JP4331129B2 - 環境測定装置 - Google Patents
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Description
その測定ポイントを特定するための技術として、特許文献1に記載されているような技術が提供されている。
この欠点を補う技術として、特許文献2に記載の技術がある。
これを防止するためには、正しいトランスポンダから位置情報を受信したかどうかを現場にて確認する必要があるが、すべての測定ポイントにおいてこのような確認が必要であるとすると、自動的に位置情報を受信することの利便性が損なわれてしまう。
また、原子力設備における測定では、被爆線量管理や作業安全面から、測定ポイントにおける注意点すべき点があるが、これを覚えておいたり、メモを携帯することは、測定者への負担となる。
環境測定システムは、環境測定装置および環境測定データ集計装置から構成されている。また、請求項に係る発明は、環境測定データ集計装置からは分離可能な環境測定装置に関する発明であるが、分離されて環境測定を行ってきた環境測定装置と接続される環境測定データ集計装置に関する発明を提供することもできる。
請求項1記載の発明は、個体識別用IDであるトランスポンダIDと付帯情報コードが読み取り可能に記憶されたトランスポンダを複数設置した測定領域において、当該トランスポンダを認識した場所の環境データを測定するための測定装置に係る。
近接するトランスポンダとの双方向通信によってトランスポンダIDおよび付帯情報コードを受信するID等受信手段と、 受信したトランスポンダIDおよび付帯情報コードに対応する付帯情報を出力するID等出力手段と、 環境データを測定する環境データ測定手段と、 測定した環境データを記録する命令を受け付ける記録命令受付手段と、 前記記録命令受付手段が記録すべき命令を受け付けた場合に前記測定した環境データを前記トランスポンダIDと対応づけて記録する環境データ記録手段と、を備える。
トランスポンダに読み取り可能に記憶された前記付帯情報コードは、近接するトランスポンダとの錯誤に対する注意事項と関連づけられている。
「付帯情報」とは個々のトランスポンダに付与された環境測定にかかる情報であり、代表的なものに、物理的な距離が近い複数のトランスポンダそれぞれや、設置環境ついて特定条件があるトランスポンダに対しての注意事項がある。
「付帯情報コード」とは付帯情報を識別するために予め割り当てたコードであり、通常は1から数桁の英数字からなる。
「ID等受信手段」とは、代表的には、トランスポンダIDを感知するための通信アンテナなどがある。
「記録命令受付手段」とは、測定者からの測定命令を受け付けるものであり、例えば、キーボードの所定のキーやボタンなどがこれに相当する。
「環境データ記録手段」とは、書き換え可能な記憶媒体のことであり、代表的にはフラッシュメモリなどがある。当該環境測定装置から取り外し可能であってもよい、耐久性などの面から内蔵されていることが一般的である。
測定者が環境測定装置を持って、個体識別用IDと付帯情報コードが読み取り可能に記憶されたトランスポンダを複数設置した測定領域を移動する。この際、測定手段は継続して測定を行っている。
環境測定装置のID等受信手段が、最も近接することとなったトランスポンダを認識しIDおよび付帯情報コードを受信すると、環境測定装置の出力手段にIDおよび付帯情報が出力される。ここで、測定者は付帯情報を確認し、場合によっては測定すべき測定すべきトランスポンダのIDが正しく受信されているかを、目視確認することができる。
その後、測定者が記録命令受付手段へ記録命令を与えると、測定データ記録手段が現在の測定値を測定データとしてIDと対応づけて記録する。
環境測定装置が出力する付帯情報としては、コードそのものでもよいし、また、コードに対応する文字情報でもよい。後者の場合には環境測定装置内に付帯情報コードを文字情報と対応づけて記憶する記憶手段を別途備えることとなる。
この付帯情報により、測定者は測定エラーが起こりやすい場所等を予め認識することができ、測定エラーを減少させることができる。
近接する複数のトランスポンダが存在する場合には、他のトランスポンダと錯誤しないようにするための注意事項となっている。例えば、近接した位置に埋設された二つのトランスポンダAおよびトランスポンダBがあるとする。距離が近いためトランスポンダAの測定時に、トランスポンダBとの双方向通信が行われてしまう場合があり、そのために間違える可能性がある。このような場合に備えて、トランスポンダAのIDを感知した際には、「これはトランスポンダAですが、間違いないですか?」という注意事項を発することができる。このため、近接して埋設されたトランスポンダの測定時に、注意事項を測定者が確認することでトランスポンダの錯誤を防止する。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の環境測定装置を限定したものである。
すなわち、前記測定領域は、建屋内の放射線管理区域とし、前記測定手段が測定する環境測定値は、線量当量率としたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の環境測定装置を限定したものである。
すなわち、所定領域内に予め定められた測定ポイントの測定が完了したか否かの判別をする測定完了判別手段と、その測定完了判別手段の判別から測定が未完了であった場合に、当該未完了の測定ポイントを前記出力手段に表示する未測定ポイント表示手段とを備えたことを特徴とする。
測定完了判別手段が、所定領域内に予め定められた測定ポイントの測定が完了したか否かの判別をする。その測定完了判別手段の判別から測定が未完了であった場合には、未測定ポイント表示手段が当該未完了の測定ポイントを前記出力手段に表示する。これによって、測定忘れを防止する。
すなわち、個体識別用IDと付帯情報が読み取り可能に記憶されたトランスポンダを複数設置した測定領域において当該トランスポンダを認識した場所の環境データを測定する環境測定装置とともに使用される環境測定データ集計装置を提供することもできる。
前記環境測定装置は、 近接するトランスポンダとの双方向通信によってトランスポンダIDおよび付帯情報コードを受信するID等受信手段と、 受信したIDおよび付帯情報コードに対応する付帯情報を出力するID等出力手段と、 環境データを測定する環境データ測定手段と、 測定した環境データを記録する命令を受け付ける記録命令受付手段と、 前記記録命令受付手段が記録すべき命令を受け付けた場合に前記測定した環境データを前記トランスポンダIDと対応づけて記録する環境データ記録手段と、記録したID対応環境データを送信する送信手段と、を少なくとも備える。
また、前記環境測定データ集計装置は、 IDに対応づけられた個々のトランスポンダの設置位置に関する情報を予め記憶した位置情報記憶手段と、 前記送信手段に接続可能な受信手段と、 その受信手段を介して受信したID対応環境データを記録するID対応環境データ記録手段とを備えるとともに、 同じIDに対応する環境データと位置情報と関連づけて出力する環境測定データ出力手段とを備える。
すなわち、個体識別用IDと付帯情報コードが読み取り可能に記憶されたトランスポンダを複数設置した測定領域において、当該トランスポンダを認識した場所の環境データを測定する測定装置を制御するためのコンピュータプログラムの発明を提供することもできる。
そのコンピュータプログラムは、近接するトランスポンダとの双方向通信によってトランスポンダIDおよび付帯情報コードを受信するID等受信手順と、 受信したIDおよび付帯情報コードに対応する付帯情報を出力するID等出力手順と、 環境データを測定する環境データ測定手順と、 測定した環境データを記録する命令を受け付ける記録命令受付手順と、 前記記録命令受付手順において記録すべき命令を受け付けた場合に前記測定した環境データを前記トランスポンダIDと対応づけて記録する環境データ記録手順とを環境測定装置のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
すなわち、所定領域内に予め定められた測定ポイントの測定が完了したか否かの判別をする測定完了判別手順と、 その測定完了判別手順にて判別した結果が測定が未完了であった場合に、当該未完了の測定ポイントを表示する未測定ポイント表示手順とを備えたことを特徴とする。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−R、MO(光磁気ディスク)、DVD−Rなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他の環境測定装置の制御コンピュータへ伝送することも可能である。
なお、測定時の測定者の労力を軽減するとともに、効率的な環境データの測定および収集が可能な環境測定データ集計装置をも提供することができた。
また、測定時の測定者の労力を軽減するとともに、効率的な環境データの測定および収集が可能な環境測定装置の制御プログラムをも提供することができた。
図1は、環境測定システムの全体構成を示す概略図であり、図2は、サーベイメータの内部構成を示したブロック図であり、図3は、サーベイメータの外観形状を概略的に示した図であり、図4は、対応テーブルの説明をした図であり、図5は、トランスポンダの構成を示した概略図であり、図6は、端末装置の構成を示したブロック図であり、図7は、原子力発電所の測定ポイントおよび測定結果表を示した概略図であり、図8は、本システムの処理を示したフローチャートである。
本発明の実施形態に係る環境測定システムは、原子力発電所内(測定領域)の線量当量率(環境データ)を測定可能なサーベイメータ(環境測定装置)10、原子力発電所内の所定箇所に設置された複数のトランスポンダ20、原子力発電所の図面等が記憶され、サーベイメータ10が測定した線量当量率を受信可能な端末装置30(環境測定データ集計手段)から構成されている。
サーベイメータ10は、測定した線量当量率を記憶可能なデータ記憶型サーベイメータとして形成されており、トランスポンダ20を設置した場所付近でトランスポンダ20の個体識別が可能なトランスポンダIDと付帯情報コードを受信する通信アンテナ(ID等受信手段)11と、付帯情報コードに対応する注意事項にかかる文字情報を記録しておく記憶手段16と、通信アンテナ11がトランスポンダIDと付帯情報コードを受信した場合に、IDおよび注意事項にかかる文字情報を出力するモニタ部(ID等出力手段)14と、線量当量率を測定する放射線検出部(環境データ測定手段)15と、測定者からの記録命令を受付ける記録命令受付手段13と、記録命令を受け付けた際に現在の線量当量率測定値とトランスポンダIDとを対応づけて対応テーブル80(ID対応環境データ)に記録する記録手段12とを備えている。
図3は、サーベイメータ10の外観形状の一例を示した図である。サーベイメータ10は、サーベイメータ10の本体部分となる各種回路収納部110、線量当量率を測定するための放射線検出部15、トランスポンダIDおよび付帯情報コードを受信するための通信アンテナ11、電離箱110の側面に設けられ、サーベイメータ10の起動スイッチとなる電源スイッチ111、電源ON後、CPU17を作動させるためのCPUスイッチ112およびトランスポンダ20との通信中において、記録命令を受け付けるためのホールドキー113から構成される。
図4は、テーブル記憶手段12に記憶される対応テーブル80の形態を概略的に示した図であり、IDと測定データが一対一対応で記録される。
記憶手段16に予め記憶されている注意事項に係る文字情報とは、近接するトランスポンダ同士を錯誤して測定しないようにするためのものである。例えば、コード001に対応する文字情報として「近接するトランスポンダあり」と記憶することにより、付帯情報コードとして001が受信された場合に、モニタ部に「近接するトランスポンダあり」が表示され、測定者にトランスポンダの目視確認を促すことになる。なお、文字情報としては、前述の「近接するトランスポンダあり」のほか、「段差注意、頭上注意」などの表示ができるように、予め設定しておいても良い。
図5は、トランスポンダ20の構成を示した概略図である。トランスポンダ20は、線量当量率を測定するために、原子力発電所内における床、グレーチング、配管、機器表面などの異なる環境条件の測定ポイントに埋設されている。
トランスポンダ20は、通信アンテナ11からの電波を非接触で受信し、その受信した電波を周波数変換して増幅し、再び送信する通信部21と、トランスポンダIDおよび付帯情報コードが記録された記憶部22とから構成された筒型のトランスポンダである。また、トランスポンダ20は、半永久的に使用可能な電源が不要な構造(すなわち電池交換などのメンテナンスが不要)として形成されている。
なお、筒型のトランスポンダを床に設置する場合には、筒の直径に応じて筒の軸方向長さに応じた穴を形成し、そこに埋設すると、受信感度が良好である場合が多いことが経験的に把握されている。
図6に示すように、端末装置30は、CPUやメインメモリ等により構成され、各種演算処理を行う演算処理部31、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト、受信したIDに対応した線量当量率(ID対応環境データ)および原子力発電所の図面データ(以下、サーベイ図面と表記する)が記録される記録部32(ID対応環境データ記録手段および位置情報記録手段)、各種データの入出力部である入出力ポート33、マウスやキーボード等の入力手段34、線量当量率や図面データなどを表示させるディスプレイ等の表示手段35、インターネットやイントラネットなどに接続可能であるとともに、サーベイメータ10の通信部19と接続することで、相互にデータの送受信を可能とした通信手段36およびサーベイメータ10が測定した線量当量率などのデータをプリンタ等に出力可能な出力手段37(環境データ出力手段)を備えて構成される。
また、サーベイメータ10の通信部19がインターネット接続機能を備えていれば、インターネットまたはイントラネットを用いてデータの送受信が可能となり、ケーブルレスに対応する。
図7は、端末装置30の記録部32に記録されたサーベイ図面を概略的に示した図であり、図7左側には、原子力発電所の測定場所として「a号機b階」のサーベイ図面を示し、図7右側には、測定年月日、測定者、測定器ナンバー、測定場所および各測定ポイントの線量当量率(測定値)をサーベイメータ10から受信した形態を示した測定結果表である。
図7に示すサーベイ図面は、「a号機b階」のレイアウト構成を示した図面データであり、サーベイ図面内に、測定ポイントである複数のトランスポンダ20の埋設箇所が視認可能となっている。なお、記録部32には、図7に示すような複数の測定場所(○号機○階など)を示したサーベイ図面が記憶されている。
図8を参照して、本システムの一連の処理手順について説明する。なお、説明の便宜上から図7に示したサーベイ図面に基づいて説明する。測定者は、サーベイメータ10を用いて「a号機b階」の測定ポイントに設置された各トランスポンダ20を順次感知していき、線量当量率を測定していく。事前準備としては、サーベイメータ10のモニタ部14で対応テーブル80を開き、測定年月日、測定者、測定器ナンバー、測定場所を入力しておく。
また、記憶手段12に記録された記録済み対応テーブル81は、サーベイメータ10の通信部19からRS232Cなどの通信ケーブルを介して端末装置30に接続されて転送される(S106)。端末装置30は、記録済み対応テーブル81を受信すし記録する(S107)。さらに、端末装置30は、予めトランスポンダIDに対応した設置位置情報を記憶しているので、対応テーブルの線量当量率は、IDを媒介として、サーベイ図面上の位置と関連付けて出力される(S108)。出力形態は表形式でもマップ状でも良い。
また、図9に示すように、端末装置30には、前述した測定ポイントの判定および抽出機能を備えている。
端末装置30が記録済み対応テーブル81を受信し、記録済み対応テーブル81の線量当量率を測定結果表に記録すると、測定ポイント判別手段が測定結果表に記録された線量当量率の中から、予め定められた定量値を越えた測定ポイントがあるか否かを判別する(S201)。定量値を越えたと判別された測定ポイントがあった場合、測定ポイント抽出手段が定量値を越えた測定ポイントを抽出する(S202)。ここで抽出された測定ポイントは、出力手段37によって検索、管理および各種媒体に出力可能となっている。
また、サーベイメータ10に未測定ポイントを検知する機能を備えるようにしても良い。
これは、図9に示すように、サーベイメータ10は、測定者から電源ボタンOFFなどによる測定終了通知を受信すると(S201)、測定完了判別手段が、原子力発電所(所定領域内)に予め定められた測定ポイントの測定が完了したか否かの判別をする(S202)。その測定完了判別手段の判別から測定が未完了であった場合に、未測定ポイント表示手段が未完了の測定ポイントをモニタ部14に表示する(S203)。一方、所定の測定ポイントの測定が正常に完了していれば、測定完了通知表示手段が測定完了の旨を表示する(S204)。本形態のようにすれば、測定者の測定忘れに対応することができるため、測定不備等の問題を未然に防止することに寄与する。
また、サーベイメータ10に音声出力機能を搭載するようにすれば、未測定ポイントの通知をアラーム音等で測定者に伝えるようにしても良い。
12 環境データ記録手段 13 記録命令受付手段
14 モニタ部 15 放射線検出部
16 記憶手段 17 CPU
18 RAM 19 通信部
20 トランスポンダ 21 通信部
22 記憶部
30 端末装置 31 演算処理部
32 記録部 33 入出力ポート
34 入力手段 35 表示手段
36 通信手段 37 出力手段
38 測定ポイント判別手段
39 測定ポイント抽出手段
80 対応テーブル
81 記録済み対応テーブル
110 各種回路収納部 111 電源スイッチ
112 CPUスイッチ 113 ホールドキー
114 LEDランプ
Claims (3)
- 個体識別用IDであるトランスポンダIDと付帯情報コードが読み取り可能に記憶されたトランスポンダを複数設置した測定領域において、当該トランスポンダを認識した場所の環境データを測定するための測定装置であって、
近接するトランスポンダとの双方向通信によってトランスポンダIDおよび付帯情報コードを受信するID等受信手段と、
受信したトランスポンダIDおよび付帯情報コードに対応する付帯情報を出力するID等出力手段と、
環境データを測定する環境データ測定手段と、
測定した環境データを記録する命令を受け付ける記録命令受付手段と、
前記記録命令受付手段が記録すべき命令を受け付けた場合に前記測定した環境データを前記トランスポンダIDと対応づけて記録する環境データ記録手段と、を備え、
トランスポンダに読み取り可能に記憶された前記付帯情報コードは、近接するトランスポンダとの錯誤に対する注意事項と関連づけられている環境測定装置。 - 前記測定領域は、建屋内の放射線管理区域とし、
前記測定手段が測定する環境データは線量当量率とした請求項1に記載の環境測定装置。 - 所定領域内に予め定められた測定ポイントの測定が完了したか否かの判別をする測定完了判別手段と、
その測定完了判別手段の判別から測定が未完了であった場合に当該未完了の測定ポイントを前記出力手段に表示する未測定ポイント表示手段と、を備えた請求項1または請求項2のいずれかに記載の環境測定装置。
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