたコ状ワ−クの前後方向の送りと、コ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と、回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動により一対のコ状ワ−ク(A,B)のそれぞれの脚部内側(Aa,Ab,Bc,Bd)をR研削する方法であって、次の工程を経て一対のコ状ワ−クの脚部にR研削する方法を提供するものである。
(1)肩R面砥石車を待避位置から左方向に移動させて第1研削開始点に位置させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸が肩R面砥石車の幅方向の軸に対しθ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させたのち、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに回転させて第1研削開始点にコ状ワ−ク(B)を位置させて肩R面砥石車の段付肩R面砥石車の一方の肩R面(R1 )をコ状ワ−ク(B)の脚部内面(Bc)に押し当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bc)をR研削する。
(2)肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点位置に待機させ、ついでロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させてコ状ワ−ク(A)の脚部内面(Aa)に段付肩R面砥石車の他方の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Aa)を研削する。
(3)肩R面砥石車を右方向に移動させて待避位置に待機させ、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第2研削開始点まで後退させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−ク(A)の脚部内面(Ab)に段付肩R面砥石車の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Ab)をR研削する。
(4)肩R面砥石車を右方向に移動させて第1研削点に待機させ、ついでロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させてコ状ワ−ク(B)の脚部内面(Bd)に段付肩R面砥石車の他方の肩R面(R1 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bd)を研削する。
【0023】
段付肩R面砥石車の送りを優先し、ワ−クBおよびAの一方の脚部をR研削して半仕掛けした後、ついで、ワ−クAおよびBの他方の脚部をR研削して製品となす加工工程を経る。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明のR研削装置の正面図、図2はその平面図、図3は図2において、D−D方向から見たR研削装置の側面図、図4は図2においてE−E方向から見たR研削装置の側面図で、ワ−クが治具に固定され、傾斜して保持された状態を示す。図5は図4に示される砥石頭の拡大図で、円内は段付肩R面砥石車の端部の拡大図である。
【0025】
図1乃至図4において、1はR研削装置、2は主軸台、3はロ−タリ−エンコ−ダ付主軸台モ−タ、4は心押台、5はベッド、6は前後(X軸方向)移動テ−ブル、7はスライダ、8はV型案内レ−ル、9はリニアエンコ−ダ付モ−タ、10は支持具で前記前後移動テ−ブル上に固定された主軸台2と心押台4に水平方向に把持され、主軸台モ−タ3の回転駆動を受けて軸13回りに回転可能となっている。また、前記前後移動テ−ブル6はリニアエンコ−ダ付モ−タ9の回転駆動を受けて前後方向に移動可能となっている。13aは支持具10の軸13を含む垂直面である。
【0026】
この支持具10には図4および図5に示すようにカネテック株式会社のロ−タリ−式ワ−ク固定治具11が固定されており、一対のコ状ワ−クA,Bが脚部を外方に向けて固定されている。12はマグネットチャックである。前記ロ−タリ−式ワ−ク固定治具11はロ−タリ−エンコ−ダ付モ−タ15の駆動を受け、軸14回りに回転可能となっている。
図5ではコ状ワ−クA,Bの脚部をAa,Ab,Bc,Bdと示している。コ状ワ−クA,Bはロ−タリ−式ワ−ク固定治具11の両側に回転軸14を中心に点対称にL型押さえバネ11aで側面を抑制し、他方の側面を固定ブロック11bに押し当てて抑制している。
【0027】
16は砥石台、17は砥石頭、18は肩R面砥石車、18aは肩R面砥石車の幅方向の軸、19は砥石軸、20は砥石車回転モ−タ、21は安全カバ−、22は研削液供給フレキシブルノズル、23は左右移動テ−ブル、24はガイド、25は案内レ−ル、26はリニアエンコ−ダ付モ−タである。左右移動テ−ブル23上に砥石台16は固定され、リニアエンコ−ダ付モ−タ26の駆動を受けて案内レ−ル25上を左右方向に移動できる。
【0028】
図1において、27は肩R面砥石車の待機位置、28は第1研削開始点、29は第2研削開始点である。研削開始点は図1においては左右移動テ−ブル23の左右移動により、右側を第1研削開始点28、左側を第2研削開始点29としたが、後でR研削工程の説明をする際、前後移動テ−ブル6の前後移動により手前側が第1研削開始点、後側が第2研削開始点と説明することもある。
【0029】
肩R面砥石車18の形状は、図5の円内の拡大図に示すように幅方向において内側に研削部の肩R面を向かい合って2個R1,R2設けた段付肩R面砥石車であるのが好ましい。従来型の外側に研削部の肩R面を2個R1,R2設けた肩R面砥石車であってもよいが、傾斜して固定されたコ状ワ−クの脚部内側に肩R面砥石車が垂直方向に位置して当ててR研削することからコ状ワ−クの脚部内側間距離が狭い場合は前者の段付肩R面砥石車を用いるのが好ましい。
【0030】
図1から図5に示すR研削装置1を用い、ロ−タリ−式ワ−ク治具に脚部を外方に向けて固定されたコ状ワ−クの前後方向の送りと、コ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と、回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動により一対のコ状ワ−クA,Bのそれぞれの脚部内側Aa,Ab,Bc,BdをR研削する方法は種々考えられるが、工具である肩R面砥石車とワ−クの移動軌跡の短さから好ましいR研削方法を二例、次に説明する。
【0031】
【実施例】
実施例1
先にコ状ワ−クのBの両脚部Bc,BdをR研削し、ついで、コ状ワ−クのAの両脚部Aa,AbをR研削するには次の工程で行う。
【0032】
(1)肩R面砥石車18を待避位置27から左方向に移動させて第1研削開始点28に位置させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具11を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸14aが肩R面砥石車の幅方向の軸に対しθ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計逆回り方向に回転させたのち、コ状ワ−クの支持具10を支持軸13の回りに回転させて第1研削開始点28にコ状ワ−クBを位置させて肩R面砥石車の段付肩R面砥石車の一方の肩R面R1をコ状ワ−クBの脚部内面Bcに押し当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面BcをR研削する。
【0033】
(2)肩R面砥石車18を右方向に移動させて待避位置27に待機させ、コ状ワ−クの支持具10を支持軸13の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブル6を第2研削開始点29まで後退させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点29に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具11をロ−タリ−回転軸14を中心に時計逆回り方向に2θ度回転させてコ状ワ−クBの脚部内面Bdに段付肩R面砥石車の肩R面R1を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面BdをR研削する。
【0034】
(3)肩R面砥石車18を左方向に移動させて第2研削開始点位置29に待機させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具11を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸14aが肩R面砥石車の幅方向の軸に対し2θ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−クAの脚部内面Abに段付肩R面砥石車の他方の肩R面R2を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面Abを研削する。
【0035】
(4)肩R面砥石車18を右方向に移動させて待避位置27に待機させ、コ状ワ−クの支持具10を支持軸13の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第1研削開始点28まで前進させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第1研削開始点28に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具11を2θ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−クAの脚部内面Aaに段付肩R面砥石車の肩R面R2を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面AaをR研削する。
【0036】
実施例2
先にコ状ワ−クBの脚部の一方を半仕掛けし、ついで、コ状ワ−クAの脚部の一方を半仕掛けした後、支持具の軸を180度回転し、残りのコ状ワ−クAの脚部の他方をR研削し、ついで、コ状ワ−クBの脚部の他方をR研削するには次の工程を経て行う。
【0037】
(1)肩R面砥石車18を待避位置27から左方向に移動させて第1研削開始点28に位置させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具11を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸14aが肩R面砥石車の幅方向の軸18aに対しθ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計逆回り方向に回転させたのち、コ状ワ−クの支持具10を支持軸の回りに回転させて第1研削開始点28にコ状ワ−クBを位置させて肩R面砥石車の段付肩R面砥石車の一方の肩R面R1をコ状ワ−クBの脚部内面Bcに押し当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面BcをR研削する。
【0038】
(2)肩R面砥石車18を左方向に移動させて第2研削開始点位置29に待機させ、ついでロ−タリ−式ワ−ク治具11を2θ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計逆回り方向に回転させてコ状ワ−クAの脚部内面Aaに段付肩R面砥石車の他方の肩R面R2を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面Aaを研削する。
【0039】
(3)肩R面砥石車18を右方向に移動させて待避位置27に待機させ、コ状ワ−クの支持具10を支持軸13の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブル6を第2研削開始点29まで後退させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具11を2θ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−クAの脚部内面Abに段付肩R面砥石車の肩R面R2を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面AbをR研削する。
【0040】
(4)肩R面砥石車18を右方向に移動させて第1研削点28に待機させ、ついでロ−タリ−式ワ−ク治具11を2θ度ロ−タリ−回転軸14中心に時計逆回り方向に回転させてコ状ワ−クBの脚部内面Bdに段付肩R面砥石車の他方の肩R面R1を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面Bdを研削する。
【0041】
本発明のR研削方法の別の実施態様として、コ状ワ−クA,Bの研削する順序を変えてもよいし、前記各工程(1),(2),(3)および(4)における肩R面砥石車18の各研削開始点への送りもしくは待機位置への移動、ロ−タリ−式ワ−ク治具11の旋回、コ状ワ−クの支持具の軸回りの旋回の順序を変える、または同時に行うようにする変更も本発明の範囲内である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の断面コ状ワ−クの一対の脚部内面に砥石車でR研削加工する方法は、砥石車の直径が脚部間の距離よりも大きい砥石車を用いることができるので、R研削加工時の研削量を上げることができ、R研削加工を短時間で行うことができるとともに、その脚部R面仕上げの程度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 R研削装置の正面図である。
【図2】 R研削装置の平面図である。
【図3】 R研削装置の右側面図である。
【図4】 R研削装置の左側面図である。
【図5】 R研削装置の砥石頭の拡大図である。
【図6】 コ状ワ−ク(スライダ)の脚部内面にR研削する状態を示す図である。(公知)
【符号の説明】
1 R研削装置
2 主軸台
4 心押台
6 前後移動テ−ブル
10 支持具
11 ロ−タリ−式ワ−ク固定治具
16 砥石台
17 砥石頭
18 肩R面砥石車
23 左右移動テ−ブル
27 肩R面砥石車の待機位置
28 第1研削開始点
29 第2研削開始点
A,B コ状ワ−ク
Claims (3)
- 前後方向(X軸方向)に往復移動可能な前後移動テ−ブル上に固定された主軸台と心押台に水平方向に把持された回転可能な支持具、該支持具に固定されたロ−タリ−式ワ−ク治具、左右方向(Z軸方向)に往復移動可能な左右移動テ−ブル上に固定された砥石台に備え付けられたコラム、肩R面砥石車の直径方向が左右方向(Z軸方向)に平行に移動するように肩R面砥石車を前記コラムに備える砥石頭、および、前記肩R面砥石車を回転駆動させるモ−タを有するR研削装置であって、前記ロ−タリ−式ワ−ク治具がロータリ−回転軸を中心に点対称に一対のコ状ワ−クをそのコ状ワ−クの脚部を外方に向けて固定する治具であり、肩R面砥石車は、その肩R面砥石車の幅方向において内側に研削部の肩R面を向かい合って2個設けた段付肩R面砥石車であり、肩R面砥石車の直径は、コ状ワ−クの脚部間の距離よりも大きいことを特徴とする、R研削装置。
- 請求項1に記載のR研削装置を用い、ロ−タリ−式ワ−ク治具に脚部を外方に向けて固定されたコ状ワ−クの前後方向の送りと、コ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と、回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動により一対のコ状ワ−ク(A,B)のそれぞれの脚部内側(Aa,Ab,Bc,Bd)をR研削する方法であって、次の工程を経て一対のコ状ワ−クの脚部にR研削する方法。
(1)肩R面砥石車を待避位置から左方向に移動させて第1研削開始点に位置させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸が肩R面砥石車の幅方向の軸に対しθ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させたのち、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに回転させて第1研削開始点にコ状ワ−ク(B)を位置させて肩R面砥石車の段付肩R面砥石車の一方の肩R面(R1 )をコ状ワ−ク(B)の脚部内面(Bc)に押し当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bc)をR研削する。
(2)肩R面砥石車を右方向に移動させて待避位置に待機させ、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第2研削開始点まで後退させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具をロ−タリ−回転軸を中心に時計逆回り方向に2θ度回転させてコ状ワ−ク(B)脚部内面(Bd)に段付肩R面砥石車の肩R面(R1 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bd)をR研削する。
(3)肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点位置に待機させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸が肩R面砥石車の幅方向の軸に対し2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−クAの脚部内面(Ab)に段付肩R面砥石車の他方の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Ab)を研削する。
(4)肩R面砥石車を右方向に移動させて待避位置に待機させ、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第1研削開始点まで前進させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第1研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−ク(A)の脚部内面(Aa)に段付肩R面砥石車の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Aa)をR研削する。 - 請求項1に記載のR研削装置を用い、ロ−タリ−式ワ−ク治具に脚部を外方に向けて固定されたコ状ワ−クの前後方向の送りと、コ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と、回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動により一対のコ状ワ−ク(A,B)のそれぞれの脚部内側(Aa,Ab,Bc,Bd)をR研削する方法であって、次の工程を経て一対のコ状ワ−クの脚部にR研削する方法。
(1)肩R面砥石車を待避位置から左方向に移動させて第1研削開始点に位置させ、ロ−タリ−式ワ−ク治具を該ロ−タリ−式ワ−ク治具の左右方向軸が肩R面砥石車の幅方向の軸に対しθ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させたのち、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに回転させて第1研削開始点にコ状ワ−ク(B)を位置させて肩R面砥石車の段付肩R面砥石車の一方の肩R面(R1 )をコ状ワ−ク(B)の脚部内面(Bc)に押し当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bc)をR研削する。
(2)肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点位置に待機させ、ついでロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させてコ状ワ−ク(A)の脚部内面(Aa)に段付肩R面砥石車の他方の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Aa)を研削する。
(3)肩R面砥石車を右方向に移動させて待避位置に待機させ、コ状ワ−クの支持具を支持軸の回りに180度回転させた後、前後移動テ−ブルを第2研削開始点まで後退させ、ついで肩R面砥石車を左方向に移動させて第2研削開始点に位置させたのちにロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計回り方向に回転させてコ状ワ−ク(A)の脚部内面(Ab)に段付肩R面砥石車の肩R面(R2 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Ab)をR研削する。
(4)肩R面砥石車を右方向に移動させて第1研削点に待機させ、ついでロ−タリ−式ワ−ク治具を2θ度ロ−タリ−回転軸中心に時計逆回り方向に回転させてコ状ワ−ク(B)の脚部内面(Bd)に段付肩R面砥石車の他方の肩R面(R1 )を当て、以後、コ状ワ−クの前後方向の送りとコ状ワ−クの支持具の軸回りの回転と回転する肩R面砥石車の左右方向の相対的な移動によりコ状ワ−クの脚部内面(Bd)を研削する。
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