JP4326086B2 - ヒートシンクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は携帯情報機器のCPU等の放熱に好適なヒートシンクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ノートパソコンやPDAと呼ばれる携帯情報機器が普及してきている。これらの携帯情報機器には、CPU等のように、使用により高温になる部品が組み込まれている。前記CPU等は、一般的に温度が高くなりすぎると誤動作を生じ易くなり、最悪の場合壊れることもある。しかも、CPU等は処理速度を高くすると発熱量が増大する傾向にある。そのため、常に高い処理能力が求められている携帯情報機器においては、CPU等の冷却をどのようにするか重要であった。
【0003】
従来、デスクトップパソコン等に対しては、CPU等に装着する簡易な冷却装置として、図10に示すようなヒートシンク50が知られている。このヒートシンク50は、鋳造や研削等で作製された金属製品からなるもので、金属製基板51とその上面に形成された多数の放冷用金属製フィン52とからなり、前記基板51をCPU等の表面に密着させて使用される。このヒートシンク50にあっては、電源を必要としない利点があり、AC電源の使用に制約がある携帯情報機器には好適なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の金属製ヒートシンクを、コンパクトな携帯情報機器に使用しようとすると、サイズを小さくしなければならず、鋳造や、研削等では、正確かつ容易に製造することができなかった。しかも、従来の金属製ヒートシンクは重いため、携帯情報機器の軽量性を損なう問題がある。
【0005】
この発明は、上記の点に鑑みなされたもので、軽量性に優れ、サイズを小さくしても正確かつ容易に製造できるヒートシンクの製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るヒートシンクの製造方法の発明は、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面に、プラスチック製フィンを固着して前記基板とフィンが一体となったプラスチック製ヒートシンク本体を形成する工程と、前記プラスチック製ヒートシンク本体にめっき処理を施して前記基板の全表面、孔内周面及びフィンの表面に一連の金属めっき皮膜を形成する工程とを備え、前記プラスチック製ヒートシンク本体を形成する際、治具表面の両側に該治具表面よりも高い突縁が対向して形成され、前記両突縁に対向するスリットが複数組所定間隔で形成された治具を用い、フィン用プラスチックフィルムを当該フィン用プラスチックフィルムの両縁下部で前記治具のスリットに差し込んで保持し、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面を前記フィン用プラスチックフィルムの上側縁部に押し付けて前記基板とフィンを固着し、一体にすることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係るヒートシンクの製造方法の発明は、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面に、プラスチック製フィンを固着して前記基板とフィンが一体となったプラスチック製ヒートシンク本体を形成する工程と、前記プラスチック製ヒートシンク本体にめっき処理を施して前記基板の全表面、孔内周面及びフィンの表面に一連の金属めっき皮膜を形成する工程とを備え、前記プラスチック製ヒートシンク本体を形成する際、複数のピンを所定間隔離れる二列とし、かつ各列におけるピン間を所定間隔として前記ピンを表面に立設した治具を用い、前記二列のピン間にフィン用テープ状のプラスチックフィルムを掛け渡して保持した後、前記ピンの二列間より幅が狭く、かつ複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面をテープ状のプラスチックフィルムの縁部に押し付けて前記基板とフィンを固着し、次いで、前記基板の端からはみ出たテープ状のプラスチックフィルムを切断することによって、前記基板とフィンの一体化を行うことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1はこの発明によって得られた一実施例に係るヒートシンクの斜視図、図2は図1の2−2拡大部分断面図、図3は基板部分の拡大部分断面図、図4はヒートシンク本体の斜視図、図5はヒートシンクの製造方法の一実施例に係る治具の斜視図、図6はプラスチック製フィルムの保持時を示す斜視図、図7はプラスチック製フィルムと基板の固着時を示す斜視図、図8は切断前後のヒートシンク本体を示す斜視図、図9は他の製造実施例におけるフィンの保持時を示す斜視図である。
【0009】
図1に示すヒートシンク10は、図2ないし図4に示すヒートシンク本体11とその表面に形成された金属めっき皮膜21とよりなり、特に携帯情報機器のような小型の機器における放熱用に好適なものである。
【0010】
ヒートシンク本体11は、プラスチック製基板12とプラスチック製フィン15とで構成され、プラスチック製のため軽量性に優れている。基板12は、CPU等の対象物品にヒートシンク10を取付ける際に、対象部品に密着して固定される部分であって、取付け対象物品に応じた大きさに形成されている。この基板12は、前記取付けの他に放熱及びフィン15の保持のためのもので、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等、適宜のプラスチックで構成され、その表面には複数の孔13が貫通形成されている。基板12の厚みは適宜とされるが、強度、剛性及び加工性、成形性等の点から0.1〜3mm程度とされる。
【0011】
孔13は、前記基板12と密着する対象物品の熱を、その対象物品とは反対側の基板12表面に位置するフィン15へ、この孔13を介する空気の対流作用や、この孔13内周面に設けられた金属めっき皮膜による伝熱作用によって、効率良く熱を導くためのものであり、フィン15間にも位置するように設けるのが好ましい。孔13の大きさは、基板12の強度低下防止のためと効率よい放熱のため、直径0.1〜3mmが好ましい。より好ましくは、めっき後の開口比、すなわち、(めっき後の孔13の合計開口面積)/(孔形成前の基板12の片面面積)の値が0.001〜0.8となるようにするのが好ましい。この範囲とすることにより、基板12の極端な強度低下を防止しながら、効率よく熱を基板の取付け側からフィンのある表側へ導くことができる。なお、前記孔13の合計開口面積は、基板12の片面におけるものをいう。
【0012】
フィン15は、空気との接触面積を増して放熱作用を高めるためのもので、前記基板12の片側の表面に立設されている。このフィン15の材質は、適宜のプラスチックとされ、前記基板12と同材質、異材質のいずれでもよいが、基板12に接着する場合における接着剤の選択やめっきの前処理工程の選択が容易となるよう、基板12と同種の材質が好ましい。
【0013】
また、前記フィン15は、通常、接着により基板12表面に固着されるが、フィン15の厚みが大の場合等にあっては、射出成形等によって基板12(または孔13形成前の基板)と一体成形されたものでもよい。前記接着による場合は、溶剤型接着剤、シアノアクリレート型接着剤、ホットメルト型接着剤等のような接着剤を用いたり、溶剤単独、超音波融着、レーザー溶着等のようなフィルム15と基板12材料以外の物質が介在しない接着方法を用いたりして行われる。なお、前記接着剤でフィン15が基板12表面に固着される場合は、通常接着剤がフィン15の基部両側にはみ出し、そのはみ出した接着剤表面にもめっき処理が行われるため、めっきの析出、密着が良好な接着剤が使用される。
【0014】
前記フィン15の厚みは、プラスチックの種類やフィン15の強度、前記基板12のサイズ、フィン15の数等を考慮して定められるが、特に厚さ0.01〜1mmが好ましい。フィン15の高さについては、このヒートシンク10が用いられる機器のハウジング内空間等に応じて定められるが、2〜40mmが好ましい。2mm未満では放熱性が充分ではなく、40mmを超えるものは成形が困難である。またフィン15の間隔については、効率の良い空気の流動及び放熱性の点から、この例のようにフィン15が平行に配置する場合、フィン15の面間隔を0.5〜5mmとするのが好ましい。さらに、この実施例では、各フィン15は、長方形をした基板12の一辺12aと平行に立設されて前記基板12の両端まで一連となっているが、これに限るものではない。例えば、フィン15を基板12の中心から放射状に配設したり、あるいは、前記基板12の一辺12aに沿って横幅の短い短冊形状のフィンを複数配列して、従来技術で示した図9のようにしたりしてもよい。
【0015】
金属めっき皮膜21は、前記基板12及びフィン15の全表面と全ての孔13の内周面を覆って一連に形成されている。この金属めっき皮膜21が、一連に形成され、途中で分断していないため、ヒートシンク10表面に優れた熱伝導性を賦与することができる。しかも、前記基板12の孔13内周面にも、金属めっき皮膜21が形成されているため、基板12の取付け側と接触する対象物の熱が孔13を通って基板12のフィン15側表面へ移動する際に、孔13内周面の金属めっき皮膜と接触して速やかに熱がフィン15や基板12全体に伝わり、高い放熱作用が得られる。
【0016】
前記孔13における金属めっき皮膜21の伝熱性を、一層優れたものとするには、基板12をその表面とは水平な面で切断した横断面において、全ての孔13内周の金属めっき皮膜21に対する切断面面積の合計と、孔13部分を含む基板12の全体横断面積(例えば一辺20mmの正方形基板の場合、全体横断面積は400mm2である。)との比が0.01〜0.7であるのが好ましい。一般的に、前記比は大きいほど孔13部分における金属めっき皮膜21による伝熱性が大きくなるが、前記比が0.7を超えても殆ど伝熱性が向上しないばかりかコストが嵩むようになり、逆に比が0.01未満の場合には金属めっき皮膜による良好な伝熱性が期待できなくなる。
【0017】
前記金属めっき皮膜21の厚みは、ヒートシンク本体11の軽量性を損なわず、しかも良好な熱伝導性や耐久性を得ることができるように、10〜100μmの厚みが好ましい。また金属めっき皮膜21を構成する金属は適宜とされる。この実施例の金属めっき被膜21は、図3に示す基板12部分の拡大断面図から理解されるように、内側から無電解ニッケル21a、ストライクニッケル21b、電解銅21c、電解ニッケル21dの四層で構成され、めっき被膜の耐久性及び熱伝導性の向上が図られている。
【0018】
次に、前記ヒートートシンクに対する製造方法の発明について、その実施例を説明する。このヒートシンクの製造方法は、まず、図4に示したような、前記構造のプラスチック製ヒートシンク本体11を形成し、次いでそのヒートシンク本体11に対して公知のめっき処理を施すことにより、ヒートシンク本体11の基板12及びフィン15の全表面と、基板12の孔13の全内周面に一連の金属めっき皮膜21を形成し、前記ヒートシンク10を得るものである。
【0019】
前記ヒートシンク本体11の形成は、可能な場合には、孔13の開いた基板12とフィン15を射出成形等により一体成形することにより、あるいは孔13形成前の基板とフィン15を射出成形等により一体成形し、その後孔13をドリル等で形成することにより行い、また、フィン15が薄くて、射出成形等によっては基板12あるいは孔13形成前の基板とフィン15とを一体成形できない場合には、次のようにして行う。すなわち、射出成形等によって得た孔形成前の基板に、ドリル等で前記孔13を所要数穿孔して前記プラスチック製基板12を形成し、その後、図5に示した治具31にフィン15またはフィン用プラスチックフィルム(プラスチックシートとも称される。以下同じ。)を立てて保持し、該フィン15またはフィン用プラスチックフィルムを基板12に固着することによって行う。
【0020】
この実施例における治具31は、台32の表面に複数のピン33を所要間隔離れる平行な二列35,36にして立設したものからなる。ピン33の列35,36同士の間隔は、前記基板12の幅よりも大とされ、また、各列におけるピン33のサイズ及びピン33間隔は、基板12に立設するフィン間隔等によって最適なものが選択される。
【0021】
前記治具31表面の二列35,36のピン33間に、図6のように、フィン用の一連のテープ状プラスチックフィルム15aをジグザグ状に掛け渡し、プラスチックフィルム15aを立てて保持する。テープ状プラスチックフィルム15aは、所要幅の帯状からなり、その両端16,16が一方の列35における一端のピン33aと他方の列36における反対端のピン33bに接着テープ等で固定される。
【0022】
その後、前記治具31に保持されたプラスチックフィルム15aの縦方向dの縁部(治具31表面から遠い側の上端部)17に、図7のように、前記基板12の表面を押し付け、プラスチックフィルム15aを基板12の表面に固着する。その際、固着方法に応じた処理が行われる。例えば、接着剤を使用する場合には、前記プラスチックフィルム15aの縁部17に所望の接着剤が塗布される。
【0023】
前記プラスチックフィルム15aの固着後、前記基板12の両縁12a,12bに沿ってプラスチックフィルム15aを刃物18等で切断し、基板12の両縁12aからはみ出しているプラスチックフィルムの部分を分離する。それにより、図8のA図に示すように、前記切断によって基板12表面に残ったプラスチックフィルムからなるフィン15と、基板12が一体になったヒートシンク本体11を得る。その後、ヒートシンク本体11は、必要に応じて所要のサイズに切断される。図8のB図は、前記ヒートシンク本体11を二分したものを示す。このようにして得たヒートシンク本体は、その後、定法にしたがってめっき処理される。
【0024】
また、前記フィン15と基板12の一体化の際における、治具によるフィン用プラスチックフィルムの保持は、前記の方法に限られるものではない。図9に示す治具41は、フィン用プラスチックフィルム15bが、厚みや材質によって自己形状保持性を有する場合の例である。図示の治具41は、両側に治具表面42よりも高い突縁43,44が対向して形成され、その両突縁43,44に所定間隔でスリット45,46が複数組形成され、両突縁43、44間でスリット45,46の各組が互いに対向している。そして、所要長に切断された所要上下幅のフィン用プラスチックフィルム15bが、その両縁下部で、前記スリット45,46に差し込まれて保持される。その後、基板12の表面をプラスチックフィルム15bの縁部に押し付け、前記と同様にしてプラスチックフィルム15b、すなわちフィン15と基板12との固着一体化が行われ、前記ヒートシンク本体11が形成される。このヒートシンク本体に対しても、前記と同様のめっき処理が行われ、前記金属めっき皮膜21が形成される。
【0025】
【実施例】
以下、具体的数値を示しながら、一実施例を説明する。まず、ABS(商品名:サイコラックEPX;宇部サイコン社製)を用いて、幅15mm、長さ400mm、厚さ1mmのABS板を射出成形し、そのABS板の全面にわたり、直径1mmの孔をピッチ2mmの格子パターンとなるようにドリルで穿孔し、基板を形成した。
【0026】
また、直径1mm、高さ9mmのクロムめっき仕上げの鉄製ピンを、図4のように25mm離れる2列にし、各列におけるピンのピッチを2mmにして立設した治具を用意する。そして、厚さ25μmのABSフィルム(シート)を、幅10mmのテープ状に切断したものを、図5のように治具の2列のピン間に掛け渡して、ピン間にプラスチックフィルムが平行に所要本数掛け渡された状態にする。その状態で、プラスチックフィルムの上端に、ABSをトルエンで溶解して固形分を10%にした接着剤を塗布し、その接着剤の付着したプラスチックフィルムの上端に基板の表面を押し付け、プラスチックフィルムと基板を一体化した。また、図6のように、基板の両側からはみ出す部分のプラスチックフィルムをダイヤモンドカッターで切り取り、さらに、基板を長さ40mmごとに切断して10個のヒートシンク本体を得た。
【0027】
前記ヒートシンク本体を、フィン及びフィン間のスリット(空間)が垂直となるようにして、めっき用治具に取付け、脱脂後、無水クロム酸420g/リットルと98%硫酸380g/リットルからなるエッチング液に、68℃で5分間浸漬処理し、取り出した後に水洗してヒートシンク本体の表面及び孔内周面を粗化した。次に、35%塩酸100ml/リットルで中和して十分にクロム酸を除去した後、キャタリストC(スズパラジウム塩化物錯体;奥野製薬社製)30ml/リットルと35%200ml/リットルからなる触媒液に、30℃で3分浸漬し、40℃の98%硫酸100ml/リットル溶液でスズ分を除去し、水洗してパラジウム金属微粒子を表面に付着させた。
【0028】
次いで、無電解ニッケル(化学ニッケルHR−T;奥野製薬社製)の標準濃度で30℃、10分めっきし、活性化(トップサン;奥野製薬社製)の後、フィン側が陽極に対向するようにしてストライクニッケルめっき浴(硫酸ニッケル150g/リットル、塩化アンモニウム30g/リットル、ホウ酸30g/リットル)中で50℃、4分間、1A/dm2でニッケルをめっきした。さらに、プリント基板用硫酸銅めっき浴キューブライトTH(荏原ユージライト社製)の標準処方により、25℃、40分間、4.5A/dm2でめっきし、ヒートシンクを得た。このヒートシンクの基板において、めっき後の孔の開口比は0.196であった。また、前記基板をその表面とは水平な面で切断した横断面において、孔周囲の金属めっき皮膜の切断面面積と、孔部分を含む基板の全体横断面積との比は0.0302であった。
【0029】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、本発明の製造方法で得られたヒートシンクは、複数の孔を形成したプラスチック製基板とプラスチック製フィンの全表面及び孔の内周面に金属めっき被膜を設けたため、プラスチックによる軽量性のみならず、基板の複数の孔及び表面の金属めっき被膜による優れた放熱性及び熱伝導性をも備えたヒートシンクを得ることができる。しかも、プラスチック製基板は射出成形等によって容易に製造でき、基板に対するプラスチック製フィンの固着も可能なため、ヒートシンクをコンパクトに形成するのが容易である。したがって請求項1の発明によって得られるヒートシンクは、コンパクト及び軽量性が求められる携帯情報機器用として、特に好適である。
【0030】
また、基板の孔の径が0.1〜3mmであるため、ヒートシンクに必要な十分な強度を保持しつつ、効率良い放熱が可能となる。
【0031】
さらに、プラスチック製フィンの厚みが0.01〜1mmであるため、フィン間における空気の流れを良好にして放熱性を高め、しかもめっき処理性を損なうことなく、多数のフィンを基板表面に設けることができる。
【0032】
さらにまた、金属めっき皮膜の厚みが10〜100μmであるため、ヒートシンクの軽量性を損なうことなく、金属めっき被膜の耐久性及び熱伝導性を優れたものにできる。
【0033】
また、請求項1及び2の発明によれば、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面に、プラスチック製フィンを固着して前記基板とフィンが一体となったプラスチック製ヒートシンク本体を形成する工程と、前記基板及びフィンにめっき処理を施して前記基板の全表面、孔内周面及びフィンの表面に一連の金属めっき皮膜を形成する工程とを備えるため、基板とフィンとを一体成形できない場合でも、接着等の技術によってコンパクトなヒートシンク本体を形成することができ、そのヒートシンク本体にめっき処理を行えばよいので、簡単にコンパクトなヒートシンクを製造することができる。
【0034】
さらに請求項1の発明によれば、プラスチック製ヒートシンク本体を形成する際、プラスチック製フィンを治具に保持し、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面を前記フィンの縁部に押し付け、前記基板とフィンを固着し、一体にするため、基板とフィンの一体化を容易に、かつ確実に行うことができる。特に、射出成形等によっては基板と一体成形できないようなフィンを基板表面に設ける場合にも、容易にヒートシンクを製造することができる。
【0035】
また、請求項2の発明によれば、プラスチック製ヒートシンク本体を形成する際、治具表面に立設したピン間にフィン用テープ状プラスチックフィルムを掛け渡して保持し、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面をテープ状プラスチックフィルムの縁部に押し付けて基板とフィンを固着し、次いで、前記基板の縁からはみ出たテープ状のプラスチックフィルムを切断するため、多数の薄いフィンを簡単、かつ確実に基板と一体にすることができ、作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の製造方法によって得られた一実施例に係るヒートシンクの斜視図である。
【図2】 図1の2−2拡大部分断面図である。
【図3】 基板部分の拡大部分断面図である。
【図4】 ヒートシンク本体の斜視図である。
【図5】 ヒートシンクの製造方法の一実施例に係る治具の斜視図である。
【図6】 プラスチック製フィルムの保持時を示す斜視図である。
【図7】 プラスチック製フィルムと基板の固着時を示す斜視図である。
【図8】 切断前後のヒートシンク本体を示す斜視図である。
【図9】 他の製造実施例におけるフィンの保持時を示す斜視図である。
【図10】 従来のヒートシンクの斜視図である。
【符号の説明】
10 ヒートシンク
11 ヒートシンク本体
12 プラスチック製基板
13 孔
15 プラスチック製フィン
15a プラスチックフィルム
15b プラスチックフィルム
21 金属めっき被膜
31 治具
33 ピン
Claims (2)
- 複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面に、プラスチック製フィンを固着して前記基板とフィンが一体となったプラスチック製ヒートシンク本体を形成する工程と、
前記プラスチック製ヒートシンク本体にめっき処理を施して前記基板の全表面、孔内周面及びフィンの表面に一連の金属めっき皮膜を形成する工程とを備え、
前記プラスチック製ヒートシンク本体を形成する際、治具表面の両側に該治具表面よりも高い突縁が対向して形成され、前記両突縁に対向するスリットが複数組所定間隔で形成された治具を用い、フィン用プラスチックフィルムを当該フィン用プラスチックフィルムの両縁下部で前記治具のスリットに差し込んで保持し、複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面を前記フィン用プラスチックフィルムの上側縁部に押し付けて前記基板とフィンを固着し、一体にすることを特徴とするヒートシンクの製造方法。 - 複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面に、プラスチック製フィンを固着して前記基板とフィンが一体となったプラスチック製ヒートシンク本体を形成する工程と、
前記プラスチック製ヒートシンク本体にめっき処理を施して前記基板の全表面、孔内周面及びフィンの表面に一連の金属めっき皮膜を形成する工程とを備え、
前記プラスチック製ヒートシンク本体を形成する際、複数のピンを所定間隔離れる二列とし、かつ各列におけるピン間を所定間隔として前記ピンを表面に立設した治具を用い、前記二列のピン間にフィン用テープ状のプラスチックフィルムを掛け渡して保持した後、前記ピンの二列間より幅が狭く、かつ複数の孔を形成したプラスチック製基板の表面をテープ状のプラスチックフィルムの縁部に押し付けて前記基板とフィンを固着し、次いで、前記基板の端からはみ出たテープ状のプラスチックフィルムを切断することによって、前記基板とフィンの一体化を行うことを特徴とするヒートシンクの製造方法。
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