JP4307555B2 - ストリップ鋳造機およびその凝固鋼付着防止方法 - Google Patents

Description

本発明はストリップ鋳造機、特に溶鋼のストリップ鋳造のためのストリップ鋳造機に関する。
鋼のストリップ鋳造の場合には、仕上げ圧延された熱間ストリップ（１〜３ｍｍ）においておよび充分な材料特性を達成するために必要な熱間変形において、所要の厚さに相応してストリップの鋳込み厚さがほぼ最適に選択できる（例えば約１０ｍｍ）。
ドイツ特許明細書第３１４２０９９号から溶融金属供給装置、溶融金属および凝固金属のための搬送ベルト（Traegerband）すなわちホルダストリップ、搬送ベルトに密に当接する側面制限部材とを有する金属連続鋳造機は公知である。側面制限部材はリンクチェーン方式で搬送ベルトに固定されている。
このような構造は技術的にはコストが大きい。また基本的には比較的狭いストリップ幅にのみ適する。より広いストリップ幅では、熱負荷により発生する搬送ベルト中の応力が狭幅のストリップに比して大幅に大きく、その結果広いストリップ幅では、補強部材として作用し、チェーン状に巡回する側面制限部材の構造を設けることができない。
鋳込まれたストリップまたは搬送ベルトの搬送方向に対して固定されている側面制限部材の場合には鋳込み動作の間に個々に凝固鋼の付着が発生する。
これがストリップの大きい欠陥、作動障害を発生し、ひいては鋳造が中断されるまでになる。似たような問題は供給装置においても発生する。供給装置にも凝固鋼が付着し、このことが同様の障害になる。
したがって、供給装置および側面制限部材への凝固鋼の付着を確実に回避出来るストリップ鋳造機を提供することが課題であった。
この課題は、供給装置または側面制限部材が搬送ベルトの平面内で振動可能に形成され、かつ振動発生装置に接続されていることにより解決される。この手段により凝固材の付着も回避できる。
好ましい実施形態では、供給装置または側面制限部材がストリップ搬送方向に対してほぼ垂直に振動される。この振動は搬送ベルトまたは鋳込み鋼ストリップの平面内で行われるが、しかし搬送方向に対して横方向で行われる。この利点は、側面制限部材を全長にわたり正確に案内しなければならない搬送方向での振動の場合に比して構造コストが小さいことにある。更にこの実施形態では（ストリップの流込み領域からストリップの完全凝固領域までの）冶金的長さの領域内での振動を最適に調整でき、例えばこの領域内の側面制限部材を、それぞれ最適な固有振動数および振幅を有する個々の部分に分割することにより実現される。
他の有利な実施形態では、側面制限部材が互いに角度を成すように調整可能である。これは、互いに対向位置にある側面制限部材にも、各側面に場合に応じて設けられている個々の分割部分にも当てはまる。これにより鋳込みストリップにおいて全幅にわたりストリップ厚の均一性を改善できる。特に側面制限部材は、傾斜した搬送ベルト表面に対して垂直に対向配置されている。
特に有利な実施形態では側壁制限部材は水冷式中空横断面材から成る。
振動発生装置は好ましくは偏心駆動であるが、しかし電磁石または液圧式シリンダも使用可能である。振動形状はとりわけ正弦状、鋸歯状および台形状であることも可能である。行程周波数は、例えば０．５ｍｍの行程において例えば５０Ｈｚである。冷却水の供給は可撓性ホースを介して行われる。カバーが好ましくは鋳込みストリップ全体にわたって設けられている場合には、側面制限部材とカバーとの間の密封のために耐熱性密封材、特にセラミック繊維フェルトが設けられている。ふさわしい密封部材が供給装置と搬送ベルトとの間に設けられ、好ましくは、搬送ベルトと密封部材との間に更にアルミニウム板が挿入され、その結果振動の際にフェルト層とアルミニウム板との間の相対運動のみが発生する。供給装置と側面制限部材とは好ましくはコイルばねで固定されている。
その他の好ましい実施形態では制限部材がストリップ運動（鋳込み方向）に対して垂直および平行に同時に振動することが出来て、従って全体的に、鋳込み方向にも作用する推進力がストリップエッジに作用する。特に振動は空間のすべての３方向の成分を有する。
更に振動はストリップ表面に対して垂直に行うことができる。
特に有利な実施の形態では振動の励起は側面制限部材の長手方向または横方向の衝撃により行われる。これにより付着を効果的に阻止できる衝撃的な長手方向波を発生できる。

Claims (3)

1. 溶融金属および凝固金属のストリップを搬送するための搬送ベルトと、前記搬送ベルトに溶融金属を供給するための供給装置と、前記搬送ベルト表面の両側部にそれぞれ近接して配置され、前記搬送ベルト上のストリップ厚を全幅に亘って均一に維持するために、互いの角度を調整可能な側面制限部材と、前記供給装置または前記側面制限部材を前記搬送ベルトの平面上で振動させる振動発生手段と、を備え、
   前記振動発生手段は、前記供給装置または前記側面制限部材を、前記ストリップの上面に対してほぼ垂直に振動させて、前記供給装置と前記側面制限部材との間に、第１の方向の相対的動作を生じさせるとともに、前記側面制限部材を、鋳込み方向に対して垂直な第２の方向と、鋳込み方向に対して平行な第３の方向に同時に振動させることによって、３方向の成分を有する振動を発生するように動作可能である、ストリップ鋳造機。
2. 側面制限部材が、水冷式の中空横断面材の１つ以上の部分から成る、請求項１に記載のストリップ鋳造機。
3. ストリップ鋳造機において、溶融金属および凝固金属のストリップを搬送する搬送ベルトに近接して配置された溶融金属の供給装置および側面制限部材への凝固鋼の付着を防止する方法であって、
   前記供給装置または前記側面制限部材を前記搬送ベルトの平面上で、前記ストリップの搬送方向に対してほぼ垂直に振動させるとともに、前記搬送ベルト上のストリップ厚が全幅に亘って均一に維持されるように前記側面制限部材の互いの角度を調整する、ストリップ鋳造機における凝固鋼付着防止方法。