JP4332329B2 - 中空糸膜モジュールの製造装置並びに製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールの製造装置並びに製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体又は気体の濾過や分離処理等に用いられる中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
膜モジュールは、近年、工業分野、医療分野、食品分野等における液体や気体の濾過或いは分離等に多用されており、特に工業分野においては、溶剤濾過、液体中の気体分離、パーベーパレーション等の機能を備えた膜モジュールが要求されている。
【0003】
このような分野に用いられる膜モジュールとしては、従来、平膜を用いた膜モジュールが一般的であったが、最近では、膜モジュール容積あたりの膜面積が平膜よりも多くなる中空糸膜を用いた膜モジュール、すなわち、モジュールケース内に中空糸膜を配置し、このモジュールケースと中空糸膜相互とを、ポッティング用樹脂によって液密或いは気密に接合固定するポッティング部を形成して構成される中空糸膜モジュールが利用されている。
【0004】
ところで、中空糸膜モジュールを用いる濾過或いは分離は、一次側から二次側への圧力がかかる条件下で実施されるものであるために、モジュールケースと中空糸膜相互との間に高い封止性及び接着性が要求されており、前記ポッティング用樹脂として、従来、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられている。
【0005】
ここで、この中空糸膜モジュールをポッティング材によりポッティングする際、前述の如く高い封止性を実現させるため、ポッティング樹脂の中空糸膜束間への含浸が良好となるように、中空糸膜モジュールを遠心機に配置し、これを回転させることにより中空糸膜モジュールに遠心力を付加する方法が一般的であった。
【0006】
従来から用いられてきたエポキシ樹脂やウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を遠心方式でポッティングする場合、室温における熱硬化性樹脂の粘度については、通常、中空糸膜間への含浸不良を起こさない範囲を選択するため、基本的に含浸不良が起こることは極く稀れであり、得られる中空糸膜モジュールに封止性や接着性に関する問題の生ずることは概ね無い。すなわち、これら熱硬化性樹脂を用いた中空糸膜モジュールにあっては、温度精度を高精度に保つような制御を行うことは中空糸膜モジュールの品質管理面で好ましいことであるにも関わらず、遠心ポッティング方式における許容温度範囲が比較的広いため、その制御の必要性は高くなく、従ってその制御を行う手段を備えた遠心式製造装置は未だ提案されていないのが現状である。
【0007】
ところで、これらポッティング樹脂に熱硬化性樹脂を用いた中空糸膜モジュールをパーベーパレーションや溶剤濾過、溶剤処理等に利用すると、溶剤や薬液によっては前記ポッティング用樹脂が膨潤、溶出してクラック等が発生し、これに伴って接着性の低下、リークの発生、処理物の純度低下等の問題を生じる。
【0008】
前記エポキシ樹脂やウレタン樹脂等のポッティング用樹脂による欠点を改善する目的で、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂をポッティング用樹脂として使用し、該ポッティング用樹脂の溶融物をポッティング加工部の中空糸膜相互の間に侵入させ、これを冷却固化してポッティング部を形成することによって中空糸膜モジュールを得る方法が提案されている。
【0009】
例えば、特開平1−293105号公報によれば、中空糸膜端部の内面に、炭酸カルシウム、または炭酸カルシウムに焼き石膏を予め充填することにより中空糸膜端部を目止めし、次に、熱可塑性樹脂からなるポッティング樹脂を中空糸膜間に充填させ、中空糸膜を構成する樹脂の融点の50〜150%に加熱し、中空糸膜束の外周を熱収縮テープにより締め付けながらポッティングを行った後、薬液を用いて目止め材を除去する方法にあって、前述のポッティング樹脂の加熱手段として中空糸膜モジュールを部分的に加熱可能とする炉を用い、その温度範囲を、中空糸膜を構成する樹脂の融点より10〜100℃高い温度に設定し、より望ましくは融点より20〜50℃高い温度に設定することが提案されている。このような部分的加熱とその温度設定により、静置状態においてポッティング樹脂の中空糸膜間への含浸を行うことができるとしている。
【0010】
しかしながら、この製造装置によれば、加熱温度の範囲に90℃の温度差があり、好ましいとする場合にも30℃の温度差を許容するという、いまだに広い温度範囲に設定されており、これら温度範囲内における中空糸膜の収縮や溶融の度合いは一定ではない。また更には、この製造装置においては静置状態でのポッティング加工により、ポッティング樹脂の中空糸膜間への含浸が良好ではない場合があり、得られる中空糸膜モジュールの品質も一定ではなかった。
【0011】
また、例えば特開平8−266872号公報には、熱可塑性樹脂粉末をポッティング用樹脂として用いるポッティング方法において、予めばらばらにしておいた中空糸膜間にポッティング樹脂を侵入させた後、静置状態でヒータブロックを用いてポッティング樹脂が溶融する温度下におき、次いで中空糸膜束をモジュールケースに引き込み、さらにその冷却時に遠心をかけ、冷却固化収縮時に発生するボイドを無くす製造方法が開示されている。この公報に用いられる製造装置の構成部材であるヒータブロックについては、ポッティング樹脂の溶融加熱温度の制御に関する記載は全くなく、その温度制御に対して何ら着目されておらず、用いるポッティング樹脂を溶融することのみが記載されているに過ぎない。
【0012】
しかしながら、この製造装置にあっては、格別に温度制御をしないかぎりヒータブロックの温度は通常大きく振れる場合があり、溶融したポッティング樹脂の粘度もその温度に伴って変動するため、得られる中空糸膜モジュールのポッティング樹脂含浸性や接着性等の品質は安定しない。また、この製造装置においては静置でのポッティングにより、ポッティング樹脂の中空糸膜間への含浸が良好に行われない場合があり、得られる中空糸膜モジュールの品質が一定ではなかった。また、この公報に用いられる製造装置にあって、遠心機の使用に関しても、特に加温やその温度制御をする意図はなく、単に遠心冷却を行うものであるとの記載がなされているに過ぎない。
【0013】
しかして、この公報に開示された製造装置においては、延伸と冷却とを同時に行うことによりポッティング樹脂の粘度が急激に上昇し、前述したポッティング樹脂の中空糸膜間への未含浸を回避するには至らず、結果として、得られる中空糸膜モジュールの品質を向上させることはできなかった。
【0014】
また、例えば特開昭64−47409号公報では、中空糸膜よりも低い融点のポッティング樹脂をもって中空糸膜の端部が固定されている中空糸膜モジュールに関する記載がなされており、ポッティング樹脂の溶融や中空糸膜間への溶着固定に関しては、各種のヒータやオーブン、超音波溶着器などで加熱するとともに、これに所要の加圧下や減圧下を組み合わせて行われるものである。一方、その凡例には、振動や遠心をかけて溶着固定を実施することも可能であると記載され、具体的な製造装置としては、電気炉を用いて、真空条件下で加熱を行うか、更には加熱を行う際にバイブレータを用いてパウダ状のポッティング樹脂を中空糸膜間に充填させる記載がある。
【0015】
しかしながら、この製造装置の構成部材である電気炉について見ると、加熱温度を制御する点に関する記載はなく、一般的に電気炉を高温で用いた場合、設定温度を上回る温度となったりする場合があり、溶融したポッティング樹脂の粘度もその温度に伴って変動するため、得られる中空糸膜モジュールのポッティング樹脂含浸性や接着性等の品質が安定しない。また、この製造装置においては、真空状態であっても、静置状態におけるポッティング加工により、ポッティング樹脂の中空糸膜間への含浸が良好でない場合があり、得られる中空糸膜モジュールの品質も一定ではなかった。
【0016】
また、この公報に用いられる製造装置において、バイブレータと真空源とを併用した場合についても、ポッティング樹脂の粘度が不均一であることから、ポッティング樹脂の中空糸膜間への含浸を均一に行うには至らず、結果として、得られる中空糸膜モジュールの品質を安定化させることはできなかった。
【0017】
更に、例えば特開平4−63117号公報並びに特開平8−318139号公報でも、ポッティング樹脂として熱可塑性樹脂粉末を使っており、同樹脂粉末の高濃度懸濁液を調製してから、該高濃度懸濁液を中空糸膜束のポッティング加工部に含浸させ、ポッティング樹脂の融点以上で、かつ中空糸膜を構成する樹脂の融点以下で加熱し、徐冷固化させる製造方法が開示されている。その具体的な製造方法としては、110〜120℃に加熱したオーブンを用い、ポリプロピレン製中空糸膜間にポリエチレン製ポッティング樹脂を静置状態で含浸させる方法が記載されている。しかしながら、この製造方法によれば、一般的なオーブンの温度制御範囲である110〜120℃の間に温度斑が存在し、そのためポッティング樹脂の粘度が異なり、静置状態ではポッティング樹脂の含浸不良を回避することは困難であった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の問題点を解決すべくなされたものであり、使用する中空糸膜の特性を損なうことなく、しかもポッティング用樹脂によって、モジュールケースと中空糸膜相互とを高度に液密或いは気密に接着固定された中空糸膜モジュールの製造装置と、その製造方法とを提供すること目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
前記課題は、以下に記載する構成を備えた本発明の中空糸膜モジュールの製造装置と同中空糸膜モジュールの製造方法によって効果的に解決することができる。
【0020】
すなわち本発明装置の基本構成は、遠心力を利用して、ポッティング用樹脂を用いて、モジュールケース内に収納された中空糸膜の少なくとも一端とモジュールケースとを接着固定する中空糸膜モジュールの遠心式製造装置において、中空糸膜の端部とモジュールケースとを接着固定するポッティング加工部が固定される固定用治具を有し、同固定用治具が、加熱手段、並びに温度検知手段を具備し、温度検出手段にて検出された該固定用治具の温度と、予め設定した該固定用治具の設定温度との差を算出し、その算出値の大きさに基づき前記加熱手段の加熱能力を制御する制御手段を備えていることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造装置にある。前記設定温度に対する、前記制御手段の温度精度範囲は±4℃であるのが好ましい。より好ましくは±2℃である。
【0021】
前記ポッティング加工部に付加される遠心力が、重力の10〜100倍の範囲であることが好ましい。また、前記ポッティング加工部を配する固定用治具には、加熱手段及び温度検知手段を固定用治具に対して密着状態で担持させることが好ましい。そして、該加熱手段が電気式ヒータであれば制御がしやすいため望ましい。
【0022】
また、前記固定用治具に流体を封入しておくことが望ましく、更に前記固定用治具の回転数を制御する手段と、該固定用治具の温度を検出し、かつ、その検出情報に基づき、該加熱手段の出力を制御する出力制御手段を有することが望ましい。前記固定用治具は少なくとも2個以上のブロックから構成され、各ブロックをそれぞれ異なった温度となるように制御する温度制御手段を有していることが材質に応じた加熱ができるため好ましい。
【0023】
また、遠心力を付加した状態でポッティング加工する際、ポッティング加工部の環境を、500hPa以下の減圧雰囲気下となす減圧機構を有する中空糸膜モジュールの製造装置を用いることが好ましい。更には、前述の遠心式製造装置が、前述のポッティング加工部の環境を、350hPa以下の減圧雰囲気下となす減圧機構を有することがより好ましい。このように遠心力の付加と同時にポッティング加工部の環境を減圧状態とし、ポッティング樹脂が中空糸膜間に十分に行き渡った後に常圧に戻すと、大気圧によりポッティング樹脂内部に介在する気泡が大幅に減容され、気泡が連通することによるリークの発生が確実に低減する。
【0024】
前述のポッティング用樹脂が熱可塑性樹脂である場合に、ポッティング用樹脂の分散性を向上させるには該ポッティング用樹脂が熱可塑性樹脂微粒子からなることが好ましく、該熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物をポッティング加工部に充填する。前記ポッティング用樹脂がポリオレフィン系樹脂あるいはポリエチレン樹脂であることが好ましい。
【0025】
一方、前述の中空糸膜を構成する樹脂も熱可塑性樹脂であることが好ましく、この場合にはポッティング用樹脂と同様に、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリエチレン樹脂であることが望ましい。
また、前記中空糸膜のモジュールケース容積に対する充填率を20%以上60%以下とすることが好ましい。
【0026】
本発明の中空糸膜モジュールにおいて用いられる中空糸膜は種々のものが使用でき、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系、ポリスルフォン系,PVDFやPTFE等のフッ素系など、各種材科からなる中空糸膜が使用できる。中でも、該中空糸膜を得るときの製膜の安定性、耐薬品性、一般的な分離性能や処理性能等の点から、熱可塑性樹脂製の中空糸膜を使用する。中空糸膜モジュールを得るための加工時に要求される中空糸膜の柔軟性、強度、素材の耐薬品性、低コスト性等の点から、特にテトラフロロエチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂による中空糸膜が好ましく、中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等による中空糸膜が好適である。
【0027】
なお、中空糸膜は、通常の濾過に用いるような多孔質膜であっても、或いはガス分離等に用いるような非多孔の均質膜であってもよい。また、膜の構造は、均一な内部構造を有する膜であっても、或いは多孔質層と均質層との両方を具備する複合膜であってもよい。
【0028】
中空糸膜を収納するモジュールケースとしては、金属製や樹脂製のケースが使用されるが、モジュールケース自体の加工性や価格等の点から樹脂製であることが好ましく、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリアセタール系樹脂等によるケースが好適である。
【0029】
なお、特に溶剤濾過や溶剤からのガス分離、パーベーパレーション等の用途に供される中空糸膜モジュールとするときには、該中空糸膜モジュールに耐溶剤性や低溶出性が要求されるために、ポッティング用樹脂との接着性等をも考慮すると、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂製のモジュールケースであることが好ましい。
【0030】
また、中空糸膜モジュールには、モジュール内への被処理流体の導入、及びモジュール内からの処理流体の排出のために、キャップや入口、出口等が取り付けられる。このときのキャップの素材は特に制限されるものではないが、モジュールケースへの取り付け易さや、中空糸膜モジュールの用途等を考慮して、モジュールケースの素材に応じた素材によるキャップを選択するのがよく、接着、溶着、螺着等任意の方法で取り付ければよい。
【0031】
モジュールケース内に収納してある熱可塑性樹脂製の中空糸膜の片端或いは両端をモジュールケースに接着固定するためのポッティング用樹脂として、熱可塑性樹脂のほかに熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0032】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができ、適宜選定することが可能である。また、ポッティングされる固化前の熱硬化性樹脂の粘度としては、特に限定はされないが、遠心力や樹脂温度の影響を受けにくく、結果として中空糸膜間への樹脂含浸性が良好であり、同時に、例えば中空糸膜内部への浸透により中空糸膜内部の閉塞を起こしにくい粘度範囲として、50〜5000mPa・sで使用することが好ましく、200〜3000mPa・sでの使用がより好ましい。
【0033】
一方、ポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂には、シリコーン系充填剤や各種ホットメルト樹脂を用いることが可能であり、各種溶剤や薬品への耐久性や機械的な強度等の点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂の中でも、ポッティング加工時の取り扱い性、薬液への溶出の低さ等の点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が好ましい。
【0034】
ポッティング用樹脂として使用する熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10000より小さいと、得られる中空糸膜モジュールのポッティング部の機械的強度や靭性が不十分になり、長期間の使用に耐え得る耐久性や耐衝撃性等が得られなくなる。このために、重量平均分子量が10000以上の熱可塑性樹脂をポッティング用樹脂として使用することが好ましい。
【0035】
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法において、ポッティング用樹脂による中空糸膜の端部相互及びモジュールケースとの接着固定は、次のようにして行なわれる。例えば、複数本の中空糸膜を綛取りして中空糸膜集束体となし、この中空糸膜集束体の少なくとも一方の端部を揃え、適宜接着剤や熱融着によって該集束体端部、及び中空糸膜開口部があるときには、その開口部の閉塞をも含めて、仮固定しても良い。
【0036】
または、1本或いは複数本の中空糸膜が所定の長さで折り返され、その折り返されたループ状をなす隣接する端部の相互を糸条で拘束したシート状の中空糸膜編織物を、中空糸膜の配列方向と平行に渦巻状に巻き束ねて、つまりシート状の中空糸膜編織物を中空糸膜の配列方向と平行に簾巻き状に巻き束ねて、中空糸膜集束体にする。このようにシート状の中空糸膜編織物からなる中空糸膜を利用することにより、モジュールケース内にて均一に中空糸膜を配置することができるだけでなく、端部を揃えるための工程や開口部閉塞を目的とした仮固定工程等が不要になる。
【0037】
ポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂をポッティング加工部に充填する操作は、中空糸膜を集束させて中空糸膜束にするのと同時であっても、或いは中空糸膜束を形成した後であってもよく、ポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂を、ポッティング加工部における中空糸膜束の外表面及び中空糸膜間に、均一に充填させればよい。
【0038】
ポッティング加工部に前記ポッティング用樹脂を充填した後には、そのまま加熱及び遠心力の付加を行なってもよいが、この加熱及び遠心力の付加に先立って、ポッティング加工部に熱可塑性樹脂と共に充填されている液体の一部を脱液することにより、効果的なポッティング加工を行なうことができる。つまり、ポッティング加工部に熱可塑性樹脂と共に充填されている液体の一部を予め脱液しておくことにより、加熱及び遠心力の付加工程で蒸発させる液体を最小限に抑えることができるためにエネルギー効率が向上し、液体が蒸発する時間を短縮させることができ、これによって生産性の向上を図ることが可能になるため好ましい。
【0039】
続いて、ポッティング加工部における中空糸膜間にポッティング用樹脂が均一に充填された中空糸膜束をモジュールケースに収納した後、加熱しながら該モジュールケースを回転させてポッティング加工部に遠心力を付加するポッティング加工を行う。
【0040】
かくして、ポッティング加工部に充填してあるポッティング用樹脂に遠心力を付加して、ポッティング用樹脂を中空糸膜相互間に均一に十分に行き渡らせた後、遠心力の付加を止めて冷却することにより、ポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂を固化させる。遠心力の付加を止めた後の冷却の方法は任意であり、急速冷却であっても、或いは徐冷であってもよい。
【0041】
続いて、ポッティング用樹脂の冷却固化後、ポッティング加工した部分の中空糸膜の端面を常法によってカットして開口端面を形成し、目的とするポッティング部を得る。
【0042】
モジュールケース内のポッティング加工部における中空糸膜の充填率は特に制限されるものではないが、モジュール1本あたりの処理性能、モジュール内での中空糸膜の分散の均一性、ポッティング用樹脂の加熱、冷却による体積収縮による内部応力の緩和等を考慮すると、充填率20%以上が好ましく、又ポッティング用樹脂の中空糸膜間相互への均一な侵入を考慮すると、充填率60%以下が好ましい。
【0043】
これら中空糸膜モジュールは、ポッティング樹脂の中空糸膜間への良好な含浸性が実現されることから、遠心式製造装置によって製造される。
【0044】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施形態である中空糸膜モジュールの遠心式製造装置について、図を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の遠心製造装置と、同装置を使って中空糸膜モジュールの中空糸膜長手方向の片端部をポッティング加工するときの操作状態とを概要で示す加工説明図である。
図2は、同じく本発明の遠心製造装置と、同装置を使って中空糸膜モジュールの中空糸膜長手方向の両端部をポッティング加工するときの操作状態とを概要で示す加工説明図である。
【0045】
本発明の遠心式製造装置10は、遠心機11と温度制御部12と回転制御部13とを有している。遠心機11には、前記回転制御部13からの指令を受けて、その駆動回転速度が制御される回転駆動部14と、同回転駆動部14の出力軸に連動して回転する垂直回転軸15と、同回転軸15から水平に延設されたシャフト16とを有し、同水平シャフト16の先端部に、多数本の中空糸膜1が充填された中空糸膜モジュール2のポッティング加工部3を固定支持する固定用治具4が固設される。
【0046】
前記固定用治具4は内部には、例えば電熱ヒータなどの加熱手段7と測温抵抗体などの温度検知手段8が埋設され、温度検出手段8にて検出された固定用治具4の検出温度信号が温度制御部12に送られる。この温度制御部12には固定用治具4の好適な温度が予め設定されており、前記検出温度信号で送られてくる実温度と設定温度との差異を図示せぬ演算部で算出し、その算出値の大きさが予め設定された値の範囲に沿うように上記加熱手段7の出力を制御する。本発明では、前記算出値の大きさを固定用治具4の設定温度に対して±4℃以内の範囲として、固定用治具4の温度制御を行うのが好ましい
【0047】
ポッティング加工部3を固定支持する固定用治具4は、主にポッティング加工部3を包み込むような形状であり、通常、有底円筒体からなることが多いがこれに限定されるものではない。また、ポッティング加工部3における中空糸膜1の長手方向の深さに関しても特に限定されるものではないが、加熱された状態のポッティング用樹脂がポッティング加工部3の中空糸膜1間に充填されたときの、中空糸膜長手方向の長さと等しいか、その長さより若干長くすると、ポッティング加工部3以外の中空糸膜1に対する加熱による影響を最小限とするため好ましい。即ち、使用した中空糸膜1の耐熱性が低く、加熱によって収縮、溶融、性能低下等を引き起こすようなときには、ポッティング加工部3だけを局部的に加熱すると共に遠心力を付加することが好ましい。
【0048】
このような形状の固定用治具4は、その断面図である図3に示すような一体構造でも構わないが、例えば、その断面図である図4に示すような、ポッティング加工部3の周囲と接する側壁部4aと、ポッティング加工部3の断面方向に接する底部4bとに分割された構造とすることも好ましい。なぜなら、側壁部14はモジュールケース5を介してポッティング加工部3に位置するポッティング樹脂に熱影響を及ぼすのに対し、ポッティング加工部3の断面方向にモジュールケースがない場合、底部4bはポッティング樹脂に直接の熱影響を及ぼすため、用いるモジュールケース5の材質や寸法によっては、側壁部4aと底部4bとの材質や構造を異なるものとし、各々に加熱手段7と温度検出手段8を直接担持させ、温度の制御部11も独立させると、種々の中空糸膜モジュールに対応した製造条件を設定可能とすることから好ましい。また、これら分割された構造については、2分割に限定されるものではなく、側壁部4aや底部4bを更に分割して各々の温度を制御することも好ましい。
【0049】
また、本発明の製造装置を構成するような直接の伝熱による製造方法と比較して、空気層を介して加熱するような間接加熱を行った場合、伝熱の効率は自ずと低下し生産効率が格段に劣るため、ポッティング加工部3を固定用治具4を介して支持することが重要である。固定用治具4は、支持するポッティング加工部3に部分的な温度斑を生じさせない面からも、極力、ポッティング加工部3と固定用治具4の間隙がを生じさせない密着状態にすることが好ましく、この実現のために、例えばポッティング加工部3の種類や形状に応じて固定用治具4を適用することは好ましい。
【0050】
固定用治具4の材質は特に限定されるものではないが、固定用治具4は加熱手段7を具備し、その熱量をポッティング加工部3に伝熱させる機能を有するため、該固定用治具4の材質は、例えば金属のような高伝熱性の材質を用いることが好ましく、その中でもアルミニウム製であることが更に好ましい。
【0051】
固定用治具4は加熱手段7を具備していることが必要である。すなわち、加熱手段7については、固定用治具4は、少なくともポッティング加工部3を加熱する性能が要求されるものではあるが、例えば遠赤外線加熱のように、固定用治具4自体が加熱手段を担持せず外部から加熱するような場合、空気層が伝熱抵抗となり十分な加熱が与えられなくなる恐れがあるばかりでなく、遠心式製造装置10においては回転による風速の発生により、固定用治具4のポッティング加工部3と接しない外面が冷却され、結果として得られる温度が設定温度と大きく異なり、更に、回転数を変更した時に得られる固定用治具4の温度が変化する上、同時に、固定用治具4の部分的な温度斑の原因となり、結果として良好な中空糸膜モジュールを得ることができなくなったり、生産歩留まりが低下するなどの恐れが発生し、これを回避することは大変困難であるからである。
【0052】
これら空気を介することのない加熱手段7については、その方法が限定されるものではなく、例えば電気ヒータや熱媒通液、誘導加熱等の公知の方法を用いることが可能であるが、図1に示すように、本発明の製造装置にあっては固定用治具4がシャフト15を介して回転軸16を中心に回転するため、加熱方法に熱媒を用いる場合、その供給配管の施工やシール性の問題を解決することが容易でない。また、誘導加熱方式を用いることは、先に述べたような、回転軸16周辺の配線施工等が不要になる面から好ましいが、一方では、回転速度を変化させた場合、それに伴って供給エネルギも制御させる必要があり、制御面で複雑になる場合がある。これらを踏まえたとき、加熱手段7に電気式ヒータを用いることは、加熱手段用ケーブル9aや温度検出手段用ケーブル9bの施工面でも回転軸16周辺部にスリップリング等の公知の技術を用いることで施工可能であり、該ヒータ自体の価格も安価であるうえ、固定用治具4の回転数の影響を受けることがないため好ましい。
【0053】
ポッティング加工を行なうときの加熱に関しては、ポッティング加工部3が、加熱手段7が密着した固定用治具4に配置され加熱されることが好ましい。すなわち、ポッティング加工部3においては、加熱手段7により固定用治具4を介してポッティング樹脂が溶融軟化するのに十分な熱量が必要であると共に、均一に加熱されることが重要である。そのためには、加熱手段7に対し、固定用治具4を介しポッティング加工部3までの間に、直接伝熱を行うことが好ましく、また加熱手段7により加熱される固定用治具4の温度を十分管理することにより、ポッティング加工部3の温度管理が可能になることから、固定用治具4と加熱手段7を密着させるとともに、該固定用治具4にポッティング加工部3を密着支持させることが好ましい。一方、固定用治具4の温度管理を行うための温度検出手段8についても、加熱手段7と同様に固定用治具4に密着させることで、正確な温度検出が可能となるため好ましい。
【0054】
固定用治具4は温度検出手段8を具備していることが必要である。なぜなら、本発明の製造装置においては、ポッティング加工部3が固定用治具4に支持されるが、本発明の主要な目的の一つはポッティング加工部3の温度を検出し制御することにある。しかるに、ポッティング加工部3の内部温度を直接計測することは、中空糸膜モジュール2の欠陥につながるため事実上困難であることから、ポッティング加工部3の極力近傍の温度を検出することが重要であるため、固定用治具4に温度検出手段8を具備させている。
【0055】
温度検出手段8について、その種類は特に限定されるものではなく、測温抵抗体や熱電対等の公知の検出手段を用いることが可能であるが、検出される温度精度や検出再現性の面から測温抵抗体を用いることが最も好ましく、応答性やコストパフォーマンスの面からは熱電対を用いることが好ましい。
【0056】
これら温度検出手段8の固定用治具4に対する取り付け位置は、前述した通りポッティング加工部3の温度を極力正確に検出するため、担持される加熱手段7とポッティング加工部3との間であることが好ましく、特にポッティング加工部3の近傍位置とすることが更に好ましい。
【0057】
本発明の遠心式製造装置10は、これら固定用治具4に装着された加熱手段7と温度検出手段8を用いて、温度制御部12により固定用治具4の加熱温度を制御する。固定用治具4の温度制御については、要求する設定温度データと、好ましくは昇温到達時間データを予め温度制御部12に入力しておき、その演算比較部において温度検出手段8から検出された温度データを該設定温度データと比較し、検出温度データの設定温度データに対する過不足を判断し、加熱手段7の運転の制御を行う。
【0058】
該制御の手法については特に限定されることはなく、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、検出温度データが設定温度データに対し不足しているときは、例えば、電気ヒータをONとし、逆に超過しているときはOFFとするような、一般的にON−OFF制御と呼ばれるような方法を用いることができる。これら制御方法のうち、特に固定用治具4の温度を、設定温度に対し±4℃とすることを可能にする方法としては、検出温度と設定温度の差異に特定の係数を掛け、その算出結果から電気ヒータに付加する電圧を制御する方法や、あるいは同様に、該算出結果から電気ヒータをONにする時間を制御する方法が挙げられる。これら方法はPID制御と呼ばれ、固定用治具の温度を精度良く制御する面で重要である。
【0059】
固定用治具4の温度精度を、設定温度に対し±4℃とすることを可能にするこれらの制御について重要な点の一つは、前述した特定の係数の決定にあり、該係数は常に補正されることが好ましい。その補正方法については、係数を適当に定め、固定用治具4の温度精度を計測しながら徐々に係数を変化させるような手入力による方法があるが、固定用治具4の温度精度を温度制御部12に取り込み、該係数を自動的に補正する方法を採用すれば、該温度精度がより高くなるため好ましい方法である。
【0060】
また、設定温度に対し±4℃とすることを可能にする。これらの制御についてのその他の重要な点としては、温度検出部にて検出される温度データの、単位時間当たりに読み取る読取り回数、即ちサンプル回数である。このサンプル回数が少ないと、検出された温度データを反映した加熱手段の運転を行う際に、次のサンプル検出までに固定用治具4の温度変化してしまった場合に、適正に加熱手段を運転することが困難になり、結果として固定用治具4の温度精度を悪化させることになる。従って、サンプル回数を十分に多くとり、より厳密な検出温度データに基づく加熱手段の作動をさせることが好ましく、温度検出を行う間隔は、1秒以下がよく、0.1秒以下が好ましく、0.01秒以下とすることがより好ましい。
【0061】
本発明の遠心式製造装置10においては、以上述べたように、これらの制御が可能な温度制御部12を備えることにより、設定温度に対する固定用治具4の温度を±4℃以内の範囲に制御できる。この温度範囲については、中空糸膜モジュールに用いられるポッティング樹脂の種類によって要求される温度範囲が異り、特定温度条件下で比較的低い粘度のポッティング樹脂を用いた場合は、要求される温度範囲が比較的広範囲であっても得られる中空糸膜モジュールの品質を概ね良好に、かつ安定的に製造することが可能である。
【0062】
しかし、特定温度条件下で比較的高い粘度のポッティング樹脂を用いた場合は、中空糸膜1間への含浸性が良好ではなく、特に、高温で低粘度化するポッティング樹脂を用いた場合は、中空糸膜1が溶融軟化することによる潰れの不具合が発生しない範囲で、極力高温でポッティング樹脂を加熱することが中空糸膜モジュールの良好な品質を確保するために好ましく、僅かな温度の変動や狂いにより中空糸膜の溶融軟化が起こったり、あるいはポッティング樹脂含浸性に不良が発生することから、極めて微妙な熱バランスを保つことが重要であるため、要求される温度範囲は狭いことが必要である。
【0063】
従って、本発明の遠心式製造装置10を用い、設定温度に対し±4℃の範囲内で温度を制御することが極めて有効な手段となる。
また更には該温度範囲を±2℃以内とすることは、良好な品質の中空糸膜モジュールを得るためにより好ましい。
【0064】
以上述べたように、固定用治具4の材質や構造面で良好な熱伝達を行い、かつ加熱温度の制御を行うことにより、固定用治具4は設定温度に対し、良好な温度範囲とすることができるが、これら以外の方法を用いることも可能であり好ましい。例えば、固定用治具の内部に流動性が良好な気体や液体といった流体を封入することで、例えば、複数個の発熱ヒータの一部が断線等により加熱能力を損失し、固定用治具の一部が加熱されなくなった場合でも、固定用治具4に封入された流体が速やかに移動し、結果として固定用治具4の温度を均一にすることが可能である。
【0065】
一方で、先に述べた如く、粘度の高いポッティング樹脂を用いる場合、中空糸膜が溶融軟化しない範囲で加熱しても、中空糸膜1間へのポッティング樹脂の含浸が十分ではないことが多く発生し、従って、本発明の製造装置の機能の一つである遠心方式を採用することが重要である。
【0066】
遠心式製造装置10において、該ポッティング加工部3に重力の10〜100倍の遠心力を付加することが好ましい。すなわち、ポッティング加工部3に重力の10倍未満の遠心力を付加した場合は、前述した加工温度範囲に加熱された軟化状態のポッティング樹脂であっても、中空糸膜束が多数本の中空糸膜1から構成されている場合や中空糸膜1の充填率が高い場合には、ポッティング樹脂が中空糸膜束間に含浸することが困難となり、ポッティング加工部においてボイドやすを発生させる場合があり、一方、ポッティング加工部に重力の100倍を上回る重力を付加した場合は、重力による中空糸膜1の挫屈を発生させる恐れがあり、中空糸膜の分離性能や流体の透過性能の低下、或いは中空糸膜の損傷等の原因となる。このために、ポッティング加工を行なうときに付加する遠心力は、重力の10〜100倍にすることが好ましく、重力の20〜80倍にすることがより好ましい。
【0067】
本発明の遠心式製造装置10は、シャフト15を介し回転軸16を中心に回転し、既述したとおり、温度制御部12等を介して加熱手段7により加熱される固定用治具4を有する。すなわち、該装置は、固定用治具4に回転を与える回転駆動部14の回転数を制御する回転制御部13と、該固定用治具4の温度を検出し、かつ、その検出情報に基づき、該加熱手段7の出力を制御する温度制御部12を有し、回転制御部13は温度制御部12とは独立したものであることが好ましい。
【0068】
回転駆動部14は、例えばモータのように、回転軸16を回転させるものであり、各種回転制御方法により形式を選択することができる。また、回転駆動部14は、その回転数により、図面には記載せず省略するが、減速機などを介して回転軸16を回転させることは好ましい。前述した回転制御方法としては、一般的な方法であるインバータ制御を用いることが、コスト面や装置設計製作の簡便性から好ましい。
【0069】
本発明の遠心式製造装置10は、ポッティング樹脂を前述の遠心力を付加した状態でポッティングする場合に、図5あるいは図6に示すような、上述のポッティング加工部の環境を減圧雰囲気下となす減圧機構17を備えるようにしてもよい。このときのポッティング加工部の環境は、500hPa以下の減圧雰囲気下とすることが好ましい。すなわち、前述のポッティング用樹脂が多数本の中空糸膜間へ含浸する際、含浸効果をより高めるために、先に述べたごとく遠心力を作用させると同時に、減圧状態としておき、ポッティング樹脂が中空糸膜間に十分に行き渡った後に、ポッティング加工終了時に常圧に戻すことで、大気圧によりポッティング樹脂内部に介在する気泡が大幅に減容され、その結果として気泡が連通することに起因するリークを低減させる傾向が生じる。
【0070】
これら減圧機構17を有することは、前述のポッティング樹脂の粘度、あるいは、膜の充填率が高い場合に有効な手段となる。なお、図5には中空糸膜モジュールの片端部にポッティング加工部がある場合の低圧機構の一例を、図6には中空糸膜モジュールの両端部にポッティング加工部がある場合の低圧機構の一例を示している。これら低圧機構17については、例えばポッティング加工部を内包する状態で予め減圧しておいた密閉容器を設置しておく方法や、該密閉容器に減圧保持機能を担持させる方法、すなわち例えば小型の真空ポンプや、バネの力を利用したシリンダにより常に減圧容器17の内部を減圧保持状態とする方法を用いることができる。
【0071】
しかして、遠心ポッティング加工を行う際には、被遠心物は軽量であるほうが、遠心装置の振れや耐久性の面で好ましいことから、図示したごとく、減圧発生器19により作りだした減圧状態を、減圧配管18を通じて低圧機構17に反映させる方法を用いることが好ましい。この場合、遠心装置の回転運動中に減圧を行うために減圧配管18を接続する方法として、特に限定されるものではないが、ロータリージョイント(図示せず)等の公知の方法を用いることが好ましい。
【0072】
低圧機構17に用いられる密閉容器の材質については特に限定されるものではなく、樹脂材料や金属材料、FRP等の複合材料を用いることが可能であるが、遠心加熱ポッティング加工を行うことから、用いられる材料は軽量で、かつ断熱性能を有することが好ましく、樹脂材料や複合材料を用いることが好ましい。この場合、ポッティング加工に必要な温度に耐え得る材料を用いることが好ましいことは言うまでもない。
【0073】
また、低圧機構17に用いられる密閉容器の形状についても、特に限定されるものではなく円筒形や矩形、球形やその組み合わせを用いることが可能であり、内部を減圧環境化とするための必要な耐圧性能を有することが好ましい。また、該耐圧性能を発現可能とすべく、該密閉容器は必要な厚みを有することが好ましい。
【0074】
該密閉容器は、前述した通り、ポッティング加工部を減圧環境化となす形状であって、一体化された形状であっても良いし、例えばポッティング加工部を加熱する加熱機構と気密性を有するよう設置しても良い。気密性を有する方法としては、シール部材を用いることは好ましい方法である。
【0075】
本発明の遠心式製造装置10においては、低圧機構17によりポッティング加工部の環境を500hPa以下の減圧雰囲気下となした状態で、さらに前述したように該ポッティング加工部3に重力の10〜100倍の遠心力を付加することがより好ましい。すなわち、ポッティング加工部3に重力の10倍未満の遠心力を付加した場合は、ポッティング樹脂の粘度がやや高い場合、あるいは、中空糸膜束が多数本の中空糸膜1から構成されている場合や中空糸膜1の充填率が高い場合にも、該ポッティング加工部3に重力の10〜100倍の遠心力を付加するのみならず、ポッティング加工部の環境を前述の減圧雰囲気下となした場合は、ポッティング樹脂の中空糸膜束間への含浸に対し更に良好な結果をもたらす傾向にある。
【0076】
なお、ポッティング加工部3に重力の10倍未満の遠心力を付加した場合は、ポッティング加工部の環境を前述の減圧雰囲気下となした状態であっても、ポッティング樹脂の粘度、あるいは、中空糸膜束が多数本の中空糸膜1から構成されている場合や中空糸膜1の充填率が極めて高い場合には、ポッティング樹脂が中空糸膜束間に含浸することが困難となり、ポッティング加工部においてボイドや巣を発生させる場合があり、一方、ポッティング加工部に重力の100倍を上回る重力を付加した場合は、重力による中空糸膜1の挫屈を発生させる恐れがあり、中空糸膜の分離性能や流体の透過性能の低下、或いは中空糸膜の損傷等の原因となる傾向にある。このために、ポッティング加工を行なうときに付加する遠心力は、重力の10〜100倍にすることが好ましく、重力の20〜80倍にすることがより好ましい。
【0077】
本発明の遠心式製造装置10は、前述のポッティング樹脂に前述の遠心力を付加する機構を有し、また、前述のポッティング加工部の環境を500hPa以下の減圧雰囲気下とする低圧機構17を有し、更に、前述のポッティング加工部を担持する固定用治具4の温度を、設定温度に対し±4℃以内の制御する機構を有することが、含浸効果をより高め、得られる中空糸膜モジュールの生産歩留まりをより高めるために好ましい。
【0078】
すなわち、先に述べた如く、本発明の遠心式製造装置10においては、制御が可能な温度制御部12により、設定温度に対する固定用治具4の温度を±4℃以内の範囲に制御すると同時に、ポッティング加工部に遠心力を付与し、更にポッティング加工部の環境を減圧雰囲気下とすることで、要求される温度範囲の異なる前述のポッティング樹脂の種類に対しても、僅かな温度の変動や狂いを生ずることなく、更にポッティング樹脂含浸性の不良の発生を抑制することができ、得られる中空糸膜モジュールの生産歩留まりをより高める傾向にある。
【0079】
また、低圧機構17により達成されるポッティング加工部の減圧雰囲気としては、350hPa以下であることが更に好ましい。すなわち、このことは前述のポッティング樹脂内部に介在する気泡の減容に関して更に大きな効果がやすくなる傾向にあり、従って中空糸膜エレメントのリークの発生を大幅に低減すると同時に、前述した如く、ポッティング樹脂の粘度、あるいは、膜の充填率が高い場合に極めて有効な手段である。
【0080】
本発明の遠心式製造装置10においては、固定用治具4の温度が、設定温度に対し±4℃以内の範囲に制御することが可能であり、特に、ポッティング用樹脂に熱可塑性樹脂を用いた場合に、その効果を発揮することができる。すなわち、熱可塑性樹脂は、一般的に粘度が高いことから中空糸膜間への含浸性が良好ではなく、従って、中空糸膜が溶融軟化することによる潰れの不具合が発生しない範囲で、極力高温でポッティング用樹脂を加熱することが中空糸膜モジュールの良好な品質を確保するために好ましく、僅かな温度の変動や狂いにより中空糸膜の溶融軟化が起こったり、あるいはポッティング用樹脂の含浸性に不良が発生するため、要求される温度範囲は狭いことが必要であり、従って、本発明の遠心式製造装置10を用い、設定温度に対し±4℃の範囲内で温度を制御することが極めて有効な手段である。
【0081】
以上述べたように、本発明の遠心式製造装置10において、中空糸膜モジュール2のポッティング加工部3を直接加熱する固定用治具4と、この固定用治具4を加熱する加熱手段7、並びに温度を検出する温度検出手段8と、固定用治具4の温度精度を制御する温度制御部12と、シャフト15を介して回転軸16を中心に固定用治具4を回転させる回転駆動部14と、その回転制御部13とを、それぞれ個別に作動させ、それらの各構成部が相互関連して十分に性能を発現したとき、ポッティング加工部3の温度精度を設定温度に対し±4℃の範囲とすることが可能となり、用いるポッティング用樹脂のポッティング温度を中空糸膜1の構成樹脂の融点の近傍まで加熱することができ、先行技術で達成し得なかった中空糸膜モジュール2の鬆や中空糸膜の潰れなどの問題が解決される。
【0082】
熱可塑性のポッティング用樹脂は、これが加熱及び遠心力の付加によるポッティング加工を受ける前に、ポッティング加工部3に予め充填される。この充填方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、中空糸膜に予めフィルム状のポッティング樹脂を巻き付けておく方法や、繊維状物を巻き付けておく方法、あるいは、ペレットを中空糸膜間に配置する方法、粉体を中空糸膜間に配置する方法、また、粉体と液体を混ぜたペースト状物を配置する方法、予め溶融させたポッティング樹脂を中空糸膜間に導入する方法等が挙げられる。
【0083】
中でも、熱可塑性樹脂微粒子をポッティング用樹脂として使用し、該熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物をポッティング加工部3に充填するようにすることは、ポッティング用樹脂を中空糸膜相互の間隙に均一に侵入させ易くなるため好ましい。
【0084】
前記熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物は、熱可塑性樹脂微粒子が液体中に単に分散しているスラリー、熱可塑性樹脂微粒子が乳化剤や分散剤等によって均一に乳化しているエマルジョン、或いは熱可塑性樹脂微粒子に少量の液体を添加したペースト状等のいずれであっても差し支えない。
【0085】
熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物を調製するときの液体は特に限定されるものではないが、水、或いはアルコール類やエステル系溶媒等の有機系溶媒を利用することができる。熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物を調製するときの液体は、単一の液体であっても或いは混合液体でもよい。
【0086】
なお、熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物として、熱可塑性樹脂微粒子が液体中に単に分散しているスラリーを使用するときには、分散させる熱可塑性樹脂微粒子の密度に合わせた比重を有する液体を調整し、これを使用して混合物とすることができる。例えば、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂微粒子に対しては、水とメタノール或いはエタノールとの混合液体にすることによって分散させる熱可塑性樹脂微粒子の密度に合わせた比重を有する液体を調整し、該液体と熱可塑性樹脂微粒子との混合物を作成することが好ましい。
【0087】
熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物において、該混合物中の熱可塑性樹脂微粒子の濃度が10wt%よりも低くなると、ポッティング加工時に蒸発して消失する液体によって生じる体積の減少が大きくなるために、それだけ余分に中空糸膜間に前記混合物を塗布、含浸させなければならない。これはポッティング用樹脂で固定されていない中空糸膜の外表面の物性を損なうことに繋がる恐れがある。また、該混合物中の熱可塑性樹脂微粒子の濃度が95wt%よりも高くなると、熱可塑性樹脂微粒子同士の凝集が大きくなるために、前記混合物の均一な塗布が困難になる傾向にある。このために、熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物としては、熱可塑性樹脂微粒子濃度10〜95wt%の混合物を使用することが好ましい。
【0088】
更に、熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物は、該混合物中のポッティング用樹脂である熱可塑性樹脂微粒子を塗ることのできる柔らかさを具備し、かつ中空糸膜に塗布したときに、塗布された場所から流れ出し難くその場所に保持されているものであることが好ましい。このために、積極的な外力がないと流動することがなく、ビンガム流動を示す熱可塑性樹脂微粒子ペースト、つまり熱可塑性樹脂微粒子濃度40〜95wt%のペーストが好ましい。
【0089】
ポッティング加工部に充填されるポッティング用樹脂が液体との混合物でるときは、ポッティング加工によって該混合物中の液体が完全に除去されることが好ましい。すなわち、ポッティング加工によって得られたポッティング部に液体が残存していると、この残存液体に起因するポッティング加工部3の強度低下が生じたり、或いは残存液体が溶出したりして、モジュールの性能が低下することがある。従って、ポッティング加工部3にポッティング用樹脂と共に充填された液体は、ポッティング加工の際の加熱によって全て蒸発させることが好ましい。
ポッティング用樹脂として使用する熱可塑性樹脂微粒子の形状は、球状、矩形状、針状、楕円状等のいかなるものであっても使用可能である。
【0090】
更に、この熱可塑性樹脂微粒子は、そのサイズがあまりに小さいと、利用する中空糸膜によっては、該熱可塑性樹脂微粒子が膜に形成されている細孔を通り抜けて中空糸膜の中空内部を閉塞する恐れが出る。また大き過ぎると、中空糸膜間に保持された微粒子同士の間に隙間が生じ易く、この隙間を残してポッティング加工されてしまうと、得られるポッティング部にすが生じることがあり、リークの原因になる恐れがある。このために、例えば球状の熱可塑性樹脂微粒子としては、平均粒子径0.1〜5000μm程度のものが好適であり、また、その他の形状の熱可塑性樹脂微粒子としては、最も短い辺の平均径が0.01〜5000μmであって、最も長い辺の平均径が0.1〜5000μの範囲内にあるものが好ましい。
【0091】
従って、このポッティング用樹脂としての熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、前述した通り、シリコーン系充填剤や各種ホットメルト樹脂を用いることが可能であり、各種溶剤や薬品への耐久性や機械的な強度等の点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂の中でも、ポッティング加工時の取り扱い性、薬液への溶出の低さ等の点から、ポリエチレン樹脂が好ましい。
【0092】
本発明の遠心式製造装置10においては、固定用治具4の温度が、設定温度に対し±4℃以内の範囲に制御することが可能であり、特に、中空糸膜1を構成する樹脂に熱可塑性樹脂を用いる場合に、その効果を発揮することができる。また、該樹脂はポッティング樹脂と同種類のものを用いることが、中空糸膜モジュールの耐薬品性や強度等の物性が均一となるため好ましく、該遠心式製造装置10を用いることで、その中空糸膜モジュールにおける均一なポッティング加工が可能になる。
【0093】
従って中空糸膜1は、前述したように、該中空糸膜1を得るときの製膜の安定性、耐薬品性、一般的な分離性能や処理性能等の点から、熱可塑性樹脂製の中空糸膜を使用する。中空糸膜モジュールを得るための加工時に要求される中空糸膜の柔軟性、強度、素材の耐薬品性、低コスト性等の点から、特にポリオレフィン系樹脂による中空糸膜が好ましく、中でもポリエチレンによる中空糸膜が好適である。
【0094】
本発明の遠心式製造装置10を用いた中空糸膜モジュール2の製造について、中空糸膜を構成する樹脂、並びにポッティング用樹脂の双方にポリエチレン樹脂を用いて製造される中空糸膜モジュールは、強度、耐薬品性、低コストの面で良好である。このとき、ポッティング用樹脂の融点は、中空糸膜を構成する樹脂の融点より10℃以上低いことが好ましく、更に20℃以上低いことがより好ましい。この場合、ポッティング加工部を加熱する温度は、中空糸膜を構成する樹脂の融点近傍であることが、先に述べたように、ポッティング樹脂の粘度を低くさせ中空糸膜間への含浸を良好とすることが可能になる点から好ましい。
【0095】
具体的には、中空糸膜を構成する樹脂の融点より15℃低い温度以上の設定温度範囲内でポッティング加工部を加熱することが好ましく、9℃以上低い温度以上の設定温度範囲であることがより好ましく、7℃以上低い温度以上の設定温度範囲であることが更に好ましい。ただし加熱温度については、加熱手段の温度精度が必ず存在するので、中空糸膜を構成する樹脂の融点近傍にて加熱温度を設定した場合、該温度精度範囲の上限値となったときに、中空糸膜が溶融軟化し変形や潰れを生ずることがあり、従って、設定加熱温度は、加熱手段の温度精度を加味し中空糸膜の溶融軟化による潰れ等が発生しない範囲であることが好ましく、該遠心式製造装置10により、ポッティング樹脂の中空糸膜間への含浸が可能になる。
【0096】
このような点から従来技術によるポッティング加工では、数百本程度の中空糸膜を充填した中空糸膜モジュールの加工例が示されているが、モジュールケース内にそれ以上の本数の中空糸膜を充填すると、中空糸膜間相互間にポッティング用樹脂が均一に浸入しにくくなるために、得られる中空糸膜モジュールのポッティング部に「す」が形成される可能性が高くなる。これに対して、本発明の中空糸膜モジュールの遠心式製造装置10を用いた製造においては、ポッティング加工部に充填してあるポッティング用樹脂の加熱と共に、ポッティング加工部に遠心力を付加する機構を用いているので、中空糸膜相互間に強制的にポッティング用樹脂を侵入させることができ、これによって、モジュールケース内に多数本の中空糸膜が充填されていても、或いは中空糸膜の充填率が高くても、良好なポッティング部を形成することができる。
【0097】
本発明の中空糸膜モジュールの遠心式製造装置10を用いた製造においては、モジュールケース内の中空糸膜の本数が1000〜100000本程度であることが好ましく、またポッティング加工部容積に対するの中空糸膜の充填率が20〜60%程度であることが好ましい。なお、中空糸膜の太さについては特にこだわるものではないが、中空糸膜の外径が細いと中空糸膜間の隙間が小さくなって、ポッティング用樹脂が浸入しにくくなる。また中空糸膜の外径が太すぎると、多数本の中空糸膜によるモジュールにしたときのモジュール全体のサイズが大きくなり、ポッティング加工部の容積も大きくなるために、ポッティング加工時の収縮による寸法精度の低下が生じる。このために、中空糸膜の外径は、100〜2000μm程度であることが好ましい。
【0098】
以下、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の具体的な構成を、実施例に基づいて詳しく説明する。
【0099】
(実施例1)
外径320μm、内径200μm、孔径0.03μmのポリエチレン製(融点:132℃)多孔質中空糸膜6400本からなる中空糸膜束の16束を、連続的に所定の長さで規則正しく折り返し、その折り返された隣り合う端部の相互を糸で拘束したシート状の中空糸膜編織物からなる中空糸膜の片端部のポッティング加工部に、ポリエチレン微粉末からなるポッティン用樹脂を分散させたエマルジョンを、均一に塗布した。
【0100】
なお、ポッティン用樹脂として使用したポリエチレン微粉末は、重量平均分子量84000のポリエチレン樹脂の球状微粉末(平均粒子径:6μm)であり、該ポリエチレン微粉末の濃度30wt%の水分散液からなるエマルジョンをポッティング加工部に塗布した。
【0101】
次いで、前記中空糸膜編織物を中空糸膜の配列方向に簾巻き状に巻き、これをポリプロピレン製モジュールケース内に挿入した。このときのモジュールケース内の中空糸膜の充填率は38%であった。
【0102】
然る後に、前記中空糸膜が収納されているモジュールケースを、図1に示すポッティング加工遠心式製造装置10のモジュールケース固定用治具4に固定し、その全体を加熱しながら回転軸16を回転させて、ポッティング加工部に遠心力を付加して、ポッティング加工を行なった。なお、このポッティング加工の際の固定用治具の加熱温度を127±3℃となるようPID制御を行い、ポッティング加工部に加わる遠心力を重力の30倍にして、4時間の加熱及び遠心力の付加を行なった。
【0103】
続いて、室温まで徐冷した後、ポッティング加工した部分の中空糸膜の端部を常法によって切断して開口部を形成することにより、中空糸膜モジュールを得た。同様の方法で、中空糸膜モジュールを10体製作した。
【0104】
得られた中空糸膜モジュールは、液体やガスの濾過に用いることができ、ポッティング部では、一次側と二次側とに密にシールされており、10体すべてにおいてリークはなかった。なお、中空糸膜モジュールのリーク検査は、0.5MPaの水圧を中空糸膜の外側から加えて、端面での水漏れのチェックによって行なった。
【0105】
また、中空糸膜の開口部の目止めを行なった後、中空糸膜の外側から0.5MPaの水圧を10秒間加えた後10秒間開放するというサイクルを繰り返し加圧試験を行なったところ、100,000回の繰り返しによっても、ポッティング部でのポッティング用樹脂の割れやモジュールケースとの間の剥離等によるリークの発生は、10体すべてにおいて無かった。
【0106】
(比較例1)
ポッティング加工の際にポッティング加工部への加熱温度制御を、PID制御を取りやめてON−OFF制御とする以外は、全て前記実施例1と同じ条件によるポッティング加工を施すことにより、中空糸膜モジュールを得た。そのときの固定用治具の温度を検出すると、設定温度127℃に対し、±5℃であった。同様の方法で、中空糸膜モジュールを10体製作した。
【0107】
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行なったところ、10体のうち6体に、中空糸膜モジュールの端面部からの水漏れがあり、中空糸膜モジュールを観察した結果、3体にポッティング部に一次側と二次側とが連通する「す」の存在が確認され、4体に中空糸膜が溶融したことが原因と考えられる中空糸膜の潰れが確認された。
【0108】
(実施例2)
実施例1で用いたポッティング樹脂に代えて2液硬化型ウレタン樹脂(混合樹脂粘度1900mPas)を用い、ポッティング加工の際にポッティング加工部への加熱温度制御を、PID制御を取りやめてON−OFF制御とし、ポッティング加工を実施する際、減圧発生器(真空機構製GVD050A)と減圧配管とを有する低圧機構によりポッティング加工部を490hPaとする以外は、全て前記実施例1と同じ条件によるポッティング加工を施し、中空糸膜モジュールを10体製作した。そのときの固定用治具の温度を検出すると、設定温度30℃に対し、±5℃であった。
【0109】
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行なったところ、水漏れのチェックによるリーク不良はなく、また、実施例1と同様に繰り返し加圧試験を行なったところ、ポッティング部でのポッティング用樹脂の割れやモジュールケースとの間の剥離等によるリークの発生は、10体すべてにおいてなかった。
【0110】
(実施例3)
実施例1で用いた、ポリエチレン微粉末の水分散液からなるエマルジョン濃度を50w%とし、モジュールケース内の中空糸膜の充填率を40%とし、ポッティング加工を実施する際、減圧発生器(真空機構製GVD050A)と減圧配管とを有する低圧機構によりポッティング加工部を490hPaとする以外は、全て前記実施例1と同じ条件によるポッティング加工を施し、中空糸膜モジュールを10体製作した。
【0111】
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行なったところ、水漏れのチェックによるリーク不良はなく、また、実施例1と同様に繰り返し加圧試験を行なったところ、ポッティング部でのポッティング用樹脂の割れやモジュールケースとの間の剥離等によるリークの発生は、10体すべてにおいてなかった。
【0112】
(実施例4)
モジュールケース内の中空糸膜の充填率を45%とし、低圧機構によりポッティング加工部を330hPaとする以外は、全て前記実施例1と同じ条件によるポッティング加工を施し、中空糸膜モジュールを10体製作した。
【0113】
得られた中空糸膜モジュールについて、実施例1と同様のリーク検査を行なったところ、水漏れのチェックによるリーク不良はなく、また、実施例1と同様に繰り返し加圧試験を行なったところ、ポッティング部でのポッティング用樹脂の割れやモジュールケースとの間の剥離等によるリークの発生は、10体すべてにおいてなかった。
【0114】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のごとく所定温度に対する高精度の温度制御が可能な遠心式製造装置を用いることにより、使用する中空糸膜の特性を損なうことなく、しかもポッティング用樹脂によって、モジュールケースと中空糸膜相互とを高度に液密或いは気密に接着固定したポッテング部を備えた高品質の中空糸膜モジュールの製造が可能となる。また、遠心力の付加と同時に、ポッティング加工部を所要の減圧状態とすることにより、ポッティング部におけるポッティング用樹脂の割れやモジュールケースとの間の剥離等によるリークの発生がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遠心式製造装置と該装置による中空糸膜モジュールの中空糸膜長手方向の一端ポッティング加工部の加工状態を示す概要説明図である。
【図2】本発明の遠心式製造装置と該装置による中空糸膜モジュールの中空糸膜長手方向の両端ポッティング加工部の加工状態を示す概要説明図である。
【図3】本発明の遠心式製造装置に適用される一体型固定用治具の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の遠心式製造装置に適用される分割型固定用治具の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の遠心式製造装置と該装置による中空糸膜モジュールの中空糸膜長手方向の一端ポッティング加工部の加工状態、並びに低圧機構等を示す概要説明図である。
【図6】本発明の遠心式製造装置と該装置による中空糸膜モジュールの中空糸膜長手方向の両端ポッティング加工部の加工状態、並びに低圧機構等を示す概要説明図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜
2 モジュールケース
3 ポッティング加工部
4 固定用治具
4a 側壁部
4b 底部
5 モジュールケース
7 加熱手段
8 温度検出手段
9a 加熱手段用ケーブル
9b 温度検出用ケーブル
10 遠心式製造装置
11 遠心機
12 温度制御部
13 回転用制御部
14 回転駆動部
15 シャフト
16 回転軸
17 減圧機構
18 減圧配管
19 減圧発生器

Claims (12)

  1. 遠心力を利用して、モジュールケース内に収納された中空糸膜の少なくとも一端部とモジュールケースとの相互間をポッティング用樹脂により接着固定する中空糸膜モジュールの遠心式製造装置において、
    中空糸膜モジュールの端部ポッティング加工部を支持する固定用治具を有し、
    同固定用治具が、加熱手段と温度検出手段とを具備してなり、
    同温度検出手段にて検出された前記固定用治具の温度と、予め設定された同固定用治具の設定温度との差異を算出し、その算出値の大きさに基づき前記加熱手段の加熱能力を制御する制御手段を備えてなることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造装置。
  2. 前記設定温度に対する、前記制御手段の温度精度範囲が±4℃であることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  3. 前記ポッティング加工部に付加される遠心力が、重力の10〜100倍の範囲であることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  4. 前記加熱手段及び温度検出手段が、固定用治具に密着状態で担持されてなることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  5. 前記固定用治具に流体が封入されてなることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  6. 前記固定用治具の回転数を制御する回転数制御手段と、上記温度検出手段により検出された固定用治具の温度検出情報に基づき、上記加熱手段の出力を制御する出力制御手段とを有してなることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  7. 前記固定用治具が少なくとも2個以上のブロック体から構成され、各ブロック体をそれぞれ異なる設定温度とする温度制御手段を有してなることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  8. ポッティング加工部の環境を、500hPa以下の減圧雰囲気下となす減圧機構を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造装置を用い、ポッティング用樹脂として熱可塑性樹脂を用いて中空糸膜の端部とモジュールケースとを接着固定することを含んでなることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
  10. 前記ポッティング用樹脂が熱可塑性樹脂微粒子からなり、該熱可塑性樹脂微粒子と液体との混合物をポッティング加工部に充填することを含んでなることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  11. 記中空糸膜の構成樹脂として熱可塑性樹脂を用いることを含んでなることを特徴とする請求項9又は10に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  12. 前記ポッティング加工部容積に対する中空糸膜の充填率が20%以上60%以下であることを特徴とする請求項又は請求項11記載の製造方法。
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