JP4303575B2 - 光記録方法及び記録再生装置 - Google Patents
光記録方法及び記録再生装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4303575B2 JP4303575B2 JP2003413893A JP2003413893A JP4303575B2 JP 4303575 B2 JP4303575 B2 JP 4303575B2 JP 2003413893 A JP2003413893 A JP 2003413893A JP 2003413893 A JP2003413893 A JP 2003413893A JP 4303575 B2 JP4303575 B2 JP 4303575B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- pulse
- mark
- rewritable
- time
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B7/00—Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
- G11B7/004—Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
- G11B7/006—Overwriting
- G11B7/0062—Overwriting strategies, e.g. recording pulse sequences with erasing level used for phase-change media
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
- Optical Head (AREA)
Description
追記型光記録媒体の代表例としては、近年広く普及している有機色素を記録層としたCD−Rを挙げることができる。一方、書換型光記録媒体としては、光磁気効果を利用した光磁気記録媒体(光磁気ディスク)や可逆的な結晶状態・非晶質状態の変化に伴う反射率差を利用した相変化型光記録媒体(相変化記録ディスク)が実用化されている。
"DVD(ディーブィーディー)、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW"、[online]、2001/2/25、2001/9/10、FPCUグループ、[平成14年12月11日検索]、インターネット<URL:wysiwyg://17/http://www.nifty.ne.jp/forum/fpcu/words/dvd.htm>
しかしながら、レコーダブルDVDでは、高速記録を行なおうとすると記録マーク間で熱干渉が生じる傾向にあり、より高いレベルでの高速記録の実現は困難であるとされている。つまり、有機色素を用いたレコーダブルDVDでは、波長660nm近傍の半導体レーザ光を照射してマークを記録する。このようなレコーダブルDVDでは、記録速度が上がるにつれて(即ち、記録周波数が高くなるにしたがって)、記録に要するレーザパワーがリライタブルDVDに比べて増大する上に、記録マークを形成するために照射したレーザ光によって発生した熱を十分に逃す時間を確保することが困難となる。このため、レコーダブルDVDにおいては、マーク記録で発生した熱が前後のマーク形成に及ぼす影響がより大きくなる傾向にあり、記録マークを正確に形成することが困難となる傾向にある。かかる熱干渉により、有機色素を用いたレコーダブルDVDでは、より高いレベルの記録線速度において記録パワーのマージンが狭くなる傾向がある。このため、レコーダブルDVDでは、8倍速以上での高速記録を実現するのは難しいと考えられている。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、大容量の光記録媒体において、高速記録を実現できるようにした、光記録方法及びこの光記録方法を用いる記録再生装置を提供することを目的とする。
(M−1)記録速度が、書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録速度の範囲内である場合は、
時間的長さnTを、
η1T、α1T、β1T、α2T、β2T、・・・、
αiT、βiT、・・・、αmT、βmT、η2T
(mはパルス分割数であり、iは1以上m以下の整数である。Σi(αi+βi)+η1+η2=nである。αi(1≦i≦m)は0より大きい実数であり、βi(1≦i≦m−1)は
0より大きい実数であり、βmは0以上の実数であり、η1及びη2はそれぞれ−2以上2
以下の実数である。)の順に分割し、少なくとも一つの記録マークの時間的長さは、パルス分割数mを2以上とし、かつ、全ての記録マークの時間的長さは、n/m≧1.25を満たすようにして、
αiTの時間内には、記録パワーPwi(1≦i≦m)の記録光を照射し、
βiTの時間内には、バイアスパワーPbi(1≦i≦m、Pbi<Pwi、Pbi<Pwi+1)の記録光を照射して、
nTの時間的長さを有する複数の記録マークを形成し、
複数の記録マーク間には、消去パワーPe(Peは1≦i≦mにおけるm個のPbiそ
れぞれの値以上であり、1≦i≦mにおけるm個のPwiそれぞれの値よりも小さい値である。)の記録光を照射し、
(M−2)記録速度が、書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録速度よりも速い場合は、
nTの時間的長さを有する記録マークを、記録パワーPwHの記録光とバイアスパワーPbHの記録光とを照射しうる一つのブロックパルスを用いて形成し、
記録速度が、書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録速度よりも速い場合において、
nT(nはk 0 以上の自然数、k 0 は2又は3)の記録マークを、k 0 T、・・、(k 0 +(k 1 −1))Tの時間的長さを有する記録マーク(k 1 は整数)と、(k 0 +k 1 )T以上の時間的長さを有する記録マークとに分け、
γ(γは0以上2以下の値)をnによって異なり得るものとし、
k 0 T、・・、(k 0 +(k 1 −1))Tの時間的長さを有する記録マークを形成する場
合には、記録マークの始点からT dk T(T dk は−1から1の間の値)の時間だけ遅れた時点から記録パワーPwHの記録光の照射を開始し、記録マークの終点からγTの時間だけ早い時点において記録パワーPwHの記録光の照射を終了することによって記録マークを形成し、
(k 0 +k 1 )T以上の時間的長さを有する記録マークを形成する場合には、記録マークの始点から記録パワーPwHの記録光の照射を開始し、記録マークの終点からγTの時間だけ早い時点において記録パワーPwHの記録光の照射を終了することによって記録マークを形成するように構成することを特徴としている(請求項1)。
[1]書換可能な相変化型記録層を有する光記録媒体(書換型光記録媒体)を追記型光記録媒体(ライトワンスメディア)として用いる意義
書換可能な相変化型記録層を有する光記録媒体(単に相変化型光記録媒体又は書換型光記録媒体という場合もある;例えばリライタブルDVDなど)においては、相変化型記録層(単に記録層という場合もある)に光(例えばレーザ光)を照射して、相変化型記録層の結晶状態を未記録状態又は消去状態とし、非晶質状態(アモルファス状態)を記録状態とすることによって、情報の記録を行なっている。
一方、非晶質マークの消去(結晶化)は、光照射により記録層を加熱して、結晶化温度から融点直上又は融点より低い温度範囲における温度で数十から数百ナノ秒間保持することにより行われる。
一方、相変化型光記録媒体を例えばレコーダブルDVDのような追記型光記録媒体として用いる場合(即ち、初期化状態或いは結晶状態とされた相変化型記録層に一回だけ記録を行なう媒体として用いる場合)には、記録されている情報を消去しなくても良いため、記録を行なう線速度(書込線速度)をオーバーライト可能な線速度よりも速くする(高速にする)ことができる。
なお、例えばリライタブルDVDのような書換型光記録媒体の相変化型記録層は、例えば出荷時や販売時などには初期状態として結晶状態(消去状態)となっているため、この状態でライトワンスメディアとして用いることができる。但し、既に相変化型記録層に情報が書き込まれている場合(相変化型記録層に非晶質の記録マークが形成されている状態)であっても、ライトワンス記録モードでの書き込みを行なう前にDC光を照射することで相変化型記録層を結晶状態(消去状態)にすれば、ライトワンスメディアとして用いることができる。
リライタブルDVDにおける記録は、通常、回転速度一定のCAV(Constant Angular Velocity)記録、PCAV(Partial Constant Angular Velocity)記録、又は線速度一定のCLV(Constant Linear Velocity)記録、ZCLV(Zoned Constant Linear Velocity)記録で行われる。
しかしながらここで留意しなければならないのは、記録線速度に応じて記録ストラテジーを複雑に変化させると、記録装置(ドライブ、記録再生装置)への負担が重くなってしまうことである。従って、記録線速度に応じて記録ストラテジーを変化させなければならない場合も、その変化は単純且つ規則性が高くすることが望まれる。
[2]光記録方法
上述のように、相変化型記録層を有するリライタブルDVDのような書換可能型光記録媒体を、敢えて積極的に追記型光記録媒体として用いる場合、広範な線速度での記録が可能となるように記録方法(光記録方法)を工夫する必要がある。
まず、例えば情報を記録する際に、ユーザが記録速度(書込速度;例えばX倍速)を指定すると、ドライブ(記録再生装置)側に指定された記録速度が入力され(これを入力記録速度という)、これに応じてドライブ(記録再生装置)側で記録線速度が設定される(これを入力記録線速度という)。
例えば、書換型光記録媒体(光ディスク)を一定の線速度で回転させる場合(CLV方式)、入力記録線速度が所定記録線速度(例えば、挿入された書換型光記録媒体における書換可能な線速度)以上であるか(即ち、所定記録線速度よりも速いか)否かを判定する。
以下、本実施形態にかかる光記録方法について、相変化型光記録媒体としてリライタブルDVDを例にとって、より具体的に説明する。
[2A]所定記録速度(所定記録線速度;例えば書換可能な線速度)よりも速い記録速度(線速度)での記録方法
[2A−1]記録線速度範囲と記録方法
現状の光ディスクドライブ(光記録媒体の記録再生装置)では、光記録媒体(以下、光ディスク又はディスクという場合もある)を回転させるスピンドルモータの回転数は、10000rpm程度が上限となる。これは、光ディスクの基板として通常用いられる分子量12000〜20000のポリカーボネート樹脂が、これ以上の回転数では遠心力により破壊してしまうおそれがあるためである。
本発明者らが記録方法を検討する際に留意した点は、以下の2つである。
(1)まず、書換可能な線速度よりも速い記録線速度のように高速で記録を行なう場合、低速での記録の場合と比較して、相変化型記録層を溶融するのに、より大きいレーザパワーが必要となる。しかしながら、レーザパワーは、半導体レーザの最大出力パワーよりも大きくすることができない。このため、レーザパワー不足となる場合は、後述するように、レーザのオンオフを上手く制御することが(非晶質の記録マークを形成するためのレーザのオンオフを、記録ストラテジーという。)重要である。
(2)また、上記記録ストラテジーを単純化することが重要である。ここで、CAV記録では、記録領域の最内周と最外周とで2.5倍程度の線速度差がある。従って、リライタブルDVDの記録領域の内周から外周に向かって記録を行なう場合には、記録線速度が逐次変化することになるが、この記録線速度の変化に伴って記録ストラテジーを変化させることが必要となる。レーザ駆動回路(分割パルスの発生制御回路)の設計上、この記録ストラテジーの変化は、極力単純で制御しやすいものとすることが要求される。
すなわち、相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、これに様々な時間的長さnT(Tは基準クロック周期、nは2以上の整数)を有する非晶質状態の記録マークを形成することにより情報を記録する場合に用いる光記録方法であって、記録線速度が、書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録線速度よりも速い場合においては、nTの時間的長さを有する記録マークを、記録パワーPwHの記録光とバイアスパワーPbHの記録光とを照射しうる一つのブロックパルスを用いて形成するのである。
逆に、結晶状態の相変化型記録層に情報を記録する場合に、記録線速度を所定記録線速度以下の線速度(所定記録速度以下の記録速度;例えば書換可能な最大記録線速度以下の線速度、書換可能な記録線速度範囲の線速度)にすると、1つのパルス(ブロックパルス)で記録するには冷却速度が不十分となり非晶質マークの形成が困難になることが判明した。従って、結晶状態の相変化型記録層に情報を記録する場合に、記録線速度を所定記録線速度以下の線速度(所定記録速度以下の記録速度;例えば書換可能な最大記録線速度以下の線速度)にするときは、分割記録パルスを用いた記録ストラテジーを採用するのが好ましいことがわかった。この点については下記[2B]で詳細に説明する。
[2A−2]具体例
以下、所定記録線速度よりも速い(例えば書換可能な最大記録線速度よりも速い)線速度(記録速度)で用いる1つのパルス(ブロックパルス)による記録ストラテジーの具体例について説明する。
すなわち、記録線速度が、書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録線速度よりも速い場合において、
nT(nはk0以上の自然数で、k0は2又は3)の記録マークを、k0T、・・、(k0+(k1−1))Tの時間的長さを有する記録マーク(ここで、k1は整数である。)と、(k0+k1)T以上の時間的長さを有する記録マークとに分け、
γ(γは0以上2以下の値)をnによって異なり得るものとし、
k0T、・・、(k0+(k1−1))Tの時間的長さを有する記録マークを形成する場合には、記録マークの始点からTdkT(Tdkは−1から1の間の値)の時間だけ遅れた時点から記録パワーPwHの記録光の照射を開始し、記録マークの終点からγTの時間だけ早い時点において記録パワーPwHの記録光の照射を終了することによって記録マークを形成し、
(k0+k1)T以上の時間的長さを有する記録マークを形成する場合には、記録マークの始点から記録パワーPwHの記録光の照射を開始し、記録マークの終点からγTの時間だけ早い時点において記録パワーPwHの記録光の照射を終了することによって記録マークを形成するものである。
ここで、図1(a)〜(c)は、所定記録線速度よりも速い(書換可能な最大記録線速度よりも速い)線速度で用いる1つのパルスによる記録ストラテジーの一例を示したものであり、(a)は、nT(n=3〜14、Tはクロック周期)の時間的長さを有する非晶質状態の記録マークを形成する場合の記録データ信号(nT信号)、(b)はnが6以上におけるnTマークを形成する場合の記録ストラテジーの記録パワー波形、(c)はnが3,4,5の場合における記録ストラテジーの記録パワー波形をそれぞれ示している。
次に、nが3,4,5の場合、即ち、時間的長さが比較的短い記録マーク(非晶質マーク)を形成する場合、上記γTを後端側に付与することに加え、記録パルス波形の開始時期を調整した記録ストラテジーを採用するのが好ましい。このように、マーク先端部を形成する記録パワーPwHの記録光の照射開始時期を調整することにより、時間的長さの長い長マーク(例えばnが6以上のマーク;6Tマーク〜11T,14T)の長さと、時間的長さの短い短マーク(例えばnが6よりも小さいマーク;3T,4T,5T)の長さのバランスを良好に補正することができるようになる。つまり、長マークよりも短マークの方が、記録光を照射して形成される非晶質マークの前端が目標位置よりもずれる傾向が著しいため、このように、短マークの場合にだけ、記録光の照射開始時期を調整することで、記録光を照射して形成される長マークの長さと短マークの長さとのバランスを良好なものとすることができ、よりジッターの値が良くなり、良好な記録特性が得られることになる。
なお、ここでは、nが6(k0=3,k1=3,n=k0+k1)以上の場合を記録マークの長さが所定長さ以上の場合とし、nが3(k0=3,n=k0),4[k0=3,k1=3,n=k0+(k1−2)],5[k0=3,k1=3,n=k0+(k1−1)]の場合を記録マークの長さが所定長さよりも短い場合としているが、これに限られるものではなく、記録マークの長さが所定長さ以上であるかを判定するのに用いられるnの値は任意に設定することができる。nは、通常は、4、5、6のいずれかの値をとる。これは、時間的長さが短いマークほど、形成される非晶質マークの前端が所定の位置よりずれる傾向が著しいためである。
PwHとPbHとの関係は以下のように設定することが好ましい。まず、0<PbH<Pe<PwHとすることが好ましい。つまり、PbHをPeよりも小さくすることが好ましい。ここで、Peは消去パワーである。消去パワーPeについての説明は後述する。また、通常、PbH/PwH≦0.5とする。また、PbHとPeとの関係は、PbH/Pe≦0.8とすることが好ましく、PbH/Pe≦0.75とすることがより好ましく、PbH/Pe≦0.7とすることが特に好ましい。
[2B]所定記録線速度(所定記録速度)以下の線速度(書換可能な線速度範囲;記録速度)での記録方法(パルス分割法)
[2B−1]記録線速度範囲と記録方法
上記[2A−1]で説明したように、上記ブロックパルスを用いる記録ストラテジーは、所定記録線速度(所定記録速度;例えば書換可能な最大記録線速度)以下の記録線速度では、冷却速度が不十分となり、非晶質マークの形成が困難になる。このため、所定記録線速度以下の線速度(例えば書換可能な最大記録線速度以下の記録線速度領域)においては、記録層を融点以上に昇温する記録パワーを有する記録光(レーザ光)と、溶融した記録層を冷却する所定のバイアス(冷却)パワーを有する記録光(レーザ光)とを繰り返し照射する(分割記録パルスを用いる)ことにより、溶融領域の冷却を確保して非晶質の記録マークを形成する記録ストラテジーを採用するのが好ましい。
ここで、リライタブルDVDの基準線速度におけるクロック周期は38.3nsecであるため、2倍速におけるクロック周期は19.1nsecとなる。つまり、リライタブルDVDの記録においては、2倍速記録の時点でクロック周期が25nsecを下回ることになる。クロック周期が25nsec以下となると、一の冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足した時間的長さが概ね1Tとなる上記従来の記録方法では、記録層の溶融時間(記録パルスの時間的長さ)及び冷却時間(冷却パルスの時間的長さ)を十分に確保できなくなる。従って、基準クロック周期Tが25nsec以下となるような記録線速度における記録においては、本発明のn/m(詳細は後述する)を1.25以上とする記録方法を用いる意義が特に高い。
つまり、上記従来からの方法に対して、より記録線速度の速い記録にも対応するために、複数の記録パルスからなるパルス列の発生間隔を1Tよりも大きくする記録ストラテジーを用いる。この記録ストラテジーは、具体的には、複数の記録パルスからなるパルス列の発生間隔を概ねクロック周期の1.25倍(1.25T)以上とするものである。これは、一の冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足した時間的長さを、クロック周期の略1.25倍(1.25T)以上(具体的には、1.5T、2T、2.5T、3T・・)となるように構成する方法である。
以下の説明では、複数の記録パルスからなるパルス列を概ねクロック周期の1.25倍以上とする記録ストラテジーについて説明する。そして、このような記録ストラテジーのより具体的な方法の一つとして2T分割パルス記録ストラテジーについて説明する。なお、以下では、特にクロック周期の1.25倍以上とする場合について説明するが、本発明は、1T分割パルス記録ストラテジーに適用できるのは言うまでもない。
[2B−2]一般説明
従来から用いられている1Tパルス分割は、パルス分割数mをn−k個(kは1又は2)とするものである。例えば、11Tマーク(n=11)を形成する場合にパルス分割数mを10とすると、一の冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足したものは1.1T(m=10、k=1)となる。つまり、記録パルスが1.1Tの間隔で繰り返し発生されることとなる。
すなわち、相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の前記相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、これに様々な時間的長さnT(Tは基準クロック周期で、nは2以上の整数である。)を有する非晶質状態の記録マークを形成することにより情報を記録する場合に用いる光記録方法であって、
記録線速度が、前記書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録線速度の範囲内である場合は、
時間的長さnTを、
η1T、α1T、β1T、α2T、β2T、・・・、
αiT、βiT、・・・、αmT、βmT、η2T
(mはパルス分割数であり、iは1以上m以下の整数である。Σi(αi+βi)+η1+η2=nである。αi(1≦i≦m)は0より大きい実数であり、βi(1≦i≦m−1)は0より大きい実数であり、βmは0以上の実数であり、η1及びη2はそれぞれ−2以上2以下の実数である。)の順に分割し、少なくとも一つの記録マークの時間的長さは、上記パルス分割数mを2以上とし、かつ、全ての記録マークの時間的長さは、n/m≧1.25を満たすようにして、
αiTの時間内には、記録パワーPwi(1≦i≦m)の記録光を照射し、
βiTの時間内には、バイアスパワーPbi(1≦i≦m、Pbi<Pwi、Pbi<Pwi+1)の記録光を照射し、
nTの時間的長さを有する複数の記録マークを形成し、
複数の記録マーク間には、消去パワーPe(Peは1≦i≦mにおけるm個のPbiそれぞれの値以上であり、1≦i≦mにおけるm個のPwiそれぞれの値よりも小さい値である。)の記録光を照射する。
本発明においては、少なくとも一つの記録マークの時間的長さについては上記パルス分割数mを2以上とする。つまり、必ずしも全てのnTの記録マークについて、mを2以上とするパルス分割を行う必要はない。特に2T、3Tや4Tなどの短いマークにおいては熱の蓄積の問題が比較的小さく、パルスの応答速度が追いつかない場合があるため、記録パワーPwi(1≦i≦m)の記録光を1パルス照射するだけ、或いは記録パワーPwi(1≦i≦m)の記録光を1パルスとバイアスパワーPbi(1≦i≦m)の記録光を1パルス照射する方が好ましい。
仮にη1、η2を共に0とすると、Σi(αi+βi)/m=n/mであるから、n/mは(αi+βi)の平均的な長さに対応する値であり、(n/m)Tは、一の冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足して得られる平均周期(分割パルスの平均的周期)に対応する値となる。
また正確には、1Tパルス分割ではΣ(αi+βi)は必らずしもnと等しくなく、n−η(η=0〜2)となっていてもよいが、この場合はαiやβiの平均値はさらに短くなるので、むしろ問題は一層深刻となる。
ただし、n/mの値が大きすぎると熱蓄積が大きくなるため、n/mは通常4以下とし、好ましくは3.5以下とし、より好ましくは3以下とする。
また、本発明においては、m個の記録パルス区間αiT(1≦i≦m)の平均値及び(m−1)個のオフパルス区間βiT(1≦i≦m−1)の平均値を、ともに通常3ナノ秒以上、好ましくは5ナノ秒以上、さらに好ましくは10ナノ秒以上とする。この範囲とすれば、照射する光の追従性を確保することができるようになる。一方、個々のαiT(1≦i≦m)および個々のβiT(1≦i≦m−1)を、好ましくは3ナノ秒以上、より好ましくは5ナノ秒以上、さらに好ましくは10ナノ秒以上とする。なお、記録の際に通常使用するレーザー光のパワーの立ち上がり時間や立ち下がり時間は、最小のαiT(1≦i≦m)の時間的長さ、及び最小のβiT(1≦i≦m)の時間的長さにおける50%以下の時間的長さ以内に抑えることが好ましい。
記録パルス区間αiT(1≦i≦m)が3ナノ秒以上、特に5ナノ秒以上あれば、記録光の立ち上がり/立ち下がりの問題はあるものの、記録パワーPwiを上げることで記録に必要な照射エネルギーを確保できる。
さらに大きな冷却効果を得るためには、全ての記録マークの時間的長さについて、Σi(αi)を、通常0.6nよりも小さくする、好ましくは0.5nよりも小さくする、より好ましくは0.4n以下とする。すなわち、記録パルス区間の総和Σi(αiT)とオフパルス区間の総和Σi(βiT)とを同等、又は、記録パルス区間の総和Σi(αiT)をオフパルス区間の総和Σi(βiT)よりも短くして、各マーク内でオフパルス区間が長くなるようにする。特に好ましくは、i=2〜m−1の全てのiに対してαiT≦βiTとし、少なくとも2番目以降の記録パルス列においてβiTのほうを長くする。
分割パルスの発生制御回路の設計を簡略化するために、先頭パルス区間α1Tと最後尾パルス区間αmTとの間の中間パルス区間(群)αiT(2≦i≦m−1)の切り替え周期を一定値とすることが好ましい。具体的には、(αi+βi)T(ただし2≦i≦m−1)または(βi-1+αi)T(ただし2≦i≦m−1)は、1.5T、2T又は2.5Tとするのが好ましい。
本発明においては、記録マークを形成しないマーク間にどのようなパワーの光を照射するか限定されないが、好ましくはPbi≦Pe<Pwi(1≦i≦m)なるパワーPeの光を照射する。Peは記録済みマークを消去するための消去パワーとなる。
η1T、η2T区間には、バイアスパワーPbi以上、消去パワーPe以下の光を照射するのが好ましい。但し、分割パルスの発生制御回路の設定を簡便にするために、η1T、η2T区間に照射する記録光のパワーは、バイアスパワーPbiと同等にする、又は消去パワーPeと同等にすることが好ましい。
記録パワーPwi及びバイアスパワーPbi、または消去パワーPeについては、使用される光記録媒体のタイプによって、それぞれの物理的機能は異なってくる。
使用する書換型光記録媒体の種類によって、記録パワーPwi及びバイアスパワーPbiの値は異なるが、例えば、相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の場合、通常記録パワーPwiは1〜100mW程度、バイアスパワーPbiは0.01〜10mW程度である。
η1、η2は、通常、−2以上2以下とする。この範囲とすれば、時間的長さnTの記録マーク長が正確に得られるようになる。
以下に、本発明のパルス分割方式の具体例を示す。この具体例は、n/mを概ね2とする2T分割パルスストラテジーの一例である。
[2B−3]2T分割パルスストラテジーの具体例
2T分割パルスストラテジーの具体例としては以下の記録方法を挙げることができる。すなわち、記録線速度が、書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録線速度の範囲内である場合においては、
nTの時間的長さを有する記録マークを形成する際に、
n=2m(mはパルス分割数であり、1以上の自然数)なる記録マークに対しては、そのうちの時間的長さ(n−j)T(jは−2〜2なる実数)を、
α1T、β1T、α2T、β2T、・・・・、αmT、βmT、
からなるm個のαiTとβiTからなる区間(ただしΣi(αi+βi)=n−j)に
分割し、
n=2m+1なる記録マークに対しては、そのうちの時間的長さ(n−k)T(kは−2〜2なる実数)を、
α1’T、β1’T、α2’T、β2’T、・・・・、αm’T、βm’T、
からなるm個のαi’Tとβi’Tからなる区間(ただし、Σi(αi’+βi’)=
n−k)に分割し、
m≧4では、βi-1+αi=βi-1’+αi’=2±0.2(i=3〜m−1)として、
αiTおよびαi’Tの時間内には、記録パワーPwi(iは1以上m以下の整数)の記録光を照射し、
βiTおよびβi’Tの時間内には、バイアスパワーPbi(iは1以上m以下の整数)の記録光を照射するようにする。
本実施形態のより好ましい実施形態を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
図2(a)〜(c)に示すように、記録線速度(書込線速度;記録速度)が所定記録線速度(所定記録速度)以下の低い線速度(例えば書換可能な最大記録線速度以下の線速度)の場合、nTマークの記録時に、m個の記録パワーPwLの記録パルスを分割パルスとして照射するようにする。
一方、nが奇数のときには(n=2m+1)、2番目の記録パルスのパルス幅の期間α2’Tと、その直前のバイアス(冷却)パワーPbLのビームを照射する冷却パルスのパルス幅の期間β1’Tとを足した期間を(2+Δ1)Tとし、最後の記録パルスのパルス幅の期間αm’Tとその直前のバイアス(冷却)パワーPbLのビームを照射する冷却パルスのパルス幅の期間βm-1’Tとを足した期間を(2+Δmm)Tとし、その他の記録パルスの期間とその直前のバイアス(冷却)パワーPbLのビームを照射する冷却パルスのパルス幅の期間とを足した期間を略2Tとしている。
一方、nが奇数のときは(n=2m+1)、上記後続パルス列を構成する冷却パルス及び記録パルスのうち、最先の冷却パルス(β1’T)とその冷却パルスに続く記録パルス(α2’T)の対、及び最後の記録パルス(αm’T)とその前の冷却パルス(βm-1’T)との対を除いた、冷却パルスと記録パルスの対において冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足した時間的長さを略2になるようにする。
また、本実施形態では、nが奇数のとき(n=2m+1)及びnが偶数のとき(n=2m)のそれぞれの記録パルスと冷却パルスの対の数をmで同数とする。
そして、nが奇数の場合は、先頭パルスα1’、上記後続パルス列を構成する最先の冷却パルスにおけるβ1’、この冷却パルスに続く記録パルスにおけるα2’、最後の記録パルスにおけるαm’、その前の冷却パルスにおけるβm-1’、及び最後尾の冷却パルスにおけるβm’のうちの少なくとも1つを、同一のパルス分割数mにおけるnが偶数の場合の、α1、β1、α2、βm-1、αm及びβmのそれぞれに対して適宜調整するようにしている。すなわち、α1≠α1’、β1≠β1’、α2≠α2’、βm-1≠βm-1’、αm≠αm’及びβm≠βm’のうちの少なくとも一つが満たされるようにすることが好ましい。
上記2Tパルス分割ストラテジーをリライタブルDVDに用いるより好ましい記録方法として、以下の記録方法を挙げることができる。
nT(n:3以上の自然数)の時間的長さを有する記録マークを形成する際に、
n=2m(m:2以上の自然数)なる記録マーク(偶数長マーク)を形成するときは、その時間的長さ(n−j)T(jは−2〜2なる実数)を、
α1T,β1T,α2T,β2T,・・・・,αmT,βmT
からなるm個のαiTとβiTからなる区間(ただしΣi(αi+βi)=n−j)に分割し、
n=2m+1(m:1以上の自然数)なる記録マーク(奇数長マーク)を形成するときは、その時間的長さ(n−k)T(kは−2〜2なる実数)を、
α1’T,β1’T,α2’T,β2’T,・・・・,αm’T,βm’T
からなるm個のαi’Tとβi’Tからなる区間(ただし、Σi(αi’+βi’)=n−k)に分割し、
αiTおよびαi’Tの記録パルスの時間(iは1からmまでの整数)内には、記録パワーPwLのレーザ光を照射し、
βiTおよびβi’Tの冷却パルス間の時間(iは1からmまでの整数)内には、バイアス(冷却)パワーPbLのレーザ光を照射することによって、時間的長さnTの記録マークを形成する書換型光記録媒体への記録方法であって、
i=2〜mにおいて、βi-1+αi及びβi-1’+αi’を概ね2(但し、i=2及び/又はi=mにおいてはこの限りでない)とする。
さらに、奇数長マークにおけるi=2及び/又はi=m、すなわちβ1’+α2’及び/又はβm-1’+αm’も少なくとも0.5〜2程度2からのずれを許容したほうが、より正確なマーク長及びマーク端のジッター制御が可能となる。従って、この場合は、β1’+α2’及びβm-1’+αm’の間に存在するβi-1’+αi’を概ね2とすればよい。
図2(a)〜(c)は、n=2m又は2m+1のnT記録マークを形成するための2Tパルス分割ストラテジーによる記録ストラテジーにおける各記録パルスの関係の一例を示した図である。なお、図2(b)におけるマーク長2mTを形成するための記録パルス及び冷却パルスの時間幅は、本来は、α1T,β1T,αcT,…,αmT,βmTと表されるが、図を見やすくする観点から、図2(b)においては、単にα1,β1,αc,…,αm,βmと記載し、クロック周期Tの表示を省略してある。これは図2(c)においても同様である。
図2(a)は、長さnT=2mT、もしくはnT=(2m+1)Tの記録マークに対応したパルス波形であり、符号301が長さ2mTの記録マークの長さに、符号302が長さ(2m+1)Tの記録マークの長さに対応する。図2(a)においては、m=5の場合が示してある。
Td1にTをかけた値は、α1T及びα1’TのnTマークの前端T0に対する遅延時間であり、通常はnによらず一定とする。遅延時間は、nTの長さを有する記録マークの先頭位置から遅れる場合を正とする。
そして、同一分割数でn=2m及び2m+1の2種類のマーク長を記録するために、n=2mの記録マークにおける区間(β1+α2)T、及び区間(βm-1+αm)Tをそれぞれ約0.5Tずつ増減して長さを調整して、n=2m+1の記録マークを形成する。なお、熱干渉等の影響で、この値は正確に0.5Tとなるとは限らないが、概ね0.3T〜0.6Tの範囲にある。
操作1:図2の区間309のように、区間(β1’+α2’)Tのβ1’のみにΔ1を付加し、β1’=β1+Δ1,α2’=αcとする。
操作2:図2の区間310のように、区間(βm-1’+αm’)TにΔmmTを付加する。
好ましいのはΔmを0よりも大きくすること、つまり、αm≠αm’とすることである。Δmを0よりも大きくすることにより、同一分割数mのうちのnが奇数である記録マーク後端部の形状が安定してジッター特性が飛躍的に改善される。さらに好ましいのは、Δm-1とΔmとをほぼ等しい値とすることである。Δm-1とΔmとをほぼ等しくすれば、ジッター特性を良好に保ちつつも、パルス光の発生を制御する電子回路(集積回路、分割パルスの発生制御回路)の設計を簡便にすることができるようになる。
また、特に、mが3以上では、α1’=α1,βm’=βmとし、αi及びαi’は、i=2〜m−1に対しては、αcでiによらず一定とすることが好ましい。また、αm及びαm’もmによらず一定値とすることが好ましい。さらにα1(α1’)は、0.7〜1.4、αcは0.7〜1.2、αmは0.7〜1.2とすることが好ましい。
ここでαcの設定の一例を説明する。まず、αc=αi(i=2〜m−1)は、1として、その後±0.2の範囲で微調整を行なう。そして、α1及びαmは、まずαcと同じ値を採用し、そしてαcより最大0.3程度大きい範囲で微調整を行なうものとする。
なお、m=1(n=3)の場合には、一対の記録パワー照射区間α1’Tとバイアスパワー照射区間β1’Tからなる記録光の照射を行なう。この場合、α1’は、2以上のmにおけるα1’より0.1から1.5程度大きくし、β1’は2以上のmにおけるβ1’より小さく、かつ、βm,βm’と同じか、それらより大きくするのが好ましい。
図3(a)は、長さnT=2mT、もしくはnT=(2m+1)Tの記録マークに対応したパルス波形であり、符号401が長さ2mTの記録マークの長さに、符号402が長さ(2m+1)Tの記録マークの長さに対応する。図3(a)においては、m=5の場合が示してある。
Td1にTをかけた値は、α1T及びα1’TのnTマークの前端T0に対する遅延時間であり、通常はnによらず一定とする。遅延時間は、nTの長さを有する記録マークの先頭位置から遅れる場合を正とする。
一方、nが奇数の場合は、図3の区間407では、(βi-1’+αi’)T=2T(i=2〜m−1)で一定とする。ただし、(β1’+α2’)Tは(β1+α2)Tと等しくする。ここで、「2Tで一定」とはいっても、前述の通り、±0.2T程度の誤差は許容するものとする。
図3において、偶数長マークnT=10Tと奇数長マークnT=11Tとのマーク長の差1T分の記録は、以下の操作3によって行われる。
操作3:図3の区間408のように、区間(βm-1+αm)TにΔmmTを付加して、(βm-1’+αm’)Tとする。ここで、Δmm=Δm-1+Δmとして、ΔmmをΔm-1とΔmとに分けて、βm-1にはΔm-1を付加し、αmにはΔmを付加する。また、マーク後端のジッターへの影響を補正するため、βmにΔm’を付加してβm’とする。
Δm-1又はΔmの片方がゼロであってもよいが、好ましいのはΔmを0よりも大きくすること、つまり、αm≠αm’とすることである。Δmを0よりも大きくすることにより、同一分割数mのうちのnが奇数である記録マーク後端部の形状が安定してジッター特性が飛躍的に改善される。Δmは、通常0.1以上、一方、通常0.9以下、好ましくは0.5以下とする。Δmの値は、記録線速度に応じて適宜設定する。記録線速度が高くなるほど溶融時間を確保することが重要になるため、高線速度になるにつれてΔmを大きくすることが好ましい。
さらに好ましいのは、Δm-1とΔmとをほぼ等しい値とすることである。Δm-1とΔmとをほぼ等しくすれば、ジッター特性を良好に保ちつつも、パルス分割の発生制御回路(集積回路)の設計を簡便にすることができるようになる。Δm’は、通常0〜1の値をとり、より好ましくは0〜0.6の値をとる。特に低線速度ではΔm’は大きくするのが好ましい。一方、高線速度では、Δm’=0とするのが好ましい。但し、全ての線速度においてΔm’=0とすれば、パルス発生制御回路の設計を簡便にすることができる。
ここで、αcの設定について説明する。まず、αc=αi(i=2〜m)は1として、その後さらに±0.2の範囲で微調整を行なうのが好ましい。そして、α1及びαmは、まずαcと同じ値を採用し、そしてαcより最大0.3程度大きい範囲で微調整を行なう。
また、区間410のβm’はまず、区間405のβmと等しくし、その後、微調整を行なう。
このようにして、偶数長マークに対して、図3(b)の点線で示される記録パルス列403が得られ、奇数長マークに対して、図3(c)の点線で示される記録パルス列406が得られる。
[2C]全ての記録線速度において共通して用いることが好ましい事項
上記[2A]の「所定記録速度(所定記録線速度;例えば書換可能な最大記録線速度)より速い記録速度(線速度)での記録方法」、及び、上記[2B]の「所定記録線速度(所定記録速度)以下の線速度(書換可能な線速度範囲;記録速度)での記録方法(パルス分割法)」、に共通して用いることが好ましい事項について説明する。
また、分割記録パルスにおける冷却パルス期間に照射するバイアスパワーPbLと、ブロックパルスを用いて記録を行う際に用いるバイアスパワーPbHとを等しくすることが好ましい。
[2D]本発明に用いる記録再生装置
本発明においては、上記記録方法を行うべく分割パルスの発生制御回路の設計を行い、この分割パルスの発生制御回路を公知の記録再生装置(ドライブ)に組み込むことによって、記録再生装置を得ることができる。そして、この記録再生装置(ドライブ)に円盤状の書換型光記録媒体(例えばDVDは直径約12cmの円盤形状となる)を装着して、スピンドルモータ等を駆動して書換型光記録媒体を回転させる。さらに、書換型光記録媒体に対して記録を行う所望の半径位置において、下記「書換記録モード」、「ライトワンス記録モード」、「DC消去モード」に従って記録光を照射することによって、相変化記録層に様々な時間的長さを有する非晶質状態の記録マークを形成して、情報の記録・消去を行う。
本発明に用いる記録再生装置の詳細は、以下の通りである。
すなわち、相変化型記録層を有し、前記相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、この未記録・消去状態に様々な時間的長さnT(Tは基準クロック周期、nは2以上の整数である。)の非晶質状態の記録マークを形成することによって、情報を記録する円盤状の書換型光記録媒体を装着し、前記書換型光記録媒体を回転させた状態で前記書換型光記録媒体に記録光を照射することによって前記情報の記録を行う記録再生装置であって、
前記記録再生装置が、書換記録モード、ライトワンス記録モード、及びDC消去モードの3つの記録光照射モードを有し、
(A−1)書換記録モードにおいては、
情報の記録を行う書換型光記録媒体の半径位置における線速度が、前記書換型光記録媒体の書換可能な記録線速度の範囲内となるように前記書換型光記録媒体を回転させた状態で、
時間的長さnTを、
η1T、α1T、β1T、α2T、β2T、・・・、
αiT、βiT、・・・、αmT、βmT、η2T
(mはパルス分割数であり、iは1以上m以下の整数である。Σi(αi+βi)+η1+η2=nである。αi(1≦i≦m)は0より大きい実数であり、βi(1≦i≦m−1)は0より大きい実数であり、βmは0以上の実数であり、η1及びη2はそれぞれ−2以上2以下の実数である。)の順に分割し、少なくとも一つの記録マークの時間的長さは、上記パルス分割数mを2以上とし、かつ、全ての記録マークの時間的長さは、n/m≧1.25を満たすようにして、
αiTの時間内には、記録パワーPwi(1≦i≦m)の記録光を照射し、
βiTの時間内には、バイアスパワーPbi(1≦i≦m、Pbi<Pwi、Pbi<Pwi+1)の記録光を照射し、
nTの時間的長さを有する複数の記録マークを形成し、
複数の記録マーク間は、消去パワーPe(Peは、1≦i≦mにおけるm個のPbiそれぞれの値以上であり、1≦i≦mにおけるm個のPwiそれぞれの値よりも小さい値である。)の記録光を照射することによって、前記書換型光記録媒体に記録を行い、
(A−2)ライトワンス記録モードにおいては、
情報の記録を行う書換型光記録媒体の半径位置における線速度が、前記書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録線速度よりも速くなるように前記書換型光記録媒体を回転させた状態で、
nTの時間的長さを有する記録マークを、記録パワーPwHの記録光とバイアスパワーPbHの記録光とを照射しうる一つのブロックパルスを用いて形成することによって、前記書換型光記録媒体に記録を行い、
(A−3)DC消去モードにおいては、
情報の消去を行う書換型光記録媒体の半径位置における線速度が、前記書換型光記録媒体の書換可能な記録線速度の範囲内となるように前記書換型光記録媒体を回転させた状態で、消去パワーPDCの記録光を照射することによって、前記書換型光記録媒体の情報の消去を行い、
(A−4)前記書換記録モードを実行した後に前記ライトワンス記録モードを実行する場合、又は、前記ライトワンス記録モードを実行した後に再度前記ライトワンス記録モードを実行する場合には、前記DC消去モードを行って前記書換型光記録媒体に記録されている情報を消去する、
ことを特徴とする。
また、書換記録モードにおいて、記録パワーPwiを1≦i≦mにおいて一定値PwLとし、前記バイアスパワーPbiを1≦i≦mにおいて一定値PbLとすることが好ましいことは、上記[2B]で説明した通りである。
同様に、書換記録モードのバイアスパワーPbLを、ライトワンス記録モードのバイアスパワーPbHと等しくすることが好ましいことも、上記[2C]で説明した通りである。
上述したように、リライタブルDVDのような書換型光記録媒体の相変化型記録層は、例えば出荷時や販売時などには初期状態として結晶状態(消去状態)となっているため、この状態でライトワンスメディアとして用いることができる。このため、このような初期状態の書換型光記録媒体に対しては、本発明の記録再生装置にこの書換型光記録媒体を挿入後、ライトワンス記録モードで記録を実行することによって、書換可能な最大記録線速度より速い記録線速度での記録が可能となる。
本発明の記録再生装置に用いる、レーザ露光装置や書換型光記録媒体の駆動装置等は、従来公知のものを用いることができる。
[3]本発明に用いる好適な相変化型記録層を有する光記録媒体
以下、本発明に用いる光記録媒体の具体的な態様について、リライタブルDVDを例にいくつか説明する。
相変化型記録層を有する光記録媒体の具体例としては、基板上に、第一保護層(下部保護層)、記録層(相変化型記録層)、第二保護層(上部保護層)、反射層、及び保護コート層をこの順に有する層構成をとり、基板を通してレーザ光を照射することにより信号の記録再生を行う光記録媒体(基板面入射型の光記録媒体)を挙げることができる。
本発明において好ましいのは、高データ転送レートが可能な書き換え型相変化型の光記録媒体である。このような光記録媒体は、通常、結晶化速度の速い記録材料を記録層に用いることによって実現できる。
[3A]記録層
記録層としては、例えば、GeSbTe、InSbTe、AgSbTe、及びAgInSbTeといった系列の化合物が繰り返し記録可能な材料として選ばれる。これらの中で、Sb2Te3とGeTeの疑似2元合金を主成分とする組成、より具体的には、{(Sb2Te3)1-α(GeTe)α}1-βSbβ組成(ただし、0.2≦α≦0.9、0≦β≦0.1)、あるいは、Sbを50原子%以上含むSbを主成分とする組成のいずれかであることが多い。
そのひとつは、記録層材料を、Teを概ね10原子%以上含みつつ、Sb70Te30共晶組成よりも過剰のSbを含有する合金が主成分である組成範囲とすることである。この記録層材料を、以下において、SbTe共晶系と呼ぶ。ここで、Sb/Teは3以上とすることが好ましく、4以上とすることがより好ましい。
記録層にSbを主成分とする組成を用い、結晶状態を未記録・消去状態とし、非晶質マークを形成して記録を行う場合、冷却効率を良くすることが非常に重要となる。これは以下の理由による。
以下、Sbを主成分とする組成の具体例についてさらに説明する。
上記(SbxTe1-x)1-yMy組成においては、xは、通常0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上であり、一方、通常0.9以下とする。また、yは、通常0以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上であり、一方、通常0.3以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。x、yを上記範囲とすれば、高速記録に対応可能な記録層を得ることができるようになる。
また、Sn、Cu、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Coを上記GeSbTe共晶系の組成に含有させることもできる。これらの元素は、ごく微量の添加により、結晶成長速度を低下させることなく、結晶化温度を上昇させ、さらなる経時安定性の改善に効果がある。ただし、これら元素の量が多すぎると特定の物質の経時的偏析や繰返しオーバーライトによる偏析が起こりやすくなるため、添加量は5原子%以下、特に3原子%以下とするのが好ましい。偏析が生じると、記録層が初期に有する非晶質の安定性や再結晶化速度等が変化して、オーバーライト特性が悪化することがある。
上記TeM2GeSb系の組成においては、Teを含有することで超高速記録における消去比の経時的変化を改善することができるようになる。このため、Teの含有量を示すγは、通常0以上とするが、好ましくは0.01以上、特に好ましくは0.05以上とする。ただし、Teが過度に多いと、ノイズが高くなる場合があるため、γは、通常0.1より小とする。
以上において最も好ましい組成の一つは、InpSnqTerGesSbt(0≦p≦0.3、0≦q≦0.3、0<p+q≦0.3、0≦r<0.1、0<s≦0.2、0.5≦t≦0.9、p+q+r+s+t=1)なる合金系を主成分とする組成である。TeとIn及び/又はSnとを併用する場合は、(p+q)/r≧2とするのが好ましい。
一方、クラックを生じにくく、かつ十分な光学的コントラストを得るためには、記録層膜厚は100nm以下とするのが好ましいが、より好ましくは50nm以下とする。これは、熱容量を小さくし記録感度を上げるためである。また、上記範囲とすれば相変化に伴う体積変化を小さくできるため、上下の保護層に対する、繰り返しオーバーライトによる繰り返し体積変化の影響を小さくすることもできる。ひいては、不可逆な微視的変形の蓄積が抑えられノイズが低減され、繰り返しオーバーライト耐久性が向上する。
上記記録層は、通常、所定の合金ターゲットを不活性ガス、特にArガス中でDCまたはRFスパッタリングして得ることができる。
また、記録層の密度は、バルク密度の通常80%以上、好ましくは90%以上とする。ここでいうバルク密度ρとは、通常下記(1)式による近似値を用いるが、記録層を構成する合金組成の塊を作成して実測することもできる。
(ここで、miは各元素iのモル濃度であり、miρiは元素iの原子量である。)
スパッタ成膜法においては、成膜時のスパッタガス(通常、Ar等の希ガス。以下、Arの場合を例に説明する。)の圧力を低くしたり、ターゲット正面に近接して基板を配置するなどして、記録層に照射される高エネルギーAr量を多くすることによって、記録層の密度を上げることができる。高エネルギーArは、通常スパッタのためにターゲットに照射されるArイオンが一部跳ね返されて基板側に到達するものか、プラズマ中のArイオンが基板全面のシース電圧で加速されて基板に達するものかのいずれかである。
[3B]基板
基板には、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの樹脂、あるいはガラスを用いることができる。なかでもポリカーボネート樹脂はCD−ROM等において最も広く用いられている実績もあり安価でもあるので最も好ましい。基板の厚さは、通常0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上であり、一方、通常20mm以下、好ましくは15mm以下である。一般的には0.6mm〜1.2mm程度とされる。基板面入射型の光記録媒体においては、基板はレーザ光を透過する必要があるため、レーザ光に対して透明である必要がある。一方、膜面入射型の光記録媒体においては、基板は必ずしも透明である必要はない。
[3C]保護層
記録層の相変化に伴う蒸発・変形を防止し、その際の熱拡散を制御するため、通常記録層の上下一方または両方、好ましくは両方に保護層が形成される。保護層の材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一般的には透明性が高く高融点である金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物等の誘電体を用いることができる。
繰り返し記録特性を考慮すると、保護層の膜密度はバルク状態の80%以上であることが機械的強度の面から望ましい。誘電体の混合物を用いる場合には、バルク密度として上述の一般式(1)の理論密度を用いる。
保護層は通常スパッタ法で形成されるが、ターゲットそのものの不純物量や、成膜時に混入する水分や酸素量も含めて全不純物量を2原子%未満とするのが好ましい。このために保護層をスパッタリングによって形成する際、プロセスチャンバの到達真空度は1×10-3Pa未満とすることが望ましい。
[3D]反射層
光記録媒体においては、さらに反射層を設けることができる。反射層の設けられる位置は、通常再生光の入射方向に依存し、入射側に対して記録層の反対側に設けられる。すなわち、基板側から再生光を入射する場合は、基板に対して記録層の反対側に反射層を設けるのが通常であり、記録層側から再生光を入射する場合は記録層と基板との間に反射層を設けるのが通常である。
反射層材料の好ましい例としては、純AgまたはAgにTi,V,Ta,Nb,W,Co,Cr,Si,Ge,Sn,Sc,Hf,Pd,Rh,Au,Pt,Mg,Zr,Mo、Cu、Zn、Mn、及び希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含むAg合金を挙げることができる。経時安定性をより重視する場合には添加成分としてはTi,Mg又はPdが好ましい。上記元素の含有量は、通常0.01原子%以上、好ましくは0.2原子%以上、一方、通常10原子%以下、好ましくは5原子%以下である。
なお、上部保護層の膜厚を40nm以上50nm以下とする場合には特に、反射層を高熱伝導率にするため、含まれる添加元素を2原子%以下とするのが好ましい。
また、10-4Paより悪い到達真空度で成膜するなら、成膜レートを1nm/秒以上、好ましくは10nm/秒以上として不純物が取り込まれるのを防ぐことが望ましい。あるいは、意図的な添加元素を1原子%より多く含む場合は、成膜レートを10nm/秒以上として付加的な不純物混入を極力防ぐことが望ましい。
[3E]保護コート層
光記録媒体の最表面側には、空気との直接接触を防いだり、異物との接触による傷を防ぐため、紫外線硬化樹脂や熱硬化型樹脂からなる保護コート層を設けるのが好ましい。保護コート層は通常1μmから数百μmの厚さである。また、硬度の高い誘電体保護層をさらに設けたり、その上にさらに樹脂層を設けることもできる。
[3F]その他
なお、ここでは、リライタブルDVDとして1層構造のものを例に説明したが、これに限られるものではなく、他の構造のもの(例えば2層構造のものやそれ以上の多層構造のもの、2層構造で片面入射型のものや両面入射型のものなど)にも本発明を適用することができる。
基板のトラックピッチが0.74μm、溝幅0.32μm、溝深さ32nm、厚み0.6mmのポリカーボネート基板上に、Arガスを用いたスパッタリング法により、(ZnS)80(SiO2)20保護層を80nm、In3Ge3Sb70Te20記録層を14nm、(ZnS)80(SiO2)20保護層を22nm、Ta拡散防止層を2nm、Ag反射膜を100nm、この順に形成した。
第1保護層は、Arガスを導入し成膜圧力を2.6×10-1Paとし、成膜パワー2kWのRFスパッタリングで形成した。
記録層は、成膜圧力2.1×10-1Paとし、成膜パワー300WのRFスパッタリングで形成した。
拡散防止層は、成膜圧力1.7×10-1Paとし、成膜パワー500WのDCスパッタリングで形成した。
反射層は、成膜圧力6.4×10-1Paとし、成膜パワー750WのDCスパッタリングで形成した。
このディスクを線速度5m/sにおいて高出力半導体レーザを用いて初期化を行った。ここで、初期化レーザパワーは1400Wとした。
記録及び記録信号の特性評価には、波長650nm,NA=0.65のパルステック社製光ディスクテスタDDU1000を用いた。
ここで、クロックジッターとは、再生信号をイコライザとLPFを通過させた後に、スライサにより2値化信号とし、該2値化信号のリーディングエッジとトレーリングエッジのPLLクロックに対する時間のずれの標準偏差(ジッター)をクロック周期:Tで規格化したものである。詳細な測定方法は、DVD−ROM規格書やリライタブルDVD規格書に規定されている。
次に、記録線速度を基準線速度の1倍,2.4倍,4倍とする場合に実際に使用した記録ストラテジー(2Tパルス分割ストラテジー)をそれぞれ表3,表4,表5に示す。尚、表3,4,5において奇数マーク(nTマークにおいてnが奇数の場合)のストラテジーを規定する記録パルス長の係数αi’と冷却パルス長の係数βi’は、表を見やすくするためにそれぞれαiとβiの欄に記載した。
さて、書換記録可能範囲を確認するために、上記表1に示されるような記録ストラテジーを用いて10回オーバーライトした記録信号のクロックジッターを測定した。その結果を下記表7に示す。4倍速まではクロックジッターが9%以下であり良好な結果が得られている。
そこで、書換可能範囲を超える5倍速以上の線速度では、上述の実施形態で説明した1つのパルス(ブロックパルス)で記録するストラテジー(ブロックパルスストラテジー)を用いて追記型記録を実施した。実際に使用した、ストラテジーを下記表9に示す。
次に、8倍速で追記型記録をした信号の上に、DC消去をすることなく直接2.4倍速で信号を一回上書きする実験を行った。ストラテジーは上記表1にある通り(1Tパルス分割ストラテジー)とした。重ね書きした信号のクロックジッターは7.2%であった。更にその上に2.4倍速でもう一度重ね書きを行ったところクロックジッターは7.1%であった。すなわち、これは追記型記録をしてもユーザが書換型記録モードを選択すればDC消去を経ることなく直接上書きができるということを示している。
301,401 2mTの記録マークの長さ
302,402 (2m+1)Tの記録マークの長さ
303,403 n=2m(=10)の場合の分割記録パルスの記録パルス列
307,406 n=2m+1(=11)の場合の分割記録パルスの記録パルス列
304〜306,308〜310,404,405,407,408,410 区間
Claims (7)
- 相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の前記相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、様々な時間的長さnT(Tは基準クロック周期、nは2以上の整数)を有する非晶質状態の記録マークを形成することにより情報を記録する場合に用いる光記録方法であって、
(M−1)記録速度が、前記書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録速度の範囲内である場合は、
時間的長さnTを、
η1T、α1T、β1T、α2T、β2T、・・・、
αiT、βiT、・・・、αmT、βmT、η2T
(mはパルス分割数であり、iは1以上m以下の整数である。Σi(αi+βi)+η1+η2=nである。αi(1≦i≦m)は0より大きい実数であり、βi(1≦i≦m−1)は
0より大きい実数であり、βmは0以上の実数であり、η1及びη2はそれぞれ−2以上2
以下の実数である。)の順に分割し、少なくとも一つの記録マークの時間的長さは、前記パルス分割数mを2以上とし、かつ、全ての記録マークの時間的長さは、n/m≧1.25を満たすようにして、
αiTの時間内には、記録パワーPwi(1≦i≦m)の記録光を照射し、
βiTの時間内には、バイアスパワーPbi(1≦i≦m、Pbi<Pwi、Pbi<Pwi+1)の記録光を照射して、
nTの時間的長さを有する複数の記録マークを形成し、
前記複数の記録マーク間には、消去パワーPe(Peは1≦i≦mにおけるm個のPbiそれぞれの値以上であり、1≦i≦mにおけるm個のPwiそれぞれの値よりも小さい値である。)の記録光を照射し、
(M−2)前記記録速度が、前記書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録速度よりも速い場合は、
nTの時間的長さを有する記録マークを、記録パワーPwHの記録光とバイアスパワーPbHの記録光とを照射しうる一つのブロックパルスを用いて形成し、
前記記録速度が、前記書換型光記録媒体に記録された情報が書換可能な記録速度よりも速い場合において、
前記nT(nはk 0 以上の自然数、k 0 は2又は3)の記録マークを、k 0 T、・・、(
k 0 +(k 1 −1))Tの時間的長さを有する記録マーク(k 1 は整数)と、(k 0 +k 1 )
T以上の時間的長さを有する記録マークとに分け、
γ(γは0以上2以下の値)をnによって異なり得るものとし、
k 0 T、・・、(k 0 +(k 1 −1))Tの時間的長さを有する前記記録マークを形成す
る場合には、前記記録マークの始点からT dk T(T dk は−1から1の間の値)の時間だけ遅れた時点から前記記録パワーPwHの記録光の照射を開始し、前記記録マークの終点からγTの時間だけ早い時点において前記記録パワーPwHの記録光の照射を終了することによって記録マークを形成し、
(k 0 +k 1 )T以上の時間的長さを有する前記記録マークを形成する場合には、前記記録マークの始点から前記記録パワーPwHの記録光の照射を開始し、前記記録マークの終点からγTの時間だけ早い時点において前記記録パワーPwHの記録光の照射を終了することによって記録マークを形成することを特徴とする、光記録方法。 - 相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の前記相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、これに様々な長さの非晶質状態の記録マークを形成することにより情報を記録する場合に用いる光記録方法であって、
記録速度が書換可能な記録速度よりも速い場合は、一つの記録マークを形成するための記録パルスとして一つのブロックパルスを用い、前記記録マークの長さが所定長さ以上のときは、前記ブロックパルスの終了時期がデータ信号パルスの終了時期よりも第1所定時間だけ早くなるようにし、前記記録マークの長さが所定長さよりも短いときは、前記ブロックパルスの開始時期がデータ信号パルスの開始時期よりも第2所定時間だけ遅れるようにするとともに、前記ブロックパルスの終了時期がデータ信号パルスの終了時期よりも第1所定時間だけ早くなるようにするとともに、
記録速度が書換可能な記録速度以下の場合は、一つの記録マークを形成するための記録パルスとして複数の記録パルスからなるパルス列を用いることを特徴とする、光記録方法。 - 前記パルス列が、記録パワーレベルの先頭パルスと、冷却パワーレベルの冷却パルスと記録パワーレベルの記録パルスとの対が繰り返される後続パルス列と、最後尾の冷却パルスとからなるものとし、nT(n:3以上の自然数,T:クロック周期)の長さを有する記録マークを形成する場合であって、nが偶数であるときは、前記後続パルス列における一対の冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足したものが略2になるようにすることを特徴とする、請求項2記載の光記録方法。
- 前記パルス列が、記録パワーレベルの先頭パルスと、冷却パワーレベルの冷却パルスと記録パワーレベルの記録パルスとの対が繰り返される後続パルス列と、最後尾の冷却パルスとからなるものとし、nT(n:3以上の自然数,T:クロック周期)の長さを有する記録マークを形成する場合であって、nが奇数のときは、前記後続パルス列を構成する冷却パルスと記録パルスとの対のうち、最先の冷却パルスと記録パルスとの対及び最後の冷却パルスと記録パルスとの対以外の、一対の冷却パルスのパルス幅と記録パルスのパルス幅とを足したものが略2になるようにすることを特徴とする、請求項2又は3記載の光記録方法。
- 前記パルス列が、記録パワーレベルの先頭パルスと、冷却パワーレベルの冷却パルスと記録パワーレベルの記録パルスとの対が繰り返される後続パルス列と、最後尾の冷却パルスとからなるものとし、nT(n:3以上の自然数,T:クロック周期)の長さを有する記録マークを形成する場合であって、
前記後続パルス列を構成する記録パルスの数を、nが奇数であるか偶数であるかに関わらず同数にし、
nが奇数の場合は、前記後続パルス列を構成する、最先の冷却パルスのパルス幅、最先の記録パルスのパルス幅、最後の冷却パルスのパルス幅、及び最後の記録パルスのパルス幅から選ばれる少なくとも1つを、
nが偶数の場合の、最先の冷却パルスのパルス幅、最先の記録パルスのパルス幅、最後の冷却パルスのパルス幅、最後の記録パルスのパルス幅のそれぞれに対して変化させることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の光記録方法。 - 相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の前記相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、これに様々な長さの非晶質状態の記録マークを形成することにより情報を記録する場合に用いる光記録方法であって、
記録速度が書換可能な記録速度よりも速い場合は、一つの記録マークを形成するための記録パルスとして一つのブロックパルスを用い、前記記録マークの長さが所定長さよりも短いときは、前記記録マークの長さが所定長さ以上のときよりも、前記ブロックパルスの開始時期が所定時間だけ遅れるようにすることを特徴とする、光記録方法。 - 相変化型記録層を有する書換型光記録媒体の前記相変化型記録層の結晶状態を未記録・消去状態とし、これに様々な長さの非晶質状態の記録マークを形成することにより情報を記録する場合に用いられる記録再生装置であって、
記録速度が書換可能な記録速度よりも速い場合は、一つの記録マークを形成するための記録パルスとして一つのブロックパルスを用い、前記記録マークの長さが所定長さ以上のときは、前記ブロックパルスの終了時期がデータ信号パルスの終了時期よりも第1所定時間だけ早くなるようにし、前記記録マークの長さが所定長さよりも短いときは、前記ブロックパルスの開始時期がデータ信号パルスの開始時期よりも第2所定時間だけ遅れるようにするとともに、前記ブロックパルスの終了時期がデータ信号パルスの終了時期よりも第1所定時間だけ早くなるようにするとともに、
記録速度が書換可能な記録速度以下の場合は、一つの記録マークを形成するための記録パルスとして複数の記録パルスからなるパルス列を用いるように構成されることを特徴とする、記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003413893A JP4303575B2 (ja) | 2002-12-13 | 2003-12-11 | 光記録方法及び記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363145 | 2002-12-13 | ||
JP2003413893A JP4303575B2 (ja) | 2002-12-13 | 2003-12-11 | 光記録方法及び記録再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004206866A JP2004206866A (ja) | 2004-07-22 |
JP4303575B2 true JP4303575B2 (ja) | 2009-07-29 |
Family
ID=32828665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003413893A Expired - Fee Related JP4303575B2 (ja) | 2002-12-13 | 2003-12-11 | 光記録方法及び記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4303575B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100618350B1 (ko) | 2004-10-08 | 2006-08-31 | 삼성전자주식회사 | 저배속 광디스크에 데이터를 고배속으로 기록할 수 있는광디스크 기록장치 및 방법 |
CN101436414B (zh) * | 2006-04-28 | 2011-03-23 | 夏普株式会社 | 记录参数设定装置、方法和程序、记录有该程序的记录介质、信息记录介质、记录重放装置 |
KR20090013224A (ko) * | 2006-05-09 | 2009-02-04 | 코닌클리케 필립스 일렉트로닉스 엔.브이. | 디스크를 액세스하는 방법 및 장치 |
-
2003
- 2003-12-11 JP JP2003413893A patent/JP4303575B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004206866A (ja) | 2004-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4397751B2 (ja) | 光記録方法及び光記録装置 | |
JP2003305955A (ja) | 光記録媒体及び記録方法 | |
JP4354733B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2006044215A (ja) | 光記録媒体及びその製造方法、スパッタリングターゲット、並びに光記録媒体の使用方法及び光記録装置 | |
JP4078237B2 (ja) | 光記録媒体、光記録方法及び光記録装置 | |
TWI246078B (en) | Information recording medium | |
US7443776B2 (en) | Optical recording method | |
JP2004220699A (ja) | 光記録媒体 | |
JP4073581B2 (ja) | 光学的情報記録用媒体及び光記録方法 | |
JP2002074741A (ja) | 光学的情報記録用媒体 | |
JP3882532B2 (ja) | 光学的情報記録用媒体及び記録消去方法 | |
JP4303575B2 (ja) | 光記録方法及び記録再生装置 | |
JP3870702B2 (ja) | 光学的情報記録用媒体及びその記録消去方法 | |
JP2006221712A (ja) | 相変化型光記録媒体とその記録方法及び転移線速の評価方法 | |
JP4410081B2 (ja) | 光記録方法 | |
JP2007098933A (ja) | 光記録媒体 | |
JP4393806B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP4086224B2 (ja) | 光記録媒体及び光記録方法 | |
JP2003242683A (ja) | 情報記録媒体 | |
JP4231434B2 (ja) | 情報記録媒体 | |
JP3903811B2 (ja) | 光学的情報記録用媒体及び記録消去方法 | |
JP2005035058A (ja) | 相変化型光情報記録媒体 | |
JP2005193663A (ja) | 光記録媒体 | |
JP4452646B2 (ja) | 光学的情報記録用媒体の製造方法及び初期化装置 | |
JP3620597B1 (ja) | 光情報記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20051222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060331 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060421 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061102 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090407 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090424 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4303575 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140501 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |