JP4322387B2 - 電気開閉装置ユニットのための接続組立体 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接する２つの電気開閉装置ユニットを接続するための、両ユニットに結合可能なプラグを備えた接続組立体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
低電圧用開閉装置ユニットの電源電極には、接続される導体を締付ける窓孔を設けたループ状のバネがしばしば用いられる。この場合、一つの開閉装置ユニット内の電極に電線のような導体を特定の通路内で接続したいときには、作業者は最初にこの特定の通路に隣接する他の通路内に解除工具を挿入する。したがって、一対の電極を相互に接続するためにはいくつかの作業が必要である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
バネを有した弾性電極を用いる電気スイッチ若しくは分配開閉装置ユニットが互いに隣接し若しくは互いに組立てられるときには、これらの電気スイッチ若しくは分配開閉装置ユニットを迅速かつ容易に接続できることが望ましい。
【０００４】
そこで本発明の目的は、単純かつ安価な機器によって、かつバネに設けた窓孔への電線の一般的な接続若しくはピンを用いた迅速な接続のいずれをも可能とすることにより、弾性電極を有した電気開閉装置のこの種の相互接続を容易にすることにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
組立体は、絶縁ボデーと、一対の開閉装置ユニット内にあって相互に接続される電極同士と互いに平行に係合するように電気的に整合したピンとを有したプラグを備える。
接続状態において、前記ピンは、工具が挿入される通路内に係合するとともにその自由端が一対の開閉装置ユニットに設けたバネの凸部領域上に配置される。
前記プラグには、接続状態において一対の開閉装置ユニットのうちの少なくとも一つにそれを保持するための係止手段が設けられる。
【０００６】
このように製造される本発明の接続組立体は単純であり、開閉装置ユニット間に単純な相互接続を提供し、かつ電極を覆うが、いかなる部品も存在しないときにはバネに対する電線の一般的な接続をも可能とする。
【０００７】
係止手段は、好ましくは、ピンの末端近傍に配設されるとともにバネの凸部領域と係合する、ピンに設けた凹部から成る。
【０００８】
プラグ上のピンは、平行とすることができ、かつ例えばプラグボデーとカチッと嵌合されるとともにピンを一体に接続する中央部分を有した単一の導電部分を形成する。前記導電部分は、ピンの末端が短い距離だけ弾性的に動いて、組立体の製造時若しくは組立時に生じる寸法変化に追従できるように設計することができる。
【０００９】
本発明の他の特徴は、下位の請求項に記載されている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の非限定的な実施形態を、添付の図面を参照して以下に記載する。
【００１１】
図１に示した開閉装置ユニットは、回路遮断器１１と、この回路遮断器１１に機械的に連結される接触器（contactor）１２と、それを介して電力が電極に供給されるブスバー（busbar）１３と、を備えたモータ出力組立体１０を形成している。この組立体は、通常の取付け手段によって、特にカチッと嵌る嵌合（click fitting）によって回路遮断器１１の後ろ側に設けられたレール若しくは他の支持体のような後部支持体１４に固定されるが、接触器１２は回路遮断器１１に直接固定される。多極プラグ３０は、開閉装置ユニット１１、１２間と開閉装置ユニット１１、１３間の相互接続をそれぞれ提供するが、これらのユニットは上下方向に重ねられるとともに等しい幅を有する。
【００１２】
開閉装置ユニット（switchgear unit）１１、１２および１３は、各開閉装置ユニットの前面１１ａ、１２ａおよび１３ａの近傍に配置された、弾性的に湾曲された電源電極（以下「弾性電極」または単に「電極」と言う）１５を有している。電極１５は、開閉装置ユニットの筐体内に、より正確には開閉装置ユニットのハウジング内、若しくは入出力側においてハウジングに取り付けられた電極ブロック内に収容されている。各電極１５は、ハウジング１７内に設置された公知のタイプのバネ１６（図３および図４参照）を有している。バネ１６は、取込によって電線を捕獲するための窓孔１６ｂが設けられた捕獲腕１６ａと、支持体１８にあてがわれる腕１６ｃと、腕１６ａおよび腕１６ｃを接続する凸状領域内のループ１６ｄとを有している。少なくとも２つの通路２０、２１が、各電極１５ごとに、関連する開閉装置ユニットのハウジングの前部に設けられている。通路２０は、通路２１内に挿入した工具２３を用いてループ１６ｄ上に圧力を負荷することによってバネ１６を緩ませた後で、電線２２（図３を参照）を開口すなわち窓孔１６ｂ内に係合させるために用いられる。挿入方向Ｆは図３中に矢印で示されている。
【００１３】
組立体１０は、好ましくは多極の電源相互接続プラグ３０を有している。プラグ３０は、互いに隣接した開閉装置ユニットの電源電極１５を接続するために用いられる、プラグ３０は、電気的に整合した平行ピン３１、３２のいくつかのグループを有している。これらのピンの輪郭は、バネ１６の凸部領域１６ｄ上に圧力を加えることによって、かつ導電部分２４に接触することによって通路２１内にスライドさせて挿入できるようになっている。導電部分２４は、支持体１８と平行に設置され、若しくは例えばこの支持体１８に固定することができる。各電極１５はこのように配設されて、第１に通路２１内に挿通される工具を用いることにより通路２０を介した電線２２の接続が可能となっており、かつ、第２に通路２１への挿入によるピン３１若しくはピン３２の工具を用いない直接接続が可能となっている。
【００１４】
図２は、いくつかのモータ出力組立体１０がどのようにして互いに隣接配置されるかを示している。
【００１５】
相互接続プラグ３０は絶縁ボデー３３を有している。そして、この絶縁ボデー３３は、２つの開閉装置ユニットの幅のほぼ全体にわたって延び、これらの開閉装置ユニットのための電極筐体キャップを形成する。各組の整合した入出力ピン３１、３２は、一つの導電部材３４の一部を形成している。導電部材３４は、ピン３１、３２を電気的に接続する中央部分３５を有しており、絶縁ボデー３３の外側のピンの部分に末広がりのＶ字形状を付与する末広がりの傾斜部分３６、３７を提供している。絶縁ボデー３３は、正面壁３３ａと後部壁（側壁の後縁）３３ｂおよび側壁３３ｃとを備えている。側壁３３ｃに設けた、延長部分モジュールを組み付けることができる容易に壊れる領域３８については、図６を参照して後述する。ピン３１、３２の自由端は互いに平行でかつ同じ長さである。むろん、相互に接続される開閉装置ユニットの前面が同一平面上にない場合、ピンの長さは異なる。
【００１６】
図４に示すように、各ピン３１、３２は、その自由端３９に、凹状の傾斜部分若しくは類似の形状３９ａからなり、かつバネ１６の凸部領域１６ｄと協働してプラグが開閉装置ユニットと接触した状態にする係止手段を有している。この係止手段は、いくつかのケースにおいて絶縁ボデー３３および開閉装置ユニットハウジング若しくは電極ブロック上に設けられる他の手段、例えばカチッと嵌る嵌合（click fitting）の使用を妨げるように設計される。ピン３１、３２の自由端３９には、電極１５の挿入を容易にするためのバネ１６側の斜面３９ｂと、固定された導電部分２４と摺動するとともにバネ１６によってこの導電部分２４に接触させられる前記バネ１６とは反対側の平坦面３９ｃとが設けられている。通路２１はその輪郭が漏斗状に形成され、前記平坦面３９ｃおよび末広がり部分３６、３７を案内するようになっている。プラグ３０に対して特定の導電部分３４は、カチッと嵌る嵌合（click fitting）によって絶縁ボデー３３内に組み付けられるように適切に形成された要素３４ａを有している。
【００１７】
プラグ３０の前面３３ａにはプーラ（puller）４０が設けられているが、このプーラ４０は絶縁ボデー３３の内側に形成された摺動部分４１と協働し、格納状態（図３中に実線で示す）から、プラグが開閉装置ユニットから引き抜かれることを可能にする引き延ばされた状態（図３中に点線で示し図４中に実線で示す）への切り換えを容易にする。このことは、開閉装置ユニット１１のグループが図２に示すように隣接しているときに有利である。プーラ４０は、引き延ばされた状態において試験通路、例えば絶縁ボデー３３の前面３３ａに形成された通路４２に対するアクセスが許容されるように傾斜（図４中の点線で示す状態）できるように組み付けられる。
【００１８】
ピン３１、３２はわずかに弾性を有し、その自由端が挿入方向に対して横方向に、言い換えると開閉装置ユニットの前面と平行な方向に動くことを可能とし、互いに接近し若しくは離間することによって互いに接続される電極１５間の製造若しくは組立の許容範囲に適合する。一つの異なる実施形態において、ピン、例えばピン３１のグループは他のグループのピン３２に対し、バネの作用によって絶縁ボデー３３内で動くことができるように取り付けられる。
【００１９】
プラグを挿入するために、作業者は絶縁ボデー３３の側壁３３ｃを握持し、方向Ｆに沿ってピンの先端３９を通路２１内に係合させる。斜面３９ｂがバネ１６の凸部領域１６ｄと接触するとともに、表面３９ｃは電極の導電部分２４と接触する状態に置かれる。ピンの横方向の弾性が寸法誤差に追従する。プラグを取り外したいときは、作業者は側面３３ｃを握持し若しくはプーラ４０を抜き出す。次いでバネによってピン上に負荷される横方向の圧力に打ち勝ちつつ、絶縁ボデー３３を引き抜く。
【００２０】
図６に示した実施例においては、プラグ３０は隣接するインバータ接触器１２の電源に適合している。プラグ３０の絶縁ボデー３３は、第１にそれらのピン３１、３２と共に部材３４を、第２に例えば挿入され若しくはカチッと嵌合された延長モジュール５０を収納している。モジュール５０は、絶縁ボデー５１と、この絶縁ボデー５１の内部でピン３１のすぐ近くに配設された第１のピン５２と、絶縁ボデー５１の内側で対をなしてピン５２に接続された第２のピン５３と、を有している。ピン５２および５３は、第１の接触器内の電極および第２の接触器内の電極１５とそれぞれ協働するように設計され、ピン３１および隣接するピン５２は、両者を互いに接続する弾性電極１５内に二重に接続される。記載されているレイアウトは、単に延長部分モジュール５０を付加することにより、インバータスイッチとして取り付けられた接触器のために用いられるプラグ３０がまた、単純な接触器として用い得ることを意味している。明らかに、プラグ３０は、ピン３１，５２および単純な弾性電極と結合される単純なピンと組み合わせて設計することができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明によれば、弾性電極を有した電気開閉装置ユニットの相互接続を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるプラグによって相互に接続される一組の電気開閉装置ユニットの側面図。
【図２】隣接するいくつかの組立体の正面図。
【図３】図１に示した組立体内のブスバーと回路遮断器との接続を形成するプラグの拡大断面図。
【図４】プラグのみを示す断面図。
【図５】プラグを示す前方からの斜視図。
【図６】インバータ接触器のための分配ストリップが嵌合するプラグを示す後方からの斜視図。
【符号の説明】
１０ 接続組立体
１１ 開閉装置ユニット（回路遮断器）
１２ 開閉装置ユニット（接触器）
１３ 開閉装置ユニット（ブスバー）
１５ 接続電極（電極）
１６ バネ
１６ｄ 凸部領域
２１ 通路
２２ 導体
３０ プラグ
３１，３２ ピン
３３ 絶縁ボデー
３４ 相互接続部分
３５ 中央部分
３６，３７ 末広がり部分
３９ 凹部
４０ 引抜プーラ
４２ 試験通路

Claims (8)

1. 接続される導体（２２）を捕えるための窓孔（１６ｂ）と、解除工具によって押圧可能な凸部領域（１６ｄ）とが設けられたループ状のバネ（１６）を有する接続電極（１５）と、前記解除工具を挿入するための前記接続電極ごとに設けられた通路（２１）と、を含んでなる互いに隣接する２つの電気開閉装置ユニットを備えた接続組立体において、
   前記接続組立体は、絶縁ボデー（３３）およびピン（３１，３２）を有するプラグ（３０）を備えており、
   前記ピン（３１，３２）は、互いに電気的に整合し、電極（１５）内で互いに平行に係合して前記２つの開閉装置ユニット内で相互に接続されており、
   接続状態において、前記ピン（３１，３２）は、工具が挿入される通路（２１）内に係合し、かつ、それぞれの自由端が前記２つの開閉装置ユニットに設けたバネの凸部領域（１６ｄ）上に配設されており、
   前記プラグ（３０）には、接続状態において、前記２つの開閉装置ユニットのうちの少なくとも一つの開閉装置ユニット上に前記プラグを保持するための係止手段が設けられていることを特徴とする接続組立体。
2. 前記プラグ係止手段は、前記ピン（３１，３２）の端部近傍に位置するとともに前記バネ（１６）の凸部領域（１６ｄ）と接触する凹部（３９）を有することを特徴とする、請求項１に記載の接続組立体。
3. 前記プラグ（３０）の前記絶縁ボデー（３３）に引抜プーラ（４０）が嵌まっていることを特徴とする、請求項１に記載の接続組立体。
4. 前記引抜プーラ（４０）は、前記プラグ（３０）の前記絶縁ボデー（３３）の前部に設けた試験通路（４２）に対するアクセスを可能とするために側方に移動できることを特徴とする、請求項３に記載の接続組立体。
5. 前記プラグ（３０）の前記絶縁ボデー（３３）は、開閉装置ユニットの幅の全体にわたって延びる、前記２つの開閉装置ユニットの前記電極（１５）のための共通の電極筐体キャップを形成することを特徴とする、請求項１に記載の接続組立体。
6. 相互に接続される電極（１５）の組ごとに、平行なピン（３１、３２）を有した単一の相互接続部分（３４）と、傾斜した末広がり部分（３６、３７）を介して前記ピン（３１、３２）を接続する中央部分とが設けられていることを特徴とする、請求項１に記載の接続組立体。
7. 接続される電極（１５）の組ごとに、平行なピン（３１、３２）を有した単一の相互接続部分（３４）と、前記ピン（３１、３２）を接続する中央部分（３５）とを備えるとともに、前記相互接続部分（３４）はカチッと嵌る嵌合によって前記絶縁ボデー（３３）に固定されていることを特徴とする、請求項１に記載の接続組立体。
8. 前記ピン（３１、３２）の自由端は、互いに接離する方向に弾性的に動くことができることを特徴とする、請求項１に記載の接続組立体。

Images