JP4345793B2 - Analysis electromagnet, control method thereof, and ion implantation apparatus - Google Patents
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Description
この発明は、例えばイオン注入装置に用いられて、リボン状のイオンビームを磁界によって曲げて当該イオンビームの運動量分析(例えば質量分析)を行う分析電磁石、その制御方法および当該分析電磁石を備えるイオン注入装置に関する。 The present invention is used in, for example, an ion implantation apparatus, an analysis electromagnet that performs a momentum analysis (for example, mass spectrometry) of a ribbon-like ion beam by a magnetic field, a control method thereof, and an ion implantation including the analysis electromagnet Relates to the device.
大型の基板に対して、高いスループットでイオン注入を行う等のために、リボン状(これはシート状または帯状と呼ばれることもある。以下同様)のイオンビームを用いる場合がある。 In order to perform ion implantation with a high throughput on a large substrate, an ion beam in a ribbon shape (this may be referred to as a sheet shape or a belt shape, the same applies hereinafter) may be used.
リボン状のイオンビームを、分析電磁石を通して運動量分析(例えば質量分析。以下同様)を行った後に、基板に入射させて当該基板にイオン注入を行うイオン注入装置およびそれ用の分析電磁石の例が、例えば特許文献1に記載されている。 Examples of an ion implantation apparatus and an analysis electromagnet for the ion implantation apparatus in which a ribbon-like ion beam is incident on a substrate after performing momentum analysis (for example, mass spectrometry; the same applies hereinafter) through an analysis electromagnet. For example, it is described in Patent Document 1.
特許文献1に記載されている従来の分析電磁石を図29を参照して説明する。この図では、コイル12、18の形状を分かりやすくするために、ヨーク36は二点鎖線で示している。イオンビーム2の進行方向をZ方向とし、このZ方向と実質的に直交する面内において互いに実質的に直交する2方向をX方向およびY方向とすると、この分析電磁石40には、Y方向に長い縦長のリボン状のイオンビーム2が入口24から入射され、出口26から出射される。
A conventional analysis electromagnet described in Patent Document 1 will be described with reference to FIG. In this figure, the
この分析電磁石40は、特許文献1の図1に記載されているような上下二つのコイル12、18と、同文献の図21に記載されているヨークに相当するヨーク36とを組み合わせた構成をしている。
The
コイル12は、鞍型のコイル(特許文献1ではバナナ型コイルと呼んでいる)であり、イオンビーム2の経路(ビーム経路)を挟んで相対向している一組の本体部(特許文献1ではコイル主体部と呼んでいる)14と、両本体部14のZ方向に沿う方向における端部同士間を、ビーム経路を避けるように斜めに跳ね上げて接続している一組の渡り部(特許文献1では端部跳ね上げ部と呼んでいる)16とを有している。入口24と出口26とで渡り部16を斜めに跳ね上げているのは、それにイオンビーム2が当たらないようにしてビーム通過領域を確保するためである。
The
コイル18も、コイル12と同様の構造をした鞍型のコイルであり(但し、コイル12とは実質的に面対称の形をしている)、一組の本体部20と一組の渡り部22とを有している。
The
両コイル12、18は、それぞれ、周囲を絶縁物によって被覆された導体(被覆導体)を多数回巻いたマルチターンのコイルであって、平面形状が扇型をしているコイルに対して、その両端部付近に曲げ加工を施して上記渡り部16、22を形成するという方法で製造される。上記導体には、通常、中に冷媒(例えば冷却水)が流される中空導体(ホローコンダクター)が使用される。この明細書において「絶縁」とは、電気絶縁を意味する。
Each of the
両コイル12、18の本体部14、20の外側をヨーク36が一括して囲んでいる。
A
上記分析電磁石40においては次のような課題がある。
The
(1)入口24および出口26において、ヨーク36からの渡り部16、22のビーム入出射方向への張り出し距離L1 が大きい。これは主として次の理由による。
(1) at the
(a)上記のようなY方向に長いリボン状のイオンビーム2をできるだけ均一に偏向させるためには、両コイル12、18の本体部14、20はそのY方向の寸法aを大きくして縦長に(図29に示す例よりも大きく縦長に)する必要があるが、コイル12、18は上記のように扇型のコイルに曲げ加工を施して渡り部16、22を形成したものであるため、上記寸法aが張り出し距離L1 にほぼそのまま反映される。従って、寸法aを大きくするほど張り出し距離L1 も大きくなる。
(A) In order to deflect the ribbon-shaped ion beam 2 that is long in the Y direction as uniformly as possible, the
(b)コイル12、18は上記のような扇型のコイルをコイルに曲げ加工を施して渡り部16、22を形成したものであるために、曲げ加工上の制約から、本体部14、20と渡り部16、22との境付近に比較的大きな曲がり部30、32が生じるのを避けることができず、この曲がり部30、32が存在している分、ヨーク36の端部と渡り部16、22の端部との間の距離L2 が大きくなり、この距離L2 が上記張り出し距離L1 に含まれるため、張り出し距離L1 が大きくなる。上記寸法aを大きくするほど、曲げ加工上の制約から、曲がり部30、32の曲率半径を大きくしなければならず、距離L2 ひいては張り出し距離L1 は大きくなる。
(B) Since the
即ち、張り出し距離L1 は次式で表すことができる。 That is, the overhang distance L 1 can be expressed by the following equation.
[数1]
L1 =a+L2
[Equation 1]
L 1 = a + L 2
(c)渡り部16、22を斜めに跳ね上げているため、これも張り出し距離L1 を大きくする原因になっている。
(C) Since the
上記のようにヨーク36からの渡り部16、22の張り出し距離L1 が大きいと、その分、分析電磁石40が大型化し、ひいては分析電磁石40の設置に必要な面積が大きくなる。分析電磁石40の重量も重くなる。また、ヨーク36外にある渡り部16、22が発生する磁界(これをフリンジフィールドと呼ぶこともある)がイオンビーム2の形態(形状および姿勢。以下同様)を乱す可能性も大きくなる。
As described above, when the overhanging distance L 1 of the connecting portions 16 and 22 from the
(2)コイル12、18における消費電力が大きい。これは主として次の理由による。
(2) Power consumption in the
(a)渡り部16、22はイオンビーム2を偏向させる磁界を発生させるものではないが、上記のように渡り部16、22の張り出し距離L1 が大きいのでその分、渡り部16、22の長さも長くなって渡り部16、22における無駄な消費電力が大きく、これがコイル12、18における消費電力を大きくしている。
(A) Although the
(b)コイル12、18は上記のように被覆導体のマルチターンコイルであるので、コイル12、18の断面中に占める導体面積の割合(即ち導体の占積率)を大きく取るのが難しく、そのぶん電力損失が大きくなって消費電力が大きくなる。被覆導体が中空のホローコンダクターの場合は、導体の占積率はより小さくなり、電力損失がより大きくなるので、消費電力はより大きくなる。
(B) Since the
そこでこの発明は、コイルの渡り部の、ヨークからのビーム入出射方向への張り出し距離を小さくして分析電磁石の小型化を可能にすると共に、消費電力を小さくすることができる分析電磁石を提供することを主たる目的としている。 Thus, the present invention provides an analysis electromagnet that can reduce the power consumption while reducing the size of the analysis electromagnet by reducing the extension distance of the coil transition portion from the yoke in the beam incident / exit direction. This is the main purpose.
また、当該分析電磁石の制御方法および当該分析電磁石を備えるイオン注入装置を提供することを他の目的としている。 Another object of the present invention is to provide a method for controlling the analysis electromagnet and an ion implantation apparatus including the analysis electromagnet.
この発明に係る分析電磁石の一つは、イオンビームの進行方向をZ方向とし、Z方向と実質的に直交する面内において互いに実質的に直交する2方向をX方向およびY方向とすると、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームが入射され、当該イオンビームの通り道であるビーム経路にY方向に沿う磁界を発生させて、当該イオンビームをX方向に曲げる分析電磁石であって、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している少なくとも一組の渡り部を有していて、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させるコイルと、
前記コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
かつ前記コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている。
かつ前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしている。以下に述べる他の分析電磁石においても同様である。
One of the analyzing electromagnets according to the present invention is such that the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in a plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction. An analysis electromagnet in which a ribbon-like ion beam having a dimension in the Y direction larger than the dimension in the direction is incident, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction Because
A pair of main body portions opposed to each other in the X direction across the beam path, and at least one set of connecting portions connecting the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions while avoiding the beam path A coil for generating a magnetic field for bending the ion beam in the X direction,
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the coil,
The coil is laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers in which an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction are overlapped, and a laminated insulator is formed on the outer peripheral surface. The fan-shaped cylindrical laminated coil has a configuration in which a notch portion is provided leaving the main body portion and the transition portion.
The upper yoke constituting the yoke is detachable. The same applies to other analysis electromagnets described below.
この分析電磁石においては、コイルは、上記のような扇型筒状の積層コイルに本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしているので、渡り部は、本体部の端部からY方向に実質的に平行に延出した状態になっている。従って、本体部のY方向における寸法を大きくする場合でも、それに対応させて渡り部のY方向における寸法を大きくすれば済むので、ビーム入出射方向への渡り部の張り出し距離は大きくならない。このような構造によって、コイルの渡り部の、ヨークからのビーム入出射方向への張り出し距離を小さくすることができる。 In this analysis electromagnet, the coil has a configuration in which the cutout portion is provided in the fan-shaped cylindrical laminated coil as described above, leaving the main body portion and the crossover portion. It is in a state of extending substantially parallel to the Y direction from the portion. Therefore, even when the dimension of the main body part in the Y direction is increased, the dimension of the transition part in the Y direction of the beam does not increase because the dimension of the transition part in the Y direction is increased correspondingly. With such a structure, it is possible to reduce the overhang distance in the beam entering / exiting direction from the yoke of the connecting portion of the coil.
また、コイルの渡り部の張り出し距離を小さくすることができることに伴って、渡り部の長さも短くすることができるので、渡り部における無駄な消費電力を小さくすることができる。しかも、上記コイルは、絶縁シートを挟んで導体シートを積層した構造をしているので、被覆導体を多数回巻いたマルチターンコイルに比べて、導体の占積率が高く、そのぶん電力損失が少ない。従って、消費電力を小さくすることができる。 In addition, since the overhang distance of the transition part of the coil can be reduced, the length of the transition part can also be shortened, so that useless power consumption in the transition part can be reduced. In addition, the coil has a structure in which conductor sheets are laminated with an insulating sheet interposed therebetween, so that the space factor of the conductor is higher than that of a multi-turn coil in which the coated conductor is wound many times, and the power loss is much less. Few. Therefore, power consumption can be reduced.
この発明に係る分析電磁石の他のものは、前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の一方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、第2コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させる第1コイルと、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の他方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1コイルと互いに重ねて配置されていて、前記第1コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させる第2コイルと、
前記第1コイルおよび第2コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
かつ前記第1コイルおよび第2コイルは、それぞれ、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている。
Another analysis electromagnet according to the present invention includes a pair of main bodies and both main bodies that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of one side of the ion beam in the Y direction. A saddle-shaped coil having a pair of crossing portions that connect between end portions in a direction along the Z direction, avoiding the beam path, in cooperation with the second coil, A first coil that generates a magnetic field that bends the beam in the X direction;
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of the other side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and is disposed so as to overlap with the first coil in the Y direction, and cooperates with the first coil. A second coil that acts to generate a magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the first coil and the second coil,
In addition, the first coil and the second coil are respectively laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction, and further winding the outer periphery thereof. The fan-shaped cylindrical laminated coil having a laminated insulator formed on the surface is provided with a notch portion leaving the main body portion and the transition portion.
この発明に係る分析電磁石の更に他のものは、前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している渡り部を有していて、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる内側コイルと、
前記内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第1外側コイルと、
前記内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1外側コイルと重ねて配置されていて前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第2外側コイルと、
前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
かつ前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている。
Still another analyzing electromagnet according to the present invention is a beam path between a pair of main body portions opposed to each other in the X direction across the beam path and ends of the two main body portions in the direction along the Z direction. An inner coil for generating a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction.
A pair of body portions outside the inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more first outer coils for generating a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field, wherein the coil is a saddle-shaped coil having a set of crossing portions.
A pair of body portions outside the inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more saddle-shaped coils having a pair of crossing portions that are arranged to overlap the first outer coil in the Y direction and generate a sub-magnetic field that assists or corrects the main magnetic field A second outer coil of
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the inner coil, the first outer coil, and the second outer coil;
And the inner coil, the first outer coil and the second outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding the insulating sheet and the conductor sheet each having a principal surface along the Y direction a plurality of times, A laminated insulator is formed on the outer peripheral surface, and the outer peripheral surface is laminated by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction, and further laminated on the outer peripheral surface. In the fan-shaped cylindrical laminated coil formed with a cutout portion, the main body portion and the transition portion are left.
この発明に係る分析電磁石の更に他のものは、前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の一方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、第2内側コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる第1内側コイルと、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の他方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1内側コイルと互いに重ねて配置されていて、前記第1内側コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる第2内側コイルと、
前記第1内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第1外側コイルと、
前記第2内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1外側コイルと重ねて配置されていて前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第2外側コイルと、
前記第1内側コイル、第2内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
かつ前記第1内側コイルおよび第1外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記第2内側コイルおよび第2外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている。
Still another analysis electromagnet according to the present invention includes a pair of main body portions and both of which are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of one side of the ion beam in the Y direction. A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that connect the end portions in the direction along the Z direction of the main body portion so as to avoid the beam path, in cooperation with the second inner coil A first inner coil that generates a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of the other side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and is arranged so as to overlap with the first inner coil in the Y direction. In cooperation with the second inner coil for generating a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A pair of main body portions outside the first inner coil and facing each other in the X direction across the beam path and the ends of the two main body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more first outer coils for generating a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field, wherein the coil is a saddle-shaped coil having a pair of crossing portions
A pair of main body portions outside the second inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two main body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. A saddle-shaped coil having a pair of crossing portions that are arranged to overlap the first outer coil in the Y direction and generate a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field One or more second outer coils;
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the first inner coil, the second inner coil, the first outer coil, and the second outer coil;
In addition, the first inner coil and the first outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers in which an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction are overlapped with each other. A laminated insulator is formed on the outer circumferential surface of the laminated insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction. The laminated sheet is wound by multiple turns and further laminated on the outer circumferential surface. The fan-shaped cylindrical laminated coil has a configuration in which a cutout portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
The second inner coil and the second outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction. A fan in which a laminated insulator is formed, and on the outer peripheral surface thereof, an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are aligned in the Y direction are wound and laminated several times, and further, a laminated insulator is formed on the outer peripheral surface. The cylindrical tube-shaped laminated coil has a configuration in which a cutout portion is provided leaving the main body portion and the transition portion.
前記各コイルの各渡り部は、それぞれ、前記本体部のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部と、両縦部に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部とを有していても良い。 Each bridging portion of each coil includes two vertical portions that are substantially perpendicular to the end portion in the direction along the Z direction of the main body and extend substantially parallel to the Y direction. And a lateral portion that is substantially perpendicular to the portion and extends substantially parallel to the XZ plane.
この発明に係る分析電磁石の制御方法は、前記分析電磁石から出射する前記イオンビームの形態が、入射時の前記イオンビームの形態に近づくように、前記第1外側コイルおよび第2外側コイルに流す電流を制御するものである。 According to the control method of the analysis electromagnet according to the present invention, the current passed through the first outer coil and the second outer coil so that the form of the ion beam emitted from the analysis electromagnet approaches the form of the ion beam at the time of incidence. Is to control.
この発明に係るイオン注入装置は、基板にイオンビームを照射してイオン注入を行うイオン注入装置であって、Y方向の寸法が前記基板のY方向の寸法よりも大きい前記リボン状のイオンビームを発生させるイオン源と、当該イオン源からのイオンビームを曲げる前記分析電磁石と、当該分析電磁石を通過したイオンビームを前記基板に入射させる注入位置で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させる基板駆動装置とを備えている。 The ion implantation apparatus according to the present invention is an ion implantation apparatus for performing ion implantation by irradiating a substrate with an ion beam, wherein the ribbon-shaped ion beam having a dimension in the Y direction larger than a dimension in the Y direction of the substrate is used. The ion source to be generated, the analysis electromagnet that bends the ion beam from the ion source, and the implantation position at which the ion beam that has passed through the analysis electromagnet is incident on the substrate intersects the main surface of the ion beam. And a substrate driving device that moves in the direction.
請求項1〜4に記載の発明によれば、各コイルは上記のような扇型筒状の積層コイルに本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしているので、渡り部は、本体部の端部からY方向に実質的に平行に延出した状態になっている。従って、本体部のY方向における寸法を大きくする場合でも、それに対応させて渡り部のY方向における寸法を大きくすれば済むので、ビーム入出射方向への渡り部の張り出し距離は大きくならない。こののような構造によって、コイルの渡り部の、ヨークからのビーム入出射方向への張り出し距離を小さくすることができる。 According to the first to fourth aspects of the present invention, each coil has a structure in which the cutout portion is provided in the fan-shaped cylindrical laminated coil as described above, leaving the main body portion and the crossover portion. The part extends from the end of the main body part substantially in parallel to the Y direction. Therefore, even when the dimension of the main body part in the Y direction is increased, the dimension of the transition part in the Y direction of the beam does not increase because the dimension of the transition part in the Y direction is increased correspondingly. With such a structure, it is possible to reduce the overhang distance of the coil crossing portion in the beam incident / exit direction from the yoke.
その結果、分析電磁石の小型化が可能になり、ひいては分析電磁石の設置に必要な面積を小さくすることができる。分析電磁石の軽量化も可能になる。また、コイルの渡り部が発生する磁界がイオンビームの形態を乱す可能性も小さくなる。 As a result, the analysis electromagnet can be reduced in size, and the area required for installing the analysis electromagnet can be reduced. It is also possible to reduce the weight of the analysis electromagnet. In addition, the possibility that the magnetic field generated by the crossing portion of the coil disturbs the form of the ion beam is reduced.
また、各コイルの渡り部の張り出し距離を小さくすることができることに伴って、渡り部の長さも短くすることができるので、渡り部における無駄な消費電力を小さくすることができる。しかも、各コイルは、絶縁シートを挟んで導体シートを積層した構造をしているので、被覆導体を多数回巻いたマルチターンコイルに比べて、導体の占積率が高く、そのぶん電力損失が少ない。従って、消費電力を小さくすることができる。 Moreover, since the overhang distance of the transition part of each coil can be reduced, the length of the transition part can also be shortened, so that useless power consumption in the transition part can be reduced. In addition, each coil has a structure in which conductor sheets are laminated with an insulating sheet interposed therebetween, so that the space factor of the conductor is higher than that of a multi-turn coil in which a plurality of coated conductors are wound, and the power loss is much less. Few. Therefore, power consumption can be reduced.
その結果例えば、従来の分析電磁石に比べて少ない消費電力で所要強度の磁界を発生させることができる。消費電力を同程度にして、従来の分析電磁石に比べて強い磁界を発生させることもできる。後者のようにすれば、イオンビーム偏向の曲率半径を小さくして、分析電磁石をより小型化することができる。 As a result, for example, a magnetic field having a required strength can be generated with less power consumption than a conventional analysis electromagnet. It is also possible to generate a magnetic field stronger than that of a conventional analysis electromagnet with the same power consumption. In the latter case, the radius of curvature of the ion beam deflection can be reduced, and the analysis electromagnet can be further miniaturized.
請求項2に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、上記のような第1コイルおよび第2コイルを備えているので、Y方向の寸法が大きいイオンビームに対応することが容易になる。 According to invention of Claim 2, there exists the following further effect. That is, since the first coil and the second coil as described above are provided, it is easy to deal with an ion beam having a large dimension in the Y direction.
請求項3に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、内側コイルに加えて、上記のような第1外側コイルおよび第2外側コイルを備えているので、イオンビームのビーム経路に、Y方向における磁束密度分布の均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、出射時のイオンビームの形態の乱れを小さく抑えることができる。この効果は、対象とするイオンビームのY方向の寸法が大きい場合により顕著になる。 According to invention of Claim 3, there exists the following further effect. That is, since the first outer coil and the second outer coil as described above are provided in addition to the inner coil, a magnetic field having a highly uniform magnetic flux density distribution in the Y direction can be generated in the beam path of the ion beam. Can do. As a result, it is possible to suppress the disturbance of the ion beam form during extraction. This effect becomes more prominent when the size of the target ion beam in the Y direction is large.
請求項4に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、第1内側コイルおよび第2内側コイルに加えて、上記のような第1外側コイルおよび第2外側コイルを備えているので、Y方向の寸法が大きいイオンビームに対応することが容易になると共に、イオンビームのビーム経路に、Y方向における磁束密度分布の均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、出射時のイオンビームの形態の乱れをより小さく抑えることができる。この効果は、対象とするイオンビームのY方向の寸法が大きい場合により顕著になる。 According to invention of Claim 4, there exists the following further effect. That is, since the first outer coil and the second outer coil as described above are provided in addition to the first inner coil and the second inner coil, it is easy to deal with an ion beam having a large dimension in the Y direction. At the same time, a magnetic field with high uniformity of magnetic flux density distribution in the Y direction can be generated in the beam path of the ion beam. As a result, the disturbance of the ion beam form at the time of extraction can be further reduced. This effect becomes more prominent when the size of the target ion beam in the Y direction is large.
請求項5〜8に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、各コイルの各渡り部は、それぞれ、前記本体部のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部と、両縦部に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部とを有しているので、ヨークからの渡り部のビーム入出射方向への張り出し距離をより確実に小さくすることができる。その結果、請求項1〜4について上述した、分析電磁石の小型化、低消費電力化等の効果をより確実に奏することができる。 According to invention of Claim 5-8, there exists the following further effect. That is, each crossing portion of each coil is connected to two end portions extending substantially parallel to the Y direction and connected to the end portion of the main body portion in the direction along the Z direction, Since it has a lateral portion that is substantially perpendicular to the vertical portion and extends substantially parallel to the XZ plane, the distance over which the transition portion from the yoke extends in the beam entrance / exit direction is more reliably reduced. can do. As a result, the effects such as downsizing and low power consumption of the analysis electromagnet described above with regard to claims 1 to 4 can be achieved more reliably.
請求項9に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、複数の第1外側コイルおよび複数の第2外側コイルを備えていて、それらによって、ビーム経路に発生させる磁界のY方向における磁束密度分布をよりきめ細かく補正することができるので、Y方向においてより均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、出射時のイオンビームの形態の乱れをより小さく抑えることができる。この効果は、対象とするイオンビームのY方向の寸法が大きい場合により顕著になる。 The invention according to claim 9 has the following further effect. That is, a plurality of first outer coils and a plurality of second outer coils are provided, so that the magnetic flux density distribution in the Y direction of the magnetic field generated in the beam path can be more finely corrected. A highly uniform magnetic field can be generated. As a result, the disturbance of the ion beam form at the time of extraction can be further reduced. This effect becomes more prominent when the size of the target ion beam in the Y direction is large.
請求項10に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、上記のような磁極を備えていることによって、両磁極間のギャップに磁界が集中しやすくなるので、ビーム経路に磁束密度の高い磁界を発生させることが容易になる。 The invention according to claim 10 has the following further effect. That is, by providing the magnetic poles as described above, the magnetic field is easily concentrated in the gap between the two magnetic poles, so that it is easy to generate a magnetic field having a high magnetic flux density in the beam path.
請求項11に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、各コイルは、上記対称面に関してY方向において実質的に面対称の形状をしているので、ビーム経路に、Y方向において対称性の良い磁界を発生させることが容易になる。これは、出射時のイオンビームの形態の乱れを小さく抑えることに寄与する。 The invention according to claim 11 has the following further effect. That is, since each coil has a substantially plane-symmetric shape in the Y direction with respect to the symmetry plane, it is easy to generate a magnetic field having good symmetry in the Y direction in the beam path. This contributes to minimizing the disturbance of the ion beam form during extraction.
請求項13に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、第1外側コイルおよび第2外側コイルに流す電流を上記のように制御することによって、出射時のイオンビームの形態を入射時の形態により確実に近づけることができる。 According to the thirteenth aspect of the present invention, the following further effect is obtained. That is, by controlling the currents flowing through the first outer coil and the second outer coil as described above, the form of the ion beam at the time of emission can be made closer to the form at the time of incidence.
請求項14に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、上記のような分析電磁石を備えているので、分析電磁石の小型化に伴ってイオン注入装置全体の小型化が可能になり、ひいてはイオン注入装置の設置に必要な面積を小さくすることができる。イオン注入装置の軽量化も可能になる。また、分析電磁石における消費電力を小さくすることができることに伴って、イオン注入装置全体の消費電力を小さくすることができる。 According to the invention of the fourteenth aspect , the following further effect is obtained. That is, since the analysis electromagnet as described above is provided, the entire ion implantation apparatus can be miniaturized as the analysis electromagnet is miniaturized, and the area necessary for installing the ion implantation apparatus can be reduced. . It is also possible to reduce the weight of the ion implantation apparatus. In addition, the power consumption of the ion implantation apparatus as a whole can be reduced as the power consumption of the analysis electromagnet can be reduced.
しかも、Y方向の寸法が基板のY方向の寸法よりも大きいリボン状のイオンビームを発生させるイオン源を備えているので、イオンビームのY方向の発散または拡幅を利用する場合に比べて、大型の基板に対しても、高い処理速度(スループット)でイオン注入を行うことができる。この効果は、処理対象の基板ひいてはイオンビームのY方向の寸法が大きい場合により顕著になる。 In addition, since the ion source for generating a ribbon-like ion beam whose dimension in the Y direction is larger than the dimension in the Y direction of the substrate is provided, it is larger than the case where the divergence or widening of the ion beam in the Y direction is used. Also for these substrates, ion implantation can be performed at a high processing speed (throughput). This effect becomes more prominent when the substrate to be processed and thus the size of the ion beam in the Y direction are large.
請求項15に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、イオン源が上記のような構成をしているので、イオン源からY方向におけるビーム電流密度分布の均一性の良いイオンビームを発生させることができる。従って、基板に対するイオン注入の均一性を高めることができる。この効果は、処理対象の基板ひいてはイオンビームのY方向の寸法が大きい場合により顕著になる。 According to the fifteenth aspect of the present invention, the following further effect can be obtained. That is, since the ion source is configured as described above, it is possible to generate an ion beam with good uniformity of the beam current density distribution in the Y direction from the ion source. Therefore, the uniformity of ion implantation with respect to the substrate can be improved. This effect becomes more prominent when the substrate to be processed and thus the size of the ion beam in the Y direction are large.
請求項16に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、イオン源が上記のような反射電極を備えているので、プラズマ生成容器内における電子の寿命を長くして、当該電子の衝撃によるプラズマの生成効率を高めてプラズマ密度を高めることができる。その結果、発生させるイオンビーム量を増大させることができる。 According to the sixteenth aspect of the present invention, the following further effect is obtained. That is, since the ion source includes the reflective electrode as described above, the lifetime of electrons in the plasma generation container can be extended, the plasma generation efficiency by the impact of the electrons can be increased, and the plasma density can be increased. As a result, the amount of ion beam to be generated can be increased.
(1)イオン注入装置全体について
図1は、この発明に係るイオン注入装置の一実施形態を示す概略平面図である。この明細書および図面においては、イオンビーム50の進行方向を常にZ方向とし、このZ方向に実質的に直交する面内において互いに実質的に直交する2方向をX方向およびY方向としている。例えば、X方向およびZ方向は水平方向であり、Y方向は垂直方向である。なお、Y方向は一定の方向であるが、X方向は絶対的な方向ではなく、イオンビーム50の経路上の位置によって変化する(例えば図1、図4等参照)。またこの明細書において、イオンビーム50を構成するイオンは正イオンの場合を例に説明している。
(1) About Ion Implantation Device FIG. 1 is a schematic plan view showing an embodiment of an ion implantation device according to the present invention. In this specification and the drawings, the traveling direction of the
このイオン注入装置は、基板60にリボン状のイオンビーム50を照射してイオン注入を行う装置であり、リボン状のイオンビーム50を発生させるイオン源100と、このイオン源100からのイオンビーム50をX方向に曲げて運動量分析を行う分析電磁石200と、この分析電磁石200を通過したイオンビーム50を基板60に入射させる注入位置で基板60をイオンビーム50の主面52(図2、図3参照)と交差する方向に移動させる(矢印C参照)基板駆動装置500とを備えている。
This ion implantation apparatus is an apparatus that performs ion implantation by irradiating a
この明細書において「主面」とは、リボン状またはシート状のもの(例えばイオンビーム50、後述する絶縁シート266、267、導体シート268、269等)の端面ではなく、大きい方の面を意味している。また、「下流側」または「上流側」というのは、それぞれ、イオンビーム50の進行方向Zに見て下流側または上流側の意味である。
In this specification, the “main surface” means not the end surface of a ribbon-shaped or sheet-shaped material (for example,
このイオン注入装置は、更に、分析電磁石200と協働してイオンビーム50の運動量分析を行う分析スリット70、および、イオンビーム50の偏向および加減速を行う加減速器400を備えている。イオン源100から基板60までのイオンビーム50の経路は真空雰囲気に保たれる。
The ion implantation apparatus further includes an analysis slit 70 that performs momentum analysis of the
イオン源100から発生させて基板60まで輸送するイオンビーム50は、例えば図2に示すように、X方向の寸法WX よりもY方向の寸法WY が大きいリボン状をしている。即ちWY >WX である。イオンビーム50は、リボン状と言ってもX方向の寸法WX が紙や布のように薄いという意味ではない。例えば、イオンビーム50のX方向の寸法WX は30mm〜80mm程度、Y方向の寸法WY は、基板60の寸法にも依るが、300mm〜500mm程度である。このイオンビーム50の大きい方の面、即ちYZ面に沿う面が主面52である。
The
イオン源100は、図3に示す例のように、Y方向の寸法WY が基板60のY方向の寸法TY よりも大きいリボン状のイオンビーム50を発生させる。例えば、寸法TY が300mm〜400mmであれば、寸法WY は400mm〜500mm程度である。
As in the example shown in FIG. 3, the
基板60は、例えば、半導体基板、ガラス基板、その他の基板である。その平面形状は円形でも良いし四角形でも良い。
The
分析スリット70は、Y方向に実質的に平行に伸びたスリット72を有している。分析スリット70は、この例のように、分析電磁石200から出射したイオンビーム50のX方向における焦点56付近に設けておくのが、運動量分析の分解能を高める上から好ましい。
The analysis slit 70 has a
加減速器400は、例えば特許第3738734号公報に記載されているようなものであり、静電界によって、イオンビーム50をX方向に偏向させ、かつ当該イオンビーム50の加速または減速を行うものである。
The accelerator /
このような加減速器400は、必須ではないけれども、それを備えていると、当該加減速器400において、イオンビーム50の加減速だけでなく、イオンビーム50をX方向に偏向させることができるので、所望エネルギーのイオンビーム50を選別して導出することができ、エネルギーコンタミネーション(不所望エネルギーイオンの混入)を抑制することができる。しかもこれらの作用を一つの加減速器400において実現することができるので、エネルギー分析器を別に設ける場合に比べて、イオンビーム50の輸送経路を短くすることができ、それによって、イオンビーム50の輸送効率を向上させることができる。特に、イオンビーム50が低エネルギーかつ大電流の場合は、イオンビーム50は輸送中に空間電荷効果によって発散しやすいので、輸送距離を短くする効果は顕著になる。
Although such an accelerator /
(2)分析電磁石200について
以下においては、分析電磁石200全体の構成、各コイルの構造の詳細、各コイルの製造方法、分析電磁石200の特長、制御方法、他の実施形態等を順に説明する。
(2) About the
(2−1)分析電磁石200の全体の構成
分析電磁石200の一実施形態を図4〜図6等に示す。図6は真空容器236を除いて示す。この分析電磁石200は、上記リボン状のイオンビーム50が入射され、当該イオンビーム50の通り道であるビーム経路202にY方向に沿う磁界を発生させて、イオンビーム50をX方向に曲げて運動量分析を行うものである。上記磁界を、図5等において磁力線204で模式的に表している。即ち、この分析電磁石200にイオンビーム50が入射すると、イオンビーム50は、進行中に上記磁界によって、その進行方向Zに見て右向きのローレンツ力FX を受けて右向きに偏向され、それによって運動量分析が行われる。このイオンビーム50の中心軌道54を図4中に一点鎖線で示す。その曲率半径をRとする。分析電磁石200によってイオンビーム50を偏向させる角度(偏向角)をαとする。
(2-1) Overall Configuration of
曲率半径Rは、例えば、300mm〜1500mmである。偏向角αは、例えば、60度〜90度である。図4は偏向角αが90度の場合を例示している。 The radius of curvature R is, for example, 300 mm to 1500 mm. The deflection angle α is, for example, 60 degrees to 90 degrees. FIG. 4 illustrates a case where the deflection angle α is 90 degrees.
分析電磁石200は、図7も参照して、第1内側コイル206と、第2内側コイル212と、1以上の(この実施形態では三つの)第1外側コイル218と、1以上の(この実施形態では三つの)第2外側コイル224と、ヨーク230と、一組の磁極232とを備えている。ビーム経路202は、非磁性材から成る真空容器236によって囲まれていて、真空雰囲気に保たれる。この真空容器236は分析管とも呼ばれる。
The
第1内側コイル206および第2内側コイル212は、図8に抜き出して示しているので、それを参照した方が分かりやすい。
Since the first
各コイル206、212、218、224は、この実施形態では、ビーム経路202のY方向における中心を通りかつXZ平面に平行な対称面234(図5等参照)に関して、Y方向において実質的に面対称の形状をしている。後述するコイル320(図22、図24等参照)、第1コイル326、第2コイル328(図25参照)も同様である。このように面対称にすることによって、ビーム経路202に、Y方向において対称性の良い磁界を発生させることが容易になる。これは、分析電磁石200から出射する時のイオンビーム50の形態の乱れを小さく抑えることに寄与する。
Each
なお、以下において、複数の第1外側コイル218および複数の第2外側コイル224をそれぞれ区別する必要がある場合は、図5、図9、図13等に示すように、第1外側コイル218についてはY方向の上側から順に第1外側コイル218a、218b、218cとし、第2外側コイル224については、上記のように第1外側コイル218とは面対称であるので、Y方向の下側から順に第2外側コイル224a、224b、224cとする。
In the following, when it is necessary to distinguish the plurality of first
また、図面において、コイル206等を示す符号にアンダーラインを付しているのは、当該コイル等の全体を示す意味である。
In the drawings, the underline is attached to the reference numerals indicating the
第1内側コイル206は、主に図8、図12を参照して、ビーム経路202を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビーム50のY方向の一方側(この実施形態では上側)のほぼ半分以上(換言すれば実質的に半分以上)をカバーする一組の本体部208と、両本体部208のZ方向に沿う方向における端部(換言すれば、分析電磁石200の入口238側の端部および出口240側の端部。他のコイルにおいても同様)同士間をビーム経路202を避けて接続している一組の渡り部210とを有している鞍型のコイルであって、第2内側コイル212と協働して、イオンビーム50をX方向に曲げる主磁界を発生させるものである。主磁界というのは、主に当該磁界によって、イオンビーム50をほぼ所定の曲率半径Rで曲げる、そのような磁界のことである。
The first
鞍型と呼んでいるのは、当該第1内側コイル206を全体として見れば、鞍に似た形をしているからである。他のコイル212、218、224および後述するコイル326、328も同様である。
The reason why it is called a saddle type is that when the first
渡り部210は、イオンビーム50が当たるのを避けると共に、そこで発生する磁界がイオンビーム50に及ぼす影響を小さくするために、ビーム経路202から、Y方向の上側に離して設けている。他のコイルの渡り部もこれと同様の目的で、ビーム経路202から、Y方向の上側または下側に離して設けている。
The crossing
第2内側コイル212は、主に図8を参照して、ビーム経路202を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビーム50のY方向の他方側(この実施形態では下側)のほぼ半分以上(換言すれば実質的に半分以上)をカバーする一組の本体部214と、両本体部214のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路202を避けて接続している一組の渡り部216とを有している鞍型のコイルであって、Y方向において第1内側コイル206と互いに重ねて配置されていて、第1内側コイル206と協働して、イオンビーム50をX方向に曲げる主磁界を発生させるものである。即ち、この第2内側コイル212は、第1内側コイル206と同方向の磁力線204を発生させる。
Referring mainly to FIG. 8, the second
この第2内側コイル212も、第1内側コイル206と同様の寸法、構造をしている。導体(具体的には導体シート268。図10等参照)の巻回数も通常は第1内側コイル206と同数にする。但し、上述したように第1内側コイル206とは対称面234に関して面対称の形状にしている。渡り部216は、渡り部210とはビーム経路202を挟んでY方向の反対側(即ち下側)に設けられている。
The second
第1内側コイル206と第2内側コイル212との間には、図8では線で示しているけれども、若干の(例えば約20mmの)隙間242を設けている。そこに、後述する冷却板312(図19参照)を、第1内側コイル206側に1枚、第2内側コイル212側に1枚の合計2枚設けることができる。
A slight gap (for example, about 20 mm) 242 is provided between the first
各第1外側コイル218は、主に図7を参照して、それぞれ、第1内側コイル206の外側にあってビーム経路202を挟んでX方向において相対向している一組の本体部220と、両本体部220のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路202を避けて接続している一組の渡り部222とを有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させるものである。各第1外側コイル218は、Y方向においてそれぞれ重ねて配置されている。
Each of the first
より具体的には、各第1外側コイル218の本体部220および渡り部222の横部(図12に示す横部284に相当する部分)は、Y方向においてそれぞれ重ねて配置されている。渡り部222の縦部(図12に示す縦部282に相当する部分)は、厳密に見れば上記のように重ねて配置されていると言いにくいかも知れないが、それでも全体として見れば、各第1外側コイル218はY方向においてそれぞれ重ねて配置されていると言うことができる。各第2外側コイル224も同様である。
More specifically, the
各第1外側コイル218は、それぞれ、第1内側コイル206とほぼ同様の構造をしている。但し、Y方向の寸法は第1内側コイル206よりも小さい。また、導体の巻回数も通常は第1内側コイル206よりも少ない。各第1外側コイル218は、導体(具体的には導体シート269。図10等参照)の巻回数をそれぞれ同数にしている。各第1外側コイル218のY方向の寸法は、この実施形態ではそれぞれ異ならせているが、同じにしても良い。各第2外側コイル224においても同様である。
Each first
例えば、各コイルの本体部および渡り部のY方向の寸法は、第1内側コイル206および第2内側コイル212においては約230mm、第1外側コイル218aおよび第2外側コイル224aにおいては約50mm、第1外側コイル218bおよび第2外側コイル224bにおいては約60mm、第1外側コイル260cおよび第2外側コイル224cにおいては約100mmである。
For example, the dimensions in the Y direction of the main body portion and the transition portion of each coil are about 230 mm for the first
各第1外側コイル218間、各第2外側コイル224間および一番下の第1外側コイル218(218c)と一番上の第2外側コイル224(224c)との間には、図7では線で示しているけれども、若干の隙間244、246、248をそれぞれ設けている(図9も参照)。そこに後述する冷却板312(図19参照)を設けることができる。例えば、隙間244、246の寸法は約10mm、隙間248の寸法は上記隙間242に合わせて約20mmである。隙間244、246は、各外側コイル218、224に沿って全周に設けている。
In FIG. 7, between the first
各第1外側コイル218は、第1内側コイル206および第2内側コイル212と同方向の磁界を発生させるものでも良いし、逆方向の磁界を発生させるものでも良いし、磁界の向きを制御によって反転させるものでも良い。各第2外側コイル224においても同様である。各第1外側コイル218の本体部220で発生させる磁力線(磁界)の一部は、ビーム経路202側に広がる(換言すれば漏れ出す)ので、上記主磁界に影響を及ぼす。従って、各第1外側コイル218は、上記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させることができる。その場合、各第1外側コイル218は、それぞれ、主にその内側付近領域における主磁界を補助または補正する作用を奏する。各第2外側コイル224においても同様である。
Each first
各第2外側コイル224は、主に図7を参照して、それぞれ、第2内側コイル212の外側にあってビーム経路202を挟んでX方向において相対向している一組の本体部226と、両本体部226のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路202を避けて接続している一組の渡り部228とを有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させるものである。各第2外側コイル224は、Y方向においてそれぞれ重ねて配置されている。かつY方向において第1外側コイル218と重ねて配置されている。
Each of the second
各第2外側コイル224は、それぞれ、第2内側コイル212とほぼ同様の構造をしている。但し、Y方向の寸法は第2内側コイル212よりも小さい。また、導体の巻回数も通常は第2内側コイル212よりも少ない。各第2外側コイル224の導体(具体的には導体シート)の巻回数、Y方向の寸法については上述のとおりである。
Each second
各導体の巻回数の一例を挙げると、第1内側コイル206および第2内側コイル212の導体の巻回数は、それぞれ110回程度、各第1外側コイル218および各第2外側コイル224の導体の巻回数は、それぞれ85回程度である。
As an example of the number of turns of each conductor, the number of turns of the conductors of the first
各コイルの本体部208、214、220、226は、それぞれ、そのほぼ全体がヨーク230内に位置していて、ビーム経路202に目的とする磁界(主磁界または副磁界)を発生する部分であると言うこともできる。後述するコイル320の本体部322も同様である。
The
各コイルの渡り部210、216、222、228は、一組の本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間を電気的に接続して、本体部と協働して、ループ状の導電経路を形成する部分であると言うこともできる。後述するコイル320の渡り部324、325も同様である。
The crossing
図5は、図4の線A−Aに沿う縦断面図であるので、図5には、上記各コイル206、212、218、224の本体部208、214、220、226が表されている。後述する図24〜図26においても、各コイルの本体部が表されている。
5 is a longitudinal sectional view taken along the line AA in FIG. 4, and FIG. 5 shows the
ヨーク230は、強磁性材から成り、上記各コイル206、212、218および224の本体部208、214、220および226の外側を一括して取り囲んでいる。このようなヨーク230によって、外部への漏れ磁場を少なくすることができるという効果も奏する。このヨーク230の平面形状は、図4に示すようにいわゆる扇型をしている。このヨーク230の断面(XY平面に沿う断面)形状は、四角の枠状をしている。このようなヨーク230は、ウインドウフレーム型のヨークと呼ぶ場合もある。
The
この実施形態では、ヨーク230を構成する上部ヨーク231を着脱可能にしている。この上部ヨーク231の用い方は後述する。
In this embodiment, the
一組の磁極232は、それぞれ、強磁性材から成り、ビーム経路202を挟んでY方向において相対向するように、ヨーク230から内側に突出している。例えば15mm程度突出している。各磁極232の平面形状は、図4に示すイオンビーム50の中心軌道54に沿った円弧状をしている。これを扇型と呼ぶ場合もある。両磁極232間のギャップ長Gは、イオンビーム50のY方向の寸法WY よりもある程度(例えば100mm〜150mm程度)大きい。このような磁極232は、必須ではないけれども、これを備えていると、両磁極232間のギャップに磁力線204が集中しやすくなるので、ビーム経路202に磁束密度の高い磁界を発生させることが容易になる。
Each of the pair of
両磁極232間のギャップ長Gは、例えば、上記曲率半径Rの1/2以上の大きさを有している。具体例を挙げると、曲率半径Rが800mmの場合、ギャップ長Gは例えば500mmである。ギャップ長Gは、通常、各磁極232の幅WG 以上の大きさを有している。即ち、G≧WG である。このような寸法関係にすると、磁極232およびヨーク230を無用に大きくせずに済む。
The gap length G between the
なお、図5〜図7において、第1内側コイル206と第1外側コイル218との間、および、第2内側コイル212と第2外側コイル224との間に隙間が存在しているように見えるけれども、それらの間には、この実施形態では、図9、図10に示す積層絶縁体262が介在している。
5 to 7, it seems that there are gaps between the first
(2−2)各コイルの構造等
次に、上記各コイルの構造等を詳述する。図9は、図7中の線D−Dに沿って、第1内側コイルおよび第1外側コイルの断面を拡大して示す概略図である。図10は、図9に示した第1内側コイルおよび一番上の第1外側コイルを分解して示す断面図である。
(2-2) Structure and the like of each coil Next, the structure and the like of each coil will be described in detail. FIG. 9 is a schematic diagram showing an enlarged cross section of the first inner coil and the first outer coil along line DD in FIG. FIG. 10 is an exploded cross-sectional view of the first inner coil and the uppermost first outer coil shown in FIG.
第1内側コイル206および第1外側コイル218は、第1の積層絶縁体261の外周面に、主面266aがY方向に沿う絶縁シート266および主面268aがY方向に沿う導体シート268を互いに重ね合わせたもの(組264)を複数回巻いて積層し(Y方向に交差する矢印270方向に積層。以下同様)、その外周面に第2の積層絶縁体262を形成し、その外周面に、主面267aがY方向に沿う絶縁シート267および主面269aがY方向に沿う導体シート269を互いに重ね合わせたもの(組265)を複数回巻いて積層し、更にその外側に第3の積層絶縁体263を形成した扇型筒状の積層コイル290(図14参照)に、上記本体部208、220および渡り部210、222を残して、切欠き部272〜275(図7参照)を設けた構造をしている。
The first
切欠き部272〜275を理解しやすくするために、第1内側コイル206の切欠き部272〜275を図12に示す。第1外側コイル218にもこれと同様の切欠き部272〜275が設けられている。
In order to facilitate understanding of the
上記曲率半径Rの内外方向に位置する二つの切欠き部272、273には、ヨーク230が嵌まる。即ち、ヨーク230の形状に合った形状をしている。後述するコイル320の切欠き部276〜279も同様である。イオンビーム50の進行方向Z側の二つの切欠き部274、275は、上記入口238、出口240の上半分をそれぞれ形成する。
The
第2の積層絶縁体262は、第1内側コイル206を構成していると見ても良いし(図10ではそのように図示している)、第1外側コイル218を構成していると見ても良いし、両コイル206、218で共有していると見ても良い。
The second
図14に示す積層コイル290は、その断面構造を図15に示すように、図10と同様の断面構造をしている内側コイル292および外側コイル294から成る。この場合も、第2の積層絶縁体262は、内側コイル292を構成していると見ても良いし(図15ではそのように図示している)、外側コイル294を構成していると見ても良いし、両コイル292、294で共有していると見ても良い。
As shown in FIG. 15, the
この積層コイル290の、上記切欠き部272〜275にそれぞれ対応する部分272a〜275aを、切削加工等によって切り欠いて除去して切欠き部272〜275を形成すると、内側コイル292が第1内側コイル206になり、外側コイル294が第1外側コイル218になる。
When the
更にこの実施形態では、第1外側コイル218を三つに(3段に)分けるために、積層コイル290の外側コイル294に、切削加工等によって上記隙間244を設けた構造をしている。
Further, in this embodiment, in order to divide the first
上記積層コイル290の積層絶縁体261、262、263は、それぞれ、例えば、プリプレグシートを複数回巻いて積層することによって形成されている。図16中のプリプレグシート300が上記プリプレグシートである。プリプレグシートは、絶縁性および耐熱性を有する支持体に、絶縁性を有する樹脂を含浸し、半硬化状態に処理したシートのことである。
The
上記支持体は、例えば、ガラス繊維またはカーボン繊維等から成る。上記樹脂は、例えばエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂等から成る。このようなプリプレグシートを用いて形成された積層絶縁体261〜263は、繊維強化プラスチック(FRP)と呼ぶこともできる。この積層絶縁体261〜263の厚さは、構造材として必要とする強度等に応じて選定すれば良い。
The support is made of, for example, glass fiber or carbon fiber. The resin is made of, for example, an epoxy resin or a polyimide resin. The
絶縁シート266、267は、それぞれ、例えば、ノーメックス(登録商標)、ルミラー(登録商標)またはカプトン(登録商標)から成るシート、またはその他の絶縁シートである。この絶縁シート266、267の厚さは、必要とする絶縁耐圧等に応じて選定すれば良い。例えば約75μmであるが、それより薄くしても良い。
The insulating
導体シート268、269は、それぞれ、例えば銅シート、またはアルミニウムシートから成る。これらの厚さは、流す電流値等に応じて選定すれば良い。例えば、銅シートの場合の厚さは約0.4mm、アルミニウムシートの場合の厚さは約0.5mmである。これらのY方向に相当する方向の幅は、必要とするコイルのY方向の寸法に応じて選定すれば良い。例えば230mmである(後述する加工前の幅は、例えば約234mmである)。積層絶縁体261〜263、絶縁シート266、267の幅もこれに合わせれば良い。
The
絶縁シート266と導体シート268の重ね合わせ方は、図10とは反対に、第1内側コイル206の内側(図10中の左側。即ち積層絶縁体261側)に導体シート268を配置し、その外側に絶縁シート266を重ねて配置しても良い。必要に応じて、導体シート268の両側に絶縁シート266を重ねて配置しても良い。第1外側コイル218の絶縁シート267および導体シート269についても同様である。
Contrary to FIG. 10, the insulating
第1内側コイル206の導体シート268は、平面的に見れば、図11に示すように、扇型に複数回巻いた構造をしており、その両端には端子340が接続されている。但し巻回数は図示のものに限られない。この導体シート268に電流IM を流すことによって、上記主磁界を形成する磁力線204を発生させることができる。図12にも同じ電流IM および磁力線204を示している。
When viewed in plan, the
第1外側コイル218の導体シート269も、平面的に見れば図11と同様の構造をしている。
The
第2内側コイル212および第2外側コイル224も、上記第1内側コイル206および第1外側コイル218と同様の構造をしている。但し、前述したように、第1内側コイル206および第1外側コイル218とは、対称面234に関して面対称の形状をしている。
The second
なお、外側の積層絶縁体263(図23に示すコイルの場合は積層絶縁体262)の更に外周部に、必要に応じて、コイルの補強等を行う部材を更に設けても良い。 In addition, a member for reinforcing the coil or the like may be further provided on the outer peripheral portion of the outer laminated insulator 263 (in the case of the coil shown in FIG. 23, the laminated insulator 262) as necessary.
各コイルの渡り部の構造の例を、第1内側コイル206を例にして図12を参照して、より詳しく説明する。
An example of the structure of the transition part of each coil will be described in more detail with reference to FIG. 12 by taking the first
第1内側コイル206の各渡り部210は、それぞれ、本体部208のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部282と、両縦部282に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部284とを有している。即ち、横部284によって両縦部282間を接続している。従って、第1内側コイル206は、Y方向に実質的に直交する横方向の導電経路286と、Y方向に実質的に平行な縦方向の導電経路288とを有している。即ち、角部を除いて、この第1内側コイル206の導電経路の殆どは、両導電経路286および288で組み合わされて構成されている。そして、導電経路286および288における電流密度は、実質的にどこも同じになるようにしている。
Each bridging
他のコイル212、218、224の各渡り部216、222、228も、それぞれ、上記渡り部210と同様の構造をしている。従って、他のコイル212、218、224も、それぞれ、Y方向に実質的に直交する横方向の導電経路と、Y方向に実質的に平行な縦方向の導電経路とを有している。即ち、角部を除いて、これらのコイルの導電経路の殆どは、横方向の導電経路および縦方向の導電経路で組み合わされて構成されている。そして、横方向の導電経路および縦方向の導電経路における電流密度は、実質的にどこも同じになるようにしている。後述するコイル320においても同様である。
The
各コイルの渡り部を上記のような構造にするのが好ましく、そのようにすると、分析電磁石200からの渡り部のビーム入出射方向への張り出し距離をより確実に小さくすることができる。この張り出し距離については後で詳しく説明する。
It is preferable that the crossing portion of each coil has the above-described structure, and by doing so, it is possible to more reliably reduce the overhang distance of the crossing portion from the
上記各コイル用の電源構成の一例を図13に示す。この例では、第1内側コイル206および第2内側コイル212に直流の主電源250がそれぞれ接続されており、この各主電源250から第1内側コイル206および第2内側コイル212に、互いに実質的に同じ大きさの電流IM を流すことができる。なお、上記二つの主電源250は、必ずしも別個のものである必要はなく、それらを一つにまとめた主電源としても良い。
An example of the power supply configuration for each coil is shown in FIG. In this example, a DC
更にこの例では、各第1外側コイル218(218a〜218c)および各第2外側コイル224(224a〜224c)に直流の副電源252がそれぞれ接続されており、この各副電源252から各第1外側コイル218および各第2外側コイル224に電流IS を流すことができ、しかも各第1外側コイル218および各第2外側コイル224に流す電流IS をそれぞれ独立して制御することができる。なお、上記複数の副電源252は、必ずしも別個のものである必要はなく、それらを一つにまとめて、各第1外側コイル218および各第2外側コイル224に流す電流IS をそれぞれ独立して制御することができる一つの副電源としても良い。
Further, in this example, a DC
(2−3)各コイルの製造方法等
次に、上記各コイルの製造方法の例を、上記第1内側コイル206および第1外側コイル218を例にして説明する。
(2-3) Method for Manufacturing Each Coil Next, an example of the method for manufacturing each coil will be described by taking the first
まず図14に示す扇型筒状の積層コイル290を製造する。これは次のようにして行う。
First, the sector-shaped cylindrical
まず図16に示すように、図14に示した積層コイル290の弧状部291とは反対に外側に張り出した弧状部297を有する型296を用いて、それを軸298を中心にして矢印299のように一定方向に回転させて、上述したようなプリプレグシート300を複数回巻く。これによって、図15、図17に示す積層絶縁体261を形成する。
First, as shown in FIG. 16, a
次に図17に示すように、型296を上記と同様に回転させて、上記絶縁シート266と導体シート268とを互いに重ね合わせて、それらを積層絶縁体261の外周面に複数回巻いて積層する。これによって、図15に示す絶縁シート266と導体シート268との積層体を形成する。
Next, as shown in FIG. 17, the
次に図16の場合と同様にして、上記絶縁シート266と導体シート268との積層体の外周面にプリプレグシート300を複数回巻く。これによって、図15に示す積層絶縁体262を形成する。
Next, similarly to the case of FIG. 16, the
次に図17の場合と同様にして、上記絶縁シート267と導体シート269とを互いに重ね合わせて、それらを上記積層絶縁体262の外周面に複数回巻く。これによって、図15に示す絶縁シート267と導体シート269との積層体を形成する。
Next, as in the case of FIG. 17, the insulating
次に図16の場合と同様にして、上記絶縁シート267と導体シート269との積層体の外周面にプリプレグシート300を複数回巻く。これによって、図15に示す積層絶縁体263を形成する。
Next, similarly to the case of FIG. 16, the
上記工程の後に型296を外すと、図18に示すように、上記内側コイル292および外側コイル294から成るけれども、弧状部291aが上記弧状部291とは反対に外側に張り出している積層コイル290aが得られる。
When the
なお、導体シート268の巻き始めの部分および巻き終わりの部分にリード板をそれぞれ挟んでおくことにより、当該リード板を用いて、導体シート268を端子340(図11参照)に接続することができる。導体シート269についても同様である。
In addition, the
また、上記のように巻く前に、導体シート268、269の表裏両側の主面268a、269aに、金属粒子等の砥粒(ショット)を吹き付けて(即ちショットブラスト処理を施して)、表面を粗くしておくのが好ましい。そのようにすると、表面積を増大させて、絶縁シート266、267等との密着性を高めることができる。ショットブラスト処理は、導体シート268、269の少なくとも一方の主面に施しても効果はあるが、両主面に施すのが好ましい。絶縁シート266、267についても同様である。
Further, before winding as described above, abrasive grains (shots) such as metal particles are sprayed on the
同様に、絶縁シート266、267の表裏両側の主面266a、267aにもショットブラスト処理を施して、表面を粗くしておくのが好ましい。そのようにすると、表面積を増大させて導体シート268、269等との密着性をより高めることができる。
Similarly, it is preferable that the
次に上記積層コイル290aの外周に熱収縮テープ(図示省略)を巻いた後に、図18に示すように、弧状部291aを矢印302で示すように加圧(プレス)して上記弧状部291を形成する成形を行ったものを、加熱硬化させる。これによって、図11に示した積層コイル290の元になる積層コイル290bが得られる。上記熱収縮テープを巻くことによって、構造体としての強度が向上する。熱収縮テープの代わりに、前述したプリプレグシートと同様の構成のプリプレグテープを巻いても良い。
Next, after winding a heat-shrink tape (not shown) around the outer periphery of the
次に上記積層コイル290bに樹脂を真空含浸させた後に、加圧状態で加熱硬化させる。これは、簡単に言えば、樹脂モールドを行うことである。これによって、図14に示した積層コイル290が得られる。この樹脂モールドを行うことによって、積層コイル290の各層間の密着強度を高めてコイルの強度を高めると共に、電気絶縁性能を高めることができる。
Next, after the
次に上記積層コイル290の軸方向(換言すれば高さ方向)の両端面に切削加工を施して平坦面にした後に、上記切欠き部に対応する部分272a〜275aに切削加工を施して、上記切欠き部272〜275を形成する。
Next, after cutting the both ends of the
外側コイル294を複数の上記第1外側コイル218にする場合は、外側コイル294に対して、上記隙間244に相当する部分に溝加工を施して上記隙間244を形成する。
When the
次に、上記のように切削加工、溝加工を施した積層コイル290cを、導体シート268、269の材料(前述したように銅またはアルミニウム)をエッチングするエッチング液中に浸してエッチング処理を施す。それによって、上記切削加工、溝加工時に加工面に生じた導体シート268、269のバリ等を除去して、導体シート268、269の層間のショート(レイアーショート)を防止すると共に、絶縁シート266、267の端面よりも導体シート268、269の端面を丸く窪ませて、導体シート268、269の層間絶縁の沿面距離を長くして絶縁性能を向上させることができる。
Next, the laminated coil 290c subjected to cutting and grooving as described above is immersed in an etching solution for etching the material of the
そして、上記のようにエッチング処理を施した積層コイル290dの全体に熱収縮テープを巻いて加熱硬化させる。これによって、図4〜図10等に示した第1内側コイル206および第1外側コイル218を一体化している扇型筒状の積層コイルを得ることができる。上記熱収縮テープを巻くことによって、構造体としての強度が向上する。但し、コイルを次に述べるような強制冷却構造にする場合は、上記熱収縮テープを巻く前に、次のようにして冷却板312を取り付ければ良い。熱収縮テープの代わりに、前述したプリプレグシートと同様の構成のプリプレグテープを巻いても良い。
Then, a heat shrink tape is wound around the entire
即ち図19に示すように、冷媒通路314を有する冷却板312を、絶縁物316を介在させて、第1内側コイル206、第1外側コイル218の上下の端面306〜307および各隙間244にそれぞれ圧接させて取り付ける。冷却板312は、コイル206、218の本体部208、220のY方向の上下端面だけでなく、渡り部210、222のY方向の上下端面にも設けるのが好ましい。即ち、できるだけ広い領域に設けるのが好ましい。各冷媒通路314には、例えば冷却水が流される。この例では、絶縁物316を冷却板312に巻いているが、必ずしも巻かなくても良い。
That is, as shown in FIG. 19, the
上記冷却板312によって、各コイル206、218を、その端面から強制冷却することができる。このような冷却構造は、エンドクーリング方式と呼ばれることもある。
With the
上記の場合、冷却板312と絶縁物316と間、および、絶縁物316と各コイル206、218の端面との間には、熱伝導性の良い熱拡散コンパウンド(例えばシリコーングリス)を介在(例えば塗布)させておくのが好ましい。そのようにすると、空気層を極力無くして、熱伝導性能ひいては冷却性能をより向上させることができる。
In the above case, a thermal diffusion compound (for example, silicone grease) having good thermal conductivity is interposed between the cooling
また、上記各隙間244を、コイル218の内側(図19中の左側)に向かって狭くなった楔形にして、そこに取り付ける冷却板312も同様の楔形にして、当該冷却板312を圧入しても良い。そのようにすると、コイル218の端面と冷却板312の間に生じる隙間を小さくして密着性を向上させることができるので、冷却性能をより向上させることができる。
Further, each of the
上記のように冷却板312を設けた場合は、図19に示す状態のコイル全体に上記熱収縮テープまたはプリプレグテープを巻いて加熱硬化させれば良い。それによって、冷却板312の固定および密着をも行うことができる。
When the
そして最後に、必要に応じて、冷却板312を設けている場合もいない場合も、第1内側コイル206および第1外側コイル218を含めたコイル全体を、樹脂でモールドしても良い。そのようにすると、コイルの耐湿性能、絶縁性能、機械的強度等をより向上させることができる。その場合、上記樹脂に5〜30重量%のフィラー(充填剤)を混合しておくのが好ましい。そのようにすると、樹脂の耐クラック性能等を向上させることができる。
And finally, you may mold the whole coil including the 1st
第2内側コイル212および第2外側コイル224も上記と同様にして、両コイル212、224を一体化したものとして製造することができる。また、後述する、即ち図22〜図24に示すコイル320、図25に示す第1コイル326、第2コイル328、図26に示す内側コイル330、第1外側コイル218、第2外側コイル224も、上記と同様にして製造することができる。内外のコイルは一体化して製造することができる。
Similarly to the above, the second
上記コイル206、218、212、224を用いて、図4、図5等に示した分析電磁石200を組み立てるのは、例えば次の手順で行えば良い。即ち、ヨーク230の上部ヨーク231を取り外しておいて、まずヨーク230内に第2内側コイル212および第2外側コイル224が一体化されたものを上から入れ、次に真空容器236を上から入れ、次に第1内側コイル206および第1外側コイル218が一体化されたものを上から入れ、最後に上部ヨーク231を取り付ける。
The assembly of the
(2−4)分析電磁石200の特長等
上記分析電磁石200においては、第1内側コイル206および第1外側コイル218は、上記のような扇型筒状の積層コイル290に本体部208、220および渡り部210、222を残して切欠き部272〜275を設けた構成をしているので、渡り部210、222は、本体部208、220の端部からY方向に実質的に平行に延出した状態になっている。従って、本体部208、220のY方向における寸法を大きくする場合でも、それに対応させて渡り部210、222のY方向における寸法を大きくすれば済むので、ビーム入出射方向への渡り部210、222の張り出し距離は大きくならない。
(2-4) Features of Analyzing
上記のことを、第1内側コイル206を例に図8を参照して説明すると、本体部208のY方向の寸法aを大きくする場合、それに対応させて、渡り部210のY方向の寸法cを大きくすれば済む。具体的には、寸法aとcとを互いに実質的に等しくしている。従って、寸法aを大きくする場合でも、イオンビーム50の入出射方向への渡り部210の張り出し距離L3 (図4参照)は大きくならない。当該張り出し距離L3 は、ヨーク230の端面と渡り部210の端面との間の距離L5 と、渡り部210の厚さbとで決まる。即ち、張り出し距離L3 は次式で表すことができる。ちなみに、第1内側コイル206の上記構造説明からも分かるように、本体部208の厚さもbである。
The above will be described with reference to FIG. 8 by taking the first
[数2]
L3 =b+L5
[Equation 2]
L 3 = b + L 5
上記数2には、従来の分析電磁石40の張り出し距離L1 を表す上記数1と違って、Y方向の寸法aは含まれていない。この点が従来の分析電磁石40と大きく異なる特長である。
The above formula 2 does not include the dimension a in the Y direction, unlike the above formula 1 that represents the overhang distance L 1 of the
しかも、上記距離L5 も、従来の分析電磁石40の距離L2 に比べて小さくすることができる。これは、渡り部210は、従来のコイル12のように曲げ加工によって渡り部16を斜めに跳ね上げて形成したものではなく、前述したように扇型筒状の積層コイル290に切欠き部272〜275を設けて形成したものであり、渡り部210はY方向に実質的に平行に延出した状態になっているからである。加えて、切削加工等によって、本体部208と渡り部210との境の角部254を、丸みの少ない直角に近い状態にすることができるからである。
Moreover, the distance L 5 can also be made smaller than the distance L 2 of the
上記のような理由から、ヨーク230からの渡り部210のビーム入出射方向への張り出し距離L3 を小さくすることができる。
For the above reasons, the overhanging distance L 3 of the
第2内側コイル212および第2外側コイル224についても同様である。
The same applies to the second
例えば、Y方向の寸法aを同じ250mmにした場合、従来の分析電磁石40では張り出し距離L1 は約300mmにもなるのに対して、上記分析電磁石200では張り出し距離L3 は約110mmで済む。
For example, when the dimension a in the Y direction is the same 250 mm, the protruding distance L 1 is about 300 mm in the
上記と同様の理由によって、この実施形態の分析電磁石200のように内側コイル206、212と外側コイル218、224とを二重に設けている場合でも、外側のコイル218のヨーク230からのビーム入出射方向への張り出し距離L4 を小さくすることができる。従来の分析電磁石40において、仮に内外二重にコイルを配置しようとすると、渡り部の張り出し距離は非常に大きくなる。
For the same reason as described above, even when the
上記理由によって、分析電磁石200の小型化が可能になり、ひいては分析電磁石200の設置に必要な面積を小さくすることができる。分析電磁石200の軽量化も可能になる。また、各コイル206、218、212、224の渡り部が発生する磁界がイオンビーム50の形態を乱す可能性も小さくなる。
For the above reason, the
また、各コイル206、218、212、224の渡り部の張り出し距離を小さくすることができることに伴って、渡り部の長さも短くすることができるので、渡り部における無駄な消費電力を小さくすることができる。
In addition, since the overhang distance of the transition part of each
しかも、各コイル206、218、212、224は、前述したように、絶縁シート266、267を挟んで導体シート268、269を積層した構造をしているので、被覆導体を多数回巻いたマルチターンコイルに比べて、導体の占積率が高く、そのぶん電力損失が少ない。従って、消費電力を小さくすることができる。
In addition, as described above, each
例えば、各コイルのY方向の寸法aを250mmとした場合、従来の被覆導体のマルチターンコイルの導体の占積率は、中空でない(ホローコンダクターでない)場合でも約60〜70%であり、ホローコンダクターの場合は更に小さくなるのに対して、上記各コイル206、218、212、224の導体の占積率は、約84〜85%にすることが可能である。
For example, when the dimension a in the Y direction of each coil is 250 mm, the space factor of the conductor of the multi-turn coil of the conventional coated conductor is about 60 to 70% even when it is not hollow (not a hollow conductor). In the case of a conductor, the space factor of the conductors of the
その結果、上記分析電磁石200によれば、従来の分析電磁石40に比べて少ない消費電力で所要強度の磁界を発生させることができる。消費電力を同程度にして、従来の分析電磁石40に比べて強い磁界を発生させることもできる。後者のようにすれば、イオンビーム偏向の曲率半径Rを小さくして、分析電磁石200をより小型化することができる。
As a result, according to the
例えば、各コイルのY方向の寸法aを250mmとし、従来の分析電磁石40と同じように二つのコイル206、212で0.2テスラの磁界を発生させる場合(コイル218、224は使用しない)、従来の分析電磁石40の消費電力は約67kWであるのに対して、上記分析電磁石200の消費電力は約24kWで済む。
For example, when the dimension a in the Y direction of each coil is 250 mm and a magnetic field of 0.2 Tesla is generated by the two
更に、この実施形態の分析電磁石200は、上記のような第1内側コイル206および第2内側コイル212を備えているので、上下一つのコイルの場合に比べて、Y方向の寸法WY が大きいイオンビーム50に対応することが容易になる。
Furthermore, since the
しかも、第1外側コイル218および第2外側コイル224によって、主磁界の補正を行う副磁界を発生させることができる。この副磁界によって、主磁界を補正して、Y方向における磁束密度分布の均一性を高めることができる。各外側コイル218、224によって発生させる副磁界は、主磁界に比べて弱いもので良いので、制御も容易である。
In addition, the first
上記のような主磁界および副磁界によって、ビーム経路202に、Y方向における磁束密度分布の均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、この分析電磁石200から出射する時のイオンビーム50の形態の乱れ(曲がり、傾き等。以下同様)を小さく抑えることができる。この効果は、対象とするイオンビーム50のY方向の寸法WY が大きい場合により顕著になる。
By the main magnetic field and the sub magnetic field as described above, a magnetic field with high uniformity of magnetic flux density distribution in the Y direction can be generated in the
第1外側コイル218および第2外側コイル224がそれぞれ一つずつでも、上記主磁界を補正する効果を奏することはできるけれども、この実施形態のように複数の第1外側コイル218および複数の第2外側コイル224を備えている方が好ましい。その場合はこれらの外側コイル218、224によって、ビーム経路202に発生させる磁界のY方向における磁束密度分布をよりきめ細かく補正することができるので、Y方向においてより均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、出射時のイオンビーム50の形態の乱れをより小さく抑えることができる。
Even if there is one each of the first
(2−5)分析電磁石200の制御方法
上記分析電磁石200の制御方法の例を説明すると、分析電磁石200から出射するイオンビーム50の形態が、入射時のイオンビーム50の形態に近づくように、各第1外側コイル218および各第2外側コイル224に流す電流を制御すれば良い。
(2-5) Control method of
より具体的には、分析電磁石200から出射するイオンビーム50の内で、Y方向に実質的に平行な所定の中心軸(図20、図21に示す中心軸318)よりも曲率半径Rの内側に曲がり過ぎている部分に対応する第1外側コイル218および第2外側コイル224に流す電流を減らすことと、当該内側への曲がりが不足している部分に対応する第1外側コイル218および第2外側コイル224に流す電流を増やすことの少なくとも一方を行って、分析電磁石200から出射するイオンビーム50の形態を上記中心軸に平行なものに近づける。これによって、分析電磁石200から出射するイオンビーム50の形態を、傾きがなくかつ真っ直ぐなものにして、入射時の形態に近づけることができる。
More specifically, in the
分析電磁石200から出射するイオンビーム50の形態の例を図20、図21にそれぞれ示す。両図において、X方向に実質的に平行な所定の中心軸を318、前記対称面を234、イオンビーム50の中心軌道を54、その曲率半径をRとしている。
Examples of the form of the
図20に示す形態の場合は、イオンビーム50の進行方向Zに見てイオンビーム50の形態に乱れはないので、各第1外側コイル218a〜218cおよび各第2外側コイル224a〜224cに流している電流の値を維持すれば良い。
In the case of the form shown in FIG. 20, since the form of the
図21に示す形態の場合は、イオンビーム50がその進行方向Zに見てく字状に近い円弧状に歪んで(曲がって)いるので、即ちY方向の上側ほど曲率半径Rの内側に曲がり過ぎており、かつ下側ほど内側に曲がり過ぎているので、第1外側コイル218aに流す電流を大きく減らし、第1外側コイル218bに流す電流を少し減らし、第1外側コイル218cおよび第2外側コイル224cに流す電流は現状維持し、第2外側コイル224bに流す電流を少し減らし、第2外側コイル224aに流す電流を大きく減らす。これによって、分析電磁石200から出射するイオンビーム50の中心軌道54の位置を維持しつつ、その形態を中心軸318に平行なものに近づけることができる。即ち、図20に示す形態に近づけることができる。
In the case of the form shown in FIG. 21, since the
分析電磁石200から出射するイオンビーム50の形態が図21以外のものに乱れている場合も、上記と同様の考え方で補正して、図20に示す形態に近づけることができる。
Even when the form of the
分析電磁石200から出射するイオンビーム50の形態が乱れた場合の主な問題は次のとおりであるが、上記制御方法によればこのような問題の発生を防止することができる。
The main problem when the form of the
分析電磁石200の下流側には、通常、図1に示した分析スリット70が設けられている。この分析スリット70のスリット72は直線であるので、イオンビーム50の形態が乱れると、分析スリット70によってカットされる部分が生じ、分析スリット70を通過する所望イオン種のイオンビーム50の量が減る。カットされる部分が生じるから、イオンビーム50の均一性も悪くなる。カットされるのを避けるためにスリット72のX方向の幅を広げると、分解能が低下する。
An analysis slit 70 shown in FIG. 1 is usually provided on the downstream side of the
分析スリット70における上記のような問題以外にも、形態の乱れたイオンビーム50を用いて基板60にイオン注入を行うと、注入の均一性が悪くなるという問題が生じる。
In addition to the above problems in the analysis slit 70, when ion implantation is performed on the
(2−6)分析電磁石200の他の実施形態
次に、分析電磁石200の他の実施形態を説明する。図4〜図7等に示した先の実施形態と同一または相当する部分には同一符号を付して重複説明を省略し、以下においては当該実施形態との相違点を主体に説明する。
(2-6) Other Embodiments of
図24に示す分析電磁石200は、図22も参照して、コイルとして、ビーム経路202を挟んでX方向において相対向している一組の本体部322および両本体部322のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路202を避けて接続している二組の渡り部324、325を有していて、イオンビーム50をX方向に曲げる磁界を発生させるコイル320を備えている。図22中の上側の二つの渡り部324が一組の渡り部、下側の二つの渡り部325がもう一組の渡り部である。
The
このコイル320は、その断面構造を図23に示すように、上記第1内側コイル206(図10参照)や、積層コイル290の内側コイル292(図15参照)と同じ断面構造をしている。即ちこのコイル320は、上記内側コイル292と同じ構造をした扇型筒状の積層コイルに、本体部322および渡り部324、325を残して、切欠き部276〜281を設けた構成をしている。このコイル320も、前記と同様の製造方法によって作ることができる。
As shown in FIG. 23, the
このコイル320は、上記第1内側コイル206および第2内側コイル212(図8参照)を上下で一体化して一つのコイルにしたようなものである。
The
切欠き部276、277は、上記切欠き部272、273と同様の形状をしている。切欠き部278、279は、切欠き部276、277と対称面(図24参照)に関して面対称の形状をしている。切欠き部280、281は、より具体的には貫通孔であり、それぞれ上記入口238、出口240を形成している。ここをイオンビーム50が通過することができる。より具体的には、上記真空容器236を通してその中をイオンビーム50が通過することができる。
The
このコイル320に上記真空容器236を通すには、例えば、真空容器236を、切欠き部280、281を通してZ方向に挿入すれば良い。その場合、真空容器236にフランジ等がついていて邪魔になるのであれば、一旦それを外せば良い。分析電磁石200を組み立てる場合も同様の方法で行えば良い。
In order to pass the
各渡り部324は、上記第1内側コイル206の渡り部210と同様の構造をしている。各渡り部325は、各渡り部324と対称面234に関して面対称の形状をしている。
Each
本体部322のY方向の寸法a1 は、渡り部324のY方向の寸法c1 と渡り部325のY方向の寸法c1 とを合計したもの(即ち2c1 )に実質的に等しくしている。
The dimension a 1 in the Y direction of the
この実施形態の分析電磁石200も、そのコイル320が上記第1内側コイル206および第2内側コイル212を一体化したような構造をしているので、前記と同様の理由によって、コイル320の渡り部324、325のヨーク230からの張り出し距離を小さくして分析電磁石200の小型化を可能にすると共に、消費電力を小さくすることができる等の効果を奏する。
The
図25に示す分析電磁石200は、コイルとして、互いに協働してイオンビーム50をX方向に曲げる磁界を発生させる第1コイル326および第2コイル328を備えている。両コイル326、328は、それぞれ、上記第1内側コイル206、第2内側コイル212(図8参照)と同様の構造をしている。従ってこの第1コイル326および第2コイル328も、それぞれ、前記と同様の製造方法によって作ることができる。
The
この実施形態の分析電磁石200も、その第1コイル326および第2コイル328が上記第1内側コイル206および第2内側コイル212と同様の構造をしているので、前記と同様の理由によって、コイルの渡り部のヨーク230からの張り出し距離を小さくして分析電磁石200の小型化を可能にすると共に、消費電力を小さくすることができる等の効果を奏する。
In the
また、上記のような第1コイル326および第2コイル328を備えているので、Y方向の寸法WY が大きいイオンビーム50に対応することが容易になる。
Further, since the
図26に示す分析電磁石200は、コイルとして、上記コイル320と同様の構造をしていてイオンビーム50をX方向に曲げる主磁界を発生させる内側コイル330と、内側コイル330の外側にあって主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる前述したような第1外側コイル218および第2外側コイル224とを備えている。即ち、図5等に示す第1内側コイル206および第2内側コイル212に代えて内側コイル330を備えている。従ってこの内側コイル330、第1外側コイル218および第2外側コイル224も、前記と同様の製造方法によって作ることができる。
The
これらのコイルを製造する場合の特有の事項を説明すると、軸方向の寸法(高さ)を所要のものにした上記積層コイル290(図14参照)を用いて、その内側コイル292および外側コイル294に図22の切欠き部276〜281と同様の切欠き部を切削加工等によって設け、かつ外側コイル294に、図7に示す隙間248と同様の隙間を切削加工等によって設けて第1外側コイル218および第2外側コイル224を形成すれば良い。第1外側コイル218および第2外側コイル224をそれぞれ複数に分けるのは、図7の場合と同様である。
A specific matter when manufacturing these coils will be described. Using the laminated coil 290 (see FIG. 14) having a required axial dimension (height), the
第1外側コイル218は、図26に示す例では二つであるが、それに限られるものではなく、1以上で任意である。第2外側コイル224も同様である。
The number of the first
この実施形態の分析電磁石200も、上記のような内側コイル330、第1外側コイル218および第2外側コイル224を備えているので、前記と同様の理由によって、コイルの渡り部のヨーク230からの張り出し距離を小さくして分析電磁石200の小型化を可能にすると共に、消費電力を小さくすることができる等の効果を奏する。
The
また、内側コイル330に加えて、上記のような第1外側コイル218および第2外側コイル224を備えているので、イオンビーム50のビーム経路202に、Y方向における磁束密度分布の均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、出射時のイオンビーム50の形態の乱れを小さく抑えることができる。この効果は、対象とするイオンビーム50のY方向の寸法WY が大きい場合により顕著になる。
Further, since the first
更に、複数の第1外側コイル218および複数の第2外側コイル224を備えていることによって、前述したように、これらの外側コイル218、224によって、ビーム経路202に発生させる磁界のY方向における磁束密度分布をよりきめ細かく補正することができるので、Y方向においてより均一性の高い磁界を発生させることができる。その結果、出射時のイオンビーム50の形態の乱れをより小さく抑えることができる。
Further, since the plurality of first
(3)イオン源100について
図1に示したイオン源100の例を、図27、図28を参照して説明する。
(3)
このイオン源100は、Y方向に走査された電子110を発生させる走査形電子源104と、この走査形電子源104からの電子110が入射されるプラズマ生成容器122と、このプラズマ生成容器122内で生成されたプラズマ132からイオンビーム50を引き出す引出し電極系134とを備えている。
The
走査形電子源104は、この実施形態では、電子110を放出するフィラメント108と、当該電子110をフィラメント108から引き出す引出し電極112と、この引出し電極112から引き出された電子110を静電的にY方向に走査する一対の走査電極114とを備えており、これらは末広がりの形状をした真空容器106内に収納されている。
In this embodiment, the
フィラメント108の両端には、当該フィラメント108を加熱して電子(熱電子)110を放出させるフィラメント電源118が接続されている。このフィラメント電源118は、この実施形態では直流電源であるが、交流電源でも良い。
A
フィラメント108の一端と引出し電極112との間には、前者を負極側(換言すれば、後者を正極側)にして直流の引出し電圧VE を印加する引出し電源120が接続されている。簡単に言えば、この引出し電圧VE の大きさによって、引き出される電子110のエネルギーが決まり、当該エネルギーはVE eVとなる。この電子110のエネルギーは、プラズマ生成容器122内において電子衝撃によってガス128を電離させることができる大きさにしておく。例えば、ガス128が後述するようなガスである場合、500eV〜3keV程度に、より具体的には1keV程度にすれば良い。即ち、引出し電圧VE の大きさは、例えば、500V〜3kV程度に、より具体的には1kV程度にすれば良い。
Connected between one end of the
一対の走査電極114には、この例では、互いに180度位相の異なる三角波状の走査電圧VS1、VS2をそれぞれ印加する走査電源116、117がそれぞれ接続されている。このような二つの走査電源116、117を設けるのは、一対の走査電極114間の電位を常に0Vにするためであるが、そのようにせずに、一対の走査電極114間に三角波状の走査電圧を印加する一つの走査電源を設けても良い。
In this example, a pair of
また、ここでは、走査電極114およびそれ用の電源から成る静電走査手段によって電子110を静電的に走査する例を示しているが、それの代わりに、磁場によって電子110をY方向に走査する磁場走査手段を設けても良い。より具体的には、磁場によって電子110をY方向に走査する走査コイルおよびそれ用の電源を設けても良い。
Here, an example is shown in which the
走査形電子源104を構成する真空容器106の先端部にプラズマ生成容器122が接続されている。当該接続側のプラズマ生成容器122の壁面には、Y方向に沿って伸びるスリット状の電子入射口124が設けられており、そこを通してY方向に走査された電子110がプラズマ生成容器122内に入射される。電子入射口124は、このようなスリット状にしておくのが好ましく、そのようにすると、プラズマ生成容器122内に導入されたガス128(以下を参照)が、走査形電子源104側へ流出するのを抑制することができる。
A
プラズマ生成容器122内には、ガス導入口126を通して、イオン化するためのガス(蒸気の場合を含む)128が導入される。このガス128は、所望の元素(例えばB、P、As 等のドーパント)を含むガスである。より具体例を挙げれば、BF3 、PH3 、AsH3 、B2H6 等の原料ガスを含むガスである。
A gas (including vapor) 128 for ionization is introduced into the
プラズマ生成容器122は、イオンビーム50の引出し方向であるZ方向(図27の紙面表方向)側の面に、Y方向に沿って伸びるイオン引出しスリット130を有している。このイオン引出しスリット130を通してイオンビーム50がZ方向に引き出される。
The
プラズマ生成容器122内であって電子入射口124とは反対側の部分には、この例のように、反射電源146から負の反射電圧VR が印加されて前記入射された電子110を反射させる板状の反射電極142を設けておくのが好ましい。44は絶縁物である。この反射電極142は、Y方向に走査された電子110の全域をカバーできる大きさにしておくのが好ましい。
As shown in this example, a negative reflection voltage V R is applied from the
上記反射電圧VR の絶対値|VR |は、前記引出し電圧VE の絶対値|VE |とほぼ等しくするのが好ましい。|VR |が|VE |よりあまり小さいと、反射電極142によって電子110を反射する作用が小さくなって電子110が反射電極142に衝突して消滅しやすくなり、|VR |が|VE |よりあまり大きいと、反射電極142によって電子110を反射する作用が大きくなり過ぎて反射された電子がプラズマ生成容器122内に存在しにくくなり、いずれの場合も、反射された電子110をプラズマ132の生成にあまり効果的に利用することができず、プラズマ132の生成効率を高める効果があまり期待できなくなるからである。
The absolute value | V R | of the reflected voltage V R is preferably substantially equal to the absolute value | V E | of the extraction voltage V E. When | V R | is much smaller than | V E |, the action of reflecting the
図28に示すように、プラズマ生成容器122の外側であってイオン引出しスリット130の近傍に、プラズマ生成容器122内のプラズマ132からイオン引出しスリット130を通して前述したようなリボン状のイオンビーム50をZ方向に引き出す引出し電極系134を設けている。この引出し電極系134は、図示例では1枚の電極136から成るが、2枚以上の電極で構成されていても良い。各電極は、プラズマ生成容器122のイオン引出しスリット130に対応する形状をしたスリット(電極136のスリット137参照)を有している。この例では、イオンビーム引き出し用に、この引出し電極系134を構成する電極136とプラズマ生成容器122との間に、前者を負極側(換言すれば後者を正極側)にしてビーム引出し電源140から直流のビーム引出し電圧VEXが印加される。簡単に言えば、このビーム引出し電圧VEXの大きさによって、引き出されるイオンビーム50のエネルギーが決まる。
As shown in FIG. 28, a ribbon-
上記イオン源100の動作を説明すると、走査形電子源104からプラズマ生成容器122内に、Y方向に走査されてY方向に幅広の電子110が入射され、この電子110による衝撃によってガス128が電離されて、プラズマ生成容器122内には、Y方向に広いプラズマ132が生成される。しかも、このプラズマ132の生成は、Y方向に走査された電子110によって連続して均一に行われるので、Y方向において均一性の良いプラズマ132が生成される。
Explaining the operation of the
そしてこのプラズマ132から、Y方向に沿って伸びるイオン引出しスリット130を通して、引出し電極系134によって、断面がY方向に長いリボン状のイオンビーム50が引き出される。しかも、上記のようにY方向において均一性の良いプラズマ132が生成されるので、Y方向におけるビーム電流密度分布の均一性の良いイオンビーム50を発生させることができる。
A ribbon-
このようなイオンビーム50を、図1に示す基板60まで輸送して基板60に照射することによって、大面積の基板60の広い領域に均一性良くイオンビーム50を照射して、広い領域に均一性良くイオン注入を行うことができる。
By transporting such an
また、この例のように反射電極142を設けておくと、プラズマ生成容器122内に入射した電子110をプラズマ生成容器122内側へ反射させることができるので、プラズマ生成容器122内における電子110の寿命を長くして、当該電子110の衝撃によるプラズマ132の生成効率を高めてプラズマ密度を高めることができる。その結果、発生させるイオンビーム量を増大させることができる。
In addition, when the
プラズマ生成容器122内に、熱電子を放出するフィラメントを設けておいて、このフィラメントとプラズマ生成容器122との間に前者を負極側にして直流電圧(アーク電圧)を印加して、この熱電子による衝撃によってガス128を電離させることを、上記電子110によるガス128の電離と併用しても良い。そのようにすれば、より密度の高いプラズマ132を発生させて、より大電流のイオンビーム50を発生させることができる。
A filament that emits thermoelectrons is provided in the
上記フィラメントの形状、数は、特定のものに限定されない。例えば、U字状のフィラメントを複数本設けても良いし、直線状(換言すれば棒状)のフィラメントを1本または複数本設けても良い。 The shape and number of the filaments are not limited to specific ones. For example, a plurality of U-shaped filaments may be provided, or one or a plurality of linear (in other words, rod-shaped) filaments may be provided.
また、フィラメントを併用する場合および併用しない場合のいずれにおいても、上記注入位置近傍でのイオンビーム50のY方向におけるビーム電流密度分布を測定するビーム測定器80(図1参照)を用いて、当該ビーム測定器80で測定するビーム電流密度分布が均一に近づくように、電子110の走査速度を制御しても良い。例えば、上記測定ビーム電流密度分布が均一に近づくように、走査電源116、117から出力する走査電圧VS1、VS2の波形を、三角波状から変形させた波形に整形しても良い。より具体例を挙げると、ビーム測定器80からの測定情報に基づいて、ビーム電流密度が相対的に大きい領域に対応する領域での電子110の走査速度を大きくすることと、ビーム電流密度が相対的に小さい領域に対応する領域での電子110の走査速度を小さくすることの少なくとも一方を、好ましくは両方を行えば良い。
Further, in both cases where the filament is used together and when the filament is not used, the beam measuring device 80 (see FIG. 1) for measuring the beam current density distribution in the Y direction of the
上記のように制御することによって、基板60に入射するイオンビーム50のY方向におけるビーム電流密度分布をより均一にして、基板60に対するイオン注入の均一性をより高めることができる。フィラメントを併用する場合は、フィラメント付近のプラズマ密度が濃くなりやすいので、上記のように制御することによる効果はより大きくなる。上記制御を、図1に示す制御装置90によって行わせても良い。
By controlling as described above, the beam current density distribution in the Y direction of the
図1に示したイオン注入装置において、上記のようなイオン源100および上記のような分析電磁石200を併用することによって、Y方向の寸法の大きい(例えば直径が300mm〜400mm程度の)大型の基板60に対しても、均一性の良いイオン注入を行うことができる。
In the ion implantation apparatus shown in FIG. 1, by using the
50 イオンビーム
60 基板
100 イオン源
104 走査形電子源
110 電子
122 プラズマ生成容器
200 分析電磁石
206 第1内側コイル
208 本体部
210 渡り部
212 第2内側コイル
214 本体部
216 渡り部
218 第1外側コイル
220 本体部
222 渡り部
224 第2外側コイル
226 本体部
228 渡り部
230 ヨーク
232 磁極
261〜263 積層絶縁体
266、267 絶縁シート
268、269 導体シート
272〜281 切欠き部
282 縦部
284 横部
290 積層コイル
320 コイル
326 第1コイル
328 第2コイル
330 内側コイル
500 基板駆動装置
DESCRIPTION OF
Claims (16)
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している少なくとも一組の渡り部を有していて、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させるコイルと、
前記コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions opposed to each other in the X direction across the beam path, and at least one set of connecting portions connecting the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions while avoiding the beam path A coil for generating a magnetic field for bending the ion beam in the X direction,
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the coil,
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
The coil is laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers in which an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction are overlapped, and a laminated insulator is formed on the outer peripheral surface. An analysis electromagnet having a configuration in which a cutout portion is provided in a sector-shaped cylindrical coil, leaving the main body portion and the transition portion.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の一方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、第2コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させる第1コイルと、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の他方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1コイルと互いに重ねて配置されていて、前記第1コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させる第2コイルと、
前記第1コイルおよび第2コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記第1コイルおよび第2コイルは、それぞれ、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of one side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and in cooperation with the second coil, generates a magnetic field that bends the ion beam in the X direction. Coils,
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of the other side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and is disposed so as to overlap with the first coil in the Y direction, and cooperates with the first coil. A second coil that acts to generate a magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the first coil and the second coil,
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
In addition, the first coil and the second coil are respectively laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction, and further winding the outer periphery thereof. An analysis electromagnet having a configuration in which a cutout portion is provided in a fan-shaped cylindrical laminated coil having a laminated insulator formed on a surface, leaving the main body portion and a transition portion.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している渡り部を有していて、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる内側コイルと、
前記内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第1外側コイルと、
前記内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1外側コイルと重ねて配置されていて前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第2外側コイルと、
前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions opposed to each other in the X direction across the beam path, and a transition portion that connects the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions while avoiding the beam path. An inner coil that generates a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A pair of body portions outside the inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more first outer coils for generating a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field, wherein the coil is a saddle-shaped coil having a set of crossing portions.
A pair of body portions outside the inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more saddle-shaped coils having a pair of crossing portions that are arranged to overlap the first outer coil in the Y direction and generate a sub-magnetic field that assists or corrects the main magnetic field A second outer coil of
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the inner coil, the first outer coil, and the second outer coil;
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
And the inner coil, the first outer coil and the second outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding the insulating sheet and the conductor sheet each having a principal surface along the Y direction a plurality of times, A laminated insulator is formed on the outer peripheral surface, and the outer peripheral surface is laminated by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction, and further laminated on the outer peripheral surface. An analysis electromagnet having a configuration in which a cutout portion is provided in the fan-shaped cylindrical laminated coil in which the main body portion and the transition portion are left.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の一方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、第2内側コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる第1内側コイルと、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の他方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1内側コイルと互いに重ねて配置されていて、前記第1内側コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる第2内側コイルと、
前記第1内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第1外側コイルと、
前記第2内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1外側コイルと重ねて配置されていて前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第2外側コイルと、
前記第1内側コイル、第2内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記第1内側コイルおよび第1外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記第2内側コイルおよび第2外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしている、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of one side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of crossing portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and generates a main magnetic field for bending the ion beam in the X direction in cooperation with the second inner coil. A first inner coil;
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of the other side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and is arranged so as to overlap with the first inner coil in the Y direction. In cooperation with the second inner coil for generating a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A pair of main body portions outside the first inner coil and facing each other in the X direction across the beam path and the ends of the two main body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more first outer coils for generating a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field, wherein the coil is a saddle-shaped coil having a pair of crossing portions
A pair of main body portions outside the second inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two main body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. A saddle-shaped coil having a pair of crossing portions that are arranged to overlap the first outer coil in the Y direction and generate a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field One or more second outer coils;
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the first inner coil, the second inner coil, the first outer coil, and the second outer coil;
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
In addition, the first inner coil and the first outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers in which an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction are overlapped with each other. A laminated insulator is formed on the outer circumferential surface of the laminated insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction. The laminated sheet is wound by multiple turns and further laminated on the outer circumferential surface. The fan-shaped cylindrical laminated coil has a configuration in which a cutout portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
The second inner coil and the second outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction. A fan in which a laminated insulator is formed, and on the outer peripheral surface thereof, an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are aligned in the Y direction are wound and laminated several times, and further, a laminated insulator is formed on the outer peripheral surface. An analysis electromagnet having a configuration in which a cutout portion is provided in a cylindrical tube-shaped laminated coil, leaving the main body portion and the transition portion.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している少なくとも一組の渡り部を有していて、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させるコイルと、
前記コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記コイルの各渡り部は、それぞれ、前記本体部のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部と、両縦部に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部とを有している、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions opposed to each other in the X direction across the beam path, and at least one set of connecting portions connecting the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions while avoiding the beam path A coil for generating a magnetic field for bending the ion beam in the X direction,
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the coil,
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
The coil is laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers in which an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction are overlapped, and a laminated insulator is formed on the outer peripheral surface. The fan-shaped cylindrical laminated coil has a configuration in which a cutout portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
Each crossing portion of the coil includes two vertical portions that are substantially perpendicular to the end portion in the direction along the Z direction of the main body portion and extend substantially parallel to the Y direction, and both vertical portions. And a transverse portion connected substantially perpendicular to the XZ plane and extending substantially parallel to the XZ plane.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の一方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、第2コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させる第1コイルと、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の他方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1コイルと互いに重ねて配置されていて、前記第1コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる磁界を発生させる第2コイルと、
前記第1コイルおよび第2コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記第1コイルおよび第2コイルは、それぞれ、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記第1コイルおよび第2コイルの各渡り部は、それぞれ、前記本体部のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部と、両縦部に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部とを有している、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of one side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and in cooperation with the second coil, generates a magnetic field that bends the ion beam in the X direction. Coils,
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of the other side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and is disposed so as to overlap with the first coil in the Y direction, and cooperates with the first coil. A second coil that acts to generate a magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the first coil and the second coil,
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
In addition, the first coil and the second coil are respectively laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction, and further winding the outer periphery thereof. The fan-shaped cylindrical laminated coil having a laminated insulator formed on the surface has a configuration in which a notch portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
Each of the transition portions of the first coil and the second coil is connected to the end of the main body portion in the direction along the Z direction at substantially right angles, and extends in two vertical directions substantially parallel to the Y direction. An analytical electromagnet having a portion and a lateral portion connected substantially perpendicular to both longitudinal portions and extending substantially parallel to the XZ plane.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している渡り部を有していて、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる内側コイルと、
前記内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第1外側コイルと、
前記内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1外側コイルと重ねて配置されていて前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第2外側コイルと、
前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの各渡り部は、それぞれ、前記本体部のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部と、両縦部に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部とを有している、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions opposed to each other in the X direction across the beam path, and a transition portion that connects the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions while avoiding the beam path. An inner coil that generates a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A pair of body portions outside the inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more first outer coils for generating a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field, wherein the coil is a saddle-shaped coil having a set of crossing portions.
A pair of body portions outside the inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more saddle-shaped coils having a pair of crossing portions that are arranged to overlap the first outer coil in the Y direction and generate a sub-magnetic field that assists or corrects the main magnetic field A second outer coil of
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the inner coil, the first outer coil, and the second outer coil;
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
And the inner coil, the first outer coil and the second outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding the insulating sheet and the conductor sheet each having a principal surface along the Y direction a plurality of times, A laminated insulator is formed on the outer peripheral surface, and the outer peripheral surface is laminated by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction, and further laminated on the outer peripheral surface. In the fan-shaped cylindrical laminated coil formed, the notch portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
Each of the transition portions of the inner coil, the first outer coil, and the second outer coil is connected to the end portion of the main body portion in the direction along the Z direction substantially at right angles and substantially parallel to the Y direction. An analysis electromagnet having two elongated vertical portions and a lateral portion connected to both vertical portions substantially at right angles and extending substantially parallel to the XZ plane.
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の一方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、第2内側コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる第1内側コイルと、
前記ビーム経路を挟んでX方向において相対向しておりかつイオンビームのY方向の他方側のほぼ半分以上をカバーする一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1内側コイルと互いに重ねて配置されていて、前記第1内側コイルと協働して、イオンビームをX方向に曲げる主磁界を発生させる第2内側コイルと、
前記第1内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第1外側コイルと、
前記第2内側コイルの外側にあってビーム経路を挟んでX方向において相対向している一組の本体部および両本体部のZ方向に沿う方向における端部同士間をビーム経路を避けて接続している一組の渡り部を有している鞍型のコイルであって、Y方向において前記第1外側コイルと重ねて配置されていて前記主磁界の補助または補正を行う副磁界を発生させる1以上の第2外側コイルと、
前記第1内側コイル、第2内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの本体部の外側を一括して囲んでいるヨークとを備えており、
前記ヨークを構成する上部ヨークを着脱可能にしており、
かつ前記第1内側コイルおよび第1外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記第2内側コイルおよび第2外側コイルは、積層絶縁体の外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、その外周面に積層絶縁体を形成し、その外周面に、主面がY方向に沿う絶縁シートおよび導体シートを互いに重ね合わせたものを複数回巻いて積層し、更にその外周面に積層絶縁体を形成した扇型筒状の積層コイルに、前記本体部および渡り部を残して切欠き部を設けた構成をしており、
前記第1内側コイル、第2内側コイル、第1外側コイルおよび第2外側コイルの各渡り部は、それぞれ、前記本体部のZ方向に沿う方向における端部に実質的に直角につながっていてY方向に実質的に平行に伸びた二つの縦部と、両縦部に実質的に直角につながっていてXZ平面に実質的に平行に伸びた横部とを有している、分析電磁石。 If the traveling direction of the ion beam is the Z direction, and two directions substantially orthogonal to each other in the plane substantially orthogonal to the Z direction are the X direction and the Y direction, the dimension in the Y direction is larger than the dimension in the X direction. An analysis electromagnet that receives a ribbon-shaped ion beam, generates a magnetic field along the Y direction in a beam path that is a path of the ion beam, and bends the ion beam in the X direction.
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of one side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of crossing portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and generates a main magnetic field for bending the ion beam in the X direction in cooperation with the second inner coil. A first inner coil;
A pair of main body portions that are opposed to each other in the X direction across the beam path and cover approximately half or more of the other side of the ion beam in the Y direction, and between the end portions in the direction along the Z direction of both main body portions A saddle-shaped coil having a pair of connecting portions that are connected to each other while avoiding the beam path, and is arranged so as to overlap with the first inner coil in the Y direction. In cooperation with the second inner coil for generating a main magnetic field that bends the ion beam in the X direction;
A pair of main body portions outside the first inner coil and facing each other in the X direction across the beam path and the ends of the two main body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. One or more first outer coils for generating a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field, wherein the coil is a saddle-shaped coil having a pair of crossing portions
A pair of main body portions outside the second inner coil and facing each other in the X direction across the beam path, and the ends of the two main body portions in the direction along the Z direction are connected to each other while avoiding the beam path. A saddle-shaped coil having a pair of crossing portions that are arranged to overlap the first outer coil in the Y direction and generate a sub-magnetic field for assisting or correcting the main magnetic field One or more second outer coils;
A yoke that collectively surrounds the outside of the main body of the first inner coil, the second inner coil, the first outer coil, and the second outer coil;
The upper yoke constituting the yoke is made removable.
In addition, the first inner coil and the first outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers in which an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are along the Y direction are overlapped with each other. A laminated insulator is formed on the outer circumferential surface of the laminated insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction. The laminated sheet is wound by multiple turns and further laminated on the outer circumferential surface. The fan-shaped cylindrical laminated coil has a configuration in which a cutout portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
The second inner coil and the second outer coil are laminated on the outer peripheral surface of the laminated insulator by winding a plurality of layers of an insulating sheet and a conductor sheet whose main surface is along the Y direction. A fan in which a laminated insulator is formed, and on the outer peripheral surface thereof, an insulating sheet and a conductor sheet whose main surfaces are aligned in the Y direction are wound and laminated several times, and further, a laminated insulator is formed on the outer peripheral surface. The cylindrical tube-shaped laminated coil has a configuration in which a notch portion is provided leaving the main body portion and the transition portion,
Each transition part of the first inner coil, the second inner coil, the first outer coil, and the second outer coil is connected to an end portion in the direction along the Z direction of the main body part at a substantially right angle. An analysis electromagnet having two longitudinal portions extending substantially parallel to a direction and a lateral portion connected substantially perpendicular to both longitudinal portions and extending substantially parallel to the XZ plane.
Y方向の寸法が前記基板のY方向の寸法よりも大きい前記リボン状のイオンビームを発生させるイオン源と、
前記イオン源からのイオンビームを曲げる請求項1ないし12のいずれかに記載の分析電磁石と、
前記分析電磁石を通過したイオンビームを前記基板に入射させる注入位置で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させる基板駆動装置とを備えているイオン注入装置。 An ion implantation apparatus for performing ion implantation by irradiating a substrate with an ion beam,
An ion source for generating the ribbon-like ion beam having a dimension in the Y direction larger than a dimension in the Y direction of the substrate;
The analysis electromagnet according to any one of claims 1 to 12 , wherein an ion beam from the ion source is bent;
An ion implantation apparatus comprising: a substrate driving device configured to move the substrate in a direction intersecting a main surface of the ion beam at an implantation position where the ion beam having passed through the analysis electromagnet is incident on the substrate.
Y方向に走査された電子を発生させる走査形電子源と、
前記走査形電子源からの電子が入射され、かつガスが導入され、当該電子による衝撃によって当該ガスを電離させてプラズマを生成させる容器であって、Y方向に沿って伸びたイオン引出しスリットを有するプラズマ生成容器と、
前記プラズマ生成容器の外側に設けられていて、1枚以上の電極から成り、プラズマ生成容器のイオン引出しスリットを通して前記プラズマから前記リボン状のイオンビームを引き出す引出し電極系とを備えている請求項14記載のイオン注入装置。 The ion source is
A scanning electron source for generating electrons scanned in the Y direction;
A container in which electrons from the scanning electron source are incident, gas is introduced, and the gas is ionized by impact of the electrons to generate plasma, and has an ion extraction slit extending along the Y direction. A plasma generation vessel;
Wherein provided on the outside of the plasma production chamber consists of more than one electrode, the plasma generating container according to claim from the plasma through the ion extraction slit and a lead-out electrode system to draw the ribbon ion beam 14 The ion implantation apparatus as described.
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