JP4310774B2 - コンロッドアッセンブリ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンに用いられるコンロッドアッセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンに用いられるコンロッドは、棒鋼材、板材からの鍛造、焼結、または拘束加圧成形等により製造されている。この他に、鋼板のプレス加工により打ち抜き形成される場合がある。コンロッドを、このような鍛造や焼結で製造する場合、工程数が多いため、コスト削減が困難である。また、コンロッドに穴等の加工を行う場合、研削等を行うので、更に工数が増えてしまう。
【0003】
通常のプレスで打ち抜き形成したコンロッドの場合は、図8に示すように大端部30や小端部31の内径面32に形成される破断面32aの影響で、その内径面32に軸受33を圧入した時、軸受33が傾いてしまう。このため、研削や研磨の後工程が必要となり、コスト高となる。これを改善するものとして、本出願人は、先にファインブランキングプレスで打ち抜き形成したコンロッドを提案した(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−327730号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1で開示されたファインブランキングプレスによると、内径面における破断面の占める割合が少なくなり、せん断面の占める割合が多くなるため、通常のプレス打ち抜きに比べて軸受の圧入時の傾きが少なくなる。しかし、ファインブランキングプレスは特殊なプレスのため、加工コストが高くなる。またファインブランキングプレスによっても破断面及びスプリングバックの影響があって、図9に強調して示すように、大端部30や小端部31の内径面32がテーパ面となる。そのため内径面32に軸受33を圧入した時に、軸受33がある程度は傾いてしまう。
【0006】
このような課題を解消するものとして、鋼板製の分割コンロッド部品を積層してコンロッドとしたものが提案されている(特願2001−357322)。積層された各分割コンロッド部品は、その大端部分および小端部分に軸受等の円環状部品を圧入することで相互に結合する。しかし、円環状部品の圧入だけでは分割コンロッド部品の相互のばらけが懸念される。また、大端部分と小端部分間のロッド部分の曲げ強度が不足し易く、また座屈強度も不足する。
【0007】
この発明の目的は、簡単でかつ安価に製造でき、大端部分や小端部分に取付けられる軸受等の傾きが回避され、かつ分割コンロッド部品の相互の結合が堅固に行え、曲げ強度と座屈強度の向上も図れるコンロッドアッセンブリを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のコンロッドアッセンブリは、それぞれ大端部分、小端部分、およびロッド部分を有し、上記大端部分および小端部分に内径孔を有する板状の分割コンロッド部品を3枚以上積層し、上記ロッド部分にプレス加工した結合用の突起と、この突起の裏面に生じた凹部との噛み合い、または上記突起とは別に形成された貫通穴との噛み合いによって、隣合う分割コンロッド部品同士が互いに結合されるように、上記分割コンロッド部品の積層された積層体を一体に固定したものである。上記各分割コンロッド部品は、素材板材のプレス打ち抜き品であって、これら各分割コンロッド部品は、打ち抜き加工面が、ポンチ進入側から順に、だれ部、せん断面、および破断面が順に続く面であって、上記破断面の部分はポンチ通り抜け側が凹むテーパ状であり、上記内径孔では、上打ち抜き加工面におけるせん断面の部分が破断面の部分に比べて小径であり、上記分割コンロッド部品の積層体における表裏の最外側に位置する分割コンロッド部品は、いずれも、それぞれプレス加工で生じるだれ部を上記積層体の外側に向けることにより、上記内径孔で上記破断面に比べて小径のせん断面を、上記積層体の外側に位置させ、上記積層体における大端部分および小端部分の内径孔に、円環状部品をそれぞれ圧入したものである。
の構成によると、各分割コンロッド部品を積層するため、各分割コンロッド部品の大端部分や小端部分の内径面に傾きが生じていても、積層体における大端部分、小端部分の内径面の傾きを無くすことができる。個々の分割コンロッド部品を、通常のプレス打ち抜き品とした場合、個々には破断面のために大端部分や小端部分の内径面に傾きが生じるが、分割によって個々の板厚が薄くなるため、せん断面と破断面の段差が小さくなり、かつ積層により各破断面が分散して配置される。このため、積層体の全体としての大端部分、小端部分の内径面の傾きが回避できる。したがって、これら大端部分および小端部分に軸受等の円環状部品が圧入されても、この圧入された円環状部品に傾きが生じることがない。プレス打ち抜きでは、その打ち抜き面は、プレス型の進入側から順に、だれ部、せん断面、破断面、およびかえり部が生じ、破断面側はテーパ状となって精度が低いが、だれ部側はせん断面となっていて精度が高い。また、破断面は打ち抜き側に広がる形状となるため、せん断面の部分は、破断面の部分に比べて小径となる。このため、分割コンロッド部品の積層体におけるコンロッド表裏に位置する2枚の分割コンロッド部品について、だれ部を外側に向けることにより、上記積層体として、大端部分、小端部分の内径面における厚み方向の両端は、上記せん断面が位置して高い精度が得られる。また、この高精度の部分が最も小径となる。このように、内径面の両端に、小径で、精度の高い部分があることにより、内径孔に圧入される円環状部品が傾きなく圧入される。すなわち、円環状部品の取付部分の母線円筒度を確保でき、精度良く円環状部品を圧入嵌合させることができる。また、かえり部が積層側になって、コンロッドの表裏面に露出せず、かえり部の影響が排除される。このため、各分割コンロッド部品にプレス打ち抜き品を採用することができ、その大端部分、小端部分の研削、研磨等の後工程が不要となる。また、ファインブランキングプレスのような特殊なプレス型、プレス機械を必要としない。これらのため、簡単でかつ安価にコンロッドアッセンブリを製造することができる。
また、積層された分割コンロッド部品は、ロッド部分にプレス加工した結合用の突起と、この突起の裏面に生じた凹部との噛み合い、または上記突起とは別に形成された貫通穴との噛み合いによって互いに結合するため、堅固に接合することができる。積層された分割コンロッド部品がロッド部分で上記突起と凹部等で結合されているため、ロッド部分の曲げ強度と座屈強度が向上する。上記突起やその裏面の凹部はプレス加工によるものであるため、簡単に形成することができる。
【0009】
上記分割コンロッド部品の積層枚数3枚以上であるが、上記突起の突出側の最外層を除く各分割コンロッド部品を、互いに同じ平面位置の突起と突起裏面の凹部との噛み合いにより結合し、最外層の分割コンロッド部品とその裏側の分割コンロッド部品とを、上記突起と上記貫通穴との噛み合いによって結合するようにしても良い。
このように構成すると、分割コンロッド部品を積層して構成されるコンロッドアッセンブリの表裏には突出物が存在せず、したがってエンジンに組み込んだ場合にも他の部位と干渉したり、邪魔になったりするようなことがない。
【0010】
この発明のコンロッドアッセンブリにおいて、上記各分割コンロッド部品が、素材板材のプレス打ち抜き品であって、互いに同じプレス型により同じ素材から連続して打ち抜かれた連続する1組のものであっても良い。
プレス加工において、同じ素材板材から同じプレス型により同じ形状の部品を複数打ち抜く場合であっても、その素材板材の初期に打ち抜いた部品と、後期に打ち抜いた部品とで、素材板材の把持状況、送り誤差など、各種の誤差要因により、公差内であっても目標寸法からの誤差が異なる。すなわち、各プレス加工品は、時間と共に寸法が変化してゆく。そのため、連続的に打ち抜かれる分割コンロッド部品を、連続的に積層枚数ずつ一組として取り出し、その各組毎を一つのコンロッドとして組み立てることで、積層する各分割コンロッド部品の寸法相互差が小さく、より精度の良いコンロッドとすることができる。
【0012】
この発明のコンロッドアッセンブリは、上記したように、分割コンロッド部品の積層された積層体における大端部分および小端部分に、円環状部品をそれぞれ圧入したものとする
積層された分割コンロッド部品同士は、ロッド部分において突起と凹部との噛み合い、または突起と貫通穴との噛み合いによって相互に一体化されているが、大端部分および小端部分での結合は行われていない。そのため、これら大端部分および小端部分に円環状部品をそれぞれ圧入すれば、各分割コンロッド部品が円環状部品を介して大端部分および小端部分でも相互に結合されることになり、コンロッドアッセンブリの全体として、分割コンロッド部品の相互の結合が確実で信頼性の高いものとなる。円環状部品の圧入作業は、分割コンロッド部品が上記突起と凹部等との噛み合いで結合された状態で行うことができるため、作業が簡単に行え、組立時間の短縮となる。
【0013】
上記円環状部品は、シェル型軸受の外輪とし、このシェル型軸受を上記分割コンロッド部品の積層体における大端部分および小端部分に圧入しても良い。
このように、シェル型軸受を用い、その外輪を上記円環状部品として分割コンロッド部品の一体化に用いると、軸受とは別に円環状部品を設けることが不要となる。このため、部品点数が少なく、また軽量の軸受付きコンロッドとすることができる。
【0014】
また、上記円環状部品をソリッド円管とし、このソリッド円管に、保持器付き針状ころを配置しても良い。
この構成の場合、上記円環状部品が転がり軸受の外輪として機能し、外輪と別個に結合用の円環状部品を設けることが省ける。
【0015】
上記円環状部品は、滑り軸受となるドライメタルであっても良い。この構成の場合、上記円環状部品が滑り軸受として機能するため、滑り軸受とは別に結合用の円環状部品を設けることが省ける。
【0016】
この発明における他のコンロッドアッセンブリは、上記突起を用いた結合を行う代わりに、分割コンロッド部品の積層体における側端面を部分的に溶接して分割コンロッド部品相互の結合を行ったものである。
溶接により接合する場合、分割コンロッド部品に上記突起や凹部、あるいは貫通穴を形成する必要がないから、その加工が容易である。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を、図1ないし図5と共に説明する。このコンロッドアッセンブリ2は、それぞれ大端部分3a、小端部分3b、およびロッド部分3cを有する複数枚(ここでは4枚)の分割コンロッド部品3A〜3Dを積層して積層体3とする。これら分割コンロッド部品3A〜3Dは、互いに同じ平面位置に設けたプレス加工による突起12と凹部12aとを噛み合わせ、または突起12と貫通穴13とを噛み合わせ、その噛み合いを圧入状態とすることで結合している。すなわち突起12と、凹部12aまたは貫通穴13とで加締止めすることで、積層体3を構成する分割コンロッド部品3A〜3Dを相互に結合している。上記突起12は裏面が上記凹部12aとなるものであり、積層された中間の分割コンロッド部品3B,3Cは、突起12の裏面の凹部12aに、その裏面側の分割コンロッド部品3A,3Bの突起12が噛み合う。突起12の突出側の最外層の分割コンロッド部品3Dは、上記貫通穴13が形成されたものとしてある。これら突起12または貫通穴13は、ロッド部分3cに1か所以上設ければ良いが、この実施形態ではロッド長手方向に互いに離れた2か所に設けている。
【0018】
上記突起12は、ハーフ抜き加工と呼ばれる穴開けを途中深さまで行う加工、またはダボ出し等と呼ばれる形成加工等で形成されたものである。この突起12は、裏面が凹部12aとなり、かつその凹部深さが板厚よりも浅くなるように加工される。この突起12は、図2(A)のように突起外周面および凹部内周面が板材表面に対して略垂直面となる加工であっても、また図2(B)のように突起外周面および凹部内周面が傾斜面となる加工であっても良い。
この実施形態では、最外層の分割コンロッド部品3Dについては貫通穴13を形成したが、最外層の分割コンロッド部品3Cについても、図2(C)に示すように、裏面が凹部12aとなる突起12を設け、各層の分割コンロッド部品3A〜3Dの全てを突起12と凹部12aとの噛み合いで結合させるようにしても良い。
なお、突起12を設ける代わりに、図2(D)のように、分割コンロッド部品3A〜3Dの積層体3における側端面を部分的な溶接部14で溶接して分割コンロッド部品3A〜3Dの相互の結合を行っても良い。溶接は、例えばレーザ溶接とする。
【0019】
突起12の平面形状は、この実施形態では図3(A)のように円形としているが、例えば同図(B)のように三角形状としても、また同図(C)〜(E)にそれぞれ示すように正方形状、長方形状、またはトラック形状等としても良い。同図(F)は突部12の平面形状が円形状であって、かつその周面が図2(B)のように傾斜面となる例である。図3(B)〜(E)に示した各平面形状の場合も、周面が傾斜面となるようにしても良い。これら図3(A)〜(F)の場合に、突部12の裏面の凹部12aの平面形状は、突部12の平面形状と同様な形状となる。
【0020】
各分割コンロッド部品3A〜3Dは、共に外周形状を同一形状とした平坦な板状部品であって、それらの大端部分3aおよび小端部分3bに軸受嵌合穴8,9が形成されている。これら分割コンロッド部品3A〜3Dにわたって、大端部分3aおよび小端部分3bの軸受嵌合穴8,9には、円環状部品5がそれぞれ圧入されている。この円環状部品5の圧入により、各分割コンロッド部品3A〜3Dの相互の結合がより強固なものとされている。
【0021】
円環状部品5は、この実施形態ではシェル型軸受4の外輪である。すなわち、シェル型軸受4が大端部分3aおよび小端部分3bに圧入により取付けられている。シェル型軸受4は、上記円環状部品5である外輪の内径面からなる転走面に沿って転走する複数のころ6を有し、各ころ6はリング状の保持器7に保持されている。シェル型外輪である円環状部品5は、鋼板のプレス成形品等からなり、両側に鍔5aを有している。
【0022】
各分割コンロッド部品3A〜3Dは、例えば、素材板材である鋼板をプレスで打ち抜き加工した部品とされる。この場合に、一つの積層体3を構成する各分割コンロッド部品3A〜3Dは、同じプレス型(図示せず)により1枚の鋼板から連続して打ち抜かれた連続する1組のものを用いることが好ましい。
【0023】
各分割コンロッド部品3A〜3Dをプレス加工による打ち抜き品とした場合、その外周面および嵌合穴8,9の内周面である打ち抜き加工面は、図5に拡大して示すように、せん断面bと破断面cとを有する形状となる。分割コンロッド部品3A〜3Dを通常のプレスで打ち抜き加工した場合、打ち抜き加工面は、ポンチ進入側から順に、だれ部a、せん断面b、および破断面cが順に続き、ポンチ通り抜け側の縁にかえり部(バリ)dが生じる。また、打ち抜き加工面は、破断面cの部分において、ポンチ通り抜け側が広がる傾斜角度θが生じ、テーパ状となる。
【0024】
そこで、4枚の分割コンロッド部品3A〜3Dを積層して積層体3とするこの実施形態では、コンロッド表裏に位置する各分割コンロッド部品3A,3Dを、図4に示すように、プレス加工で生じるだれ部aが、いずれもコンロッドの外側に向くよう積層している。これにより、分割コンロッド部品3A,3Dの嵌合穴8,9の内径拡大側が共に積層側に向くことになる。中間の分割コンロッド部品3B,3Cについては、嵌合穴8,9の内径拡大側をいずれの方向に向けても良い。
【0025】
この構成のコンロッドアッセンブリ2によると、プレス加工品からなる同一形状の分割コンロッド部品3A〜3Dを積層して積層体3としたため、個々の分割コンロッド部品3A〜3Dが薄くでき、それだけプレス加工によるせん断面bと破断面cとの段差が少なくなる。また、各破断面cが分散することにもなる。このため、通常のプレス加工によっても、円環状部品5の傾きの生じない、精度の良いコンロッドアッセンブリ2とできる。このように、通常のプレス加工が使用できるため、ファインブランキングのような特殊なプレス型、プレス機械を必要とせず、簡単でかつ安価にコンロッドアッセンブリ2を製造できる。
【0026】
また、積層された分割コンロッド部品3A〜3Dは、ロッド部分3cにプレス加工した結合用の突起12と、この突起12の裏面に生じた凹部12aとの噛み合い、または上記突起12とは別に形成された貫通穴13との噛み合いによって互いに結合するため、堅固に接合することができる。積層された分割コンロッド部品3A〜3Dがロッド部分3cで上記突起12と凹部12a等で結合されているため、ロッド部分3cの曲げ強度も向上する。上記突起12やその裏面の凹部12aはプレス加工によるものであるため、簡単に形成することができる。
また、円環状部品5の圧入によっても分割コンロッド部品3A〜3Dの相互の結合がなされるため、より強固な結合が行える。また、円環状部品5が圧入されていると、プレス加工の破断面で大端部分3aおよび小端部分3bの内径面に凹凸があっても、軸受面への影響が避けられる。円環状部品5は、この実施形態では軸受4の外輪からなるため、軸受4とは別に円環状部品を設けることが不要で、部品点数の増大が回避される。
【0027】
各分割コンロッド部品3A〜3Dが上記のように共に同じプレス型により同じ素材板材から連続して打ち抜かれた連続する4枚を1組として取出したものである場合は、プレス作業の経過と共にプレス加工品の寸法が変化して行くという影響が小さく抑えられる。そのため、一つのコンロッドアセンブリ2に使用される各分割コンロッド部品3A〜3Dの寸法相互差を最小にでき、精度の良いコンロッド1を組み立てることができる。
【0028】
積層体3を構成する表裏両側の分割コンロッド部品3A,3Dは、図4に示すように、プレス加工で生じるだれ部aが外側に、つまり、それぞれコンロッドの表面側および裏面側に向くように配置されているので、嵌合穴8,9の内径拡大側が共に内側に向くことになる。そのため、軸受取付部分の母線円筒度を確保でき、精度良く軸受4を圧入嵌合させることができる。また、だれ部aが外側に来ることで、かえり部dがコンロッドの外面に突出せず、手で触った場合の怪我を防ぐこともできる。
【0029】
なお、上記実施形態では4枚の分割コンロッド部品3A〜3Dを積層したが、積層枚数は2枚以上であれば何枚でも良く、コストと必要形状を考慮したうえで決定すれば良い。図6(A)は積層枚数を3枚とした例を、同図(B)は積層枚数を2枚とした例をそれぞれ示す。この2枚とした例では、いずれの分割コンロッド部品3A,3Bも、裏面が凹部12aとなる突起12を設けて相互に結合している。2枚の場合に、片方の分割コンロッド部品3Bは、突起12を設けずに上記貫通穴13を設けたものとしても良い。
【0030】
図7(A),(B)は、この発明の第4,第5の実施形態をそれぞれ示す。図7(A)の実施形態は、図1の第1の実施形態において、軸受4として、ソリッド円管からなる外輪5Aの内側に、保持器付き針状ころ10を配置したものを用いている。すなわち、分割コンロッド部品3A〜3Cの大端部分3aおよび小端部分3bの軸受嵌合穴8,9に圧入する円環状部品としてソリッド円管5Aが用いられている。保持器付き針状ころ10は、ころ6と保持器7とを、互いに外れないように組み立てたものである。分割コンロッド部品の積層枚数は3枚としている。
【0031】
図7(B)の実施形態では、図1の第1の実施形態において、分割コンロッド部品3A〜3Cの大端部分3aおよび小端部分3bの軸受嵌合穴8,9に圧入する円環状部品として、滑り軸受となるドライメタル5Bが用いられている。分割コンロッド部品の積層枚数は3枚としている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
なお、図7(A)(B)にそれぞれ示す各実施形態においても、分割ロッド部品の積層枚数を任意の枚数とすることができ、図1の例のように4枚としても良い。
【0032】
なお、上記各実施形態では、分割コンロッド部品の大端部分3aおよび小端部分3bに圧入される円環状部品5を、軸受外輪等の軸受構成部品としたが、この発明のコンロッドアッセンブリは、大端部分および小端部分に軸受とは別の円環状部品を圧入し、その円環状部品の内周に軸受を設置しても良い。
【0033】
【発明の効果】
この発明のコンロッドアッセンブリは、それぞれ大端部分、小端部分、およびロッド部分を有し、上記大端部分および小端部分に内径孔を有する板状の分割コンロッド部品を3枚以上積層し、上記ロッド部分にプレス加工した結合用の突起と、この突起の裏面に生じた凹部との噛み合い、または上記突起とは別に形成された貫通穴との噛み合いによって、隣合う分割コンロッド部品同士が互いに結合されるように、上記分割コンロッド部品の積層された積層体を一体に固定したので、簡単でかつ安価に製造でき、かつ大端部分や小端部分に取付けられる軸受等の傾きが回避される。また、分割コンロッド部品の相互の結合が堅固に行えてばらけの懸念がなく、曲げ強度と座屈強度の向上も図れる。
特に、この発明のコンロッドアッセンブリは、上記各分割コンロッド部品が、素材板材のプレス打ち抜き品であって、上記各分割コンロッド部品は、素材板材のプレス打ち抜き品であって、これら各分割コンロッド部品は、打ち抜き加工面が、ポンチ進入側から順に、だれ部、せん断面、および破断面が順に続く面であって、上記破断面の部分はポンチ通り抜け側が凹むテーパ状であり、上記内径孔では、上打ち抜き加工面におけるせん断面の部分が破断面の部分に比べて小径であり、上記分割コンロッド部品の積層体における表裏の最外側に位置する分割コンロッド部品は、いずれも、それぞれプレス加工で生じるだれ部を上記積層体の外側に向けることにより、上記内径孔で上記破断面に比べて小径のせん断面を、上記積層体の外側に位置させ、上記積層体における大端部分および小端部分の内径孔に、円環状部品をそれぞれ圧入したものであるため、上記積層体として、大端部分、小端部分の内径面における厚み方向の両端は、せん断面が位置して高い精度が得られる。また、かえり部が積層側になって、コンロッドの表裏面に露出せず、かえり部の影響が排除される。
上記分割コンロッド部品の積層された積層体における大端部分および小端部分に、円環状部品をそれぞれ圧入するが、この圧入と、上記突起と凹部または貫通穴とによる噛み合い結合の相乗効果により、分割コンロッド部品の相互の結合がより堅固に行える。この場合に、上記突起と凹部等で積層体が一体に結合された状態で円環状部品の圧入が行えるため、円環状部品の圧入の作業性が良く、コンロッドの組み立て時間が短縮される。
この発明における他のコンロッドアッセンブリは、上記構成において、突起を用いた結合を行う代わりに、分割コンロッド部品の積層体における側端面を部分的に溶接したため、各分割コンロッド部品の加工が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B)はそれぞれこの発明の第1の実施形態にかかるコンロッドアッセンブリの断面図および正面図である。
【図2】(A)〜(C)はその突部の形成部分の断面図、(D)はその溶接部分の側面図である。
【図3】(A)〜(F)はそれぞれ分割コンロッド部品の突部の変形例を示す正面図である。
【図4】同コンロッドアッセンブリにおける各分割コンロッド部品の打ち抜き加工面と円環状部品の関係を示す断面図である。
【図5】分割コンロッド部品の打ち抜き加工面を示す断面図である。
【図6】(A),(B)はそれぞれこの発明の他の実施形態にかかるコンロッドアッセンブリの断面図である。
【図7】(A),(B)はそれぞれこの発明のさらに他の実施形態にかかるコンロッドアッセンブリの断面図である。
【図8】従来例の部分拡大断面図である。
【図9】他の従来例の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
2…コンロッドアッセンブリ
3…積層体
3a…大端部分
3b…小端部分
3c…ロッド部分
3A〜3D…分割コンロッド部品
4…軸受
5…円環状部品(外輪)
5A…ソリッド円管(円環状部品)
5B…ドライメタル(円環状部品)
6…ころ
7…保持器
8,9…軸受嵌合穴
10…保持器付き針状ころ
12…突起
12a…凹部
13…貫通穴
14…溶接部
a…だれ部

Claims (7)

  1. それぞれ大端部分、小端部分、およびロッド部分を有し、上記大端部分および小端部分に内径孔を有する板状の分割コンロッド部品を3枚以上積層し、上記ロッド部分にプレス加工した結合用の突起と、この突起の裏面に生じた凹部との噛み合い、または上記突起とは別に形成された貫通穴との噛み合いによって、隣合う分割コンロッド部品同士が互いに結合されるように、上記分割コンロッド部品の積層された積層体を一体に固定し、上記各分割コンロッド部品が、素材板材のプレス打ち抜き品であって、これら各分割コンロッド部品は、打ち抜き加工面が、ポンチ進入側から順に、だれ部、せん断面、および破断面が順に続く面であって、上記破断面の部分はポンチ通り抜け側が凹むテーパ状であり、上記内径孔では、上打ち抜き加工面におけるせん断面の部分が破断面の部分に比べて小径であり、上記分割コンロッド部品の積層体における表裏の最外側に位置する分割コンロッド部品は、いずれも、それぞれプレス加工で生じるだれ部を上記積層体の外側に向けることにより、上記内径孔で上記破断面に比べて小径のせん断面を、上記積層体の外側に位置させ、上記積層体における大端部分および小端部分の内径孔に、円環状部品をそれぞれ圧入したコンロッドアッセンブリ。
  2. 請求項1において、上記突起の突出側の最外層を除く各分割コンロッド部品を、互いに同じ平面位置の突起と突起裏面の凹部との噛み合いにより結合し、最外層の分割コンロッド部品とその裏側の分割コンロッド部品とを、上記突起と上記貫通穴との噛み合いによって結合したコンロッドアッセンブリ。
  3. 請求項1または請求項2において、上記各分割コンロッド部品が、素材板材のプレス打ち抜き品であって、互いに同じプレス型によって同じ素材から連続して打ち抜かれた連続する1組のものであるコンロッドアッセンブリ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、上記円環状部品がシェル型軸受の外輪であり、このシェル型軸受を上記分割コンロッド部品の積層体における大端部分および小端部分の内径孔に圧入したコンロッドアッセンブリ。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、上記円環状部品がソリッド円管であり、このソリッド円管に、保持器付き針状ころを配置したコンロッドアッセンブリ。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、上記円環状部品が滑り軸受となるドライメタルであるコンロッドアッセンブリ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、上記突起を用いた結合を行う代わりに、分割コンロッド部品の積層体における側端面を部分的に溶接して分割コンロッド部品相互の結合を行ったコンロッドアッセンブリ。
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