JP4328699B2 - 多気筒エンジン - Google Patents
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Description
《問題》 メンテナンス作業が煩雑である。
エンジン制御ユニットが排気合流手段のある横一側方に配置されているため、燃料経路とエンジン制御ユニットとをエンジンの同じ側でメンテナンスすることができず、メンテナンス作業が煩雑である。
エンジン制御ユニットが排気合流手段のある横一側方に配置されているため、排気熱によりエンジン制御ユニットが過熱しやすい。
図1(A)に例示するように、シリンダヘッド(18)の幅方向を左右横方向として、シリンダヘッド(18)の横一側面に吸気分配手段(22)を取り付け、シリンダヘッド(18)の横他側面に排気合流手段(23)を取り付け、
EGR弁ケース(65)を支持具(77)で吸気分配手段(22)に取り付けるに当たり、
冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の横に配置し、この冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)で吸気分配手段(22)に支持させ、
エンジン制御ユニット(73)を断熱基板(78)の表面に取り付け、この断熱基板(78)の表面側に設けた冷却ケース(74)でエンジン制御ユニット(73)を表側から覆い、断熱基板(78)の裏面をステー(79)に取り付け、このステー(79)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)を構成するボルト(77a)(77b)を介してEGR弁ケース(65)とともに吸気分配手段(22)に取り付けた、ことを特徴とする多気筒エンジン。
《効果》 メンテナンス作業が容易になる。
図4に例示するように、燃料経路(72)を配置したエンジンの横一側方にエンジン制御ユニット(73)を配置したため、燃料経路(72)とエンジン制御ユニット(73)とをエンジンの同じ側でメンテナンスすることができ、メンテナンス作業が容易になる。
図5に例示するように、ケースジャケット(75)内に燃料(76)を通過させることができるようにしたため、エンジン冷却水に比べて温度の低い燃料(76)で、冷却ケース(74)外からの入熱を抑制することができる。このため、エンジン制御ユニット(73)の過熱抑制機能が高い。
図5に例示するように、冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の横に配置し、この冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)で吸気分配手段(22)に支持させたため、EGR弁ケース(65)の支持具(77)を冷却ケース(74)の支持具としても兼用することができ、EGR弁ケース(65)と冷却ケース(74)の支持作業が簡単になる。
図1から図10に示す第一実施形態は、図6に示すように、シリンダブロック(1)の長手方向一端部に調時伝動装置(8)を配置するようにし、シリンダブロック(1)の長手方向を前後方向とし、調時伝動装置(8)の配置される端部を後端部として、シリンダブロック(1)の前端部に水ポンプ(10)とオイルフィルタ(2b)とを配置した前端ポンプ配置側のエンジンである。
図11から図16に示す第二実施形態は、図11に示すように、シリンダブロック(1)の後端部に水ポンプ(10)とオイルフィルタ(2b)とを配置した後端ポンプ配置型のエンジンである。
第一実施形態と第二実施形態とを説明した後、これら各実施形態の造り分け方法を説明する。
図8に示すように、シリンダブロック(1)の上部にシリンダヘッド(18)を組み付け、その上部にヘッドカバー(35)を組み付けている。シリンダブロック(1)の後端壁(9b)に沿って調時伝動装置(8)を配置し、この調時伝動装置(8)を覆う調時伝動ケース(52)に沿ってフライホイル(53)を配置している。シリンダブロック(1)の前部に冷却ファン(2)を備えた水ポンプ(10)を取り付けている。調時伝動装置(8)はタイミングギヤトイレンである。図6に示すように、シリンダブロック(1)の後端部から横向きに張り出したフランジ(50)にその前方から燃料加圧ポンプ(51)を取り付けている。この燃料加圧ポンプ(51)は燃料噴射ポンプである。このエンジンは、排気ガス還流装置(EGR装置)を備えている。また、このエンジンは電子ガバナ(図外)を備え、これを制御するエンジン制御ユニット(73)を備えている。コモンレール仕様エンジンの場合、燃料加圧ポンプ(51)は燃料サプライポンプとなり、エンジン制御ユニット(73)はインジェクタの噴射タイミングも制御する。
図1(A)に示すように、シリンダヘッド(18)の幅方向を左右横方向として、シリンダヘッド(18)の横一側面に吸気分配手段(22)を取り付け、シリンダヘッド(18)の横他側面に排気合流手段(23)を取り付け、排気経路(61)からEGRクーラ(62)を介して吸気分配手段(22)にEGRガス(63)を導入するようにしている。吸気分配手段(22)は一般に吸気マニホルドとよばれるものであるが、この実施形態のものは枝管を有していないケース構造であるため、吸気分配手段と表現した。また、排気合流手段(23)は一般に排気マニホルドとよばれるものであるが、吸気分配手段と表現を一致させるため、排気合流手段と表現した。
図1(A)に示すように、吸気分配手段(22)を取り付けたシリンダヘッド(18)の横一側面にEGRガス導入管(64)を取り付け、EGRガス導入管(64)の導入管出口(64b)にEGRクーラ(62)のクーラ入口(62a)を接続し、EGRクーラ(62)のクーラ出口(62b)にEGR弁ケース(65)の弁ケース入口(65a)を接続し、EGR弁ケース(65)の弁ケース出口(65b)に吸気分配手段(22)のEGRガス入口(22a)を接続することにより、エンジンの横一側で、EGRガス導入管(64)とEGR弁ケース(65)と吸気分配手段(22)とを介して、EGRクーラ(62)をシリンダヘッド(18)に支持させている。EGRガス導入管(64)の導入管入口(64a)は、ヘッド内EGR通路(68)の出口(68b)に接続している。図1(B)は過給仕様の場合の変更例を示しており、この場合には、EGR弁ケース(65)の弁ケース入口(65a)にリードバルブ(82)を配置し、EGRクーラ(62)側へのEGRガス(63)の逆流を防止する。
図1(A)に示すように、シリンダヘッド(18)の長手方向を前後方向として、吸気分配手段(22)の横で、EGRクーラ(62)を前後方向に向けて架設している。 吸気分配手段(22)の前方にEGRガス導入管(64)を配置し、EGRガス導入管(64)とEGRクーラ(62)とEGR弁ケース(65)を前から後に順に配置し、EGR弁ケース(65)の後にEGR弁(66)のアクチュエータ(67)を配置することにより、吸気分配手段(22)の横で、EGRクーラ(62)とEGR弁ケース(65)とEGR弁(66)のアクチュエータ(67)とを前後方向に沿って配置している。
図1(A)に示すように、シリンダヘッド(18)の長手方向を前後方向として、吸気分配手段(22)の横で、EGRクーラ(62)を前後方向に向けて架設したため、EGRクーラ(62)を吸気分配手段(22)の上方に配置する場合に比べ、エンジンの高さを低く維持することができる。
図1(A)に示すように、吸気分配手段(22)の横で、EGRクーラ(62)とEGR弁ケース(65)とEGR弁(66)のアクチュエータ(67)とを前後方向に沿って配置したため、これらを吸気分配手段(22)の上方に配置する場合に比べ、エンジンの高さを低く維持することができる。
図1(A)に示すように、排気経路(61)の一部を構成する排気ポート(61a)とEGRガス導入管(64)との間に、シリンダヘッド(18)のヘッドジャケット(25)内を通過するヘッド内EGR通路(68)を設けることにより、ヘッド内EGR通路(68)を通過するEGRガス(63)がヘッドジャケット(25)内の冷却水(69)で冷却されるようにしている。また、図2に示すように、排気経路(61)の一部を構成する排気合流手段(23)とEGRガス導入管(64)との間に、シリンダヘッド(18)外を通過するヘッド外EGR通路(70)を設けている。
図1(A)に示するように、ヘッド内EGR通路(68)を通過するEGRガス(63)がヘッドジャケット(25)内の冷却水(69)で冷却されるようにしたので、EGRガス(63)がEGRクーラ(62)に流入する前に予備的に冷却される。このため、EGRクーラ(62)に冷却能力の低い小型のものを用いることができ、エンジンをコンパクト化することができる。
また、図2に示すように、排気経路(61)とEGRガス導入管(64)との間に、シリンダヘッド(18)外を通過するヘッド外EGR通路(70)を設けたため、その分だけ、EGRガス(63)の還流総量を増加させることができる。このため、NO X の低減効果を高めることができる。
図4に示すように、エンジンの左右横方向のうち、吸気分配手段(22)のある横一側方に、燃料に噴射圧を付与する燃料加圧ポンプ(51)と、この燃料加圧ポンプ(51)に燃料を供給する燃料供給通路(71)とを備えた燃料経路(72)を配置するに当たり、燃料経路(72)を配置したエンジンの横一側方にエンジン制御ユニット(73)を配置している。
図4、図5に示すように、エンジン制御ユニット(73)を断熱性基板(78)に取付、冷却ケース(74)で覆い、この冷却ケース(74)にケースジャケット(75)を設け、このケースジャケット(75)を燃料経路(72)の途中に連通状に配置することにより、ケースジャケット(75)内に燃料(76)を通過させることができるようにしている。燃料供給通路(71)は、燃料タンク(84)から第1燃料フィルタ(85)、燃料圧送ポンプ(86)、冷却ケース(74)、第2燃料フィルタ(87)を順に介して燃料噴射ポンプ(51)に至る。
図5に示すように、EGR弁ケース(65)を支持具(77)で吸気分配手段(22)に取り付けるに当たり、冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の横に配置し、この冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)で吸気分配手段(22)に支持させている。この実施形態のものは、図5(A)に示すように、エンジン制御ユニット(73)を断熱性基板(78)に取り付け、冷却ケース(74)で覆い、これらをステー(79)に取り付けている。EGR弁ケース(65)の支持具(77)は頭付きボルト(77a)で、この頭付きボルト(77a)でステー(79)をEGR弁ケース(65)とともに吸気分配手段(22)に共締めしている。
すなわち、この図5(A)(B)に示すエンジン制御ユニットの支持構造では、エンジン制御ユニット(73)を断熱基板(78)の表面に取り付け、この断熱基板(78)の表面側に設けた冷却ケース(74)でエンジン制御ユニット(73)を表側から覆い、断熱基板(78)の裏面をステー(79)に取り付け、このステー(79)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)を構成するボルト(77a)(77b)を介してEGR弁ケース(65)とともに吸気分配手段(22)に取り付けている。
図6に示すように、シリンダブロック(1)に各シリンダ壁(12)の脇を通過する前後一連の脇水路(3)を設け、ラジエータからの冷却水を脇水路(3)を介して側方からシリンダジャケット(4)に導入するようにしている。図6に示すように、脇水路(3)は、シリンダブロック(1)の全長にわたって形成されている。脇水路(3)の前後端部に脇水路(3)を水ポンプ(10)と連通させるための前後端開口部(3a)(3b)を設けることにより、図6または図11に示すように、シリンダブロック(1)の前後端部のうち、いずれの端部に水ポンプ(10)を配置した場合でも、この水ポンプ(10)を配置した端部寄りの脇水路(3)の開口部で、脇水路(3)をこの水ポンプ(10)と連通させることができるようにしている。シリンダブロック(1)の前後端部のうち、いずれの端部にも水ポンプ(10)を配置できるようにしている。
図6に示すように、脇水路(3)はシリンダブロック(1)の全長にわたって形成され、全シリンダ壁(12)の脇を通過する。この脇水路(3)には、複数の出口(5)を設け、この複数の出口(5)を脇水路(3)の両端部と中間部とに配置し、各出口(3)を各シリンダ壁(12)の脇方向突出端面(15)に臨ませている。このため、全シリンダ壁(12)に向けて冷却水が均等に分配され、全シリンダ壁(12)の暖機や冷却が均一化されるとともに、脇水路(3)の各出口(5)からシリンダジャケット(4)に横向きに流入した冷却水が、各シリンダ壁(12)の脇方向突出端面(15)に当たって前後に均等に分流し、各シリンダ壁(12)の前後部分の暖機や冷却が均一化される。また、脇水路(3)の隣り合う出口(5)(5)間の肉壁(13)内に動弁装置のタペットガイド孔(14)を設けている。このため、出口(5)とタペットガイド孔(14)とを幅方向に並べて配置する場合に比べ、エンジンの横幅を小さくすることができる。
図6に示すように、シリンダブロック(1)では、隣接するシリンダ壁(12)(12)同士を連続させている。この連続壁(16)にシリンダブロック(1)の幅方向に沿うシリンダ間横断水路(17)を形成している。このため、図6に示すように、シリンダブロック(1)の幅方向を横方向と見て、脇水路(3)の出口(5)からシリンダジャケット(4)に横向きに流入した冷却水が、シリンダ間横断水路(17)に押し込まれる。このため、冷却水がシリンダ間横断水路(17)をスムーズに通過し、シリンダボア間の連続壁(16)の冷却性能が高い。
図1に示すように、シリンダヘッド(18)内にヘッドジャケット(25)を設け、シリンダヘッド(18)の吸気ポート(19)と排気ポート(20)の間にシリンダヘッド(18)の幅方向に沿うポート間横断水路(21)を形成し、シリンダヘッド(18)の吸気分配手段(22)側にヘッド吸気側水路(26)を、排気合流手段(23)側にヘッド排気側水路(27)を、それぞれシリンダヘッド(18)の長手方向に沿わせて形成し、このヘッド吸気側水路(26)とヘッド排気側水路(27)とをポート間横断水路(21)で連通させている。
図10に示すように、脇水路(3)からシリンダジャケット(4)の左側に流入した冷却水の一部は、ヘッド排気側水路(27)に浮上し、残部は、シリンダ間横断水路(17)に流入する。シリンダヘッド(18)の左前隅角部(28)の左面にヘッドジャケット(25)の出口(25a)をあけている。このため、シリンダ間横断水路(17)を脇水路(3)側から他側に向かって横断した冷却水が、ヘッド吸気側水路(26)に浮上し、浮上冷却水がこのヘッド吸気側水路(26)を前向きに通過しながら、複数のポート間横断水路(21)に分流し、分流冷却水が脇水路(3)側のヘッド排気側水路(27)で合流しながらこの水路(27)を前向きに通過し、両水路(26)(27)を前向きに通過した冷却水が合流してヘッドジャケット(25)の出口(25a)から流出する。このように、冷却水がシリンダブロック(1)内を横断し、シリンダヘッド(18)内を縦横にくまなく巡回するため、エンジン全体の暖機と冷却が均一化される。また、ポート間横断水路(21)を通過する冷却水が、シリンダヘッド(18)一側の吸気分配手段(22)側から他側の排気合流手段(23)側に向かうため、排気熱が吸気分配手段(22)側に伝わりにくく、吸気の温度上昇を抑制することができる。このため、吸気の充填効率が高い。尚、脇水路(3)をシリンダブロック(1)の右側に配置し、シリンダヘッド(18)の右側面にヘッドジャケット(25)の出口(25a)をあけた場合には、冷却水の流れは、上記の流れと対称になる。
図6、図7に示すように、シリンダブロック(1)の前端部にフロントケース(55)を取り付け、図9(B)に示すように、このフロントケース(55)に水ポンプ(10)とオイルポンプ(54)とフィルタ取付座(46)とを形成している。図9(A)に示すように、シリンダブロック(1)の前端壁には、脇水路(3)の前端開口部(3a)を開口させている。図6に示すように、シリンダブロック(1)の側壁に沿う脇水路(3)の直進路(3c)の前端部に前端開口部(3a)を形成している。この前端開口部(3a)に水ポンプ(10)の吐出口(10a)を連通させる。ラジエータからの冷却水は、図9(A)の矢印で示すように、水ポンプ(10)を通過し、前端開口部(3a)から脇水路(3)に導入される。
図7に示すように、フィルタ取付座(46)には、オイルクーラ(56)とオイルフィルタ(2b)とを重ねて取り付けている。フィルタ取付座(46)のオイル出口(46a)に脇油路(2)の前端開口部(2c)を連通させている。図9(B)の矢印で示すように、オイルポンプ(54)からフィルタ取付座(46)に供給されたオイルは、図7の矢印で示すように、オイルクーラ(56)とオイルフィルタ(2b)とを順に介して、脇油路(2)に供給される。冷却水とオイルの流れは、図10にも矢印で示している。
シリンダブロック(1)は、第一実施形態と同じものを用いている。図11に示すように、シリンダブロック(1)の前後端部のうち、後端部に水ポンプ(10)を配置し、この水ポンプ(10)を配置した後端部寄りの脇水路(3)の後端開口部(3b)で、脇水路(3)を水ポンプ(10)に連通させ、脇水路(3)の前端開口部(3a)はプラグ(44)で封止している。
図12に示すように、シリンダブロック(1)の前後端部のうち、水ポンプ(10)を配置した後端部にフィルタ取付座(46)を配置し、このフィルタ取付座(46)を配置した後端部寄りの脇油路(2)のブロック側迂回通路(1a)で、脇油路(2)をこのフィルタ取付座(46)を介してオイルフィルタ(2b)と連通させ、脇油路(2)の前端開口部(2c)は、プラグ(45)で封止している。
図13に示すように、シリンダブロック(1)の後端部(9b)に沿って調時伝動装置(8)を配置し、シリンダブロック(1)の前端壁(9a)に沿ってフライホイル(37)を配置している。
図11に示すように、シリンダブロック(1)の後端部に調時伝動ケース(43)を取り付け、図14(B)に示すように、この調時伝動ケース(43)の後壁(43a)に水ポンプ(10)とオイルポンプ(54)とフィルタ取付座(46)とを形成している。図14(A)に示すように、シリンダブロック(1)の後端壁(9b)には、脇水路(3)の後端開口部(3b)を開口させている。図11、図14(A)に示すように、シリンダブロック(1)の側壁に沿う脇水路(3)の直進路(3c)の後端部から、シリンダブロック(1)の後端壁に沿って脇水路(3)の迂回路(3d)を導出し、この迂回路(3d)の導出端部の後面に後端開口部(3b)を形成している。この後端開口部(3b)に水ポンプ(10)の吐出口(10b)を連通させる。図14(B)に示すように、ラジエータからの冷却水は、図14(B)の実線の矢印で示すように、水ポンプ(10)を通過し、図14(A)の矢印で示すように、後端開口部(3b)から脇水路(3)に導入される。
前記シリンダブロック(1)を共通部品とする。
前端ポンプ配置型のエンジンを造る場合には、図6に示すように、シリンダブロック(1)の前端部に水ポンプ(10)を配置し、脇水路(3)の前端開口部(3a)で、脇水路(3)を水ポンプ(10)に連通させ、脇水路(3)の後端開口部(3b)はプラグ(47)で封止する。
後端ポンプ配置型のエンジンを造る場合には、図11に示すように、シリンダブロック(1)の後端部に水ポンプ(10)を配置し、脇水路(3)の後端開口部(3b)で、脇水路(3)を水ポンプ(10)に連通させ、脇水路(3)の前端開口部(3a)はプラグ(47)で封止する。
前端ポンプ配置型のエンジンには、図7に示すように、シリンダブロック(1)の前端部にフィルタ取付座(46)を配置し、後端ポンプ配置型のエンジンには、図12に示すように、シリンダブロック(1)の後端部にフィルタ取付座(46)を配置する。
この実施形態では、図11、図12に示すエンジンを、トラクタ搭載用エンジンとして用いる。すなわち、シリンダブロック(1)の前後端部のうち、調時伝動装置(8)を配置した後端部に水ポンプ(10)を配置し、運転席から離れるシリンダブロック(1)の端部に水ポンプ(10)を配置するトラクタ搭載用エンジンとして、このエンジンを用いる。この場合、トラクタの運転席から離れる側の端部に調時伝動装置(8)が配置され、運転者の足元寄りに配置される油圧配管や連動ロッド等が、調時伝動装置(8)等と干渉することなく配置できるうえ、運転席から前輪を見通しやすく、搭載条件や運転条件が良好になる。
図6に示すシリンダブロック(1)の前端部に水ポンプ(10)を配置したエンジンを前端ポンプ配置型とし、図11に示すシリンダブロック(1)の後端部に水ポンプ(10)を配置したエンジンを後端ポンプ配置型とした場合、次の利点がある。
シリンダブロック(1)の前後端部のうち、いずれの端部に水ポンプ(10)を配置した場合でも、脇水路(3)をこの水ポンプ(10)と連通させることができるため、前端ポンプ配置型のエンジンと後端ポンプ配置型のエンジンとで、シリンダブロック(1)を共通化することができ、エンジンの製造コストが安くなる。
なお、図6または図11に示すように、本発明のシリンダブロック(1)は、冷却水を脇水路(3)を介して横側方からシリンダジャケット(4)に導入するようにしているため、異なる仕様のエンジンに使用しても、脇水路(3)を通過する冷却水の流れの方向が前後逆になるだけで、脇水路(3)を介して横側方からシリンダジャケット(4)に導入される冷却水の方向は大きく変化することがなく、各シリンダ壁(12)の冷却状態の変動が小さく、適正な冷却状態が確保される。
図1(A)に例示するように、エンジンの横一側方でEGRクーラ(62)を配置しているため、エンジンの前後にEGRクーラ(62)を配置しているものとは異なり、図6または図11に例示するように、水ポンプ(10)を前後どちらに配置しても、EGRクーラ(62)が水ポンプ(10)の連動機構(83)の配置を邪魔することがない。
Claims (1)
- シリンダヘッド(18)の幅方向を左右横方向として、シリンダヘッド(18)の横一側面に吸気分配手段(22)を取り付け、シリンダヘッド(18)の横他側面に排気合流手段(23)を取り付け、
エンジンの左右横方向のうち、吸気分配手段(22)のある横一側方に、燃料に噴射圧を付与する燃料加圧ポンプ(51)と、この燃料加圧ポンプ(51)に燃料を供給する燃料供給通路(71)とを備えた燃料経路(72)を配置した、多気筒エンジンにおいて、
燃料経路(72)を配置したエンジンの横一側方にエンジン制御ユニット(73)を配置し、
エンジン制御ユニット(73)を冷却ケース(74)で覆い、この冷却ケース(74)にケースジャケット(75)を設け、このケースジャケット(75)を燃料経路(72)の途中に連通状に配置することにより、ケースジャケット(75)内に燃料(76)を通過させることができるようにし、
EGR弁ケース(65)を支持具(77)で吸気分配手段(22)に取り付けるに当たり、
冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の横に配置し、この冷却ケース(74)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)で吸気分配手段(22)に支持させ、
エンジン制御ユニット(73)を断熱基板(78)の表面に取り付け、この断熱基板(78)の表面側に設けた冷却ケース(74)でエンジン制御ユニット(73)を表側から覆い、断熱基板(78)の裏面をステー(79)に取り付け、このステー(79)をEGR弁ケース(65)の支持具(77)を構成するボルト(77a)(77b)を介してEGR弁ケース(65)とともに吸気分配手段(22)に取り付けた、ことを特徴とする多気筒エンジン。
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