JP4314456B2 - ガソリンバリア性に優れたチューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐燃料透過性(ガソリンバリア性)、柔軟性、耐屈曲性、耐熱性および経済性に優れた、燃料容器や燃料容器用部品の、あるいはその他の用途に用いられるチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境規制の強化に伴い、主に車両用の燃料チューブあるいはホースに対して、耐燃料透過性を向上させる必要が生じている。従来のゴム材料を主成分とするチューブではこれらの要求に対応できなくなって来ているため、これに対応するために、ゴム材料などからなるチューブの内側にガソリン等の燃料に対する透過性の低い樹脂層を積層したチューブが実用化されている。例えば、ゴム材よりなるチューブの内側にポリアミド系樹脂よりなるチューブを嵌め込んで複層構造としたチューブや、チューブ状のゴム材とフッ素ゴムあるいはフッ素樹脂層を加硫接着させて積層構造としたチューブ(特許文献1参照)、に記載されるように、ゴム材からなるチューブの内面に、例えばフッ素系樹脂またはこれにポリアミド系樹脂をブレンドした樹脂粉末を静電塗装し、加熱して樹脂層を形成したチューブ(特許文献2参照)、あるいは、ゴム材からなるチューブの内面に、例えばフッ素系樹脂またはポリアミド樹脂などの溶液を塗布し、樹脂層を形成したチューブ等が知られている(特許文献3参照)。
【0003】
しかしながら、別層のチューブを嵌め込む構造のチューブは、薄肉化が困難で可撓性が低下し、複雑な形状のチューブへの適用が難しい。また、樹脂粉末を静電塗装する方法は、ゴムホースの内表面に所定厚さの均一な樹脂層を形成することが容易ではなく、ピンホール等が発生する問題があった。さらに、いずれのチューブも、フッ素系樹脂を用いる場合には、ゴム材料等のチューブ基材との良好な密着性を得ることが難しく、別途表面処理を施したり、接着剤を併用する必要があった。また、ポリアミド樹脂を用いる場合には、ゴム材料等のチューブ基材との比較的良好な密着性は得られるものの、その耐燃料透過性が不十分であり、さらなる性能の向上が求められていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−205745号公報
【特許文献2】
特開平8−25578号公報
【特許文献3】
特開2001−165360号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、チューブの表面に樹脂層を均一に密着形成し、燃料透過に対する高いバリア性、柔軟性、耐屈曲性、耐熱性に優れたチューブを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、燃料容器や燃料容器用部品の、あるいはその他の用途に用いられるチューブの表面に、皮膜層として特定のエポキシ樹脂と特定のエポキシ樹脂硬化剤を主成分として形成される高ガソリンバリア性硬化皮膜層を形成させることにより、燃料の漏れが大幅に改善されたガソリンバリア性、柔軟性、耐屈曲性、耐熱性および経済性に優れたチューブが得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂により成形されたチューブ本体と、該チューブの外表面および/または内表面に形成された皮膜層からなるチューブであって、該皮膜層が下記(A)のエポキシ樹脂および下記(B)の反応生成物からなるエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されることを特徴とするチューブに関するものである。
(A)メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂
(B)下記の(a)および(b)の反応生成物、または(a)、(b)および(c)の反応成物であって、(a)および(b)、または(a)、(b)および(c)の反応モル比が、(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)に含有される反応性官能基の数の比、または(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)および(c)に含有される反応性官能基の合計数の比として、0.6〜0.97の範囲である反応生成物
(a)メタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミン
(b)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(c)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のチューブは、燃料容器や燃料容器用部品に用いられるチューブであり、具体的には燃料チューブなどが挙げられる。本発明のチューブは、また、燃料移送用途以外のチューブにも利用可能である。
【0009】
本発明のチューブ本体を形成する熱可塑性樹脂としては、成形後に形状を保持し得るものであればいずれのものでも使用することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン−12などのポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられるが、特にポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニルなどのビニル樹脂、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、あるいはこれらとアクリロニトリルやスチレンとの共重合体などの合成ゴムなどの柔軟性のある樹脂が好ましい。また、必要に応じて、中間層にバリア性樹脂層を有する多層構造の樹脂からなるチューブなどを使用することもできる。中間層にバリア性樹脂層を有する多層構造の樹脂からなるチューブの場合、バリア性樹脂層としては、好適にはエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂が用いられ、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上であるEVOHが好ましい。
また、チューブ本体を形成する熱可塑性樹脂に関しては、耐熱性や柔軟性などの諸性能を向上させるために、必要に応じて数種の樹脂を配合して使用しても良い。
【0010】
さらにチューブ本体を形成する熱可塑性樹脂には、本発明の作用、効果を損なわない範囲で必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤の例としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどの酸化防止剤、フタル酸エステル類、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステルなどの可塑剤、エチレン−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤、ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックスなどの帯電防止剤、エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレートなどの滑剤、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラなどの着色剤、その他フィラー、熱安定剤、プロセスオイル、加工助剤等を挙げることができる。
【0011】
本発明のチューブの形状は、特に制限されるものではなく、例えば、両端を除く部分を蛇腹状とした形状、円筒管形状や曲管形状等、種々の形状とすることができる。また、径や厚みは、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、自動車用の燃料ホースとして用いる場合には、通常、直径20〜40mm程度、厚み3〜5mm程度が好ましい。全体厚みが大きすぎると重量が大きくなりすぎ、自動車等の燃費に悪影響を及ぼし、チューブのコストも上昇する。一方全体厚みが小さすぎると形状保持が不可能となり、容易に破壊されてしまう問題がある。また、本発明の皮膜層との接着性を向上させるために、必要に応じてチューブの内外表面にコロナ放電処理やオゾン処理などの各種表面処理を実施してもよい。
【0012】
本発明のチューブを構成する皮膜層について以下に説明する。
本発明における皮膜層はガソリンバリア性に優れる事を特徴としており、その60℃、相対湿度60%におけるガソリン透過係数は2g・mm/m2・day以下、好ましくは0.2g・mm/m2・day以下、特に好ましくは0.02g・mm/m2・day以下である。ここでガソリン透過係数とは1mm厚のサンプル1平方メートルを24時間かけて透過するガソリンの量を示す値である。測定に用いられるガソリンとは、イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10の体積分率で混合される模擬ガソリンである。
【0013】
本発明における皮膜層は下記(A)のエポキシ樹脂および下記(B)の反応生成物からなるエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物により形成される。
(A)メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂
(B)下記の(a)および(b)の反応生成物、または(a)、(b)および(c)の反応生成物であって、(a)および(b)、または(a)、(b)および(c)の反応モル比が、(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)に含有される反応性官能基の数の比、または(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)および(c)に含有される反応性官能基の合計数の比として、0.6〜0.97の範囲である反応生成物
(a)メタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミン
(b)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(c)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
【0014】
本発明におけるエポキシ樹脂はメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂を主成分とすることを特徴としているが、高いガソリンバリア性の発現を考慮した場合にはメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂が特に好ましい。
【0015】
さらに、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるために、本発明の効果を損なわない範囲で種々のエポキシ樹脂を適切な割合で混合して使用することもできる。混合する場合のエポキシ樹脂は飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよいが、高いガソリンバリア性の発現を考慮した場合には芳香環を分子内に含むエポキシ樹脂が好ましく、具体的には1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミン部位および/またはグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂などが使用できる。
【0016】
前記エポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類とエピハロヒドリンの反応により得られる。例えば、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂は、メタキシリレンジアミンにエピクロルヒドリンを付加させることで得られる。
【0017】
ここで、前記グリシジルアミン部位は、キシリレンジアミン中のジアミンの4つの水素原子と置換できる、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−グリシジルアミン部位を含む。モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−グリシジルアミン部位の各比率はメタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンとの反応比率を変えることで変更することができる。例えば、メタキシリレンジアミンに約4倍モルのエピクロルヒドリンを付加反応させることにより、主としてテトラグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂が得られる。
【0018】
前記エポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対し過剰のエピハロヒドリンを水酸化ナトリウム等のアルカリ存在下、20〜140℃、好ましくはアルコール類、フェノール類の場合は50〜120℃、アミン類の場合は20〜70℃の温度条件で反応させ、生成するアルカリハロゲン化物を分離することにより合成される。
【0019】
生成したエポキシ樹脂の数平均分子量は各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対するエピハロヒドリンのモル比により異なるが、約80〜4000であり、約200〜1000であることが好ましく、約200〜500であることがより好ましい。
【0020】
本発明におけるエポキシ樹脂硬化剤は、下記の(a)および(b)の反応生成物、または(a)、(b)および(c)の反応生成物であって、(a)および(b)、または(a)、(b)および(c)の反応モル比が、(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)に含有される反応性官能基の数の比、または(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)および(c)に含有される反応性官能基の合計数の比として、0.6〜0.97の範囲である反応生成物を主成分とすることを特徴としている。
(a)メタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミン
(b)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(c)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
【0021】
(b)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体が好ましい。
【0022】
また、(c)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などの炭素数1〜8の一価のカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、前記多官能性化合物と併用して開始ポリアミンと反応させてもよい。反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、エポキシ樹脂硬化剤中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高いガソリンバリア性および本発明のチューブを形成する熱可塑性樹脂との良好な接着強度が得られる。
【0023】
(a)および(b)、または(a)、(b)および(c)の反応モル比は、(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)に含有される反応性官能基の数の比、または(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)および(c)に含有される反応性官能基の合計数の比として、0.6〜0.97の範囲の範囲であることを特徴としている。0.6より少ない比率では、エポキシ樹脂硬化剤中に十分な量のアミド基が生成せず、高いレベルのガソリンバリア性および本発明のチューブを形成する熱可塑性樹脂に対する高い接着性が発現しない。また、エポキシ樹脂硬化物の全重量に対するエポキシ基と活性水素の反応点数が増すため、架橋密度が高くなり、皮膜層の柔軟性が低下する。さらに、エポキシ基とアミノ基の反応により生成する水酸基の硬化反応物中における割合が高くなるため、高湿度環境下でのガソリンバリア性が著しく低下する要因となる。一方、0.97より高い範囲ではエポキシ樹脂と反応するアミノ基の量が少なくなり優れた耐熱性などの諸性能が発現せず、また各種有機溶剤あるいは水に対する溶解性も低下する。得られる硬化物の高いガソリンバリア性、柔軟性、熱可塑性樹脂に対する高い接着性、および高湿度環境下での高いガソリンバリア性を特に考慮する場合には、ポリアミン成分に対する多官能性化合物のモル比が0.8〜0.95の範囲がより好ましい。より高いレベルの各種熱可塑性樹脂に対する高い接着性の発現を考慮した場合には、本発明のエポキシ樹脂硬化剤中に、該硬化剤の全重量を基準として、少なくとも6重量%のアミド基が含有されることが好ましい。
【0024】
(a)および(b)、または(a)、(b)および(c)の反応は、多官能性化合物としてカルボン酸、エステル、アミドを使用する場合には0〜100℃の条件下でポリアミン類と多官能性化合物とを混合し、100〜300℃、好ましくは130〜250℃の条件下で脱水、脱アルコール、脱アミンによるアミド基形成反応を行うことにより実施される。
【0025】
アミド基形成反応の際には反応を完結させるために必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。更に脱水剤、脱アルコール剤として、亜リン酸エステル類などの触媒を添加することもできる。
【0026】
一方、多官能性化合物として酸無水物、酸塩化物を使用する場合には0〜150℃、好ましくは0〜100℃の条件下で混合後、アミド基形成反応を行うことにより実施される。
【0027】
アミド基形成反応の際には反応を完結させるために必要に応じて反応の最終段階において反応装置内を減圧処理することもできる。また、必要に応じて非反応性の溶剤を使用して希釈することもできる。更にピリジン、ピコリン、ルチジン、トリアルキルアミンなどの3級アミンを添加することもできる。
【0028】
前記(B)として、より好ましい反応生成物は、メタキシリレンジアミンと、アクリル酸、メタクリル酸および/またはそれらの誘導体との反応生成物である。
【0029】
さらに、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるために、種々のエポキシ樹脂硬化剤を適切な割合で混合して使用することもできる。混合する場合のエポキシ樹脂硬化剤としては、ポリアミン類、フェノール類、酸無水物またはカルボン酸類などの一般に使用され得るエポキシ樹脂硬化剤を使用することができる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよい。
【0030】
具体的には、ポリアミン類としてはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミンなどの脂環式アミン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン、およびこれらを原料とするエポキシ樹脂またはモノグリシジル化合物との変性反応物、炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの変性反応物、エピクロルヒドリンとの変性反応物、ポリカルボン酸との反応生成物などが使用できる。
【0031】
フェノール類としてはカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの多置換基モノマー、およびレゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
【0032】
酸無水物またはカルボン酸類としてはドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物などの脂肪族酸無水物、(メチル)テトラヒドロ無水フタル酸、(メチル)ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、およびこれらに対応するカルボン酸などが使用できる。
【0033】
本発明における皮膜層の主成分であるエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の配合割合については、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数の比が0.8〜3.0の範囲が好ましいが、得られる硬化物の柔軟性あるいは耐屈曲性を考慮した場合には1.2〜3.0の範囲がより好ましく1.4〜3.0の範囲が特に好ましい。0.8より少ない範囲では残存する未反応のエポキシ基が、得られる硬化物のガソリンバリア性を低下させる原因となり、また3.0より多い範囲では残存する未反応のアミノ基が、得られる硬化物の耐湿熱性、耐酸性等を低下させる原因となる。
【0034】
また、本発明において、エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリウレタン系樹脂組成物、ポリアクリル系樹脂組成物、ポリウレア系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を混合してもよい。
【0035】
皮膜層をチューブ本体の表面に形成する場合には、表面の湿潤を助けるためにエポキシ樹脂組成物の中に、シリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤を添加しても良い。適切な湿潤剤としては、ビックケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK348、BYK381などがある。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01〜2.0重量%の範囲が好ましい。
【0036】
また、本発明で形成される皮膜層のガソリンバリア性、耐衝撃性、耐熱性などの諸性能を向上させるために、エポキシ樹脂組成物の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機フィラーを添加しても良い。高いガソリンバリア性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01〜10.0重量%の範囲が好ましい。
【0037】
さらに、本発明で形成される皮膜層の成形物等に対する接着性を向上させるために、エポキシ樹脂組成物の中にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0038】
さらに、本発明で形成される皮膜層を形成するエポキシ樹脂組成物中には必要に応じ、低温硬化性を増大させるための例えばN-エチルモルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第一錫などの硬化促進触媒、ベンジルアルコールなどの有機溶剤、リン酸亜鉛、リン酸鉄、モリブデン酸カルシウム、酸化バナジウム、水分散シリカ、ヒュームドシリカなどの防錆添加剤、フタロシアニン系有機顔料、縮合多環系有機顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、カーボンブラックなどの無機顔料等の各成分を必要割合量添加しても良い。
【0039】
本発明において、皮膜層の層厚は1〜200μm程度、好ましくは5〜100μmが実用的である。1μm未満であると十分なガソリンバリア性が発現せず、200μmを越えるとその膜厚の制御が困難になる。
【0040】
本発明における皮膜層は、チューブの外表面あるいは内表面に形成される。使用するチューブの形状や材質から燃料の揮発や飛散が懸念される箇所に皮膜層を形成させれば実質的にガソリンの揮発や飛散は抑制されるが、チューブの少なくとも外表面または内表面の全ての領域に皮膜層を形成させることがより好ましい。
【0041】
皮膜層はエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されるが、エポキシ樹脂組成物をチューブの表面に塗布する際のエポキシ樹脂組成物の濃度は選択した材料の種類およびモル比、塗布方法などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶媒および/または水を用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈する場合までの様々な状態をとり得る。適切な有機溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの非水溶性系溶媒、2―メトキシエタノール、2―エトキシエタノール、2―プロポキシエタノール、2―ブトキシエタノール、1―メトキシー2−プロパノール、1−エトキシー2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられるがメタノール、酢酸エチル、2−プロパノールなどの比較的低沸点溶剤が好ましい。また、溶剤を使用した場合には塗布後の溶媒乾燥温度は室温から約140℃までの様々なものであってよい。
【0042】
エポキシ樹脂組成物をチューブの表面に塗布する方法としては、ロール塗布、しごき塗り、刷毛塗り、流し塗り、スプレー塗布、樹脂溶液を内部に充填して排出する方法等任意の方法の中から被塗布材料の形態や塗布箇所などに応じて適宜選択できる。またこれらの処理後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。エポキシ樹脂組成物の塗布後、必要に応じて加熱装置により皮膜層の硬化反応を完結させても良い。加熱装置による燃料容器の加熱方法はドライヤー、高周波誘導加熱、遠赤外線加熱、ガス加熱など従来公知の方法の中から適宜選択して用いることができる。加熱処理は到達材温で50〜300℃、好ましくは70〜200℃の範囲で行うことが望ましい。
【0043】
上記方法により作製される本発明のチューブは、エポキシ樹脂硬化物よりなる皮膜層が形成されていることを特徴としており、ビニル樹脂や合成ゴムなどのチューブ本体を形成する熱可塑性樹脂に対する接着性に優れ、接着層などを別途必要としない。また、一般的なエポキシ樹脂に比べ、柔軟性に優れるため、燃料ホース両端の締結部にも形成しても、締結作業性やシール性を悪化させることがない。さらに、燃料ホース両端の締結部にも形成することができるので、樹脂溶液を内部に充填して排出する方法の様に、簡便な工程で皮膜層を形成でき、製作が容易であることから、耐燃料透過性、柔軟性、締結作業性、シール性に優れたチューブが得られる。
【0044】
本発明のチューブは例えば燃料用ホースとして好適に使用できる。燃料としてはガソリンおよびメタノール、エタノールまたはMTBE等をブレンドしたガソリンすなわち含酸素ガソリンが代表例としてあげられるが、その他の重油、軽油、灯油なども例示される。また、本発明のチューブはガソリン等の燃料以外にも、酸素や窒素、二酸化炭素などの各種ガスバリア性に優れており、前記ガスバリア性が必要な用途へ好適に使用され得る。
【0045】
【実施例】
以下に本発明の実施例を紹介するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0046】
エポキシ樹脂硬化剤A
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.80molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Aを得た。
【0047】
エポキシ樹脂硬化剤B
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Bを得た。
【0048】
エポキシ樹脂硬化剤C
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.95molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Cを得た。
【0049】
エポキシ樹脂硬化剤D
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.33molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下し、120℃で0.5時間攪拌した。さらに0.33molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成する水およびメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Dを得た。
【0050】
エポキシ樹脂硬化剤E
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.67molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下し、120℃で0.5時間攪拌した。さらに0.33molの酢酸を0.5時間かけて滴下し、1時間攪拌した。生成する水およびメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Eを得た。
【0051】
エポキシ樹脂硬化剤F
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.50molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温し、冷却する事によりエポキシ樹脂硬化剤Fを得た。
【0052】
ガソリンバリア性評価
以下の実施例等で作製したチューブから得られた試験体(長さ500mm、内径24mm、厚さ5mm)の一方の端面をアルミ体(アルミ蒸着フィルム)で封止した。チューブ中に模擬ガソリン(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10)を約30g注入し、もう一方の端面をアルミ体で同様に封止して、60℃、60%RHの環境で500時間静置し、重量変化からガソリン透過率 (g/m2・day)を求めた。また、皮膜層のガソリン透過係数を以下の式を用いて計算した:
1/R = 1/R' + DFT/P
ここで、R = チューブのガソリン透過率(g/m2・day)
R' = チューブ本体のガソリン透過率(g/m2・day)
DFT= 皮膜層の厚み(mm)
P = 皮膜層のガソリン透過係数(g・mm/m2・day)
【0053】
<屈曲後のガソリンバリア性評価>
以下の実施例等で作製したチューブから得られた試験体(長さ500mm、内径24mm、厚さ5mm)に対し、屈曲処理を10回行った。処理後、未処理品のガソリンバリア性の評価方法と同様の方法でガソリンバリア性の評価を行い、ガソリン透過率(g/m2・day)を求めた。
【0054】
実施例1
アクリロニトリル−ブタジエンゴムを、射出成形機を用いて内径24mm、厚さ5mmのチューブ状に成形し、これを長さ500mmで切断してチューブ本体を得た。メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD−X)を50重量部およびエポキシ樹脂硬化剤Aを115重量部含むメタノール/酢酸エチル=1/1溶液(固形分濃度;30重量%)を作製し、そこにアクリル系湿潤剤(ビックケミー社製;BYK381)を0.02重量部加え、よく攪拌し、樹脂溶液を得た。前記チューブ本体の一方の端面をアルミ体(アルミ蒸着フィルム)で封止し、この樹脂溶液をチューブ本体内に充填して直ちに排出することでチューブ本体内面への樹脂溶液の塗布を行った。樹脂溶液の排出後、チューブ本体の端面からアルミ体を取り外し、80℃で10分間、続いて120℃で15分間硬化させ皮膜を形成させた。なお皮膜層の厚みは10μmであった。この皮膜層を形成させたチューブについて、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。結果を表1に示す(実施例2以下も同様)。
【0055】
実施例2
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Bを132重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でチューブを作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0056】
実施例3
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Cを163重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でチューブを作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0057】
実施例4
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Dを110重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でチューブを作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0058】
実施例5
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Eを140重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でチューブを作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0059】
実施例6
TETRAD−Xの代わりにビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;エピコート807)を50重量部、エポキシ樹脂硬化剤Aを141重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でチューブを作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0060】
比較例1
バリア樹脂層としてナイロン−12樹脂を、外層としてアクリロニトリル−ブタジエンゴムを使用して、射出成形機を用いて内径24mm、バリア樹脂層、外層の厚みはそれぞれ0.1mm、5mmの多層チューブ状に成形し、このチューブを長さ500mmで切断した。このチューブについて、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0061】
比較例2
バリア樹脂層としてフッ化ビニリデン、6フッ化プロプレン、4フッ化エチレンの共重合体樹脂を使用した以外は比較例1と同様の方法で作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0062】
比較例3
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Fを33重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でチューブを作製し、ガソリンバリア性、屈曲後のガソリンバリア性を評価した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
本発明により、燃料に対する耐燃料透過性(ガソリンバリア性)、柔軟性、耐屈曲性、耐熱性および経済性に優れた、燃料容器や燃料容器用部品の、あるいはその他の用途に用いられるチューブが提供される。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂により成形されたチューブ本体と、該チューブの外表面および/または内表面に形成された皮膜層からなるチューブであって、該皮膜層が下記(A)のエポキシ樹脂および下記(B)の反応生成物からなるエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物の硬化により形成されることを特徴とするチューブ。
(A)メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂
(B)下記の(a)および(b)の反応生成物、または(a)、(b)および(c)の反応生成物であって、(a)および(b)、または(a)、(b)および(c)の反応モル比が、(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)に含有される反応性官能基の数の比、または(a)に含有されるアミノ基の数に対する(b)および(c)に含有される反応性官能基の合計数の比として、0.6〜0.97の範囲である反応生成物
(a)メタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミン
(b)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(c)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体 - 熱可塑性樹脂が、柔軟性を有するポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂および合成ゴムから選ばれる1種以上である請求項1記載のチューブ。
- エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤の配合割合が、エポキシ樹脂中のエポキシ基に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性水素の当量比(活性水素/エポキシ基)として、1.2〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項1記載のチューブ。
- (A)が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂である請求項1記載のチューブ。
- (B)が、メタキシリレンジアミンとアクリル酸、メタクリル酸および/またはそれらの誘導体との反応生成物である請求項1記載のチューブ。
- エポキシ樹脂硬化剤が、該硬化剤の全重量を基準として少なくとも6重量%のアミド基を含有する請求項1記載のチューブ。
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